KPMG 台湾ニューズレター

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13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

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ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

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Transcription:

KPMG Taiwan Newsletter KPMG Taiwan Newsletter 2015-16 2015 年 11 月 日台租税協定の締結と企業税務管理における新たな契機 背景 2015 年 11 月 26 日 日本と台湾間の日台租税協定が締結されました 双方の法制定手続の完了後 正式な発効となります この租税協定により 日台間の取引により生じた各種所得について 二重課税の回避の規定に基づき 企業の合理的な租税権益が保障されることになります また 租税争議の解決と租税の公平性維持のため 双方の税務に関する協力範囲の拡大に関する内容も含まれています 日台租税協定による日本企業に対する主要な影響 源泉税率の低減台湾法人から日本法人への配当 利息及びロイヤルティーの支払時の源泉税率が低減されます 事業所得の課税範囲の明確化台湾に恒久的施設 (PE) を有さない日本法人の台湾での事業所得が申請により免税となります 個人所得課税の非課税枠の拡大台湾において非居住者となる日本人の日本払給与の台湾での免税範囲が拡大されます 移転価格税制への影響台湾の税務当局からの移転価格の指摘に対して 日本の税務当局との対応的調整の申立てができるようになります また 移転価格調査リスク及び二重課税リスクを減少させることを目的とした二国間の事前確認 (APA) の申請が可能になります 日台租税協定の主要内容 適用対象 一方又は双方にて居住者と定義される個人及び法人 発効と適用日台租税協定は以下の通り適用が開始されます 源泉所得税については 本協定の発効日が属する年の翌年の1 月 1 日 ( 現実的には 2017 年 1 月 1 日 ) 以後に実際に支払われる所得に適用される その他税目については 本協定の発効日が属する年の翌年の1 月 1 日 ( 現実的には 2017 年 1 月 1 日 ) 以後にその課税年度が開始するものに適用される

各種所得に対する租税優遇措置の摘要まとめ 事業所得の免税海空運輸による利益の免税投資所得に対する減徴収税率の上限財産取引所得 企業が他方に恒久的施設 (Permanent Establishment 以下 PE と称する ) を持たない場合 又は PE を経由して事業を行っていない場合 当該企業は他方において免税とされる PE とは以下を指す 固定場所 PE: 支店 出張所 事業所 事務所 工場 作業場 鉱山発掘所 油田 天然ガス田 採石場又は 全てのその他天然資源採掘場所 工事 PE: 建設 建築現場 取付工事 又はそれらに関連する監督管理作業の継続期間が6カ月を超える場所 サービスPE: いずれか一方の企業が 従業員又はその他の人員を通じて他方に提供するサービス又は関連工程が 任意の12カ月間において合計 183 日を超える場合 当該サービスにはコンサルティングサービスを含む 代理人 PE: いずれか一方の領域内にいる他方の企業を代表する者に以下の状況の一つがある場合 当該企業は当該一方にPEを持つとみなす 1 当該一方の領域内において 代表としてその企業の契約締結権を擁し 経常的にその権限を行使している 2 契約代理締結の権限を有さないものの 一方の領域内において 当該企業に属する物品又は商品を経常的に貯蔵し また当該企業を代表して物品又は商品の供給や交付を行う 3 契約代理締結の権限を有さないものの 一方の領域内において 経常的に完全に又はほぼ完全に 当該企業や当該企業の支配を受ける企業からの指図を受ける 海空運輸企業が他方での業務により取得した利益について 当該会社は他方で免税とされる 共同経営又はその他国際運営機構に参与し取得した利益は 今回の協定で規定された海空運による利益の範囲に属する ただし当該経営への参与比率に基づき算出した利益に限る 配当 : 10% 利息 : 10%( 一部の特殊な利息は免税 ) ロイヤリティ : 10% 不動産の譲渡いずれか一方の居住者が他方の不動産を使用又は譲渡したために生じた所得は他方において課税される 会社株式の譲渡一方の居住者が他方の会社の株式 又は組合又は信託の権益 ( 当該株式又は権益の 50% 以上の財産価値が直接又は間接に他方の不動産より構成される場合に限る ) を譲渡し 取得した収益は他方において課税される 個人役務所得 いずれか一方の居住者が独立した身分又は被雇用の形式で他方にて個人役務

に従事し 取得した所得については他方にて課税される 他方にて雇用され役務を提供し取得した所得は 以下の条件に適合する場合 他方での所得税は免除される 課税年度内に開始 又は終了するいずれの12カ月間における他方での居留日数が合計で183 日を超過しない 所得が他方の居住者ではない雇用主又は雇用主を代表する者から給付される 所得が雇用主の他方での恒久的施設によって負担されたものではない 税務争議の解決方法関係会社間取引において いずれか一方が移転価格調整を受けた場合 税務当局間の相互協議を通じた対応的調整が図られます 対応的調整と相互協議手続いずれか一方の又は双方の措置により この協定の規定に適合しない課税を受けた 又は受けることになると認める者は 双方各自が定める救済手段とは別に 自己が居住者している一方の税務当局に対して 対応的調整の申立てをすることができる 当該申立ては この協定の規定に適合しない課税に係る当該措置の最初の通知の日から3 年以内に提出しなければならない いずれか一方の税務当局は 上述の申立てを正当と認めるが 適切に当局独自で解決することができない場合には この協定の規定に適合しない課税を回避するため 他方の税務当局との相互協議手続を通じ 解決するよう努める 相互協議による決定は 双方の法令上のいかなる期限規定にかかわらず 実施されなければならない KPMGの見解これまでも台湾は日本にとって重要な経済 貿易上のパートナーであり 密切な取引が行われてきました 日台租税協定の締結は 企業の直接的な節税効果に加えて 税務争議事項の解決にもつながります 1 各種所得に対する租税優遇について租税負担の低減に関して 最も直接的な影響がある部分は配当 利息 ロイヤリティの支払時における源泉徴収税率が最高で20% から10% まで低減するという点です また 一般の多国籍企業でよく見受けられるグループ間での管理サービスや技術サービス等の事業所得に関して これまでは支払時に一般には20% の源泉徴収税率が適用されていましたが 事業所得の免税適用を申請することが可能となります 個人役務所得については 当地にて所得が課税される居留日数が90 日から183 日に延長されます 個人の租税負担の低減だけでなく 従業員を派遣する企業にとってもより柔軟な計画が可能となります 2 台湾におけるPE 認定について日系企業が台湾での不測の課税を受けることを避けるため 台湾にPEを有するとみなされないよう 取引や業務を計画する際にPEの定義を確認する必要があります 3 税務争議の解決方法について

