2. 検索連動型広告 ( より ) 2

Similar documents
淡路町知財研究会 (松宮ゼミ)

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙原告商標目録記載の各商標権を有し, その各登録商標を自己の商品等表示として使用する控訴人が, 被控訴人は, インターネット上の検索エンジンにおける検索結果表示画面の広告スペースに, 原判決別紙表示目録記載の文言に自社サイトへのハイパーリンクを施す

Microsoft Word - 中国商標判例(5)-HPメルマガ 3/10UP

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

インターネット上の著名商標保護 インターネット上の著名商標保護 商標的使用の問題を中心に 立命館大学法学部教授宮脇正晴 目次 1. はじめに 2. インターネット上の特殊な 使用 2.1. メタタグ 2.2. 検索連動型広告 2.3. その他の広告的 使用 3. 検討 つの商標的使用論

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

点で 本規約の内容とおりに成立するものとします 3. 当社は OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用申込みがあった場合でも 任意の判断により OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用をお断りする場合があります この場合 申込者と当社の間に利用契約は成立し

Microsoft Word - シャトルロック利用規約+個人情報の取扱いについてver4-1.docx

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

2. 本サービスの申込者において 本規約に反する事由 本サービスへの申込みが適当でない と当社が判断する事由等がある場合には 当社は 本サービスへの申込みを承諾しないこ とがあります 第 5 条 ( 利用契約の成立時期 ) 1. 当社が当該申込みを承諾したときに利用契約が成立するものとします ネット

Webエムアイカード会員規約

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

発信者情報開示関係WGガイドライン

メタタグの使用と商標権侵害

【PDF】MyJCB利用者規定(セブン銀行用)

12-12.indd

とができます 4. 対象取引の範囲 第 1 項のポイント付与の具体的な条件 対象取引自体の条件は 各加盟店が定めます 5. ポイントサービスの利用終了 その他いかなる理由によっても 付与されたポイントを換金することはできません 第 4 条 ( 提携サービス ) 1. 提携サービスは 次のとおりです

<4D F736F F D208FA495578CA0904E8A FD782C982A882AF82E991B98A F9E8A7A82CC8E5A92E82096F6E05694FC89C02E646F63>

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

(Microsoft Word - \201iAL\201jAG-Link\227\230\227p\213K\222\350.doc)

技術的制限手段に関する現状 BSA ザ ソフトウェア アライアンス 2017 年 2 月 15 日

Microsoft Word - News letter Vol.20.docx

5. 当社は 会員に対する事前の通知を行うことなく 本規約を変更できるものとします この場合 本サービスの提供等については 変更後の規約が適用されるものとします 6. 前項の場合 当社は変更前に又は変更後遅滞なく 変更後の本規約を本サイト上にて告知するものとします 第 4 条 ( 本サービスの利用料

Microsoft Word - 一弁知的所有権研究部会2017年7月13日「商標登録無効の抗弁」(三村)

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

CAFC Update(135)

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

( 登録の審査及び登録 ) 第 7 条市長は, 前条の規定による申請を受けたときは, 第 5 条に規定する登録の要件を満たしていることを確認の上, 届出のあった情報を登録するものとする ( 登録情報の利用 ) 第 8 条市長は, 次に掲げる事由に該当するときは, 市民等の生涯学習活動を促進し, 又は

税研Webセミナー利用規約

PowerPoint プレゼンテーション

( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押え

2 当サイト内にある登録事業所が廃業または休止となっているにもかかわらず 更新されないまま3 ヶ月以上放置されていることに気付いたときは つながライン事務局に情報提供することに協力するものとします ( 利用料 ) 第 6 条本サービス利用料は無料とします ( 広告料を除く ) ( リンク ) 第 7

5 ファミリー会員 マスター会員の家族で本規約に同意した者 かつ 当社所定の 段により 家族であることを証明した者 6 オープン会員本規約に同意した者のうち マスター会員 ファミリー会員以外の者 7 利 者マスター会員およびファミリー会員およびオープン会員 8 旧 eonetid 利 者 9 eo

