はじめに ユダの手紙 中川健一 はじめに (1) 聖書フォーラム運動の広がり 1 聖書は霊感を受けて書かれた誤りなき 神のことば である 2ヘブル的聖書解釈 3 聖書研究から日本の霊的覚醒( 目覚め ) が 4 学びと行動の両輪が必要である (2) 異端について 1 英語で cult あるいは he

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2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク

2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2

創世記5 創世記2章4節b~25

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳

2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教

創世記5 創世記2章4節b~25

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても

2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤

2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する

2012 年 2 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )59 ローマ人への手紙総まとめ 総まとめ 1. はじめに (1) 執筆の意図 1 使徒としての使命 * 所々 かなり大胆に書いた (15:15) 2 使徒としての奉仕の原則 * 他人の土台の上に建てない (15:20) * これまで ロ

3 仲介者としての祭司たちが存在していた (2) 新約時代の状態 1すべての信者が まことの聖所に入ることができる * 天の聖所で 神の臨在の前に出ることができる 2これは 万人祭司の教えである 3 訳文の比較 こういうわけですから 兄弟たち 私たちは イエスの血によって 大胆にまことの聖所に入るこ

2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓

2013 年 3 月 24 日 ( 日 ) 25 日 ( 月 ) 52 回目 Ⅵ-054 八福の教え 八福の教え 054 マタ 5:3~12 ルカ 6:20~26 1. はじめに (1) 文脈の重要性 1 文脈を無視して 山上の垂訓のある言葉を取り出すことが余りにも多い 2イエスは 神の国の福音をも

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16

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Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方

1イエスがバプテスマを受けたとき 天が開かれて聖霊が鳩のように下った 2ここでは 天が開かれて再臨のメシアが地に下ってこられる 3 黙 4:1 では ヨハネを招くために天が開かれた 4ここでは キリストが地に下るために天が開いた (2) 白い馬に乗った方 1ローマ軍の将軍は 白い馬に乗った 2 再臨

牧会の祈り

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の

2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は

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2016 年 12 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 16 回 ラッパの裁き 5 ラッパの裁き 5 黙 9:1~11 1. はじめに (1)6 章から 9 章までの流れ 16 章で 巻き物の封印が解かれる 最初の 6 つの封印 * ここから大患難時代が始まる 27 章は 挿入句である

Heb 11:23 信仰によって モーセは生まれてから 両親によって三か月の間隠されていました 彼らはその子の美しいのを見たからです 彼らは王の命令をも恐れませんでした (1) この節は モーセの信仰ではなく モーセの両親の信仰を記録している 1 彼らは その子の美しいのを見た * ギリシア語で ア

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ

牧会の祈り

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2017 年 2 月 5 日 ( 日 ) 6 日 ( 月 ) 22 回 イスラエルに対する戦い (2) イスラエルに対する戦い (2) 黙 12:7~17 1. はじめに (1) キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている 110 章 ~14 章は 挿入箇所である * 物語の進展はなく 状況の説明が

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2018 年 2 月 4 日 ( 日 ) 5 日 ( 月 ) 29 回 善行の勧めと信仰上の勧め 善行の勧めと信仰上の勧め ヘブル 13:1~17 1. はじめに (1) この手紙は ユダヤ教への回帰を考えていた第 2 世代のメシアニック ジューたちを励ますために書かれた 1 教理的学び 2 学んだ

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ

牧会の祈り

た 義認 の祝福を述べたものでしょうか しかしこの 1 節は 2 節の頭に なぜなら という言葉があるように 2 節と密接に関連しています ですから 2 節を見て行くことによって 1 節の意味を確かめることができます 2 節が述べていることは何でしょうか それは罪と死の原理からの解放です 私たちが

このメッセージは 父なる神について考えようとするものである Ⅰ. 聖書が使用する比喩的言葉 1. 神という言葉について (1) ヘブル語でエロヒム ( エル ) ギリシア語でセオス 1 普通名詞 神々を指す言葉である 2 日本語の神も 多くの神々を指す言葉である 3 聖書の神は どういう神かを示す必

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(3) まっすぐにしなさい 1 されば衰へたる手 弱りたる膝を強くし ( 文語訳 ) 2ギリシア語の アノルソオウ である 上げる まっすぐにする 強くする 3ルカ 13:13(18 年も病の霊につかれ 腰が曲がって 伸ばすことができない ) Luk 13:13 手を置かれると 女はたちどころに腰が

1.1 節 Rev 14:1 また私は見た 見よ 小羊がシオンの山の上に立っていた また小羊とともに十四万四千人の人たちがいて その額には小羊の名と 小羊の父の名とがしるしてあった (1) ヨハネは キリストの再臨後の状況を見ている 1 実際にキリストの再臨が起こるのは 19 章になってからである

(1) 獣の形状 (1~2 節 ) (2) 獣の復活 (3~4 節 ) (3) 獣の支配 (5~8 節 ) (4) 励ましのことば (9~10 節 ) 3. 結論 : 反キリストはキリストの真似をする 反キリストの働きについて学ぶ Ⅰ. 獣の形状 (1~2 節 ) 1.1 節 Rev 13:1 また

2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜

束の地カナンに入ることが許されなかった 9 死を前にして ヨシュアを後継者に任命し 120 歳でモアブのネボ山で死んだ 10 モーセという人は 地上のだれにもまさって非常に謙遜であった ( 民数記 12:3) 11 自分を しもべとして神の家全体のために忠実でした ( ヘフ ル 3:5) 新約聖書に

