日経メディカル開発では 日経メディカル ON LINE の登録医師を対象に 漢方薬の使用実態と漢方医学教育に関する考え方を把握するため 漢方薬使用実態及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 を実施 その調査結果がまとまった 調査実施概要は 以下の通り 調査概要 調査対象 : 日経メディカル ON LINE 登録医師 調査主体 : 日経メディカル開発 調査機関 : 日経 BP コンサルティング 調査期間 :2012 年 1 月 24 日 ~2 月 1 日 調査方法 : 日経メディカル ON LINE 登録医師に調査依頼メ - ルを配信 回答画面にアクセスしてもらい回答 有効回答 :351 名 回答者属性 診療所開業 勤務 (20.8%) 病院開業 (0.9%) 大学病院勤務 (16.8%) 一般病院勤務 (58.7%) (2.6%) 20 代 (4.0%) 30 代 (24.2%) 40 代 (34.5%) 50 代 (27.1%) 60 歳以上 (9.1%) となっている 1
Q1. 日常診療における漢方の処方率 ( 全体 ) 11.4% 4.8% n=351 処方している 過去に使用したことはあるが今は使用していない 処方していない 83.8% 2
Q1. 日常診療における漢方の処方率 ( 診療所開業 ) 4.4% 2.2% 処方している n=45 過去に使用したことはあるが今は使用していない 処方していない 93.3% 3
Q1. 日常診療における漢方の処方率 ( 診療所勤務 ) 3.6% 7.1% 処方している n=28 過去に使用したことはあるが今は使用していない処方していない 89.4% 4
10.2% Q1. 日常診療における漢方の処方率 ( 大学病院勤務 ) 5.1% 処方している n=59 過去に使用したことはあるが今は使用していない処方していない 84.7% 5
Q1. 日常診療における漢方の処方率 ( 一般病院勤務 ) 14.6% 4.4% 処方している n=206 過去に使用したことはあるが今は使用していない 処方していない 81.1% 6
10.5% Q2.1 日平均の処方患者数 2.7% n=334 5 人以下 15.0% 6 人 ~9 人 10 人 ~20 人 21 人以上 71.0% 7
n=334 Q3. 漢方を処方する際の基本方針 4.2% 2.4% 5.1% 器質疾患を除いて漢方薬を第一選択と考える 漢方薬と西洋薬それぞれ単独もしくは併用で使い分ける 30.5% 西洋薬では期待した効果が得られないとき 57.8% 西洋薬を使用し 副作用などで使えないとき漢方薬を選択する 8
70.4% Q4. 漢方を処方する具体的な症状 疾患 ( 上位 11 症状 疾患 ) 感冒 急性上気道炎 便秘 こむらがえり n=334 食欲不振 胃もたれ 消化不良など消化器愁訴 52.1% 50.0% 咳 痰 更年期障害 34.7% 32.0%29.9%29.0% 24.6% 23.1%20.4%20.4% イレウス ( 腹部愁訴 ) 認知症および周辺症状冷え症 凍瘡 アレルギー性鼻炎 1 自律神経失調症 9
70.7% 58.7% Q5. 漢方薬としてよく使う方剤 ( 上位 12 方剤 ) n=334 47.9% 40.4% 35.9% 33.5% 31.1% 27.5% 26.3% 25.1% 24.0% 23.4% 葛根湯 大建中湯 芍薬甘草湯 補中益気湯 小青竜湯 六君子湯 抑肝散 麦門冬湯 加味逍遥散 牛車腎気丸 五苓散 当帰芍薬散 10
Q6. 漢方薬を処方した総合評価 0.6% 0.6% n=334 29.3% 良かった どちらともいえない 69.5% よくなかった 無回答 11
薬物療法の選択の幅が広がった 治療効果が上がり患者に喜ばれた 新しい治療体系を体得できた 副作用が減った 患者が増えた 病医院の評判が高くなった 無回答 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 Q7. 漢方を処方して 良かった 理由 n=232 78.4% 65.1% 25.9% 9.9% 1.7% 1.3% 1.3% 1.3% 12
西洋薬のみの治療では限 界があるから 高齢者など複数疾患を抱 えた患者が増えたから 学会などで漢方薬の科学 的根拠 ( エビデンス ) が相 次いできたから ガイドラインなどに漢方薬 が明記されるようになった から 患者の QOL を高め全人的 医療が出来るから 患者からの強い要望があっ たため 生活習慣病などの疾病の 進展が抑制できるから 医療経済的に見て薬剤費 の節減になるから 無回答 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 62.9% Q8. 漢方を処方するようになった動機 n=334 28.4% 26.9% 9.3% 20.4% 20.5% 3.3% 3.9% 7.5% 0.9% 13
Q9. 新しい知見による漢方への処方変更 0.6% n=334 53.9% 45.5% ある ない 無回答 14
イレウスに大建中湯 アルツハイマー型認知症に伴う周辺症状に抑肝散 消化管機能障害に大建中湯 機能性ディスペプシア (F D) に六君子湯 GERD( 胃食道逆流症 ) 難治性の NERD( 非びらん性食道逆流症 ) に六君子湯 非アルツハイマー型変性認知症に抑肝散 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 52.0% Q10. 新しい知見による漢方への処方変更領域 46.7% 37.5% 35.5% n=152 25.7% 25.0% 15
