医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査

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目次 2 調査の概要 3 回答薬局の概要 4 1. 安全性情報の入手 伝達 5 2. リスクコミュニケーションツールの活用 薬局内でのインターネット活用等 27 望まれる方向 34 参考 1 PMDA 医療安全情報について 37 参考 2 医薬品リスク管理計画について 38 参考 3 リ

なお,PMDA メディナビでパスワードを設定済の方は, 共通のパスワードとなります (4) 登録完了 ( 図 2 ステップ 3) なお, 登録後, ログイン時は (1) で表示される画面で, ログイン画面へ をクリックし, メー ルアドレス及びパスワードを入力してください 図 1 PMDA メディナ

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301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

PowerPoint プレゼンテーション

1 1 調査の目的 調査の概要 1 平成 28 年 4 月より レセプトの電子請求を行っている保険医療機関及び保険薬局について 公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者 ( 全額公費負担の患者を除く ) から求めがあった場合にも明細書の発行が義務づけられたことを踏まえ 保険医療機関 保険薬局及

骨粗しょう症調査

薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

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3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

ご記入者について 所属部署 役 職 職種 1 薬剤師 2 医師 3 歯科医師 4 看護師 連絡先 電話 - - FAX - - アドレス 2

国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院医療に係る安全管理のための指針 第 1 趣旨本指針は 医療法第 6 条の10の規定に基づく医療法施行規則第 1 条の11 の規定を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 ( 以下 センター病院 という ) における医療事故防止について組織的に

回答者について 所属薬局の電話番号 ご回答者連絡先 所属薬局の FAX 2

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( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の


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後発医薬品への変更調剤について

こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

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201601

平成 30 年度調剤報酬改定に係る 都薬によくある問い合わせ ( 平成 28 年 ) 調剤基本料 1 ( 平成 30 年 ) 調剤基本料 1 の場合は提出不要 様式 87 の 3 地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類 2 麻薬小売業者免許証の番号 ( 届出する全薬局 ) 該当番号を記載 3

保険薬局におけるハイリスク薬取り扱い時の注意点

1. 医薬品の採用 購入 1) 国 ( 厚生労働省 ) が医薬品として承認しているもの ( 保険収載されていない医薬品を含む ) はその作用 効果及び副作用をよく理解した上で さらに複数の製品がある場合はそれらの品質や薬価を考慮し 採用を決定する 2) 一成分一品目 ( 一規格 ) を原則とし 採用

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02 基本診療料施設基準通知  現在版

スライド 1

2 院内処方 ( 入院外 投薬 ) 及び院外処方 ( 薬局調剤 ) における薬剤点数薬剤点数階級別件数の構成割合を入院外の投薬 ( 以下 院内処方 という ) 薬局調剤( 以下 院外処方 という ) 別にみると ともに 500 点未満 が最も多く それぞれ 67.0% 59.4% となっている また

< 追補 > ココデル虎の巻 平成 27 年度版 過去問題集 解説 2016 年 3 月 試験問題作成に関する手引き 正誤表対応 ここでは 2016 年 3 月に発表された正誤表による 手引き 修正で 影響のある過去問の 解説をまとめています 手引き 正誤表で影響のある( あるいは関連する ) 問題

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な


薬剤師が患者さんから 薬の問合せ 苦情 副作用の訴え で記憶に残っている製品 1 リリカ % 1 リリカ % 2 アミティーザ 5 1.3% 2 ロキソプロフェンNa( 一般名 ) 5 1.3% ロキソニン 5 1.3% 3 アミティーザ 4 1.1% 説明に苦労した 困った

図 1 左側は 全病院における病床規模の分布を 右側は回答者施設の病床規模の分布を示す 200 床以上 ~500 床未満 500 床以上では全体に占める割合に比べて回答者の割合がやや高く 200 床未満では やや低い 以下 回答施設全体の統計要約は この点を考慮に入れてみる必要がある 図 1 全病院

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

政策課題分析シリーズ14(本文2)

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

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目次 Ⅰ 調剤等に関する事項 1 処方せん 1 2 調剤等 2 3 処方せん 調剤録の保存 3 Ⅱ 調剤技術料に関する事項 1 調剤料 3 2 調剤料又は調剤技術料に係る加算 3 Ⅲ 薬学管理料に関する事項 1 薬剤服用歴管理指導料 3 Ⅳ 薬剤料等の請求 1 薬剤料 5 Ⅴ 事務的事項 1 届出事

過去の医薬品等の健康被害から学ぶもの

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

レイアウト 1 (Page 1)