1 それは キリストにのみ適用される御名である (2) 旧約聖書では 御使いたちは 神の子たち と呼ばれた Job 38:7 そのとき 明けの星々が共に喜び歌い / 神の子たちはみな喜び叫んだ 1 新約聖書では 信者が 神の子たち と呼ばれる ( ヨハ 11:52) 2しかし 御子 ( ヒュイオス

大阪インターナショナルチャーチ アリステア・マッケナ師 2015/6/28

に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において 神の霊を満たした (2~3 節 ) (1) ユダ部族のフル その子ウリ その子ベツァルエル 1フルとはモーセの手を両側から支えた 2 人のうちのひとり ( 出 17 章 ) 2フルの孫がベツァルエルである (2) 神の霊を満たした 1 知恵 (wisdom)

イエスさまの公的な活動は 2 年から 3 年と言われます その短い時間の中で人々に与えた影響は 考えられないほど大きいものでした ここに今日 わたしたちが集まって礼拝しているのも そのせいです けれどもその 2 年ないし 3 年のイエスさまの活動はずっと順調であったわけではありません イエスを愛し慕

2012 年フルクテンバウム フルクテンバウム博士セミナー セミナー 聖書が教える死後の世界 個人的終末論 講師 アーノルド フルクテンバウム博士 通訳 中川健一

2000 年は二日です ですからこちらも 遅い! と言えるほど 時は経っていないと言えます もちろん 1000 年イコール一日と言われているのではなく 一日のようだと言われていますので 単純計算できる話ではないのですが 先ほど引用した詩篇 90 篇 4 節では 私たちの時間のはかなさ 些細さという側

2016 年 10 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 7 回 フィラデルフィアの教会 フィラデルフィアにある教会 黙 3:7~13 1. はじめに (1) 黙示録の 3 区分 1 黙 1:19 は 黙示録を 3 区分している Rev 1:19 そこで あなたの見た事 今ある事 この後に起こ

Ⅰ. 管理人の不正の発覚 (1~2 節 ) 1.1 節 a Luk 16:1 イエスは 弟子たちにも こういう話をされた (1) イエスは 弟子たちに話している 1これは 弟子訓練のためのたとえ話である 2 聴衆が誰かを判断することが たとえ話の解釈のために重要である (2) その周りで パリサイ人

< CC96BD815B924E82AA8B9D8EF382B582DC82B782A CC96BD82F093BE82E982B182C682CD834E838A C982C882E982B182C682C988CB9

2011年度 牧羊者 第Ⅳ巻

  聖 書 へブル12:11,12 (第41講)

としたこと それに対してイエスは 今は 止めないでほしい 正しい ことをすべて行うのは 我々にふさわしいことです ( マタイ 3 15) と 言って ヨハネから洗礼をお受けになったと伝えています しかしマルコ福音書は そういうことは何も伝えていません イエス は ユダヤの全地方から集まって来た大勢の

に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか (1) ここで場面は 地から天に移行する 1 大患難時代を通して継続している状況の描写である (2) ヨハネは キリストに対する信仰のゆえに殉教の死を遂げた人々の幻を見た 1 彼らは 祭壇の下にいた 2 旧約時代のいけにえの血が祭壇の土台に注がれたこと

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2009 年 1 月 25 日 ( 日 ) 26 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 30 創世記 30 創世記 19 章 1 節 ~38 節 ソドムとゴモラの滅び イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 神はアブラムを選び 彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた (2) それが

B2 神はどのようなお方か 1Chro.29:10-12 Dt.10:12-13 Ps.95:1-7 B3 イエス キリストはどのようなお方か John.14:8-10 Mk.6:31-56 John.10:30-33 Heb.2: John.4:2-3 2John.7-10 B4 三位

sermon

な声で私に呼びかけるのが聞こえたあの初めの声が言った ここに上れ この後 必ず起こる事をあなたに示そう (1) ヨハネは 7 つの教会への手紙の啓示を聞いた後 天の御座の幻を見た 1 その後 私は見た とは 時間の流れを示す言葉である (2) 招きの言葉がかかった 1 一つの開いた門があった * ヨ

神殿とは 神の住まいです 自分の中に神が住まわれたということが救いであり このよ うにしてイエス様とつながっているから イエス キリストを知ることができるようになる のです 神とのつながりを断ち切ることはできない わたしは彼らに永遠のいのちを与えます 彼らは決して滅びることがなく また だれ もわた

Rev 17:2 地の王たちは この女と不品行を行い 地に住む人々も この女の不品行のぶどう酒に酔ったのです (1) 大淫婦と不品行 1 旧約聖書では 淫婦 は 偽の宗教 を象徴する言葉である 2 淫行 は 偶像礼拝を象徴する言葉である 霊的姦淫である * 通常は 真の神を信じると告白しながら 偶像

第二に 聖さを得るために 私たちはすべての人との平和を追い求めなければなりません 私たちの思いの内にある敵対心や闘争心などを放っておかず 平和的に生きるように努めなければなりません へブル書の著者は このことについて 非常に厳しく警告しています 私たちが神の聖さにあずかる者とならない限り 主を見るこ

良いこと となります ともするとクリスチャンは こう考えやすいかもしれません 私は人がどう考えるかは気にしない 神がどう思われるかだけを心に留める と 確かにそこに真理はあるのですが そのあまり 人々がどう考えるかを顧慮しない傍若無人な態度を取るのが良いのではありません パウロはここで 人々がどう見

