プレスリリース平成 27 年 4 月 8 日 刻々と変わる SNS の情報をリアルタイムに平易な質問で分析 検索 ~ 対災害 SNS 情報分析システム DISAANA のリアルタイム版を試験公開 ~ ポイント Twitter の災害関連情報の投稿をリアルタイムに自動分析し 検索できるシステムを公開 パソコンの Web ブラウザからの利用に加えて スマートフォンにも対応 DISAANA リアルタイム版公開サイト http://disaana.jp 国立研究開発法人情報通信研究機構 (NICT 理事長 : 坂内正夫 ) は 耐災害 ICT 研究センター及びユニバーサルコミュニケーション研究所において開発を行っている対災害 SNS 情報分析システム DISAANA( ディサーナ ) (DISAster information ANAlyzer) のリアルタイム版を 4 月 8 日 ( 水 ) から Web 上に試験公開します DISAANA は ソーシャルネットワーキングサービス (SNS) *1 の Twitter *2 に投稿された情報をリアルタイムに分析し 大雪が降っているのはどこ? 孤立しているのはどこ? 京都で交通事故が発生しているのはどこ? といった質問に対する回答の候補を与え 一般の方々が 今まさに起きている災害の情報を簡単に入手できるシステムです 本システムは パソコンの Web ブラウザからの使用 ( パソコン版 ) に加えて スマートフォン等にも対応しました DISAANA リアルタイム版は http://disaana.jp にて ご利用いただけます 背景 東日本大震災では Twitter 等の SNS 上に有用な情報が投稿される一方で それらの情報を利活用できる分析 検索手段が十分ではなく 必要な情報を得ることは容易ではありませんでした そこで NICT は これらの SNS 上に存在する有用な災害情報を迅速に分析し 被災者はもとより 復旧 救援活動等に対しても有用な情報を提供できるシステムを研究開発してきました 昨年 11 月には 東日本大震災直後の 1 ヶ月間の日本語の全投稿 ( ツイート ) 約 6.5 億件を対象に 対災害 SNS 情報分析システム DISAANA を Web 上に試験公開 *3 しました 今回の成果 このたび NICT は 現在流れているツイートをリアルタイムに分析して 入力された質問の回答候補を与えるリアルタイム版の分析 検索システムを Web 上に試験公開します これは SNS 上にあふれる膨大な災害関連情報に対して 平易な質問を入力するだけで有用な情報をリアルタイムで分析し その検索を可能とし 容易に回答を得ることのできるシステムです 例えば 大雪に関する情報を取得するために どこで大雪が発生していますか? どこで孤立していますか? という質問を入力すると 様々な表現の違いを考慮して回答候補を幅広く抽出し また それを地図上あるいはカテゴリ別にリストとしてわかりやすく表 DISAANA mobile の表示例示します ( 図 2 及び図 3 参照 ) なお このシステムは 現在流通しているツイートをリアルタイムで取得し その分析結果を最長 4 日間保持します さらに DISAANA リアルタイム版では スマートフォンでの動作に対応しました (DISAANA mobile) 特別なソフトウェアは必要なく スマートフォンのブラウザからアクセスすると スマートフォンに最適化されたページを表示します タブレット端末からも同様に利用可能です DISAANA mobile では パソコン版と同様の機能に加え GPS 情報が利用可能な場合は 現在地周辺の災害関連情報をボタン一つで抽出して表示する機能もあります また デマ情報に対処するため デマとの指摘や矛盾する情報がある回答候補には 特別にマークを付与して表示します ( 図 5 参照 ) 今後の展望 今後は 自治体等の協力の下 DISAANA を用いて 災害時を想定した実証実験を行い 実際の災害時における運用上の問題等を明らかにするとともに 更なる機能追加や使い勝手の向上を図ってまいります < 本件に関する問い合わせ先 > 耐災害 ICT 研究センター情報配信基盤研究室大竹清敬 Tel: 0774-98-6329 E-mail: disaana@khn.nict.go.jp < 広報 > 広報部報道担当廣田幸子 Tel: 042-327-6923 Fax: 042-327-7587 E-mail: publicity@nict.go.jp