市場調査における有害事象報告の実態について

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Ⅲ-3 試用医薬品に関する基準 平成 10 年 1 月 20 日公正取引委員会届出改定平成 13 年 3 月 19 日公正取引委員会届出改定平成 16 年 5 月 25 日公正取引委員会届出改定平成 17 年 3 月 29 日公正取引委員会届出改定平成 26 年 6 月 16 日公正取引委員会 消費

④資料2ー2

スライド 1

<様式2> 個人情報ファイル簿(単票)

( 裏白 )

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スライド 1

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に


相互作用DB

3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

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Microsoft Word - 報告書 最終1116.doc

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

添付 書の記載 それってどういう意味? ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構佐藤淳

家族の介護負担感や死別後の抑うつ症状 介護について全般的に負担感が大きかった 割合が4 割 患者の死亡後に抑うつ等の高い精神的な負担を抱えるものの割合が2 割弱と 家族の介護負担やその後の精神的な負担が高いことなどが示されました 予備調査の結果から 人生の最終段階における患者や家族の苦痛の緩和が難し

診療科 17 診療科 病床数 494 床 (ICU3 床 HCU5 床 無菌病室 1 床含む ) 病棟数 9 病棟 ( 一般病棟入院基本料 7:1) 外来患者数 1302 人 / 日 入院患者 437 人 / 日 地域がん診療連携拠点病院 病院機能評価認定病院 (Ver5.0) 平成 22 年度実績

02 入職 (1 年目 ) 2 写真 ( 脇さん ) No.1 就活している学生の皆さんへ! 私の場合は 条件がかなり限定的だったため 決めやすかったのですが 病院の特徴と薬剤科がどのような仕事内容なのかをしっかり説明して頂ける病院にしました それは 入職後に望んだ条件ではないのが分かったとしても

政策課題分析シリーズ14(本文4)

本日の内容 添付文書の改訂医薬品の添付文書がどのように作成され 改訂されるかを知る リスクコミュニケーション医療現場 行政 企業とのリスクコミュニケーションツールとその活用方法を知る 2

Microsoft PowerPoint - 参考資料

花粉症患者実態調査(平成28年度) 概要版


別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

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多剤投薬の患者に対する病院薬剤師の業務実態調査 以下につきまして 2016 年 4 月 1 日もしくは 1 ヶ月 (2016 年 4 月 ) の状況でご記入ください お答えいただく欄は最初 ピンク で網掛けされています 入力後 ピンク が消えるように設定されていますので すべて入力後 ピンク のない

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

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総合診療

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

第169・218回関東支部-9indd.indd

H1-H4

スライド 1

じ ) その他の処方せん医薬品又は高度管理医療機器の製造販売に係る業務の責任者との密接な連携を図らせること ( 安全確保業務に係る組織及び職員 ) 第四条第一種製造販売業者は 次に掲げる要件を満たす安全確保業務の統括に係る部門 ( 以下この章において 安全管理統括部門 という ) を置かなければなら

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医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

Untitled

処方時の薬剤選択ミス事例 事例 1 泌尿器科から発行された処方箋を調剤薬局が受けた 処方内容は Rp1. ザイティガ 錠 250 mg 1 錠分 1 14 日分朝食後服用 Rp2. 般 セフジニルカプセル 100 mg 3 カプセル分 3 7 日分毎食後服用であった ザイティガ 錠の用法 用量は プ

ニ後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している こと 4 施設基準 通知 第 36 の 3 外来後発医薬品使用体制加算 1 外来後発医薬品使用体制加算に関する施設基準 (1) 診療所であって 薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質 安全性 安定供給体制等の情

により算定する ただし 処方せんの受付回 数が 1 月に 600 回以下の保険薬局を除く により算定する 注の削除 注 4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合 ( 削除 ) しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には 基準調剤加算として所定点数に32 点を加算する

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3 薬局サービス等 (1) 健康サポート薬局である旨の表示 健康サポート薬局 である旨を表示している場合 健康サポート薬局 とは かかりつけ薬剤師 薬局としての基本的な機能に加えて積極的な健康サポート機能 ( 地域住民による主体的な健康の維持 増進を支援する機能 ) をする薬局をいいます (2) 相

別紙 医薬関係者の副作用報告ガイダンス骨子 本ガイダンス骨子は 薬局 薬剤部の機能を活用した副作用報告の推進に関する研究 ( 平成 28 年度厚生労働科学特別研究事業研究代表者益山光一 ) において 医療機関等からの副作用報告を促進するため 医療機関等における医薬関係者による副作用報告業務の参考とな

を追加する (2) 実施要領通知の報告様式別紙 1 医薬品安全性情報報告書 及び同報告様式別紙 2 医療機器安全性情報報告書 を別添のとおり変更する

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

に 正当な理由がない限り無償で交付しなければならないものであるとともに 交付が義務付けられている領収証は 指定訪問看護の費用額算定表における訪問看護基本療養費 訪問看護管理療養費 訪問看護情報提供療養費及び訪問看護ターミナルケア療養費の別に金額の内訳の分かるものとし 別紙様式 4を標準とするものであ

