税目贈与税要望の内容平成 3 0 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名 ( 国土交通省住宅局住宅企画官付 ) 民法改正に伴う住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の要件の見直し 民法改正による成年年齢の見直しが検討されていることに伴い 当該見直しを実施される場合には 住宅取得等資金に係る贈与税の特例について 適用対象となる特定受贈者等の年齢要件を見直す 1 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合に 下記の金額までの贈与につき贈与税を非課税とする特例について 適用対象となる特定受贈者の年齢要件を見直す 消費税率 10% が適用される者左記以外 ( 1) ( 2) 平成 28 年 1 月 ~31 年 3 月 1,200 万円 700 万円 平成 31 年 4 月 ~32 年 3 月 3,000 万円 2,500 万円 1,200 万円 700 万円 平成 32 年 4 月 ~33 年 3 月 1,500 万円 1,000 万円 1,000 万円 500 万円 平成 33 年 4 月 ~33 年 12 月 1,200 万円 700 万円 800 万円 300 万円 1 消費税率 8% の適用を受けて住宅を取得した者のほか 個人間売買により既存住宅を取得した 者 2 とは 1 一定の省エネ性 ( 断熱等性能等級 4 又は一次エネルギー消費量等級 4 以 上 ) 2 耐震性 ( 耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 )2 以上又は免震建築物 ) 3バリアフリー 性 ( 高齢者等用配慮対策等級 3 以上 ) のいずれかを満たす住宅 2 60 歳未満の贈与者からの贈与により住宅取得等資金の取得をした場合についても相続時精算課税制度の適用対象とする特例について 適用対象となる特定受贈者の年齢要件を見直す 3 東日本大震災の被災者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合に 下記の金額までの贈与税を非課税とする特例について 適用対象となる被災受贈者の年齢要件を見直す 消費税率 10% が適用される者左記以外 ( 1) ( 2) 平成 28 年 1 月 ~31 年 3 月 1,500 万円 1,000 万円 平成 31 年 4 月 ~32 年 3 月 3,000 万円 2,500 万円 1,500 万円 1,000 万円 平成 32 年 4 月 ~33 年 10 月 1,500 万円 1,000 万円 1,500 万円 1,000 万円 1 消費税率 8% の適用を受けて住宅を取得した者のほか 個人間売買により既存住宅を取得した 者 2 とは 1 一定の省エネ性 ( 断熱等性能等級 4 又は一次エネルギー消費量等級 4 以 上 ) 2 耐震性 ( 耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 )2 以上又は免震建築物 ) 3バリアフリー 性 ( 高齢者等用配慮対策等級 3 以上 ) のいずれかを満たす住宅 16-1
設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震災の被災者等に係る国税 ( 改正増減収額 ) ( - 百万円 ) 関係法律の臨時特例に関する法律第 38 条の2 同法施行令第 29 条の2 同法施行規則第 14 条の2 ⑴ 政策目的親世代や祖父母世代から子 孫世代等への資産移転を促進することを通じて 若年世代を中心とした住宅取得 改修等を行う者の資金調達を支援することにより 住宅投資の促進とそれによる経済の活性化 良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図る 新⑵ 施策の必要性 住宅取得の負担軽減を図る観点から 住宅取得等に係る贈与税の特例措置が昭和 59 年より講じられてきたところであり 住宅取得の促進策として不可欠なものとなっている 住宅取得等資金に係る贈与税の特例措置については 特例の適用対象となる特定受贈者及び被災受贈者の年齢が 住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の一月一日において二十歳以上 とされているが 今般 民法改正により 現行二十歳とされている成年年齢の見直しが検討されていることに伴い 当該見直しが行われる場合には これらの特例についても年齢要件の見直しを図る必要がある 16-2
