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特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

公募株式投資信託の解約請求および償還時

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募

【表紙】

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

[ 課税対象化 ] POINT1. 1 の売却益が課税対象に 改正前 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 原則非課税 改正後 ( 平成 28 年 1 月 1 日から ) % 2 の申告分離課税 1 国債 地方債 外国国債 外国地方債 公募公社債 上場公社債 ゼロクーポン債等

 

PowerPoint プレゼンテーション

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公社債税制の抜本改正(個人投資家編)<訂正版>

上場株式等の配当等に対する課税

P12 第 6 章個人向け国債国債の契約締結前交付書面 手数料などなど諸費用諸費用について 個人向け国債を中途換金する際 原則として下記により算出される中途換金調整額が 売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれることになります ( 1 変動 10 年 : 直前 2 回分の各利子 ( 税

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

税金の課税方法 個人の税金の課税方法について確認しましょう 大きく分けて 総合課税と分離課税の二種類があります 総合課税 1 年間の所得を全部まとめて一定の税率で課税する方法 所得額によって異なる税率 金額に応じて確定申告を行う 源泉分離課税他の所得と分離して その所得の支払いの際に一定の税率で源泉

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得から控除)編

1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

配当所得の入力編

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

課税上の取扱い

d. 少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称 NISA) 少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した非課税口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 26 年から平成 35 年までの 10 年間 新規投資額で毎年 100 万円を上限

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

~ この操作の手引きをご利用になる前に ~ この操作の手引きでは 確定申告書の作成方法を説明しています 操作を始める前に 以下の内容をご確認ください 共通の操作の手引きの確認入力方法やデータ保存 読込方法などを説明した ( 共通 )e-tax で送信するための準備編 又は ( 共通 ) 書面提出 (

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

PG_第3期期末配当の取扱いに関するQA

積立 NISA の創設 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 1 家計の安定的な資産形成を支援する観点から 少額の積立 分散投資を促進するための 積立 NISA が創設される (2) 内容 1 積立 NISA は 20 歳以上の居住者等が金融機関に開設した非課税口座内に 積立 NISA 専用の累

(****) 非課税口座に設けられる勘定は 毎年 非課税管理勘定 (NISA) 又は累積投資勘定 ( つみたて NISA) のいずれかに限ります 更に 2016 年 4 月 1 日から2023 年 12 月 31 日までの期間 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称ジュニアNISA)

配当所得の入力編

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

所令要綱

7.(1)NISA 口座の開設時の手続きの見直し 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 NISA 口座の稼働率向上のため 非課税口座の開設手続きについての見直しが行われる (2) 内容 NISA 口座の開設申し込み時に 即日での買付けを可能とすること (3) 適用時期平成 31 年 1 月 1

 

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

「個人投資家の証券投資に関する意識調査」の結果について

金融資産運用設計関連 主な改正事項

投資主の皆様へ 平成 29 年 3 月 マリモ地方創生リート投資法人 第 1 期分配金の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます さて 本投資法人は 平成 29 年 2 月 14 日開催の役員会において 第 1 期 ( 平成 28 年 12 月期 ) の (A)

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

投資信託ホームページ構成案

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債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

Invincible

【修正】07_別表五~.indd

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

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Ⅰ 株取引等報告書 ( 国家公務員倫理法第 7 条 ) について 1. 概要 (1) 報告の対象となる職員 国家公務員倫理法第 2 条第 4 項に規定する 本省審議官級以上の職員 所得等報告書と異なり 平成 29 年 (1 月から12 月 ) の途中で新たに本省審議官級以上の職員となった者でも報告の

貨での決済が予め取り決められている場合 売却時あるいは償還時等の為替相場の状況によっては為替差損が生じるおそれがあります 通貨の規制が設けられている場合は 償還金及び利子のその他通貨への交換や送金ができないことがあります 外貨建て債券の発行者又は外貨建て債券の償還金及び利子の支払いを保証している者の

