平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について 綾部市教育委員会 1 実施概要 ⑴ 実施日 平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) ⑵ 実施学年 小学校第 6 学年 中学校第 3 学年 ⑶ 調査内容 ア学力状況調査 ( 国語 算数 数学 理科 ) ( ア ) 国語 算数 数学 A 主に知識に関する問題 とB 主に活用に関する問題 ( イ ) 理科 主に知識に関する問題 と 主に活用に関する問題 を一体化した問題 イ学習状況調査 児童生徒に対する質問紙による調査 ⑷ 実施学校数 参加児童生徒数 区分 実施学校数 参加児童生徒数 小学校 全国 19,433 校 1,030,031 人綾部市 10 校 279 人 中学校 全国 9,597 校 967,196 人綾部市 6 校 257 人 2 学力状況調査の結果から今年度の学力状況調査では 小学校と中学校の国語 算数 数学の 知識 (A) 問題と 活用 (B) 問題 理科の問題の全てにおいて 全国平均正答率( 以下 全国平均 ) を上回りました なお昨年度は 中学校数学の 知識 (A) 問題 活用(B) 問題が ともに全国平均を下回る結果でしたが 今年度は それを改善しました 今後も結果の詳しい分析に基づき 授業研究を通して 綾部市の あい のある学習 の一層の定着と充実を図ることにより 児童生徒が意欲的に学ぶ姿を引き出し 学力の維持 向上に努めていきます 小学校 6 年生 全国 綾部市 全国 綾部市 国語 A 70.7 78.0 国語 A 76.1 80.0 国語 B 54.7 62.0 中学校 国語 B 61.2 66.0 算数 A 63.5 68.0 3 年生 数学 A 66.1 74.0 算数 B 51.5 59.0 数学 B 46.9 52.0 理科 60.3 63.0 理科 66.1 70.0 ⑴ 小学校国語では 知識 (A) 問題 活用(B) 問題とも 全領域 観点で全国平均を上回りました A 問題では 12 問中 11 問が全国平均を上回り うち9 問は5ポイント以上上回りました 下回った1 問は せい造 の漢字を正しく書く でした B 問題では 昨年度と同様全ての問題で全国平均を上回り 8 問中 6 問は5ポイント以上上回りました 知識 活用する力ともに着実に付いてきていることが分かります 正答率が高かったのは A 問題では 伝統的な言語文化と国語の特質 に関する問題 B 問題では 話すこと 聞くこと に関する問題でした 1
算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が全国平均を上回り うち 7 問は5ポイント以上上回りました 下回った1 問は 敷き詰め模様の中に 条件に合う図形を見出す でした 正答率が高かったのは A 問題では 量と測定 に関する問題 B 問題では 数と計算の数量関係 に関する問題でしたが 昨年度は 全ての問題で全国平均を上回っていたので 今年度は 全体としては確実に学力がついているものの 一部に課題が見られると言えます 理科では 16 問中 13 問で全国平均を上回り うち3 問は5ポイント以上上回りました 1 問は全国平均と同じ 下回った2 問は 物を水に溶かしても全体の重さは変わらないことの適用 と ろ過の適切な操作方法 でした 正答率が高かったのは 2つの実験結果の分析と考察 堆積作用の理解 関節の理解 自然観察方法の構想 の問題でした 学習区分別では 物質 に 観点別では 実験 観察の技能 に若干課題があると見られます 今後は 課題の解決を図るとともに 小学校での成果を小中一貫教育の中で確実に中学校に繋ぐため 子ども同士が高め合う 学びあい学習 や 練りあい学習 をさらに推し進め 主体的 対話的で深い学び を目指します 小学校 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 78.0 70.7 68.0 62.0 63.5 54.7 51.5 59.0 60.3 63.0 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 理科 全国 綾部市 ⑵ 中学校国語では 知識 (A) 問題 活用(B) 問題とも 全領域 観点で全国平均を上回りました A 問題では 32 問中 27 問で全国平均を上回り うち 12 問は5ポイント以上上回りました B 問題では 9 問全ての問題で全国平均を上回り うち4 問は5ポイント以上上回りました 特に 話の展開に注意して聞き 必要に応じて質問する 質問の意図を捉える 場面の展開や登場人物の描写に注意して読み 内容を理解する は 高い正答率でした 数学も 知識 (A) 問題 活用(B) 問題とも 全領域 観点で全国平均を上回りました A 問題では 36 問中 33 問で全国平均を上回り うち 25 問は5ポイント以上上回りまし 2
