台風 18 号豪雨における淀川水系ダム群の治水効果について 平成 25 年 9 月 18 日近畿地方整備局 ( 独 ) 水資源機構関西支社 9 月 15 日から16 日にかけて近畿地方に接近した台風 18 号により 淀川水系では 大規模な出水となりました 国土交通省及び ( 独 ) 水資源機構が管理

Similar documents
Microsoft Word - H 記者発表_名張川3ダム演習_ .doc

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

現行計画 ( 淀川水系河川整備計画 ): 川上ダム案 治水計画の概要 事業中の川上ダムを完成させて 戦後最大の洪水を 中下流部では ( 大臣管理区間 ) 島ヶ原地点の流量 3,000m 3 /s に対して 川上ダムで 200m 3 /s を調節し 調節後の 2,800m 3 /s を上野遊水地や河道

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は


<4D F736F F F696E74202D2095BD90AC E81408AD690BC8AC793E082CC8EE682E DD DC58F4994C5817A>

淀川河川整備計画案に関する知事への意見照会について

かつて海の底にあった大阪では 川が縦横無尽に走っていた 大阪はかつては海底 海面が後退してからは 上流からの土砂の堆積により沖積平野が形成 河川は脈流しており 水利用 舟運に適した川沿いの街では度々浸水被害が発生 約 7000 年 ~6000 年前 縄文時代前期前半 800~1700 年ごろの大阪平

<4D F736F F F696E74202D20835F838082CC82B582AD82DD8DC58F F837C816A2E707074>

利水補給

<4D F736F F F696E74202D BF8E CD8C9F93A289EF81698AC7979D895E97708FF38BB5816A90E096BE8E9197BF2E >

目次 < 平成 29 年 7 月九州北部豪雨の概要 > 平成 29 年 7 月九州北部豪雨の概要 ( 気象 )1 1 平成 29 年 7 月九州北部豪雨の概要 ( 気象 )2 2 平成 29 年 7 月九州北部豪雨の概要 ( 被災状況 ) 3 < 水資源機構の支援の状況 > 被災地域へリエゾン 支援

ÿþ

水位の状況 8 月 4 日からの降雨により 上流域の全水位観測所 18 箇所の内 はん濫注意水位超過 1 箇所 水防団待機水位超過 2 箇所 合計 3 箇所の水位観測所において基準水位を上回る水位を記録した 天塩川上流域においても全水位観測所 12 箇所の内 はん濫危険水位超過 2 箇所 はん濫注意

Microsoft PowerPoint 【セット】記者発表資料.pptx

< F2D B4C8ED294AD955C8E9197BF C>

平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水の概要 平成 30 年 7 月 4 日 北海道開発局建設部河川計画課 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

Microsoft PowerPoint - 【741仙台】平成29年10月23日出水(第2報) ver.pptx

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

長安口ダムの概要 2号号堤高 85.5m 1堤頂長 2.7m 654号号号3号ダム天端 EL 昭和 31 年建設時 平成 27 年 8 月現在 昭和 31 年徳島県が建設 平成 19 年国土交通省に移管 治水 利水 ( 農業 工業用水 ) 発電( 一般家庭約 5 万世帯分 ) 河川環境の

目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

<4D F736F F D208BE38F428B5A95F181798EAD8E CA791E F A8CB48D CC816A2E646F63>

淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水概要 ( 上流 ) 速報版第 3 報 国土交通省北海道開発局旭川開発建設部平成 30 年 7 月 6 日 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

平成 29 年 8 月 18 日 ( 金 ) 記者発表資料 首都圏の水がめ 利根川及び荒川水系のダム貯水状況について 関東地方整備局および水資源機構では 利根川水系で 12 のダム ( 利根川上流域に 8 ダム 鬼怒川上流域に 4 ダム ) 荒川水系では 4 つのダムを管理しています これらのダムの

琵琶湖周辺に対する効果再開発事業の背景と目的 1: 治水 琵琶湖周辺や宇治川では これまで浸水被害が度々発生しています 再開発事業により 洪水調節機能の強化を図ります 背景 ( 過去の洪水被害 ) 発生年月起因被害状況 昭和 28 年 9 月 台風 13 号 死者 ( 不明者含 )178 人 負傷者


平成 29 年 7 月 28 日 ( 金 ) 記者発表資料 首都圏の水がめ 利根川及び荒川水系のダム貯水状況について 関東地方整備局および水資源機構では 利根川水系で 12 のダム ( 利根川上流域に 8 ダム 鬼怒川上流域に 4 ダム ) 荒川水系では 4 つのダムを管理しています これらのダムの

図 -3 ダム標準断面図 ( コンクリートダム部 ) 図 -4 ダム標準断面図 ( フィルダム部 ) 表 -2 忠別ダム防災操作一覧表 年度 回数 月 日 最大最大最高流入量放流量貯水位 1 6 月 9 日 月 1 日