調査票を入力いただく環境について Adobe Reader のバージョンについて本調査票は Adobe Reader 11 以降のバージョンに対応しています (Adobe Reader11 より古いバージョンですと ファイルの保存の際に下記等のエラーメッセージが表示され ファイルの保存がされません

1 分析の主旨 ビタミン剤 うがい薬 湿布薬 保湿剤に関しては 医療費適正化の観点か ら 診療報酬改定で様々な対応を行ってきている 本分析は 2012 年度から2016 年度 ( 平成 24 年度から平成 28 年度 ) の調剤レセプトのデータを用いて これらの医薬品の薬剤料 数量等の推移を示したも

( 問 7) 病棟薬剤業務実施加算の申請には, 病棟に専任薬剤師を配置し, 週 20 時間以上および病棟業務日誌を書ける体制があり,DI 体制の申請書類をクリアすれば, 病棟数や床数での雇用薬剤師人数的な問題で申請却下されること はないのでしょうか? ( 答 7) 却下するか否かは当局の判断になると

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

Transcription:

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医薬品安全性情報の入手 伝達 活用状況等に関する調査調査概要 1. 調査目的本調査は 医療機関 薬局における医薬品安全性情報の入手 伝達 活用状況の実態 課題等を把握し 今後の臨床現場での適切な情報の入手 伝達 活用のあり方を検討し あるべき姿について提言することを目的として実施した (1) 調査対象全国の病院全数 :8,541 施設 1 全国の保険薬局の半数 2: 26,915 施設 1 1: 病院 保険薬局ともに 調査時点において 警戒区域及び計画的避難区域に所在する施設が対象となった場合には 調査票を発送しなかった 2: 都道府県別に半数の施設を無作為抽出した (2) 調査方法調査対象施設の医薬品安全管理責任者宛てに調査票を郵送した 医薬品安全管理責任者もしくは医薬品情報管理業務に従事する薬剤師等による自記式アンケート調査とし 回答方法はインターネット上のウェブ調査票での回答を原則としたが 紙面調査票の返送での回答も選択できるようにした (3) 調査期間平成 25 年 1 月 7 日 ~ 平成 25 年 2 月 28 日 (4) 調査項目 調査対象 病院 保険薬局 調査項目概要基本情報 施設属性 診療報酬算定状況 記入者概要安全性情報全般 院内薬局 薬剤部 ( 科 ) でのインターネットの活用等 医薬品の安全性情報の入手 伝達 活用状況 持参薬について 院外処方薬の安全性情報の管理 近隣の病院 診療所 院外の薬局との連携個別の薬剤の事例 デノスマブ ( 遺伝子組み換え ) アリスキレンフマル酸塩基本情報 施設属性 医薬品安全管理責任者概要安全性情報全般 薬局内でのインターネットの活用等 医薬品の安全性情報の入手 伝達 活用方法 調剤 ( 処方監査 ) 近隣の病院 診療所 他の薬局との連携個別の薬剤の事例 アリスキレンフマル酸塩 イブプロフェン -2-

2. 有効回収数 調査対象発送数対象数 3 有効回収数 ( 有効回収率 4 ) 調査 Ⅰ: 安全性情報全般 調査 Ⅱ: 個別の薬剤の事例 4,556 件 (53.4%) 4,435 件 (52.0%) 病院 8,541 件 8,536 件 ウェブ調査票 2,765 件 (32.4%) 2,644 件 (31.0%) 紙面調査票 1,791 件 (21.0%) 1,791 件 (21.0%) 17,276 件 (64.6%) 16,792 件 (62.8%) 保険薬局 26,915 件 26,738 件 ウェブ調査票 10,621 件 (39.7%) 10,137 件 (37.9%) 紙面調査票 6,655 件 (24.9%) 6,655 件 (24.9%) 3: 調査票を発送した施設のうち 廃院が確認された病院 5 施設 保険薬局 177 施設は対象から除いた ( 対象数 の数値参照) 4: 有効回収率は 対象数 に占める 有効回収数 の割合を示している -3-

