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(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

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名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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目 次 市街化調整区域における地区計画運用基準 1. 運用基準策定の趣旨 都市計画制度変更への対応 2 市街化調整区域における土地利用方針 の実現に向けた運用基準策定 2. 地区計画の運用基準の基本的な考え方... 2 (1) 市街化調整区域の地区計画の基本的な考え方 1 基本的考え方

長は 特措法第 39 条第 1 項に規定する地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等の探索に必要な限度で その保有する同項に規定する土地所有者等関連情報を その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができることとなります ( 特措法第 39 条第

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宝塚市条例第 33 号宝塚市市街化調整区域における開発行為及び建築物の新築等に関する条例目次第 1 章総則 ( 第 1 条 第 2 条 ) 第 2 章市街化調整区域において行うことができる開発行為及び建築物の新築等 ( 第 3 条 第 4 条 ) 第 3 章北部地域において行うことができる開発行為及

1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

Transcription:

国 都 計 第 8 2 号 国 住 街 第 161 号 平成 18 年 11 月 6 日 各都道府県知事殿各政令指定都市の長 殿 国土交通省 都市 地域整備局長 住宅局長 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律による都市計画法及び建築基準法の一部改正について ( 技術的助言 ) 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律 ( 平成 1 8 年法律第 46 号 以下 改正法 という ) は 本年 5 月 31 日に公布され このうち 都市計画法 ( 昭和 43 年法律第 100 号 ) 及び建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 ) の改正については 下記 9. のとおり段階的に施行されることとなりますが ( 都市計画提案権者の範囲の拡大に係る改正部分は 既に本年 8 月 30 日に施行 ) 改正法による都市計画法及び建築基準法の改正の趣旨 目的等について 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 245 条の4 第 1 項の規定に基づく技術的助言として 下記のとおり通知しますので 改正法の施行に当たっては 下記に留意の上 適切な運用をお願いします 貴職におかれては 貴管内市町村及び指定確認検査機関に対しても この旨周知方お願いします なお 国土交通大臣指定及び地方整備局長指定の指定確認検査機関に対しても この旨通知していることを申し添えます 1

記 1. 都市計画法及び建築基準法の改正の目的現在 我が国は 人口減少 超高齢社会を迎えるという 大きな時代の転換点にある 一方 都市を取り巻く状況は モータリゼーションの進展等を背景として 病院 学校 庁舎等の公共公益施設の郊外移転や大規模な集客施設の郊外立地が進み 都市機能の無秩序な拡散が進行している こうした中で これまでの都市の拡大成長を前提としてきたまちづくりでは 自動車に過度に依存した都市構造をもたらし 高齢者等の生活利便性の低下や環境負荷の増大 後追い的なインフラの整備 維持管理コストの増大 各種公共サービスの効率の低下等の様々な問題を引き起こすことが懸念される このため 高齢者も含めた多くの人々にとっての暮らしやすさを確保するという観点から これまでの拡大成長を前提とするまちづくりのあり方を転換し 都市の既存ストックを有効活用しつつ 様々な都市機能がコンパクトに集積した都市構造を実現することが 人口減少 超高齢社会に対応したまちづくりを実現するために重要である 改正法においては こうした考え方に立って 都市機能の適正立地を確保するため 土地利用コントロールの機能が十分に発揮されるよう 広域的に都市構造やインフラに影響を与える大規模な集客施設に係る立地制限の強化 準都市計画区域制度の拡充並びに開発許可制度における大規模開発及び公共公益施設に係る取扱いの見直しを行うとともに 併せて都市計画制度の柔軟化 機動化のための措置 広域調整手続の円滑化のための措置等を講じたものである 2. 大規模な集客施設に係る立地制限関係 (1) 制度改正の趣旨第二種住居地域及び準住居地域は主として住宅地としての土地利用を想定し 住居の環境を保護することを目的とする用途地域であるが 近年 これらの用途地域において 従来想定していなかった大規模な集客施設が立地することにより 住宅地に著しく多数の人や車が進入し 騒音や排気ガス等による環境の悪化 生活道路を利用する歩行者の交通安全性の低下等の様々な問題が生じている事例が見られる また 工業地域においても同様に 従来想定していなかった大規模な集客施設が立地し 著しく多数の人や車が進入することにより 工業地域が本来目的としている工業の利便の増進に大きな支障が生じている事例が見られる 2

