教育研究グループ報告書

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「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて


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Microsoft Word - 社会科

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

「標準的な研修プログラム《

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

28(宣)中社小中パンフ表1-small

Microsoft Word - 学習指導案(公民的分野 ②).doc

2、協同的探究学習について

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

Microsoft Word - t2gika1.doc

中学校における授業実践事例 1 第 3 学年社会科 消費生活と経済 1 学校名 職氏名萩市立田万川中学校教諭室谷雄二 2 生徒 3 学年 15 人 3 学習指導案 (1) 題材名消費生活と経済 (2) 題材の目標経済活動の意義について消費生活を中心に理解させるとともに 価格の働きに着目させて市場経済

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考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

4.原稿(資料)

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

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41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

福祉科の指導法 単位数履修方法配当年次 4 R 2 年以上 科目コード EC3704 担当教員佐藤暢芳 ( 上 ) 赤塚俊治 ( 下 ) 2017 年 11 月 20 日までに履修登録し,2019 年 3 月までに単位修得してください 2014 年度までの入学者が履修登録可能です 科目の内容 福祉科

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基礎を育てることを主なねらいとしている 現在 地方自治体を取り巻く状況は 少子高齢化 情報化 グローバル化 経済の変動などによ り急速に変化している また 地方分権を推進する法律がつくられ 各地方自治体は 財政の健全 化や組織の改編 市町村合併等の新しい枠組みづくりに取り組んでいる さらに 子育て支

Microsoft Word - 高等学校公民科(大島).doc

資料1 児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ(第1~第3回)における主な意見等

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以上, 歴史的事象の知識 理解 の段階を基礎とした (1)~(3) の力を踏まえて, 本研究では, 授業ワークシートの工夫や効果的な資料の提示, 個 から グループ を意識した話し合い活動の工夫を通して, 生徒の 歴史的思考力 の育成を目指す世界史授業のあり方について考えた 図 1. 歴史的思考力

H30全国HP

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

Microsoft Word - aglo00003.学力の三要素

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

(2) 系統観 小学校社会科 ( 第 6 学年 ) 世界の中の日本の役割について, 我が国と経済や文化などでの面でつながりが深い国の人々の様子などを調査し, 外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であることを考える 中学校社会科 ( 第 1 学年地理的分野 ) 世界

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

3 特別支援学級における学習指導案 特別支援学級においても 学習指導案は授業の設計図としての働きに変わりはありません しかし 特別支援学級では 児童生徒の実態から指導の内容や計画を考えることに大きな意味があります 通常の学級の学習指導案では 例えば 単元について は学習指導要領に沿った指導計画に基づ

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

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更新履歴 更新日 2019 年 1 月 5 日 [ 更新 ] 学部 学科 文学部英米文学科 更新内容 における科目 ( 出題範 囲 ) を訂正

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

17 石川県 事業計画書

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エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

4 展開計画 ( 全 5 時間 ) 時テーマ ねらい活動 内容使用教材 1 タンザニアを知ろう! No.1 アフリカの途上国 タンザニア という国について知る 興味を持ち どんな文化なのかどんな生活をしているのかを自ら調べようとする タンザニアについての基本的な情報を聞く ワークシートパワーポイント

Microsoft Word - 数学指導案(郡市教科部会)

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

消費者教育のヒント集&事例集

工業教育資料347号

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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(2) 授業者が学びの見通しを持つ ( 学習目標の明確化 ) 問題解決的な学習に取り組む際, どのような場面で, どのようにして, どのような力を子どもたちに付けるのか, 単元や授業における目標を明確にして学びを見通しておくことが大切です 目標が不明確であると, 作業や体験などの活動そのものに, 子

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

国語科学習指導案

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

島根県立大学 総合政策論叢 第 29 号 (2015 年 2 月 ) 法の検証から今後の課題について提示している なお公民科の単元には 発展途上国の貧困問題 と 日本経済のあゆみ を取り扱った 2. アクティブ ラーニングの意義 (1) アクティブ ラーニングとは何かアクティブ ラーニングは 教師に

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

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実践 報告書テンプレート

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

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社会科学習指導案

Microsoft Word - 0表紙みどり1.doc

日本・OECD共同イニシアチブプロジェクトの取組報告1 (岸学 東京学芸大学名誉教授)

刊行に寄せて 青森県教育委員会では 小 中 高等学校 1 2 年間を見通した 縦の連携 を基軸とした学校教育を推進し 児童生徒の学力向上について取り組むべき方策を検討することを目的に 学力向上庁内戦略会議 を設置し 算数 数学 理科 英語の 3 教科について 児童生徒の学力向上に関する専門的な事項に

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

PowerPoint プレゼンテーション

たい 生徒は九州地方のイメージを漠然と 自然が多い 山がある 空気がおいしい というような自然や環境がよいことをあげていた そこで 九州地方の環境と産業の関わりや環境保全への取組 持続可能な社会を目指した活動についてなど 九州の地域的特色を捉えさせることが重要である そのために 環境保全には人々の積

