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46 直線加速器導入に伴う治療計画装置の線量検証岡山大学病院医療技術部放射線部門杉原誠治, 青山英樹, 大塚裕太, 井俣真一郎松浦龍太郎, 藤井俊輔, 宇野弘文, 田原誠司, 稲村圭司 背景 目的 治療計画装置のコミッショニングは, 放射線治療における安全を担保する上で非常に重要な作業である. 本報告は, 当施設に直線加速器が新規導入された際の 臨床使用前における治療計画装置の線量検証の一部 及び各患者の治療 Plan の検証結果を検討 考察したものである 使用機器 方法 使用機器は, 直線加速器 (Oncor : Siemens 社製 ), 治療計画装置 (Xio ver.4.6.0 : エレクタ社製 ),Blue Pantom(IBA 社製 ),WP1D(IBA 社製 ), Famer 型電離箱 (PTW 社製 ),CC13 CC01 型電離箱 (IBA 社製 ) を用いた. 検証を行ったビームはコンベンショナルビームであり, 照射野 5 cm 5 cm ~10 cm 10 cm を基準に In,cross-line 両方のデータでモデリングを行った. 検討項目は,X 線の 4 10 MV に限定し PDD,OCR,ISO-Center Dose (Open Field) (Wedge Field) である. 検討項目の基準として ESTRO BOOKLET NO. 7 の値を用いた. また, 治療プランの絶対線量検証として,X 線の 4 10 MV を用いた治療プラン (128 症例 ) の各門に対し, ガントリー角度 0,SSD 90 cm の条件で Farmer 型電離箱を用い, 水ファントム 10 cm 深の吸収線量を測定し治療計画装置の値と比較を行った. 結果 実測の PDD は,4 MV の全ての照射野サイズにおいて治療計画装置の PDD と同等の結果 ( 誤差 1% 以内 ) を得た. また,10 MV の全ての照射野サイズにおいても治療計画装置の PDD と同等の結果 (0.5% 以内 ) を示した. OCR に関しては 実測と治療計画装置の誤差が 4 MV の Cross-line において Penumbra 領域で一部の照射野サイズ において 10% を超えるものがみられたが, 10 MV では In Cross-line ともに 4 MV よりも誤差が小さい結果となった ISO-Center Dose を計算アルゴリズムを Superposition Convolution Clarkson に変化させ実測との誤差を検討した結果,Open Field では 4 10 MV ともにすべてのアルゴリズムで誤差が ±1.4% 以内となった. Wedge Field では,4 MV の Clarkson において誤差が ±7.0% となったが, 4 MV のその他及び 10MV のすべてのアルゴリズムで 95% 信頼区間が ±3.0% 以内となった. 治療プランの絶対線量検証における誤差は,4 MV のプランで 95% 信頼区間が 1.1±5.8% となり 10 MV のプランでは 95% 信頼区間は 0.4±2.4% だった. 考察 本報告は, 完全均質状態のみの結果であることが問題としてあげられる. 不均質状態や電子線の検証を実施する場合は, 臨床開始までの時間的な制約を考慮した内容においての QA が重要になると思われる. 本報告で使用した Oncor と Xio の組み合わせのみの結果ではあるが,X 線の 4 MV は 10 MV と比較して実測データに対するビームモデリングの制約が多いことが観察された. 以上を踏まえると, 治療計画装置のビームモデリング方法の詳細及び直線加速器の特性を把握することはビームモデリング精度を確保する上で重要だと考えられる. 結語 臨床使用前における治療計画装置の線量検証は, 日常使用の安全確保および計算精度の限界を把握するために必須の作業である. 107

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48 肺定位放射線治療における線量評価 - 肺 模擬腫瘍混合ファントムを用いた計算アルゴリズムの検討 - 岡山大学病院医療技術部放射線部門藤井俊輔, 青山英樹, 大塚裕太, 井俣真一郎, 杉原誠治村崎昌洋, 松浦龍太郎, 香川芳徳, 宇野弘文, 田原誠司, 稲村圭司 目的 本報告は, 肺定位放射線治療において, 治療計画装置の計算アルゴリズムを変化させた臨床プランにおける線量評価指標の比較および肺 模擬腫瘍混合ファントムでの実測による線量評価を行ったものである. 方法 計算アルゴリズムは XiO(ELEKTA 社製 ) の Clarkson 法と Superposition 法 ( 共に不均質補正 +) を使用した. 臨床プラン 32 症例を, 各計算アルゴリズムで計算し,PTV の D95, PTV 内平均線量, 肺の V20, 肺平均線量, homogeneity index の 5 項目について比較を行った. また, 肺 模擬腫瘍混合ファントム ( 前立腺 IMRT 用 phantom BS40 (IBA Dosimetry) に Tough lung phantom( 京都科学 ) を積層したもの ) を用いて, 治療計画装置の計算結果と実測データの比較を行った (Fig.1). 模擬腫瘍 ( 水等価物質 ) は, 測定に用いる電離箱 (PinPoint Chamber 31016) を覆うように設置する事が可能であり, ファントム中心部に位置している. 検証 Beam 数は 98 本で, 臨床プランと同一照射条件で測定を行った. 結果 PTV の D95 と PTV 内平均線量の比較では, Superposition 法の方が Clarkson 法よりも低線量側に分布する結果となり, 約 2 Gy 程度の差が生じた. また, 肺の V20, 肺平均線量, homogeneity index の比較では, Fig.1 肺 模擬腫瘍混合ファントム BS40 Superposition 法,Clarkson 法とも同様の分布となり, 顕著な差は観察されなかった. 治療計画装置の計算結果と実測データの比較では, 平均値で Superposition 法 :0.14%, Clarkson 法 :-4.90% の差異であった. 95% 信頼区間は Superposition 法 :-1.88~2.16%, Clarkson 法 :-8.26~-1.55% となった. 考察 結語 Clarkson 法は, 不均質領域での線量減弱を考慮しておらず, 線量を過大評価する傾向にあることが確認できた. また, 実測データより, 治療計画装置の計算結果との差異が大きいため, 臨床で使用する際には線量増加も考慮すべきではないかと考える. 不均質部における計算アルゴリズムの精度検証は, 本報告で用いたような不均質モデルのファントムを使用して精度確認を行うことが有用である. したがって, 高精度な計算アルゴリズムは, 従来使用のアルゴリズムとの比較検証を実施した上で臨床導入することが望ましいと考える. 109

