平成29年政策評価(総合評価)結果

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(4) 被害金交付形態別の認知状況 現金手交型及び現金送付型は 認知件数 被害額がいずれも減少し 対策の効果が見られた 振込型の認知件数が増加し 還付金等詐欺の増加の影響が見られた 交付形態別認知件数 ( 既遂のみ ) 交付形態別被害額 27 年 4,884 4,787 2,67 27 年 91.1

警察署長又は本部捜査担当課長は 犯罪の検挙状況 被害者等からの相談 関係機関からの通報等により再被害防止対象者に指定する必要がある被害者等を認めるときは 再被害防止対象者指定等上申書 ( 様式第 1 号 ) により警察本部長に再被害防止対象者の指定を上申するものとする この場合において 警察署長は

( 件 / 人 ) 12, 交通事故の推移 (S4~) ( 人 ) 18 1, 8, 6, 4, 2, 死者数 人身事故件数 負傷者数 S4 S45 S5 S55 S6 H2 H7 H12 H17 H 約 2 倍 6 人身事故件数及び負傷者数は 平成 14 年以降減少傾

管理センター 03-XXXX-XXXX 取り下げ最終期日平成 年 月 日 未納料金がある 本日中に連絡がない場合は法的手続きを取る ( 実在する大手事業者の名称がかたられる場合がある ) ( 注 1) メールアドレスではなく携帯電話番号を宛先にして送受信するメッセージサービス ( 注 2) 電子メー

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

岡山県警察女性・子どもを守る施策実施要綱の制定について(通達)

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学校の危機管理マニュアル作成の手引

相談したい場合 の窓口は 区市町村のDV 相談窓口 警察の生活安全課 そして配偶者暴力相談支援センターです 配偶者暴力相談支援センターは 東京都には2か所 東京ウィメンズプラザと東京都女性相談センターがあります 区市町村のDV 相談窓口は 配偶者暴力相談支援センターがある場合はそこに それ以外は各福

問 3 全員の方にお伺いします 日頃 サイバー犯罪 ( インターネットを利用した犯罪等 ) の被害に遭いそうで 不安に感じることがありますか この中から1つだけお答えください よくある % たまにある % ほとんどない % 全くない 全

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地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

最近の 株や社債をかたった投資詐欺 の被害状況等について 被害状況等 ( 詳細は別添統計資料参照 ) 警察庁の統計によると 平成 28 年 (1~11 月 ) の特殊詐欺全体の認知件数は12,680 件と前年同期比 ( 平成 27 年 1~11 月 )368 件増加した 被害金額については367 億

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

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千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

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加須市審議会等の会議の公開に関する要綱の運用の手引

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

函館市の障がい者虐待の現状について 1 養護者による障がい者虐待についての対応状況 (1) 相談 通報対応件数および相談 通報者 函館市要援護高齢者 障がい者対策協議会 平成 30 年 2 月 7 日 1 件の事例に対し複数のものから相談 通報があった場合, それぞれの該当項目に重複して計上されるた

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平成 26 年 11 月 コミュニティサイトに起因する 児童被害の事犯に係る調査結果 ( 平成 26 年上半期 ) 警察庁生活安全局情報技術犯罪対策課

1 特殊詐欺についての認知度 (1) 特殊詐欺の手口の認知度 問 1 現在, さまざまな手口の特殊詐欺が現れています あなたは, 特殊詐欺の手口としてどのようなものを知っていましたか 知っていたものをこの中からいくつでもあげてください オレオレ詐欺 97.8% 還付金等詐欺 78.8% 架空請求詐欺

広報資料捜査第二課生活安全企画課 平成 27 年の特殊詐欺認知 検挙状況等について ( 確定値版 ) 1 特殊詐欺全体 ⑴ 特殊詐欺の認知状況 認知件数は13,824 件 ( 前年比 +432 件 +3.2%) 被害額は482.0 億円 (-83.5 億円 -14.8%) で 被害額は減少に転じたも