< 用語解説 > *1 ソーシャルネットワーキングサービス (SNS) インターネット上の交流を通して社会的ネットワークを構築するサービス全般を指す 代表的な SNS として Twitter mixi GREE Mobage Ameba Facebook Google+ Myspace LinkedIn LINE がある *2 Twitter 140 文字以内の ツイート と称する短文を投稿できる情報サービスで Twitter 社によって提供されている *3 昨年 11 月 5 日に試験公開された DISAANA ( 東日本大震災直後のデータを利用 ) 平成 26 年 11 月 5 日報道発表 (http://www.nict.go.jp/press/2014/11/05-1.html) パソコンのブラウザのみに対応 リアルタイム版の試験公開開始と同時に終了 実際に大規模災害が発生した状況での DISAANA の動作を試すために リアルタイム版の試験公開開始と同時に 東日本大震災直後 1 週間のデータを用いたバージョン (DISAANA 東日本大震災試用版 ) を http://disaana.jp/geje/ にて試験公開中 リアルタイム版同様に パソコンからの利用に加えて スマートフォンやタブレット端末からの利用に対応 今回公開される DISAANA リアルタイム版について 補足資料 今回試験公開するシステムでは Twitter に投稿された日本語ツイートをリアルタイムに取得 分析し その結果を最大 4 日間保持します このデータに対して自由に質問をし 回答候補を取得することができます 例えば 大雪に関する情報を取得するために どこで大雪が発生していますか? どこで孤立していますか? という質問を入力すると 様々な表現の違いを考慮して回答候補を幅広く抽出し それを地図上あるいはカテゴリ別にリストとしてわかりやすく表示します なお DISAANA はまだ開発中のため 冗談 いたずら等のツイートから災害の発生を回答候補として提示する場合などもあります 実際の避難 救援でお使いの場合は 必ず回答候補が抽出されたオリジナルのツイートをご確認の上 ご活用ください また システムの保守 拡張のため 予告なく停止する場合もありますので ご了承ください 図 1 に DISAANA リアルタイム版におけるツイートから DISAANA での結果の確認までを示します 図 1: DISAANA リアルタイム版でのツイートから DISAANA mobile 上での表示までの例
また GPS 情報が利用可能な端末から DISAANA mobile を使用する場合は ボタン一つで現在地周辺の災害関連情報をカテゴリごとに整理して表示します ( 図 2 参照 ) 図 2: DISAANA mobile で現在地周辺ボタンから結果が表示されるまでの例 DISAANA mobile でも パソコン版と同様に 自由に質問を入力してその回答候補を得ることができます 結果は まず カテゴリごとに整理して表示されます 地図上に 各回答候補 カテゴリごと あるいは全カテゴリを表示することもできます 地図上で被災状況等を確認することで 全体像をつかみやすくなります ( 図 3 参照 ) このような機能によって 避難に際しての場所 方向 手段といった点の意志決定に役立つ情報を提供できると考えています 図 3: DISAANA mobile で質問を入力して検索した場合に地図表示する例
さらに 様々な質問を入力した場合の動作例を図 4 に例示します 図 4: DISAANA mobile に様々な質問を入力した場合の動作例
DISAANA では デマ情報に対応するため 情報の信ぴょう性の判断材料として 矛盾する内容のツイートも同時に検索します 矛盾する内容が検索された回答候補には特別なマークを付けて出力します PC 版ではというマークを回答候補に付け DISAANA mobile ではというマークを付けて出力します それぞれのマークが付いた回答候補を押してオリジナルのツイートを確認して 情報の信ぴょう性を判断します 図 5 では 東日本大震災試用版において 千葉の石油コンビナートで何が発生している? と質問した際の DISAANA mobile とパソコン版でのそれぞれの出力を示しています 図 5: DISAANA mobile( 上 ) 及びパソコン版 ( 下 ) におけるデマ情報の表示例 * Twitter は Twitter,Inc. の商標又は登録商標です * その他 各会社名 各製品名及びサービス名などは 各社の商標又は登録商標です