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(3) 検定統計量の有意確率にもとづく仮説の採否データから有意確率 (significant probability, p 値 ) を求め 有意水準と照合する 有意確率とは データの分析によって得られた統計値が偶然おこる確率のこと あらかじめ設定した有意確率より低い場合は 帰無仮説を棄却して対立仮説

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統計的データ解析

EBM の背景 医療費の増加 より効果的な診療を行う必要性 診療に役立つ情報収集の必要性 文献の検索と取捨選択を効率よく行うことが重要 患者の権利 に対する意識変化 知る権利 自分の体 病状 病気 可能な選択肢 治療方法を選択する権利 情報量の増加と通信技術の進歩 情報収集の迅速化 情報が増えたため

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172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 附録 H QUOROM から PRISMA へ 従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質

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目次 はじめに P 値の落とし穴 P 値に最も影響するもの P 値の落とし穴症例数は研究計画時に設計すべき 解析に用いられた症例数と研究に参加した症例数の食い違い 解析に用いられた症例数と研究に参加した症例数の食い違い除かれた標本の表記求められる症例数の設計 2

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事学前習準備 テキスト 教材の該当個所を事前に読んでおくこと ケースで学ぶ公衆衛生学第 2 版篠原出版新社 医学的研究のデザイン 木原雅子他訳メディカルサイエンスインターナショナル ロスマンの疫学 第 2 版 Kenneth J. Rothman 著篠原出版新社 講義 演習の課題 1 割 期末試験

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異文化言語教育評価論 ⅠA 第 4 章分散分析 (3 グループ以上の平均を比較する ) 平成 26 年 5 月 14 日 報告者 :D.M. K.S. 4-1 分散分析とは 検定の多重性 t 検定 2 群の平均値を比較する場合の手法分散分析 3 群以上の平均を比較する場合の手法 t 検定

4 月 17 日 4 医療制度 2( 医療計画 ) GIO: 医療計画 地域連携 へき地医療について理解する SBO: 1. 医療計画について説明できる 2. 医療圏と基準病床数について説明できる 3. 在宅医療と地域連携について説明できる 4. 救急医療体制について説明できる 5. へき地医療につ

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ウィメンズ ヘルス プロモーション概論 2 井村真澄 1 年次前期 授業の目的 リプロダクティブヘルス ライツやウィメンズヘルスに関する歴史背景 国際的動向 基盤となる理論 概念への理解を深め 女性の生涯を通じた健康課題について学び 女性とその家族に対する健康支援の充実に向けたエビデンスに基づく助産

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9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

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平成 28 年度感染症危機管理研修会資料 2016/10/13 平成 28 年度危機管理研修会 疫学調査の基本ステップ 国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース (FETP) 1 実地疫学調査の目的 1. 集団発生の原因究明 2. 集団発生のコントロール 3. 将来の集団発生の予防 2 1

仮説検定を伴う方法では 検定の仮定が満たされ 検定に適切な検出力があり データの分析に使用される近似で有効な結果が得られることを確認することを推奨します カイ二乗検定の場合 仮定はデータ収集に固有であるためデータチェックでは対応しません Minitab は近似法の検出力と妥当性に焦点を絞っています

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研究課題名 臨床研究実施計画書 研究責任者 : 独立行政法人地域医療推進機構群馬中央病院 群馬県前橋市紅雲町 1 丁目 7 番 13 号 Tel: ( 内線 )Fax: 臨床研究期間 : 年月 ~ 年月 作成日 : 年月日 ( 第 版

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

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本冊子の利用にあたって 本冊子は 能力強化研修で扱う内容を理解する上で助けとなるであろう統計学の基礎事 項を選択肢形式の問題として提示したものです 統計学に不安のある受講生は事前の学 習として活用ください 試験ではないので正答数自体は重要ではありません より効果的な学習 復習となるよ う 次のような

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本事業の意義 実効性 ( 見直しの必要性 ) 医療情報データベース基盤整備事業 ( 平成 23 年度 ~ 10 協力医療機関 ) 日本再興戦略 ( 平成 25 年 6 月 14 日 ) 医療 介護情報の電子化の促進 医薬品の副作用データベースシステムについて データ収集の拠点となる病院の拡充や地域連

目次 1. 調査概要 2. モニターの概要 3. 省エネ効果の検証 3-1. 省エネ行動実施率と省 CO2 効果 ( サンプル全体 ) 3-2. 省エネ行動実施率の比較 ( 属性別分析 ) 3-3. 費用対効果の試算 4. 省エネ効果向上策の考察 5. 家族向け実証の考察 5-1. 家族のまとめ 5