今住生活基本法 ( 平成 18 年法律第 61 号 ) 第 3 条において 住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の推進は 居住者の負担能力を考慮して 現在及び将来における国民の住生活の基盤となる良質な住宅の供給 建設 が図られることを旨として 行われなければならない とされている 回の要望に関連する事項合理性政策体系における政策目的の位置付け 同法に基づき定められた住生活基本計画 ( 平成 28 年 3 月 18 日閣議決定 ) においては 結婚 出産を希望する若年世帯や子育て世帯が望む住宅を選択 確保できる環境を整備 することが位置付けられ 基本的な施策として 結婚 出産を希望する若年世帯 子育て世帯が 必要とする質や広さの住宅 ( 民間賃貸 公的賃貸 持家 ) に 収入等の世帯の状況に応じて居住できるよう支援を実施 することが挙げられている また 約 900 万戸ある耐震性を充たさない住宅の建替え 省エネ性を充たさない住宅やバリアフリー化されていない住宅等のリフォームなどにより 安全でストックに更新 することが位置づけられており 基本的な施策として ストックを将来世代へ継承するため 耐震性を充たさない住宅の建替え等による更新 耐震化リフォームによる耐震性の向上 長期優良住宅化リフォームによる耐久性等の向上 省エネリフォームによる省エネ性の向上と適切な維持管理の促進 が挙げられている ( 政策評価体系における位置づけ ) 政策目標 1 少子 高齢化等に対応した住生活の安定の確保及び向上の促進施策目標 1 居住の安定確保と暮らしやすい居住環境 良質な住宅ストックの形成を図る業績指標 1 最低居住面積水準未満率 2 子育て世帯における誘導居住面積水準達成率施策目標 2 住宅の取得 賃貸 管理 修繕が円滑に行われる住宅市場を整備する業績指標 9 既存住宅流通の市場規模 政策目標 2 良好な生活環境 自然環境の形成 バリアフリー社会の実現施策目標 3 総合的なバリアフリー化を推進する業績指標 17 高齢者 (65 歳以上の者 ) の居住する住宅の一定のバリアフリー化率 政策目標 3 地球環境の保全施策目標 9 地球温暖化防止等の環境の保全を行う業績指標 32 省エネ基準を満たす住宅ストックの割合 政策目標 4 水害等災害による被害の軽減施策目標 11 住宅 市街地の防災性を向上する業績指標 46 1 住宅 2 建築物の耐震化率 16-3
政策の達成目標 租税特別措置の適用又は延長期間同上の期間中の達成目標 政策目標の達成状況 住生活基本計画において 以下のとおり定められている 最低居住面積水準未満率 4.2%( 平成 25 年 ) 早期に解消 子育て世帯における誘導居住面積水準達成率全国 :42%( 平成 25 年 ) 50%( 平成 37 年 ) 大都市圏 :37%( 平成 25 年 ) 50%( 平成 37 年 ) 既存住宅流通の市場規模 4 兆円 ( 平成 25 年 ) 8 兆円 ( 平成 37 年 ) 高齢者の居住する住宅の一定のバリアフリー化率 41%( 平成 25 年 ) 75%( 平成 37 年 ) 省エネ基準を満たす住宅ストックの割合 6%( 平成 25 年 ) 20%( 平成 37 年 ) 耐震基準 ( 昭和 56 年基準 ) が求める耐震性を有しない住宅ストックの比率 18%( 平成 25 年 ) おおむね解消 ( 平成 37 年 ) 政策の達成目標に同じ 最低居住面積水準未満率 :4.2%( 平成 25 年 ) 子育て世帯における誘導居住面積水準達成率全国 :42%( 平成 25 年 ) 大都市圏 :37%( 平成 25 年 ) 既存住宅流通の市場規模 :4 兆円 ( 平成 25 年 ) 高齢者の居住する住宅の一定のバリアフリー化率 41%( 平成 25 年 ) 省エネ基準を満たす住宅ストックの割合 :6%( 平成 25 年 ) 耐震基準 ( 昭和 56 年基準 ) が求める耐震性を有しない住宅ストック の比率 :18%( 平成 25 年 ) 要望の措置の有適用見込み効要望の措置性の効果見込み ( 手段としての有効性 ) 本特例措置は 親世代や祖父母世代の資金の活用を促し 住宅の取得 改修等を行おうとする若年世代の資金調達を容易にする効果を有するものであり 住宅投資の促進とそれによる我が国経済の活性化 住宅ストックの質の向上及び国民の居住水準の向上 の手段として有効である 相当該要望項当目以外の税性制上の支援措置 16-4