平成 27 年 9 月 15 日現在 出水概要 _ 平成 27 年 9 月台風 17 号および 18 号 _ 国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所 速報値のため 今後数値等が変わる場合があります

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

<817991E591EA817A834A838B C8EAE E786477>

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川洪水浸水想定区域図 ( 計画規模 ) (1) この図は 新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川の水位周知区間について 水防法に基づき 計画降雨により浸水が想定される区域 浸水した場合に想定される水深を表示した図面です (2) この洪水浸水想定区域図は 平成

再開発事業の目的 目的横山ダムのある揖斐川上流域は 比較的脆弱な地質が多くみられることに加え 1 年間の降雨量が 3,mm を超える多雨地域のため 豪雨により大量の土砂が貯水池内に流れ込んでいる このため 平成 11 年時点で すでに計画堆砂量の 1.13 倍に達した 再開発事業は こうした湖内に貯

<4D F736F F D AD690BC81458B6796EC90EC8E788ED081408E788ED092B78F A58E412E646F6378>

別紙 大雨時の川のはん濫の危険性を知らせる 身近な 雨の状況 川の水位と危険性 川の予警報 などを リアルタイムでお知らせするウェブサイトです 川の水位 川の画像 PC 版 スマホ版 浸水想定区域図 住民の方々が自らはん濫の危険性を知り 的確な避難行動などに役立つように 利用者目線に立った新しい 川

untitled

出水概要 台風 18 号は 10 月 8 日の早朝 5 時過ぎに愛知県知多半島付近に上陸 関東地方の西側を進み 東北地方へと北上しました 台風の上陸前の秋雨前線による降雨と 2 年ぶりの上陸となった台風による降雨により京浜河川事務所管内では 鶴見川流域と多摩川中下流部で 今年一番の洪水となりました

パブリックコメントで頂いたご意見 資料 -1

( 参考資料 ) 緊急速報メールを活用した 洪水情報のプッシュ型配信 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所平成 29 年 3 月

琵琶湖周辺に対する効果天ケ瀬ダム再開発事業の背景と目的 1: 治水 琵琶湖周辺や宇治川では これまで浸水被害が度々発生しています 天ケ瀬ダム再開発事業により 洪水調節機能の強化を図ります 背景 ( 過去の洪水被害 ) 発生年月起因被害状況 昭和 28 年 9 月 台風 13 号 死者 ( 不明者含

資料4 検討対象水域の水質予測結果について

鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

避難を促す緊急行動 被災した場合に大きな被害が想定される国管理河川において 以下を実施 1. 首長を支援する緊急行動 ~ 市町村長が避難の時期 区域を適切に判断するための支援 ~ できるだけ早期に実施 トップセミナー等の開催 水害対応チェックリストの作成 周知 洪水に対しリスクが高い区間の共同点検

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

1. 木津川流域 河道の概要 系名 淀川水系 河川名 木津川 幹川流路延長 99km 流域面積 1,596km 2 八幡水位流量観測所 飯岡水位流量観測所 加茂水位流量観測所 木津川下流 (0K~37.2K) 木津川上流域 ( 笠置より上流 )

Microsoft PowerPoint - ◯06_出水期における防災体制

学識経験者による評価の反映客観性を確保するために 学識経験者から学術的な観点からの評価をいただき これを反映する 評価は 中立性を確保するために日本学術会議に依頼した 詳細は別紙 -2 のとおり : 現時点の検証の進め方であり 検証作業が進む中で変更することがあり得る - 2 -

<4D F736F F F696E74202D E9197BF2D32817A92B489DF8D5E908591CE8DF E815B C A >

スライド 1

Microsoft Word 【洪水予報】報道発表資料_熊谷地台.doc

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

<4D F736F F F696E74202D208E518D6C8E9197BF325F94F093EF8AA98D CC94AD97DF82CC94BB92668AEE8F8082C98AD682B782E992B28DB88C8B89CA2E B8CDD8AB B83685D>

<93FA8CF590EC B290AE97768D6A8250>


<4D F736F F F696E74202D FAC97A290EC835F A90E096BE8E9197BF E707074>

洪水リスクの共有

H26.6.11

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

Microsoft PowerPoint - daikibosinsuippt.ppt

InterRisk Report Form(2010.7改定)

Microsoft Word - 管理-979

4. 堆砂

Microsoft PowerPoint - 新津地区協議会(第1回)_0314ver02 [互換モード]

資料 4-3 案 野村ダム 鹿野川ダムの操作に関わる情報提供等に関する検証等の場 ( とりまとめ ) 参考資料 平成 30 年 11 月 目 次 1. 開催経緯 2. 平成 30 年 7 月豪雨におけるダムの防災操作 ( 洪水調節 ) 等 3. より有効な情報提供や住民の周知のあり方に関する検証 4

水系名 : 那賀川河川名 : 那賀川 台風の接近 上陸に伴う洪水を対象とした 直轄河川管理区間沿川におけるの避難勧告発令等に着目したタイムライン ( 防災行動計画 )( 案 ) H 現在 時間経過は 平成 26 年台風 11 号を参考 49h 39h 33h 台風に関する徳島県気象

Microsoft Word - 管理-775(修正)

Microsoft PowerPoint - 洪水予報河川等.pptx

.....u..

