機関名 ( 地独 ) 北海道立総合研究機構農業研究本部 部署名 企画調整部企画課 記入者氏名 山崎敬之 電話番号 レーザー式生育センサを活用した秋まき小麦に対する可変追肥技術 レーザー式の生育センサを使って秋まき小

Similar documents
コシヒカリの上手な施肥

山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )

附則この要領は 平成 4 年 1 月 16 日より施行する この要領は 平成 12 年 4 月 3 日より施行する この要領は 平成 30 年 4 月 1 日より施行する 2

麦 類 生 育 情 報

窒素吸収量 (kg/10a) 目標窒素吸収量 土壌由来窒素吸収量 肥料由来 0 5/15 5/30 6/14 6/29 7/14 7/29 8/13 8/28 9/12 9/ 生育時期 ( 月日 ) 図 -1 あきたこまちの目標収量確保するための理想的窒素吸収パターン (

<4D F736F F F696E74202D E593A482CC95738D6B8B4E94648EED8DCD947C8B5A8F7082CC837D836A B20959C8CB38DCF82DD>

取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

< F2D F D322D AC98D7390AB94EC>

<82BD82A294EC82C697CE94EC82CC B835796DA>

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

<4D F736F F D A6D92E894C5817A966B945F8CA C E482AB82B382E282A9816A81698DC58F4994C5816A2E646F63>

仙台稲作情報令和元年 7 月 22 日 管内でいもち病の発生が確認されています低温 日照不足によりいもち病の発生が懸念されます 水面施用剤による予防と病斑発見時の茎葉散布による防除を行いましょう 1. 気象概況 仙台稲作情報 2019( 第 5 号 ) 宮城県仙台農業改良普及センター TEL:022

委託試験成績 ( 平成 25 年度 ) 担当機関名 部 室名 実施期間 大課題名 課題名 目的 担当者名 山口県農林総合技術センター 農業技術部土地利用作物研究室 資源循環研究室 平成 24~26 年度 Ⅰ 大規模水田営農を支える省力 低コスト技術の確立 うね立て同時条施肥機を利用した被覆尿素の深層

1 はじめに北海道の麦作には 二つの大きな目標があった 一つは 秋まき小麦の全道平均反収を一〇俵の大台に乗せること もう一つは E U 並みの反収一トンどりをめざすことである この数字は 決して夢のような話ではなかった 麦作農家のなかには 圃場の一部ではあるが一トンどりを実現したとの声があったし 実

排水対策の実施例 暗渠がある場合排水がよいほ場 排水が悪いほ場 周囲明渠 弾丸暗渠 心土破砕は 2 ~5m おきに行う 周囲明渠は深さ 30 cmを確保する 周囲明渠は排水口に確実に接続する 弾丸暗渠本暗渠 暗渠がない場合排水がよいほ場 排水がよく 長辺が長いほ場 100m 以 ほ場内排水溝は4 ~

<4D F736F F D C8B9E945F91E58EAE90B682B282DD94EC97BF89BB2E646F63>

20 石川県農業総合研究センター研究報告第 28 号 (2008) Ⅰ はじめに家畜ふん尿処理施設では 収集 運搬された家畜ふん尿は固液分離機に搬入され 固形分は堆肥化処理後 農耕地へ還元利用されている 液状分は好気発酵処理 さらに生物処理等の工程の順に適切な浄化処理が行われ その後 放流されている

<955C8E86899C95742E786C73>

資料 2 農業データ連携基盤の構築について 農業データ連携基盤 (WAGRI) WAGRI とは 農業データプラットフォームが 様々なデータやサービスを連環させる 輪 となり 様々なコミュニティのさらなる調和を促す 和 となることで 農業分野にイノベーションを引き起こすことへの期待から生まれた造語

