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性黒色腫は本邦に比べてかなり高く たとえばオーストラリアでは悪性黒色腫の発生率は日本の 100 倍といわれており 親戚に一人は悪性黒色腫がいるくらい身近な癌といわれています このあと皮膚癌の中でも比較的発生頻度の高い基底細胞癌 有棘細胞癌 ボーエン病 悪性黒色腫について本邦の統計データを詳しく紹介し


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悪性リンパ腫節外病変の FDG-PET/CT 診断 関西医科大学附属枚方病院 核医学科 河相吉 1

CT の役割 : 悪性リンパ腫の診療 1. 病巣の部位 範囲 : 病期の決定 2. 治療計画に寄与 リンパ節生検部位の決定 放射線治療範囲の決定 化学療法プロトコールの選択 3. 治療の効果判定 4. 再発病巣の検索 2

FDG-PET/CT 病期診断での意義 腫大のないリンパ節病変 CT で診断困難な部位 肝 脾 小腸 大腸 骨皮質 骨髄 傍脊椎病変 肺病変 リンパ腫臓器病変の診断 : 感度 特異度 PET/CT 88% 100% 造影 CT 50% 90% Schaefer NG, et al. Radiology. 2004;232:823-829. 3

悪性リンパ腫組織亜型と FDG 集積度 1 ( 血液プールと同等集積 ) 2 ( 正常肝実質とほぼ同等集積 ) 3 ( 正常肝実質 血液プールよりも強い集積 ) B-cell NHL Diffuse large B-cell lymphoma 3 Burkitt lymphoma 3 Large cell and anaplastic lymphoma 3 Follicular lymphoma (grade 3) 2-3 Follicular lymphoma (grades 1 and 2) 1-2 Mantle cell lymphoma 1-2 MALTリンパ腫 0-3 Small lymphocytic lymphoma 0-1 Paes FM, et al. RadioGraphics 2010; 30:269 291. 4

悪性リンパ腫組織亜型と FDG 集積度 1 ( 血液プールと同等集積 ) 2 ( 正常肝実質とほぼ同等集積 ) 3 ( 正常肝実質 血液プールよりも強い集積 ) Hodgkin disease Nodular sclerosis type 3 Mixed cellularity type 2-3 Lymphocyte depletion 2-3 Lymphocyte predominance type 1 T-cell lymphoma Extranodal natural-killer/t-cell lymphoma 3 Peripheral T-cell lymphoma 3 Adult T-cell leukemia-lymphoma 2 Cutaneous T-cell lymphoma 2 Mycosis fungoides and Sezary syndrome 1 Paes FM, et al. RadioGraphics 2010; 30:269 291. 5

節外臓器病変 消化管 : 胃 小腸 大腸 肝 皮膚 副腎 精巣 乳腺 骨 6

消化管悪性リンパ腫 Lewin の基準 (1978): 続発性との区分 消化管に主病巣が存在する例を消化管原発リンパ腫とする Dawson の基準 (1961) : 所属リンパ節までに限る早期例を原発とする 非ホジキンリンパ腫の 10-20% 節外性リンパ腫の中で最も頻度が高い. 胃 (60-80%) が最も多く, 小腸 (20-30%), 大腸 (5-15%) の順.

胃 悪性リンパ腫 8

胃悪性リンパ腫 表層拡大型 巨大皺襞型 腫瘤形成型がある MALT リンパ 50% DLBCL 40% 大部分 胃 MALT リンパ腫の 70-90% がピロリ菌感染 除菌により多くは退縮する 巨大皺襞型とスキルス型胃癌の鑑別点 : CT で 胃壁のびまん性肥厚 壁肥厚が強いわりに伸展性が残存 周囲脂肪層が保たれている MALT リンパ腫は表層拡大型 しばしば多発病変 FDG-PET : DLBCL ではほぼ 100% 検出 胃 MALT リンパ腫の原発巣はほとんど検出されない 所属 遠隔リンパ節 他臓器浸潤の評価が役割 9

胃悪性リンパ腫第 1 例 61y/M 2013/6/26 腹部違和感 胃前庭部深掘れ潰瘍 十二指腸に及ぶ SUVmax 19.7 リンパ節陰性 Lugano 分類 Ⅰ 期 化療中 10

