近畿地方整備局 独立行政法人水資源機構 資料配付 配布日時 平成 25 年 9 月 18 日 16 時 00 分 件 名 台風 18 号豪雨における 淀川水系ダム群の治水効果について 概 要 9 月 15 日から16 日にかけて近畿地方に接近した台風 18 号により 淀川水系では 大規模な出水となりました 国土交通省及び ( 独 ) 水資源機構が管理する7ダムの洪水調節 ( 防災操作 ) により 各ダム下流の淀川水系各支川 ( 宇治川 木津川 桂川 ) の水位低下 洪水被害軽減を図るとともに 堤防を越流した桂川下流の水位低下に努めました これにより京都市街地に甚大な氾濫被害が生じることを防いだものと考えています 淀川水系管理ダム 淀川 ( 宇治川 ): 天ヶ瀬ダム ( 国 ) 木津川 : 室生ダム ( 水資源機構 ) 青蓮寺ダム( 水資源機構 ) 比奈知ダム( 水資源機構 ) 高山ダム ( 水資源機構 ) 布目ダム( 水資源機構 ) 桂川 : 日吉ダム ( 機構 ) 取扱い - 配布場所 近畿建設記者クラブ 大手前記者クラブ 京都府政記者室 宇治日刊記者クラブ 宇治日刊地方記者クラブ 南丹市政記者クラブ 奈良県政 経済記者クラブ 奈良市市政クラブ 学研都市記者クラブ 名張市政記者クラブ 桜井市政記者クラブ 問合せ先 近畿地方整備局河川部河川管理課長南後和寛電話 06-6942-1141( 代表 ) 06-6941-7343( 直通 ) 独立行政法人水資源機構関西支社事業部施設管理課長廣瀬正一電話 06-6763-5182( 代表 )
台風 18 号豪雨における淀川水系ダム群の治水効果について 平成 25 年 9 月 18 日近畿地方整備局 ( 独 ) 水資源機構関西支社 9 月 15 日から16 日にかけて近畿地方に接近した台風 18 号により 淀川水系では 大規模な出水となりました 国土交通省及び ( 独 ) 水資源機構が管理する7ダムの洪水調整 ( 防災操作 ) により ダム下流の淀川水系各支川 ( 宇治川 木津川 桂川 ) の水位低減 洪水被害軽減を図るとともに ダム群の連携により 堤防を越流した桂川下流及び淀川本川の水位低下に努めました 最大流入量管理者 最大流入時ダムによる流下量洪水低減量 洪水低減 ( 水位低下 ) 効果 特記事項 (m3/s ) (m3/s ) (m3/s ) 宇治川関係 瀬田川洗堰国 - - - - 昭和 47 年以来 41 年ぶりに全閉 計画された洪水調節容量をほぼ全容量を天ヶ瀬ダム国約 1360 約 850 約 510 塔の島地点で約 0.9m 低下使って 下流宇治市 京都市等を守る 桂川関係 日吉ダム水機構約 1690 約 150 約 1550 保津橋地点で約 1.5m 低下 計画された洪水調節容量をこえて洪水調節を行い 下流亀岡市 京都市等を守る 木津川関係 室生ダム水機構約 330 約 80 約 250 青蓮寺ダム水機構約 500 約 300 約 200 名張地点で約 0.7m 低下 3 ダムが連携して 下流名張市を守る 比奈知ダム 水機構 約 370 約 200 約 170 高山ダム 水機構 約 1600 約 480 約 1120 有市地点で約 1.1m 低下 国道 163 号の冠水時間を7 時間低減 布目ダム 水機構 約 200 約 50 約 150 興ヶ原地点で約 1.3m 低下 流入量が管理開始以来最大 特に 天ヶ瀬ダム 日吉ダムにおいては 流入量が非常に大きかったことから ダムの容量をぎりぎりまで活用して洪水を貯留する操作を行い 下流への流量を低減し 河川水位を低下させました ダム位置図 1
流入量 放流量貯水位あまがせ 宇治川 天ヶ瀬ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 台風 18 号により淀川水系天ヶ瀬ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 37mm 降り始めからの総雨量は300mmを観測しました この降雨により天ヶ瀬ダムへの最大流入量は毎秒約 1,360 立方メートルに達しました 天ヶ瀬ダムでは 流域全体の安全を確保する観点から操作を行うことで約 790 万立方メートル ( 京セラドーム大阪約 6 杯分 ) の水をダムに貯留し下流の河川へ流す水量を最大で毎秒約 500 立方メートル ( 約 4 割 ) 