49 複数の治療計画装置を用いた前立腺 IMRT 計画について 坂東良太 1), 岸太郎 1), 川下徹也 1), 原康男 1), 佐々木幹治 1), 福永有希子 下窪康史 1), 武市直也 1), 増井悠太 1), 高志智 1), 木村雅司 1),2), 多田章久 目的 富永正英 2), 生島仁史 1) 徳島大学病院診療支援部放射線技術部門 2) 徳島大学大学院保健科学教育部医用情報科学領域 現在,IMRT 機能が付加された治療計画 装置 (TPS) は複数の業者により販売されて いる. 当院では, 既存の TPS を含め 4 つの TPS が導入されたため, 前立腺 IMRT の計 画を立案し比較検討を行った. 対象 方法 対象は当院にて IMRT の適応となった 15 例とした. 医療用直線加速器は Novalis Tx 15X(BrainLAB),TPS は Eclipse(VARIAN), Pinnacle(PHILIPS), XiO(ELEKTA), iplan(brainlab) を用いた. 線量制約とし ては, 直腸体積 V40Gy 50%,V60Gy 25%, V75Gy 5%, 直腸壁 V40Gy 65%,60 Gy 35%, V70 Gy25%, 膀胱体積 V40Gy 50%,V65Gy 25%, 膀胱壁 V40 Gy 65%, V70Gy 35%, PTV-rectum D95 76Gy,CTV V100 99.5% である. 結果 CTV,PTV は各 TPS 間でほとんど差は みられなかった. 直腸体積は Pinnacle> Eclipse>iPlan>Xio の順に規定線量を順 守していた ( 図 1). 膀胱体積は Eclipse> Pinnacle iplan>xio の順に規定線量を 順守していた ( 図 2 ). 総合的には Eclipse Pinnacle>iPlan> Xio の順に良 い結果が出ていた. 考察 Eclipse は PTV と rectum の重なった部 Volume (%) Volume (%) 120 100 80 60 40 20 0 120 100 80 60 40 20 0 2) 1), 1), Eclipse Pinnacle Xio iplan V40 V60 V70 V75 0 2000 4000 6000 8000 10000 Dose (cgy) 図 1: 直腸体積の DVH Eclipse Pinnacle Xio iplan V40 0 2000 4000 6000 8000 10000 Dose (cgy) 図 2: 膀胱体積の DVH V65 分での微調整が他 TPS と比較し簡単で有 利.Pinnacle はセグメント数が少ないため 照射時間が一番短く有利.Xio は PTV と rectum の重なりが少ない場合に有 利.iPlan は計画時間が一番短いため有利. 症例ごとに一番良い DVH が異なるため, 複 数の TPS を用い比較検討した上で治療実施 することが望まれる. 結論 今回の検討ではいずれの TPS についても 概ね線量制約を満たす計画を行うことが可 能であった. 110

50 複数の治療計画装置を用いた前立腺 IMRT 線量検証について 高志智 1), 岸太郎 1), 川下徹也 1), 原康男 1), 佐々木幹治 福永有希子 1), 下窪康史 1), 武市直也 1), 坂東良太 1) 1), 増井悠太 1), 木村雅司 1),2), 多田章久 1), 富永正英 2), 生島仁史 1) 徳島大学病院診療支援部放射線技術部門 2) 徳島大学医学部保健学科 2) 背景 目的 現在,IMRT 機能が付加された治療計画装置 (TPS) は複数の業者により販売されている. 当院では,4 つの TPS が導入されたため前立腺 IMRT の計画を立案し, その後線量検証を行い比較検討した. 使用機器及び方法 医療用直線加速器 NovalisTx 15X(BrainLAB). 治療計画装置 Eclipse(VARIAN),Pinnacle(PHILIPS), Xio(ELEKTA),iPlan(BrainLAB). ファントム RT-2300 Cylinder(R-TECH). 電離箱線量計 TN-30013(PTW). フィルム RTQA2(ISP). フィルム解析装置 D.D.system(R-TECH) を使用した. 対象は当院で IMRT の適応となった 10 例とした. 絶対線量検証は, アイソセンター (I.C.) で Farmer 型線量計を使用した. 相対線量検証は RTQA2 を使用し, 測定断面は I.C. 上の冠状面 (coronal) と矢状面 (sagittal) とした. 評価はγ 解析 (3mm,3%, Th:30%) による pass 率とした. 結果 Eclipse,Pinnacle,Xio,iPlan での絶対線量検証結果は概ね 1% 以内であった (Fig.1). 相対線量検証結果は coronal, sagittal 共に Eclipse>Pinnacle XiO iplan という関係であった (Fig.2). 考察 絶対線量検証は I.C. のみでの評価であり, 前立腺 IMRT 検証時の I.C. では, 線量勾配の緩やかで且つ, 高線量領域となるため TPS ごとの線量誤差が少なかったと考えた. 前提として, 相対線量検証は全 TPS のコミッショニングを行なっているためビームデータは影響しない. リーフの動き方や セグメントの影響, つまり最適化後のリーフセグメンテーション方法に影響があると考えた. 結論 全 TPS の絶対線量検証は, 概ね 1% 以内であった. 平均的な相対線量検証結果は Eclipse が良い結果となった. しかし, 症例によって, 他 TPS の Pass 率が良いの場合もあった. 相対線量検証の結果では多少の差は生じたが全 TPS で概ね 95% 以上の pass 率であり, 実際に治療を行う上では満足のいく検証結果であった. Fig.1 各 TPS の絶対線量検証結果 Fig.2 各 TPS の相対線量検証結果 (coronal) 111