聖書 : ピリピ 3:1~3 説教題 : 神の御霊による礼拝 日時 :2017 年 2 月 26 日 ( 朝拝 ) ピリピ人への手紙第 3 章に入ります この手紙は全部で 4 章からなっていますので 今日から後半部に入ることになります パウロは 最後に 私の兄弟たち と始めます この手紙はまだ半分ま

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テモテへの手紙第一 5 章 節 指導の任への尊敬 1A 二重の尊敬 A 監督者への監査 B 公正な裁き B 慎重な按手 B 透明性 本文 テモテへの手紙第一 5 章を開いてください 17 節から読んでいきます 私たちは

夢を超えたもの_Culture A.indd

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1 説 教 聖日礼拝 北浜チャーチ 黒田 禎一郎 2017 年 6 月 4 日 ( 日 ) 主 題 : すべてを感謝しましょう! テキスト :1コロサイ人への手紙 3 章 17 節 はじめに たった一度しかない人生 私たちはどのように生きているでしょうか? 生き方を知っている人は幸いです しかし 多

현장 전도를 위한 1단계 전도훈련교재 4

らしめ ということばが使われています 箴言 13:24 むちを控える者はその子を憎む者である 子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる また箴言 22:15 愚かさは子どもの心につながれている 懲らしめの杖がこれを断ち切る また申命記 8:5 あなたは 人がその子を訓練するように あなたの神 主 があ

ヨハネの手紙講解 神のあかし ヨハネの手紙第一 5:1~21 1. 油注がれた者 新改訳改訂第 3 版 Ⅰヨハネ 5:1 イエスがキリストであると信じる者はだれでも 神によって生まれたのです 生んでくださった方を愛する者はだれでも その方によって生まれた者をも愛します イエスがキリストであると信じる

6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下

Derek Prince Ministries Asia-Pacific THE TEACHING LEGACY OF DEREK PRINCE MINISTRIES ARCHIVE The Battlefield of the Mind - Derek

ヘブル人への手紙 11 章 1-16 節 信仰とは 1A 信仰のあかし 1-7 1B 信仰の説明 1-3 1C 望んでいることがらの実体 1 2C 称賛 2 3C 神の創造 3 2B 信仰の足跡 4-7 1C アベル - 良いささげ物 4 2C エノク - 神を喜ばす歩み 5-6 3C ノア - 神

2010 年 年フルクテンバウムセミナー フルクテンバウムセミナー 天使論 サタン論 悪霊論 講師 アーノルド フルクテンバウム博士 通訳 中川健一

1 パンの家 という意味 農業生産の豊かな地 ダビデの町とも呼ばれた 2ガリラヤのベツレヘムと区別するために ユダヤのベツレヘムと書かれている 年代 200 軒の家 クリスチャンとイスラム教徒が平和に住んでいる 4 今日 パレスチナ自治区 2 万 2 千人 クリスチャンは迫害に会っている

Rev 11:19 それから 天にある 神の神殿が開かれた 神殿の中に 契約の箱が見えた また いなずま 声 雷鳴 地震が起こり 大きな雹が降った 1これは 鉢の裁きが始まる前の天の神殿の状況描写である 2 默 15:1 は それを引き継いでいる (2) 天にもう一つの巨大な驚くべきしるしを見た 1

いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは

サーチライト with Pastor Jon Courson 黙示録 22 章パート 2 1 サーチライト With Pastor Jon 黙示録 22 章パート 2 このメッセージはアップルゲートクリスチャンフェローシップの ジョン コーソン牧師が公開したメッセージを アメリカ在住の日本人クリスチ

を与えられて 祈りつつ取り組んで行くように導かれる ですから私たちは自分の願い事を一方的に神に祈る祈りはやめて まず聖書を通してまず神を見上げること 御名を賛美することから始めたいのです そのような神への賛美また信仰告白から始まる祈りこそ祝福される祈りの基礎です さて第 2 の祈りは 御国が来ますよ

* ペリシテ人の古代都市ガザは 前 93 年に破壊され 前 57 年に再建された * この道路は ガザの遺跡を通過し 新ガザに至る荒野の道である 5 ピリポは その命令に従順に従った 2.27b~28 節 Act 8:27b すると そこに エチオピヤ人の女王カンダケの高官で 女王の財産全部を管理し

牧会の祈り

5. 章節は後代に付加せられたもので 聖書記述者の考えや霊感は反映されていな いので注意が必要 Ⅰ イエスによる預言 (42~46) 1. マタイ 21:42 は詩篇 118:22 預言からの引用 家を建てる者たちの見捨てた石 それが礎の石になった これは主のなさったことだ 私たちの目には 不思議な

牧会の祈り

は歯が痛くなるとズキンズキンとして何をしていても繰り返し襲って来る痛みに悩まされますが そのように 絶えず痛みがある と言わずにいられないような痛みを感じ続けていた 一体それはどんな悲しみ 痛みだったのでしょうか それが同胞ユダヤ人の不信仰に関することでした パウロがどんなに同胞 同国人のことを思っ

一 マリヤへの恵みある教会に 何かというと 恵まれた女よ おめでとう と言う人がいました 女性のための聖書のクラスで 誰かが正しい答えを言ったら 恵まれた女よ おめでとう 感謝なことの証しをしたら 恵まれた女よ おめでとう 誰かが牧師に祈ってもらっている姿を見たら 恵まれた女よ おめでとう 彼女はい