用途地域の指定のない区域 ( 市街化調整区域を除く 以下 白地地域 という ) については 人口 産業等の現況及び将来の見通し等から市街地の拡大があまり見込まれず 従来 大規模な集客施設の立地を想定していない地域であったが 近年 モータリゼーションの進展等を背景として 大規模な集客施設が立地することにより 当該立地場所及びその周辺地域において店舗等が無秩序に建築される等の土地利用上の問題を生じる事例が増加している また 大規模な集客施設は 著しく多数の人々を広い地域から集めることにより 立地場所周辺の環境等に影響を及ぼすだけでなく 広域的な交通流態等都市構造レベルで大きな影響を及ぼすおそれがあるという特性を有しており その立地については 広域的な影響についての地域の判断を反映した適切なコントロールを行うことが必要である 改正法においては こうした課題に対処するため 用途地域のうち 第二種住居地域 準住居地域及び工業地域において 並びに都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において 新たに 大規模な集客施設の立地を制限することとした これは これらの地域で大規模な集客施設の立地を完全に抑制しようとするものではなく 広域的に都市構造やインフラに大きな影響を与える大規模な集客施設について 広い範囲で立地可能とされていた従来の土地利用規制の原則を逆転し 一旦立地を制限した上で 立地しようとする場合には 都市計画の手続を要することとし 当該手続を経ることにより 地域の判断を反映した適正な立地を確保しようとするものである 併せて 改正法は 近隣商業地域において 現在 床面積の合計が2 百平方メートル未満のものに立地が制限されている劇場 映画館 演芸場又は観覧場に係る用途規制に関し その規模にかかわらず立地を認めることとした これは 近年 映画館は スクリーン当たりの客席数は少ないものの一つの映画館に多数のスクリーンを有するシネマコンプレックスが主流であり これが商業施設等と複合して設置され 住民にとって身近な存在となっている状況の中で 近隣商業地域において大規模な商業施設 展示場 アミューズメント施設等を規制しないにもかかわらず 映画館等のみを規制するのは必ずしも合理的とは言えなくなっていることを踏まえたものである (2) 立地制限を受ける大規模な集客施設改正法による立地制限の対象となる大規模な集客施設は 劇場 映画館 演芸場若しくは観覧場又は店舗 飲食店 展示場 遊技場 勝馬投票券発売 3

所 場外車券売場その他これらに類する用途で政令で定めるもの ( 場内車券売場及び勝舟投票券発売所 ) に供する建築物でその用途に供する部分 ( 劇場 映画館 演芸場又は観覧場の用途に供する部分にあっては 客席の部分に限る ) の床面積の合計が1 万平方メートルを超えるものであるが その取扱いについては 以下の点に留意して運用されるべきである 1 銀行等の金融機関の窓口や現金自動引出コーナー クリーニング店 ガソリンスタンド等は店舗に該当し その部分の床面積は店舗の用に供する部分として 立地制限を受ける大規模な集客施設に該当するか否か判断されるものであること 2 遊技場には マージャン屋 ぱちんこ屋 カラオケボックス ゲームセンター アミューズメント施設等が含まれるものであること 3 遊園地については 屋根を有する店舗 アミューズメント施設等の建築物が一定程度存在し その床面積の合計が1 万平方メートルを超える場合には 立地制限を受ける大規模な集客施設に該当するものであること 4 ショッピングモールのように 床面積が1 万平方メートル以下の集客施設を複数棟建築する場合であって 例えば 2 棟以上の商業施設が駐車場等の施設を共用することにより一体的な利用がされる場合等 個別の事案の利用形態等からみて用途上不可分の関係にある場合には これら2 以上の建築物の床面積の合計により判断し これが1 万平方メートルを超える場合には改正法による立地制限が適用されることとなること 5 既存の大規模な集客施設で 改正法の施行又は適用により立地制限に適合しないこととなる建築物 ( 既存不適格建築物 ) は 建築基準法第 3 条第 3 項の規定の適用を受けない限り適法にその存在が認められること また 改正法の施行又は適用に伴う既存不適格建築物の増築 改築又は用途変更については 増築後の床面積が既存不適格となった時点の床面積の1.2 倍以内であること等の要件を満たす範囲内で行うことが可能であり 大規模の修繕又は大規模の模様替についても行うことが可能であること (3) 実施のための準備改正法附則第 2 条は 都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模な集客施設に係る立地制限が導入されることを踏まえ その円滑な実施を確保するため 都道府県又は市町村は 用途地域及び地区計画に関する都市計画の決定又は変更のために必要な土地利用の状況に関する情報の収集及び提供その他必要な準備を行うものとする旨規定している これは これまで都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域においては 用途地 4

