( 平成 6 年自治省令第 30 号 ) 平成 6 年省令危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令 ( 平成 17 年総務省令第 3 号 ) 平成 17 年省令危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示 ( 昭和 49 年自治省告示第 99 号 ) 告示 記 第 1 危険物施設の地震対策

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準処理期間 経由機関での協議機関での処分機関での処理期間処理期間処理期間内訳設置許可 14 日 - - 変更許可 10 日設定年月日平成 26 年 4 月 1 日最終変更日年月日 備考

別添 別添 地下貯蔵タンクの砕石基礎による施工方法に関する指針 地下貯蔵タンクの砕石基礎による施工方法に関する指針 本指針は 危険物の規制に関する政令 ( 以下 政令 という ) 第 13 条に掲げる地下タンク貯蔵所の位置 構造及び設備の技術上の基準のうち 当該二重殻タンクが堅固な基礎の上に固定され

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( 例 ) 病床数が 60 の場合 職員の総数が5 人以上であり かつ 当該職員のうち宿直勤務者を除いた職員数が2 人以上である体制をいう イ規則第 5 条第 3 項第 1 号に規定する 職員の数 とは 一日の中で 最も職員が少ない時間帯に勤務している職員 ( 宿直勤務者を含む ) の総数を基準とす

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(2) 異常現象と認識しているにもかかわらず 情報収集を行った後に通報することとなっている場合には 異常現象と認識した時点で通報する体制とすること (3) 従業員 ( 協力会社等の従業員を含む ) が異常現象の判断に迷うことにより通報が遅れるおそれのある場合には 異常現象の通報に関する教育 訓練の内

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( 別紙 1) 省令の施行に伴う留意事項等について 1 総論及び省令第 1 条関係省令に係る法体系について化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 ( 昭和 48 年 10 月 16 日法律第 117 号 以下 化審法 という ) 第 17 条第 2 項において 業として第一種特定化学物質等を取り

危険物関係検査等手数料一覧表 ( 姫路市消防事務手数料徴収条例別表 ( 第 2 条関係 )) 項区分手数料の額 (1) 法第 10 条第 1 項ただし書の規定に基づく指定数量以上の危険物を仮に貯 5,400 円 蔵し 又は取り扱う場合の承認の申請に係る審査 (2) ア法第 11 条第 1 項前 段の

動車車庫については 隣地境界線又は同一敷地内の他の建築物との距離は2m 以上とし 各階の外周部に準不燃材料で造られた防火壁 ( 高さ1.5m 以上 ) を設けること (3m 以上の距離を確保した場合を除く ) に改める 号通知 記 2 自動火災報知設備の設置について の一部改正記 2 中

ことを想定しているが これは既に違反対象物の公表制度を実施している消防本部の運用実態等を参考に 当該制度の実施に伴う事務負担やその効果等について検討を行った結果 特に都市部における建物の利用者数等による火災危険性が高いことを考慮したものである なお その他の消防本部においても政令指定都市の消防本部の

事務連絡 平成 27 年 3 月 31 日 各都道府県消防防災主管課 東京消防庁 各指定都市消防本部 御中 消防庁予防課 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部 局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドラインに係る執務資料の送付 認知症高齢者グルー

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別紙 1 消防危第 174 号 平成 25 年 10 月 4 日 < 関係団体の長 > 殿 消防庁危険物保安室長 ガソリン携行缶本体の注意表示の充実に係るご協力のお願いについて 平素から消防行政へのご理解とご協力を賜り 厚く御礼申し上げます 平成 25 年 8 月 15 日に京都府福知山市花火大会で

仮取扱いを行う場合は その形態に応じた安全対策や必要な資機材等の準備方法の具体的な実施計画 事務手続きについて事前に消防本部予防課危険物係と協議 ( 以下 事前協議 という ) したうえで震災時等の危険物仮貯蔵又は仮取扱い実施計画書 ( 様式第 1 号 以下 実施計画書 という ) を作成し 消防本