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52 インプラントマーカーによる前立腺 IMRT 位置確認の検討 < 目 的 > 前立腺 IMRT における IGRT において 画像誘導 の方法には骨構造を利用したものや超音波画 像による方法などいくつかあるが 前立腺内に 埋め込まれたインプラントマーカーを利用し た画像誘導の精度について 2 種類の方法にて 比較を行い 有効な方法を検討する < 使用機器 > Linac Novalis Tx BrainLAB ポータルイメージング (PI) Varian コーンビーム CT (OBI-CBCT) ExacTrac X-Ray(Exac) BrainLAB 社 Offline Review Varian インプラントマーカー (3 個埋め込み ) 金マーカー ( 長さ 5mm 直径 0.5mm) < 方法 > 対象症例を Ir192 による組織内照射を併用し た 11 症例 ( 外照射 40Gy 2Gy-20fr) とする 位置確認方法はポータルイメージング ( 以下 PI) とエグザクトラック X 線撮影システム ( 以 下 Exac) を用いる Offline Review によってマッチング後の CBCT の画像からマッチング誤差 ( 距離 cm) を測定し 比較する また 各撮影方法について撮影およ びマッチングの時間を測定し比較する 撮影およびマッチングは 5 名の治療に関わる 技師のうち 2 名で担当した < 結 果 > 症例毎の測定距離 (cm) PI 4 症例 Exac 7 症例 高知大学医学部附属病院放射線部佐々木俊一症例毎の撮影 マッチング時間 ( 分 ) PI 4 症例 Exac 7 症例 < 考察 > PI による撮影では MV-X 線を使用するため 他の機器に依存しない撮影が可能であるが 撮影が終わるまで時間がかかる また 股関節等の前立腺周囲に骨構造が多いため マーカーの確認が困難となり マッチングに時間を要する また同様の原因で Vrt 方向のエラーの発生が多く見られた Exac による撮影では 初期の段階でのエラー発生が多かったが 治療回数と共に安定した これは装置に対する習熟によるものと考えられる また撮影装置の位置が固定のため 画像取得が短時間で済み 患者スループットにおいて有効である どちらの方法でも移動距離 4mm 以上エラーの出現した症例 1 例あったが その症例でマーカー 3 個のうち 1 個が当初の位置から移動したことにより マッチング時にエラーが伴ったと考える このようなマーカー自体の移動を確認するため 定期的なコーンビーム CT 撮影等による確認が必要と考える 113

53 2D-Matchig 時の幾何学的条件によって生じる照合誤差の基礎的検討 1) 島根県立中央病院放射線技術科小川邦夫 1 甲斐功一 1 山田正雄 1 岩崎一人 1 松田和久 1 [ 背景 ] 当院のリニアックには On-Board-Imager(OBI) が搭載されており 患者セットアップ時にX 線画像の取得が可能である 治療計画時の CT 画像から作成した Digitally-Reconstructed-Radiography(DRR) との Matching により位置照合を行っている [ 目的 ] セットアップエラーが生じた時の OBI 画像と DRR との 2D-Matching による照合誤差について基礎的検討を行ったので報告する [ 使用機器 ] Trilogy(Varian 製 ) Eclipse(Varian 製 ) OBI Application Ver.1.4(Varian 製 ) ISIS QA-1(TGM 2 製 ) Aquilion LB( 東芝製 ) [ 方法 ]ISIS QA-1 ファントム ( ファントム ) を治療計画 CT で撮影し Eclipse を用いて治療計画を行った この時 OBI の撮影条件を焦点被検体間距離 100cm 焦点検出器間距離 140cm とし同様の条件で DRR を作成した ファントムをリニアックにセットしセットアップエラーが生じた時と正確なセットアップ時の OBI 画像と DRR との比較を行った ファントムの測定点は前面と背面に設置した付属のビスの間隔 (5cm) とした ファントムの前面と背面の距離は 10cm であった セットアップエラーは1 焦点被検体間距離 2 焦点被検体間距離 =100cm で平行にずれた場合 の 2 点とした [ 結果 ] 正確なセットアップ時の計測値の平均値は OBI=5.063cm(SD=0.025), DRR=5.018cm(SD=0.0048) となり一致していた セットアップエラーが生じた場合には1では拡大率の変化によって測定値が変化した ( 表 1) 2ではセットアップエラーによって前面 背面同士の測定値に変化はなかったが 前面と背面との間隔が変化した ( 図 1) [ 考察 ] セットアップエラーによって OBI 画像と DRR とに乖離が生じ照合誤差の原因となる セットアップエラーが大きいほど乖離が大きくなるため正確なセットアップが重要である 治療ターゲットに近い標的で Matching をする事で照合誤差を減少できる [ 結語 ] セットアップエラーが 2D-Matching に与える影響について理解できた 表 1. 焦点被検体間距離の影響単位 [cm] 焦点被検体間距離測定値焦点被検体間距離測定値 100 5.00 100 5.00 99 5.05 101 4.95 98 5.10 102 4.90 97 5.15 103 4.85 96 5.21 104 4.81 図 1. ターゲット位置による測定値への影響 114

54 ExacTrac 使用時における前立腺 IMRT のセットアップエラーに関する検討 ( 第一報 ) -internal margin の検討 - 1) 2) 1) 上原千明富永正英佐々木幹治生島仁史三谷崇文徳島大学医学部保健学科, 徳島大学大学院 HBS 研究部 1) 2), 徳島大学病院 背景 目的 近年の前立腺 IMRT(Intensity modulated radiation therapy : 強度変調放射線治療 ) は, IGRT(Image-guided Radiotherapy: 画像誘導放射線治療 ) が用いられる.IGRT の手法として同室設置型 CT(In room CT: IRCT),ExacTrac X-ray system (ETXS) などがある.IRCT は, 医師が解剖学的な情報をもとに治療計画時の画像の石灰化などを目安にして照射位置を決めているため,PTV に正確な照射が可能となる. 一方,ETXS は斜入 2 方向の X 線撮影から得られた X 線画像と治療計画装置により再構成された治療計画時の CT 画像の DRR(digitally reconstructed radiography) 画像とのテンプレートマッチングによりアイソセンタ (IC) が計算される.ETXS は骨の情報で setup を行うため, 骨盤骨と前立腺の相対的な位置が変動すると照射位置も変動する. このために, ETXS で計算された IC は治療計画装置で決定された IC と異なる可能性があり, 大きな internal margin(im) が必要である. そこで,ETXS と IRCT を用いて, 前立腺 IMRT における ETXS を使用した場合の IM について検討する. 方法 1. 移動差 (EXIC と CTIC の距離 ) Lateral 方向を左右方向,Long 方向を頭尾方向, Vertical 方向を背腹方向と定義する. EXIC,CTIC の座標をそれぞれ (X E,Y E,Z E ),(X C,Y C,Z C ) とすると Lateral 方向の距離 X は,X=X C -X E と表される. 同様に Long 方向の距離 Y,Vertical 方向の距離 Z も求められる. これを図 1 に示す. を用いて IM の計算を行った. この計算式を以下に示す. margin=2.5σ+0.7σ 式を構成する margin は IM,Σ(systematic error) は治療期間の移動差の平均値の標準偏差,σ(random error) は治療期間の標準偏差の平均値を示している. 結果 各方向と IM の関係を図 2 に示す.IM は,Lateral 方向が小さく,Vertical 方向が大きくなった. それぞれの IM の値は,Lateral 方向が 0.20cm,Long 方向が 0.84cm,Vertical 方向が 1.35cm となった. 図 2:IM と各方向の関係 考察 IM の値は,Lateral 方向が小さく,Vertical 方向が大きな傾向を示した. 前立腺と直腸と膀胱の模式図を図 3 に示す. 前立腺の Vertical 方向上に直腸や膀胱があり, 便や尿の状態によって大きさが変化するため, 前立腺の位置が移動したと考えられる. このため, 治療計画時の前立腺と骨盤骨との相対的な位置が異なり,Vertical 方向の移動差が大きな値を示したことが推測できる. 移動差の値には症例ごとに個人差があった. これは, 直腸と膀胱の状態に個人差があったためであると考えられる. 図 1: 移動差 2.IM の計算方法各症例の各方向の移動差の平均値, 標準偏差を求める. 次に, Van Herk らにより提案されている式 図 3: 前立腺と直腸と膀胱の模式図 115