低減しました とうしまうじ ダム下流の塔の島 ( 宇治市 ) では宇治川の水位を約 0.9m 低下させる効果があったものと推測されます これにより 宇治市街地への浸水被害を防ぐことができたと考えています 数値は速報値 天ヶ瀬ダム位置図 塔の島地点 一庫ダム 日吉ダム 布目ダム 瀬田川洗堰 天ヶ瀬ダム ( 京都府宇治市 ) 高山ダム 間雨量(mm) 0 10 20 30 40 50 (m3/s) 1,500 1,250 1,000 750 500 250 天ヶ瀬ダム流域平均時間雨量 mm 天ヶ瀬ダム流域平均累加雨量 mm 流入量 m3/s 放流量 m3/s 貯水位 m 天ヶ瀬ダム 降雨量 / 流入量 放流量 最大流入量毎秒約 1360m 3 最大流入時の放流量毎秒約 850m 3 ダムに貯めた水量約 790 万 m 3 下流の水位が低下したので 下流の状態を見ながら放流を行った時0 50 100 150 200 250 300 80 75 70 65 60 55 50 45 40 35 累積雨量- 30 天ヶ瀬ダムに大量の洪水を貯めました 日時日 / 時 15/1 15/2 15/3 15/4 15/5 15/6 15/7 15/8 15/9 15/10 15/11 15/12 15/13 15/14 15/15 15/16 15/17 15/18 15/19 15/20 15/21 15/22 15/23 16/0 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 16/12 16/13 16/14 16/15 16/16 16/17 16/18 16/19 16/20 16/21 16/22 16/23 17/0 天ヶ瀬ダム 塔の島地点での河川水位低減効果 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 3.7m 今回の出水の流入量が最大となった時点の水位 2.8m 放流時の様子 2 水位を約 0.9m 低下させる効果がありました
桂川 日吉ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 ひ よし 台風 18 号により淀川水系日吉ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 34.5mm 降り始めからの総雨量は345mmを観測しました この降雨により日吉ダムへの最大流入量は毎秒約 1,690 立方メートルに達し 日吉ダム管理開始 ( 平成 10 年 ) 以降最大の流入量を記録しました 日吉ダムでは 流域全体の安全を確保する観点から操作を行うことで約 4,460 万立方メートル ( 京セラドーム大阪約 37 杯分 ) の水をダムに貯留し下流 の河川へ流す水量を最大で毎秒約 1,550 立方メートル ( 約 9 割 ) 低減しました この結果 ダム下流の保津橋地点 ( 亀岡市保津川下り船乗場付近 ) では 桂川の水位を約 1.5m 低下させ 京都市街地に甚大なはん濫被害が生じる ことを防ぐことが出来たと考えています ほ づ 日吉ダム位置図 日吉ダム ( 京都府南丹市 ) 保津橋地点 洪水調節操作図 流入量放流量 (m3/s) m3/s 水位 (m) 時間雨量0.0 25.0 50.0 2,000 1,800 (m 3 /s) 1,600 量(mm) 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2:00 5:00 流入量 ダム流下量 貯水位 下流へ流す水量を最大毎秒約 1,550m 3 低減 ダムに貯めた水量約 4,460 万 m3 ( 京セラドーム大阪約 37 杯分 ) 8:00 11:00 14:00 日吉ダム 降雨量 / 流入量 放流量 17:00 20:00 23:00 2:00 5:00 8:00 11:00 14:00 17:00 20:00 時間雨量累計雨量 最大流入量毎秒約 1,690m 3 23:00 数値は速報値右 下流の水位が低下したので 下流の状態を見ながら放流を行った 2:00 (mm) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 205.00 200.00 195.00 190.00 (m 3 /s) 185.00 180.00 175.00 170.00 累積雨量日吉ダムに大量の洪水を貯めました 貯水位保津橋地点での河川水位低下効果 流入量と同じ流量を流下流今回 左岸3 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 8.3m 今回の出水の実績最高水位 6.8m 水位を約 1.5m 低下させる効果があったと考えています 岸 下流において 浸水被害が発生しましたが ダムで貯留したことにより水位低下効果があったものと推測されます