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長は 特措法第 39 条第 1 項に規定する地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等の探索に必要な限度で その保有する同項に規定する土地所有者等関連情報を その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができることとなります ( 特措法第 39 条第

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

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ごと又は施行規則第 1 3 条第 1 項第 2 号に規定する小規模特定用途複合防火対象物における特定の用途部分ごとに設置義務が生じるときも同様とする ( 報告及び公表の決定 ) 第 4 条査察員は 立入検査において 公表の対象となる違反を認めた場合は 立入検査結果通知書により署長に報告するものとする

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

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事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開

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ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

老発第    第 号

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第 21 換気設備等製造所等の換気設備及び排出設備の基準については 次による 1 換気設備 (1) 換気設備は 室内の空気を有効に置換するとともに 室温を上昇させないためのものであり 下記のものがある ア自然換気設備 ( 給気口と排気口により構成されるもの ) イ強制換気設備 ( 給気口と回転式又は

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合は 当該出向社員と当該出向先の会社との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うこととする ただし 当該出向先の会社が当該出向社員を主任技術者又は監理技術者として置く建設工事について 当該企業集団を構成する親会社若しくはその連結子会社又は当該親会社の非連結子会社 ( 会社計算規則第 2

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消防危第 28 号 平成 24 年 1 月 31 日 各都道府県消防防災主管部長東京消防庁 各指定都市消防長 殿 消防庁危険物保安室長 東日本大震災を踏まえた危険物施設の地震 津波対策の推進について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災における危険物施設の被害状況について消防庁が行った調査によると 地震の揺れや津波により被害を受けた危険物施設数は 3,341 施設であり 調査対象地域 ( 岩手県 宮城県及び福島県を含む 16 都道県 ) における全危険物施設数 (211,877 施設 ) の約 1.6% で破損等の被害が発生したことが明らかとなりました このような状況を踏まえ 消防庁では 地震の揺れ及び津波による危険物施設における事故の発生防止を図るため 東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震 津波対策のあり方に係る検討会 を開催し 東日本大震災における危険物施設の被害状況の分析及び地震 津波対策のあり方に係る検討を行ってきたところです 今般 当該検討会の検討結果を踏まえ 東日本大震災における危険物施設の被害事例に照らした地震 津波対策について下記のとおり取りまとめましたので 貴職におかれましては このことに留意され 危険物施設の所有者等に対し 危険物施設の地震 津波対策の充実強化が図られるよう引き続き適切な御指導をお願いするとともに 貴管内の市町村 ( 消防の事務を処理する一部事務組合等を含む ) に対してもこの旨周知されるようお願いします また このことについては 別添のとおり関係業界団体に対し通知しているところです なお 本通知は消防組織法 ( 昭和 22 年法律第 226 号 ) 第 37 条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます また 本通知中においては 法令名について次のとおり略称を用いたので御承知願います 危険物の規制に関する規則 ( 昭和 34 年総理府令第 55 号 ) 規則危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令

( 平成 6 年自治省令第 30 号 ) 平成 6 年省令危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令 ( 平成 17 年総務省令第 3 号 ) 平成 17 年省令危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示 ( 昭和 49 年自治省告示第 99 号 ) 告示 記 第 1 危険物施設の地震対策について地震の揺れにより危険物施設の配管や建築物等において破損等が発生していることを踏まえ 危険物施設の所有者等は 危険物施設ごとに 当該施設の配管や建築物等の耐震性能 技術基準の適合状況及び当該施設周辺の液状化の可能性等を確認し ( 以下 再確認 という ) 再確認の結果に応じて必要な措置を講ずる必要があること なお 再確認を実施する際には 別紙 1に掲げる事項に留意する必要があること 第 2 危険物施設の津波対策について 1 危険物施設に共通する事項について津波により施設全体が損壊 流失する被害が発生していることを踏まえ 危険物施設の所有者等は 津波警報発令時や津波が発生するおそれのある状況等における緊急時の対応に関する検証 ( 以下 検証 という ) を施設ごとに実施し 検証の結果に応じて避難時の対応や緊急停止措置等の対応に関する必要な事項を予防規程等 ( 予防規程を定めなければならない危険物施設以外の危険物施設にあっては 当該危険物施設の所有者等が作成した保安マニュアル等とする 以下同じ ) に規定する必要があること この場合 危険物施設の所有者等は次に掲げる事項に留意した検証を行う必要があること なお 今後 規則第 60 条の2( 予防規程に定めなければならない事項 ) に津波が発生するおそれのある状況等における措置等に関する事項を追加することを予定しており 危険物施設の所有者等が当該事項を予防規程に定める際の留意事項については 追って通知する予定であること (1) 検証を実施する必要のある危険物施設について 検証を実施する必要のある危険物施設は 津波が発生した場合に浸水するおそれのある地域に所在する全ての危険物施設とすること