=WEB・宿泊予約利用規約=

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

<4D F736F F D2093C A B8EAE8C6791D1836C E91CE8DF42E646F63>

2016 年 5 月 25 日 JETRO アセアン知財動向報告会 ( 於 :JETRO 本部 ) ASEAN 主要国における 司法動向調査 TMI 総合法律事務所シンガポールオフィス弁護士関川裕 TMI 総合法律事務所弁理士山口現

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

Microsoft Word - 文書 1

Security Z 利用規約 第 1 条 ( 規約の適用 ) 東京ベイネットワーク株式会社 ( 以下 当社 といいます ) は この Security Z 利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) に基づき Security Z サービス ( 以下 本サービス といいます ) を提供します 第

本規約は NAMCOIN アフィリエイトプログラム会員登録時から NAMCOIN アフィリエイトプログラム会員登録の解除時まで NAMCOIN アフィリエイトプログラム会員に適用されるものとします ただし 第 8 条から第 10 条までについては NAMCOIN アフィリエイトプログラム会員登録の解

目次 広告に関する問題の再整理 2ページ 問題 1: 海賊版サイトへの広告出稿 配信の実態 3ページ 改善策 -- 海賊版サイトへの広告出稿 配信 4ページ 問題 2: アドフラウド ( 広告詐欺 ) の実態 5ページ 対応策 -- アドフラウド ( 広告詐欺 ) 6ページ 対策の進捗 CODA 提

最高裁○○第000100号

研究レビューミーティング プレゼン資料 テンプレート

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

プライバシーポリシー

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

2 センターは 前項の届出を受理したときは 当該利用者の設定を解除するものとする ( 設定票等の再発行 ) 第 7 条利用者は センターが交付した Web-EDI 機能利用情報の書類の再交付を申請するときは 様式 WE-04 号 Web-EDI 機能利用証等再交付申込書 に必要事項を記載して センタ

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

限され 当事者が商標を使用する能力に直接の影響はありません 異議申し立て手続きと取消手続きで最もよく見られる問題とは 混同のおそれ と 単なる記述 です TTAB は登録の内容のみを評価するため その分析の局面には 想定に基づくものもあります 通常 TTAB では どのように標章が実際の製品において

目次 グッズ情報掲載フロー 業者登録... 3 ログイン / 新規登録... 3 グッズ情報登録メニュー... 6 業者情報登録フォーム ( 製造及び販売を行っている業者 )... 9 業者情報編集 ( 製造及び販売を行っている業者 ) 業者情報登録フォーム ( 販売のみを

PowerPoint プレゼンテーション

 

第 1 条 ( 規約の適用 ) セキュリティ 360 powered by Symantec サービス利用規約 ( 以下 本規約 といいます ) は 株式会社つなぐネットコミュニケーションズ ( 以下 当社 といいます ) が株式会社シマンテック ( 以下 シマンテック といいます ) のソフトウェ

たイベントや店舗等の情報を拡散し 当社の運営する Web サイトを多くの方々に閲覧して頂くための企画です 2. 開店ポータルアンバサダーの業務に対する対価は無償としますが 新規店舗の割引券の贈答等 飲食に関するサービスや各イベント等にご招待いたします 第 5 条 ( 利用資格 ) 1. 開店ポータル

スライド 1

2-3. 上記 2-2 以外の利用目的は以下の通りです 利用目的対応する利用者情報の項目 (1) 当社のサービスに関連して 個人を識別できない 端末情報形式に加工した統計データを作成するため ログ情報 Cookie 及び匿名 ID 位置情報 (2) 当社又は第三者の広告の配信又は表示のため 端末情報

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

資料 10-1 海外事業者を相手方とした発信者情報開示 差止請求について ( 神田弁護士ヒアリングメモ ) 平成 30 年 8 月 6 日 1. クラウドフレアに対する発信者情報開示請求について 自分が弁護士として権利者から海賊版サイトに関する相談を受けた場合 まず, サイト管理者の連絡先を調査し,

資料2  ネット上の違法・有害情報に対する総務省の取組【総務省】

スマセレサービスご利用規約

(Microsoft Word \224\255\225\\\201yMSH\201z \224\273\214\210\201i\217\244\225W\201j.doc)