55 ExacTrac 使用時における前立腺 IMRT のセットアップエラーに 関する検討 ( 第二報 ) - 前立腺と直腸の位置に関する検証 - 1) 2) 1) 三谷崇文富永正英佐々木幹治生島仁史上原千明徳島大学医学部保健学科, 徳島大学院 HBS 研究部 1) 2), 徳島大学病院 背景 目的 第 1 報より ExacTrac X-ray system (ETXS) を用いて前立腺 IMRT の setup を行う場合, 同室設置型 CT (IRCT:In room CT) に比べて大きな internal margin が必要であることがわかった.IRCT は体内における軟部組織の位置関係から照合を行うため, 正確な setup が可能となる. 一方,ETXS は骨盤骨や大腿骨の情報によって照射位置の照合を行うため, 前立腺と骨盤骨の位置は一致しない可能性がある. 前立腺の周辺には膀胱や直腸が存在し, その中でも直腸は前立腺に近接しているため, 前立腺の体内の移動に関係していることが推測できる. そこで, 前立腺と骨盤骨の位置関係を IRCT と ETXS を用いて直腸の状態を解析し, 検討する. 使用機器 ExacTrac X-ray system BRAIN LAB 同室設置型 CT TOSHIBA Asteion single 治療計画装置(RTPS) Xio ver:4.6.0 寝台 TOSHIBA PRIMUS 方法 第一報と同様に, 徳島大学病院で前立腺 IMRT を行った 9 名の患者のデータを用いて,IRCT から算出されたアイソセンタ (IC) 座標と ETXS から算出された IC 座標の各方向成分の差分 ( 移動差 ) を計算した. 次に直腸に着目し, 検討項目として 1 直腸の縦軸 [cm], 2 直腸の横軸 [cm],3 直腸前壁から IC の距離 : D[cm],4 単位長さあたりの体積 :Vol[ml/cm] を計測して移動差と比較し, 相関係数 R で評価した. さらに相関係数表より有意水準 5%, 母数 n( 治療日数 ) となる R a を求め, これと相関係数 R を比較した. R >R a (1) 式 (1) が成立するとき有意水準 5% で相関がある. 結果 表 1に各方向の移動差と各検討項目との間で式 (1) が成立した人数を示す. 前立腺の Vetical 方向の移動は直腸の状態が関係していることが分かる. 表 1: 各方向の移動差と各検討項目との間で有意水準 5% の相関が確認できた人数縦軸横軸 D Vol Lateral 1 人 0 人 1 人 0 人 Long 4 人 0 人 0 人 5 人 Vertical 4 人 4 人 1 人 6 人 考察 IRCT と ETXS を用いて体内における前立腺と骨盤骨の位置関係を直腸に着目することで評価した. 直腸の縦軸および横軸,D,Vol の 4 つの項目を測定し, 移動差との相関係数を求めて検討した. 前立腺の Vertical 方向の移動は, 直腸と前立腺が近接しているため, 直腸における便やガスの状態によって変化する. また, 前立腺の Long 方向の移動については, 直腸に便やガスが多く残留している場合に, 前立腺が頭側に押し上げられることが推測される. 本研究では直腸に着目したが, 膀胱に貯留している尿量によっても前立腺が移動することが報告されている. 今後の課題として膀胱にも着目して検討を行う必要がある. 結語 直腸の状態が体内における前立腺の位置に影響することがわかった.ETXS を用いて前立腺 IMRT の setup を行う場合は 直腸の状態を十分に管理する必要がある. 116

56 ExacTrac system を用いた intrafractional setup error の検討 岡山大学病院医療技術部放射線部門大塚裕太, 青山英樹, 井俣真一郎, 杉原誠治, 藤井俊輔, 村崎晶洋松浦龍太郎, 香川芳徳, 宇野弘文, 田原誠司, 稲村圭司 背景 目的 ExacTrac system は, 主に interfractional setup error を減少させるのに有効な画像誘導装置である. 本報告は, 治療前後に ExacTrac system を用いて, 照射に要した時間と intrafractional setup error の関係について集計し, 検討と考察を行ったものである. 使用機器 方法 治療装置は, ONCOR impression Plus (SIEMENS 社製 ) である. 画像誘導装置には, ExacTrac system Ver.5.5(BrainLAB 社製 ) を用いた. 本報告における intrafractional setup error には, 治療前と治療後の位置修正量から算出した差を用いた. 位置修正データは,2011 年 1 月 ~7 月に治療を行った 50 症例を用い, 総画像誘導回数は 1083 回である. この症例を頭頚部, 胸部, 腹部 骨盤の 3 部位にわけて評価を行った. 位置修正量の評価方向は, 左右 (LR) 頭足 (SI) 腹背(AP) の 3 方向である. 照射に要した時間と intrafractional setup error の関係を示し,intrafractional setup error が 1 mm 以内になるものを部位ごとに評価した. 結果 fig.1 は照射に要した時間と intrafractional setup error の関係のグラフであり, 左右 頭足 腹背の順に示す.error が 1 mm 以内に収まるのは 頭頚部では,LR:90.3%,SI:96.1%,AP: 90.0% であった. 同様に, 胸部では LR:90.4%, SI:94.4%,AP:91.4%, 腹部 骨盤では LR: 95.6%,SI:96.9%,AP:94.6% となった. 考察 本報告の解析は,ExacTrac system の限定した使用方法からの結果であるため, 使用方法や運用を変えることによって, 異なる結果になる可能性がある. 一方, 本報告の intrafractional setup fig.1 照射に要した時間と intrafractional setup error の関係 error が安定していた要因として, 治療患者の容体が安定していたことが考えられる. また, 本報告における治療時間が, ほとんど 10 分未満であったことも一つの要因として考えられる. 頭足方向の intrafractional setup error が, 左右 腹背方向に比べて安定していたのは, 左右 腹背方向の方が体軸方向のねじれから生じる error が大きかったことが考えられる. 結語 本報告では,ExacTrac system によって評価した intrafractional setup error が, 治療時間に依存することなく, 各方向に対して概ね 90% 以上が 1.0 mm 以内であった. また,ExacTrac system の運用方法を工夫することによって intrafractional setup error の評価を容易に行えることを明確にした. 117