域又は特定用途制限地域を都市計画に定めない限り用途規制がなされなかったが 改正法の施行により 大規模な集客施設に係る用途規制が新たに導入されるため 当該規制の導入による混乱を避けて円滑な施行が図られるよう 都道府県又は市町村において 必要な準備を行うことを求める趣旨である 都道府県又は市町村においては 大規模な集客施設の立地の現況及び将来の見通し等に関する情報を収集し 地権者等から相談 要請や都市計画の提案等がなされた場合に迅速かつ適切に対応するとともに 必要である場合には 用途地域及び地区計画に関する都市計画の決定又は変更のために必要な都市計画手続又はその準備を進めるべきであり 併せて 改正法の全面施行日 (9.(3) に掲げる施行日をいう 以下同じ ) までの周知期間に 広報等の活用により地権者等に対し改正法の内容及び趣旨について周知に努めるべきである (4) 既存の大規模な集客施設への対応第二種住居地域 準住居地域 工業地域並びに都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域においては 改正法により これらの地域に既に大規模な集客施設が立地している場合にあっても 都市計画決定権者の判断や 公告 縦覧等利害関係者の意見提出の機会が確保された都市計画手続を経ることなく 大規模な集客施設の立地が制限されることとなる 一方 改正法においては 都市計画の決定又は変更に関し民間事業者のイニシアティブを認め 開発事業者等に対して都市計画の提案権を拡大しているところであるが これは 地域の実情に応じて機動的に都市計画の決定又は変更を可能とする観点から その範囲を拡大したものである これらを踏まえ 都道府県又は市町村は 工業地域等に立地する既存の大規模な集客施設の敷地を含む土地の区域について用途地域の変更等の提案があった場合には その周辺の道路等の基盤施設や土地利用の状況等を勘案し 現状と同程度の商業集積を認めることが適当と判断される場合には 積極的に例えば近隣商業地域等適切な用途地域への変更を検討するなど 都市計画上の判断を適切に行うことが必要である その際の判断については遅滞なく行うこととし 遅くとも1 年以内に計画提案を踏まえた都市計画の決定又は変更を行うか 決定又は変更をしない旨の通知を行うべきである また 既存の大規模な集客施設の敷地を含む土地の区域について用途地域の変更等を行う場合には 現況と著しく乖離した土地利用規制となることにより周辺環境の悪化を招くことがないよう 併せて地区計画を活用することが望ましい 5

