平成 21 年度整形外科卒業試験 問題 1: 解答は a~e の中から選び 答案用紙に書くこと 正誤に注意すること また解答は一つとは限らないので注意すること 馬場広谷 問題 1 1. 成人関節軟骨に含まれないものは何か1つ選べ ( 過去問類題 ) a 血管 b ヒアルロン酸 c プロテオグリカン ( アグリカン ) d Ⅱ 型コラーゲン e 水分 解答 a a 血管はないらしい けども正常軟骨細胞は旺盛な代謝を営み 絶えずプロテオグリカンとコラーゲンの合成 分解をされているらしい c プロテオグリカンは基質の主要な成分 dⅡ 型コラーゲンが軟骨中の全コラーゲンの9 割を占める Ⅰ 型コラーゲンは骨 腱 皮膚に存在 e 水分は軟骨に弾性をもたらしています 関節軟骨の場所 軟骨の構成 コラーゲン プロテオグリカン コンドロイチン硫酸 ヒアルロン酸 タンパク質 軟骨細胞 1
グルコサミン 水分 ( 軟骨の65~80% 関節軟骨中の成分 ムコ多糖 ( ヒアルロン酸 コンドロイチン ) ムコ多糖とは アミノ酸を含む多糖の総称で動物性粘性物質の事をさします 主なムコ多糖にはヒアルロン酸とコンドロイチンがあり 細胞と繊維成分の間を埋めている糖分 ( 結合組織の基質成分 ) として広く生体内に分布しています 加齢に伴って質 量共に著しく変動し 老化やそれに伴う疾病に深く関係しています ヒアルロン酸ムコ多糖の一種で もともと関節内にある物質 関節のすべりをよくし 損傷した関節軟骨を修復する働きがあると云われています ヒアルロン酸タンパク複合体は 関節潤滑液 ( 滑液 ) の主成分をなしています ヒアルロン酸ナトリウムは 注射剤として 変形性膝関節症の適応を持っています 体内の至る所に存在し ミネラル アミノ酸 ビタミンなどを細胞の奥まで浸透させる働きがあります また 細胞の隙間を埋めて皮膚に潤いを与えたり 目の透明度を保ったりもします 赤ちゃんから20 歳頃までのヒアルロン酸保有率を100% とすると 30 歳で65% 50 歳で45% 60 歳で2 5% と年々減少していくと言われています コンドロイチン軟骨のムコ多糖の主成分であり 不足すると関節痛や腰痛の原因にもなります 結合組織に存在し 組織に弾力や保水性を与える役割をしています 軟骨中では 塩酸塩として存在しています また 細胞の間にある物質でもあり これが不足すると水分が細胞に入っていかなくなり 血液からも栄養が運ばれなくなり 周辺の細胞の活性は低下して老化が加速されます その他 グルコサミンブドウ糖 ( グルコース ) とアミノ酸から生体内で合成されるアミノ糖の一つです 軟骨部位では コンドロイチン硫酸などの成分の元となる物質として働いています カニやエビなどの甲殻類に多く含まれているキチン質を分解して原料として製造されます コンドロイチン硫酸とともに摂取する事で 関節痛によいとされています コラーゲンコラーゲンは 細胞間に含まれている物質で 細胞と細胞を結合させる力があます 肌に張りと艶を与える成分としても有名です 赤ちゃんのとき時もっとも多く体内にあり 赤ちゃんの肌がスベスベしているのも このコラーゲンが多いことと関係しています 2
2. 骨の構造について誤っているものは何か2つ選べ ( 過去問類題 ) a 長管骨は骨端 骨幹 骨幹端の3 部位に分けられる b 骨皮質の骨単位 ( オステオン ) は同心円状構造の中心に Volkmann 管を有する c 海綿骨は骨梁からなる柱状構造である d 海綿骨の骨単位であるパケットは半円柱状である e 骨膜の成分はコラーゲン線維のみであり 細胞成分はない 解答 b.e b オステオンは骨単位ともいう. 緻密骨にあって, 中央に毛細血管のある小孔があり, その周囲に密な 骨の層のある単位 骨の構造と成分について骨は関節面を除いて骨膜に包まれ 緻密質 ( ちみつしつ ) と海綿質 ( かいめんしつ ) からなる骨質と髄腔 ( ずいくう ) 内の骨髄 ( こつずい ) より構成されています 骨膜は骨を保護するとともに骨の成長や再生の役目があり 骨髄は赤色骨髄と黄色骨髄とに区別されます 骨の主成分は にかわ質とカルシウムの化合物です Volkmann 管はここ ハバース管なんてものもあります 3