Transcription:

ユダの手紙 初代教会における異端と今 聖書フォーラムキャンプ in 札幌 メッセージ 中川健一 http://harvesttime.tv

はじめに ユダの手紙 中川健一 はじめに (1) 聖書フォーラム運動の広がり 1 聖書は霊感を受けて書かれた誤りなき 神のことば である 2ヘブル的聖書解釈 3 聖書研究から日本の霊的覚醒( 目覚め ) が 4 学びと行動の両輪が必要である (2) 異端について 1 英語で cult あるいは heresy である 2 異端の教えは 聖書フォーラム運動にとって大いなる脅威である 3そればかりか 健全な教会の成長と神の国の拡大を妨害する要因でもある (3) 異端の定義 1その宗教の本来の教えを歪曲化する非正統的な組織やグループのことである 2キリスト教の文脈で言うと : 聖書の基本的真理の中のひとつでも否定するなら( 通常は複数の真理を否定する ) なら その組織やグループは異端である 使徒たちの教えから逸脱したり その教えを否定したりするなら その組織やグループは異端である 3 異端は キリスト教の基本的教えと異なることを教えながら 自らはキリスト教であると主張する (4) 異端の問題は 初代教会の時代から今日に至るまで続いている 11 ヨハ 4:1~3 1 愛する者たち 霊だからといって みな信じてはいけません それらの霊が神からのものかどうかを ためしなさい なぜなら にせ預言者がたくさん世に出て来たからです 2 人となって来たイエス キリストを告白する霊はみな 神からのものです それによって神からの霊を知りなさい 3 イエスを告白しない霊はどれ一つとして神から出たものではありません それは反キリストの霊です あなたがたはそれが来ることを聞いていたのですが 今それが世に来ているのです 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 1

中川健一 ユダの手紙 2グノーシスという異端が広がりつつあった * 霊は善 肉は悪と考えた * 肉において為すことは 霊には影響を与えない * 神の子が肉体を取るはずがないとも考えた 3イエス キリストの受肉を信じることが 異端と戦うための武器である (5) ユダの手紙 1 執筆年代は 67~80 年の間だと思われる 2 読者は パレスチナに住むユダヤ人たちである 3ユダヤ人が知っている用語を説明なしに使用している 4ユダの手紙の内容は 現代的適用を多く含んでいる アウトライン Ⅰ. あいさつ (1~2 節 ) Ⅱ. 背教の教えの内容 (3~16 節 ) A. 背教の教えとの戦いの緊急性 (3~4 節 ) B. 過去の背教者たち (5~7 節 ) C. 現在の背教者たち (8~16 節 ) Ⅲ. 背教を避けるための指針 (17~23 節 ) A. 使徒たちの教えを思い起こせ (17~19 節 ) B. 自分自身の霊的成長に励め (20~21 節 ) C. 隣人に恵み深くあれ (22~23 節 ) Ⅳ. 頌栄 (24~25 節 ) Ⅴ. 結論 A. 7 つの命令 B. 現代の異端 ユダの手紙から 背教の教えの内容と勝利の秘訣について学ぶ 2 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

Ⅰ. あいさつ (1~2 節 ) Ⅰ. あいさつ (1~2 節 ) 1. 1 節 1 イエス キリストのしもべであり ヤコブの兄弟であるユダから 父なる神にあって愛され イエス キリストのために守られている 召された方々へ (1) 著者について 3 つの可能性あり ヤコブの兄弟であるユダ 1イエスの異父兄弟のヤコブ 212 使徒のひとりであるユダ ( タダイ ) 3バルサバと呼ばれるユダ ( 使 15:22) (2) イエス キリストのしもべ 1 私的権威に基づいてこの手紙を書いているのではない 2 イエス キリストのしもべ ( デューロス ) であることがすべてである (3) この手紙の受け手の 3 つの特徴 1 召された方々 * 過去の恵み * 信者は 神の権威と選びによって救いに召し出された ロマ 1:6 6 あなたがたも それらの人々の中にあって イエス キリストによって召された人々です このパウロから ロマ 8:30 30 神はあらかじめ定めた人々をさらに召し 召した人々をさらに義と認め 義と認めた人々にはさらに栄光をお与えになりました 1 コリ 1:24 24 しかし ユダヤ人であってもギリシヤ人であっても 召された者にとっては キリストは神の力 神の知恵なのです * 神の選びによる召しがなければ 誰も救われない 2 父なる神にあって愛され * 現在進行形の恵み * 愛され という動詞は 過去から現在に続く愛を示している 3 イエス キリストのために守られている * イエス キリストにあって守られている という訳も可能である * この言葉は 将来の祝福を保証している 1 テサ 5:23 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 3