た 正答率が高かったのは 数と式 図形 の問題でした B 問題では 14 問中 13 問で全国平均を上回り うち7 問は 5ポイント以上上回りました 下回った1 問は 団体料金が通常料金の何 % 引きになっているかを求める式を書く でした 正答率が高かったのは 数と式 の問題でした 理科でも 全分野 ( 領域 ) 観点で全国平均を上回りました 全 27 問中 21 問で全国平均を上回り うち 10 問は5ポイント以上上回りました 正答率が高かったのは 生物領域の科学的な思考 表現 の問題でした また1 問は全国平均と同じで 5 問が下回りました 下回った問題からは 化学的領域の実験観察の技能に関わる知識 に課題が見られると考えられます 以上のように 昨年度の課題であった数学について かなりの改善が見られましたが 今後も引き続き小中一貫教育の中で 小学校からのつながりを重視しつつ 課題の解決を図るとともに より一層の授業改善を進め 主体的 対話的で深い学び を目指します 中学校 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 80.0 76.1 74.0 70.0 66.0 66.1 66.1 61.2 52.0 46.9 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 理科 全国 綾部市 3 学習状況調査の結果から 1 自分には よいところがあると思いますか 自分には よいところがあると思いますか 当てはまるどちらかといえば当てはまるどちらかといえば当てはまらない当てはまらない 44.8 41.2 10.0 3.9 41.2 42.8 11.6 4.3 30.4 53.3 13.2 3.1 33.7 45.1 15.2 6.0 子どもの自尊感情と学力には相関関係があるという研究結果があります この問いは その 3
自己肯定感についての質問です この結果から見る限り 小学生の 86% 中学生の 83.7% が 自分を肯定的に見ていることが分かります この結果は昨年同様それぞれの全国平均より高くなっています また昨年度と比べ 小学生で 6.4 ポイント 中学生で 13 ポイント高くなりました 今後も自分のよさを自覚し 自信を持って生きていくように育てていきたいものです 2 将来の夢や目標を持っていますか 将来の夢や目標を持っていますか 当てはまるどちらかといえば当てはまるどちらかといえば当てはまらない当てはまらない 67.7 17.6 9.3 5.4 68.2 16.9 8.6 6.2 48.6 31.5 13.6 5.8 45.3 27.1 17.4 10.0 子どもが自分の将来への夢や目標を持って生活しているのかどうかを問う質問です 小学生 中学生共に全国平均より高い割合の子どもが肯定的に答えています 特に中学生では昨年度から 8.3 ポイント高くなり 全国との差も+7.7 ポイントとなりました 今後も綾部市の一貫教育の中で大切にしているキャリア教育を充実させることで 将来への明るい展望を描ける子どもを育てていきたいと考えます 3 学校の授業時間以外に 普段 ( 月 ~ 金曜日 ) 1 日当たりどれぐらいの時間 勉強をします か ( 学習塾で勉強している時間や家庭教師に教わっている時間も含む ) 学校の授業以外に 普段一日当たりどれぐらいの時間 勉強しますか 3 時間以上 2 時間以上 1 時間以上 30 分以上 30 分未満全くしない 8.2 19.7 48.4 20.4 3.2 0.0 12.5 16.8 36.9 23.8 7.4 2.5 2.7 21.0 41.6 24.5 8.2 1.9 10.5 25.9 34.2 16.6 7.9 4.9 ( 上のグラフで の 30 分未満 は 3.2% 全くしない は 0% です ) 学校での学習と家庭での学習が結び付いたとき 確かな学力となって定着していきます この質問は そのうち家庭での普段の学習時間についての質問です 小学生では 30 分未満 と 全くしない を合わせて 3.2% で これは全国の3 分の1で 4