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

Amazon ギフト券は 当社指定の送付方法でお送りいたします なお 受付 状況によっては ポイントのご利用受付から Amazon ギフト券の発行までお 時間をいただく場合がございます 予めご了承ください 利用規約 第 1 条目的 1. 本規約は 株式会社 Looop( 以下 Looop といいます

基本的な考え方の解説 (1) 立体的形状が 商品等の機能又は美感に資する目的のために採用されたものと認められる場合は 特段の事情のない限り 商品等の形状そのものの範囲を出ないものと判断する 解説 商品等の形状は 多くの場合 機能をより効果的に発揮させたり 美感をより優れたものとしたりするなどの目的で

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

当社からの電子メール の受信を許諾すること (3) 当社が 会員の電力受給契約情報 本サービスの利用にあたって登録した会員情報等を本規約で定める範囲内で利用することを許諾すること 2 当社は 会員資格を満たす者から第 5 条第 1 項に定める方法による利用申込を受付け

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

平成 30 年度新潟県自殺対策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務委託契約書 ( 案 ) 新潟県 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) とは 平成 30 年度新潟県自殺対 策強化月間テレビ自殺予防 CM 放送業務について 次の条項により委託契約を締結する ( 目的 ) 第 1 条

により 利用者が投稿 掲載 表示 提供 ( 以下 提供等 という ) した内容 コンテンツ 画像 動画その他の情報 ( 以下 情報等 という ) により導かれる結果については利用者の自己責任であること (2) 利用者は 本サービスの利用に際し第三者に損害を与えた場合 自己の責任と費用においてかかる損

Microsoft PowerPoint - ディスプレイ_Yahoo_金融業界向け広告提案書.ppt [互換モード]

告ツイッタージャパンの間では全て原告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求 ( 主位的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 1) 記載の各情報を開示せよ ( 予備的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 2) 記載の各情報を開示せよ 第 2 事案の

Microsoft Word - Webyuupuri_kiyaku.rtf

Microsoft Word - ●01 ひょうごe-県民規約(R 改正)

2008年6月に成立した「改正特定商取引法《では、ネット通販事業者(ネットショップ)やメール受託広告事業者

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

<4D F736F F D F93FC82E D835382CC82DD816A2E646F63>

WebARENA SuitePRO V4 テストサーバーサービス利用規約 2015 年 6 月 25 日 株式会社 NTTPC コミュニケーションズ 1 NTT PC Communications, Inc.

1

Luminar3_Win

特許庁工業所有権保護適正化対策事業

競走馬の馬名に「パブリシティ権」を認めた事例

お父さんクジサービス利用規約

DB STREET 設置マニュアル

Microsoft Word - CAFC Update(112)

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

ビジネスメールの基礎知識

社会保険労務士法.xlsx

Transcription:

平成 28 年 8 月 31 日勉強会 ( 発表担当 : 中岡 ) 検索連動型広告は商標権侵害となるか ( 大阪地裁平成 28 年 5 月 9 日平成 26 年 ( ワ ) 第 8187 号事件 ) 第 1 当事者原告株式会社生活と科学社 ( 商標権者 ) 被告楽天株式会社第 2 本件商標判決 30 頁 ~34 頁に記載 ( 石けん百科 (37 類 ) 石けん百貨(3 類 ) 石鹸百科(37 類 )) 第 3 事件概要 1. 原告 石けん百貨 ブランドを用いた石けん関連の自社商品の販売を行っている http://www.live-science.co.jp/store/php/shop/ より また 石けんに関する情報を提供する情報サイト 石鹸百科 ( 当初は 石けん百 科 ) も運営している http://www.live-science.com/ より