3. 破骨細胞について正しいものを2つ選べ a 破骨細胞の前駆細胞は骨芽細胞である b 破骨細胞は骨細胞とギャップ結合している c 破骨細胞は分泌した酸で骨を吸収する d 破骨細胞に吸収された骨表面のくぼみを Howship 窩と呼ぶ e 女性ホルモンが欠乏すると破骨細胞の数が減少する 解答 c.d どんなしくみで骨の量は調節されているのでしょうか 私たちの骨格を形づくっている骨は 骨細胞 ( こつさいぼう ) という小さな細胞と その周りに蓄えられたコラーゲンやアパタイトという物質からできています コラーゲンは 皮膚や軟骨など弾力のある部分に多く含まれるタンパク質で 骨にも弾力を与えて折れにくくする働きがあります アパタイトは歯の成分としてご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが 堅い組織の原料となる カルシウムを含んだ物質です 骨細胞 ( こつさいぼう ) は 骨芽細胞 ( こつがさいぼう ) という骨細胞 ( こつさいぼう ) のもとになる細胞がアパタイトを貯め込んだ結果できたものです このため 実際に骨をつくる作業にあたっているのは 骨芽細胞ということになります それでは せっかく骨芽細胞がつくりあげた堅い骨を溶かしてしまうのはいったい何者なのでしょうか 実は骨を溶かすのも細胞なのです 私たちの体の中では 破骨細胞 ( はこつさいぼう ) という細胞が絶えず古い骨質を溶かし続けています ( 図 1) 図 1 骨を形づくる細胞たち破骨細胞 ( はこつさいぼう ) は文字通り 骨をこわす細胞という意味で名付けられていますが 実際には 骨をかじって砕いたりしているわけではなく 骨質を溶かす酵素を放出したり 骨と接する部分を酸性にしたりして骨を溶かしています 4
4. ビタミン D について正しいものをすべて選べ a 活性型ビタミン D は破骨細胞前駆物質の細胞融合を促進する b 活性型ビタミン D は腸管のカルシウム吸収を促進する c 高齢者におけるビタミン D 不足は骨粗鬆症を増悪させる d 高度なビタミン D 不足では壊血病を呈する e ビタミン D の過剰状態では骨増殖症を生じることがある 解答 a.b.c ビタミン D 脂溶性ビタミンの一種で 抗くる病因子として発見された ビタミン D は各々の前駆体であるプロビタミン D2( エルゴステロール ) および D3(7-デヒドロコレステロール ) が紫外線照射を受けて合成される D2 はきのこ, 納豆などの食品に存在し,D3 は魚や牛乳などの動物性食品に含まれる. 食物により摂取された または皮膚で合成されたビタミン D は まず肝臓で 25 位が水酸化されて 25-ヒドロキシビタミン D になり さらに腎臓で 1α 位が水酸化を受けて活性型の 1,25-ジヒドロキシビタミン D に代謝される 活性型ビタミン D は小腸からのカルシウムとリンの吸収を促進するとともに 骨からの骨塩の溶出を促す また 腎臓ではカルシウムとリンの再吸収を促進し 生体のカルシウムとリンの恒常性の維持に寄与している 活性型ビタミン D は骨芽細胞を介して骨吸収を司る破骨細胞の形成と分化を促進する また 表皮細胞 造血細胞など種々の細胞の増殖と分化に関与している ビタミン D の欠乏症として小児ではくる病 成人では骨軟化症がある. ビタミン D の腎臓での活性型への変換には 活性型濃度が高くなりすぎないように維持するフィードバック機構が存在するため 極めて大量を連日投与しないかぎり過剰症は起らないが 骨粗鬆症治療薬として用いられている活性型ビタミン D では この機構が働かないので 過剰症に注意する必要がある 主な症状は 食欲不振 嘔吐 異所性の石灰化などである 5. 骨に作用するホルモンについて誤っているものを1つ選べ a 副甲状腺 ( 上皮小体 ) ホルモンは腸管において活性型ビタミン D 合成を促進する b カルシト二ンは破骨細胞の骨吸収作用を抑制する c 成長ホルモンの過剰は成長期では巨人症を 成人では末端肥大症を生じる d 甲状腺ホルモンは骨の代謝を亢進させ吸収と形成がともに増加する e エストロゲンは破骨細胞を抑制し骨芽細胞機能を維持する 解答 a a 皮膚で合成されたビタミン D は まず肝臓で 25 位が水酸化されて 25-ヒドロキシビタミン D になり さらに腎臓で 1α 位が水酸化を受けて活性型の 1,25-ジヒドロキシビタミン D に代謝される b カルシトニンとは主に甲状腺 C 細胞より分泌され 副甲状腺ホルモンとともにカルシウムの調節にかかわり 血中カルシウムを低下させる働きがあります 5