中川健一 ユダの手紙 23 平和の神ご自身が あなたがたを全く聖なるものとしてくださいますように 主イエス キリストの来臨のとき 責められるところのないように あなたがたの霊 たましい からだが完全に守られますように 2 テモ 1:12 12 そのために 私はこのような苦しみにも会っています しかし 私はそれを恥とは思っていません というのは 私は 自分の信じて来た方をよく知っており また その方は私のお任せしたものを かの日のために守ってくださることができると確信しているからです 1 ペテ 1:5 5 あなたがたは 信仰により 神の御力によって守られており 終わりのときに現されるように用意されている救いをいただくのです (4) ユダが教える救いの 3 つの特徴 1 聖徒を召すのは 聖霊の役割である 2 愛は 父なる神によって示される 3 聖徒を守るのは 子なる神の役割である (5) これが正統的な救いの内容である 1この 3 点セットは 異端の教えに対抗するための最高の武器である 2これを自分のものとするなら 背教の嵐が吹いても 確信と平安が奪われることはない 2. 2 節 2 どうか あわれみと平安と愛が あなたがたの上に ますます豊かにされますように (1) ユダは 読者に深い愛と関心を示している 1あわれみ (mercy)( エレオス ) 2 平安 (peace)( エイレイネイ ) 3 愛 (love)( アガペイ ) (2) あわれみ 1ヘブ 4:16 16 ですから 私たちは あわれみを受け また恵みをいただいて おりにかなった助けを受けるために 大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか * 苦難の日に私たちを支えてくれるのは 神のあわれみである (3) 平安 4 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

Ⅱ. 背教の教えの内容 (3~16 節 ) 1ピリ 4:6~7 6 何も思い煩わないで あらゆる場合に 感謝をもってささげる祈りと願いによって あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい 7 そうすれば 人のすべての考えにまさる神の平安が あなたがたの心と思いをキリスト イエスにあって守ってくれます * 悪や異端の嵐が吹き荒れても 神の平安は心に静けさをもたらしてくれる (4) 愛 1ロマ 5:5 5 この希望は失望に終わることがありません なぜなら 私たちに与えられた聖霊によって 神の愛が私たちの心に注がれているからです 21 ヨハ 4:15~16 15 だれでも イエスを神の御子と告白するなら 神はその人のうちにおられ その人も神のうちにいます 16 私たちは 私たちに対する神の愛を知り また信じています 神は愛です 愛のうちにいる者は神のうちにおり 神もその人のうちにおられます * 神の愛は 私たちをあらゆる危険から守ってくれる 3. 2 種類の 3 点セット (1) 信者は 召され 愛され 守られている 人々である 1 それぞれ 聖霊 父なる神 子なる神の働きである (2) あわれみ 平安 愛 が祝福の本質である 1 この 3 つのキーワードによって この手紙の内容を紹介している (3) 異端の教えに惑わされている人々 12 つの 3 点セットを知らない人々である 2 彼らは 救われていない 3その人たちのことも思いつつ ユダはこの手紙を書いている Ⅱ. 背教の教えの内容 (3~16 節 ) A. 背教の教えとの戦いの緊急性 (3~4 節 ) 1. 3 節 3 愛する人々 私はあなたがたに 私たちがともに受けている救いについて手紙を書こうとして あらゆる努力をしていましたが 聖徒にひとたび伝えられた信仰のために戦うよう あなたがたに勧 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 5

中川健一 ユダの手紙 める手紙を書く必要が生じました (1) ユダは もっと楽しいテーマについて手紙を書こうとしていた 1 私たちがともに受けている救いについて 2 栄光に富んだ救いについて書くのは楽しいことである 3 彼は あらゆる努力をしていた ( ひたすら願っていた ) (2) しかし 緊急事態が発生した 1 彼は 聖霊の促しを感じ 書く内容を変えた 2 聖徒たちに 戦いに備えるように勧告する内容である 3この言葉には 権威を感じる (3) 聖徒にひとたび伝えられた信仰 1これは 使徒たちの教えのことである 2 once for all とは 一度限り 決定的に である 3 神の啓示は完了した 何もつけ加えてはならない 4 新しい教えは真理ではない 真理であるなら新しくはない 5 異端との戦いの最初のステージは 聖書の霊感 である 6 聖書と同じ権威を持つ聖典が他にもあると言うなら それは異端である 2. 4 節 4 というのは ある人々が ひそかに忍び込んで来たからです 彼らは このようなさばきに会うと昔から前もってしるされている人々で 不敬虔な者であり 私たちの神の恵みを放縦に変えて 私たちの唯一の支配者であり主であるイエス キリストを否定する人たちです (1) 緊急事態とは ある人々が信者の中に忍び込んで来たということ 1 表面的には信者のような顔をしているが 実態を隠している 2 彼らは最初から聖徒の群れに属していない (2) ある人々 の特徴 1 昔から裁きに会うことが決まっている * 彼らは 自らの罪と不従順のゆえに滅びる 2 不敬虔な者 * 不信仰な者 3 神の恵みを放縦に変える者 * キリストにある自由を放縦に変えている ( 無律法主義 ) * 肉体は神の作品ではないので 欲望に従って生きることに問題はない * 放縦と誤った教理とは 連動している 4イエス キリストを否定する者 6 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