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贈与税の非課税特例 ①住宅取得等資金の贈与

公社債 公社債投資信託の特定口座への受入れに係るQ&A 目次 平成 28 年からの公社債等の特定口座での取扱いについて... 1 Q1. 公社債や公社債投資信託が特定口座の対象になるのですか... 1 Q2. どのような公社債や公社債投資信託が特定口座の対象になるのですか... 1 Q3. 既に一般

別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書 1 この明細書の用途この明細書は 法人が当期中に支払を受ける利子及び配当等並びに懸賞金等及び償還差益について課された所得税の額について 法第 68 条第 1 項 (( 所得税額の控除 ))( 復興財源確保法第 33 条第 2 項 (( 復興特別所得税

(Q13) 複数の金融機関に NISA( 少額投資非課税制度 ) の非課税口座開設の申込みをしてしまいましたが ど うすればよろしいですか... 6 (Q14) 非課税適用確認書の交付を行わない旨の通知書 が送られてきましたが どうすればよろしいですか 6 ( 基準日における国内の住所を証する書類

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源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

平成 3 1 年 3 月 埼玉県 自動車税事務所 県民税配当割特別徴収義務者の皆様へ 県民税配当割の申告納入について 1 埼玉県内に住所を有する個人へ特定配当等を支払った場合埼玉県内に住所を有する個人へ県民税配当割の課税対象となる特定配当等の支払いを行った場合は 埼玉県税条例第 30 条の15の規定

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1. 上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する税率の特例の見直し 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が 平成 21 年 1 月 1 日から平成 23 年 12 月 31 日までの間に支払を受ける上場株式等の配当所得の申告分離課税に係る税率と 上場株式等の譲渡による譲渡所得等に対する税率が

スライド 1

 

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

( 契約締結前交付書面 ) 平成 30 年度富士の国やまなし県民債の説明書 平成 30 年度富士の国やまなし県民債の契約締結にあたっては この書面の記載事項をよくお読みいただいたうえで お申し込みください ( 平成 30 年 12 月 3 日現在 )

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2018年 租税法基礎答練1回

1 口当たりの基準価額 口数 + 再投資されていない未収分配金 - 再投資されていない未収分配金に係る源泉所得税相当額 ( 注 ) - 信託財産留保額および解約手数料 ( 消費税相当額を含む ) 注 : 特別徴収されるべき都道府県民税の額に相当する金額 および復興特別所得税を含みます ( 以下同 )


また 国外財産調書制度は 2013 年 12 月末の国外財産から調書の提出義務が始まりましたので 5,000 万円超の国外財産を保有の方はご留意ください これに関連して 国税庁より 2013 年 11 月 15 日に FAQ が発表されており FAQ は国税庁のホームページで閲覧等できます 資産税ニ


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株主各位 証券コード 7022 平成 29 年 6 月 23 日 大阪市北区中之島三丁目 3 番 23 号 取締役社長上田 孝 第 6 期期末配当の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます さて 当社は 平成 29 年 6 月 23 日開催の第 6 期定時株主

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本資料のポイント 平成 29 年度税制改正で 上場株式等に係る配当等 について 所得税 と 住民税 で異なる課税方式を選択することが可能であると明確化されました このことにより 課税所得 900 万円以下の場合 所得税は 総合課税 住民税は 申告不要 を選択することで 納税額を抑えることが可能となり

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税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

( 注 3) 大口個人投資主 ( 配当基準日において発行済投資口総数の 3% 以上を保有 ) が 1 回に受け取る配当金額が 5 万円超 (6 か月決算換算 ) の場合には 必ず総合課税による確定申告を行う必要があります ( この場合には申告分離課税は 選択できません ) c. 源泉徴収選択口座への

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

源泉徴収口座 のメリット 1 ~ 譲渡益 償還益の確定申告不要 ~ 2016 年から 公社債や公募公社債投信等 ( 以下 公社債等 ) の譲渡 ( 償還 ) 益はすべて課税対象とされ 原則 確定申告が必要となります 源泉徴収ありの特定口座 ( 以下 源泉徴収口座 ) を利用すれば 上場株式等や公社債

Transcription:

所得税ゼミナール NO.2 ( 株式の譲渡 ) 税理士法人いさやま会計 税理士菊島義昭 0

株式等に係る譲渡所得等 ( 分離課税 ) の概要株式等に係る譲渡所得等とは 株式 出資金等の有価証券の譲渡により生じる所得をいい 他の所得と区分して税金を計算する 申告分離課税 となっている また 株式等に係る譲渡所得等は 上場株式等 と 一般株式等 に課税の取扱上区分する 上場株式等の売買については 特定口座制度があり この特定口座での取引については 源泉徴収口座 か 簡易申告口座 を選択することができる なお 平成 28 年 1 月 1 日以後は 上場株式等の範囲に 特定公社債 公募公社債投資信託の受益権等も含まれることとなった また 源泉徴収口座 内における譲渡損益については 原則として 確定申告をする必要はないが 他の口座の譲渡損益と通算する場合や上場株式等に係る譲渡の繰越控除の特例の適用を受ける場合には 確定申告をする必要がある 上場株式等 と 一般株式等 の範囲 国税庁パンフレット より掲載 株式等の譲渡所得の概要 株式等取引区分 1 非課税口座 申告の要否 上場株式等の配当所得との損益通算 前年からの繰越控除 翌年への繰越 申告不可 上場株式等 金融商品取引業者での譲渡 特定口座 源泉徴収口座 簡易申告口座一般口座相対取引による譲渡 一般株式等の譲渡等 2 選択 1 申告不要 3 申告要 申告要 1 NISA ジュニア NISA 口座などの非課税口座 2 源泉徴収税率は 20.315%( 国税 15.315% 地方税 5%) 3 同一口座内の配当について申告不要の選択ができない 4 平成 28 年分以後 上場株式等に係る譲渡の金額を一般株式等に係る譲渡所得

等から控除することはできない 5 平成 27 年分以前の各年分に生じた上場株式等に係る譲渡の金額で平成 28 年分以後に繰り越されものについて 一般株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除することはできない 源泉徴収口座 のメリット デメリット 1 証券会社が源泉徴収口座内の上場株式等の譲渡所得や配当所得の年間の損益を計算して 特定口座年間取引報告書 を作成 メリット 2 源泉徴収口座内の上場株式等の譲渡所得や配当所得の税金の計算をして源泉徴収 ( 納付 ) するので確定申告不要 3 申告不要を選択した場合 源泉徴収口座内で生じた所得については 所得控除の適用要件や国民健康保険の保険料 医療費の窓口負担割合などに影響しない 4 特定口座内 ( 源泉徴収なしの特定口座も含む ) の国内の上場株式等だけが 特定管理株式等の価値喪失による みなし譲渡の特例 を適用することができる 1 他の証券口座の損益と損益通算するには申告が必要 2 源泉徴収口座の譲渡について繰越控除するためには申告が必要 その場合 その源泉徴収口座内の配当所得等の金額をすべて申告しなければならない 3 配当金の受取り方法を 株式数比例配分方式 ( 図表 2-10-2 参照 ) に設定していないと 特定口座内で上場株式の配当金を受け取ることができない デメリット 4 上場株式等の配当金等は 支払を受けるごと ( 銘柄別の支払時期ごと ) に確定申告するかしないかの選択をすることができるが 特定口座の配当金等については 特定口座ごとに確定申告するかしないかの選択をしなければならない 5 特定口座の株式等の譲渡日 ( 課税基準日 ) は 受渡日 が基準となるので 約定日 を選択することができない 6 特定口座で同一銘柄を同一日に売買した場合 売 と 買 の実際の順序に関係なく 先にすべての 買 が行われ その後にすべての 売 がされたものとして処理される ( 取得価額について クロス取引 で 益出し 損出し ができない ) 7 前年に 源泉徴収あり を選択していた場合 その年に上場株式等の配当金等を受け入れていたときは 変更することはできない 公募株式投資信託の分配金 株式ミニ投資 るいとう等については 株式数比例配分方式 以外の方法でも特定口座で受け取ることができる 2