Q3 現在の川幅で 源泉に影響を与えないように河床を掘削し さらに堤防を幅の小さいパラペット ( 胸壁 ) で嵩上げするなどの河道改修を行えないのですか? A3 河床掘削やパラペット ( 胸壁 ) による堤防嵩上げは技術的 制度的に困難です [ 河床掘削について ] 県では 温泉旅館の廃業補償を行っ

<4D F736F F D D91817A81698B4C8ED294AD955C816A8EA190858E968BC68CF889CA2E646F6378>

たり 80mm 以上の雨 ) となり, 佐賀では 14:26 までの 1 時間に観測史上第 2 位の 91mm を記録した ( 図 9.2). 白石では 14:39 までの 1 時間に 72mm と 7 月の観測史上最大を記録した. その後, 全域で雨はいったん弱まったが, 夜遅くに再び南部を中心と

目 次 最上小国川 赤倉地区の 2015 年 9 月洪水の実態から 被害防止には河道改 修が最も効果的であることが あらためて明らかになった 1,2015 年 9 月 10 日赤倉雨量は1/50 年確率に近い豪雨であったが 洪水流量は1/11 年確率流量だった 2, 赤倉地区では外水被害と内水被害が

<4D F736F F D DC58F4994C5817A904D945A90EC5F8DC4955D89BF92B28F912E646F63>

<4D F736F F D208BD98B7D92B28DB88EC08E7B95F18D908F915F96788CA42E646F63>

22年5月 目次 .indd

                         平成19年6月  日

淀川水系流域委員会第 58 回委員会 ( 開催 ) 結果報告 開催日時場所参加者数 2007 年 8 月 29 日 ( 水 )16:30~19:45 京都市勧業館みやこめっせ B1F 第 1 展示場 A 面委員 16 名 河川管理者 ( 指定席 )21 名 一般傍聴者 ( マスコミ

<4D F736F F D2089CD90EC8C7689E689DB5F91E58ADB5F8EA190858C7689E68C9F93A282C982A882AF82E92E646F63>

Microsoft PowerPoint - 宇治災害2

4. ダム再生事業の概要 38

2. 急流河川の現状と課題 2.1 急流河川の特徴 急流河川では 洪水時の流れが速く 転石や土砂を多く含んだ洪水流の強大なエネルギー により 平均年最大流量程度の中小洪水でも 河岸侵食や護岸の被災が生じる また 澪筋 の変化が激しく流路が固定していないため どの地点においても被災を受ける恐れがある

<4D F736F F F696E74202D20819A937996D88A7789EF92B28DB895F18D9089EF5F8CE08F4388EA D8791E3979D94AD955C816A>

図 -3.1 試験湛水実績図 平成 28 年度に既設堤体と新設堤体が接合された抱土ゾーンにおいて調査ボーリングを実施し 接合面の調査を行った 図 -2.2に示すように 調査ボーリングのコア観察結果からは 新旧堤体接合面における 材料の分離 は認められなかった また 境界面を含む透水試験結果により得ら

五名再評価委員会資料

Microsoft Word - 説明本文(2307).doc

荒川上流ダム再開発事業 ( 実施計画調査 ) 目 次 1. 事業の概要 1 1) 荒川流域の概要 1 2) 荒川上流ダム再開発事業の目的 2 2. 事業の進捗状況 ( 事業の進捗の見込みを含む ) 4 3. 事業の必要性等に関する視点 5 1) 事業を巡る社会経済情勢等の変化 5 4. 県への意見聴

5-2 居住誘導区域の設定 居住誘導の基本方針を踏まえ 以下の居住誘導区域の設定の考え方に基づき 居住誘導区域を設 定します 居住誘導区域の設定の考え方 (1) 居住誘導区域に含めるエリア 居住誘導区域に含めないエリア 居住誘導区域に含めるエリア 1 都市機能誘導区域 居住誘導区域に含めないエリア


Microsoft Word - 平成29年7月梅雨前線による管内4水系出水状況

気象庁技術報告第134号表紙#.indd

台風23 集約情報_14_.PDF

滋賀県知事 京都府知事 大阪府知事説明資料 淀川水系河川整備計画の策定に係る諸状況について 平成 20 年 4 月 3 日 国土交通省近畿地方整備局

目次 1. 降雨の概要 2. 水位の状況 3. 流量の状況 4. 鬼怒川の氾濫による被災状況 5. 流下能力を上回る洪水による被害状況 6. 堤防決壊箇所の状況 7. 鬼怒川堤防調査委員会 ( 堤防決壊原因の特定等 ) 8. 決壊箇所 ( 左岸 21.0k) の応急復旧 9. その他の被災箇所の応急

