てた後, ビーカーに水を 500 ml 入れて 1 度目の洗浄をした. 洗浄液の phをphメーターで測定した. さらに二度目の洗浄を 500 ml の水で行った. この洗浄液の ph も測定した. さらに流水で枝豆の洗浄を行った. その後この枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えてその液の

Similar documents
Microsoft Word - 酸塩基

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

ウスターソース類の食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるウスターソース類及びその周辺製品に適用する 2. 測定方法の概要試料に水を加え ろ過した後 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費

注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

Taro-22 No19 大網中(中和と塩

ビュレットに水酸化ナトリウム水溶液を入れてビュレット台にセットした この段階で予備測定として ある程度の量を滴下して 指示薬の変色までに必要な水酸化ナトリウム水溶液のおおよその滴下量を調べた 先程と同じように酢酸水溶液を調整し ビュレットに水酸化ナトリウム水溶液を補充して本測定を開始した まず 酢酸

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

(Microsoft Word \203r\203^\203~\203\223\230_\225\266)

酢酸エチルの合成

Problem P5

student chemistry (2019), 1, 多価酸 1 価塩基滴定曲線と酸塩基滴定における学術用語についての考察 西野光太郎, 山口悟 * 茨城県立水戸第一高等学校化学部 茨城県水戸市三の丸 (2019 年 3 月 1 日受付 ;2019 年

<連載講座>アルマイト従事者のためのやさしい化学(XVII)--まとめと問題 (1)

photolab 6x00 / 7x00 バーコードのない測定項目 バーコードのない測定項目 使用できる測定法 これらの測定項目の分析仕様は 付録 4 に記載されています ここでは 使用方法は カラム 5 の測定法番号を使用して手動で選択します 測定法の選択方法の説明は 光度計の機能説明の 測定法の

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

Xamテスト作成用テンプレート

品目 1 エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト ( 別名 EPN) 及びこれを含有する製剤エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト (EPN) (1) 燃焼法 ( ア ) 木粉 ( おが屑 ) 等に吸収させてアフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉で焼却する ( イ )

jhs-science1_05-02ans

キレート滴定

▲ 電離平衡

3

FdData理科3年

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

<4D F736F F D2093C58C8088C38B4C A F94708AFC96405F2E646F63>

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

土壌溶出量試験(簡易分析)

土壌含有量試験(簡易分析)

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

 

<4D F736F F D2093FA D95BD90E690B68EF68BC681458E7793B188C42E646F63>

研究要旨 研究背景研究目的 意義研究手法結果 考察結論 展望 研究のタイトル 研究要旨 ( 概要 ) あなたの研究の全体像を文章で表現してみよう 乳酸菌を用いてハンドソープの殺菌力を上げる条件を調べる手を洗う時に どのくらいの時間をかければよいのかということと よく薄めて使うことがあるので薄めても効

PowerPoint プレゼンテーション

オキサゾリジノン系合成抗菌剤リネゾリド点滴静注液 リネゾリド注射液 配合変化表リネゾリド点滴静注液 組成 性状 1. 組成 本剤は 1 バッグ中 (300mL) に次の成分を含有 有効成分 添加物 リネゾリド 600mg ブドウ糖 g クエン酸ナトリウム水和物 クエン酸水和物 ph 調節

<4D F736F F D2095BD90AC E93788D4C88E689C88A778BB389C88BB388E78A778CA48B868C6F94EF95F18D908F912E646F6378>

イオン化傾向 イオン化傾向 1 金属の単体はいずれも酸化されて陽イオンになりうる 金属のイオンのなりやすさを表したものをイオン化傾向という イオン化傾向 K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au e- を出してイオンになりやすい酸化されやすい イ

Microsoft Word - H29統合版.doc

平成27年度 前期日程 化学 解答例

醸造酢の全窒素分測定方法 ( ケルダール法 塩入奥田式蒸留 ) 手順書 1. 適用範囲 この方法は日本農林規格に定める醸造酢に適用する 2. 測定方法の概要 試料をケルダールフラスコに取り 電熱式分解台で分解した後 アンモニアを塩入 奥 田式蒸留装置等で水蒸気蒸留しビュレットを用いて滴定する 3.