3. 準都市計画区域関係 (1) 制度改正の趣旨現行の準都市計画区域制度は 市町村が 相当数の建築物の建築等が行われる蓋然性の高い地域をスポット的に指定する制度であり このような考え方から 農業振興地域の整備に関する法律 ( 昭和 44 年法律第 58 号 ) 第 8 条第 2 項第 1 号に規定する農用地区域等すでに必要な土地利用規制がなされている地域については 準都市計画区域には含めるべきではない旨の運用をしてきたところである しかしながら 都市計画区域及び準都市計画区域外の地域においてはそもそも都市計画法及び建築基準法による用途規制が適用されず 例えば農用地区域内の農地等が転用がされ 都市的土地利用規制も農業的土地利用規制も適用されない状態となる場合等 土地利用規制が適用されないことが大規模な集客施設の無秩序な立地を誘発している事例が散見された このため 改正法においては 準都市計画区域について 農地を含め土地利用の整序又は環境の保全が必要な区域を広く指定できるよう 指定要件を改正するとともに 準都市計画区域内の白地地域において大規模な集客施設の立地を制限することとしたものである また 土地利用の整序又は環境の保全が必要な区域を広く指定する観点から準都市計画区域制度を変更したことから 指定権者を市町村から都道府県に変更している (2) 指定の時期改正法のうち準都市計画区域制度の拡充に係る部分については 9. (2) のとおり 改正法の全面施行日に先立ち本年 11 月 30 日に施行することとしている 都道府県は 準都市計画区域制度の改正の趣旨を十分に踏まえ 都市計画区域外においても 必要な地域で大規模な集客施設に係る立地制限の効果が改正法の全面施行日から発現されるよう 改正法の全面施行日に先立って準都市計画区域を積極的に指定すべきである (3) 準都市計画区域について定める都市計画準都市計画区域については これまで用途地域 特別用途地区 特定用途制限地域 高度地区 景観地区 風致地区又は伝統的建造物群保存地区を定めることができるとされていたが 改正法による改正後の準都市計画区域については 環境の保全の観点が加えられたことから これらの地域又は地区に加え 緑地保全地域も定めることができることとされた また これらの 6

地域又は地区のうち 緑地保全地域及び風致地区 ( 面積が10ヘクタール以上のものに限る ) については 広域的な観点から定める都市計画であるという性格から 都道府県が定めることとされた なお 市町村が準都市計画区域について都市計画の決定又は変更をしようとするときは これまでは あらかじめ都道府県知事の意見を聴かなければならないものとされていたが 改正法により都市計画法第 19 条が改正され 広域の見地からの調整を図る観点等から あらかじめ 都道府県知事に協議し その同意を得ることが必要となるので 留意されたい (4) 準都市計画区域の指定に伴う建築行政上の対応準都市計画区域の指定に伴い 準都市計画区域内の建築物については建築基準法第 3 章 ( 第 8 節を除く ) が適用されることとなる また 特定行政庁は 準都市計画区域の指定に合わせて 準都市計画区域内の白地地域について 新たに 容積率及び建ぺい率の数値を定める必要がある このため 特定行政庁においては 都市計画部局と十分な連携を図り 準都市計画区域の指定が予定される区域について 建築物又はその敷地と建築基準法第 42 条に規定する道路との関係に関する規定の適用並びに準都市計画区域内の白地地域における容積率及び建ぺい率の決定に必要な準備を行い 準都市計画区域の指定が円滑に行われるよう留意すべきである 4. 開発許可関係 (1) 制度改正の趣旨社会福祉施設 医療施設 学校 ( 大学 専修学校及び各種学校を除く ) 庁舎等の公共公益施設は 一般に住民等の利便に配慮して建設されることから 市街化調整区域内に立地する際には 周辺に一定の集落等が形成されているような場所に 規模の小さいものが立地することを想定し 無秩序な市街化の促進を引き起こさないものとして開発許可が不要とされていた しかしながら モータリゼーションの進展等に伴う生活圏の広域化と相対的に安価な地価等を背景として 市街化調整区域において これらの公共公益施設が当初想定されていたような立地場所の範囲を超えて 周辺の土地利用に関わりなく無秩序に立地し あるいは 周辺の集落等へのサービスの供給を超えて 広域から集客するような大規模な公共公益施設が立地する事態が多数出現している また 一方で 様々な都市機能がコンパクトに集積した 歩いて暮らせるまちづくりを進めるためには これらの公共公益施設が高齢者も含めた多くの人々にとって便利な場所に立地するよう まちづくりの観点 7