H26 中予地方局産業振興課普及だより 新技術情報 -1 いちご新品種 紅い雫 ( あかいしずく ) 1. 紅い雫 の来歴県農林水産研究所が育成したいちご新品種 紅い雫 は あまおとめ ( 母親 ) 紅ほっぺ ( 父親 ) の交配により誕生し 平成 26 年 6 月 25 日に品種登録出願されました

Taro-H30(32-37).本çfl°æŒ½è‡¥.jtd

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

1. 取組の背景射水市大門地域は 10a 区画の未整備な湿田が多く 営農上の大きな障害となっていた 昭和 62 年に下条地区で県内初の大区画圃場整備が実施されたのを皮切りに 順次圃場整備が進んでいる 大区画圃場整備事業が現在の 経営体育成基盤整備事業 になってからは 農地集積に加えて法人化等の担い手

< B4C93FC97E1817A976C8EAE91E682558D A2B2E786C73>

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

3 園芸作物 < 果菜類 > 1-1 トマト [ ハウス ] ア導入すべき持続性の高い農業生産方式の内容 トマトは主に道央 道南および道北の施設で栽培され 作型は促成 ( ハウス加温 マルチ ) 半促成 ( ハウス マルチ ) 抑制 ( ハウス ) などである 品種は 桃太郎 ハウス桃太郎 桃太郎

試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 12 月下旬 試験中 試験中 試験中 1 月中旬 試験中 試験中 試験終了 12 月中旬 試験中 試験中 試験中 1 月上旬 試験中 試験中 試験中 1

平成19年度事業計画書

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

スマート農業はもうはじまっている!

5 事務局 審査会の事務局は 福島県農林水産部農業振興課におく 第 5 奨励品種決定調査の実施県は 奨励品種の決定に当たっては 奨励品種決定調査を行うものとする 1 奨励品種決定調査の種類 (1) 基本調査供試される品種について 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験等によりその特性の概略を明

目次 1. やまだわら の特性 _ 1 収量特性 1 2 品質 炊飯米特性 2 3 用途別適性 3 2. 生育の特徴 4 3. 収量 品質の目標 5 4. 各地域での主な作付スケジュール 6 5. 栽植密度 7 6. 肥培管理 1 施肥量 施肥時期 8 2 生育診断 9 7. 収穫適期

Ⅲ-2-(1)施設野菜

みどりノートユーザマニュアル(Web版)

Ⅱ-3 環境負荷低減技術 ( 1) 土壌分析結果を生かした施肥量削減 1 技術の内容土壌分析により土壌養分の量を把握し 現況の養分量にあわせ施肥量を加減する方法である 2 期待される効果養分が過剰にある場合は施肥量を減らすことができ 肥料のコスト低減にもつながる 特に施設園芸や果樹園 茶園では土壌中

<4D F736F F D2091E593A48DCD947C82CC837C E646F63>

Microsoft Word - H28年産_麦栽培技術指針(最終・修正版)

委託試験成績 ( 平成 29 年度 ) 担当機関名部 室名 実施期間 大課題名 課題名 目的 群馬県畜産試験場飼料環境係 平成 29 年度 ~ 平成 30 年度 新規 Ⅲ 水田を活用した資源作物の効率的生産 供給技術の確立 汎用コンバインを利用した子実用トウモロコシとオオムギ二毛作体系における自給濃

2 地温 : 15~25 の温度帯に緩効性効果が一番高い 30 を超えると ウレアーゼ抑制材の分解が加速する上 微生物の繁殖も速くなり 微生物の活性を抑える効果が低くなる 3 土壌 ph: 弱酸性土壌 (ph5.5) からアルカリ性土壌 (ph8.0) まで土壌 ph が高いほど緩効性効果も高くなる

失敗しない堆肥の使い方と施用効果

「そらゆき」栽培マニュアル

温度 平成 23 年平均平成 23 年最高平成 23 年最低平均気温 ( 平年値 ) 最高気温 ( 平年値 ) 最低気温 ( 平年値 ) 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 図 1 生育期間中の気温推移 ( 淡路農技内 ) 降水 3 量