目 次 1. 水防災意識社会再構築ビジョン までの取組について 2~9 2. 水防災意識社会再構築ビジョン について 10~11 3. 加古川の現状 12~19

1

1. 概 要 (2) 気象 水象状況 (1) 塩害防除の状況 1 気象 ( 観測地点 ; 利根川河口堰管理所 ) 1 堰上流基準地点 (26km) 表層の塩化物イオン濃度 雨量 上旬 中旬 下旬 総雨量 最多 1 時間雨量 発生日時 最大値 98 ppm ( 4 月 5 日 ) 平均値 71 ppm

Transcription:

近畿地方整備局 独立行政法人水資源機構 資料配付 配布日時 平成 25 年 9 月 18 日 16 時 00 分 件 名 台風 18 号豪雨における 淀川水系ダム群の治水効果について 概 要 9 月 15 日から16 日にかけて近畿地方に接近した台風 18 号により 淀川水系では 大規模な出水となりました 国土交通省及び ( 独 ) 水資源機構が管理する7ダムの洪水調節 ( 防災操作 ) により 各ダム下流の淀川水系各支川 ( 宇治川 木津川 桂川 ) の水位低下 洪水被害軽減を図るとともに 堤防を越流した桂川下流の水位低下に努めました これにより京都市街地に甚大な氾濫被害が生じることを防いだものと考えています 淀川水系管理ダム 淀川 ( 宇治川 ): 天ヶ瀬ダム ( 国 ) 木津川 : 室生ダム ( 水資源機構 ) 青蓮寺ダム( 水資源機構 ) 比奈知ダム( 水資源機構 ) 高山ダム ( 水資源機構 ) 布目ダム( 水資源機構 ) 桂川 : 日吉ダム ( 機構 ) 取扱い - 配布場所 近畿建設記者クラブ 大手前記者クラブ 京都府政記者室 宇治日刊記者クラブ 宇治日刊地方記者クラブ 南丹市政記者クラブ 奈良県政 経済記者クラブ 奈良市市政クラブ 学研都市記者クラブ 名張市政記者クラブ 桜井市政記者クラブ 問合せ先 近畿地方整備局河川部河川管理課長南後和寛電話 06-6942-1141( 代表 ) 06-6941-7343( 直通 ) 独立行政法人水資源機構関西支社事業部施設管理課長廣瀬正一電話 06-6763-5182( 代表 )

台風 18 号豪雨における淀川水系ダム群の治水効果について 平成 25 年 9 月 18 日近畿地方整備局 ( 独 ) 水資源機構関西支社 9 月 15 日から16 日にかけて近畿地方に接近した台風 18 号により 淀川水系では 大規模な出水となりました 国土交通省及び ( 独 ) 水資源機構が管理する7ダムの洪水調整 ( 防災操作 ) により ダム下流の淀川水系各支川 ( 宇治川 木津川 桂川 ) の水位低減 洪水被害軽減を図るとともに ダム群の連携により 堤防を越流した桂川下流及び淀川本川の水位低下に努めました 最大流入量管理者 最大流入時ダムによる流下量洪水低減量 洪水低減 ( 水位低下 ) 効果 特記事項 (m3/s ) (m3/s ) (m3/s ) 宇治川関係 瀬田川洗堰国 - - - - 昭和 47 年以来 41 年ぶりに全閉 計画された洪水調節容量をほぼ全容量を天ヶ瀬ダム国約 1360 約 850 約 510 塔の島地点で約 0.9m 低下使って 下流宇治市 京都市等を守る 桂川関係 日吉ダム水機構約 1690 約 150 約 1550 保津橋地点で約 1.5m 低下 計画された洪水調節容量をこえて洪水調節を行い 下流亀岡市 京都市等を守る 木津川関係 室生ダム水機構約 330 約 80 約 250 青蓮寺ダム水機構約 500 約 300 約 200 名張地点で約 0.7m 低下 3 ダムが連携して 下流名張市を守る 比奈知ダム 水機構 約 370 約 200 約 170 高山ダム 水機構 約 1600 約 480 約 1120 有市地点で約 1.1m 低下 国道 163 号の冠水時間を7 時間低減 布目ダム 水機構 約 200 約 50 約 150 興ヶ原地点で約 1.3m 低下 流入量が管理開始以来最大 特に 天ヶ瀬ダム 日吉ダムにおいては 流入量が非常に大きかったことから ダムの容量をぎりぎりまで活用して洪水を貯留する操作を行い 下流への流量を低減し 河川水位を低下させました ダム位置図 1