しょうれんじひなちむろう 木津川 名張川上流 3ダム ( 青蓮寺 比奈知 室生 ) の防災操作効果 ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 平成 25 年 9 月 15 日 台風 18 号により淀川水系名張川 3ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 33mm 降り始めからの総雨量は青蓮寺ダムで368mm 室生ダムで226mm 比奈知ダムで440mmを観測しました この降雨により 名張川の浸水被害の恐れがあったこと 淀川本川下流への水量を低減させる必要があったため 3ダムでの統合操作を行いました なばり この結果 ダム下流の名張地点では名張川の水位を約 0.7m 低下させ 名張地点でのはん濫が生じる危険な水位を下回ることができたと考えています 数値は速報値 流量 (m 3 /s) 貯水位 (m) 名張地点 ( 名張大橋下流 ) 室生ダム 名張市街地 浸水防止区域 比奈知ダム 青蓮寺ダム 名張川地点位置図 600 500 400 300 200 100 0 流量 (m 3 /s) 600 500 400 300 200 100 0 < 比奈知ダム > ダムからの流下量を最大約 170m 3 /s 低減 < 青蓮寺ダム > ダムからの流下量を最大約 200m 3 /s 低減 洪水時最高水位 305.0m 洪水貯留準備水位 292.0m 洪水時最高水位 282.0m 洪水貯留準備水位 273.0m 最大流入量 370m 3 通常操作による流下量統合操作による流下量最大流入量 500m 3 通常操作による流下量統合操作による流下量 統合操作による貯留 310 305 300 295 290 285 280 275 270 265 260 貯水位 (m) 統合操作による貯留 285 280 275 270 265 260 255 250 < 統合操作 > 3 ダムの空き容量を勘案し ダムからの放流量を減らすことにより 名張川の水位低下を図る 流量 (m 3 /s) 600 500 400 300 200 100 0 < 室生ダム > ダムからの流下量を最大約 250m 3 /s 低減 洪水時最高水位 296.5m 洪水貯留準備水位 287.5m 通常操作による流下量 統合操作による流下量 最大流入量 330m 3 貯水位 (m) 統合操作による貯留 298 296 294 292 290 288 286 284 282 280 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 4 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00
木津川 名張川上流 3 ダム ( 青蓮寺 比奈知 室生 ) の防災操作効果 ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 名張川上流 3 ダム位置図 名張地点の水位状況図 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 7.8m 名張地点 ( 名張大橋下流 ) 名張市街地 比奈知ダム 青蓮寺ダム 今回の出水の実績最高水位 7.1m 水位を約 0.7m 低下させる効果がありましたはん濫危険水位 7.6m 浸水防止区域 室生ダム 宇陀川 ( 室生ダム ) 名張地点位置図 名張地点 3 ダムの防災操作による名張地点の水位低下効果は 約 0.7m と推定され はん濫の危険が生じる水位を下回ることができました ( 名比青張奈蓮川知寺ダダ近鉄線ムム)名張地点航空写真 青蓮寺ダムの貯留状況室生ダムの貯留状況比奈知ダムの貯留状況 5