Ⅱ. 背教の教えの内容 (3~16 節 ) * キリストの権威 * キリストの神性 * キリストの贖いの死 * キリストの復活 (3) 今もこのような人々がいる 1キリスト教界の指導者たち ( 牧師 宣教師 神学者 ) の中にいる 2 自由主義神学のキリストは 聖書のキリストとは異なる 3 新正統主義のキリストは 聖書のキリストとは異なる 4 誰であっても キリストが持つ特徴を否定するなら その人は異端である B. 過去の背教者たち (5~7 節 ) 1. 5 節 5 あなたがたは すべてのことをすっかり知っているにしても 私はあなたがたに思い出させたいことがあるのです それは主が 民をエジプトの地から救い出し 次に 信じない人々を滅ぼされたということです (1) 背教者に対する神の扱いは 明白である 13 つの例が挙げられる 2すべて旧約聖書からの例である 3 読者が ユダヤ人信者であることを示している (2) 荒野のイスラエルの民 1 神は彼らにカナンの地を与えると約束された 2それだけで十分な保証になっている 3しかし カデシュ バルネアにおいて民は否定的な報告を信じた 4その結果 エジプトを出た時に 20 歳以上であった民は荒野で滅びた * 例外は カレブとヨシュアだけであった 2. 6 節 6 また 主は 自分の領域を守らず 自分のおるべき所を捨てた御使いたちを 大いなる日のさばきのために 永遠の束縛をもって 暗やみの下に閉じ込められました (1) 罪を犯した天使たち 1サタンの堕落とともに 天にいた天使の 3 分の 1 が堕落した 2しかし サタンと堕天使は 今も神の計画を破壊するために動き回っている 3 暗闇の下に閉じ込められた とは どういう意味か 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 7

中川健一 ユダの手紙 (2) 創 6:1~7 1 さて 人が地上にふえ始め 彼らに娘たちが生まれたとき 2 神の子らは 人の娘たちが いかにも美しいのを見て その中から好きな者を選んで 自分たちの妻とした 3 そこで 主 は わたしの霊は 永久には人のうちにとどまらないであろう それは人が肉にすぎないからだ それで人の齢は 百二十年にしよう と仰せられた 4 神の子らが 人の娘たちのところに入り 彼らに子どもができたころ またその後にも ネフィリムが地上にいた これらは 昔の勇士であり 名のある者たちであった 5 主 は 地上に人の悪が増大し その心に計ることがみな いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった 6 それで 主 は 地上に人を造ったことを悔やみ 心を痛められた 7 そして 主 は仰せられた わたしが創造した人を地の面から消し去ろう 人をはじめ 家畜やはうもの 空の鳥に至るまで わたしは これらを造ったことを残念に思うからだ 1 人の娘たちと結婚した堕天使たち ( 神の子ら ) がいた 2その結果 邪悪で強力なネフィリムという異常な子孫が誕生した 3これが 大洪水の裁きを招いた 4 自分の領域を守らず 自分のおるべき所を捨てた御使いたち とは彼らのことである (3)2 ペテ 2:4 4 神は 罪を犯した御使いたちを 容赦せず 地獄に引き渡し さばきの時まで暗やみの穴の 中に閉じ込めてしまわれました 3. 7 節 7 また ソドム ゴモラおよび周囲の町々も彼らと同じように 好色にふけり 不自然な肉欲を追い求めたので 永遠の火の刑罰を受けて みせしめにされています (1) ソドム ゴモラおよび周辺の町々 ( アデマ ツェボイム ) の罪 1 彼らと同じように とは 6 節の堕天使たちと同じ罪を犯したということ 2 好色の罪 不自然な肉欲を追い求める罪である 3ロマ 1:26~27 参照 4 今日でも 聖書信仰を逸脱した者が同性婚の合法化を主張することが多い (2) 彼らは 永遠の火の刑罰 を受けて 後の世代のための見せしめとなった 1この刑罰が永遠だというわけではない 2その規模と激しさが 永遠の火の刑罰を予表しているという意味である 3 偽教師たちは 燃える火の池に投げ込まれる 8 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

Ⅱ. 背教の教えの内容 (3~16 節 ) C. 現代の背教者たち (8~16 節 ) 1. 8 節 8 それなのに この人たちもまた同じように 夢見る者であり 肉体を汚し 権威ある者を軽んじ 栄えある者をそしっています (1) ユダは ここから現代の背教者に話題を変える 1 彼らは夢想家であり 現実的ではなく 夢の世界で生きている (2) 彼らの 3 つの特徴 1 肉体を汚す ( ソドムとゴモラの罪 ) 2 権威ある者を軽んじる 3 栄えある者をそしる * 神であれ 天使であれ 人間であれ およそ権威というものに反抗する 2. 9~10 節 9 御使いのかしらミカエルは モーセのからだについて 悪魔と論じ 言い争ったとき あえて相手をののしり さばくようなことはせず 主があなたを戒めてくださるように と言いました 10 しかし この人たちは 自分には理解もできないことをそしり わきまえのない動物のように 本能によって知るような事がらの中で滅びるのです (1) 天使ミカエルは 自分の権威の領域を心得ていた 1モーセのからだについて悪魔と論じ 言い争った 2 相手をののしり 裁くようなことはしなかった 3 主があなたを戒めてくださるように と言い 裁きを主に委ねた (2) この情報は聖書には記されていない 1 伝承として伝わったか? 2 聖霊による啓示か? (3) 考えられる争いの原因 1モーセのからだは 神ご自身によってモアブの野に葬られた 2その場所がどこか 誰も知らない 3 悪魔はそれを知りたがった 4イスラエルの民がモーセの骨を拝むように仕向けようとした (4) 現代の背教者たちは 自らの領域を超えている 1 彼らは 神の啓示を理解することができないのに それをそしる 2 彼らが得意とするのは 本能に従って生きることである 3 彼らは 放縦な生活の中で滅びていく 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 9