(2) 危険物施設の所有者等が検証を実施する際の留意事項について危険物施設の所有者等が検証を実施する際には 次に掲げる事項に留意する必要があること ア東日本大震災を踏まえて地方公共団体等で作成される津波浸水想定区域図等を活用し 危険物施設の設置場所及び周辺の地理的特徴や津波被害の危険性等について把握すること イ従業員等の避難について 避難経路 避難場所 避難方法等の確認を行うとともに 従業員等への周知徹底を図ること ウ津波警報が発令されたことや津波が発生するおそれのある状況であることを 津波襲来の切迫性も含めて従業員等へ伝達する方法を検証し 従業員等へ当該方法の周知徹底を図ること エ津波警報発令時や津波が発生するおそれのある状況において 施設の緊急停止の方法 手順について確認すること また 地震に伴って停電が発生する可能性があることを考慮し 施設が停電した場合における緊急停止の方法 手順についても併せて確認すること この際 施設の緊急停止に伴い危険物を取り扱う装置等での異常反応や圧力上昇等により火災流出等の事故が発生することがないよう 施設における危険物の貯蔵 取扱いの工程 ( プロセス ) に鑑み 緊急停止の適切性も含めた検証を実施すること オ避難や緊急停止の方法の確認に併せて 緊急停止等の実施体制を明確にすること 特に 津波が発生するおそれのある状況においては 緊急停止等に対応できる時間が限られていることから 短時間で効果的に行えるよう従業員の役割を明確にすること この場合において 夜間や休日など 従業員等の少ない時間帯における実施体制についても併せて確認すること (3) 危険物施設の従業員に対する検証の結果の周知等について危険物施設の所有者等は (2) を踏まえて実施した検証の結果を当該施設の従業員等へ周知し 津波が発生するおそれのある状況を想定した訓練を実施する必要があること 2 屋外タンク貯蔵所に関する事項について津波による屋外貯蔵タンクの被害について検証した結果 既往の津波波力算出式を用いたシミュレーションの有効性が確認されたことから 1の検証を行う場合は 屋外貯蔵タンクの津波被害シミュレーションを実施することにより具体的な被害予測を行うこと なお 屋外貯蔵タンクの津波被害シミュレーションツールについては 追って消防庁から提供する予定であること

第 3 その他 1 第 1の再確認及び第 2 1の検証については 立入検査等の機会を活用して再確認等の状況を確認し 必要な地震 津波対策が講じられていない場合は速やかに対策を講ずるよう指導されたいこと 2 容量が1,000 キロリットル以上 1 万キロリットル未満の屋外タンク貯蔵所については 危険物を取り扱う配管への緊急遮断弁の設置に係る技術上の基準を規定することを予定しており その運用等については追って通知する予定であること 以上 ( 問い合わせ先 ) 消防庁危険物保安室担当 : 中本課長補佐 竹本係長 ( 危険物施設に関する事項 ) 永友課長補佐 宮内係長 ( 屋外タンク貯蔵所に関する事項 ) TEL 03-5253-7524/FAX 03-5253-7534