57 Set up margin に関する患者数と照合回数の検討 岡山大学病院医療技術部放射線部門 井俣真一郎, 青山英樹, 大塚裕太, 杉原誠治, 藤井俊輔 村崎晶洋, 松浦龍太郎, 香川芳徳, 宇野弘文, 田原誠司, 稲村圭司 背景および目的 Set up margin は, 各施設で蓄積された照合画像の解析を行うことによって, 設定することが可能である. しかし,set up margin 設定に必要な患者数と照合回数は, 明確にされていない. 本報告は, 患者数と照合回数を変化させたシミュレーションから set up margin の検討を行ったものである. 使用機器および方法 対象症例は,CT-Linac system( 東芝メディカル社製 ) を用いて画像誘導放射線治療を実施した前立腺癌 35 症例 (2008.8.18~2010.3.29) である. 総照合画像枚数は,1248 枚である. 本検討における 35 症例の set up margin は,van Herk の 2.5 Σ+0.7σから算出した. ここで, 最大限収得されたサンプル数から算出した set up margin を本研究における真値として取り扱うことと定義した. また, set up margin の真値に対する許容値は, 画像の分解能 ( 左右, 腹背方向 :0.94 mm / pixel, 頭足方向 :1 mm) を考慮して,±1.0 mm の範囲に設けた. 患者数と照合回数をシミュレーションする方法の詳細は, 患者数を 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35 人, 照合回数を 5, 10, 15, 20, 25, 30 回と変化させ, それぞれの組み合わせによる set up margin を求めた. 結果 35 症例から算出された set up margin は, 左右方向 :3.9 mm, 頭足方向 :9.0 mm, 腹背方向 : 10.3 mm であった. ここで,set up margin が本研究で定めた許容値に収束するための条件 ( 患者数, 照合回数 ) は, 左右方向 (5 人,15 回 ), 頭足方向 (15 人,10 回 ), 腹背方向 (25 人,10 回 ) が少なくとも必要となる結果であった. 考察 左右方向の set up margin は, 頭足, 腹背方向と比較した場合, 患者数と照合回数が増えるほど本研究で定めた真値に収束する傾向が観察された. 一方, 頭足, 腹背方向では, 不規則な変動が観察される結果となった. 原因は,set up error や CT の分解能および, 日々の直腸ガス増減が考えられる. したがって, 日常業務のスループットを重視することによる画像誘導の省略によって, 安易に少ない患者数と照合回数から設定した場合, 適切な set up margin が確保できない可能性がある. しかし, 各施設で使用している画像誘導装置の分解能を考慮し, 適切な許容値設定を実施することで, 本研究で提示したような患者数と照合回数よりも少ないデータから set up margin の算出も可能であることが推測される. 結語 Set up margin は, 可能な限り多くの画像を解析し, 設定することが望ましいと思われる. しかし, 本報告で検討したような,set up margin が一定の範囲内に収束する患者数と照合回数を変化させた手法から必要最低限の患者数と照合回数を各施設で検討する試みも必要ではないかと考える. 118

58 全身照射体厚補正バックを用いた全身照射における線量評価 岡山大学病院医療技術部放射線部門村崎晶洋, 宇野弘文, 青山英樹, 井俣真一郎, 杉原誠治, 藤井俊輔松浦龍太郎, 大塚裕太, 香川芳徳, 田原誠司, 稲村圭司 背景 目的 全身照射は, 造血幹細胞移植の前処置として行われる治療法であり, 全身に対し ±10% 以内の精度で照射する技術が要求される. 本報告は, 全身照射体厚補正バックを利用した 78 症例に関する線量測定結果の解析を実施したものである. また, 固定精度を始めとする運用上の問題点について検討と考察を行なった. 使用機器 方法 使用機器を以下に示す. 直線加速器 :PRIMUS KD2/7467( 東芝メディカルシステムズ社製 ), ファーマー型線量計 :30001(PTW 社製 ), 電位計 :RAMTEC 1000D( 東洋メディック社製 ), 半導体線量計 :EDD2(SCANTDITRONIX 社製 ), 電位計 :DPD510(SCANTDITRONIX 社製 ), 全身照射体厚補正バック ( 密度 :1.41 ~1.42 g/cm3, オリオン電機社製 ). 照射は, 以下に示す方法で実施した. 線種 :10 MV X 線, 線量率 : 8.4 cgy/min, 処方線量 :2 Gy/fr., 2fr./day,3 days, Total 12 Gy,Long SAD 法 (SAD : 450 cm), 左右対向二門照射. ここで, 基準線量および体厚補正方法を以下に示す. 各治療患者の MU 算出方法は, 骨盤部の左右方向 1/2 体厚から算出する. また, 体厚補正方法は, 頭頸部と下半身に対し, 骨盤部の左右方向体厚と可能な限り等しくなる様に全身照射体厚補正バックを設置する. 線量測定は, ファーマー型線量計を骨盤部に配置した. 半導体線量計は, 全身 5 箇所 ( 頚部, 胸部, 腹部, 骨盤部, 膝部 ) の入射側と射出側に配置し, 入射側および射出側の平均値を中心線量と定義した. 結果 ファーマー型線量計による骨盤部の 95 % 信頼区間は, 下限値 :1.99 Gy, 上限値 :2.01 Gy であった. また, 半導体線量計による全身 5 箇所の 95 % 信頼区間は, 以下の結果となった. 頚部 : 下限値 :1.99 Gy, 上限値 :2.02 Gy, 胸部 : 下限値 :1.98 Gy, 上限値 :2.02 Gy, 腹部 : 下限値 :1.98 Gy, 上限値 :2.01 Gy, 骨盤部 : 下限値 :1.98 Gy, 上限値 :2.00 Gy, 膝部 : 下限値 :1.99 Gy, 上限値 :2.02 Gy. 考察 結語 本報告における線量測定に関する問題点は,5 箇所のみの線量測定を実施したものであり, 全身照射体厚補正バックによって補正された全部位を詳細に測定した結果ではないことが挙げられる. また, 半導体線量計の設置位置精度の曖昧さや患者の体に貼り付けることによる温度依存性の検討についても今後検討し, 改善することが必要である. ここで, 半導体線量計の測定結果は, 入射側および射出側の測定から得られた線量を計算から算出して推定を行ったものであるが, 本報告で定義 採用した 入射側および射出側の平均値 とファーマー型線量計を Solid Water Phantom 内の中心に挟み込んだ中心線量との測定結果の比較は, 概ね 1.0% 以内での相違を観察するのみであった. したがって, 全身照射における体厚補正バックの利用は, 補正方法の簡便さ, 照射中の体位の安定性の向上, 比較的安定した線量測定結果の算出の可能性などを考慮した場合, 照射手技に対する負担の軽減や医療安全上の利点が大きいことを結論づけることが可能である. 119