からその適否を判断する必要がある こうしたことから 改正法では これらの公共公益施設の建築の用に供する目的で行う開発行為を行おうとする場合について 新たに 開発許可を要することとした また 従来 人口増加等により 必要な市街地面積が将来増大するという前提のもとで 市街化調整区域においても一定の大規模住宅開発等については これを許可できることとする基準 ( 改正法による改正前の都市計画法 ( 以下 旧都市計画法 という ) 第 34 条第 10 号イ ( 以下 旧 10 号イ という ) の基準 ) がおかれてきた しかしながら 人口減少社会を迎え 増大する人口を受け止めるための大規模開発の必要性が低下する中 大規模な開発行為であれば許可できることとすることの合理性が失われてきたことから 旧 10 号イの基準を廃止することとした (2) 市街化調整区域内における地区計画旧 10 号イの基準を廃止したことに伴い 市街化調整区域における相当規模の開発行為に対する開発許可は 地区計画又は集落地区計画に定められた内容に適合する場合に許可できる基準 ( 改正法による改正後の都市計画法 ( 以下 新都市計画法 という ) 第 34 条第 10 号 ) によることとなるため 改正法の全面施行日以後は 地区計画の決定又は変更に関する都市計画の手続を通じて開発の可否を判断することとなる 市街化調整区域内における地区計画については 従来より 都市計画運用指針 ( 平成 13 年国都計第 61 号 ) において 広域的な運用の統一性を確保する等の観点から 都道府県が同意に当たっての判断指針等を作成し 市町村の参考に供することで 円滑な制度運用が図られるものとしてきており 改正法の施行を受けて 都道府県は 一定規模以上のもので 市街化区域における市街化の状況等からみて都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないと認められるものに関する取扱を定めるなど その適切な見直しをすることが望ましい (3) 適用関係改正法のうち 開発許可に係る改正部分の適用関係については 以下のとおりであるので 運用に当たり十分留意する必要がある 1 開発許可に係る改正部分については 経過措置を置いていないことから 改正法の全面施行日以後は 全面施行日前に開発許可の申請がなされていても また 開発審査会の議を了したものであっても 新都市計画法に規定する基準に基づき開発許可を行うことになること とりわけ 旧 10 号イの基準は改正法により廃止されることから 全面施行日以後は旧 10 号イに基づく開発許可を行うことはできないこと 8

2 改正法の全面施行日前に受けた開発許可に基づく開発行為は 全面施行日以後も適法に行うことができること 改正法の全面施行日前に旧 10 号イの基準により開発許可を受けた開発行為について 全面施行日以後に当該基準に関わる開発計画の変更が生じた場合には 旧 10 号イの基準に基づく変更の許可を受けることができず 一旦当該開発行為に関する工事の廃止を届け出た上で 改めて新都市計画法の基準に基づき開発許可を受ける必要が生じることになるので 改正法の全面施行日前に旧 10 号イの基準により開発許可を行うに当たっては 申請者に対しその旨を周知し 注意喚起を促す等により慎重に対応する必要があること したがって 大規模な開発行為であって全面施行日までの完了が見込まれないものについては 旧 10 号イの基準によらず 都市計画部局と連携の上 地区計画の策定の検討を開始する等 開発許可権者において適切に対処することが望ましいこと 3 社会福祉施設 医療施設 学校 ( 大学 専修学校及び各種学校を除く ) 庁舎等の建築の用に供する目的で行う開発行為が 全面施行日において現に行われている場合は 開発許可を受けることは要しないこと また この場合においても 市街化調整区域内においては 全面施行日までにこれらの施設の建築工事に着手していない場合には その建築について新都市計画法第 43 条第 1 項の許可を要することとなるので 留意が必要であること 4 第二種住居地域 準住居地域若しくは工業地域又は都市計画区域若しくは準都市計画区域内の白地地域において 改正法の全面施行日前に 大規模な集客施設の建築の用に供する目的で行う開発行為について開発許可の申請があった場合には 全面施行日前であれば 旧都市計画法第 33 条第 1 項第 1 号の基準に適合すると認めて開発許可を行うことが可能であること 一方 当該開発区域内で行う大規模な集客施設の建築は 工事の着手が全面施行日以後である場合には 改正法による改正後の建築基準法第 4 8 条第 6 項 第 7 項 第 11 項及び第 13 項の規定により立地が制限されることから これを行うことができなくなるため 改正法の全面施行日前にこのような開発行為について開発許可の申請があった場合には 建築行政部局と十分に連携をとって 申請者にその旨を周知することが望ましいこと 5. 開発整備促進区を定める地区計画関係 9