6. 骨の成長について正しいのをすべて選べ a 長管骨は骨端 成長軟骨板 骨膜の3か所で成長する b 骨端 成長軟骨板では軟骨内骨化により海綿骨が形成される c 骨膜は長軸方向の成長に働く d 扁平骨では膜性骨化と軟骨内骨化の両方が生じる e 脊椎には1 次骨化と2 次骨化があり25 歳ころに完成する 解答 a.b.e 7. 骨格筋について正しいものを3つ選べ a 筋細胞は多核である b 筋原線維は A 帯と I 帯が交互に存在する c A 帯はアクチンとミオシンの重なる部分である d 神経筋接合における神経伝達物質はノルアドレナリンである e 速筋はⅡb 線維が主体であり 外観上赤筋である 解答 a.b.c. 6
8. 関節運動について誤っているものをすべて選びなさい a 関節運動が制限された状態を関節拘縮と呼ぶ b 関節内病変で関節運動が著しく制限された状態を関節強直と呼ぶ c Ehlers-Danlos 症候群や Marfan 症候群では関節弛緩が認められる d 膝関節の良肢位は伸展 0 である e 良肢位以外では強直を不便強直と呼ぶ 解答 d e 良肢位 とは日常の動作で不自由が少ない関節の角度関節の強直 : 関節自身の変化のために起こる関節の運動障害で いろいろな関節炎や関節の外傷のあとに起こる 関節の拘縮 :: 筋肉 神経 皮膚など 関節以外の組織の外傷 炎症 火傷などのあとに起こる関節の運動障害である 9. 徒手筋力テストで3(fair) とはどれか ( 過去問通り ) a. いくらかの抵抗に抗して関節運動が可動域いっぱいに可能 b 抵抗がなければ重力に抗して関節運動が可動いっぱいに可能 c 重力を除けば関節運動が可動域いっぱいに可能 d 筋の収縮はみられるが関節運動は不可能である e. 筋の収縮を認めない 解 )b 解説 )MMT 5(normal) 4(good) 3(fair) 2(poor) 1(trace) 0(zero) 強い抵抗を加えても関節運動が完全に可能であるかなりの抵抗を加えても関節運動が完全に可能である抵抗が無ければ重力に抗して関節運動が可能である重力を除けば関節運動が完全に可能である筋の収縮は見られるが関節運動は完全に不可能である筋の収縮は全く見られない 7
10 深部腱反射と支配神経根高位の組み合わせで正しいものをすべて選べ ( 過去問類題 ) a. 上腕二頭筋腱反射 C3~4 b. 腕橈骨筋反射 C5~6 c. 上腕三頭筋腱反射 C6-8 d. 膝蓋腱反射 L3~4 e. アキレス腱反射 L5 正解 b c d a. b. c. d. e. 一般的な深部腱反射 反射刺激部位正常反応神経支配 顎下顎閉口脳神経 V 上腕二頭筋上腕二頭筋腱上腕二頭筋収縮 C 5 - C 6 腕橈骨筋 椀と骨節腱または筋腱移行部遠位 肘屈曲し前腕回内, または前腕回内 C 5 - C 6 上腕三頭筋肘頭上の三頭筋腱肘伸展 C7-C8 膝蓋膝蓋腱膝伸展 L3-L4 内側ハムストリング外側ハムストリング 半膜様筋腱膝屈曲 L5,SI 大腿二頭筋腱膝屈曲 S1-S2 後脛骨筋内果後側の後脛骨筋腱内返しを伴う足底屈 L4-L 5 アキレスアキレス腱足底屈 S1-S2 8
11. 関節穿刺にて関節液が黄色透明な場合 考えられる疾患を1つ選べ a 変形性関節症 b 関節リウマチ c 化膿性関節炎 d 偽痛風 e 痛風 解答 a 潤滑液の働きをする関節液関節液 ( 滑液 ) は関節包の内部にある透明で粘り気のある液体で ヒアルロン酸とたんぱくを含んでいます ヒアルロン酸とたんぱくの複合体が関節軟骨の表面を覆って 関節がスムーズに動けるように潤滑液の働きをしています 関節液は通常数 ccしかありませんが スムーズに曲げ伸ばしできるのは 関節液で覆われた関節軟骨の表面がなめらかで つるりとすべるように動くからです 12. 疾患と病的 X 線初見の組み合わせで正しいのがどれか 3つ選べ a. 骨粗鬆症ー Sudeck 骨萎縮 b. 骨 Paget 病ー骨透亮像 c. 骨肉腫ー Codman 三角 d.ewing 肉腫ー onion-peel e. 前立腺癌の骨転移ー骨硬化像 解答 c d e A Sudeck 骨萎縮 骨折や外傷後 X 線像で急速に骨萎縮が出現することがあり 急性反射性骨萎縮 (Sudeck 骨萎縮 ) とよばれる B 骨ページェット病は, 局所領域の骨代謝回転が亢進している成人骨格の慢性疾患である 正常な基質が, 軟化し拡大した骨と置き換わる この疾患は無症候性のこともあれば, 骨痛や変形が徐々に発症することもある 診断は X 線検査により行う 治療には, 対症的な処置やしばしば薬物, 通常はビスホスホネートを使用する 9