木津川 高山ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 台風 18 号により淀川水系高山ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 22mm 降り始めからの総雨量は290mmを観測しました この降雨により高山ダムへの最大流入量は毎秒約 1,600 立方メートルに達しました 今回の防災操作では 下流の河川へ流す水量を最大で毎秒約 1,120 立方メートル ( 約 7 割 ) 低減しました ダム下流の有市水位観測所では ダムが無い場合に比べて水位が約 1.1m 低減したと推定されます これにより国道 163 号冠ありいち水の影響時間を短縮をはかることができたと考えられます 数値は速報値 たか やま 高山ダム位置図 一庫ダム 日吉ダム 布目ダム 有市水位観測所 天ヶ瀬ダム 高山ダム ( 京都府相楽群南山城村 ) 高山ダム 高山ダム 降雨量 / 流入量 放流量 / 下流河川水位 (m 3 /s) (mm) 0 間雨量国道時25 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 9/15 9/16 20:00 流入量ダム流下量 23:00 最大流入量毎秒約 1,600m 3 下流へ流す水量を最大毎秒約 1,120m 3 低減 2:00 5:00 高山ダム上流域の雨量 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 10.2m 8:00 今回の出水の実績最高水位 9.1m 水位を約 1.1m 低下させる効果がありました 1 時間半に短縮する効果を発揮したと考えています 6 11:00 最小流下能力地点の有市地点の水位低下効果 時間雨量累計雨量 0 50 100 150 200 250 200.00 195.00 190.00 185.00 180.00 175.00 170.00 12.00m 10.00m 8.00m 6.00m 4.00m 2.00m 0.00m 累積雨量国道の水没時間を 8 時間半から
木津川 布目ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月台風 18 号 ) 台風 18 号により淀川水系布目ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 33mm 降り始めからの総雨量は 252mmを観測しました この降雨により布目ダムへの最大流入量は管理開始 ( 平成 4 年 ) 以来最大となる毎秒約 200 立方メートルに達した 今回の防災操作では 淀川ダム統合管理事務所と連携し下流の河川へ流す水量を最大で毎秒約 150 立方メートル ( 約 7 割 ) 低減しました おくがはら ダム下流の興ヶ原水位観測所では ダムが無い場合に比べて約 1.3m 低下したと推定されます これにより当該地域の浸水被害を回避することができたと考えています 布目ダム位置図 布目ダム ( 奈良県奈良市 ) 布目ダム 降雨量 / 流入量 放流量 (mm) 0 10 間雨量20 30 時興ヶ原水位観測所 ( ダムから下流約 6km 地点 ) 高山ダム 布目ダム 興ヶ原地点での河川水位低下効果 時間雨量 ( mm ) 累計雨量 ( mm ) 40 (m 3 /s) 200 放流量最大流入量毎秒約 200m 3 流入量 150 下流へ流す水量を 日吉ダム 100 最大毎秒約 150m 3 低減 50 一庫ダム 0 9/15 天ヶ瀬ダム 9/16 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00 2:00 4:00 め 数値は速報値 布目ダム上流域の雨量 0 50 累100 積150 雨量ぬの 200 250 300 6:00 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 3.7m 今回の出水の最高水位 2.4m 8:00 10:00 水位を約 1.3m 低下させる効果があったと考えています 7