す また 1 時間以上 が 76.3% と 全国より 10.1 ポイント高くなっています しかしながら 2 時間以上 は 27.9% で全国より 1.4 ポイント低くなっています 一方中学生では 30 分未満 と 全くしない を合わせて 10.1% で 全国より 2.7 ポイント低くなっています しかし 1 時間以上 ~2 時間未満 の割合は 全国を 7.4 ポイント上回っている反面 2 時間以上 は 23.7% で 12.7 ポイント低くなっています これらの傾向は 特に中学生で改善していますが 昨年度と同じで 小学生 中学生共に家庭学習の定着が更に進んできたものの 時間の確保ではまだ改善の余地があることが窺えます 綾部市では あい紡ぎプラン や 学校教育の重点 で 8コマ学習 を掲げ 中学校ブロック毎に作成されている 家庭学習のてびき も活用して家庭学習の充実を図ってきたところです 今後も 綾部市の あい のある学習 とリンクさせるなどして 児童生徒に自分で学習を組み立て 自分で学習を進める力を育てていきたいと思います 4 学校の授業時間以外に 普段 ( 月 ~ 金曜日 ) 1 日当たりどれくらいの時間 読書をします か ( 教科書や参考書 漫画や雑誌は除く ) 学校の授業時間以外に 普段 ( 月 ~ 金曜日 )1 日当たりどれぐらいの時間 読書をしますか 2 時間以上 1 時間以上 30 分以上 10 分以上 10 分未満全くしない 5.4 17.9 24.7 21.1 10.4 20.1 7.8 11.5 21.8 25.1 14.9 18.7 6.2 6.6 15.2 28.4 14.4 29.2 6.1 8.7 16.1 22.6 13.5 32.9 読書体験には様々な効果が言われていますが 実際に子どもは普段どれくらいの時間読書をしているのでしょうか この質問は それを問うものです 小学生の読書時間 1 時間以上 は 23.3% 30 分以上 は 48% と いずれも全国平均以下であった昨年度から大幅に増加し 1 時間以上 で4ポイント 30 分以上 で 6.9 ポイント全国平均を上回りました しかし 10 分未満 と 全くしない を合わせると 30.5% で 全国平均より 3.1 ポイント低いものの 3 割の児童が あまり読書をしていない状況です 中学生の読書時間 1 時間以上 は 12.8% 昨年度平均以上であった 30 分以上 は 28% で いずれも全国平均以下となりました 一方 10 分未満 と 全くしない を合わせると 43.6% で 全国平均より低く また昨年度より若干改善したものの 4 割強の生徒が あまり読書をしていない状況です 綾部市の小中学校では 朝読書の時間を設定したり 地域の皆様によるボランティアや市図書館による読み聞かせなどを活用したりして 読書環境の充実に努めています またPTAと連携して 家庭読書の日 の取組をしている学校もあります 今後も家庭と連携してあらゆる機会を通して 子どもの読書習慣を育てたいと思います 5
5 今住んでいる地域の行事に参加していますか 今住んでいる地域の行事に参加していますか 当てはまるどちらかといえば当てはまるどちらかといえば当てはまらない当てはまらない 46.6 36.2 11.5 5.7 35.9 26.8 19.2 18.0 22.6 38.9 25.7 12.8 18.6 27.0 27.9 26.4 綾部市の小中学校は いずれも地域に根差した教育を重視し 地域との連携 協働を図ってきました それでは子どもたちは 地域社会との繋がりをどのように意識しているのでしょう この質問は それを問うものです 小学生で 当てはまる と答えたのは 46.6% で 全国の 35.9% を大きく上回っています どちらかといえば当てはまる も含めると 実に 82.8% の高率になります ( 全国は 62.7%) また中学生でも どちらかといえば当てはまる も含めると 61.5% となり 全国の 45.6% を昨年度と同じく 15.9 ポイントも上回っています この結果からは 綾部市では地域社会の皆様の理解と協力を得て まさに 地域総ぐるみ で子育てをしていただいていることが読み取れます また子どもたちも進んで地域社会と関わり 貢献していこうとしていることが分かります 今後も 一貫教育の柱の一つでもある ふるさと教育 を学校教育の重点とし それぞれの地域との繋がりを大切にした取組を進めます 6