13. 以下の療法のうち 保存療法に属するのはどれか 全て選べ a. 安静 b. 注射 c. 非観血的徒手整復術 d. 鋼線牽引 e. 装具療法 解答 a b c d e 14. 感染症について誤っている組み合わせはどれか 1つ選べ a. 壊死性筋膜炎ー致死率 30~40% b. ガス壊疽ー軟部組織の握雪感 c. 破傷風ー開口不能 痙笑 後弓反張 d. ネコひっかき病ー所属リンパ節腫脹 e. 結核ー診断してから 7 日以内の届出 解答 e 感染症第 12 条抜粋 医師は, 次に掲げる者を診断したときは, 厚生労働省令で定める場合を除き, 第 1 号に掲げる者については, 直ちにその者の氏名, 年齢, 性別その他厚生労働省令で定める事項を,( 中略 ) 最寄の保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない 一一類感染症の患者, 二類感染症, 三類感染症又は四類感染症の患者又は無症状病原体保有者及び新感染症にかかっていると疑われる者 15. 乳児化膿性股関節炎について誤っているものはどれか 1つ選べ ( 過去問通り ) a. 頻度が最も高い起炎菌は大腸菌である b. 偽性麻痺がみられる c.x 線像で病的脱臼を認める d. 化膿性関節炎を疑ったら直ちに関節穿刺を行う e. 診断がついたら直ちに関節切開術もしくは関節鏡視下洗浄デブリードマンを行う 解答 a 乳児化膿性股関節炎は 特に未熟児では症状や X 線画像が典型的でないことも多く 見逃されやすい疾患である 本症が疑われたなら 早急に関節穿刺を行い 診断をつける 治療が遅れると股関節の変形や患肢の短縮を招く 10
a. 黄色ブドウ球菌が最も多い b,c. 患肢を動かさず おむつ交換時に激しく啼泣 d. 進行例では寛骨臼の破壊 股関節の病的脱臼がみられる e. 下肢外転移牽引で局所の安静をはかる 感染があるので 骨を直接ひっぱる直達牽引は 16. 結核性脊椎炎について正しいものはどれか 2つ選べ ( 過去問通り ) a. 進行は急速である b. 疼痛が強く体位変換も困難である c. 対麻痺をきたすことがある d. 流注膿瘍を形成し X 線像で腰筋膿瘍が非対称性に膨隆することがある e. 進行すると前わん変形をきたす 解答 c d 腰椎と胸椎に多い a 進行は緩徐であることが特徴 b 全身症状は倦怠感や微熱 局所症状として体動時の疼痛や棘突起の叩打痛がある c 進行すると脊髄麻痺をきたす d 腰椎の罹患で 膿瘍が腰筋にそって沈下し るちゅう膿瘍を生じる e 進行すると 椎体は楔状に圧潰し 亀背となる 17. 関節リウマチにおいて生じやすい骨 関節変化はどれか 全て選べ ( 過去問通り ) a. 外反母趾 b. 手指スワンネック変形 c. 手指尺側偏位 d.dupuytren 拘縮 e. 環軸椎亜脱臼 解答 a b c e Dupuytren 拘縮手のひらの皮膚の下側には 手掌腱膜 とう膜があり 靭帯のような役目を果たしています この膜は 長掌筋腱 からつながって 指先に伸びています この手掌腱膜が縮んで 手のひらや指が拘縮( 伸びなくなる ) 変形する病気を デュピュイトラン拘縮 といいます デュピュイトラン拘縮の原因は不明ですが 発症には 手掌腱膜の線維化が関係しています 線維化により 手掌腱膜に結節ができ 周囲の血管や神経を巻き込んで 縮んでいくため 手のひらや指に 拘縮や変形が起こると考えられています デュピュイトラン拘縮は 特に薬指 ( 環指 ) と小指によく発症します また 両手に起こることもよ 11
くあります 発症部位は 指先から 2 番目の関節と指の付け根の関節で 指先の関節には発症しません また 症状が強い場合は 指先から 2 番目の関節の甲側や足の裏などの結節を合併する場合もあります デュピュイトラン拘縮は 50~60 歳代の男性に多い病気で 糖尿病の人に比較的多くみられます 18. 関節リウマチの関節のX 線所見で正しいのはどれか 全て選べ ( 過去問通り ) a. 骨びらん b. 骨棘形成 c. 軟骨下骨硬化 d. 関節裂隙の狭小化 e. 関節面の著しい破壊 解答 a d e 19. 関節リウマチの外科的治療として正しいのはどれか 全て選べ a. 滑膜切除術を行えば その関節の病変は進行しない b. 足しに対して切除関節形成術 ( 中足骨頭切除術 ) を行うことがある c. 手 手指の変形と不安定性が著しいときは関節固定術を行うことがある d. 人工関節置換術の合併症として 人工関節のゆるみがあげられる e. 関節リウマチによる膝関節障害は高位けい骨骨切り術の適応である 12