2-(5)-ア①-1 日米両政府への要請活動

3. 学校に不審者が侵入した場合の対応について 対応 1 情報の入手 巡回中の教職員の情報子どもからの情報偶然に発見 職員室への報告 複数の教職員で現場へ 発見者が インターホン 無線 携帯電話等所持 不審者から子どもを 携帯電話 等で 状況を把握 回避 職員室へ報告 職員室へ連絡 対応 2 対応

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

県民の期待と信頼に応える力強い警察 ~ 安全で安心して暮らせる石川の実現 ~ としたものである 2 重点目標の策定 運営の指針に基づき 具体的な業務を推進する上で県警察が重点的に取り組むべ き目標として 次のとおり重点目標 7 項目を策定した なお それぞれの設定趣旨 重点推進事項等については 別添

【別添】学校におけるいじめ問題への的確な対応について(通達)

上越市立有田小学校いじめ防止基本方針 平成 30 年 4 月策定 1 いじめの定義といじめに対する基本的な考え方 (1) いじめの定義児童生徒に対して 当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 ( インターネット

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東京都における犯罪被害者等支援 1 これまでの取組 年 月 内 容 平成 8 年 9 月 警視庁 犯罪被害者対策室 設置 平成 9 年 12 月 東京都犯罪被害者支援連絡会 設置( 事務局 : 警視庁 ) 平成 12 年 1 月 東京都人権施策推進指針 策定( 人権課題の一つと位置付け ) 平成 1

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

1 平成28年度概算要求の概要(表紙)

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神奈川県立逗子高等学校いじめ防止基本方針 1 いじめの防止等に関する基本的な考え方 ( 本校のいじめ防止に関する基本的な姿勢 ) いじめは いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず その生命又は身体に重大な危険を生じさせるお

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的に推進すべき事項を定めること (2) 本部本部関係課は 全国的な犯罪情勢を勘案し 本部が主導して抑止を行う種類の犯罪 ( 以下 本部重点犯罪 という ) を定め その犯罪抑止計画 ( 以下 本部犯罪抑止計画 という ) を策定すること 本部重点犯罪は 県境において続発している犯罪その他関係する本部

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

1. 地域における連携の強化ああ登下校時における防犯対策の推進に当たっては 警察 教育委員会 学校 自治体の3 者に加え 放課後児童クラブ 放課後子供教室 地域住民 保護者等の関係者が連携することが不可欠である このため 以下の対策に取り組む (1) 登下校時における防犯対策に関する 地域の連携の場

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

○ 被害児童生徒・保護者の意向を的確に把握し、調査方法を工夫しながら調査を進めること。

期待と信頼に応える力強い警察 を確立する必要がある よって 平成 29 年石川県警察運営の指針を 県民の期待と信頼に応える力強い警察 ~ 安全で安心して暮らせる石川の実現 ~ としたものである 2 重点目標の策定運営の指針に基づき 具体的な業務を推進する上で県警察が重点的に取り組むべき目標として 次

る行為 ( インターネットを通じて行われるものを含む ) であって 当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう 個々の行為が いじめ に当たるか否かの判断は 表面的 形式的にすることなく いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要である この際 いじめには 多様な態様があることに

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

【広報資料】【H27上】コミュニティサイト等に起因する事犯の状況

原議保存期間 5 年 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 各都道府県警察の長 殿 警察庁丙刑企発第 43 号 ( 参考送付先 ) 平成 22 年 2 月 25 日 各附属機関の長 警察庁刑事局長 各地方機関の長庁内各局部課長 美容外科手術を行っている医師の団体に属する会員等からの指名手配

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01 表紙

6 女性への暴力やセクシュアル・ハラスメントの防止

表紙

平成 28 年度予算の概要 ( 目次 ) 平成 28 年度予算の概要 ( 総表 ) 1 第 1 テロ対策と大規模災害対策の推進 4 第 2 サイバー空間の脅威への対処 5 第 3 客観証拠重視の捜査のための基盤整備 6 第 4 組織犯罪対策の推進 7 第 5 生活の安全を脅かす犯罪対策の推進 8 第