双方の税務機関が移転価格調査を実施した際 相互協議手続 (MAP) により二重課税リスクを低減する ことが可能となります 相互協議と対応的調整日台租税協定の発効後 関係会社である日本法人 A 社と台湾法人 B 社の取引について 台湾税務当局がB 社の課税所得に関して独立企業原則 (Arm's length principle) に基づいて移転価格の調整をした場合 B 社は台湾税務当局に対応的調整を申請し 双方の税務主務機関の相互協議手続 (MAP) により二重課税リスクを低減することができます 相互協議と二国間事前確認制度事前確認制度 (APA) とは 関係会社間取引における移転価格の妥当性について 取引の実行に先立って関係当事国の税務当局に事前に確認を求める制度を言います 日台租税協定 の発効後 上記のA 社及びB 社は 取引の実行前に日本及び台湾税務当局の双方に二国間 APAを申請することができます 双方の税務当局が相互協議により移転価格に合意した場合 移転価格調査リスクや二重課税リスクを効果的に回避することが可能になります 台湾は日本を始め 主要な貿易相手国との租税協定を順次締結しています 日台租税協定の発効により 台湾の租税協定 ( 協議 ) ネットワークの成形が期待されます 企業は 当該日台租税協定の締結および2015 年 8 月 25 日の両岸 ( 台湾 中国 ) 租税協議の締結を受け 全体的な視点から自社グループの業務計画を見直すことが求められる可能性があります また 自社グループにとって 有利に租税協定を活用できる施策がないかどうかの確認を行う必要があると考えられます KPMG では日台租税協定に関するセミナーを 12 月 7 日より台北 台中 台南及び高雄にて開催いたします セミナーの詳細は下記リンクをご参照ください https://www.kpmg.com/tw/zh/documents/for%20evite/2015/12071211%e6%97%a5%e5%8f%b0%e7%a7%9f%e 7%A8%8E%E5%8D%94%E5%AE%9A.pdf

KPMG Taiwan Network 台中事務所台中市西屯区 40758 文心路二段 201 号 7F TEL :04 2415 9168 FAX:04 2259 0196 日本業務組主要担当者紹介 台北事務所台北市信義路 5 段 7 号 68F TEL :02 8101 6666 FAX:02 8101 6667 台南事務所台南市中区 700 民生路 2 段 279 号 16F TEL :06 211 9988 FAX:06 229 3326 新竹事務所新竹市科学工業園区展業一路 11 号 TEL :03 579 9955 FAX:03 563 2277 高雄事務所高雄市前金区中正四路 211 号 12F の 6 TEL : 07 213 0888 FAX: 07 271 3721 日本業務組連絡先 ( 日本語対応可能 ) 台北事務所 TEL:02 8101 6666( 代表 ) / FAX:02 8101 6667 パートナー李宗霖内線番号 :02337 / 直通 TEL:02 8758 9946 / Email: johnnylee@kpmg.com.tw 林琇宜内線番号 :02587 / 直通 TEL:02 8758 9688 / Email: slin1@kpmg.com.tw 陳彦富内線番号 :02909 / 直通 TEL:02 8758 9995 / Email: byronchen@kpmg.com.tw 友野浩司内線番号 :06195 / 直通 TEL:02 8758 9794 / Email: kojitomono@kpmg.com.tw 記帳部門 ( 記帳代行 個人所得税 給与計算等 ) パートナー蔡文惠内線番号 :00584 / 直通 TEL:02 8758 9992 / Email: eileentsai@kpmg.com.tw 登記部門 ( 会社設立 ビザ取得等 ) シニアマネジャー李美儀内線番号 :02340 / 直通 TEL:02 8758 9780 / Email: migilee@kpmg.com.tw 日本人顧問奥野雄助内線番号 :14735 / 直通 TEL:02 8758 9751 / Email: yusukeokuno@kpmg.com.tw 石井顕一内線番号 :15359 / 直通 TEL:02 8758 9926 / Email: kishii1@kpmg.com.tw 発行責任者 KPMG 台灣日本業務組統括李宗霖 kpmg.com/tw 2015 KPMG, a Taiwan partnership and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative ("KPMG International"), a Swiss entity. All rights reserved. The KPMG name, logo and cutting through complexity are registered trademarks or trademarks of KPMG International.