消化管悪性リンパ腫 : Lugano ( ルガノ ) 国際会議分類 腹腔内リンパ節浸潤 深達度を考慮 I 期消化管に限局した腫瘍 : 単発 多発 ( 非連続性 ) II 期 腹腔内へ進展 リンパ節浸潤 II-1 限局性 ( 胃 腸管所属リンパ節 ) II-2 遠隔性 ( 腸間膜リンパ節 傍大動脈 傍下大静脈 骨盤腔内 鼠径部リンパ節 ) IIE 期漿膜を穿通し 隣接臓器組織に浸潤 IV 期節外播種状 / 横隔膜上リンパ節浸潤 病期 III はない Rohatiner A, et al. Ann Oncol. 1994;5:397-400. 11

胃悪性リンパ腫第 2 例 61y/M 2007/4/23 前医胃 MALT リンパ腫に除菌療法 隆起部 :MALT リンパ腫 潰瘍部 :DLBCL 胃 SUVmax 14.2 12

胃悪性リンパ腫第 2 例 61y/M 2007/4/23 前医胃 MALT リンパ腫に除菌療法 隆起部 :MALT リンパ腫 潰瘍部 :DLBCL リンパ節 4.3 6.4 Lugano 分類 Ⅱ-1 期 13

胃悪性リンパ腫第 2 例 61y/M 2008/2/12 前医胃 MALT リンパ腫に除菌療法 隆起部 :MALT リンパ腫 潰瘍部 :DLBCL 化療 6 1 年後 3.0 ほぼ消失 6 年後 CR 持続 14

小腸 悪性リンパ腫 15

小腸悪性リンパ腫 小腸の悪性リンパ腫 :DLBCL MALT リンパ腫が大部分を占める 十二指腸では濾胞性リンパ腫が多い 日本では, 原発性小腸腫瘍に占める悪性リンパ腫の割合が多い (30.4%). 16

小腸悪性リンパ腫第 1 例 57y/M 2012/7/12 空腸巨大腫瘤 小腸内視鏡生検 末梢性 T 細胞リンパ腫 SUVmax 21.9 化療中にイレウス SMA 浸潤切除不能 17

小腸悪性リンパ腫第 1 例 57y/M 2012/7/12 Sag Cor 空腸巨大腫瘤 小腸内視鏡生検 末梢性 T 細胞リンパ腫 SUVmax 21.9 化療中にイレウス SMA 浸潤切除不能 18

小腸悪性リンパ腫 回腸末端に好発し 腸管壁の均一な肥厚を呈するのが典型像 内腔が狭窄する例と拡張する ( 動脈瘤様拡張 ) 例がある 線維形成性反応が乏しく 腸管閉塞を起こしにくい点が特徴である 腸管係蹄に沿った多発集積が円弧状に配列するパターンが小腸存在領域に認められる 生理的集積 正常リンパ組織 結核クローン病なでの肉芽炎症性疾患との鑑別が必要である 19

消化管悪性リンパ腫 : 穿孔 イレウス 出血 外科手術を要した消化管リンパ腫 7 例 - 対照 21 例 4 イレウス ( 腸重積 ) 2 消化管穿孔 2 出血 ; 在原洋平ら 日消誌 2013;110:1611-8 危険因子 :3 項目 1. 全身性リンパ腫の浸潤例 > 原発性 2. 空腸 回腸病変 > 胃 十二指腸 結腸直腸 3. 隆起 潰瘍型 > 多発ポリープ びまん浸潤型 有意差なし項目年齢 >60 歳 DLBCL Ki-67index 80% 初診時に有症状 性別 20

小腸悪性リンパ腫第 2 例 11y/F 女児 2013/4/25 腹痛 血便 腹部腫瘤 SUVmax 21.9 ラパロ下部分切除 バーキットリンパ腫 Murphy 分類 Ⅱ 期 21

小腸悪性リンパ腫第 2 例 11y/F 女児 2013/7/2 腹痛 血便 腹部腫瘤 化療 2 か月後消失 22

小児悪性リンパ腫の組織型 小児の90% はNHL バーキットリンパ腫 (30-40%) リンパ芽球性リンパ腫 (25-35%) DLBCL (15-20%) 未分化大細胞リンパ腫 (10-20%) 23