中川健一 ユダの手紙 3. 11~13 節 11 ああ 彼らはカインの道を行き 利益のためにバラムの迷いに陥り コラのようにそむいて滅びました 12 彼らは あなたがたの愛餐のしみです 恐れげもなくともに宴を張りますが 自分だけを養っている者であり 風に吹き飛ばされる 水のない雲 実を結ばない 枯れに枯れて 根こそぎにされた秋の木 13 自分の恥のあわをわき立たせる海の荒波 さまよう星です まっ暗なやみが 彼らのために永遠に用意されています (1) 背教者たちの堕落には加速度が付く 1 カインの道を行く ( 創 4 章 ) * 血の犠牲を拒否する道 * 神が用意された清めを拒否し 人間の業で神を満足させようとする道 2 バラムの迷いに陥り ( 民 22~24 章 ) * 神への奉仕をビジネスに変え 豊かになろうとする道 * バラムはバラクから金を受け取り 5 回もイスラエルを呪おうとした * しかし 神がそれを許さなかった * 最終的には イスラエルはモアブ人の女たちと姦淫にふけった 3 コラのようにそむいて滅びました ( 民 16 章 ) * コラ ダタン アビラムは モーセとアロンの権威に反抗した * 自らが祭司の特権を得ようとした * これは 神の権威に対する反抗である * 彼らは 地震で割れた地面にのみこまれた (2) 背教者たちは 愛餐のしみ である 1 初代教会の信者たちは 聖餐式の際に食事をともにした 2 彼らには 神への愛も 隣人への愛もない 35 つの特徴 * 水のない雲 * 風に吹き飛ばされる雲 * 実を結ばない 枯れに枯れて 根こそぎにされた秋の木 * 自分の恥のあわをわき立たせる海の荒波 * さまよう星 ( 一定の軌道を運行しない ) 4 まっ暗なやみが 彼らのために永遠に用意されています 4. 14~16 節 14 アダムから七代目のエノクも 彼らについて預言してこう言っています 見よ 主は千万の聖徒 を引き連れて来られる 10 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

Ⅲ. 背教を避けるための指針 (17~23 節 ) 15 すべての者にさばきを行い 不敬虔な者たちの 神を恐れずに犯した行為のいっさいと また神を恐れない罪人どもが主に言い逆らった無礼のいっさいとについて 彼らを罪に定めるためである 16 彼らはぶつぶつ言う者 不平を鳴らす者で 自分の欲望のままに歩んでいます その口は大きなことを言い 利益のためにへつらって人をほめるのです (1) エノクの預言 1エノク書 ( 外典 ) からの引用だと主張する人もいる 2しかし この手紙の執筆時にはエノク書は存在していなかった 3ユダが聖霊から啓示を受けたと考えるのが妥当であろう (2) 主は千万の聖徒を引き連れて来られる 1 主の再臨と裁きの預言 2これがすべて成就するのは 千年王国の最後である 3 裁きは 白い御座において行われる (3) 裁きに会う罪人 ( 背教者 偽教師 ) の描写 1 ぶつぶつ言う者 * 神の摂理的導きに不満を述べ 感謝することを忘れている 2 不平を鳴らす者 * 神の欠点を探し 不満を口にする * 正統的信仰にケチをつける 3 自分の欲望のままに歩んでいます * 無律法主義者 4 その口は大きなことを言い * 人々の関心を買うため 5 利益のためにへつらって人をほめるのです * 利益のために二枚舌を使う Ⅲ. 背教を避けるための指針 (17~23 節 ) A. 使徒たちの教えを思い起こせ (17~19 節 ) 1. 17~18 節 17 愛する人々よ 私たちの主イエス キリストの使徒たちが 前もって語ったことばを思い起こしてください 18 彼らはあなたがたにこう言いました 終わりの時には 自分の不敬虔な欲望のままにふるまう あざける者どもが現れる (1) パウロの教え ( 使 20:29~30) 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 11

中川健一 ユダの手紙 29 私が出発したあと 狂暴な狼があなたがたの中に入り込んで来て 群れを荒らし回ることを 私は知っています 30 あなたがた自身の中からも いろいろな曲がったことを語って 弟子たちを自分のほうに引き込もうとする者たちが起こるでしょう 11 テモ 4:1 22 テモ 3:1~5 32 テモ 4:3~4 (2) ペテロの教え (2 ペテ 2:1~3) 1 しかし イスラエルの中には にせ預言者も出ました 同じように あなたがたの中にも にせ教師が現れるようになります 彼らは 滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み 自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして 自分たちの身にすみやかな滅びを招いています 2 そして 多くの者が彼らの好色にならい そのために真理の道がそしりを受けるのです 3 また彼らは 貪欲なので 作り事のことばをもってあなたがたを食い物にします 彼らに対するさばきは 昔から怠りなく行われており 彼らが滅ぼされないままでいることはありません 12 ペテ 3:3~4 2ユダ 1:18 は パウロの教えの要約であり 2 ペテ 3:3 の引用である 2. 19 節 19 この人たちは 御霊を持たず 分裂を起こし 生まれつきのままの人間です (1) 背教者 ( 偽教師 ) の特徴 1 新生していないので 聖霊の内住がない 2 分裂を起こす 3 生まれながらの罪人である B. 自分自身の霊的成長に励め (20~21 節 ) 1. 20~21 節 20 しかし 愛する人々よ あなたがたは 自分の持っている最も聖い信仰の上に自分自身を築き上げ 聖霊によって祈り 21 神の愛のうちに自分自身を保ち 永遠のいのちに至らせる 私たちの主イエス キリストのあわれみを待ち望みなさい (1) 背教者との対比 ( しかし あなたがたは ) 1 使徒たちの教えを思い起こし 自分自身の霊的成長に目を向ける 12 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