別紙 1 危険物施設の所有者等における配管や建築物等の耐震性能等の再確認に係る留意事項について 危険物施設の所有者等における配管や建築物等の耐震性能等の確認 ( 以下 再確認 という ) については 次に掲げる事項に留意し 実施する必要があること この際 再確認の結果に応じて必要な対策を検討し 講ずる必要があること なお 再確認を実施する際には 建築設備耐震設計 施工指針 ( 日本建築センター発行 ) や 官庁施設の総合耐震診断 改修基準及び同解説 ( 建築保全センター発行 ) 等の資料を参考にすることにより効果的な確認が行えるものであること 1 危険物施設に共通する留意事項東日本大震災において被災した危険物施設に共通して見られた被害は次のとおり 建築物の壁面等の亀裂又は崩落 地盤面の液状化による建築物の傾き 配管の変形及び支持物からの脱落 危険物を取り扱う設備の損傷 傾斜 上記の被害事例を踏まえた再確認における留意事項は次のとおり (1) 建築物等が設計上の耐震性能を有していること (2) 施設の設置場所が地震時に地盤沈下や液状化が発生するおそれのない場所かどうか 確認すること 地盤沈下等が発生するおそれのある場合には 被害を最小限に抑えるための対策について検討すること なお 確認にあたっては 既存の情報を活用するとともに 周辺地域の地盤に関する情報等も参考にすること (3) 配管が設計上の耐震性能を有していること また 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかについても併せて確認すること (4) 配管に可とう管継手を使用している場合には 当該継手が有効な位置に設置されているかどうか確認すること (5) 配管の支持物が設計上の耐震性能を有していること (6) 支持物による配管の固定状況を確認し 地震時に支持物から配管が外れないよう 必要に応じて対策を講ずること (7) 地震により水平方向への地盤のずれが生じ 配管の支持物に直近のバルブ等が接触し 配管が破断する可能性があることから 配管の支持物の直近に水抜きバルブ等が設けられていないかどうか確認すること (8) ポンプ設備が設けられている場合は ポンプ設備と基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること

2 施設形態別の留意事項 (1) 屋内貯蔵所屋内貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 架台からの容器の落下 上記の被害事例を踏まえた屋内貯蔵所の再確認における留意事項は次のとおり ア貯蔵倉庫の架台が設計上の耐震性能を有していること イ架台と基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること ウ架台に貯蔵された容器の落下防止対策が有効に講じられているか確認すること (2) 屋外タンク貯蔵所屋外タンク貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 基礎の沈下及び周辺地盤の部分的な隆起に伴う特定屋外タンク貯蔵所の不等沈下 ( 不等沈下率が 1/100 を超えるもの ) 長周期地震動の影響による特定屋外貯蔵タンクの浮き屋根の沈下及び傾斜 長周期地震動の影響による特定屋外貯蔵タンクの浮き蓋の沈下 上記の被害事例を踏まえた屋外タンク貯蔵所の再確認等における留意事項は次のとおり ア平成 6 年省令附則第 5 条第 2 項第 1 号に定める地盤の液状化に係る基準に適合した特定屋外タンク貯蔵所のうち タンクの設置場所が河川の流路付近であるもの 又は当該場所がかつて河川の流路又は流路付近であったものについては ボーリング調査結果及び告示第 74 条に規定する液状化指数について確認すること イ告示第 4 条の 21 の3に規定する特定屋外貯蔵タンクの浮き屋根については 次の ( ア ) から ( ウ ) に定める基準に係る適合状況について確認すること なお すでに当該基準に適合しているものについてはこの限りでない ( ア ) 外周浮き部分に生じる応力に関する事項 ( 告示第 4 条の 21 の4) ( イ ) 浮き機能に関する事項 ( 告示第 4 条の 22 第 1 項第 1 号イ ) ( ウ ) 溶接部の溶接方法に関する事項 ( 告示第 4 条の 22 第 1 項第 1 号ハ ) 確認にあたっては 過去の補修に伴う浮き屋根重量の増加等の影響を反映