多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

目 次 1 はじめに 1 2 児童を取り巻く治安情勢と安全対策の現状 2 3 児童を犯罪の被害から守るための方策 6 4 児童を犯罪の被害から守るための条例の基本的方向 8 5 おわりに 1 3 検討経過 児童を犯罪の被害から守る対策審議会委員名簿


組織内CSIRTの役割とその範囲

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

し 地域住民 関係機関 団体等の地域社会と一体となった諸対策を一層強力に推進する必要がある そして 警察職員一人一人が高い士気と厳正な規律を保持しながら積極的に職務を遂行しつつ 検挙力と事態対処能力を兼ね備えた力強い警察を確立することにより 安全で安心して暮らせる石川を実現させなければならない よっ

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計画策定の趣旨と背景

消費者行政における執行力の充実に関する提言の概要~地方における特商法の執行力の充実に向けて~

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学力向上のための取り組み

平成18年度推進計画の進行状況_参考資料

Ⅱ. 防犯カメラの設置及び運用に当たっての留意事項 1 設置の目的防犯カメラの設置者は 犯罪 又は事故を防止するなどの目的を明確にし その目的を逸脱した運用を行わないようにしてください 2 撮影の範囲と設置場所防犯カメラで撮影された映像は その取扱いによっては 撮影された個人のプライバシーを侵害する

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

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犯罪からの子どもの安全 関与者インタビュー

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警察におけるカウンセリングの様子 ワンストップ支援センターの設置促進 施策番号 65 警察庁においては 各都道府県警察において行っている性犯罪被害の電話相談について 平成 29 年度予算で性犯罪被害者相談電話番号の統一化に要する経費を新たに予算措置し 全国共通の短縮ダイヤル番号 (#4 桁番号 )


平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

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1 はじめに 本市では 平成 17 年に 鹿児島市安心安全まちづくり条例 を定め 地域の安全は地域で守る を基本理念に 市と市民 事業者等が連携 協働し 安心して安全に暮らせるまちづくりを進めてきました これまでに防犯パトロール隊や青色防犯パトロール車による防犯活動をはじめ 安心安全ネットワーク会議

(1) 組織の役割 1 未然防止ア ) いじめが起きにくい, いじめを許さない環境づくり 2 早期発見 事案対処ア ) いじめの相談 通報を受け付ける窓口イ ) いじめの早期発見 事案対処のための, いじめの疑いに関する情報や児童の問題行動などに係る情報の収集と記録, 共有ウ ) いじめに係る情報

2019 年度 安全報告書 九州急行バス株式会社

広報資料平成 25 年 11 月 14 日警察庁 コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について ( 平成 25 年上半期 ) 1 調査の趣旨近時 出会い系サイトに起因して犯罪被害に遭った児童数は減少傾向にあるが 他方 コミュニティサイトに起因して犯罪被害に遭った児童数は 平成 2

高齢消費者に対しては トラブルを未然に防止するため 昨秋にはイメージキャラクターを活用したキャンペーンの実施等に取り組んだところであり 引き続き普及啓発 注意喚起を徹底するとともに 同じ消費者が何度も被害に遭わないよう地域における見守り体制を強化する トラブルに遭ってしまった消費者が円滑に相談できる

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過去の暴力団の典型的な活動は 伝統的な資金源とされる覚醒剤の密売 みかじめ料の徴収などでしたが 平成 4 年の暴力団対策法の施行後の取り締まりの強化により 暴力団の資金活動は巧妙化していきました 暴力団自らは表に出ることなく 企業活動を仮装するなどして資金活動を行っており 暴力団関係企業と知らずに取

マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください! 平成 27 年 10 月 1 日公表 11 月 2 日最終更新 内閣府警察庁特定個人情報保護委員会消費者庁総務省国税庁 内閣府のコールセンターや地方公共団体 消費生活センターなどに マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報