(1) 制度創設の趣旨改正法は 大規模な集客施設について 商業地域等を除き立地を一旦制限した上で 立地しようとする場合には 都市計画の決定又は変更を要することとし これにより地域の判断を反映した適正な立地を確保しようとするものであるが これが適切に運用されるためには 必要な場合に機動的な都市計画の決定又は変更がなされることが重要である 一方 大規模な集客施設は 立地場所周辺の環境 土地利用等に大きな影響を及ぼすおそれがあることから その立地を認めるに当たっては 周辺における公共施設の整備状況やその見通し 土地利用の動向等を見極めて適切な都市計画を決定する必要がある 大規模な集客施設の立地が見込まれる土地の周辺において 公共施設が既に十分整備されており 又はその見通しがある場合には 都市全体における用途の適正な配分を考慮して 用途地域の決定又は変更により対応することが考えられるが 土地の利用状況の変化が著しく 十分な公共施設が整っていない場合等には 用途地域の決定又は変更により対応するよりも 当該施設の立地場所を含む一定の区域を設定し 必要な公共施設の配置や建築物の制限等を明らかにして それらを都市計画において一括して定め さらに特定行政庁の認定を通じてきめ細かく誘導するという方法をとることが合理的である場合がある このため 改正法では 地域の実情に応じて柔軟な判断ができるよう 大規模な集客施設の立地を認めうる都市計画制度として 商業地域等の用途地域に加えて 開発整備促進区を定める地区計画を新たに創設したものである なお 大規模な集客施設の立地制限に係る改正部分の施行に伴い既存不適格建築物になると見込まれる大規模な集客施設について 建替え又は大規模な増改築が予定されている等の土地利用の変化が見込まれない状態では 開発整備促進区を定める地区計画の要件である 現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり 又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること に該当しないと考えられることから その場合に開発整備促進区を定める地区計画を活用することは困難であるので 留意されたい (2) 適用関係改正法のうち 開発整備促進区を定める地区計画の創設に係る改正部分は 大規模な集客施設の立地制限に係る改正部分と同じく 全面施行日に施行されることとなる このため 全面施行日前には 開発整備促進区を定める地区計画に関し 都市計画の案の公告 縦覧 市町村都市計画審議会への付議 都道府県知事との協議 同意等の都市計画法に規定する都市計画決定に係る 10