解答 b c d 20. 次の組み合わせのうち誤っているものはどれか 1つ選べ a. 変形性関節症ー骨棘形成 b. 関節リウマチー 40 歳代の男性に好発 c. 偽痛風ー軟骨石灰化 d.charcot 関節ー梅毒 e. 血友病性関節症ー関節内出血 解答 b 関節リウマチは女ばっか リウマチ熱は男女比なし 若年性関節リウマチ全身型 (still 病 ) も男女比なし 多発関節炎型は女ばっか 小関節炎型も女ばっか 21. 次の骨端症と発生部位の組み合わせのうち誤っているのはどれか 1つ選べ a. ペルテス病ー大腿骨近位骨端部 b. 第 1ケーラー病ー足舟状骨 c. パンナー病ー上腕骨小頭 d. ブラント病ーけい骨結節 ( 粗面 ) 部 e. セーブァー病ー踵骨部 解答 d ブラント病はくる病の類似疾患子供の O 脚はブラント病 : ひざ下のけい骨の上部にある成長軟骨に発育異常を伴う 成長期の脛骨近位端部内側の骨化障害 くる病 : 全身の骨に発育異常をきたす 22. 軟骨無形成症 (achondroplasia) について正しいものはどれか 3つ選べ ( 過去問類題 ) a.Ⅰ 型コラーゲンの異常による b. 軟骨内骨化が障害されている c. 四肢短縮型低身長を呈する d. 知能は正常なことが多い e. 顔貌は正常である 13
解答 b c d 骨軟骨異形成症は, 骨または軟骨の成長異常から骨格の発育異常につながり, しばしば短肢性低身長症に至る 診断は身体診察,X 線検査, そして一部の症例では遺伝子検査による 治療は手術による 骨軟骨異形成症のほとんどの型でその基本的欠陥は不明であるが, いくつかのまれな病型では,Ⅱ 型コラーゲンの異常が関係している 低身長症は, しばしば体幹と四肢の不均衡な成長を伴う著明な低身長 ( 最終身長で 4 フィート 10 インチ [147cm] 未満 ) である 軟骨無形成症は短肢性低身長症の中で最も一般的で最もよく知られる病型であるが 23. 骨腫瘍における特徴で誤っているのはどれか 1つ選べ ( 過去問通り ) a. 骨肉腫ー肺転移 b. 類骨骨腫ー夜間痛に対しアスピリン著効 c.ewing 肉腫ー玉ねぎ様骨膜反応 (onion-peel) d. 内軟骨腫ー軟骨帽 e. 多発性外骨腫ー悪性化 解答 d 軟骨帽 : 骨軟骨腫 ( 外骨腫 ( がいこつしゅ )) は 骨の表面から外側へ飛び出した骨性のこぶで 表面は軟骨組織がおおっています この軟骨は 帽子をかぶったようにみえるので軟骨帽 ( なんこつぼう ) と呼ばれています 24. 肩の腱板を構成する筋に含まれないのはどれか 1つ選べ a. 棘上筋 b. 棘下筋 c. 小円筋 d. 大円筋 e. 肩甲下筋 解答 d e 回旋腱板 ( ローテーター カフ ) ともいう 回旋筋腱板は肩甲骨の前面と後面からおこる4つの筋 すなわち肩甲下筋 棘上筋 棘下筋 小円筋の腱のことをいう 上腕骨頭を関節窩に引き寄せ支点を与え 肩甲上腕関節を安定させる 個々の筋としての作用以外に 腱板相互に代償作用を有し 1つの functional unit として機能する 14
25. 上腕骨外側上顆炎について正しいのはどれか 全て選べ a. ゴルフ肘と呼ばれる b. 多くの場合 保存療法は無効である c. 手関節 手指屈筋群付着部の炎症である d. ステロイド局所注射が有効である e. 誘発テストとして Thomsen test,chair test, 中指伸展テストなどがある 解答 d e 26. 上肢の絞扼性神経障害について正しいのはどれか 全て選べ a. 肘部管症候群は内反肘に生じやすく尺骨神経が障害される b. 尺骨神経麻痺では鷲手が特徴的とされる c. 正中神経麻痺では Froment( フロマン ) 徴候が見られる d. 手根管症候群ではトウ骨神経が障害される e. トウ骨神経麻痺の特徴は下垂手である 解答 b e a c 肘部管症候群肘の内側の上腕骨内上顆 ( じょうわんこつないじょうか ) というくるぶしの後ろに 骨と靭帯 ( じんたい ) で形成された肘部管というトンネルがあります ここを尺骨神経が通ります トンネル内は狭くゆとりがないため 慢性的な圧迫や引き延ばしが加わると 容易に神経麻痺が発生します 圧迫の原因には トンネルを構成する骨が隆起した骨棘 ( こつきょく ) や 靭帯の肥厚 トンネル内外にできたガングリオン嚢腫 ( のうしゅ ) などがあります 神経引き延ばしの原因には 小児期の骨折によって生じた外反肘 ( がいはんちゅう )( 肘を伸展させると過剰に外側に反る変形 ) などがあります 肘部管での Tinel 様徴候 ( 手首の辺りを叩くと 痛みがくすり指や小指に放散する ) Froment 徴候 ( 母指と示指での横つまみが不能な状態 ) 小指と環指の鷲手変形 肘屈曲試験( 肘屈曲位でしびれの増強 ) などが陽性ならば本症と診断されます d 手根管症候群手首の手のひら側にある骨と靭帯 ( じんたい ) に囲まれた手根管というトンネルのなかを 正中神経と9 本の指を曲げる筋肉の腱が通っています このトンネルのなかで神経が慢性的な圧迫を受けて しびれや痛み 運動障害を起こす病気です 15