医薬品安全性情報の入手 伝達 活用状況等に関する調査病院調査調査結果概要 回答施設の概要 1 日あたりの平均外来患者数は 99 名以下 が 40% 100~499 名 が 42% 500 ~999 名 が 10% 1000~1499 名 が 4% 1500 名以上 が 2% であった 病床数 ( 総数 ) は 20~49 床 が 8% 50~99 床 が 22% 100~199 床 が 31% 200~299 床 が 15% 300~399 床 が 10% 400~499 床 が 6% 500 床以上 が 7% であった 薬剤師数 ( 常勤換算 ) は 1 名 が 15% 2~4 名 が 46% 5~9 名 が 17% 10~19 名 が 12% 20~29 名 が 4% 30 名以上 が 3% であった 院内採用薬品数は 1~299 品目 が 7% 300~499 品目 が 22% 500~999 品目 が 40% 1000~1499 品目 が 21% 1500~1999 品目 が 8% 2000 品目以上 が 1% であった 回答施設の病床数 薬剤師数 院内採用薬数等の構成割合は 前回及び前々回の調査時と同様であった 1. 安全性情報全般に関する調査 (1) 院内薬局 薬剤部 ( 科 ) でのインターネットの活用等 薬剤部内での医薬品の安全性に関する情報収集の主な担当者は 医薬品安全管理責任者 が 51% DI 担当の薬剤師 が 30% であった 一方で 決まっていない 施設は 17% を占めた 問 1 病床規模が大きい施設ほど DI 担当の薬剤師 が担当することが多く 規模が小さい施設ほど 医薬品安全管理責任者 が担当することが多い傾向にあった また 決まっていない 施設の割合は 病床規模が小さい施設ほど高い傾向にあった 薬剤部内で日常的にインターネットを 利用している 施設は 90% であった 問 2 医薬品の安全性に関する情報収集にインターネットを 頻繁に利用している 施設は 63% 時々利用している 施設は 29% であった 問 3 病床規模が大きい施設ほど 安全性情報の収集にインターネットを利用している傾向があった 医薬品医療機器情報提供ホームページ( 以下 PMDA のホームページ ) 日常業務での PMDA のホームページの利用状況は 頻繁に利用している 施設が 41% 時々利用している 施設が 36% であった 一方 あまり利用していない 施設が 9% 全く利用していない 施設が 14% であった 問 4 病床規模が大きい施設ほど PMDA のホームページを利用する傾向があった PMDA のホームページに対する評価は 情報の内容のわかりやすさ 情報の重要度の判別しやすさ 必要な情報への辿りつきやすさ 必要な情報の探しやすさ では -4-

課題となる回答割合が高い傾向があった 問 4-1 PMDA のホームページを利用しない主な理由は 他の方法 手段で十分に情報収集ができるため (54%) インターネットを利用できる環境がなかったため (26%) PMDA のホームページの存在を知らなかったため (22%) が多かった 問 4-2 PMDAメディナビ 医薬品安全管理責任者が PMDA メディナビに 登録している 施設は 59% であった 問 7 病床規模が大きい施設ほど PMDA メディナビに登録している傾向があった PMDA メディナビに対する評価は 情報の内容のわかりやすさ 情報の重要度の判別しやすさ 必要な情報への辿りつきやすさ 必要な情報の探しやすさ では 課題となる回答割合が高い傾向があった 問 7-1 PMDA メディナビを これまで登録しなかった 登録していない 施設は 40% であり その理由として 他の方法 手段で十分に情報収集ができていたため (44%) PMDA メディナビの存在を知らなかったため (19%) 電子メールを利用できる環境がなかったため (18%) などが挙げられた 問 7-2 医薬品安全管理責任者以外で PMDA メディナビを登録している者がいない ( 院内に 1 名のみが登録 ) 施設は 49% であった 問 8 (2) 医薬品の安全性情報の入手 伝達 活用状況 日常的な 院内採用薬の安全性に関する更新情報の主な入手源とその割合は 以下のとおりであった 問 9 製薬企業の医薬情報担当者(MR) ( 69%) 製薬企業のダイレクトメール(DM) (44%) DSU ( 42%) PMDA メディナビ (32%) 医薬品 医療機器等安全性情報 (30%) PMDA のホームページ (24%) 医薬品卸販売業者(MS) ( 17%) 製薬企業のホームページ (15%) 製薬企業 PMDA 以外のホームページ (8%) 病床規模が大きい施設ほど MR PMDA メディナビ PMDA のホームページ を情報源とする割合が高い傾向があり 病床規模が小さい施設ほど DM MS を情報源とする割合が高い傾向があった (3) 持参薬 入院患者のうち 院内採用しておらず 院外処方もできない扱いの医薬品を持参する患者は 少なくとも 80% の施設で存在しており そうした患者の割合が 40% 以上である施設は 14% であった 問 11-5-