4 植物色素についてア主な植物色素の分子構造による分類 1 ポルフィリン系 クロロフィルなど 2 カロテノイド系 植物中で作られる黄 橙 赤色の色素で β- カロテンなど 3 フラボノイド系 ポリフェノール化合物で 花や葉の色素として広く分布しており アントシアニン系の色素が多い ウコンに含まれる色

現行の学習指導要領(1998年公示,2002年実施)は,教育の総合化をキーワードに,「生きる力の育成」と「ゆとりある教育」をねらいとしている

キレート滴定2014

< F31312D B C82C E837E>

プレスハム及びソーセージのでん粉含有率 (2014) プレスハム及びソーセージのでん粉含有率測定手順書 独立行政法人農林水産消費安全技術センター 1. 適用範囲 この測定方法は 日本農林規格に定めるプレスハム及びソーセージに適用する 2. 測定方法の概要試料 5 g から水酸化カリウムエタノール溶液

実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

ここで Ω は系全体の格子数,φ は高分子の体積分率,k BT は熱エネルギー,f m(φ) は 1 格子 あたりの混合自由エネルギーを表す. またこのとき浸透圧 Π は Π = k BT v c [ φ N ln(1 φ) φ χφ2 ] (2) で与えられる. ここで N は高分子の長さ,χ は

2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

(Microsoft Word - Q35Jfin_\211\374\202Q_.doc)

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2)

理科科学習指導案

DVIOUT-酸と塩

2011年度 化学1(物理学科)

留意点 指導面 化学反応式 a 反応物 1+b 反応物 2 c 生成物 1+d 生成物 2 において, 反応物と生成物の物質量の比は, 反応物 1: 反応物 2: 生成物 1: 生成物 2=a:b:c:dとなる この考え方は生徒にとって難しくはないが, 物質量, 質量, 体積, 粒子の数の変換や,

カールフィッシャー法と濃度計算問題

Taro-化学3 酸塩基 最新版

<4D F736F F D2089BB8A778AEE E631358D E5F89BB8AD28CB3>

Microsoft PowerPoint 基礎実験2

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

FdText理科1年

必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン

競技の流れ 発泡入浴剤は, 炭酸水素ナトリウム ( 重曹 ) とクエン酸という物質を固めて作られている これを水に溶かすと, 水中で両者が反応して二酸化炭素が発生する この発泡は, 血行を良くする働きがあると考えられている 今日の実験は, 発泡入浴剤に関係する次の 3 テーマからなる 時間配分 (1

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

FdData理科3年

木村の化学重要問題集 01 解答編解説補充 H S H HS ( 第 1 電離平衡 ) HS H S ( 第 電離平衡 ) そこで溶液を中性または塩基性にすることにより, つまり [ H ] を小さくすることにより, 上の電離平衡を右に片寄らせ,[ S ] を大きくする 193. 陽イオン分析 配位

Taro-bussitu_T1

ISOSPIN Blood & Plasma DNA

図 2 水の密度変化と温まり方 3. 実験の目的水が 0~4 のとき 温度が上がるにつれて密度が大きくなっていき 特異な挙動をしめすと考えられる その付近の温度で 水が温まる過程における温度変化がどのようになっているのかを確認し 考察することを目的とする 4. 測定方法の検討 4.1 測定方法の案

実験手順 1 試料の精秤 2 定容試料を 5%HPO3 酸で1ml に定容し 試料溶液とする この時 アスコルビン酸濃度は1~4mg/1ml の範囲がよい 3 酸化試験管を試料の (a) 総ビタミン C 定量用 (b)daa( 酸化型ビタミン C) 定量用 (d) 空試験用の3 本 (c) 各標準液

留意点 指導面 化学に対する興味 関心を高めることが主なねらいなので, 原理については簡単に触れる程度にとどめる 身の回りにある合成高分子に気付かせ, それらが化学の先人の研究成果によって作られたものであることから, 化学が人間生活に果たしている役割について触れる 分子量が約 1 万以上の分子からな

() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

目 次 Ⅰ. キットの構成 3 Ⅱ. その他必要な器具 装置 3 Ⅲ. 試薬の調製法 4 Ⅳ. 操作手順 ( ローレンジ法 ) 5 小麦タンパク質濃度の算出法 6 標準曲線の例 6 グルテン含量の算出法 7 Ⅴ. 操作手順 ( ハイレンジ法 ) 7 グルテン含量の算出法 8 Ⅵ. キットの保存条件と

DNA/RNA調製法 実験ガイド

Taro-09 寒天を用いた電気泳動の

A 通 則 1. 添加物の適否は, 別に規定するもののほか, 通則, 一般試験法, 成分規格 保存基準各条等の規定によって判定する ただし, 性状の項目の形状は, 参考に供したもので, 適否の判定基準を示すものではない 2. 物質名の前後に を付けたものは, 成分規格 保存基準各条に規定する添加物を

Microsoft Word - basic_15.doc

神戸女子短期大学論攷 57 巻 27-33(2012) - ノート - 果実によるタンパク質分解酵素の活性検査 森内安子 Examination of the Activation of Enzyme Decomposition in Fruits Yasuko Moriuchi 要旨果実に含まれて

小学校理科の観察,実験の手引き 第5学年A(1) 物の溶け方

HQd_LDOの2点校正_ xlsx

水溶液を薄める際の計算方法薄める前の塩酸の濃度 % 体積 密度 = 薄めた後の塩酸の濃度 % 体積 密度であるから 3% の塩酸 200mL 作る場合は 35% XmL 密度 =3% 200mL 密度 X=17.1mL ここでは薄める前と薄めた後の塩酸の密度は同じくらいとして計算した よって 水に濃

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

科学先取り岡山コース ( 大学先取り 化学分野 ) 2008 年 12 月 13 日 ( 土 ) 担当 : 大久保貴広 ( 岡山大学大学院自然科学研究科 ) 1 はじめに高校までの化学では 先人たちの努力により解き明かされた物質や基本的な現象を中心に勉強していることと思います それ故 覚えなければな

FdData理科3年

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

PowerPoint プレゼンテーション

6年 ゆで卵を取り出そう

前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

FdData理科3年

- 2 - 二前号に掲げるもの以外のポリ塩化ビフェニル廃棄物及びポリ塩化ビフェニル使用製品別表第二の第一に定める方法

Microsoft PowerPoint - presentation2007_03_acid-base.ppt

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

<4D F736F F F696E74202D A E90B6979D89C8816B91E63195AA96EC816C82DC82C682DF8D758DC03189BB8A7795CF89BB82C68CB48E AA8E E9197BF2E >

(Microsoft Word -

酒類総合研究所標準分析法 遊離型亜硫酸の分析方法の一部修正

実験の目標 最終的な目標として水槽の水の浄化を行いたいので 水槽内のものに焼き付けても見栄えに影響しな いような透明なコーティング液を作るとともに その効果を見た目と数値の両面から調べたいと 考えました 実験の仮説 粒径が 50nm 以下になれば透明な溶液を作ることができます ( 参考文献より )

Transcription:

反応熱で枝豆を食べたい! チーム名 : 枝豆食べ隊! チーム代表者 : 日置七瀬チームメンバー : 嶋田七海, 内田美紀, 中川結衣所属 : 独立行政法人国立高専機構福井工業高等専門学校物質工学科西野研究室 < 緒言 > 中和熱は, 酸とアルカリを混合することで発生する. 熱が容器の外に逃げないと仮定すると.1 molの OH - と 1 molの H + が反応することで 16800 cal の熱が発生する. したがって 25 の塩化ナトリウム水溶液 300 ml を 81 まで加熱することが可能である. これに水酸化ナトリウムの水への溶解熱 10600 calを加えれば計算上は 100 まで到達できることになる. したがって枝豆を十分に茹でることが可能であると考えた. また, 枝豆には鞘がついており, 水酸化ナトリウムが枝豆に浸透する前に中和反応を起こすことができれば, 塩味のきいた美味しい枝豆が食べられると考えた. そこで, 本実験では中和熱を用いて枝豆を茹でるためにはどうすればよいのかを明らかにすることを目的とする. < 実験 > 必要な器具等ログサーモ (Hakko DGL 0100), 電子天秤,pH メーター (HORIBA F-51) with ph 電極 (Horiba 9625-10D), ステンレスフードジャー (Zojirushi SW-HB55-VD), アルコール温度計, メスシリンダー, ビーカー,200 mlトールビーカー, ビュレット, 万能 ph 試験紙, めのう乳鉢, クレラップ, ポリエチレン製手袋, ゴーグル, ドラフトチャンバー 試薬塩酸 ( ナカライテスク無ヒ素 Code: 18322-95) 水酸化ナトリウム ( ナカライテスク窒素測定用 Code:31533-54) 沸騰石 実験方法 1 500 ml ビーカーにアルコール温度計と水 50 ml を入れ, 枝豆をビーカーの中に入れた. その後, 水酸化ナトリウム 24 g ( 約 0.6 mol) をビーカーに加えガラス棒で撹拌し溶解した. 次に濃塩酸 12 mol/l を 50 ml 徐々に加えて万能 ph 試験紙で中和を確認した. 反応液を捨

てた後, ビーカーに水を 500 ml 入れて 1 度目の洗浄をした. 洗浄液の phをphメーターで測定した. さらに二度目の洗浄を 500 ml の水で行った. この洗浄液の ph も測定した. さらに流水で枝豆の洗浄を行った. その後この枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えてその液の ph を測定した. 対照実験として電気コンロを用いて枝豆を茹で, 茹で汁と茹でた枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えた液の phを測定した. 実験方法 2 500 mlビーカーにアルコール温度計と水 50 mlを入れた. その後, 水酸化ナトリウム24 g ( 約 0.6 mol) をビーカーに加えガラス棒で撹拌し溶解した. 次に濃塩酸 12 mol/lを50 ml 徐々に加えて万能 ph 試験紙で中和を確認した. 実験方法 3 ステンレスフードジャーの内側をクレラップで覆った. その中に200 mlトールビーカー入れた. このビーカーの中に温度計を入れ温度を測定した. 水酸化ナトリウム24 g ( 約 0.6 mol) をビーカーに入れた後, 蒸留水を50 ml 加えガラス棒で撹拌し溶解した. 次に濃塩酸 12 mol/lを50 mlビュレットを用いて徐々に加えて万能 ph 試験紙で中和を確認した. 枝豆の鞘を3つ反応液に投入し5 分間茹でた. 反応液を捨てた後, ビーカーに水を200 ml 入れて1 度目の洗浄をした. さらに2 度目の洗浄を200 mlの水で行った. この洗浄液のpHを万能 ph 試験紙で確かめた. さらに流水で枝豆の洗浄を行った. その後この枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えてその液のpHを万能 ph 試験紙で確かめた. 実験方法 4 反応容器とその周辺を図 1に示す. ステンレスフードジャーの内側をクレラップで覆った. その中に200 mlトールビーカー入れた. このビーカーの中にログサーモに接続した熱電対を入れ温度をSDカードに10 秒毎記録した. 水酸化ナトリウム24 g ( 約 0.6 mol) をビーカーに入れた後, 蒸留水を50 ml 加えガラス棒で撹拌し溶解した. 次に撹拌しながら濃塩酸 12 mol/lを55 mlビュレットを用いて徐々に加えて万能 ph 試験紙で中和を確認した. 解凍枝豆の鞘を3つ反応液に投入し7 分 50 秒間茹でた. 反応中和液を捨てた後, トールビーカーに水を200 ml 入れて1 度目の洗浄をした. さらに2 度目の洗浄を200 mlの水で行った. この洗浄液のpHをpH メーターで測定した. その後この枝豆をめの図 1. 反応容器とその周辺

う乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えてその液の ph を ph メーターで測定した. 実験方法 4 実験方法 3の結果, 突沸時に108 を記録していたので, ログサーモの表示温度の検証を行う. 300 mlビーカーの中に水 200 mlとログサーモを接続した熱電対を入れた. このビーカーを電気コンロで加熱して,10 秒おきに温度のログを取り, ログサーモの検証を行った. 実験方法 6 ステンレスフードジャーの内側をクレラップで覆った. その中に200 mlトールビーカー入れた. このビーカーの中にログサーモに接続した熱電対を入れ温度をSDカードに10 秒毎記録した. 沸騰石および水酸化ナトリウム24 g ( 約 0.6 mol) をビーカーに入れた後, 蒸留水を50 ml 加えガラス棒で撹拌し溶解した. 次に撹拌しながら濃塩酸 12 mol/lを53 mlビュレットを用いて徐々に加えて万能 ph 試験紙で中和を確認した. 解凍枝豆の鞘を3つ反応液に投入し10 分間茹でた. 反応液を 20 ml 分取し捨てた後, ビーカーに水を200 ml 入れて1 度目の洗浄をした. さらに2 度目の洗浄を 200 mlの水で行った. 一回目の洗浄液のpHをpHメーターで測定した. その後この枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 蒸留水を少量加えて枝豆水のpHをpHメーターで測定した. < 実験結果 > 実験結果 1 枝豆投入前の水温は27.2, 水酸化ナトリウム溶解後の水温は60.0 となり枝豆が茶色く変色し始めた, 濃塩酸 12 mol/l 投入開始時の液温は84.0, 塩酸を少量ずつ加えるが, 加えたところで ジュボー と局所的に沸騰しビーカー外へ液が飛び散るのでとても危険であった. 液温は,5 分後 90,6 分 30 秒後 80.0,8 分後 76.0 となり枝豆を茹でるには十分であると考えられる. 1 度目の洗浄水のpHは10.58, 二度目の洗浄水のpHは9.39であった. 枝豆をすりつぶした液のpHは10.18であった. 中和に手間取り枝豆にアルカリが染みこんでしまいこのような結果になったと考えられる. 電気コンロを用いて枝豆を茹でた場合, めのう乳鉢ですりつぶした枝豆 + 蒸留水のpHは 7.92であり, 茹で汁のpHは6.18であった. このことから, 洗浄水のpHが弱酸性になるよう中和の終点をすべきであると考えられる. 実験結果 2 実験方法 1と同じくビーカーを用いて中和実験を行ったが, 中和後, 水温がすぐに下がってしまい枝豆が茹でられないことがわかった. 次回の実験からステンレスフードジャーにより保温することにした. なお, 中和時は非常に危険な状態になった.

実験結果 3 実験方法 3はドラフトチャンバー内で実験を行ったが, 中和中は非常に危険な状態になった. フードジャーの効果により中和時には温度が95 となり枝豆を入れ5 分後には82 となり枝豆を茹でることが出来た. 中和した溶液のpHは中和時には7であったが実験終了時には9になっていた. 実験中 phメーターの値がドリフトしてしまい定まらなくなったので, 再度校正したところpH 電極が壊れてしまっていたことがわかった. 二次洗浄水の万能 ph 試験紙によるpHは7であった. 枝豆をすりつぶした液のpHも7であった. そのため一粒食べてみた. 枝豆は, 程よく塩味がしてアルカリ性に特有の苦味と酸性に特有の酸味はなかったが, 少し硬かった. 後日, 新しいpH 電極に交換しpHメーターで再度測定した結果, 二度目の洗浄水のpHは7.94, めのう乳鉢ですりつぶした枝豆 + 蒸留水のpHは7.69であった. また, 反応中和液のpHは8.54であった. 実験結果 4 実験方法 4における水への水酸化ナトリウム溶解から中和, さらに枝豆を茹でているときの水温の経時変化を図 2に示す. グラフから分かるように中和操作の途中で突沸してしまった. 突沸して液が飛び散ったため理論的に必要な塩酸を加えたが中和できず, 結果的に中和に失敗し中和 図 2. 経過時間と温度の関係