これまでの租税特別措置の適用実績と効果に関連する事項予算上の措置等の要求内容及び金額 上記の予算上の措置等と要望項目との関係 要望の措置の妥当性 高齢者層が保有する資産をより早期に現役世代に移転させ 住宅取得等を促進するためには 民法改正による成年年齢の見直しに伴い 特例の対象となる者の年齢要件を見直すことが妥当な手段である 租税特別措置の適用実績 租特透明化法に基づく適用実態調査結果 平成 24 年 申告人数 :64,000 人 住宅取得等資金の金額 :6,201 億円 平成 25 年 申告人数 :75,000 人 住宅取得等資金の金額 :6,587 億円 平成 26 年 申告人数 :65,000 人 住宅取得等資金の金額 :5,023 億円 平成 27 年 申告人数 :66,000 人 住宅取得等資金の金額 :6,508 億円 平成 28 年 申告人数 :59,000 人 住宅取得等資金の金額 :5,169 億円 ( 国税庁 平成 28 年分の所得税及び復興特別所得税 消費税並びに贈与税の確定申告状況等について 等 ) 16-5
租税特別措置の適用による効果 ( 手段としての有効性 ) 前回要望時の達成目標 最低居住面積水準未満率早期に解消 子育て世帯における誘導居住面積水準達成率 1 全国 : 約 50%( 平成 27 年 ) 2 大都市圏 : 約 47%( 平成 29 年 ) 既存住宅の流通シェア約 23%( 平成 29 年 ) 新耐震基準が求める耐震性を有する住宅ストックの割合 91%( 平成 29 年 ) エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく届出がなされた新築住宅における省エネ基準 ( 平成 11 年基準 ) 達成率 84%( 平成 29 年度 ) 高齢者 (65 歳以上の者 ) の居住する住宅のバリアフリー化率うち 高度のバリアフリー化約 21%( 平成 29 年 ) 上記数値は 平成 20 年度時点の実績値と平成 32 年度の目標値との差を案分により 平成 29 年度末時点の数字として設定したもの 前回要望時からの達成度及び目標に達していない場合の理由 本特例措置は 親世代や祖父母世代の資金の活用を促し 住宅の取得 改修等を行おうとする若年世代の資金調達を用意にする効果を有するものであり住宅投資の促進とそれによる我が国経済の活性化 住宅ストックの質の向上及び国民の居住水準向上の手段として有効である 住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置 平成 21 年度創設平成 22 年度拡充 延長 ( 非課税限度額の拡充 ) 平成 23 年度拡充 ( 先行取得土地を対象 ) 平成 24 年度拡充 延長 ( 非課税限度額の拡充 ) 平成 27 年度拡充 延長 ( 非課税限度額の拡充等 ) ( 平成 28 年度消費税率引上げ時期の延期に伴い適用時期を 2 年半延期 ) これまでの 要望経緯 住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例 平成 15 年度創設平成 18 年度延長平成 20 年度延長平成 22 年度延長 (1000 万円上乗せ特例は廃止 ) 平成 24 年度延長平成 27 年度拡充 延長 ( 適用対象となる工事の拡充 ) ( 平成 28 年度消費税率引上げ時期の延期に伴い適用時期を 2 年半延期 ) 東日本大震災の被災者に係る住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置 平成 23 年度創設平成 27 年度拡充 延長 ( 非課税限度額の拡充等 ) ( 平成 28 年度消費税率引上げ時期の延期に伴い適用時期を 2 年半延期 ) 16-6