手続を行うことはできないが 全面施行日以後速やかに開発整備促進区を定める地区計画に関する都市計画を決定する必要がある場合等には 全面施行日前であっても 当該都市計画決定の準備のため 住民への説明 都道府県知事との事前協議等の事実上の行為を行うことは可能であるので 留意されたい 6. 都市計画提案権者関係 (1) 制度改正の趣旨改正法の趣旨に則り 改正後の都市計画制度が適切に運用されるためには 必要な場合に機動的な都市計画の決定又は変更がなされることが重要であり そのためには 都市計画の決定又は変更に関し民間事業者のイニシアティブを認め まちづくりの推進に関する民間の経験と知識をより積極的に取り込むことが重要である こうした考え方から 改正法においては 都市計画の決定又は変更の提案をできる者に まちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体等を追加し 一定の開発事業の実績を有する等の要件を満たす者にも 都市計画の決定又は変更の提案を行うことを認めることとした (2) 体制の整備都市計画の提案制度は まちづくりや都市計画に対する住民等の関心を高め 主体的かつ積極的な住民参加が促されることを狙って導入された制度であるが 活用状況は未だ低調であり その積極的な活用が望まれる 今回の都市計画法の改正を契機として 都市計画提案制度の活用が増加することも想定されるので 都道府県又は市町村においては 都市計画の決定又は変更の提案に係る相談 処理体制の充実に努められることが望ましい 7. 広域的調整手続関係 (1) 制度改正の趣旨大規模な集客施設の立地は 一市町村の範囲を超えて広域的な都市構造やインフラに影響を与えるものであることから 一市町村の視点だけではなく 広域的な観点から適正立地を調整することが必要である 改正法は 大規模な集客施設について 商業地域等を除き立地を一旦制限しており これにより 立地しようとする場合には用途地域等に関する都市計画の決定又は変更が必要となることから 市町村が都市計画の決定又は変更をする場合の都道府県知事との協議 同意手続を通じて広域的な見地から 11

の調整が図られることとなる さらに 改正法では 当該手続を通じてより効果的に広域調整が図られるようにするため 都道府県知事が関係市町村からの意見の聴取等を行うことができるよう手続を整備した (2) 必要な準備都道府県においては 改正の趣旨を踏まえ 市町村から都市計画の決定又は変更について協議された場合に的確な判断を迅速に行えるよう あらかじめ判断基準について検討する等準備に努められることが望ましい 8. 改正法の趣旨 内容等に関する周知 啓発改正法は 大規模な集客施設について 商業地域等を除き その立地を一旦制限し 立地に当たって都市計画の手続を経させることで 地域の判断を反映した適正な立地を図ることとしている また 社会福祉施設 病院 学校 ( 大学 専修学校及び各種学校を除く ) 庁舎等の公共公益施設の建築の用に供する目的で行う開発行為を行おうとする場合に 新たに開発許可を要することとしている これらの措置は 事業者を始め国民の権利利益にも大きな影響を及ぼすことから その円滑な施行を図るため 改正法の趣旨 内容等について国民に対し周知 啓発を行っていくことが重要である このため 国土交通省においても 各種の団体が開催する説明会等を通じて 改正法に関する周知 啓発に努めているところであるが 都道府県及び市町村においても 広報等を活用して改正法に関する周知 啓発に努めるとともに 事業者を始めとする住民等から相談がなされたときには 十分な理解が得られるよう適切に対応することが望ましい 9. 改正法の施行時期改正法による都市計画法及び建築基準法の改正については 以下のとおり 段階的に施行されることとなる (1) 都市計画提案権者の範囲の拡大に係る改正部分 : 本年 8 月 30 日施行 ( 既に施行済 ) 改正法の円滑な施行を確保するため 改正法の全面施行日に先立って施行することにより 一定の民間事業者等からの都市計画提案を早期に実施可能としたものである (2) 準都市計画区域の拡充に係る改正部分及び広域調整手続の充実に係る改正部分 : 本年 11 月 30 日施行 指定権者を市町村から都道府県に改めるため都道府県における準備期間を考 12

慮する必要があること 都市計画区域外においても 大規模な集客施設に係る立地制限が必要と判断される地域では 立地制限の効果が改正法の全面施行日から発現されるよう それまでに準都市計画区域が広く指定されることが望ましいこと等から 改正法の全面施行日に先立って施行することとしたものである (3) 大規模な集客施設に係る立地制限に係る改正部分 開発許可制度の見直しに係る改正部分等 : 平成 19 年 11 月 30 日施行既に土地を確保し 準備をしている事業者等の既得権利の保護にも配慮し 適切な周知期間を確保したものである 13