Murphy 分類 : 小児 NHL の病期分類 stageⅠ 1) 単一の節外性病変または単一のリンパ節領域内に局在した病変 ( ただし縦隔と腹部原発例は除く ) stageⅡ 1) 単一の節外性病変で領域リンパ節の浸潤を伴うもの 2) 横隔膜の同一側にある (2a) 複数のリンパ節領域の病変 (2b) 複数の節外性病変 ( 所属リンパ節浸潤の有無は問わない ) 3) 肉眼的に全摘された消化管原発の病変 ( 通常回盲部 ) ( 隣接する腸間膜リンパ節への浸潤の有無は問わない ) stageⅢ 1) 横隔膜の両側にある (1a) 複数の節外性病変 (1b) 複数のリンパ節領域にある病変 2) 胸郭内 ( 縦隔 胸膜 胸腺 ) 原発の病変 3) 腹部原発の広範囲におよぶ病変で 全摘不能であったもの 4) 傍脊髄または硬膜外原発の病変 ( 他の部位への浸潤の有無は問わない ) stageⅣ 1) 発症時に中枢神経または骨髄 ( 腫瘍細胞が 25% 未満 ) に浸潤があるもの ( 原発巣は上記のいずれでもよい ) 24

小腸悪性リンパ腫第 3 例 55y/M 2011/8/31 回盲部腫瘤 SUVmax 13.3 25

55y/M 小腸悪性リンパ腫第 3 例 2011/8/31 回盲部腫瘤 target サイン 腸重積 26

小腸悪性リンパ腫第 3 例 55y/M 2011/8/31 冠状断融合像 回盲部腫瘤 crescent-indoughnut サイン 腸重積 回腸 - 結腸 27

大腸 悪性リンパ腫 28

大腸悪性リンパ腫 小児ではバーキットリンパ腫 成人では DLBCL が多い 限局性 結節状 びまん性の集積を認める. 鑑別 : 生理的集積 正常リンパ組織 肉芽炎症性疾患 痔瘻 憩室炎 29

大腸悪性リンパ腫第 1 例 58y/M 2007/8/20 皮膚 ATL くすぶり型から急性型へ転化 S 状結腸 + 直腸 2 か月後に死亡 塊状腫瘤型 (9/15 例 ) 腸管 SUVmax 14.1 リンパ節 陰嚢 30

大腸悪性リンパ腫第 2 例 84y/M 2010/4/22 肺結節精査 肺癌多発転移と誤診 大腸内視鏡陰性 肺生検にて DLBCL びまん浸潤型 (4/15 例 ) S 状結腸 SUVmax 16.8 リンパ節 肺 肝 脾 骨 腹膜 31

大腸悪性リンパ腫第 3 例 61y/M 2009/7/7 直腸隆起病変 MALT リンパ腫 限局隆起型 (2/15 例 ) SUVmax 2.7 32

肝 悪性リンパ腫 33

肝悪性リンパ腫 肝原発性はきわめてまれ 続発性は非ホジキンリンパ腫の 15% 進行した悪性リンパ腫では比較的よくみられる 原発性は単発性腫瘤 続発性はびまん性浸潤型か多発の腫瘤形成型が多い 34

肝原発悪性リンパ腫 69y/F 2011/5/18 肝胆道系酵素異常 肝内胆管癌を疑って肝生検を施行 MALT リンパ腫 化療 CR T2 強調像 35

肝悪性リンパ腫 びまん性浸潤型では肝腫大がない例もあり CT MRI での診断は難しく FDG-PET が検出に有用である 腫瘤形成型では 転移性肝腫瘍との鑑別が必要 所属領域以外のリンパ節所見の存在 肝内の脈管が腫瘍内を貫通する 肝内の脈管構造に対する mass effect や浸潤が少ない はリンパ腫を示唆できる 36