すること また 確認の結果 上記 ( ア ) から ( ウ ) の基準のいずれかを満たしていない浮き屋根については 出来る限り早期にこれらの基準に適合するよう 平成 17 年省令附則第 3 条第 1 号に基づき市町村長等に届け出た工事に関する計画の見直しを検討すること ウ告示第 4 条の 21 の3に規定する特定屋外貯蔵タンク以外の一枚板構造の浮き屋根については 上記イ ( イ ) に定める基準に係る適合状況について確認すること 確認にあたっては 過去の補修に伴う浮き屋根重量の増加等の影響を反映し 確認の結果 基準を満たしていない浮き屋根については 速やかに基準に適合するための改修を行うこと なお 当該浮き屋根においても 上記イ ( ア ) 及び ( ウ ) に定める基準に係る適合状況について評価することが望ましいこと エ浮き蓋付特定屋外タンク貯蔵所については 危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令 ( 平成 23 年政令第 405 号 ) 等において定められた浮き蓋付屋外タンク貯蔵所の技術上の基準への適合状況を早急に確認する必要があること 浮き蓋の耐震性能を満たしていないことが確認された場合には 出来る限り早期に浮き蓋の耐震基準に適合するよう工事に関する計画を策定し改修を進める必要があること (3) 屋内タンク貯蔵所屋内タンク貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 屋内貯蔵タンクのずれ 上記の被害事例を踏まえた 屋内タンク貯蔵所の再確認における留意事項は次のとおり 屋内貯蔵タンクと基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること (4) 屋外貯蔵所屋外貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 架台の破損及び架台からの容器の落下 上記の被害事例を踏まえた屋外貯蔵所の再確認における留意事項は次のとおり ア危険物容器を貯蔵する架台が設計上の耐震性能を有していること

イ架台と基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること ウ架台に貯蔵された容器の落下防止対策が有効に講じられているか確認すること (5) 給油取扱所給油取扱所の主な被害事例は次のとおり 防火塀 固定給設備等の倒壊 傾斜 上記の被害事例を踏まえた給油取扱所の再確認における留意事項は次のとおり ア防火塀が設計上の耐震性能を有していること イ固定給油設備等とアイランド ( 基礎 ) との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること (6) 移送取扱所移送取扱所の主な被害事例は次のとおり 危険物を取り扱う移送配管の変形に伴うフランジ接続部の緩み 上記の被害事例を踏まえた移送取扱所の再確認における留意事項は1の危険物施設に共通する留意事項のうち (3) から (7) の配管に関する事項によること (7) 一般取扱所一般取扱所の主な被害事例は次のとおり 建築物の壁面等の亀裂又は崩落 地盤面の液状化による建築物の傾き 20 号タンクの基礎 架台の破損 上記の被害事例を踏まえた一般取扱所の再確認における留意事項は次のとおり ア危険物を取り扱う設備等が設計上の耐震性能を有していること

イ 20 号タンクと基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること 20 号タンクの架台が設けられている場合には 架台の設計上の耐震性能及び固定状況を確認すること ウ 20 号防油堤が設計上の耐震性能を有していること

別添消防危第 27 号平成 24 年 1 月 31 日 石 油 化 学 工 業 協 会会長 石 油 連 盟会長 全国石油商業組合連合会会長 社団法人全日本トラック協会会長 電 気 事 業 連 合 会会長 一般社団法人日本化学工業協会会長 一般社団法人日本ガス協会会長 日本危険物物流団体連絡協議会会長 一般社団法人日本鉄鋼連盟会長 日 本 塗 料 商 業 組 合理事長 殿 消防庁危険物保安室長 東日本大震災を踏まえた危険物施設の地震 津波対策の推進について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災における危険物施設の被害状況について消防庁が行った調査によると 地震の揺れや津波により被害を受けた危険物施設数は 3,341 施設であり 調査対象地域 ( 岩手県 宮城県及び福島県を含む 16 都道県 ) における全危険物施設数 (211,877 施設 ) の約 1.6% で破損等の被害が発生したことが明らかとなりました このような状況を踏まえ 消防庁では 地震の揺れ及び津波による危険物施設における事故の発生防止を図るため 東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震 津波対策のあり方に係る検討会 を開催し 東日本大震災における危険物施設の被害状況の分析及び地震 津波対策のあり方に係る検討を行ってきたところです 今般 検討会の検討結果を踏まえ 東日本大震災における危険物施設の被害事例に照らした危険物施設の地震 津波対策について下記のとおりとりまとめましたので 貴団体におかれましては このことに留意され 貴団体会員に対してこの旨周知徹底し 危険物施設の地震 津波対策の充実強化が図られるようお願いします なお 本通知中においては 法令名について次のとおり略称を用いたので御承知願います