2. 検索連動型広告 (http://www.ingc.jp/example.html# より ) 2

検索連動型広告とは Google や Yahoo! などのインターネット上の検索エンジンにおいて インターネットの利用者が検索したキーワードに関連した広告を検索結果表示画面に表示するものである アドワーズ (Google AdWords) は グーグル株式会社の提供するクリック課金広告サービス スポンサードサーチは ポータルサイトである Yahoo! JAPAN を運営するヤフー株式会社が提供するクリック課金広告サービス 検索連動型広告では ユーザーが Google 等の検索サービスを利用して 自らの関心がある事柄についてキーワードによるウェブ検索をした際に 広告主があらかじめ登録したキーワードが使用された場合 その検索結果を表示するページに 広告主の広告が表示される 広告主がアドワーズやスポンサードサーチの利用を設定するには まず 設定画面上で 広告によって販売したい商品やサービス等についてキーワードを選択し 登録を行う 次に 表示したい広告の見出し 広告文 表示するURL 広告見出しの文言にリンクするURLを登録する このような登録の結果 ユーザーが Google 等の検索エンジンを利用して 広告主の登録したキーワードを用いて検索すると 検索結果表示画面の上部 下部 側部等に 登録キーワードを用いた広告が表示されることになる そして ユーザーが同広告の見出しの文言をクリックすることで 広告主がリンク先として登録したURLへ移動させることができる ( 楽天のアドワーズ広告におけるキーワード登録の仕組みが判決中では省略されているため不明であるが 原告の主張からすると キーワードの設定は機械的に行い 意図的には設定していなかったと推測される ) 3

3. 原告の楽天市場への出退店および被告の広告の表示平成 12 年 9 月原告は楽天市場に 石けん百貨 を出店平成 17 年 7 月原告が楽天市場から退店 以後 石けん百貨 楽天市場店は存在せず 石けん百貨 ブランドの原告商品を取り扱う加盟店も存在しない 平成 17 年 9 月原告は Google における 石けん百貨 等の文言で検索した場合に表示される検索結果表示画面の広告欄に 石けん百貨通販 との表示の広告を掲載していることが 原告が長年使用し 当時商標登録出願中であった 石けん百貨 及び 石けん百科 等と類似しているため 消費者等に対し誤認混同が生じかねないとして このような文字列を用いた広告を直ちに中止するよう求めた 被告は 石けん 百科通販 のサーチワードも自動的に選定されたものと主張しつつ 石けん百科通販 のサーチワード登録を削除したと回答 平成 24 年 8 月 ~ 平成 26 年 9 月被告は アドワーズ広告を用いて 石けん百貨 等をキーワードとして Google 等の検索結果表示画面に広告を掲載した (2 頁目参照 上段に記載のものを 本件広告 といい 本件広告における 石けん百貨 等の標章の表示を 本件表示 という ) 楽天 石けん百貨大特集 のように 石けん と 百貨 の間にスペースがないもの ( スペースなし広告 ) のほか 石けん百貨は楽天市場 のように 石けん と 百貨 の間にスペースがある ( スペースあり広告 ) ものも表示された 楽天市場のページでは P1 が販売する サンソリッドスキンピールバーティトリー ( 赤 ) P2 が販売する 柚子石けん が表示された 平成 26 年 9 月被告は訴状を受理し 検索結果表示画面の本件広告をクリックした場合に表示される楽天市場リスト表示画面に 加盟店である P 1 の商品が表示されていることを確認し 当該表示が削除されるよう対応した (P1 の出店ページには 石けん百貨 が 被告が禁止する隠れ文字として使用されていた P2 については訴状を受理する前に退店しており 隠れ文字の使用を確認できなかった ) 4. 楽天の規約楽天市場出店規約 : 加盟店に対して 第三者の知的財産権等の権利の侵害や第三者に不利益を与える行為を禁止し これに対する違反を解除事由として定めている ガイドライン : 背景色と同じ文字色の文字記載 通常より小さなフォントでの文字記載 HTMLへの文字記載等 ユーザーが認識することができない文字記載を 4