流入量 放流量貯水位あまがせ 宇治川 天ヶ瀬ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 台風 18 号により淀川水系天ヶ瀬ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 37mm 降り始めからの総雨量は300mmを観測しました この降雨により天ヶ瀬ダムへの最大流入量は毎秒約 1,360 立方メートルに達しました 天ヶ瀬ダムでは 流域全体の安全を確保する観点から操作を行うことで約 790 万立方メートル ( 京セラドーム大阪約 6 杯分 ) の水をダムに貯留し下流の河川へ流す水量を最大で毎秒約 500 立方メートル ( 約 4 割 ) 低減しました とうしまうじ ダム下流の塔の島 ( 宇治市 ) では宇治川の水位を約 0.9m 低下させる効果があったものと推測されます これにより 宇治市街地への浸水被害を防ぐことができたと考えています 数値は速報値 天ヶ瀬ダム位置図 塔の島地点 一庫ダム 日吉ダム 布目ダム 瀬田川洗堰 天ヶ瀬ダム ( 京都府宇治市 ) 高山ダム 間雨量(mm) 0 10 20 30 40 50 (m3/s) 1,500 1,250 1,000 750 500 250 天ヶ瀬ダム流域平均時間雨量 mm 天ヶ瀬ダム流域平均累加雨量 mm 流入量 m3/s 放流量 m3/s 貯水位 m 天ヶ瀬ダム 降雨量 / 流入量 放流量 最大流入量毎秒約 1360m 3 最大流入時の放流量毎秒約 850m 3 ダムに貯めた水量約 790 万 m 3 下流の水位が低下したので 下流の状態を見ながら放流を行った時0 50 100 150 200 250 300 80 75 70 65 60 55 50 45 40 35 累積雨量- 30 天ヶ瀬ダムに大量の洪水を貯めました 日時日 / 時 15/1 15/2 15/3 15/4 15/5 15/6 15/7 15/8 15/9 15/10 15/11 15/12 15/13 15/14 15/15 15/16 15/17 15/18 15/19 15/20 15/21 15/22 15/23 16/0 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 16/12 16/13 16/14 16/15 16/16 16/17 16/18 16/19 16/20 16/21 16/22 16/23 17/0 天ヶ瀬ダム 塔の島地点での河川水位低減効果 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 3.7m 今回の出水の流入量が最大となった時点の水位 2.8m 放流時の様子 2 水位を約 0.9m 低下させる効果がありました

桂川 日吉ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 ひ よし 台風 18 号により淀川水系日吉ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 34.5mm 降り始めからの総雨量は345mmを観測しました この降雨により日吉ダムへの最大流入量は毎秒約 1,690 立方メートルに達し 日吉ダム管理開始 ( 平成 10 年 ) 以降最大の流入量を記録しました 日吉ダムでは 流域全体の安全を確保する観点から操作を行うことで約 4,460 万立方メートル ( 京セラドーム大阪約 37 杯分 ) の水をダムに貯留し下流 の河川へ流す水量を最大で毎秒約 1,550 立方メートル ( 約 9 割 ) 低減しました この結果 ダム下流の保津橋地点 ( 亀岡市保津川下り船乗場付近 ) では 桂川の水位を約 1.5m 低下させ 京都市街地に甚大なはん濫被害が生じる ことを防ぐことが出来たと考えています ほ づ 日吉ダム位置図 日吉ダム ( 京都府南丹市 ) 保津橋地点 洪水調節操作図 流入量放流量 (m3/s) m3/s 水位 (m) 時間雨量0.0 25.0 50.0 2,000 1,800 (m 3 /s) 1,600 量(mm) 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 2:00 5:00 流入量 ダム流下量 貯水位 下流へ流す水量を最大毎秒約 1,550m 3 低減 ダムに貯めた水量約 4,460 万 m3 ( 京セラドーム大阪約 37 杯分 ) 8:00 11:00 14:00 日吉ダム 降雨量 / 流入量 放流量 17:00 20:00 23:00 2:00 5:00 8:00 11:00 14:00 17:00 20:00 時間雨量累計雨量 最大流入量毎秒約 1,690m 3 23:00 数値は速報値右 下流の水位が低下したので 下流の状態を見ながら放流を行った 2:00 (mm) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 205.00 200.00 195.00 190.00 (m 3 /s) 185.00 180.00 175.00 170.00 累積雨量日吉ダムに大量の洪水を貯めました 貯水位保津橋地点での河川水位低下効果 流入量と同じ流量を流下流今回 左岸3 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 8.3m 今回の出水の実績最高水位 6.8m 水位を約 1.5m 低下させる効果があったと考えています 岸 下流において 浸水被害が発生しましたが ダムで貯留したことにより水位低下効果があったものと推測されます