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2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

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解答のポイント 第 1 章問 1 ポイント仮に1 年生全員の数が 100 人であったとする.100 人全員に数学の試験を課して, それらの 100 人の個人個人の点数が母集団となる. 問 2 ポイント仮に10 人を抽出するとする. 学生に1から 100 までの番号を割り当てたとする. 箱の中に番号札

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別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

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臨床研究におけるRCTと観察研究

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これまでの検討経緯 2014 年 6 月 E17 EWG 設立 2014 年 11 月第 1 回対面会合 ( リスボン ) 2015 年 6 月第 2 回対面会合 ( 福岡 ) 2015 年 12 月第 3 回対面会合 ( ジャクソンビル ) 2016 年 5 月 -6 月 エクスパートによるサイン

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

課題名

3. 本事業の詳細 3.1. 運営形態手術 治療に関する情報の登録は, 本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます. 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database ( 以下,NCD) 図 1 参照 がとりまとめます.NCD は下記の学会 専門医制度と連携して

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記 1. 適用対象本通知は 製造販売業者等が GPSP 省令第 2 条第 3 項に規定する DB 事業者が提供する同条第 2 項に規定する医療情報データベースを用いて同条第 1 項第 2 号に規定する製造販売後データベース調査を実施し 医薬品の再審査等の申請資料を作成する場合に適用する GPSP 省

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論文内容の要旨

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切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. (

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

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Ⅰ. 日常の業務等におけるコンピュータ操作や統計データとのかかわりについて (1) 日常の看護業務や学習会などで, 下記のコンピュータを使った作業などを行うことがありますか また, 行っている方は, その作業をもっと上手に行いたいと感じていますか 作業を行うもっと上手にことは行いたいとっ項目たくう思

Transcription:

臨床研究企画開発学 -EBM とクリニカルクエスチョン - 北里大学医学部附属臨床研究センター (KCRC) 佐藤敏彦

医学研究の種類 臨床研究 ( ヒト ) 臨床観察研究 基礎研究 ( 動物 細胞 ) 臨床試験 治験 トランスレーショナル研究 疫学研究 ( 非臨床ー )

クリニカルクエスチョン 0. 疑問抽出 疫学研究によるエビデンス 1 エビデンス 2 Question? エビデンス 3 エビデンス 4 エビデンス 5 エビデンス 6 Answer 3. 適用 1. 収集 2. 評価

PECO & PICO EBM を実践する上で診療上の疑問 (CQ) では PECO(PICO) として明確化する Patient: 誰が Intervention/Exposure: どうすると Comparison: 何と比較して Outcomes: どうなるか例 ) 中高年男性の糖尿病患者において 強化療法を行った群は, そうでない群に比べて 5 年以内の合併症発生頻度が低くなるか

エビデンスを利用する側から 創る側へ クリニカルクエスチョンから リサーチクエスチョンへ

臨床研究における リサーチクエスチョン (RQ) クリニカルクエスチョンを文献検索によりこれまでの知見と照らし合わせ 研究をすることにより答えを求めるべき命題に再構築する 良い RQ とは シンプル : 幾つもの問いを含まない 明確 : 曖昧な言い回しを含まない 答えやすい :YES/NO その他 F easible I nteresting N ovel E thical R elevant Stephen B. Hulley

リサーチクエスチョンの種類 Diagnostic: 診断に関するもの Prognostic: 予後に関するもの Etiologic: 原因に関するもの Therapeutic: 治療の効果に関するもの

あえて分ければ 仮説検証型 探索型 仮設あり量的推測統計学検定あり厳密目標症例あり 仮説なし質的記述統計学検定なし柔軟目標症例なし Which or What

( 理想的な ) 研究の進め方 1. 研究テーマの案出 : クリニカルクエスチョンからリサーチクエスチョンへ あなたの疑問は解決済みではないのか? 研究で確かめることはできるのか? 2. 文献検索と批判的吟味 3. 研究チームの組織 4. 研究デザインの決定 5. 研究プロトコールの作成 6. 研究費の獲得 7. データの収集 8. 解析 9. 論文執筆

研究デザインの種類 観察 ( 記述 ) 研究 症例報告 症例対照研究 コホート研究 時系列研究 質的研究 介入 ( 実験 ) 研究 ランダム化比較対照試験 非ランダム化比較対照試験 統合型研究 メタアナリシス 決断分析 費用効果分析