Transcription:

平成 29 年政策評価書 千葉県警察重点目標安全で安心できる県民生活の確保 施 策 子供 女性 高齢者を守る取組の推進 施策目標子供 女性 高齢者の安全 安心の確保 施策設定の背景 千葉県における刑法犯認知件数は減少傾向にある中で 子供の生命 身体を害する犯罪や強制わいせつ等の女性に対する性的犯罪 ストーカー事案 配偶者暴力事案 児童虐待事案 高齢者虐待事案等の人身安全関連事案や 高齢者を狙う電話 de 詐欺等の犯罪が高水準で推移している状況にあります このように子供 女性 高齢者という弱者を狙った犯罪は 被害者の心身に深刻な影響や地域住民に不安感を与えるほか 事案によっては急展開し 重大事案に発展するおそれがあることから 警察としては 各部門が総合力を発揮して諸対策を推進するとともに 自治体 地域住民 事業者等の関係機関 団体等が連携するなどして 社会全体で安全 安心を確保するための取組を推進する必要があります 実施項目 1 子供や女性を性犯罪等から守るための取組の推進 推進結果 1 1 性犯罪等に対する先制 予防的活動の推進 子供や女性を対象とする性的犯罪の前兆とみられる 声掛け つきまとい 等( 以下 前兆事案 という ) の情報を一元的に 収集 分析し 各種法令を活用した検挙対策 犯罪に至らない場合 であっても適切に指導 警告を行うなど 性犯罪等の未然防止 を図る先制 予防的な活動を積極的に推進しました 前兆事案の検挙 指導警告状況 ( 平成 29 年中 ) 検挙件数 359 件 ( 前年比 -115 件 ) 指導 警告件数 758 件 ( 前年比 +24 件 ) 2 関係機関 団体等と連携した広報啓発活動等の推進 (1) 自治体や鉄道事業者と協働して痴漢防止キャンペーン (6 月 ) を行い 被害防止に関する広報啓発活動を推進しました (2) 犯罪の多発時間帯に自治体 防犯ボランティア等と警察が連携 して防犯パトロール活動を行うなど 官民一体となって子供や女 性の見守り活動を推進しました (3) 不審者や犯罪発生場所等に関する防犯情報を地域住民などに対 - 1 -

し 迅速かつ積極的に発信しました 3 県民の自主防犯意識の醸成 (1) 女性の自主防犯意識を醸成し 性犯罪等を抑止することを目的 として結成した よくし隊レディ あおぼーし ( 以下 あお ぼーし という ) による広報啓発活動等を推進しました また 子供の犯罪被害を防止するため あおぼーし の隊員に新たに 少年補導専門員を指定して体制の強化を図るとともに 子供の安 全対策にも活動の幅を広げた取組を推進しました あおぼーし の活動状況 ( 平成 29 年中 ) キャンペーン実施回数 62 回 防犯教育実施回数 248 回 (2) 県警ホームページの 不審者情報マップ 欄に 前兆事案発生 場所等の情報のほか 子供や女性が被害に遭わないための防犯対 策や相談窓口等を掲載するなど 自主防犯意識の高揚を図り ました (3) 子供が理解しやすいよう工夫を凝らした絵本等を作成して 被 害防止教育や実践的な護身術の教養を実施したほか 学校や民間 企業と連携して不審者侵入時の対応訓練を実施するなど 危機回 避能力の向上に努めました 被害防止教育の推進状況 ( 平成 29 年中 ) 回数 1,782 回 ( 前年比 +167 回 ) 人数 309,745 人 ( 前年比 +28,024 人 ) (4) 県民からの要請を受け 子供と女性の安全対策に関する公開防 犯講話を開催するなど 子供と女性の防犯意識の醸成に努めました 4 児童虐待事案に対する迅速的確な対応 (1) 児童虐待対策係の体制強化 増加傾向にある児童虐待事案に的確に対応し 児童を守る取組 を一層強化するため 生活安全部少年課児童虐待対策係を増員し て体制を強化しました (2) 児童の安全確保を最優先とした対応の徹底 児童虐待の疑いのある事案を認知した場合は 児童の身 体を直接確認したり 近隣住民から聞き込みを行うなど 児童の安全確保を最優先とした対応を図りました 児童虐待事案の件数 ( 平成 29 年中の暫定値 ) 情報件数 2,401 件 ( 前年比 -168 件 ) 児童通告件数 2,269 件 ( 前年比 -101 件 ) (3) 児童相談所等関係機関との連携強化 - 2 -