危険物の規制に関する規則 ( 昭和 34 年総理府令第 55 号 ) 規則危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令 ( 平成 6 年自治省令第 30 号 ) 平成 6 年省令危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令 ( 平成 17 年総務省令第 3 号 ) 平成 17 年省令危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示 ( 昭和 49 年自治省告示第 99 号 ) 告示 記 第 1 危険物施設の地震対策について地震の揺れにより危険物施設の配管や建築物等において破損等が発生していることを踏まえ 危険物施設の所有者等は 危険物施設ごとに 当該施設の配管や建築物等の耐震性能 技術基準の適合状況及び当該施設周辺の液状化の可能性等を確認し ( 以下 再確認 という ) 再確認の結果に応じて必要な措置を講ずること なお 再確認を実施する際には 別紙 1に掲げる事項に留意する必要があること 第 2 危険物施設の津波対策について 1 危険物施設に関する事項について津波により施設全体が損壊 流失する被害が発生していることを踏まえ 危険物施設の所有者等は 津波警報発令時や津波が発生するおそれのある状況等における緊急時の対応に関する検証 ( 以下 検証 という ) を施設ごとに実施し 検証の結果に応じて避難時の対応や緊急停止措置等の対応に関する必要な事項を予防規程等 ( 予防規程を定めなければならない危険物施設以外の危険物施設にあっては 当該危険物施設の所有者等が作成した保安マニュアル等とする 以下同じ ) に規定すること この場合 危険物施設の所有者等は次に掲げる事項に留意した検証を実施すること なお 今後 消防庁では 規則第 60 条の2( 予防規程に定めなければならない事項 ) に津波が発生するおそれのある状況等における措置等に関する事項を追加する予定であること (1) 検証を実施する必要のある危険物施設について 検証を実施する必要のある危険物施設は 津波が発生した場合に浸水するおそれのある地域に所在する全ての危険物施設とすること

(2) 製造所等の所有者等が検証を実施する際の留意事項について危険物施設の所有者等が検証を実施する際には 次に掲げる事項に留意する必要があること ア東日本大震災を踏まえて地方公共団体等で作成される津波浸水想定区域図等を活用し 危険物施設の設置場所及び周辺の地理的特徴や津波被害の危険性等について把握すること イ従業員等の避難について 避難経路 避難場所 避難方法等の確認を行うとともに 従業員等への周知徹底を図ること ウ津波警報が発令されたことや津波が発生するおそれのある状況であることを 津波襲来の切迫性も含めて従業員等へ伝達する方法を検証し 従業員等へ当該方法の周知徹底を図ること エ津波警報発令時や津波が発生するおそれのある状況において 施設の緊急停止の方法 手順について確認すること また 地震に伴って停電が発生する可能性があることを考慮し 施設が停電した場合における緊急停止の方法 手順についても併せて確認すること この際 施設の緊急停止に伴い危険物を取り扱う装置等での異常反応や圧力上昇等により火災流出等の事故が発生することがないよう 施設における危険物の貯蔵 取扱いの工程 ( プロセス ) に鑑み 緊急停止の適切性も含めた検証を実施すること オ避難や緊急停止の方法の確認に併せて 緊急停止等の実施体制を明確にすること 特に 津波が発生するおそれのある状況においては 緊急停止等に対応できる時間が限られていることから 短時間で効果的に行えるよう従業員の役割を明確にすること この場合において 夜間や休日など 従業員等の少ない時間帯における実施体制についても併せて確認すること (3) 危険物施設の従業員に対する検証の結果の周知等について危険物施設の所有者等は (2) を踏まえて実施した検証の結果を当該施設の従業員等へ周知し 津波が発生するおそれのある状況を想定した訓練を実施すること 2 屋外タンク貯蔵所に関する事項について津波による屋外貯蔵タンクの被害について検証した結果 既往の津波波力算出式を用いたシミュレーションの有効性が確認されたことから 1の検証を行う場合は 屋外貯蔵タンクの津波被害シミュレーションを実施することにより具体的な被害予測を行うこと なお 屋外貯蔵タンクの津波被害シミュレーションツールについては 追って消防庁から提供する予定であること