新学習指導要領の理念と カリキュラム マネジメント 2019( 平成 31) 年 1 月 16 日 文部科学省 3 階講堂 天笠茂 ( 千葉大学特任教授 )

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

Taro-14工業.jtd

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

5 主体的 対話的で深い学びの視点 (1) 主体的な学びとしての視点主体的な学びとして 本単元ではプレゼンテーションを作成する段階で 聞き手の関心を最大限ひきつけることができるようなテーマの設定を生徒たち自身に行わせたい このことにより 教師から与えられたテーマではなく 自分たち自身もより興味 関心

Microsoft Word - aAL00058(Kawakatu_Sonobe)

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

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入研協2019電子調査書

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

情報活用能力とは 情報社会を生き抜くための情報活用能力の育成が不可欠となっています 情報活用能 力は 情報活用の実践力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 の三 つの観点に整理されています A 情報活用の実践力 B 情報の科学的な理解 C 情報社会に参画する態度 情報の科学的な理解 情報社会

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

算数科学習指導案 指導者中野智子 1 日時平成 30 年 10 月 19 日 ( 金 ) 第 6 校時 2 学年第 6 学年 1 組男子 12 名女子 9 名計 21 名 3 単元名資料の調べ方 4 単元について (1) 単元観本単元は, 小学校学習指導要領第 6 学年の内容 [D データの活用 ]

効であると考えた また, 環境問題は, 日本を含めた世界全体の課題であり, 持 続可能な開発の大切さについて考えさせる上でも有意義な単元である 研究テーマとの関連 : 教材選択の条件 現在, 日本を含め世界的にも地球温暖化を抑えるなど環境保護の意識が高まっている中で, ブラジルにおける熱帯林が減少し

Transcription:

生徒の思考力 判断力 表現力を育てる社会科指導の工夫 研究の内容 第 1 回 7 月 16 日 ( 土 ) (1) 思考 判断 表現 の観点の評価規準について 定期考査問題を持ち寄り 協議した 協議の中で 以下のことがまとめられた 複数の資料を読み取り 答えに導く力の育成が重要 そのために 授業内から 資料読み取りの技能を育てることが大切である 1 時間の授業で 4 観点すべてを見取るのではなく 単元を通して 見取る 定期考査問題も 4 観点すべてを出題する必要はない 重要なのは 単元を通して 多様な評価資料があること (2) 発表報告として 以下の実践報告がされた (ⅰ) 中等教育学校の地理 B の授業について 高等学校の授業も中学校の学習指導要領の上に立って成立しているもの 現学習指導要領での地理は 選択科目である そのため 中学校での学びが最後になる生徒もいる (ⅱ) 平成 27 年度実施の都立高校入学選抜試験の問題について 正答率が低かった問題と高かった問題の分析 地形図の読図は 毎年出題されている 授業において 基礎的 基本的な地理的技能を身に付けさせることは大切である 世界の歴史と日本の歴史の大きな流れについても出題が毎年である 歴史的分野においても 日常の指導の中で 地図を意識させることは大切である 多様な資料を読み取り 考察する力を身に付けさせる必要がある (3) 先進事例として 社会科におけるこれからの授業を考える として 都中社研研究部員より報告された 1 協働して 主体的に探求する活動 を見直す視点 単なるグループスタイルになっていないか 社会科の本質に迫る 問い であるか 体がアクティブ なのではなく 頭がアクティブ になっていることが大切 適切な資料の提示 タイミングが重要である ICT について 書画カメラ等 教師が主体の使い方タブレット等 生徒が主体の使い方 2 次期学習指導要領について 何を知っているか だけでなく 知っていることをどう使うか も重視 さらに向かうところは どのように社会 世界と関わり よりよい人生を送るか

(4) 講師の先生より オバマ大統領広島演説 を資料に 資料の取り扱い方 歴史認 識の重要性 社会科として公民的資質をどのように育成していくかについてご指導い ただいた 第 2 回 12 月 17 日 ( 土 ) (1) 各自の研究授業の指導案を持ち寄り 協議を進めた 協議の中で 以下のことがまとめられた 1 導入について 生徒が興味をもつ資料の提示 驚きのある資料の提示 あれ? という疑問をもてるかどうか 今の生活との比較ができるものか 2 資料について 生徒の目線で考えさせることが大切 見やすいグラフか 大きい字か等 教師が資料を探し 提示することも大切だが テーマに沿って生徒が自ら資料を探すことも必要ではないか 3 思考力を育てる指導の工夫について 何を考えさせたいのかの吟味 思考を深めさせることができる資料の提示 なぜ? と思わせる資料が良い 読み取りだけで終わる資料は 良くない 何から考えさせるのか 資料提示の順番も大切 多様な立場を考えさせるのも一つの方法 4グループ活動について グループ活動が目的になってしまってはいけない グループ活動をすることで 生徒がこう変わった と言える指導でないといけない グループ活動をする意義 多様な意見が出ることを期待する場合答が一つでない課題設定 4 戦後史の扱いについて 今とどうつながっているのか という視点は必要ではないか 公民的分野への 種まき がどれほどできるかが大切 視覚資料をうまく提示すると効果的 身近な人の話を入れると生徒は興味をもつ 小学校では 学習していない単元である