皮膚 悪性リンパ腫 37

皮膚悪性リンパ腫 診断時に皮膚以外に病変を認めないリンパ腫 菌状息肉症はリンパ節病変の有無を問わない - 本邦 2007 年から3 年間 1,163 例 T/NK 細胞リンパ腫 (80.1%) 菌状息肉症 40.2% 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) 14.6% B 細胞リンパ腫 (16.8%) DLBCL 10.5% 38

菌状息肉症 初期には湿疹に類似した紅斑を示す 1) 紅斑期 2) 扁平浸潤期 ( 局面期 ) 3) 腫瘤期 4) 内臓浸潤期の順に進行 成人期に発症して緩徐に進行する 1) 紅斑期 2) 扁平浸潤期は低悪性度 症例の10% が腫瘤期以後に進行する 内臓浸潤期は予後不良 39

菌状息肉症の皮膚病変 紅斑 (Patch): 局面 (Plaque): 腫瘤 (Tumor): 明らかな盛り上がりや浸潤のない病変 大きさは問わない 色素異常 鱗屑 痂皮 や皺襞を伴うことがある 盛り上がりや浸潤のある病変 大きさは問わない 色素異常 鱗屑 痂皮や毛包性病変を伴うことがある 1cm 以上の孤立性 / 結節性病変か 潰瘍形成した局面 深達性 / 垂直方向への増殖を示す 40

菌状息肉症 49y/M 2010/11/10 6 年前皮疹 4 年前に菌状息肉症と診断され加療中 皮膚症状悪化 皮膚所見のみ 前胸部 SUVmax 3.4 CT で深部病変を指摘 根部リンパ節 16.0 肝多発結節 14.7 2012/6/7 2012/6/7 41

菌状息肉症 49y/M 2013/6/6 肝生検にて DLBCL と診断 R-CHOP 療法 R-ESCHAP 療法 R-GDP 療法 胸背部残存 1.9 腹部リンパ節消失 肝内結節消失 2013/6/6 2013/6/6 42

菌状息肉症 Sézary 症候群の病期分類 T3: 腫瘤形成 1 病変またはそれ以上 M0: 内臓病変なし M1: 内臓病変あり 病期診断のため推奨される検査 PET 検査で活動性があるリンパ節は組織検査のために採取すべき (ISCL/EORTC 2007 年 ) 43

皮膚原発 B 細胞リンパ腫 73y/M 2010/5/21 2 年前より右下腿に発赤腫脹を繰り返すアテローム 皮膚生検にて DLBCL 下肢型 (2.3%) SUVmax 4.5 R-CHOP 療法 X 6 :CR 持続 44

菌状息肉症 Sézary 症候群以外の病期分類 T1a: 単発の病変 < 直径 5 cm T1b: 単発の病変 > 直径 5 cm T2a: すべての病変部位が直径 15cm 未満の円形領域に含まれる T2b: すべての病変部位が直径 15cm 超で 30cm 未満の円形領域に含まれる T2c: すべての病変部位が直径 30cm の円形領域を超える (ISCL/EORTC 2007 年 ) 45

菌状息肉症 Sézary 症候群以外の病期分類 N1: 現在あるいは以前の皮膚病変の 1 つの所属リンパ節領域の病変 N2: 現在あるいは以前の皮膚病変の 2 つないしそれ以上の末梢リンパ節領域病変 N3: 中枢性 ( 深在性 ) リンパ節病変 M: M0: 皮膚外に非リンパ節病変を認めない M1: 皮膚外に非リンパ節病変を有する (ISCL/EORTC 2007 年 ) 46

副腎 悪性リンパ腫 47

副腎悪性リンパ腫 原発性はきわめてまれ - 英語文献 70 例 続発性はしばしば見られる NHL の 4%(CT) 剖検では 25% に浸潤あり 両側副腎 (80%) のびまん性腫大 (>5cm) が典型像 後腹膜リンパ節病変もある 診断の確定手段は 針生検 51%, 手術標本 31 %, 剖検標本 16% DLBCL がほとんどである (90%) 48

両側副腎原発悪性リンパ腫第 1 例 68y/M 2007/4/12 2 か月前から発熱 寝汗 体重減少 両側 CT ガイド下生検 DLBCL 副腎 R/L: SUVmax 14.8/12.3 サイズ 81/73mm 2007/10/1 化療 6 副腎 R/L: 2.3/2.0 49