バイアス ( 系統誤差 ) 真実の値から系統的に偏らせる要因 バイアスを減らすことがエビデンスレベルを高めることになる バイアスの種類 1. 選択バイアス 2. 情報バイアス 3. 交絡バイアス

エビデンスレベル - 研究が示すエビデンスの強さ バイアスの入り込む余地が少ないデザインほど強い とされる Ⅰa 複数の RCT のメタアナリシス Ⅰb 少なくとも一つの RCT Ⅱa 少なくとも一つの非ランダム化比較対照試験 Ⅱb 少なくとも一つの準実験的研究 Ⅲ コホート研究 症例対象研究 Ⅳ 症例報告等の記述研究 Ⅴ 専門家の意見 報告 しかし これはあくまでもデザインによる分け方 ダメなRCTは優れた症例対照研究に劣るかもしれない

structured abstract) JAMA こちらは普通の妙録

研究計画書に記載されるべき項 目 1. 背景と目的 ( 研究の必要性 妥当性 ) 2. 実施場所 3. 実施期間 4. 対象 ( 選択基準と除外基準 ) 5. 対象者数とその根拠 6. 方法 ( 研究デザインとデータ収集の手順と管理 ) 7. エンドポイント ( 何をもって結果を評価するか ) 8. 解析方法 9. 調査票またはデータシート 10. 倫理面への配慮 11. 研究組織 連絡先

対象を明確にすること 対象が均質なほど解析は楽で 多変量解析は後処理 対象が限られていると一般化は難しい 無視すればサンプリングバイアス 日本人における 女性における 40 歳代における 糖尿病患者における コントロール不良者における 合併症が無い者における

なぜ予め対象数を決めなければ ならないのか α エラーと β エラー α エラー = 第一種の過誤 (Type Ⅰ エラー ) β エラー = 第二種の過誤 (Type Ⅱ エラー ) 帰無仮説 :A と B に差があることを調べたいときに A=B とする 検定の結果帰無仮説が正しい帰無仮説間違い 棄却 Type Ⅰ エラー (α) 正しい ( 検出力 =1-β) 棄却できない正しい Type Ⅱ エラー (β) アルファはあわてんぼう= 偶然なのに真に差があるとしてしまう ベータはボンヤリ= 真に差があるのに差がないとしてしまう

仮説の検定 眼にした出来事は偶然か否か 出来事 ( イベント ) が起こる確率が何パーセント以下ならば偶然でないと断じることができるのか ( するのか )

真の平均値 100 と標準偏差 20 の母集団 95% 信頼区間 サンプル平均 標準偏差 サンプル数 10 の場合 :87.6~112.4 サンプル数 1000 の場合 :98.8~101.2 即ち 標準偏差が同じ 20 だとするとサンプル数が 10 だと真の平均値が 25 以上離れていないと有意な差 (5%) にならないのに対し 1000 だと 2.5 の違いで有意になる! 統計的有意差と臨床的有意差 ( 意味のある差は?)

研究デザインとデータ収集の方法 後向き ( レトロスペクティブ ) か前向き ( プロスペクティブ ) か 客観的データ ( 検査データ等 ) か主観的データ ( アンケートデータ等 ) か データベース化はどのようにするか 入力方法 誰がして どのように管理するか 情報管理者はバイアス制御の担保

倫理面への配慮 参加者への侵襲 ( 精神的 肉体的 ) 参加の自由意志 個人情報保護 研究実施の妥当性

臨床研究の 7 つのご法度 ( 福原俊一 ) データを取ってから研究デザインを考える リサーチクエスチョンが明確 具体的でない 対象が不明確 抽出方法 参入 除外基準を設定しない 主要なアウトカム変数を設定しない 変数の吟味しない 変数の測定方法の信頼性と妥当性を検討しない 解析計画を事前に作成しない サンプルサイズ パワー effect size を事前に設定しない 結果の解釈 統計的有意差のみで臨床的 社会的に意味のある差かどうかを検討しない

本日の一番重要なメッセージ 社会の役に立たないような ( エビデンスを生まないような ) 臨床研究は倫理的に問題がある 参加する患者さんは自分に不利益があるかもしれないのに社会の役に立つと思い研究に参加するのである 研究者個人の興味のみで臨床研究を実施してはならない 実施意義のあるしっかりとした研究計画をたてることが必要である