入院患者の持参薬の中に 院内採用しておらず 院外処方もできない扱いの医薬品があった場合の対応は 持参薬を使用している 施設が 62% で最も多かったが 持参薬が第一選択とならない対応は 代替薬 持参薬のどちらを使用するか 患者ごとに検討の上で決定している 施設が 22% 代替薬があれば院内採用薬を使用し 代替薬がなければ持参薬を使用している 施設が 14% であった 問 12 入院患者の持参薬の中に 院内採用をしておらず 院外処方もできない扱いの医薬品があった場合 87% の施設において薬剤師が安全性情報の入手 管理を行っていた また 薬剤師のうち 病棟担当 が 31% DI 担当 が 18% 調剤担当 が 11% であった 問 13 院内採用しておらず 院外処方もできない扱いの持参薬の安全性情報の入手源は 製薬企業のホームページ (50%) 市販の医薬品集 治療指針等の書籍 (47%) MR (44%) PMDA のホームページ (40%) が多かった 問 13-1 病床規模が大きい施設ほど PMDA のホームページ オーダリングシステム 電子カルテシステム等 を情報源とする割合が高く 病床規模が小さい施設ほど MS 市販の医薬品集 治療指針等の書籍 を情報源とする割合が高い傾向があった 院内採用しておらず 院外処方もできない扱いの持参薬の安全性に関する更新情報の入手源は MR ( 37%) DSU ( 31%) PMDA のホームページ (27%) 製薬企業のホームページ (27%) が多かった 情報収集していない 施設も 6% 存在した 問 14 院内採用しておらず 院外処方もできない扱いの持参薬について 患者背景 ( 腎 肝機能 検査値等 ) に合わせた用量調節や 併用薬の相互作用等の確認は 薬剤師 が 57% 医師 が 36% の施設で行っていた また 薬剤師のうち 病棟担当 が 53% であった 問 16 病床規模が大きい施設ほど 薬剤師が確認する割合が高い傾向があった (4) 院外処方薬の安全性情報の管理 院外処方箋を発行している施設 (84%) における院外採用薬品数は 1~299 品目 が 31% 300~499 品目 が 8% 500~999 品目 が 12% 1000 品目以上 が 6% 院外採用薬品数に 制限を設けていない が 34% であった また 院外のみで採用している医薬品はない 施設は 8% であった 問 19 病床規模が小さい施設ほど 制限を設けていない 施設の割合が高い傾向があった 院外採用薬に関する安全性情報の更新のための情報源は MR ( 54%) DSU ( 32%) PMDA のホームページ (26%) 製薬企業のダイレクトメール (26%) PMDA メディナビ (25%) であった 問 19-1 院外採用薬について 院内採用薬と同等の十分な安全性情報の管理が できている と思っている施設は 23% であるのに対し できていない と思っている施設は 66% であった 問 19-2 十分な安全性情報の管理が できていない と思っている理由は 院外採用薬は院 -6-

外の薬局に任せているため (44%) 問題や照会があったときのみ関与することとしているため (30%) 院外採用薬の安全性情報の管理だけで手一杯であるため (15%) であった 問 19-3 院外処方に際して 患者背景 ( 腎 肝機能 検査値等 ) による禁忌 注意事項がある際の確認 及び 他施設から処方された医薬品との相互作用についての確認 は 医師に任せており 薬剤師が確認していない 割合が それぞれ 55%, 42% であった また 同設問に対して 院外の薬局に任せている 割合は それぞれ 58%, 72% であり 病院内の薬剤師が確認している割合 ( それぞれ 9%, 15%) の方が低くなっていた 問 20 (5) 近隣の病院 診療所 院外の薬局との連携 薬薬連携として実施されている主な取り組みは 院外の薬局への新規採用薬などの薬局調剤に必要な情報の提供 (48%) 医師に院外の薬局からの後発医薬品の処方変更情報を提供 (32%) 院外の薬局との勉強会の開催 (20%) が多かった また 処方箋を応需した院外の薬局への 検査値や病名などの患者情報の提供 を行っている施設も 7% 存在した 問 21 病床規模が大きい施設ほど 院外の薬局への新規採用薬などの薬局調剤に必要な情報の提供 医師に院外の薬局からの後発医薬品の処方変更情報を提供 院外の薬局との勉強会の開催 について取り組む割合が高くなる傾向があった 2. 個別の薬剤の事例に関する調査 (1) 事例 1: デノスマブ ( 遺伝子組み換え )( 販売名 : ランマーク皮下注 120mg) 平成 24 年 9 月 11 日ブルーレター発出 デノスマブを ブルーレター発出の前から 採用 ( 取扱 ) している 施設は 23% ブルーレター発出以後に 採用 ( 取扱 ) を始めた 施設は 3% であった 事例 1(1) 規模が大きい施設ほど 採用 ( 取扱 ) している割合が高い傾向があった デノスマブを採用 ( 取扱 ) している ( ブルーレター発出の前から 採用( 取扱 ) している ブルーレター発出以後に 採用 ( 取扱 ) を始めた の合計 ) 施設のうち 注意喚起の内容を 知っている 施設は 98% 知らない 施設は 0.6% であった 事例 1(2) デノスマブを採用 ( 取扱 ) している施設のうち ブルーレターの注意喚起の内容を知っている施設について ブルーレター発出に関する情報の入手源は MR (90%) PMDA メディナビ (53%) が多かった 事例 1(3) 同施設について 最も早かった情報の入手時期をみると 発出後 1 週間以内 が 87% であった 事例 1(4) 同施設について 注意喚起以後 デノスマブの使用にあたって 血清カルシウム濃度の測定の実施 腎機能の確認 カルシウム製剤 ビタミン D の投与に関して 意識が高まっていた 事例 1(6)(7)(8) -7-