両側副腎原発悪性リンパ腫第 1 例 68y/M 2 年後運動性失語 前頭葉急性脳出血 脳生検にて中枢神経再燃確定 RT 縮小 2009/7/1 MRI T2W FLAIR T2* DWI 50

副腎悪性リンパ腫 急速な増大 副腎機能不全が多い 化学療法で1/3が奏功し 生存は 34±32か月 非奏功例 3.6±3.9か月 転移性より内部均一 FDGの高集積がみられ 治療効果を反映する 51

両側副腎原発悪性リンパ腫第 2 例 71y/M 2007/4/23 右腰背部痛 右副腎腫瘍 SUVmax 17.4 85 mm 右腎合併切除 切除標本にて DLBCL 化療 6 52

両側副腎原発悪性リンパ腫第 2 例 71y/M 2008/4/4 MRI 治療 3 か月後に左片麻痺 脳生検で再燃確定 T2W FLAIR 放射線 50Gy CR 5 年後健在 T1W DWI 53

精巣 悪性リンパ腫 54

精巣悪性リンパ腫 精巣原発悪性リンパ腫はまれ 全精巣腫瘍の5% NHLの2% 以下 60 歳以上の男性では約 40~50% 最も多い 当院 10 例 ( 原発性 8 例 二次性 2 例 ) 平均 59.9 歳 (54-81 歳 ) 他の精巣腫瘍よりも両側発生が多い ( 約 22%) DLBCLが最も多い (80% 以上 ) 55

精巣原発悪性リンパ腫第 1 例 81y/M 121005 睾丸硬結自覚 2012/10/5 右精巣 48x25mm SUVmax 10.1 左 3.0 高位精巣摘除 DLBCL 56

精巣悪性リンパ腫 診断は除睾術でなされ 局所制御ともなる FDG-PET 一側性精巣集積鼠径部 後腹膜とくに腎門部リンパ節集積を示す 再発部位 対側精巣 : 局所照射 中枢神経系 18.7%: 予防的治療を試行 多くは髄膜播種の形態を取り, 脳実質内腫瘤の形態をとるものは 13-20% と比較的少ない 5 年生存率 16-50% 57

精巣原発悪性リンパ腫第 2 例 64y/M 2011/1/7 睾丸硬結自覚 高位精巣摘除 DLBCL 左鼠径リンパ節 SUVmax 3.5 切除にて反応性リンパ節と判明 58

乳腺 悪性リンパ腫 59

乳腺悪性リンパ腫 乳腺悪性腫瘍の 0.04~0.53% 節外性リンパ腫の 1.6% 非常にまれ 原発性 : 乳腺と同側腋窩リンパ節以外に病変を認めないもの 両側発生の頻度が高い (12%) 腫瘤の急速増大が特徴的 腋窩リンパ節浸潤は 33-43% にみられる 腫瘍径は大きい ( 平均 6.1cm) 画像診断や臨床所見の特徴的所見は乏しく 術前診断は困難 60

乳腺原発悪性リンパ腫 57y/F 2010/5/19 他院にて 6 年前乳腺原発 DLBCL 化療 + 全脳 40Gy CR PET のみ乳腺陽性所見 無治療経過観察 右乳腺 SUVmax 5.5 診察 /CT とも無所見 2 年後 2 回目の PET 化療無効 初回診断から 9 年後死亡 2012/6/22 右乳腺腫瘤増大 SUVmax 28.7 対側乳腺 上咽頭 頚部リンパ節 腹部骨盤リンパ節 肩甲骨 61

乳腺悪性リンパ腫 乳がんと比べて予後不良 因子 150 歳以下 2 腫瘍径が5cm 以上 3 腋窩リンパ節転移陽性 4 同時両側発生 再燃部位 対側乳腺 9.9% 白血化 7.4% 頭蓋内 7.4% 骨 肺は少ない 62

骨 悪性リンパ腫 63

骨悪性リンパ腫 原発性は骨のみに発生したもの 所属リンパ節病変は含めてよい 骨多発例も含めるようになった 骨原発性は骨悪性腫瘍の 1% 以下 NHL の 1% 以下 DLBCL が最も多い T 細胞性が日本では多く 10% を占める 原発性では四肢骨 体幹の扁平骨に好発 続発性では 体幹の骨に好発 64