行うこと ( いわゆる隠れ文字 ) を お客様へ混乱 誤解や迷惑を与える行為 と して禁止している 第 4 原告の請求被告が インターネット上の検索エンジンにおける検索結果表示ページの広告スペースに 別紙表示目録記載の文言に自社サイトへのハイパーリンクを施す方式による広告を表示した行為が 原告の各商標権の侵害行為に当たるとともに 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号の不正競争行為に当たるとして 差止及び損害賠償を請求 第 5 争点 (1) 商標権侵害の有無 (2) 不正競争行為の成否 (3) 差止の必要性 (4) 損害発生の有無 第 6 判決 (1) 結論 : 原告の請求棄却 (2) 争点 3 差止の必要性 : 検索連動型広告をするおそれがあるとは認められない (3) 争点 1 商標権侵害の有無 : アスペースなし広告の場合 楽天 石けん百貨大特集 との表示から 一般ユーザーは 石けん百貨 に関連する商品が楽天市場で提供されていると理解 ただし 広告には何らの商品も陳列表示されておらず 加盟店が提供するどの商品が 石けん百貨 と関連するのか表示されていないから 本件広告を単体でとらえると 商標権侵害は成立しない 本件広告を リンク先の楽天市場リスト表示画面と一体でとらえた場合に (a) 移動後の楽天市場リストに何らの商品表示も陳列表示されない場合は商標権侵害は成立しない (b) 移動後のリストに商品が陳列表示される場合には 本件表示をもって 石けん百貨 を石けん商品の出所識別機能として用いた広告であると解する余地がある ただし 商品リストに表示されるかどうかは 各加盟店の使用するキーワードによるものであり 被告の行為と一体にしてとらえることはできない 被告の知的財産侵害禁止規約や 隠れ文字禁止ガイドラインからすると 加盟店の出店ページにおいてキーワードが使用され リストに商品が陳列されることは被告にとっては想定外の事態 被告が移動後の楽天市場において 石けん商品が陳列表示されることを予定し 利用していると評価できない 5

想定外の事態が生じていることが判明した場合には 被告はそのような事態が生じていることを防止する注意義務を負う 被告は注意義務を尽くしていた 本件広告をリンク先の楽天市場リスト表示画面と一体としてとらえることはできないから 本件広告は商標権に係る指定商品等に関する広告であるとは認められない よって スペースなし広告は 商標権を侵害しない 仮に客観的には商標権侵害を構成するとしても 被告には故意がなく 過失もないから損害賠償請求を負わない イスペースあり広告の場合スペースありで検索した場合には せっけん百貨 に関連する商品が楽天市場で提供されているとは理解できない スペースなしでキーワード検索した場合は 一般ユーザーは 石けん百貨 に関連する商品が楽天市場で提供されていると理解する可能性は高いが 歩 h ン件広告を単独でとらえると スペースなし広告と同様の理由から 商標権侵害は成立しない 本件広告とリンク先の楽天市場リスト表示画面と一体でとらえた場合は スペースありの表示をもって 石けん百貨等の石けん商品の出所識別標識として用いた広告であると解する余地がある しかし スペースありのキーワードも加盟店の規約違反により登録されたものであり これが表示されるのは想定外の事態 被告には故意過失なく 損害賠償請求負わない ウ共同不法行為被告は 第三者の知的財産権侵害や隠れ文字の使用を禁止することにより 石けん百貨 等をキーワードとして検索しても商品が検索されることがない措置をとっていた 従って 被告と加盟店の間に共同性なし (4) 争点 2 不正競争行為の成否 : 本件広告は 原告の店舗サイト広告であると誤認すると主張する しかし 本件広告には 楽天 の語が必ず使用されているから 誤認混同はない 本件広告のハイパーリンク先の楽天市場リスト表示画面をもって それらの商品を原告が販売していると誤認混同する可能性があると主張 しかし 商品の陳列がないから 広告を単独でとらえた場合に 商品等表示として使用されているとはいえない 本件広告と移動後の楽天市場リスト表示画面とを一体でとらえても 移動後の楽天市場リスト表示画面で商品が陳列表示されることを予定し 利用しているとは評価できない 本件広告を移動後の楽天市場リスト表示画面と一体でとらえることができないか または被告に故意または過失があるとは認められず 加盟店との共同性も認められない 6