ひよし日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 みずしげんきこうひよしなんたんしひよしちょう淀川水系桂川の水資源機構日吉ダム ( 南丹市日吉町 ) 流域では 台風 18 号の 降雨により 9 月 15 日 2 時から 16 日 17 時までの総雨量が 345mm( ダム流 域平均雨量 ) を記録しました この降雨により ダムへの最大流入量は 平成 10 年 4 月の管理開始以来最大となる毎秒 1,694 立方メートルとなりました この洪水に対して 日吉ダムでは防災操作を実施し ダム下流の洪水被害軽減に努めました 防災操作 : 大雨により ダムに流れ込む水の一部をダムに一時的にため込んで ダムから下流に流す量を減らし 下流の川の水位を低減させる操作 今回の発表は速報値であり 今後の調査により数値等が変わることがあります 平成 25 年 9 月 18 日 国土交通省近畿地方整備局淀川ダム統合管理事務所 独立行政法人水資源機構日吉ダム管理所 発表記者クラブ京都府政記者室南丹市政記者クラブ 問い合わせ先 あらい 独立行政法人 水資源機構 日吉ダム管理所 所長代理 新井 住 みこたに所 : 京都府南丹市日吉町中神子ヶ谷 68 電 話 :(0771)72-0171 よしはら 国土交通省 淀川ダム統合管理事務所 副所長 吉原 住 所 : 大阪府枚方市山田池北町 10 番 1 号 電 話 :(072)856-3131
ひよし日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 列島各地に被害をもたらした台風 18 号により 淀川水系桂川の日吉ダム ( 南丹市日吉町 ) 流域では 9 月 16 日 0 時から 1 時までの 1 時間の雨量が最大 3 4.5 mmを記録し 降り始めの 9 月 15 日 2 時から 16 日 17 時までの総雨量は 345mm に達しました この降雨により 流入量が増加し 15 日 22 時 34 分には洪水量 ( 毎秒 15 0 立方メートル ) に達したため 防災操作を開始しました 防災操作の概要 日吉ダム 流域平均総雨量 345 mm ダムへの流入量が最大となった時刻平成 25 年 9 月 16 日 6 時 44 分 同時刻におけるダムへの流入量 毎秒 1,694m 3( 1) 同時刻におけるダム流下量 毎秒 148m 3 同時刻におけるダム貯留量 毎秒 1,546m 3 1: 日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 16 日 10 時 32 分には 緊急放流操作を開始する水位 (200.2m) に達しましたが 国土交通省淀川ダム統合管理事務所長との調整の結果 ダム下流の状況を考慮して 操作の開始を遅らせました 16 日 11 時 25 分には 洪水時最高水位 (201.0m) を超え これ以上操作を遅らせると ダムの安全性に支障が考えられるため 12 時 00 分に緊急放 ( 2) 流操作を開始し ダムへの流入量と放流量を同量に近づける操作を行いました 今回は ダムの洪水調節容量以上に洪水を貯留し 下流の河川水位の低減に努めました 2: 緊急放流操作日吉ダムでは 下流河川の改修にあわせて暫定的に 20 年に 1 度の確率でダムに入ってくる洪水を溜め込む治水容量に対して 更に上回る規模の洪水が発生した時に流入量と放流量を同量に近づける操作です ほづばしかめおかしほづちょうしもなかじま今回の防災操作により ダム下流の保津橋地点 ( 亀岡市保津町下中島地先 ) では 約 1.5mの水位低減効果があったものと推定され ダムがなかった場合には ダム下流域での浸水被害が更に拡大していたものと想定されます 保津橋地点の河川水位が最高水位となった時刻平成 25 年 9 月 16 日 7 時 40 分 保津橋地点の水位低減効果 同時刻における保津橋地点の河川水位 ダムがなかった場合の同地点の最高水位 水位低減効果 6.82m 8.31m 1.49m 日吉ダムでは 今後もダムの効果が最大限に発現できるよう努めて参ります
位置図 資料 1