Ⅲ. 背教を避けるための指針 (17~23 節 ) (2)4 つの命令 1 自分自身を築き上げる * 自分の持っている最も聖い信仰をさらに育てる * これは 使徒たちの教えの上に築かれた信仰である * 聖徒にひとたび伝えられた信仰( 教理 ) (3 節 ) 2 御霊によって祈る * 異言の祈りではない * 聖霊の促しによって祈る祈りである * 聖霊の力による祈りである 3 神の愛のうちに自分自身を保つ * 神の愛によって自分を守り ( 新共同訳 ) * 神の愛に留まるということ * ヨハ 15:9~10 9 父がわたしを愛されたように わたしもあなたがたを愛しました わたしの愛の中にとどまりなさい 10 もし あなたがたがわたしの戒めを守るなら あなたがたはわたしの愛にとどまるのです それは わたしがわたしの父の戒めを守って わたしの父の愛の中にとどまっているのと同じです 4 主イエス キリストのあわれみを待ち望む * 携挙こそ キリストのあわれみの究極的な表れである * これによって 永遠のいのち の実質が明らかになる C. 隣人に恵み深くあれ (22~23 節 ) 1. 22~23 節 22 疑いを抱く人々をあわれみ 23 火の中からつかみ出して救い またある人々を 恐れを感じながらあわれみ 肉によって汚されたその下着さえも忌みきらいなさい (1) 偽教師に惑わされている信者への配慮 1 信仰がぐらついている人たちを批判してはならない 2 愛と憐みをもって 彼らを建て上げるべきである (2) 救われていない人たちへの配慮 1 彼らは滅びつつある 2 永遠の滅びから彼らを救うのは 火の中からつかみ出して救うことである (3) ある人々 への配慮 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 13

中川健一 ユダの手紙 1 彼らは 偽教師の教えに深く影響された人たちである 2 自分も悪影響を受けないように 恐れを感じながらあわれみを示す 3 肉によって汚されたその下着さえも忌みきらいなさい * ツァラアト患者の衣服は燃やされた ( レビ 13:47~52) * その人の罪と関係のある物はすべて 遠ざけること * 物が誘惑のきっかけになることがある Ⅳ. 頌栄 (24~25 節 ) 1. 24~25 節 24 あなたがたを つまずかないように守ることができ 傷のない者として 大きな喜びをもって栄光の御前に立たせることのできる方に 25 すなわち 私たちの救い主である唯一の神に 栄光 尊厳 支配 権威が 私たちの主イエス キリストを通して 永遠の先にも 今も また世々限りなくありますように アーメン (1) 父なる神は 私たちを背教者から守ってくださる あなたがたを つまずかないように守ることができる方 (2) 父なる神は 私たちを栄光の御前に立たせてくださる 傷のない者として 大きな喜びをもって栄光の御前に立たせることのできる方 (3) 父なる神は 唯一の神である 私たちの救い主である唯一の神 1 父なる神は 救いの計画を立ててくださった 2そのために御子を犠牲にしてくださった (4) イエス キリストを通して 父なる神をほめ称える 栄光 尊厳 支配 権威が イエス キリストを通して 永遠の先にも 今も また 世々限りなくありますように アーメン (5) ユダは 書くべきことを書き終えた 結論 A. 7 つの命令 1. 3 節 14 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

結論 3 愛する人々 私はあなたがたに 私たちがともに受けている救いについて手紙を書こうとして あ らゆる努力をしていましたが 聖徒にひとたび伝えられた信仰のために戦うよう あなたがたに勧 める手紙を書く必要が生じました 2. 17 節 17 愛する人々よ 私たちの主イエス キリストの使徒たちが 前もって語ったことばを思い起こして ください 3. 20 節 20 しかし 愛する人々よ あなたがたは 自分の持っている最も聖い信仰の上に自分自身を築き上げ 4. 20 節 20 聖霊によって祈り 5. 21 節 21 神の愛のうちに自分自身を保ち 6. 21 節 21 永遠のいのちに至らせる 私たちの主イエス キリストのあわれみを待ち望みなさい 7. 22~23 節 22 疑いを抱く人々をあわれみ 23 火の中からつかみ出して救い またある人々を 恐れを感じながらあわれみ 肉によって汚された その下着さえも忌みきらいなさい B. 現代の異端 1. 異端の代表的な誤り (1) イエスは神ではない 1イエス キリストの二性の否定 2イエスは被造物である 3イエスの死は 私たちの罪の代価としては不十分である (2) 救いは信仰によるのではない 1 救いは業によって得られる 2 業による救いを目指して励むことが信仰である 初代教会における異端と今 ~ ユダの手紙から ~ 15

中川健一 ユダの手紙 2. 異端を問題視する理由 (1) 異端の教えを信じている人の中には 善良な人 が多くいる 1 しかし 人は 熱心さ や 善良さ によって救われるのではない (2) 異端の教えを受け入れる人は 救われていない状態 に留まり続ける 1 それゆえ 異端に対する寛容な姿勢はあり得ないことである 16 2015 年聖書フォーラムキャンプ in 札幌

無断複製 転載を禁じます 2015 年 10 月開催