27. 脊柱側弯症について誤っているのはどれか 1つ選べ ( 過去問類題 ) a. 特発性側弯症が約 8 割を占める b. 思春期側弯症の 85% が男子で 右凸胸椎側弯が多い c. 脊椎を前屈させると側弯凸側で肋骨隆起が顕著になる d. 腸骨稜骨端核の大きさ ( 成熟度 ) が骨年齢の評価に有用である e. 一般に Cobb 角 50 以上のものでは手術療法を考慮する 解答 b a. 内訳は乳幼児側弯 若年側弯 思春期側弯 b. 思春期側弯症は女ばっか e. その通り 保存的治療には装具を用います 28.27 歳 女性 突然発症した両側下垂足と尿失禁にたいし MRI を施行したところ L4/5 に巨大な椎間板ヘルニアを認めた 行うべき対応はどれか 1つ選べ ( 過去問通り ) a. 腰痛体操の指導 b. 椎間板ヘルニアの徒手整復 c. 硬膜外ブロック d. 体幹ギプス固定 e. 可及的早期の手術 解答 e 解説 ) 椎間板ヘルニア手術の絶対的適応 場尾障害を有する症例 急激に進行する症例( 下垂足など ) 高度な耐え難い疼痛が持続している場合これ以外の場合は基本的に保存療法で治療可能 29. 転移性脊椎腫瘍の X 線所見で最も特徴的なのはどれか 1つ選べ ( 過去問通り ) a. 魚椎変形 b. 椎間板腔の狭小化 c. 椎弓根像の不鮮明化 d. 椎弓根間距離の拡大 e. 傍脊柱筋陰影の腫大 16
解答 c a. 魚椎変形は骨粗鬆症 老化 または外傷 b 椎間板腔の狭小化は椎間板ヘルニア d 椎弓根間距離の拡大は脊髄腫瘍 ( 馬尾腫瘍 ) e 傍脊柱陰影の拡大は 腫瘍 ( 脊椎転移性骨腫瘍 神経原性腫瘍 Ewing 肉腫 悪性リンパ腫など ) 膿瘍 ( 結核性脊椎炎 腸腰筋膿瘍など ) 血腫( 外傷 大動脈瘤破裂など ) 髄外造血巣で見られ 傍脊柱部石灰化像の鑑別診断としては 神経芽細胞腫 軟骨 骨形成性腫瘍 神経節腫など ) 炎症( 結核性脊椎炎の流注膿瘍 ) 動脈硬化や動脈瘤 リンパ節 リンパ管造影の既往などが挙げられる 30. 変形性股関節症について正しいのはどれか 3つ選べ ( 過去問類題 ) a. 日本では一次性股関節症が多い b. 異常歩行 (Trendelenburg 歩行や Duchenne 歩行など ) を呈することがある c.x 線所見として股関節の亜脱臼位を認めることが多い d. 保存療法では抗炎症薬を多用すべきではない e. 末期股関節症では患者が 40 歳以上の場合でも原則的に人工関節手術を行う 解答 b c d 解説 a. 80~90% が二次性のもので 原疾患としては先天性股関節亜脱臼 脱臼治療後の 臼蓋形成不全が大部分である 31. 発育性股関節形成不全 ( 先天性股関節脱臼 ) について正しいのはどれか すべて選べ ( 過去問類題 ) a. 男児に多い b. 下肢の左右非対称や開排制限を認める c.ortolani クリック徴候や Barlow テストが診断に有用である d. 新生児期の軽症例は厚オムツや抱き方を指導すればよい e. 乳児期の治療では観血的整復を第一選択とする 解答 b c d 股関節脱臼は女の子に多く 男の子の約 10 倍の頻度で起こります 完全脱臼が疑わしい場合や すでに股間節がはずれている場合 おむつやだっこの注意だけでは治らない場合は 治療用の装具をつけます この装具は リーメンビューゲルといい 簡単なバンドを肩から足にかけてつるし 赤ちゃんが足を動かしているうちに自然に脱臼が治るように工夫されたものです 装着期間は平均 3~4 カ月で 生後 3~6 カ月の間にこれをつければ 関節がはずれかかっているだけの亜脱臼で 100% 完全脱臼でも 90% が治ります 装具をつけてもよくならない場合は けん引といって 足を引っ張る治療をします これは基本的に入院が必要 それでも治らない場合もあり 全体の 3% が手術が必要になります 17