(2) 発表報告として 以下の実践報告がされた ( ⅰ ) 第 42 回全日本教育工学研究協議会全国大会佐賀大会での発表として 現代社会の課題について協働して主体的に解決する力の育成 タブレット端末を活用した 深い学び の実現 ( 授業実践を通した考察 ) について 手段としての ICT アナログとの併用が大切 デジタルの協働 深い学びにつながる主体的な課題解決力 ( ⅱ) 指導教諭の示範授業として 北アメリカ州 の実践報告 架空のキャラクターの旅行記を題材に 北アメリカ州の特色をとらえる授業 学び合いとして 地図や資料等を活用し 読み取りをさせる ( ⅲ ) 北方領土現地視察学習会 ( 根室訪問 ) の参加者より 報告がされた (3) 講師の先生より 東大の地理問題を資料にご指導いただいた 基礎的な知識が徹底されてこそ 思考力も伸ばすことができる 1 つの図から 自然環境や産業 人口分布のパターンを多面的に問う問題がある 知識と思考力を組み合わせて考えさせる重要性 第 3 回 3 月 18 日 ( 土 ) (1) 各自の研究授業の指導案を持ち寄り 協議を進めた 協議の中で 以下のことがまとめられた 1 動画の視聴覚教材について イメージをもたせることが大切 何を考えさせるための教材かを吟味する どのくらいの時間見せるかについても吟味する 2 グループ活動をさせる場合の留意点 グループ内で役割分担をさせるかについては テーマや発達段階によって変える 3 年間の学びの中で 主体的な学びを育てていく 特に特別活動の時間との連携は非常に大切 特別活動で学んだことを土台に教科に生かしていくことが 理想である 3 資料の使い方について ねらいに沿った資料の吟味が大切 資料の提示の仕方によっては 答を誘導していってしまう可能性もあることを考慮する 多面的に考察できる資料が良い

4 公民的分野の授業の工夫 地理 歴史で学んだことを土台に 思考 判断していく授業を考えていく 主権者教育を念頭に 答が一つでない学習課題の設定 22 世紀の日本を生き抜く力をどう育てていくかの視点が必要 学習方法として ディベートやパネルディスカション等の対話的な学びがあると良い 単元構成を考える際 事実認識から価値認識の時間を考えて組み立てる 5 閉じない社会科 について 社会科で学習したことが 他教科や身近な生活に生きることが大切 社会科の授業でグループ活動をし そこで培わせた力が 学級活動等で生かされることが理想である 毎時間ニュースで話題となっていることに教師が触れる ニュースを学級活動の時に紹介する等 6 評価規準の考え方について 生徒のワークシートを実際に見ながら 全員で 評価の視点から 単元のねらいを見直した ねらいを明確にすることで 評価規準が決まってくる 指導のねらいと評価規準が一致していることが大切 指導したことを評価する B 規準をはっきりさせることが大切 B 規準は 細かく設定する必要がある 評価は 一般化することが大切である 生徒のワークシートから 一般性と特殊性を見いだしているかが 重要である 様々な視点をもっている という評価規準はあいまいである 様々な が 何であるかを指導者は 事前に明確にもっている必要がある 生徒には 事前に評価の観点を示して 指導するのが良い (2) 先行事例として 1 東京教師道場部員による授業公開について 実践報告がされた 2 東京方式 1 単位時間の授業スタイルに基づく中学校社会科の授業実践 について 都中社研研究部員より実践報告がされた (3) 講師の先生より 大学の講義資料から ゴミ袋有料化の政策について 効率 公 正 教育的発想 経済的インセンティブ をキーワードに説明せよ という問題に ついて ご指導いただいた

成果と課題 (1) 成果 1 指導案やワークシート 定期考査問題を基に実践報告をし 研究協議において 意見交換をすることにより 明日の授業 に生かす より実践的な指導法工夫に結びつけることができた 2 都中社研研究部員をはじめ 指導教諭 参加した校長 顧問の先生に毎回 複数参加していただくことにより より専門的なアドバイスをいただくことできている 2 若手教員対象に 指導法の基礎 基本について 徹底を図ることができた 3 各種の先行事例を学ぶことにより 今後の社会科教育の方向性を知る機会となっている 4 都中社研の事業のほか 各種の研修会を紹介することにより 多摩地区の若手教員の研修意欲を高めることができた (2) 課題 1 若手教員の指導力向上を図るため 実践事例を紹介するだけでなく 共通の課題を提 示し 引き続き より実践的な指導法工夫を図る必要がある