ア合同研修の実施児童虐待事案に適切に対応するため 児童相談所との立入調査訓練や合同研修を行い 連携の強化を図りました イ協定の締結警察と児童相談所がより一層緊密な連携を図り 適切な役割分担の下 児童虐待事案の早期発見と被害拡大防止に努めることを目的として 県及び千葉市との間で児童虐待事案における情報共有に関する協定を締結しました 実施項目 2 推進結果 2 ストーカー 配偶者暴力事案等の被害者に対する迅速的確な対応 1 ストーカー 配偶者暴力事案等に対処するための体制の強化ストーカー事案や配偶者暴力事案等の人身安全関連事案の情報を一元的に集約し 署への指導や迅速な支援等を推進するため 子ども女性安全対策課の捜査員 ( 人身安全対処班 ) を増員して県本部対処体制を強化しました 2 被害者等の安全確保を最優先とした取組の推進 (1) 危険性 切迫性の的確な判断署が認知した人身安全関連事案情報については 子ども女性安全対策課が一元的に集約し 個々の事案の危険性 切迫性を的確に判断して署に指導助言を行うなど 適切な被害者等の保護対策を推進しました 相談受理件数 ( 平成 29 年中 ) ストーカー事案 731 件 ( 前年比 +80 件 ) 配偶者暴力事案 3,165 件 ( 前年比 -146 件 ) その他男女間トラブル事案 6,617 件 ( 前年比 +387 件 ) (2) 迅速な捜査員の派遣危険性 切迫性が認められる人身安全関連事案に対しては 人身安全対処班やストーカー DV 捜査係を迅速に署に派遣し 行為者の検挙や被害者等の保護対策等を組織的に推進しました (3) 積極的な事件検挙人身安全関連事案の行為者に対しては 各種法令を適用した早期検挙や 事件化できない場合であっても指導 警告を与えるなど重要事案の未然防止措置の徹底に努めました 恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案の検挙状況 ( 平成 29 年中 ) ストーカー事案 84 件 ( 前年比 -29 件 ) 配偶者暴力事案 253 件 ( 前年比 -34 件 ) - 3 -

その他の男女間トラブル事案 159 件 ( 前年比 -24 件 ) ストーカー規制法に基づく警告及び禁止命令 ( 平成 29 年中 ) 警告 36 件 ( 前年比 -34 件 ) 禁止命令 20 件 ( 前年比 +17 件 ) (4) 被害者の立場に立った保護対策の推進 ア被害者等に対して防犯指導 関係機関の窓口やストーカー規 制法に基づく禁止命令等の制度の教示 特定通報者登録 携帯 用緊急通報装置の貸出しなどの保護対策を推進しました 携帯用緊急通報装置貸出件数 ( 平成 29 年中 ) 111 件 ( 前年比 -30 件 ) イ被害者等の一時避難に対する支援のほか 県外に一時避難す る場合には 関係都道府県警察と連絡 調整を図り 被害者等 の安全確保に努めました 県間連絡実施件数 ( 平成 29 年中 ) 発信件数 1,075 件 ( 前年比 -55 件 ) 受信件数 879 件 ( 前年比 -3 件 ) ウストーカーや配偶者暴力の被害者が 被害防止対策や法制度 警察がとり得る措置などを容易に理解することができるよう リーフレットを 4,000 部作成して活用するとともに 日本 語 英語 韓国語など 8 か国語版に編集して外国人被害者への 対応にも活用しました (5) 警察官の対処能力の向上 各署に対する巡回教養 学校教養等の機会を利用し 人身安全 関連事案に対する警察官の対処能力の向上に努めました 3 関係機関 団体等と連携した被害防止対策の実施 (1) 千葉県人身安全関連事案連絡会議の開催 ストーカー事案 配偶者暴力事案や高齢者虐待事案等に関する 情報共有 犯罪予防及び被害の拡大防止を目的とし 知事部局 ( 関 係部署 ) と警察による 千葉県人身安全関連事案連絡会議 を開 催し 連携した取組について協議しました ( 四半期ごとに開催 ) (2) ストーカー加害者に対する精神医学的 心理学的アプローチ ストーカー加害者の更生を図るため 精神科医師等と連携して 医療措置をとる精神医学的 心理学的アプローチ施策を推進しま した (3) 広報啓発活動の推進 ストーカー事案や配偶者暴力事案等における女性被害が多いこ とから これらを予防するために各種防犯講話 講習会 防犯キ - 4 -