第 6 検討 1. その他の事件の背景 (1) 原告が運営する 健全なるネットショップの構築 というサイトに楽天とのやり取りが記載 http://www.ingc.jp/index.html (2) ヤフーも検索連動型広告で同様の表示を行っていたようだが 2015 年 4 月 16 日に和解している (3) 現在 Google や Yahoo! で検索しても 石けん百貨のホームページが一番上に表示され 検索連動型広告は表示されない 2. 関連する過去の裁判例 (1) 検索連動型広告に関する裁判例大阪地裁平成 19 年 9 月 13 日 ( 平成 18 年 ( ワ ) 第 7458 号 ) カリカセラピ事件被告が原告登録商標 カリカセラピ 原告の販売するパパイア発酵食品の周知な表示 PS-501 等をキーワードとして購入し これらの用語の検索画面に被告のテキスト広告が掲載されるようにした 裁判所は 原告商標をキーワードとして検索した検索結果ページに被告が広告を掲載することがなぜ商標の使用に該当するのか原告が明らかにしない のみならず 被告の行為は 商標表 2 条 3 項各号の標章の使用のいずれにも該当するとは認めがたいと判断し 商標権侵害を否定した (2) メタタグに関する裁判例ア大阪地裁平成 17 年 12 月 8 日 ( 平成 16 年 ( ワ ) 第 12032 号 ) クルマの 110 番事件原告は クルマの 110 番 の商標権者 被告は自社ウェブサイトのメタタグに <meta name="description"content=" クルマの 110 番 輸入 排ガス 登録 車検 部品 アクセサリー販売等 クルマに関する何でも弊社にご相談下さい "> と記載 通常 メタタグは非表示だが msn サーチにおいて 被告サイトのトップページの説明として クルマの 110 番 輸入 排ガス 登録 車検 部品 アクセサリー販売等 クルマに関する何でも弊社にご相談下さい との表示がされた 裁判所は 一般に 事業者が その役務に関してインターネット上にウェブサイトを開設した際のページの表示は その役務に関する広告であるということができるから インターネットの検索サイトにおいて表示される当該ページの説明についても 同様に その役務に関する広告であるというべきであり これが表示されるように html ファイルにメタタグを記載することは 役務に関する広告を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為にあたるというべきである として商標の使用にあたると判断した イ東京地裁平成 27 年 1 月 29 日 ( 平成 24 年 ( ワ ) 第 21067 号 ) イケア事件原告は IKEA および イケア の商標権者 被告は ウェブサイトを通じて消費者から原告製品の注文を募り イケアストアで原告製品を購入して梱包 発送し 注文した消費者に転売する買物代行事業を営んでいた 7

被告のウェブサイトには タイトルタグとして <title> IKEA STORE イケア通販 </title> と記載し メタタグとして <meta name= Description content= IKEA STORE IKEA 通販です カタログにあるスウェーデン製輸入家具 雑貨イケアの通販サイトです /> と記載していた 検索エンジンで IKEA イケア とキーワード検索すると 検索結果の一覧が表示されるページにおいて 被告サイトは 上記各タイトルタグ及びメタタグの内容のとおり表示されていた 裁判所は インターネットの検索エンジンの検索結果において表示されるウェブページの説明は ウェブサイトの概要等を示す広告であるということができるから これが表示されるように html ファイルにメタタグないしタイトルタグを記載することは 役務に関する広告を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為に当たる そして 被告各標章は html ファイルにメタタグないしタイトルタグとして記載された結果 検索エンジンの検索結果において 被告サイトの内容の説明文ないし概要やホームページタイトルとして表示され これらが被告サイトにおける家具等の小売業務の出所等を表示し インターネットユーザーの目に触れることにより 顧客が被告サイトにアクセスするよう誘引するのであるから メタタグないしタイトルタグとしての使用は 商標的使用に当たるということができる と判断 メタタグにおける商標の使用の差止を認めた (3) おとり広告に関する裁判例名古屋地裁平成 5 年 1 月 29 日判決 ( 昭和 59 年 ( ワ ) 第 2300 号 ) ヤマハピアノ事件被告は 原告であるヤマハと特約店契約をしておらず ヤマハ商標の付されたピアノを販売するための仕入手段がなく 販売する意思もないのに ヤマハの商標が付されたピアノを好条件で販売する旨の広告を出し 来店した顧客に対し ヤマハのピアノに対する悪評を並べる等して購入意欲を失わせ 自社ブランドのピアノを購入させた 裁判所は 広告主が顧客を集めるために 実際には販売する意思がないか 又は販売したくない商品について あたかもこれを販売したいかのように広告すること ( おとり広告 ) は 直ちに不正競争防止法違反にあたるとはいえないとした上で 広告商品を購入しようと来店した顧客に対して 広告商品の購入をあきらめさせ 他の商品を購入させる為に 広告された商品が欠陥商品である等虚偽の事実を陳述する行為を恒常的に行うような場合における広告は おとり広告であり 広告された商品を扱う業者の営業上の信用を害する虚偽の事実を陳述 流布する為の要素とも言うべき集客手段であり 不正競争防止法違反 ( 信用棄損 ) となると結論付けた (4) 米国米国では Initial Interest Confusion の法理 ( 最終的には混同が解消されたとして 8