資料 2 台風 18 号の降雨に伴う日吉ダム防災操作について 日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 時間雨量 ( 単位 : mm ) 0.0 25.0 日吉ダム防災操作実績図 ( 台風 18 号 ) 9/16 0 時 ~1 時 1 時間最大雨量 34.5mm 50.0 雨量は日吉ダム流域平均雨量である 時間雨量累計雨量 9/15 2 時 ~9/16 17 時累計雨量 345 mm 累計雨量 ( 単位 : mm ) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 流量 ( 単位 :m3/s) 2,000 流入量洪水時最高水位 EL.201.0m 1,800 ダム流下量最大流入量 1,694m3/s 1,600 貯水位 1,400 1,200 流入量の約 9 割 (1,546m3/s) をカット 1,000 ダムに貯留した量 800 600 洪水貯留準備水位 EL.178.5m 400 最大流入時のダム流下量 148m3/s 200 防災操作 0 水位 ( 単位 :EL.m) 205.00 最高貯水位 EL.201.87m3/s ダム下流の状況から洪水時最高水位を超える貯留 ダム流下量 ( 最大 ) 504m3/s 下流河川の水位がピークを過ぎ 水位低下してからダム流下量を増加 緊急放流操作 200.00 195.00 190.00 185.00 180.00 175.00 170.00 2:00 5:00 8:00 11:00 14:00 17:00 20:00 23:00 2:00 5:00 8:00 11:00 14:00 17:00 20:00 23:00 2:00 9/15 9/16 9/17 ( 参考 ) 管理開始 ( 平成 10 年 4 月 ) 以降の主な出水の記録 順位 出水名 総雨量最大流入量 [mm] [m 3 /s] 1 平成 25 年 9 月台風 18 号 345 1,694 2 平成 16 年 10 月台風 23 号 238 856 3 平成 22 年 7 月梅雨前線 170 ダム流下量 ( 最大 )[m 3 /s] 504 150 698 150 管理開始 ( 平成 10 年 4 月 ) 以降の出水で 最大流入量が大きい方から 3 番目までを記載しています 最大流入時の貯留量 [m 3 /s] 1,546 708 549
日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 台風 18 号の降雨により 9 月 15 日より桂川の水量が増大し 日吉ダム管理開始以来最大の流入量 ( 毎秒 1, 694 立方メートル ) を記録しました 日吉ダムでは 洪水時にダムに貯留することができる洪水調節容量以上の洪水を貯留し 京セラドーム 37 杯分 (4,455 万 m 3 ) に相当する水をダムに貯め込むことによって 桂川 ( 保津橋地点 ) の水位上昇を約 1.5m 低く抑えました ダムがなかった場合には 浸水被害が拡大していたものと想定されます 京セラドーム 37 杯分に相当する水を日吉ダムに溜め込み 少ない量を放流することで下流の河川水位上昇の低減に努めました ( 京セラドームの容量を 120 万 m3 として算出 ) ダム堤体上流面 日吉ダム 23.7m のダム水位上昇 保津橋地点 ( 貯水位 EL.178.17m: 平成 25 年 9 月 15 日 ) ( 最高貯水位 EL.201.87m: 平成 25 年 9 月 16 日 ) 保津橋地点 ( 保津川下り乗船場付近 ) での水位低減効果 ダムがなかった場合約 8.3m( 推定 ) 保津小学校側 JR 亀岡駅側河川水位低減効果約 1.5m 今回の出水の最高水位約 6.8m はん濫危険水位 4.50m 資料 3
水位 (m) 12.0 11.0 10.0 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 保津橋地点水位 ( ダム有り実績 ) 保津橋地点水位 ( ダムなし ) 過去最高水位 はん濫危険水位 緊急放流操作により 保津橋地点のピーク水位を増大させるような影響はなかった 保津橋地点水位 はん濫危険水位を上回った時間ダム有り約 13 時間 ダムなし約 16 時間 ダムなし最高水位 ( 推定 ) 8.31m ダム有り最高水位 ( 実績 ) 6.82m 約 1.5m 水位低減 過去最高水位 6.32m はん濫危険水位 4.50m 9 11 13 15 17 19 21 23 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 1 3 5 時刻 9/15 9/16 9/17 資料 4