Q11. 高齢者 (65 歳以上 ) と漢方処方 24.5% 3.7% 27.4% n=351 積極的に処方している 患者の要望があれば処方しているほとんど処方していない 44.4% 16
治療効果が上がった 薬剤の種類を減らすことが出来た 副作用を軽減できた 薬剤費を節約できた 患者から喜ばれた 患者の QOL が上がった あまり変わらなかった 無回答 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 Q12. 高齢者 (65 歳以上 ) への漢方処方の効果 n=252 48.0% 40.1% 15.9% 17.9% 4.8% 22.2% 13.9% 1.2% 0.8% 17
6.3% Q13. 高齢者医療における今後の漢方の位置づけ 6.3% 0.6% 0.6% 7.7% n=351 すべての高齢患者に大きな役割が期待される 患者によっては期待される ほとんど期待されないと思う わからない 無回答 78.6% 18
2.0% Q14. 高齢者 在宅医療におけるチーム医療の必要性 1.1% 10.5% 0.9% n=351 そのとおりだと思う そのようには思わない わからない 85.5% 無回答 19
Q15. 総合的に患者を診る医師養成と漢方医学の役割 0.6% 1.4% n=351 31.6% 48.4% 役割は大きいと思う そうは思わない わからない 無回答 17.9% 20
漢方の基本である問診と 身体所見を重視する全人 的医療を習得させる 卒前から漢方薬を日常診 療で使う機会が多いことを 教育する 患者の気持ちや家族の事 情 また地域特性に応じた 包括的医療を習得させる 専門医など医療関係職種 と連携が取れる教育体制 の確立 漢方薬を含めた総合的診 療の知識が習得できる教 育体制の確立 卒前 卒後の一貫した教 育体制の確立 無回答 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 58.8% Q16. 総合的に患者を診る医師養成のために漢方教育をどうすべきか 68.8% 44.1% 40.0% 30.0% 24.7% n=170 2.9% 0.6% 21
漢方薬と西洋薬の違いに ついて 漢方薬の治療効果が期待 できる疾患について エビデンスに基づいた漢 方薬の使い方について 代表的な漢方薬の構成 薬理作用について 漢方薬の適応症 汎用処 方の実態と使用頻度 漢方薬の適切な処方 漢方医学の基本概念の説 明 漢方医学の診断方法 無回答 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 35.3% Q17. モデル コア カリキュラム改訂後どのような漢方教育を行うべきか n=351 61.5% 60.1% 53.8% 43.6% 40.5% 35.6% 31.1% 2.6% 0.0% 22
漢方の講義のコマ数を増 やす FD(Faculty Development 組織的な研究と研修 ) を拡 充させる 関連科目にも漢方を取り 入れる 大学間のネットワークを利 用して教育をさらに充実さ せる 漢方外来などを見学させ て使用実態を把握させる 生薬に触れさせ漢方薬の 構成を熟知させる 教育 診療が出来るスタッ フを拡充する 学内で教育スタッフを養成 する 4 年次ぐらいまでの早期 に教育する 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 Q18. モデル コア カリキュラム改訂後 漢方の学部教育をどのうようにすべきか 52.7% 43.0% 31.6% 33.6% n=351 11.1% 9.4% 14.5% 16.2% 4.8% 4.0% 23
Q19. 漢方医学教育をどのように充実させるか 19.1% n=351 0.3% モデル コア カリキュラムに準 4.3% 8.5% 拠し必須科目として4 年次までに教育する 漢方医学教育の標準化 治療の基本 代表的な処方運用のための臨床実習を検討 43.6% 漢方指導医の養成 24.2% 24
Q20. がん治療における今後の漢方薬 n=351 4.8% 0.6% 抗がん剤の補助的治療 20.5% 23.9% がん薬物療法による副作用防止とその軽減 免疫賦活作用 抗腫瘍作用 発がんの予防効果 無回答 50.1% 25
QOL の向上 価値のある延命効果 がん治療に伴う副作用対策 がん進行に伴う多彩な症状の緩和 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 65.2% Q21. がん緩和医療における漢方の役割 51.0% 44.2% n=351 18.8% 3.4% 26
科学的エビデンスのさらなる 構築 モデル コア カリキュラムで 早期から漢方医学教育を充 実させる 漢方外来の充実 共用試験に漢方も対象にす る 医師国家試験の漢方分野の 出題の義務化 医療経済学的な面での研究 推進 漢方薬使用実態調査及び漢方医学教育に関する意識調査 2012 Q22. 今後どのように漢方の普及を進めるべきか 82.9% n=351 20.8% 21.9% 12.0% 7.7% 17.9% 3.1% 27