しょうれんじひなちむろう 木津川 名張川上流 3ダム ( 青蓮寺 比奈知 室生 ) の防災操作効果 ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 平成 25 年 9 月 15 日 台風 18 号により淀川水系名張川 3ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 33mm 降り始めからの総雨量は青蓮寺ダムで368mm 室生ダムで226mm 比奈知ダムで440mmを観測しました この降雨により 名張川の浸水被害の恐れがあったこと 淀川本川下流への水量を低減させる必要があったため 3ダムでの統合操作を行いました なばり この結果 ダム下流の名張地点では名張川の水位を約 0.7m 低下させ 名張地点でのはん濫が生じる危険な水位を下回ることができたと考えています 数値は速報値 流量 (m 3 /s) 貯水位 (m) 名張地点 ( 名張大橋下流 ) 室生ダム 名張市街地 浸水防止区域 比奈知ダム 青蓮寺ダム 名張川地点位置図 600 500 400 300 200 100 0 流量 (m 3 /s) 600 500 400 300 200 100 0 < 比奈知ダム > ダムからの流下量を最大約 170m 3 /s 低減 < 青蓮寺ダム > ダムからの流下量を最大約 200m 3 /s 低減 洪水時最高水位 305.0m 洪水貯留準備水位 292.0m 洪水時最高水位 282.0m 洪水貯留準備水位 273.0m 最大流入量 370m 3 通常操作による流下量統合操作による流下量最大流入量 500m 3 通常操作による流下量統合操作による流下量 統合操作による貯留 310 305 300 295 290 285 280 275 270 265 260 貯水位 (m) 統合操作による貯留 285 280 275 270 265 260 255 250 < 統合操作 > 3 ダムの空き容量を勘案し ダムからの放流量を減らすことにより 名張川の水位低下を図る 流量 (m 3 /s) 600 500 400 300 200 100 0 < 室生ダム > ダムからの流下量を最大約 250m 3 /s 低減 洪水時最高水位 296.5m 洪水貯留準備水位 287.5m 通常操作による流下量 統合操作による流下量 最大流入量 330m 3 貯水位 (m) 統合操作による貯留 298 296 294 292 290 288 286 284 282 280 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 4 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00

木津川 名張川上流 3 ダム ( 青蓮寺 比奈知 室生 ) の防災操作効果 ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 名張川上流 3 ダム位置図 名張地点の水位状況図 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 7.8m 名張地点 ( 名張大橋下流 ) 名張市街地 比奈知ダム 青蓮寺ダム 今回の出水の実績最高水位 7.1m 水位を約 0.7m 低下させる効果がありましたはん濫危険水位 7.6m 浸水防止区域 室生ダム 宇陀川 ( 室生ダム ) 名張地点位置図 名張地点 3 ダムの防災操作による名張地点の水位低下効果は 約 0.7m と推定され はん濫の危険が生じる水位を下回ることができました ( 名比青張奈蓮川知寺ダダ近鉄線ムム)名張地点航空写真 青蓮寺ダムの貯留状況室生ダムの貯留状況比奈知ダムの貯留状況 5

木津川 高山ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月 ) 台風 18 号 台風 18 号により淀川水系高山ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 22mm 降り始めからの総雨量は290mmを観測しました この降雨により高山ダムへの最大流入量は毎秒約 1,600 立方メートルに達しました 今回の防災操作では 下流の河川へ流す水量を最大で毎秒約 1,120 立方メートル ( 約 7 割 ) 低減しました ダム下流の有市水位観測所では ダムが無い場合に比べて水位が約 1.1m 低減したと推定されます これにより国道 163 号冠ありいち水の影響時間を短縮をはかることができたと考えられます 数値は速報値 たか やま 高山ダム位置図 一庫ダム 日吉ダム 布目ダム 有市水位観測所 天ヶ瀬ダム 高山ダム ( 京都府相楽群南山城村 ) 高山ダム 高山ダム 降雨量 / 流入量 放流量 / 下流河川水位 (m 3 /s) (mm) 0 間雨量国道時25 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 9/15 9/16 20:00 流入量ダム流下量 23:00 最大流入量毎秒約 1,600m 3 下流へ流す水量を最大毎秒約 1,120m 3 低減 2:00 5:00 高山ダム上流域の雨量 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 10.2m 8:00 今回の出水の実績最高水位 9.1m 水位を約 1.1m 低下させる効果がありました 1 時間半に短縮する効果を発揮したと考えています 6 11:00 最小流下能力地点の有市地点の水位低下効果 時間雨量累計雨量 0 50 100 150 200 250 200.00 195.00 190.00 185.00 180.00 175.00 170.00 12.00m 10.00m 8.00m 6.00m 4.00m 2.00m 0.00m 累積雨量国道の水没時間を 8 時間半から