点を過ぎてしまった.pH 試験紙による確認ではpH1になってしまった. その時の温度は98 であった. そこで枝豆を入れ20 秒後には90 となりさらに7 分 50 秒後 78 となり枝豆を一応茹でることが出来た. phメーターで測定した結果, 二度目の洗浄水のpHは5.85, 枝豆をすりつぶした液のpHは6.55であった. また, 今回の中和液のpHは-0.20であった. 洗浄水のpHが6を下回ったので食べなかった. 中和反応水のpHがマイナスの酸性側でも, めのう乳鉢ですりつぶした枝豆 + 蒸留水のpHが7 に近いことがわかった. 実験結果 5 実験 4で108 を記録したのでログサーモに接続した熱電対の検証のためビーカーに水を入れ電気コンロで加熱した際, ログサーモに接続した熱電対で温度を計測したときの経過時間と温度の関係を図 3に示す. 図 2. 実験 4 における経過時間と温度の関係 図 3 熱電対の検証, 経過時間と温度の関係 図 3 より沸騰時における測定温度の値は 99.9 程度であり実際の水温と表示温度のずれは 少ないことがわかった. したがって, 実験 4 での突沸時の温度 108 は突沸による過加熱状 態から突沸が起きたためであると言える.

実験結果 6 実験方法 6 では, 沸騰石を入れた効果により突沸の発生はなかった. 図 4 に経過時間と温度の関係を示す. 枝豆投入後に急激に温度が低下した後なだらかに温度が下降していることがわかる. いったん ph が酸性になるが枝豆を加えしばらくすると塩基性になる現象があった. これは実験 1 の対照実験で明らかなように枝豆自身が塩基性を持っているためであると考えられる. そのため酸性にするために濃塩酸を少量追加で滴下した. 結果として中和点を通り過ぎ万能 ph 試験紙では phが 3 となっていた. また,pH メーターによる測定結果では, 中和反応水の ph は 2.99, 一次洗浄水の ph は 6.33, めのう乳鉢ですりつぶした枝豆 + 蒸留水の phは 6.83であった 一次洗浄水, めのう乳鉢ですりつぶした枝豆 + 蒸留水の ph がともに 6.0から 7.0 の範囲に入ったので食べた. なお, 枝豆は, ほんのり塩味がしてアルカリ性に特有の苦味と酸性に特有の酸味はなかった. また, 実験 3 のときのように固くはなく, 程よい硬さであった. 図 4. 沸騰石を入れた場合の経過時間と温度の関係

< 結論 > 中和熱で枝豆を茹でることが出来た. 枝豆を中和熱で茹でる方法は以下の通りである. 非常に危険な実験であるので, 実験に際しては, ドラフトチャンバーを用い, ポリエチレン製の手袋, ゴーグルおよび白衣を装着して実験を行うこと. なお, 普通市販の塩酸にはヒ素が入っている物もあるので購入時には注意すること. 1. ステンレスフードジャー ( 魔法瓶 ) の内側をクレラップで覆いその中に200 mlトールビーカー入れる. 2. 沸騰石および水酸化ナトリウム24 g ( 約 0.6 mol) をトールビーカーに入れた後, 蒸留水を 50 ml 加えガラス棒で撹拌し溶解する. 3. 濃塩酸 12 mol/lを53 mlビュレットを用いて徐々に撹拌しながら加える. 4. 万能 ph 試験紙で中和を確認した後, 枝豆の鞘を反応液に投入し10 分間茹でる. 5. 反応液を捨てた後, ビーカーに水を200 ml 入れて2 度目の洗浄を繰り返す. 6. めのう乳鉢ですりつぶした枝豆 + 蒸留水のpHが6.5から7.0 一次洗浄水のpHがpH6.0 から7.0の範囲に入っていることをpHメーターで確認する. < 謝辞 > 本実験を遂行するに当たり, 株式会社八光電機様から実験費の助成をいただきました. このような機会を与えていただきましたことに感謝します.