株式等の課税区分による取り扱いの相違事項 区分 上場株式等 一般株式等 譲渡雑事業譲渡雑事業 口座管理料 投資顧問料等の必要経費保証債務 相続税の取得費加算の特例 取得価額の計算方法 〇 〇 〇 〇 総平均法に準ずる方法 総平均法 総平均法に準ずる方法 総平均法 所得区分間の通算 上場株式等と一般株式等は 有価証券に係る譲渡であっても他の所得区分となる場合 資産の内容 取引形態等株式形態のゴルフ会員権の譲渡同族株主が行う土地等の譲渡に類する株式等の譲渡発行会社への税制非適格ストックオプションの権利行使前譲渡 参照条文 法 33 41 の 2 措法 322 37 の 102 所得区分 総合譲渡所得 分離短期譲渡所得 給与所得 退職所得事業所得 雑所得 特定公社債等及び一般公社債等の概要 区分特定公社債等一般公社債等 範囲 利子等の課税 譲渡損益等の課税 1 国債 地方債 外国国債 外国地方債 2 公募公社債 上場公社債 3 国外において発行された公社債で一定のものなど申告分離課税叉は源泉分離課税の選択が可能となった なお 国外公社債等で外国所得税の額がある場合は 利子等の額からその外国所得税の額を控除した金額に対して源泉徴収が行われる 1 譲渡損益については 申告分離課税 なお 外貨建ての特定公社債等を売却し 1 特定公社債以外の公社債 2 私募公社債投資信託の受益権 3 証券投資信託以外の私募投資信託の受益権及び特定目的信託の社債的受益権で私募のもの源泉分離課税 ただし 同族会社が発行した社債の利子でその同族会社の株主等が支払を受けるものは 総合課税の利子所得 1 譲渡損益については 申告分離課税 3

上場株式等の譲渡及び配当所得の損益通算並びに繰越控除の特例の拡充 特定口座での取扱い た際の為替差損益については 譲渡損益に含めて計算 2 償還差損益や一部解約等による差損益については 申告分離課税 3 発行会社が倒産等をしたことによって公社債としての価値を失った場合も 一定の要件を満たしていれば みなし譲渡を計上することができる 損益通算及び繰越控除の対象となる上場株式等の範囲に 特定公社債等が追加され 特定公社債等に係る譲渡と利子所得及び配当所得との間の損益通算を行うことが可能となるとともに 譲渡については 3 年間の繰越控除をすることが可能となった 1 源泉徴収口座の場合 特定公社債等の譲渡等を行った場合は 申告不要を選択することが可能となった 2 源泉徴収口座内の特定公社債等の利子等をその特定口座内で生じた譲渡と損益通算が可能となった 2 償還差益については 申告分離課税 ただし 同族会社が発行した社債の償還金でその同族会社株主等が支払を受けるものは 総合課税の雑所得 3 私募公社債投資信託などの償還差や一部解約等による ( 信託元本額までに限る ) についても 申告分離課税 4 償還差益や一部解約等による差益は 源泉分離課税 上場株式等と一般株式等の譲渡所得等は 別々の分離課税制度の取扱いとなるため 損益通算不可 なお 平成 27 年分以前に生じた上場株式等に係る譲渡の金額も控除することはできない 取扱いなし 債券の分類と課税関係 種類利子 配当 分配金償還差益 譲渡益備考 特定公社債 利付債 2 割引債 利子所得 ( 申告分離又は申告不要を選択可 ) 上場株式等の譲渡所得 ( 申告分離 源泉徴収口座は申告不要を選択可 ) 上場株式等 の譲渡所得等 配当所得等との中での損益の通算 繰越控除ができる 一般公社債 利付債 割引債 3 1 利子所得 ( 源泉分離課税 ) 一般株式等の譲渡所得 ( 申告分離課税 ) 2 一般株式等 の譲渡所得等の中での損益の通算ができる 1 同族株主等が支払いを受けるものは 総合課税の利子所得となる 4