木津川 布目ダムの防災操作の効果について ( 平成 25 年 9 月台風 18 号 ) 台風 18 号により淀川水系布目ダムの流域では 1 時間雨量で流域最大 33mm 降り始めからの総雨量は 252mmを観測しました この降雨により布目ダムへの最大流入量は管理開始 ( 平成 4 年 ) 以来最大となる毎秒約 200 立方メートルに達した 今回の防災操作では 淀川ダム統合管理事務所と連携し下流の河川へ流す水量を最大で毎秒約 150 立方メートル ( 約 7 割 ) 低減しました おくがはら ダム下流の興ヶ原水位観測所では ダムが無い場合に比べて約 1.3m 低下したと推定されます これにより当該地域の浸水被害を回避することができたと考えています 布目ダム位置図 布目ダム ( 奈良県奈良市 ) 布目ダム 降雨量 / 流入量 放流量 (mm) 0 10 間雨量20 30 時興ヶ原水位観測所 ( ダムから下流約 6km 地点 ) 高山ダム 布目ダム 興ヶ原地点での河川水位低下効果 時間雨量 ( mm ) 累計雨量 ( mm ) 40 (m 3 /s) 200 放流量最大流入量毎秒約 200m 3 流入量 150 下流へ流す水量を 日吉ダム 100 最大毎秒約 150m 3 低減 50 一庫ダム 0 9/15 天ヶ瀬ダム 9/16 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00 2:00 4:00 め 数値は速報値 布目ダム上流域の雨量 0 50 累100 積150 雨量ぬの 200 250 300 6:00 ダムで河川の水量を調節しなかった場合の推定水位約 3.7m 今回の出水の最高水位 2.4m 8:00 10:00 水位を約 1.3m 低下させる効果があったと考えています 7

ひよし日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 みずしげんきこうひよしなんたんしひよしちょう淀川水系桂川の水資源機構日吉ダム ( 南丹市日吉町 ) 流域では 台風 18 号の 降雨により 9 月 15 日 2 時から 16 日 17 時までの総雨量が 345mm( ダム流 域平均雨量 ) を記録しました この降雨により ダムへの最大流入量は 平成 10 年 4 月の管理開始以来最大となる毎秒 1,694 立方メートルとなりました この洪水に対して 日吉ダムでは防災操作を実施し ダム下流の洪水被害軽減に努めました 防災操作 : 大雨により ダムに流れ込む水の一部をダムに一時的にため込んで ダムから下流に流す量を減らし 下流の川の水位を低減させる操作 今回の発表は速報値であり 今後の調査により数値等が変わることがあります 平成 25 年 9 月 18 日 国土交通省近畿地方整備局淀川ダム統合管理事務所 独立行政法人水資源機構日吉ダム管理所 発表記者クラブ京都府政記者室南丹市政記者クラブ 問い合わせ先 あらい 独立行政法人 水資源機構 日吉ダム管理所 所長代理 新井 住 みこたに所 : 京都府南丹市日吉町中神子ヶ谷 68 電 話 :(0771)72-0171 よしはら 国土交通省 淀川ダム統合管理事務所 副所長 吉原 住 所 : 大阪府枚方市山田池北町 10 番 1 号 電 話 :(072)856-3131

ひよし日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 列島各地に被害をもたらした台風 18 号により 淀川水系桂川の日吉ダム ( 南丹市日吉町 ) 流域では 9 月 16 日 0 時から 1 時までの 1 時間の雨量が最大 3 4.5 mmを記録し 降り始めの 9 月 15 日 2 時から 16 日 17 時までの総雨量は 345mm に達しました この降雨により 流入量が増加し 15 日 22 時 34 分には洪水量 ( 毎秒 15 0 立方メートル ) に達したため 防災操作を開始しました 防災操作の概要 日吉ダム 流域平均総雨量 345 mm ダムへの流入量が最大となった時刻平成 25 年 9 月 16 日 6 時 44 分 同時刻におけるダムへの流入量 毎秒 1,694m 3( 1) 同時刻におけるダム流下量 毎秒 148m 3 同時刻におけるダム貯留量 毎秒 1,546m 3 1: 日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 16 日 10 時 32 分には 緊急放流操作を開始する水位 (200.2m) に達しましたが 国土交通省淀川ダム統合管理事務所長との調整の結果 ダム下流の状況を考慮して 操作の開始を遅らせました 16 日 11 時 25 分には 洪水時最高水位 (201.0m) を超え これ以上操作を遅らせると ダムの安全性に支障が考えられるため 12 時 00 分に緊急放 ( 2) 流操作を開始し ダムへの流入量と放流量を同量に近づける操作を行いました 今回は ダムの洪水調節容量以上に洪水を貯留し 下流の河川水位の低減に努めました 2: 緊急放流操作日吉ダムでは 下流河川の改修にあわせて暫定的に 20 年に 1 度の確率でダムに入ってくる洪水を溜め込む治水容量に対して 更に上回る規模の洪水が発生した時に流入量と放流量を同量に近づける操作です ほづばしかめおかしほづちょうしもなかじま今回の防災操作により ダム下流の保津橋地点 ( 亀岡市保津町下中島地先 ) では 約 1.5mの水位低減効果があったものと推定され ダムがなかった場合には ダム下流域での浸水被害が更に拡大していたものと想定されます 保津橋地点の河川水位が最高水位となった時刻平成 25 年 9 月 16 日 7 時 40 分 保津橋地点の水位低減効果 同時刻における保津橋地点の河川水位 ダムがなかった場合の同地点の最高水位 水位低減効果 6.82m 8.31m 1.49m 日吉ダムでは 今後もダムの効果が最大限に発現できるよう努めて参ります