ャンペーン 女性に対する暴力をなくす運動 (11 月 ) 等におけ る啓発活動のほか 県警ホームページ 報道機関等 あらゆる広 報媒体を活用して 被害に遭わないための広報啓発活動を推進し ました 実施項目 3 高齢者の安全安心の確保 1 高齢者の安全安心総合対策の推進推進結果 3 (1) 高齢者の安全安心対策部会の活動 高齢者を取り巻く諸問題に取り組む団体で構成する 千葉県安 全安心まちづくり推進協議会高齢者の安全安心対策部会 の会議 (11 月 ) を開催し 高齢者の犯罪被害防止 交通事故防止 災 害対策や福祉等会員相互の活動に関する情報を共有して 連携の 強化を図りました また 他の部会員に対しては 特に高齢者被 害の割合が大きい 電話 de 詐欺 に関する防犯情報などを定期 的に発信しました (2) 高齢者の社会参加促進 ア防犯ボランティア活動の支援 高齢者の社会参加意識を醸成するため 防犯ボランティア活 動の積極的な支援による活性化を図り 高齢者が参加しやすい 環境づくりに努めました イ老人クラブなどと協働した取り組み 老人クラブの会員で構成する劇団と警察署が協働し 電話 d e 詐欺の被害防止を訴える寸劇を披露するなど 高齢者自らが 犯罪被害防止に参画する活動を推進しました ウ高齢者宅への戸別訪問による防犯指導 巡回連絡を始めとした高齢者宅への戸別訪問の機会に 犯罪被害防止に関する防犯指導を実施しました 2 電話 de 詐欺対策の推進 (1) 認知状況 平成 29 年中における電話 de 詐欺の認知件数は 1,517 件 ( 前年比 +413 件 ) と過去最悪を記録し 被害額も約 23 億 6 千万円 ( 前年比 + 約 3 千万円 ) と前年を上回りました 電話 de 詐欺被害者に占める高齢者の割合は 80 パーセント以 上と特に大きく 高齢者の安全安心の確保のためには その対策 が喫緊の課題となっています 手口別では 息子や孫 警察官 金融機関職員等をかたり 現 金やキャッシュカードをだまし取る オレオレ詐欺 が最も多く - 5 -