59 IGRT システムにおけるイメージングプレートによる入射表面線量 < 目的 > 高知大学医学部附属病院放射線部 当院では高精度放射線治療統合システムが導 入され IMRT や定位放射線治療を行っている その位置合わせには ExacTrack X-Ray を使用 している 毎回 2 方向からの位置合わせを行う にあたって 患者の入射表面線量の把握と 位 置合わせの精度を損なわず撮影条件をどの程 度まで下げることができるのかイメージング プレート ( 以下 IP) を用いて検討した < 方法 > IP を使用して ExacTrack X-Ray の X 線管球と IP 読取り機の入出力特性を測定した また アクリルファントムを使用して管電圧や mas 値を変化させ ExacTrack X-Ray の FPD に映った撮影画像の画質の評価をランドルト 環 (5mm 厚 ) を用いた視認率により行った また 標準コントラスト ( 最適なコントラスト ) 強調コントラスト ( 最もコントラストを強くし たもの ) と画像の条件を変えて視認率で評価し た 次に アクリルファントムの下にカセッテ (IP) を置き 視認率が 50% 前後になる撮影条件で 撮影し IP 読取り機で digital 値を求め 変換 式 X 1 log 200 10 QR 10 32 10 4 4095-digital値 4095 で IP 到達線量に変換した これらの方法によ り IP 到達線量を患者の入射表面線量と仮定 した ExacTrac システムは骨での位置合わせの他に 前立腺に埋め込んだゴールドマーカーでの位 置合わせにも使用されるので ゴールドマーカ ーを使い 撮影条件を変えて見え方を確認した 都築明伊東賢二横田典和佐々木俊一 鈴木公彦明間陵下司博之 < 結果 考察 > 今回使用したアクリルファントム (30 20cm) において 視認率を 50% 以上とした場合 表 標準コントラスト管電圧 [kv] mas 値 入射表面線量 [mgy] 100 40 1 120 20 0.77 強調コントラスト 管電圧 [kv] mas 値 入射表面線量 [mgy] 100 40 1 120 13 0.5 のようになった 医療被曝ガイドライン 2000 において X 線単 純撮影における腹部 骨盤部の入射表面線量は 3mGy となっているので 120kV 13mAs の入 射表面線量は 0.5mGy なので 十分に低い値 だった また 100 120kV と同様に ゴールドマーカ ーは 3.2mAs でも確認できたが 周辺の情報 ( ガス 便など ) がないので 120kV の強調 コントラストで 13mAs は必要と考える < 結論 > 体幹部の撮影条件は 120kV 13mAs で 撮像 画像を強調コントラストにすることで位置を 把握するための画像としては十分である また 入射表面線量を低く保つことができる マーカーでの位置合わせでは 120kV の強調 コントラストで 13mAs あれば マーカーと周 辺の情報を確認できる 120

60 kvcbct の Half Fan scan における中心付近の吸収線量の検討 広島大学病院 診療支援部 放射線治療部門 河原大輔 大野吉美 中島健雄 相田雅道 河合信太朗 越智悠介 奥村拓朗 [ 目的 ] 近年 Cone Beam CT(CBCT) により治療前の位置照合を3 次元的に行うことができる. 撮像方法は Half Fan scan と Full Fan scan があるが, Half Fan scan は X 線束が中心付近をオーバーラップして撮像する. 今回我々は,Half Fan scan における中心付近の吸収線量を検討したので報告する. [ 使用機器 ] CBCT: CLINAC ix(varian) On-board-Imager 線量計: ガラス線量計 ( 旭テクノグラス株式会社 ) rando phantom(phantom raboratory) [ 方法 ] 1 水等価ファントム上にガラス線量計素子を配置し,Full Fan Scan( 専用 filter),half Fan Scan( 専用 filter あり ),Half Fan Scan(filter なし ) の 3 条件で撮像し比較. 2 水等価ファントム上にガラス線量計素子を配置し, Half Fan Scan mode で over lap 部分を縮めることで overlap 部分の線量比較を行う. 3Half Fan Scan mode で rando phantom に線量計を入れ撮像する. [ 結果 ] Full Fan Scan,Half Fan Scan(filter なし ) に比べ,Half Fan Scan(filter あり ) では周辺線量が低下する傾向が見られた. 左右では右側(gantry90 側 ) が左側 (gantry270 側 ) に比べ線量が高かった. over lap 領域 (Blade) を減らしても 2cm 以上でほとんど線量変化は見られなかった. Half Fan scan で rando phantom においても中心付近の線量増加が認められた. [ 考察 ] Half Fan scan では filter の影響で周辺部の線量低減が大きく行われている. また,Full Fan scan より影響が大きい. Half Fan scan では over lap 部分による中心付近の線量増加はほとんどない. 周辺線量においてカウチの影響( 減衰 ) で左右でも線量差が生じた. [ 結語 ] Half Fan scan における中心付近の吸収線量の検討を行なった. 周辺に比べ中心付近の吸収線量が高いことに最も影響するのは filter である. 121