32. 小児の整形外科疾患について正しいのはどれか 3つ選べ ( 過去問類題 ) a. ペルテス病は 3~12 歳の男児に多い b. 大腿骨頭滑り症は思春期の太った男子に多い c. 化膿性股関節炎は手術の必要はない d. 骨肉腫は切断が治療の選択肢のひとつに挙げられる e. 先天性内反足は女児に多い 解答 a b d b. 思春期の肥満男児に多い c. 直ちに切開排膿し ドレーン留置して持続洗浄を行う 遅れると可動域制限が起こる d. その通り 肺転移にも注意 e. 男 : 女 =2:1 内反 内転 尖足 凹足 の4つの変形からなる 33. 変形性膝関節症について正しいのはどれか すべて選べ a. 関節軟骨変性を基盤とした炎症性の疾患である b. 本邦では二次性の内側型 ( 内反型 ) 変形性膝関節症が多い c. 外来通院患者では 60 歳代が最も多く 男女比は1:3である d.rosenberg( ローゼンバーグ ) 撮影肢位による X 線像が初期の変化に有用である e.x 線所見では関節裂隙の狭小化 骨棘形成 軟骨下の骨硬化などを認める 解答 c d e 明確な原因が特定できないものを 一次性変形性膝関節症 といい 一方 けがや病気など原因となるものがはっきりとしているものを 二次性変形性膝関節症 一次性変形性膝関節症 の原因は 加齢 女性 筋肉の衰え 肥満 膝への負担の大きいスポーツの習慣 O 脚や偏平足など足部の変形 足に合わない靴およびハイヒールなど 18
34.47 歳 女性 右変形性膝関節症 内側関節面に骨欠損を認める 外反ストレス X 線像にて外側関節裂隙は保たれている 保存療法に抗した場合 最も望ましい手術療法はどれか 1つ選べ a. 関節鏡視下ブリードマン b. 大腿骨顆上内反矯正骨切り術 c. 高位脛骨外反矯正骨切り術 d. 人工膝関節単顆置換術 (UKA) e. 人工膝関節全置換術 (TKA) 解答 c 35. 人工関節置換術後の感染について正しいのはどれか 3つ選べ ( 過去問通り ) a. 起因菌は黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌が最も多い b. 感染率は関節リウマチよりも変形性関節症のほうが高い c. 人工関節の抜去が必要となることが多い d. 人工関節置換中の抗菌薬投与は感染率の低下に有効である e. 抗菌薬の大量療法で治癒する場合が多い 解答 a c d 解答 a. 黄色ブドウ球菌 (MRSA) や 表皮ブドウ球菌 (MRSE) などが多い b. 関節リウマチでは副腎皮質ステロイドなどの免疫抑制薬を治療に用いるので 感染しやすいと考えられる c. 人工物は感染の母 d. e. カテーテル感染と同様 抜去しないと治癒しにくい 特に MRSA は治癒困難 サンフォード 2008 によれば 治療はデブリドマン+ 新しい人工関節再挿入 + 抗菌薬 (VCM+RFP を経口 6 週間 ) とある 36. 脂肪塞栓症候群について誤っているのはどれか 1つ選べ a. 骨折患者の 1~5% に合併する b. 初期症状は発熱と頻脈である c. 胸部 X 線像で両肺野に吹雪様陰影 (snow storm shadow) を認めることがある d. 症例の約半数じに前胸部 腋カ部 眼瞼結膜に点状出血班が出現する e. 脳神経症状は呈さない 解答 e 19
37. 外傷と合併症について誤っているのはどれか 1つ選べ a. 骨折の手術後には深部静脈血栓症 (DVT) や肺血栓塞栓症 (PTE) は生じない b. 多発外傷後には播種性血管内凝固症候群 (DIC) が生じることがある c.volkmann 拘縮は小児の上腕骨顆上骨折で最も頻度が高い d. 下腿骨骨折後に区画症候群 (Compartment syndrome) は生じることがある e. 集団災害では挫滅 ( 圧挫 ) 症候群 (crush syndrome) を念頭におく 解答 a 38. 高齢者が転倒時に発生しやすい骨折はどれか すべて選べ ( 過去問通り ) a. トウ骨遠位端骨折 b. 上腕骨近位部骨折 c. 腰椎圧迫骨折 d. 大腿骨頸部骨折 e. 大腿骨転子部骨折 解答 a b c d e 39. スポーツ外傷の初期治療として誤っているのはどれか 全て選べ ( 過去問類題 ) a. 患部を安静に保つ b. 患部を温める c. 包帯を巻いて圧迫する d. 患部を挙上する e. ギプス固定する 解答 b e a. REST( 安静 ) b. ICE( 冷却 ) しないと c. COMPRESSION( 圧迫 ) d. ELEVATION( 挙上 ) e. 初期治療ではないっしょ 弾性包帯やテーピングです スポーツ外傷の初期治療はそれぞれの頭文字をとって RICE 国務長官と覚えます 捻挫して整形に行くと 安静にしてよく冷やしていて下さい 炎症を抑えるお薬( ロキソニン ) と胃を守るお薬 ( ムコスタ ) を出しておきますね と言われます それ以外には言われません 部活があって安静は とか言うと じゃあ治らねぇよ とは言わないまでも苦い顔されます ちなみに南共済病院は院長先生からして整形外科出身でスポーツ整形が有名 いわくまやささきもかかったことがあるそうな 大リーグの 20