骨悪性リンパ腫第 1 例 29y/M 2007/9/27 人間ドックで胸部異常陰影を指摘された CT ガイド下生検にて DLBCL 65

骨悪性リンパ腫第 1 例 29y/M 2007/9/27 人間ドックで胸部異常陰影を指摘された CT ガイド下生検にて DLBCL 腸骨骨硬化 SUVmax 8.3 66

骨悪性リンパ腫第 1 例 29y/M 2008/6/13 人間ドックで胸部異常陰影を指摘された CT ガイド下生検にて DLBCL R-CHOP6 MTX+PSL 髄注 CR 67

骨悪性リンパ腫第 2 例 77y/F 2007/3/26 Sag 右膝関節痛で MRI 腫瘍指摘 右大腿骨軟部腫瘍 SUVmax 16.5 骨盤リンパ節 14.0 68

骨悪性リンパ腫第 2 例 77y/F 2007/11/6 右膝関節痛で MRI 腫瘍指摘 R-CHOP6 MTX+PSL 髄注 CR 6 年生存中 69

骨悪性リンパ腫の画像所見 原発性 続発性で所見は同様である 単純写真は正常のことが多い 広い移行域を持つ溶骨性が多い 長管骨では長軸方向に広がりやすい 骨皮質は比較的保たれる 骨外軟部腫瘤が高頻度にある 初診時にしばしば病的骨折をみる FDG-PET/CT は骨シンチよりも感度 特異度が高い 70

リンパ腫節外病変の画像診断の役割 病変臓器毎の診療科を受診 臓器固有の癌腫に診断が偏るリスク 診療早期の画像検査で悪性リンパ腫の可能性を指摘できれば 正しい診断へ迅速に到達できる 病歴 症状 臨床情報を踏まえた読影 リンパ腫の特徴的な画像所見に精通することが肝要である 71

ご清聴ありがとうございました 72

骨悪性リンパ腫第 3 例 43y/F 2007/12/18 左大腿骨頸部骨折 仙骨生検 DLBCL 仙骨 腸骨 他多発 軟部腫瘤 SUVmax 26.6 73

骨悪性リンパ腫第 3 例 43y/F 2008/3/6 左大腿骨頸部骨折 仙骨生検 DLBCL 化療 5 消失 CR 6 年生存中 74

Mycosis fungoides 紅斑 (Patch): 局面 (Plaque): 腫瘤 (Tumor): Early patches on the buttocks. Patches and early plaques on the buttocks. Large ulcerated tumor on the right arm. Note patches and plaques in the vicinity of the tumor. A flat tumor with small crusts and scales. 75

当院 2012 年 FDG-PET 2662 件 その他, 984, 37% 肺がん, 652, 24% 悪性リンパ腫, 337, 13% 子宮がん, 146, 5% 乳がん, 210, 8% 頭頚部がん, 333, 13% 76

節外性リンパ腫の部位別頻度 症例数 (%) 胃 76 18.9 ワルダイエル輪 70 17.6 眼窩 28 7.1 小腸 22 5.6 皮下 / 軟部組織 22 5.6 大腸 / 直腸 19 4.8 骨 18 4.6 甲状腺 17 4.3 皮膚 17 4.3 精巣 / 前立腺 13 3.3 骨髄 13 3.3 肺 / 胸膜 11 2.8 鼻腔 / 副鼻腔 10 2.5 唾液腺 9 2.3 乳腺 7 1.8 中枢神経 4 1.0 食道 2 0.5 富田直人 ( 横浜市立大学 ) 日本医事新報 4343 号 P57-62 (2007.07) 卵巣 1 0.3 肝 副腎その他 37 9.4 77

国際予後指標 (IPI:International Prognostic Index) アグレッシブリンパ腫の予後予測モデル 1) 年齢 (>60), 2) 病期 ( III 期 ), 3)performance status(ps)( 2), 4)LDH(> 正常値 ), 5) 節外病変数 ( 2) N Engl J Med. 1993 30;329(14):987-94. A predictive model for aggressive non-hodgkin's lymphoma. 78