61 前立腺 IMRT における体重変動と吸収線量についての検討愛媛大学医学部附属病院診療支援部放射線技術部門 本田弘文重松健吉伊達香織山本竜次横川新吾大元謙二吉本政弘 200 300 300mm から 160 260 300mm まで,H,W を均等に変化した. 結果 1. 最大体重減少が 2.5kg, 減少率 4.3% の時, 前立腺部で体厚が 4.1mm の減少が認められ, 平均 -1.8mm 減少していた. 2.IMRT の線量検証の線量精度の許容レベル 3% を,solid water と Eclipse 上の仮想水ファントムを用いると, ファントム表面から iso center 間の減少が約 9mm を超えると 3% の線量の増加が認められた. 背景 目的 前立腺 IMRT はシェルを用いて固定精度を高め, 治療計画時の体型を維持することにより, 処方線量を計画通り照射している. また, 頭頚部 IMRT は体重の変動が大きいため, 再プランニングを行ったりしている. 前立腺 IMRT でも, 体重の変動による, 再プランニングの必要性があるかどうか, 検討する必要がある.IGRT で行う CBCT のデータでは正確な線量分布を得ることができないため, 患者の体重変動による吸収線量の変化を, ファントムを用いて検討した. 使用機器 CLINAC ix, オンボードイメージャ (OBI), Eclipse Ver.8.6,DD-System, ファントム Solid Water, 電位計 RAMTEC smart, チェンバ PTW 30013, 画像解析ソフト Offline Review 検討項目 1. 臨床患者の体重の変動と前立腺部の体厚についての検討. 2.solid water を用いて iso center 上の, ファントム厚の減少による吸収線量の変化を検討.3. Eclipse 上で仮想水ファントムを作って, iso center 上のファントム厚の減少による吸収線量の変化と, DD-System での γ 解析の検討. 1. 臨床患者の体重の変動と前立腺部の体厚についての検討方法 前立腺 IMRT 患者 16 人に対して, 治療時の体重と治療 Plan 作成時の体重との差が最も大きい時の,CBCT を用いて収集した画像と治療 Plan 作成時画像を, 画像解析ソフト Offline Review 上で一致させ, 前立腺部の体厚変化量を測定した. 2.Solid water を用いてチェンバでの検討方法 2009 年 9 月から 2011 年 10 月までの前立腺 IMRT 治療を行った,31 症例の最少 MU 数 Plan. Solid water では H( 縦 )W( 横 )D ( 奥行き ) で, それぞれの厚みを増減出来ない為,H ( 縦 ) 方向のみ増減した. ファントム厚を 200mm から 180mm と変化しガントリー角度 0 度で測定した.* ガントリー角度 0 度で行うことにより, ファントム表面から iso center 間の距離が, H( 縦 )W( 横 ) 共に均等に変化したと仮定した. 3. 仮想水ファントムの検討方法 2009 年 9 月から 2011 年 10 月までの前立腺 IMRT 治療を行った,31 症例の最少 MU 数 Plan で,Eclipse 上での作成した仮想水ファントムを用いて H( 縦 ),W( 横 ),D( 奥行き ) DMLC 線量評価基準 3.0% 以内 3.IMRT の線量検証の γ 解析の許容レベル 95% を,Eclipse の仮想水ファントムを用いると, ファントム表面から iso center 間の減少が約 9mm を超えると Pass しなかった. γ 解析の許容値 95% 考察 前立腺 IGRT を行う時に CBCT を行うと, 体厚の変化を認めるが, 今回の臨床患者の体重の変動と前立腺部の体厚についての検討より, 最大 2.5kg, 減少率 4.3% の減少が認められたが, solid water と Eclipse の仮想水ファントムでの検討より,IMRT の DMLC 線量評価基準 3.0% 以内であると考えられる. 結語 IMRT の線量検証の線量精度の許容レベル 3% を, ファントム表面から iso center 間の減少が 9mm を超えると 3% の線量の増加が確認された. 体重の変動が起こらないように注意しなければならない. 122

62 IMRT における MU 独立計算ソフトの計算精度の検証広島大学病院診療支援部河合信太朗 大野吉美 中島健雄 相田雅道越智悠介 河原大輔 奥村拓朗 隅田博臣 背景 目的 IMRT は今後 QA 業務の効率化が課題となる 当院で使用している MU 独立計算ソフト RadCalc は簡便に MU 値の検証が可能であり IMRT における QA の一助として使用できると考えた IMRT 照射野における RadCalc 計算線量の精度評価を目的とした 対象 使用機器 2011 年 3 月から 8 月までに前立腺 IMRT にて放射線治療を行った 10 症例 治療計画装置 :Pinnacle3D ver8.0(philips 社 ) MU 独立検証ソフト :RadCalc ver5.2(ls 社 ) 方法 治療計画装置 ( 以下 Pinnacle) と RadCalc の MU 算出について以下の項目に関して検討を行った 1 臨床プランを使用した比較 2 固定具による SSD 算出の誤差を補正した比較 考察 3 固定具補正 (2)+ 不均質補正を解除し水 2-6の検討より1 臨床データの MU 誤差は等価とした比較 4ガントリ角度を 0 度に修低下し 平均値は 4.7% から 3.7~4.5% となっ正してファントムに照射した比較 5ガントた事から RadCalc の当院における前立腺リ角度補正 (4)+ 不均質補正を解除し水等 IMRT の計算アルゴリズム精度は約 4% の誤差価とした比較 6RadCalc にて線量誤差が最が存在し 今後簡易 IMRT プランの検討など小となる MLC 透過係数の検討を行い 補正をによるさらなる解析の必要性が示唆された 行った比較 また 各門ごとに MU 誤差の傾向がみられた 結果 ため RadCalc の IMRT 計算アルゴリズムは MLC セグメントの影響が大きく パラメータによっては倍以上の誤差がみられた事からセグメント情報を平均化して 1 つのパラメータとして算出する RacCalc の IMRT 計算アルゴリズムに要因があると示唆された 結論 RadCalc の線量誤差は平均 5% 以下であった 今後 臨床使用に向けてさらなる誤差要因の特定と誤差低減が必要である 123