(2) 事例 2: アリスキレンフマル酸塩 ( 販売名 : ラジレス錠 150mg) 平成 24 年 6 月 5 日使用上の注意改訂発出 アリスキレンを 添付文書改訂以前から 院内採用 ( 取扱 ) している 施設は 34% 添付文書改訂以後に 院内採用( 取扱 ) を始めた 施設は 1% 添付文書改訂以前から 院外処方できる 施設は 17% 添付文書改訂以後に 院外処方できるようになった 施設は 1% であった 事例 2(1) 規模が大きい施設ほど 採用 ( 取扱 ) している割合が高い傾向があった アリスキレンを採用 ( 取扱 ) している ( 添付文書改訂以前から 院内採用( 取扱 ) している 添付文書改訂以後に 院内採用 ( 取扱 ) を始めた 添付文書改訂以前から 院外処方できる 添付文書改訂以後に 院外処方できるようになった の合計 ) 施設のうち 注意喚起の内容を 知っている 施設は 85% 知らない 施設は 13% であった 事例 2(2) アリスキレンを採用 ( 取扱 ) している施設のうち 注意喚起の内容を知っている施設について 使用上の注意改訂に関する情報の入手源は MR (74%) PMDA メディナビ (41%) が多かった 事例 2(3) 同施設について 最も早かった情報の入手時期をみると 発出後 1 週間以内が 58% であった 事例 2(4) 同施設について 注意喚起以後 入院患者でのアリスキレンの使用にあたって の糖尿病の既往の確認 腎機能の確認に関して 意識が高まっていた 一方 外来患者でのアリスキレンの使用にあたっては 意識の高まりの割合は比較的低く 保険薬局に任せている 施設が多かった 事例 2(6)(7)(8)(9) -8-

医薬品安全性情報の入手 伝達 活用状況等に関する調査保険薬局調査調査結果概要 回答施設の概要 1 月あたりの処方箋応需枚数は 299 枚以下 が 11% 300~999 枚 が 30% 1000 ~1999 枚 が 38% 2000~2999 枚 が 12% 3000~3999 枚 が 4% 4000 枚以上 が 3% であった 薬剤師数 ( 常勤換算 ) は 1 名 が 29% 2 名 が 30% 3 名 が 16% 4~5 名 が 12% 6 名以上 が 5% であった 常時在庫している医療用医薬品数は 499 品目以下 が 11% 500~999 品目 が 43% 1000~1499 品目 が 29% 1500~1999 品目 が 11% 2000 品目以上 が 5% であった 医薬品安全管理責任者の薬局または医療機関での薬剤師としての業務経験年数は 0~4 年 が 8% 5~9 年 が 19% 10~19 年 が 35% 20~29 年 が 20% 30 年以上 が 17% であった 1. 安全性情報全般に関する調査 (1) 薬局内でのインターネットの活用等 薬局内での医薬品の安全性に関する情報収集の主な担当者は 医薬品安全管理責任者 が 70% DI 担当の薬剤師 が 5% であった 一方で 決まっていない 施設は 24% を占めた 問 1 処方箋応需枚数が多い施設ほど DI 担当の薬剤師 が担当する あるいは 決まっていない 施設の割合が高くなる傾向があった 日常的にインターネットを 利用している 施設は 89% であった 問 2 医薬品の安全性に関する情報収集にインターネットを 頻繁に利用している 施設は 39% 時々利用している 施設は 45% であった 問 3 処方箋応需枚数が多い施設ほど 安全性情報の収集にインターネットを利用している傾向があった 医薬品医療機器情報提供ホームページ( 以下 PMDA のホームページ ) 日常業務での PMDA のホームページの利用状況は 頻繁に利用している 施設が 16% 時々利用している 施設が 32% であった 一方 あまり利用していない 施設が 20% 全く利用していない 施設が 31% であった 問 4 処方箋応需枚数が多い施設ほど PMDA のホームページを利用する傾向があった また 病院と比較して 利用頻度は少なかった PMDA のホームページに対する評価は 情報の内容のわかりやすさ 情報の重要度の判別しやすさ 必要な情報への辿りつきやすさ 必要な情報の探しやすさ では 課題となる回答割合が高い傾向があった 問 4-1 病院と同様の傾向であったが 病院と比較して全体的に高評価が少なく 普通 という評価が多い傾向があった -9-