選手を手術するには メジャーリーグ認定スポーツドクター みたいな資格が必要だそうで 南にはそれを持つ先生がいたから佐々木のオペが出来たらしい 40. スポーツ障害と部位の組み合わせで誤っているのはどれか 1つ選べ a. リトルリーガーズエルボーー肘関節外側部 b. ジャンパー膝 膝蓋骨周囲 c. オズグッドーシュラッター病 脛骨粗面 d. セーヴァー病 踵骨アキレス腱付着部 e. 行軍骨折 中足骨 解答 a 野球肘 正式な医学的名称は上腕骨内側上顆炎 21
問題 2: 悪性骨腫瘍と良性骨腫瘍の鑑別点および一般的な治療法の違いを簡潔に述べよ 1) 症状 経過悪性は腫瘤の増大が急速で 病的骨折や骨破壊を生じ 疼痛をきたすことが多い 2) 検査所見 X 線悪性では1 骨膜反応 2 骨外への浸潤または骨皮質の破壊消失 3 腫瘍の境界が不明瞭良性では1 境界明瞭 2 骨皮質はボウリュウ 血液検査悪性では骨肉腫で ALP 高値 Ewing 肉腫の白血球増加 CRP 上昇良性では異常を認めないことが多い 3) 治療法悪性では広範切除 + 再建 切断術に化学療法 放射線を追加良性ではそうは 骨移植 単純切除 ちなみに良性腫瘍骨軟骨腫 : 脛骨近位骨幹端に好発する 大腿骨下端では きのこが生えたように成長する軟骨帽が特徴である 内軟骨腫 : 指に発生するのが特徴的である 境界明瞭 円形の骨破壊像が特徴である 類骨骨腫 : 骨硬化像が特徴である 夜間痛が強い骨巨細胞腫 : 膝の周りの骨端部に好発する 骨膜反応が全くないのが特徴である 悪性腫瘍軟骨肉腫 : 膝の周りの骨端 骨幹端に発生する 粗大な石灰化が特徴的である 骨肉腫 : 膝の周りの骨幹端に好発する 骨膜反応が非常に強く骨破壊像と造骨像が混在する 転移が非常に多い ユーイング肉腫 :X 線撮影で 骨破壊像と骨硬化像の混在や 玉葱様病巣 が認められる 22
問題 3: 片側の下肢痛を呈した腰椎椎間板ヘルニアの高位が L3/4 の場合と L4/5 の場合においてそれぞれの典型的症状と神経学的所見について簡潔に述べよ 1) 典型症状 L3/4: 大腿 膝内側から下腿内側にかけてのしびれ 疼痛 感覚障害 L5/S1: 下腿後面から足部外側 足底にかけてのしびれ 疼痛 感覚障害 2) 神経学的所見 L3/4: 膝蓋腱反射低下大腿神経伸展テスト陽性大腿四頭筋の筋力低下大腿 膝内側から下腿内側にかけての感覚障害 L5/S1: アキレス腱反射低下 SLR テスト陽性下腿三頭筋 ( ヒフク筋 ) 長母指屈筋 長し屈筋の筋力低下下腿後面から足部外側 足底にかけての感覚障害 23
問題 4: 特発性大腿骨頭壊死症における< 主なリスクファクター >< 特徴的な画像診断所見 >< 若年者および高齢者における主な手術療法 >について簡潔に述べよ 1リスクアルコール ステロイド 2 画像 X 線 : 帯状硬化像 軟骨下骨骨折 ( クレセントサイン ) MRI:T1 強調像における帯状低信号域 ( バンドパターン ) 骨シンチ :cold in hot spot 3オペ若者 : 骨温存可能であれば骨回転骨きり術 内反骨きり術などの骨きり術高齢者 : 人工関節置換術 人口骨頭置換術 24
問題 5: 特発性膝骨壊死における< 疫学 >< 好発部位 >< 症状 ><x 線学的所見 >< 治療 >について簡潔に述べよ 1 疫学 60 歳以上の高齢女性 ( 女性に多い!!) 2 好発大腿骨内側顆部関節面 3 症状急激な疼痛で発症 夜間痛 4 X 線疼痛出現後 1 から 2 カ月は所見ないことが多いその後 関節面の扁平化 関節軟骨直下の透亮像 板状石灰化 (calcified plate) が出現さらに進行すると関節裂隙の狭小化や骨棘形成を認める 5 治療初期は免荷 ( 杖 足底板 膝装具 ) を用いた保存療法病巣が大きく保存療法に抗する場合は高位脛骨骨きり術変性期では変形性膝関節症の治療 ( 人口膝関節置換術 ) をおこなう 25