2 同族株主等が支払いを受けるものは 総合課税の雑所得となる 3 平成 27 年 12 月 31 日以前に発行され 源泉徴収が行われた割引債の償還 譲渡は非課税である 株の売買で譲渡が生じた場合 特定口座の源泉徴収口座内で 通算が行われている場合 イ特定口座配当等 300 通算後 0 申告 300 200 譲渡損 500 通算後 200 申告 500 100 一般口座譲渡益 400 申告 400 ロ特定口座配当等 300 通算後 0 申告 300 譲渡損 500 通算後 500 申告 500 特定口座配当等 600 申告 600 400 特定口座の源泉徴収口座内で 通算が行われていない場合 ハ特定口座配当等 300 申告 300 100 譲渡益 500 申告 500 一般口座譲渡損 700 申告 700 200 ニ特定口座配当等 300 申告不要譲渡益 800 申告 800 100 一般口座譲渡損 700 申告 700 5

ポイント 1 源泉徴収口座内で配当等と株式等の譲渡損の損益通算がなされているときで その源泉徴収口座につき申告を選択する場合は 損益通算前の金額で申告する必要がある 2 源泉徴収口座に配当等を受け入れており 株式等の譲渡が譲渡益となっているときは 配当等又は株式等の譲渡益のどちらか一方のみを申告することができる 3 申告不要を選択できるものにつき 申告を選択し所得金額が増加する場合には 国民健康保険や後期高齢者医療保険の保険料が増加する場合がある 4 上場株式等の配当等についての申告又は申告不要を受けるかどうかの選択は 1 回に支払われた配当ごとに行う ただし 特定口座に受け入れられた配当等については その特定口座ごとにその選択を行う また 申告を選択する場合には その申告するもの全てについて 総合課税又は申告分離課税のいずれかを選択しなければならない 上場株式等の譲渡を申告しなかった場合 上場株式等の譲渡を申告しなかった場合 法律上は 確定申告書に一定の記載をし 明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出し かつ その後において連続して確定申告書を提出している場合にしか そのを繰越すことはできないこととなっている ( 措法 37 の 12 の 2) ただし 租税特別措置法通達があり 特定口座のうち簡易申告口座及び一般口座の譲渡については 更正の請求をすることにより 当初の確定申告において申告しなかった上場株式等の譲渡を繰越すことができる なお 特定口座の源泉徴収口座については 当初の申告の時点で 申告不要を選択するか あるいは申告分離課税で申告するかの選択をしなければならず 申告しなかった場合は 申告不要を選択したものとみなされるため 更正の請求の対象とはならない ( 租税特別措置法通達 ) 37 の 12 の 2-5 措置法第 37 条の12の2 第 7 項に規定する 上場株式等に係る譲渡の金額が生じた年分の所得税につき当該上場株式等に係る譲渡の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出 した場合には 同項に規定する上場株式等に係る譲渡の金額の計算に関する明細書その他の財 6

務省令で定める書類 ( 次項において 明細書等 という ) の添付がなく提出された確定申告書につき通則法第 23 条 更正の請求 に規定する更正の請求に基づく更正により 新たに上場株式等に係る譲渡の金額があることとなった場合も含まれるものとする ( 平 21 課資 3-5 課個 2-14 課審 6-12 追加 平 22 課資 3-4 課個 2-14 課審 6-20 平 27 課資 3-4 課個 2-19 課法 10-5 課審 7-13 改正 ) 株式等の所得を申告していない場合の繰越控除等の対応 申告していない確定申告書の提出株式等の内容の有無株式等の株式損益取引口座申告の有無 無 無 利益 源泉口座 上記以外 源泉口座 上記以外 申告していない株式等との通算後の損益 申告していない株式等の申告対応 期限後申告 源泉口座 前年分の株式等の繰越控除の可否 上記以外更正の請求 1 利益 源泉口座 上記以外修正申告 2 源泉口座 上記以外更正の請求 1 有 有 ( ) 利益 源泉口座上記以外 利益 1 修正申告利益 2 有 ( 利益 ) 源泉口座上記以外 利益 1 更正の請求利益 2 利益 源泉口座 利益上記以外修正申告 2 7