PMDA のホームページを利用しない主な理由は 他の方法 手段で十分に情報収集が できるため (57%) PMDA のホームページの存在を知らなかったため (39%) で あった 問 4-2 PMDAメディナビ 医薬品安全管理責任者が PMDA メディナビに 登録している 施設は 32% であった 問 6 処方箋応需枚数が多い施設ほど 登録割合が高い傾向があった PMDA メディナビに対する評価は 情報の内容のわかりやすさ 情報の重要度の判別しやすさ 必要な情報への辿りつきやすさ 必要な情報の探しやすさ では 課題となる回答割合が高い傾向があった 問 6-1 医薬品の安全性情報の入手にインターネットを利用している ( 頻繁に利用している 時々利用している の合計 ) 方が 迅速に更新情報を入手できる 正確な情報を入手できる 信頼できる情報を入手できる 情報量が適切である という点で PMDA メディナビに対して高い評価をする傾向があった 病院と同様の傾向であったが 病院と比較して全体的に高評価が少なく 普通 という評価が多い傾向があった PMDA メディナビを これまで登録しなかった 登録していない 施設は 66% であり その理由として 他の方法 手段で十分に情報収集ができるため (51%) PMDA メディナビの存在を知らなかったため (37%) などが挙げられた 問 6-2 医薬品安全管理責任者以外で PMDA メディナビを登録している者がいない ( 薬局に 1 名のみが登録 ) 施設は 65% であった 問 7 インターネット等を活用した情報収集に関する課題 医薬品情報収集に インターネットや電子メールを活用する必要性を 感じている 施設は 91% であった 一方で 必要性を 感じていない 施設は 8% であった 問 8 インターネットや電子メールを活用するにあたっての課題として インターネットに氾濫している情報の信憑性の判断が難しい (41%) が最も多かった また 情報発信側の課題である 情報を出す側 (PMDA 製薬企業のホームページや DI サービス ) が十分に整備されていない (10%) も挙げられ さらに 施設側が基盤を十分に活用できていない 情報を受ける側 ( 薬局のスタッフ ) の情報活用のノウハウが不足している (28%) インターネットや電子メールに詳しい職員がいない (12%) なども挙げられた 問 9-10-

(2) 医薬品の安全性情報の入手 伝達 活用方法 日常的な 安全性に関する更新情報の主な入手源とその割合は 以下のとおりであった 問 10 製薬企業の医薬情報担当者(MR) ( 59%) 製薬企業のダイレクトメール(DM) (56%) 医薬品卸販売業者(MS) ( 38%) DSU ( 30%) 医薬品 医療機器等安全性情報 (28%) 製薬企業のホームページ (20%) PMDA のホームページ (14%) PMDA メディナビ (12%) レセコンシステム (8%) 薬局外の管理部門等からの連絡 (7%) 製薬企業 PMDA 以外のホームページ (5%) 処方箋応需枚数が多い施設ほど MR PMDA メディナビ を情報源とする割合が高い傾向があり 処方箋応需枚数が少ない施設ほど DM MS 医薬品 医療機器等安全性情報 を情報源とする割合が高い傾向があった 常時在庫している医薬品について 十分な安全性情報の管理が できている と思っている施設は 45% であるのに対し できていない と思っている施設は 52% であった 問 13 処方箋応需枚数が多い施設ほど 十分な安全性情報の管理が できていない と思っている施設が多い傾向があった 十分な安全性情報の管理が できていない と思っている理由は 調剤業務で手いっぱいであり 人員不足のため (64%) 扱う医薬品の数が多いため (62%) が多かった 一方で 情報提供側の課題である 製薬企業 (MR や問い合わせ窓口 ) から十分に情報提供されないため ( 19%) や 受け手のインフラに関する課題である インターネットや電子メールを活用できていないため ( 14%) も挙げられた 問 13-1 (3) 調剤 ( 処方監査 ) より良い処方監査のために必要と考えることとして 最新の医薬品の安全性情報の把握 (81%) 患者の服用履歴に関する情報の把握 (77%) 患者の疾患名に関する情報の把握 (74%) が多かった また 患者の臨床検査値に関する情報の把握 についても 54% の施設で必要と考えられていた 問 14 普段取り扱っていない医薬品の安全性情報の主な入手方法は 市販の医薬品集 治療方針等の書籍 (63%) 製薬企業への問い合わせ (45%) 製薬企業のホームページ (39%) PMDA のホームページ (26%) であった 問 16 処方箋応需枚数が多い施設ほど 製薬企業への問い合わせ 製薬企業のホームページ PMDA のホームページ を情報源とする割合が高い傾向があった -11-