第 3 その他容量が 1,000 キロリットル以上 1 万キロリットル未満の屋外タンク貯蔵所については 危険物を取り扱う配管への緊急遮断弁の設置に係る技術上の基準を規定する予定であること 以上

別紙 1 危険物施設の所有者等における配管や建築物等の耐震性能等の再確認に係る留意事項について 危険物施設の所有者等における配管や建築物等の耐震性能等の確認 ( 以下 再確認 という ) については 次に掲げる事項に留意し 実施すること この際 再確認の結果に応じて必要な対策を検討し 講ずること なお 再確認を実施する際には 建築設備耐震設計 施工指針 ( 日本建築センター発行 ) や 官庁施設の総合耐震診断 改修基準及び同解説 ( 建築保全センター発行 ) 等の資料を参考にすることにより効果的な確認が行えるものであること 1 危険物施設に共通する留意事項東日本大震災において被災した危険物施設に共通して見られた被害は次のとおり 建築物の壁面等の亀裂又は崩落 地盤面の液状化による建築物の傾き 配管の変形及び支持物からの脱落 危険物を取り扱う設備の損傷 傾斜 上記の被害事例を踏まえた再確認における留意事項は次のとおり (1) 建築物等が設計上の耐震性能を有していること (2) 施設の設置場所が地震時に地盤沈下や液状化が発生するおそれのない場所かどうか 確認すること 地盤沈下等が発生するおそれのある場合には 被害を最小限に抑えるための対策について検討すること なお 確認にあたっては 既存の情報を活用するとともに 周辺地域の地盤に関する情報等も参考にすること (3) 配管が設計上の耐震性能を有していること また 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかについても併せて確認すること (4) 配管に可とう管継手を使用している場合には 当該継手が有効な位置に設置されているかどうか確認すること (5) 配管の支持物が設計上の耐震性能を有していること (6) 支持物による配管の固定状況を確認し 地震時に支持物から配管が外れないよう 必要に応じて対策を講ずること (7) 地震により水平方向への地盤のずれが生じ 配管の支持物に直近のバルブ等が接触し 配管が破断する可能性があることから 配管の支持物の直近に水抜きバルブ等が設けられていないかどうか確認すること (8) ポンプ設備が設けられている場合は ポンプ設備と基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること

2 施設形態別の留意事項 (1) 屋内貯蔵所屋内貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 架台からの容器の落下 上記の被害事例を踏まえた屋内貯蔵所の再確認における留意事項は次のとおり ア貯蔵倉庫の架台が設計上の耐震性能を有していること イ架台と基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること ウ架台に貯蔵された容器の落下防止対策が有効に講じられているか確認すること (2) 屋外タンク貯蔵所屋外タンク貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 基礎の沈下及び周辺地盤の部分的な隆起に伴う特定屋外タンク貯蔵所の不等沈下 ( 不等沈下率が 1/100 を超えるもの ) 長周期地震動の影響による特定屋外貯蔵タンクの浮き屋根の沈下及び傾斜 長周期地震動の影響による特定屋外貯蔵タンクの浮き蓋の沈下 上記の被害事例を踏まえた屋外タンク貯蔵所の再確認等における留意事項は次のとおり ア平成 6 年省令附則第 5 条第 2 項第 1 号に定める地盤の液状化に係る基準に適合した特定屋外タンク貯蔵所のうち タンクの設置場所が河川の流路付近であるもの 又は当該場所がかつて河川の流路又は流路付近であったものについては ボーリング調査結果及び告示第 74 条に規定する液状化指数について確認すること イ告示第 4 条の 21 の3に規定する特定屋外貯蔵タンクの浮き屋根については 次の ( ア ) から ( ウ ) に定める基準に係る適合状況について確認すること なお すでに当該基準に適合しているものについてはこの限りでない ( ア ) 外周浮き部分に生じる応力に関する事項 ( 告示第 4 条の 21 の4) ( イ ) 浮き機能に関する事項 ( 告示第 4 条の 22 第 1 項第 1 号イ ) ( ウ ) 溶接部の溶接方法に関する事項 ( 告示第 4 条の 22 第 1 項第 1 号ハ ) 確認にあたっては 過去の補修に伴う浮き屋根重量の増加等の影響を反映