984 件 ( 前年比 +530 件 ) で 全体の約 65 パーセントを占 めており 次いで メールやはがきで何らかの未納料金があるよ ううそを言って 電子マネーなどによる支払いを求める架空請求 詐欺が 302 件 ( 前年比 +167 件 ) と 全体の約 20 パーセン トを占めています (2) 県民の抵抗力強化 ア固定電話機対策の推進 電話 de 詐欺の手口は複雑 巧妙化していますが そのほと んどは 家庭の固定電話に対するだましの電話から始まること から 電話 de 詐欺は電話 de 対策! をキャッチフレーズ として 家庭の固定電話機対策について県民への周知を図ると ともに たとえ電話に出てしまっても 電話でお金やキャッシ ュカードの話は詐欺 という全ての手口に対応できる最も基本 的な防犯対策を推進しました イ 電話 de 詐欺 悪質商法被害抑止コールセンター によ る注意喚起 NTT 電話帳 押収した名簿等を基に 電話 de 詐欺の発生 状況などを伝える注意喚起架電を 平成 29 年中は県内約 18 万世帯に実施しました また 金融機関に対し 予兆電話の多 発情報などを伝え 窓口に現金を引き出しに来る高齢者等への 声掛け強化と警察への通報を依頼する 電話 de 詐欺警戒警報 についても 延べ 18,960 店舗に発令しました ウちば安全 安心メールなどによる防犯情報の発信 ちば安全 安心メール及びインターネットアプリケーション Yahoo! 防災速報 により 電話 de 詐欺の発生状況や 被害防止対策などについて情報発信し 登録者に注意を呼び掛 けました エ電話 de 詐欺被害防止啓発用短編動画の制作 平成 28 年に制作した 電話 de 詐欺被害防止啓発用 DVD を短編化し 字幕を挿入するなどして 犯行手口の特徴をより 分かりやすく編集した DVD を 病院 銀行 教習所等に配布 して ロビーや待合室での放映を依頼しました (3) 官民一体となった諸対策の推進 ア水際対策の強化 ( ア ) 金融機関における対策 被害が疑われる高齢者が 窓口で高額の引き出しを求めた 場合には 県警から提供した 金融機関声掛けマニュアル - 6 -

に基づく窓口での積極的な声掛けと 警察への通報を依頼しました また 平成 28 年に過去最悪の認知件数を記録した還付金等詐欺への対策として 県警からの依頼に基づき 複数の金融機関で 3 年以上 ATMでのキャッシュカードを利用した振込をしていない70 歳以上の顧客 による振込を一部制限する ATM 振込制限 を導入しました ( イ ) コンビニエンス ストアにおける対策電子マネーなどによる支払いを要求される架空請求詐欺の被害場所の多くはコンビニエンス ストアであるため 県警から 声掛けチェックシート を配布し 多額の電子マネーを購入しようとする者など 被害が疑われる者に対する声掛けと警察への通報を依頼しました イ報道機関と連携した広報啓発活動千葉日報社と連携し 毎週日曜日の新聞紙面に 電話 de 詐欺被害の現状や被害防止対策などを定期的に掲載する取組を開始しました また 各種キャンペーンや防犯講話 電話 de 詐欺被害未然防止功労者への感謝状贈呈式等の実施について 報道各社に情報提供し 電話 de 詐欺撲滅に向けた社会気運の醸成を図りました ウ被害の未然防止官民一体となった諸対策を推進した結果 金融機関職員 コンビニ店員 被害者の家族や知人を始めとした県民による電話 de 詐欺被害の未然防止は 平成 29 年中 1,506 件 ( 前年比 +784 件 ) と前年から大幅に増加しました 3 高齢者虐待事案への迅速的確な対応高齢者虐待事案に対しては 積極的な事件化や行為者に対する指導警告 被害者の一時避難への支援等の保護対策を推進しました また 高齢者虐待事案又はその疑いがある事案を認知した場合は 市区町村の担当部署に確実に通報するとともに 市区町村から援助要請を受けた際には 連携して迅速的確な被害防止対策を推進しました 高齢者虐待事案の検挙及び指導警告状況 ( 平成 29 年中 ) 検挙件数 67 件 ( 前年比 -19 件 ) 指導警告件数 647 件 ( 前年比 +55 件 ) 市町村への通報件数等 ( 平成 29 年中 ) 市町村への通報件数 876 件 ( 前年比 +67 件 ) 市町村からの援助要請の対応件数 1 件 ( 前年比 -5 件 ) - 7 -