(4) 近隣の病院 診療所 他の薬局との連携 薬薬連携として実施されている主な取り組みは 病院 診療所への後発品の処方変更情報の提供 (53%) 病院 診療所の採用薬に関する情報の共有 (44%) 病院 診療所との勉強会の開催 (27%) が多かった また 処方元の病院 診療所からの 検査値や病名などの患者情報の入手 を行っている施設も 17% 存在した 問 19 規模が大きい施設ほど 病院 診療所への後発品の処方変更情報の提供 病院 診療所の採用薬に関する情報の共有 病院 診療所との勉強会の開催 について取り組む割合が高くなる傾向があった 2. 個別の薬剤の事例に関する調査 (1) 事例 1: アリスキレンフマル酸塩 ( 販売名 : ラジレス錠 150mg) 平成 24 年 6 月 5 日使用上の注意改訂発出 アリスキレンを 添付文書改訂の前から取り扱っており 頻繁に調剤している 施設は 5% 添付文書改訂の前から取り扱っており たまに調剤している 施設は 35% 添付文書改訂以後に取扱を開始し 以後頻繁に調剤している 施設は 0.3% 添付文書改訂以後に取扱を開始し 以後たまに調剤している 施設は 5% であった 事例 1(1) 処方箋応需枚数が多い施設ほど 取り扱っている割合が高い傾向があった アリスキレンを取扱っている ( 添付文書改訂の前から取り扱っており 頻繁に調剤している 添付文書改訂の前から取り扱っており たまに調剤している 添付文書改訂以後に取扱を開始し 以後頻繁に調剤している 添付文書改訂以後に取扱を開始し 以後たまに調剤している の合計 ) 施設について 注意喚起の内容を 知っている 施設は 86% 知らない 施設は 13% であった 事例 1(2) アリスキレンを取扱っている施設のうち 注意喚起の内容を知っている施設について 使用上の注意改訂に関する情報の入手源は MR ( 51%) DM ( 59%) が多かった 事例 1(3) 同施設について 最も早かった情報の入手時期は 発出後 1 週間以内 が 29% であった 事例 1(4) 同施設について 注意喚起以後 アリスキレンの使用にあたっての糖尿病の既往歴の情報収集に関して意識が高まっており その確認方法は 投薬時に患者に糖尿病の有無を確認する (72%) 投薬記録等から糖尿病薬の服用の有無を確認 (70%) が多かった 一方 糖尿病の既往歴の確認は 処方医の判断に任せている 施設も 34% 存在した 事例 1(5) (6) (7) 同施設について 注意喚起以後 アリスキレンの使用にあたっての腎機能の確認について意識が高まっており その確認方法は 投薬時に患者さんに腎機能検査の結果を確認する (84%) 処方医に疑義照会する (28%) が多かった 事例 1(7) (8)) -12-

(2) 事例 2: イブプロフェン ( 販売名 : ブルフェン錠 顆粒 ユニプロン坐剤 イブ (OTC) 等 ) 平成 24 年 4 月 24 日使用上の注意改訂発出 イブプロフェンを 医療用を頻繁に調剤している 施設は 12% 医療用をたまに調剤している 施設は 46% OTC を頻繁に販売している 施設は 7% OTC をたまに販売している 施設は 26% 医療用の調剤も OTC の販売もしたことがない 施設は 26% であった 事例 2(1) イブプロフェンを取扱っている ( 医療用 OTC の両方もしくはいずれかの合計 ) 施設について 注意喚起の内容を 知っている 施設は 70% 知らない 施設は 26% であった 事例 2(2) イブプロフェンを取扱っている保険薬局のうち 注意喚起の内容を知っている施設について 使用上の注意改訂に関する情報の入手源は DM (62%) DSU ( 29%) が多かった 事例 2(3) 同施設について 最も早かった情報の入手時期は 発出後 1 週間以内 が 16% であった 事例 2(4) 同施設について 注意喚起以後 医療用イブプロフェンの調剤にあたって 妊娠の有無の確認に関して意識が高まっていたが 処方医の判断に任せている 施設も 6% 存在した また イブプロフェン配合の OTC の販売にあたっても 妊娠の有無の確認に関して意識が高まっていた その際の確認方法は 投薬時 販売時に 妊娠の有無を直接伺う が 79% と最も多かった 事例 2(5) (6) (7) -13-