すること また 確認の結果 上記 ( ア ) から ( ウ ) の基準のいずれかを満たしていない浮き屋根については 出来る限り早期にこれらの基準に適合するよう 平成 17 年省令附則第 3 条第 1 号に基づき市町村長等に届け出た工事に関する計画の見直しを検討すること ウ告示第 4 条の 21 の3に規定する特定屋外貯蔵タンク以外の一枚板構造の浮き屋根については 上記イ ( イ ) に定める基準に係る適合状況について確認すること 確認にあたっては 過去の補修に伴う浮き屋根重量の増加等の影響を反映し 確認の結果 基準を満たしていない浮き屋根については 速やかに基準に適合するための改修を行うこと なお 当該浮き屋根においても 上記イ ( ア ) 及び ( ウ ) に定める基準に係る適合状況について評価することが望ましいこと エ浮き蓋付特定屋外タンク貯蔵所については 危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令 ( 平成 23 年政令第 405 号 ) 等において定められた浮き蓋付屋外タンク貯蔵所の技術上の基準への適合状況を早急に確認する必要があること 浮き蓋の耐震性能を満たしていないことが確認された場合には 出来る限り早期に浮き蓋の耐震基準に適合するよう工事に関する計画を策定し改修を進める必要があること (3) 屋内タンク貯蔵所屋内タンク貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 屋内貯蔵タンクのずれ 上記の被害事例を踏まえた 屋内タンク貯蔵所の再確認における留意事項は次のとおり 屋内貯蔵タンクと基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること (4) 屋外貯蔵所屋外貯蔵所の主な被害事例は次のとおり 架台の破損及び架台からの容器の落下 上記の被害事例を踏まえた屋外貯蔵所の再確認における留意事項は次のとおり ア危険物容器を貯蔵する架台が設計上の耐震性能を有していること

イ架台と基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること ウ架台に貯蔵された容器の落下防止対策が有効に講じられているか確認すること (5) 給油取扱所給油取扱所の主な被害事例は次のとおり 防火塀 固定給設備等の倒壊 傾斜 上記の被害事例を踏まえた給油取扱所の再確認における留意事項は次のとおり ア防火塀が設計上の耐震性能を有していること イ固定給油設備等とアイランド ( 基礎 ) との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること (6) 移送取扱所移送取扱所の主な被害事例は次のとおり 危険物を取り扱う移送配管の変形に伴うフランジ接続部の緩み 上記の被害事例を踏まえた移送取扱所の再確認における留意事項は1の危険物施設に共通する留意事項のうち (3) から (7) の配管に関する事項によること (7) 一般取扱所一般取扱所の主な被害事例は次のとおり 建築物の壁面等の亀裂又は崩落 地盤面の液状化による建築物の傾き 20 号タンクの基礎 架台の破損 上記の被害事例を踏まえた一般取扱所の再確認における留意事項は次のとおり ア危険物を取り扱う設備等が設計上の耐震性能を有していること

イ 20 号タンクと基礎との固定状況について 腐食等劣化により耐震強度が低下していないかも含めて確認すること 20 号タンクの架台が設けられている場合には 架台の設計上の耐震性能及び固定状況を確認すること ウ 20 号防油堤が設計上の耐震性能を有していること