実績 ( 成果 ) 実績 ( 成果 ) 指標 各部門間の連携を強化し 子供や女性を対象とした前兆事案や人身安全関連事案の行為者を多数検挙したほか 人身安全関連事案に対する迅速的確な対応を図り 重大事案への発展を未然に防止しました また 関係機関 団体と連携し 子供や女性を対象とした被害防止教育や 高齢者を対象とした防犯指導等の犯罪被害防止対策に取り組みました 前兆事案検挙及び指導警告件数 800 600 ( 件 ) 715 734 758 400 200 430 474 359 0 平成 27 年平成 28 年平成 29 年 指導警告 検挙 児童虐待事案の情報件数及び通告件数 - 8 -

子供や女性に対する被害防止教育の推進状況 ( 人 ) 315,000 310,000 305,000 300,000 295,000 290,000 285,000 280,000 275,000 270,000 265,000 309,745 294,595 281,721 1,828 1,615 1,782 平成 27 年 平成 28 年 平成 29 年 ( 回 ) 1,850 1,800 1,750 1,700 1,650 1,600 1,550 1,500 回数 参加人数 恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案検挙件数 電話 de 詐欺の発生状況 - 9 -

高齢者虐待事案検挙及び通報件数 参考指標 前兆事案の認知状況 児童虐待事案の状況 - 10 -

恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案認知状況 刑法犯認知件数及び高齢者の犯罪被害の推移 効 果 1 前兆事案情報の分析結果を捜査等に効果的に活用し 連続発生し ていた事案の被疑者を検挙するなど 多くの事案を解決しました 2 あおぼーし による広報啓発活動等を積極的に推進した結果 女性に対する前兆事案が減少しました また あおぼーし によ る活動の幅を広げ 子供の犯罪被害防止対策を強化した結果 小 中学校への被害防止教室等の実施回数が増加し 子供や教職員の防 犯意識の高揚が図られました 3 ストーカー事案 配偶者暴力事案等の人身安全関連事案に対し 事案の危険性 切迫性を的確に判断し 迅速な事件化や関係機関と 連携した被害者の保護対策等を推進して 重大事案への発展を未然 に防止しました 4 官民一体となった電話 de 詐欺抑止対策を推進した結果 一昨年 に過去最悪の認知件数を記録した還付金等詐欺が大幅に減少すると - 11 -

今後の課題 ともに 未然防止件数が大幅に増加しました また 県警からの働 き掛けにより 多くの自治体で迷惑電話対策機器の貸与事業が開始 されるなど固定電話対策の重要性についても周知されつつありま す 子供や女性に対する性犯罪やストーカー 配偶者暴力事案等の人身 及び方針安全関連事案 高齢者が被害に遭いやすい電話 de 詐欺は 県民の身 近で起こり得る犯罪であり 治安に関する県民の意識に直結するもの であります 県警では 子供や女性を性犯罪等の被害から守るため 引き続き 前兆事案情報の分析結果に基づき 早期に行為者を特定し 検挙又は 指導警告措置を講ずる先制 予防的活動を推進するとともに あお ぼーし による広報啓発活動を通じて 県民の自主防犯意識の向上を 図ります また 事態が急展開して殺人等の重大事件に発展するおそ れが高い人身安全関連事案に対しては 事案の危険性 切迫性を的確 に判断し 検挙措置や被害者等の保護対策等を迅速かつ組織的に推進 します さらに 高齢者の電話 de 詐欺被害を防止するため 自宅の固定電 話機対策を県民に周知するとともに より多くの自治体で迷惑電話対 策機器の貸与事業などが導入されるよう働き掛けを行うほか 電話 de 詐欺に対する抵抗力を強化するための広報啓発活動や 金融機関と連 携 協力した諸対策を実施し 県民が安全で安心できる社会づくりの 実現を目指します 施策主管課生活安全部生活安全総務課及び生活安全部子ども女性安全対策課 政策評価担当課生活安全部生活安全総務課 - 12 -