位置図 資料 1

資料 2 台風 18 号の降雨に伴う日吉ダム防災操作について 日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 時間雨量 ( 単位 : mm ) 0.0 25.0 日吉ダム防災操作実績図 ( 台風 18 号 ) 9/16 0 時 ~1 時 1 時間最大雨量 34.5mm 50.0 雨量は日吉ダム流域平均雨量である 時間雨量累計雨量 9/15 2 時 ~9/16 17 時累計雨量 345 mm 累計雨量 ( 単位 : mm ) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 流量 ( 単位 :m3/s) 2,000 流入量洪水時最高水位 EL.201.0m 1,800 ダム流下量最大流入量 1,694m3/s 1,600 貯水位 1,400 1,200 流入量の約 9 割 (1,546m3/s) をカット 1,000 ダムに貯留した量 800 600 洪水貯留準備水位 EL.178.5m 400 最大流入時のダム流下量 148m3/s 200 防災操作 0 水位 ( 単位 :EL.m) 205.00 最高貯水位 EL.201.87m3/s ダム下流の状況から洪水時最高水位を超える貯留 ダム流下量 ( 最大 ) 504m3/s 下流河川の水位がピークを過ぎ 水位低下してからダム流下量を増加 緊急放流操作 200.00 195.00 190.00 185.00 180.00 175.00 170.00 2:00 5:00 8:00 11:00 14:00 17:00 20:00 23:00 2:00 5:00 8:00 11:00 14:00 17:00 20:00 23:00 2:00 9/15 9/16 9/17 ( 参考 ) 管理開始 ( 平成 10 年 4 月 ) 以降の主な出水の記録 順位 出水名 総雨量最大流入量 [mm] [m 3 /s] 1 平成 25 年 9 月台風 18 号 345 1,694 2 平成 16 年 10 月台風 23 号 238 856 3 平成 22 年 7 月梅雨前線 170 ダム流下量 ( 最大 )[m 3 /s] 504 150 698 150 管理開始 ( 平成 10 年 4 月 ) 以降の出水で 最大流入量が大きい方から 3 番目までを記載しています 最大流入時の貯留量 [m 3 /s] 1,546 708 549

日吉ダム管理開始以来 最大のダム流入量を記録 台風 18 号の降雨により 9 月 15 日より桂川の水量が増大し 日吉ダム管理開始以来最大の流入量 ( 毎秒 1, 694 立方メートル ) を記録しました 日吉ダムでは 洪水時にダムに貯留することができる洪水調節容量以上の洪水を貯留し 京セラドーム 37 杯分 (4,455 万 m 3 ) に相当する水をダムに貯め込むことによって 桂川 ( 保津橋地点 ) の水位上昇を約 1.5m 低く抑えました ダムがなかった場合には 浸水被害が拡大していたものと想定されます 京セラドーム 37 杯分に相当する水を日吉ダムに溜め込み 少ない量を放流することで下流の河川水位上昇の低減に努めました ( 京セラドームの容量を 120 万 m3 として算出 ) ダム堤体上流面 日吉ダム 23.7m のダム水位上昇 保津橋地点 ( 貯水位 EL.178.17m: 平成 25 年 9 月 15 日 ) ( 最高貯水位 EL.201.87m: 平成 25 年 9 月 16 日 ) 保津橋地点 ( 保津川下り乗船場付近 ) での水位低減効果 ダムがなかった場合約 8.3m( 推定 ) 保津小学校側 JR 亀岡駅側河川水位低減効果約 1.5m 今回の出水の最高水位約 6.8m はん濫危険水位 4.50m 資料 3

水位 (m) 12.0 11.0 10.0 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 保津橋地点水位 ( ダム有り実績 ) 保津橋地点水位 ( ダムなし ) 過去最高水位 はん濫危険水位 緊急放流操作により 保津橋地点のピーク水位を増大させるような影響はなかった 保津橋地点水位 はん濫危険水位を上回った時間ダム有り約 13 時間 ダムなし約 16 時間 ダムなし最高水位 ( 推定 ) 8.31m ダム有り最高水位 ( 実績 ) 6.82m 約 1.5m 水位低減 過去最高水位 6.32m はん濫危険水位 4.50m 9 11 13 15 17 19 21 23 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 1 3 5 時刻 9/15 9/16 9/17 資料 4