も最初の段階で消費者を引き付ける混同を引き起こすことによって生じた損害を救済する考え方 ) により 商標権侵害を認める裁判例もある 検索連動型広告については 下記の裁判例がある Playboy Enterprise Inc., v. Netscape Communications Corporation Rescuecom Corp., v. Google Inc. 1-800 Contract, Inc. When U.Com. Inc. 1-800 ntacts, Inc. v. Lens.com, Inc. (5) 欧州 2010 年 3 月 23 日 欧州司法裁判所は 広告主である競合他社については商標権侵害の成立の可能性を肯定したが Google については商標権侵害を否定した 3. 検討 (1) 本件では アドワーズ広告において何らの商品も陳列表示されてないことから 商標権侵害は成立しないと判断された 例えば 楽天 石けん百貨通販石けん百貨の石けんを探すなら楽天へ と記載されていた場合は 形式的には商標の使用が認められると考えられる しかしながら 本件判決が示したように キーワードが加盟店により選択され 楽天の意図ではなく機械的に選択されていた場合においては 楽天の行為ではないとして 商標権侵害が否定されるとも考えられる (2) 一方 楽天が自らキーワードを意図的に登録していた場合は 侵害を問える可能性がある ただし その場合であっても 本件判決に従うと 本件広告を単体でとらえた場合に 本件広告に商品が表示されない場合は 商標権侵害は成立しないこととなる (3) 原告は訴訟においては敗訴したものの 現段階においては Google や Yahoo! で検索しても 石けん百貨のホームページが一番上に表示され 検索連動型広告は表示されないこととなっており 事実上は差止に成功しているといえる インターネットショッピングモールの運営業者に対する責任追及は難しい問題があるともいえるが 個々の店舗に対してその都度対応するよりも事実上は効果的であったともいえる (4) なお 各店舗がキーワードを使用する行為 ( ただし店舗のウェブサイトには商標を表示しない ) は商標権侵害を問えるのかについては 視認性の問題が残る メタタグの事件は いずれも Description タグに関するものであり その内容も表示されていたが キーワードが表示されない Keyword タグが商標権侵害となるかについて示した裁判例は今のところない また 消費者は最終的にたどり着いた画面において 石けん百貨 の商品とは異なる石けんが販売され 出所混同も起こさない場合は 商標権侵害を問えない可能性がある ただし 各店舗は規約に違反する隠し文字を使う等悪質な行為を行っており これを野放しとしてよいのか疑問も残る (5) 判決は 移動後の楽天市場リストに何らの商品表示も陳列表示されない場合は 商標権侵害は成立しないと判断した おとり広告は景品表示法の規制対象となり得るが 本件のような広告については 不当性もなく 景品表示法での規制にはかからないと 9

考えられる (6) 著名な商標であることを知りながら キーワードを購入し 検索者が実際に広告から商品を購入したような場合は商標権侵害は成立しなくとも不法行為は認めるべき ( 戸川英明 サイバー空間における商標の使用 パテント 62 巻 4 号 205 頁より ) との見解もある 紛らわしいキーワードの使用はユーザーにとっても不便をもたらすことが多いとも考えられるため 何らかの規制が必要ではないかとも考えられる (7) なお 石鹸の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供は 37 類ではなく 35 類であるが 原告は 35 類の商標は保有していなかったようである 判例研究のページに戻る 事務所トップページに戻る 10