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64 二種類の二次元検出器を用いた前立腺 IMRT に対する線量検証精度の比較 岡山大学病院医療技術部放射線部門 1), 岡山大学大学院保健学研究科 青山英樹 1), 大塚裕太 1), 井俣真一郎 1), 杉原誠治 1), 村崎昌洋 藤井俊輔 1), 宇野弘文 1), 笈田将皇 2), 田原誠司 1), 稲村圭司 背景 目的 本報告は, 前立腺 IMRT における線量 線量分布の治療前検証として, 従来から使用されている Film や電離箱に対し, 二次元に多数配列された半導体または電離箱から構成される二種類の検出器による線量検証精度の比較を行い, 検討と考察を加えたものである. 使用機器 方法 較は,4 4 cm 2 以上の照射野サイズにおいて 0.5% 以内に一致する結果となった. 一方で,3 3 cm 2 以下では, 約 2.0% 以上の相違が生じた.10 10 cm 2 における Film,MapCHECK,MatriXX の Beam profile( 特に Penumbra 部 ) の比較では, 何れも異なる形状を示す結果となった. 次に,16 例の治療前検証結果を以下に示す. 線量分布に 二次元検出器 : MapCHECK (Model 1175, おける Bland-Altman 分析は,Film vs. Sun Nuclear Co.), ImRT MatriXX (IBA Dosimetry) Film ( Kodak, X-Omat XV2 film ) Chamber (Scanditronix Wellhofer, CC01 ) Film 解析プリケーション : DD-IMRT (v 9.4) 三次元治療計画装置 : Xio (ver. 4.6.0., Elekta-CMS Software) 検討項目は, 各二次元検出器の物理特性 ( 出力係数,Beam profile 形状 ) および 16 例の治療前検証 (Total Beam : 112 本 ) に関する比較検証を実施した. 線量分布に関する検証は,Depth 10 cm, D/D 3.0% and DTA 3.0 mm(γindex : smaller than 1.0) にて実施した. 閾値設定は,Film: 10%, 30%, 50% と変化させ, 二次元検出器は,10% 固定とした. また, 中心線量測定は,Depth 10 cm での比較を行った. ここで, 二種類の二次元検出器間に存在する測定値の ばらつき が, どの程度のものかを具体的に検討するために, Bland-Altman 分析を本検討において導入した. 結果 まず, 物理特性 ( 出力係数,Beam profile 形状 ) に関する結果を以下に示す. 電離箱に対する MapCHECK および MatriXX との出力係数の比 MapCHECK:-7.4%~5.2%,Film vs. MatriXX: -9.1%~4.9%,MapCHECK vs. MatriXX:-5.1%~ 3.7% であった. 同様に中心線量に関しては, CC01 vs. MapCHECK: -2.6%~4.5%,CC01 vs. MatriXX : -6.0% ~ 4.3%, MapCHECK vs. MatriXX:-6.9%~4.0% であった. 考察 結語 Film,MapCHECK,MatriXX における線量分布の解析は, 同一の評価基準 (γ-method による Pass Rate) による比較を実施したとしても, 異なる Registration( 補間, 変換, 最適化計算 ) によって結果が算出されていることを理解することが重要であり, 相関係数等の単純な数値間の比較での検討では検出器間の詳細な相違を追究するには限界が生じると考えられる. また, 本報告では検討を行っていないが, 各検出器によって解析された線量分布 ( 画像 ) の相互情報量に注目し画像間の比較を試みれば, より詳細に結果の類似性を追求できる可能性が考えられる. 以上の結果から,IMRT の治療前検証は, 二次元検出器の短所 長所を理解して日常の QA 業務に導入すれば, 高精度な治療を安全に提供することが可能であることが結論づけられる. 2) 1) 1) 125

65 2 次元検出器を用いた DVH の評価精度について ~3DVH 臨床導入のための検討 ~ 中桐正人山田誠一清川文秋近藤和人山下大輔平田祐希園田泰章堀田優子 目的 二次元検出器 MapCHECK2 の新機能である 3DVH TM を臨床導入するために基本的な線量応答特性に関する評価を行った 方法 文献 (QARC-IMRT BENCHMARK) を基に治療計画装置にて PTV,OAR を含む仮想ファントムを入力後 10MV,7 門 IMRT プランを作成 3DVH ソフトにて線量評価を行った さらに 投与線量を増減したエラー計画線量を作成し 各線量の比較を行った 具体的にまず 臨床使用と同じようにオリジナルの TPS 線量 (A) と 3DVH での解析を行った測定線量 (B) の比較を行いこれを結果 (C) とする 次にオリジナル TPS 線量から総線量を ±5% させたエラー TPS 線量 (D) を作成し オリジナルの TPS 線量 (A) とのプランどうしで比較を行い 結果を (E) とする さらにエラー TPS 線量 (D) と測定線量 (B) との比較を行い 結果を (F) とする さいごに (E) と (F) の線量差の比較 (C) との関係を確認した ( 図 1) 3DVH 線量応答性が良好であれば もし (C) に差があるなら E と F の差にも同じ線量差が反映されることが予想される 結果 図 2 において 実際のビームから計算された測定線量はプランをリファレンスデータとした時の差が PTV で -1.96 OAR で -2.79% の差となった 比較 (E) はプラン同士の比較のため一定となり エラー TPS 線量をリファレンスとした時 -5% プランでは 5.26 +5% プランでは -4.76% の線量差となった 図 3 は 結果 (F) と (E) の比較での線量差が比較 C での差を反映しているか確認をするため (E) と (F) でさらに差をとり (C) との比較を行ったものである この結果 (E) と (F) の差は結果 C とほぼ同じような差となっていることがわかった まとめ 3DVH の基本的なの応答特性に関する評価を行った ±5% のエラーを含む計画線量 (D) と計測線量 (B) の比較においても線量差 (C) を加味した差が得られた その結果 3DVH ソフト上では線量 の増減はきちんと表現されることが確認できたが 線量の正確性の確認には更なる検討が必要と思われる 図 1: 検証方法 図 2: 結果 C 図 3:E と F の差 さらに C との比較 126

(IMRT) Gafchromic film 2 VerisoftPTW Verisoft Ver3.1( Ver3.1)2 Verisoft Ver4.0( Ver4.0) 2 1. Image J 500500 pixel 55 cm 2 (0.1 mm/pixel) 1Gy (-3.1 %+3.1 %) (0.1 mm ) Ver3.1 4.0 (3mm/3 %) (pass 100 %) 2. IMRT plan 20 Gafchromic film (RTQA2)Ver3.1 4.0 coronal composite 1.1 : 3 % Ver3.1 4.0 pass 100-3.1 % Ver3.1 4.0 pass 0 +3.1 % Ver4.0 pass 0 %Ver3.1 pass 51 % pass point 1.2 : Ver3.1 4.0 3.1 mm pass 100 %pass 0.5 mm 1.3 : Ver3.1 4.0 2. IMRT : Ver4.0 3.1 1.60.9 % (P < 0.01) 1.2 Ver3.1 4.0 0.5 mm 1.1 Ver3.1 1 tolerance 2 pass fail Ver3.1 Ver4.0 IMRT 1. (Ver3.1) 127