3. 播種前処理 ( 播種前に雑草防除を要する場合 ) 4. 播種後出芽前茎葉処理 2017 年 8 月 1 日現在 除草剤名 成分 (%) 除草剤名 成分 (%) ( 登載年 ) ( 登載年 ) プリグロックスL ジクワット 7.0 プリグロックスL ジクワット 7.0 マイゼット パラコート 5

AI IoTを活用したスマート農業の加速化 人手不足への対応や生産性の向上を進めるためには ICTを活用したスマート農業の推進が重要 今後人工知能やIoT等の先進技術により 生産現場のみならずサプライチェーン全体にイノ ベーションを起こし 生産性向上や新たな価値創出を推進 1

東北日本海側において播種期、栽植密度および1株本数がダイズの生育収量に与える影響

<4D F736F F F696E74202D20834B F D78BAD89EF5F A957A A2E B8CDD8AB B83685D>

資料報告

11月表紙


画面遷移

<4D F736F F D20819C B E937888CF91F58E8E8CB190AC90D18F91288C51946E945F8B5A835A BA E646F63>

めに必要な情報を提供するとともに 2 関係者一体となった契約栽培等の需要と直結した生産を推進していく また 生産者の収益性向上につながる地域の気候風土を活かした特色ある野菜等園芸作物への作付を促進し 産地づくりを進めていくため 生産者への作付誘導のインセンティブとなる産地交付金を戦略的に活用していく

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)

29 Ⅵ-1-(1)(2)環境保全型農業

岡山県農業研報 6:31-35(2015) 31 岡山県北部においてニンニクを出荷規格に適合させるために重視すべき越冬後の生育指標 佐野大樹 岸本直樹 森本泰史 The Important Growth Index of Overwintered Garlic for Conforming the

実証研究の目的 東日本大震災の被災地域である福島県浜通り地域において 花き生産を中心とした農業経営の収益性向上に貢献するため 夏秋トルコギキョウと低温性花きのカンパニュラ メジューム ( 以下カンパニュラ ) を効率的に組合せた周年生産体系の現地実証を行い その成果を普及させることを目的としています

1 地域の概要 紫波町は岩手県のほぼ中央にあり 北は矢巾町 を挟んで盛岡市になり 南は花巻市に接しています ( 図 1) 町域は北上盆地を挟んで東の北上山地と西の奥羽山系にまたがって細長く広がり 町域の中央を東北の大河北上川が南流しています 北上川は北上盆地の東寄りを流れているため 平野は北上川の西

     くらぶち草の会の野菜、畑作栽培技術

27 年産以降のゲタ ナラシ対策の交付対象者 ゲタ ナラシ対策の交付対象者は 27 年産から認定農業者 集落営農に認定新規就農者を加えるとともに 規模要件は廃止しました また 交付対象となる集落営農の要件も 2 要件に緩和します 担い手の方が幅広く参加できるようになります また ナラシ移行の円滑化対

P01-P20.indd

<4D F736F F D20938C8B9E945F91E58CE393A190E690B62E646F6378>

<4D F736F F D20819B8DD882CC89D48DCD947C837D836A B2E646F63>

東京電力原発事故による 「みやぎの農畜産物」への 影響とその対策

PC農法研究会

H30年産そば方針

<4D F736F F D B F4390B CF91F58E8E8CB18EC090D18C9F93A289EF90AC90D18F B7B8DE8918D945F8E8E816A2E646F6378>

目 的 大豆は他作物と比較して カドミウムを吸収しやすい作物であることから 米のカドミウム濃度が相対的に高いと判断される地域では 大豆のカドミウム濃度も高くなることが予想されます 現在 大豆中のカドミウムに関する食品衛生法の規格基準は設定されていませんが 食品を経由したカドミウムの摂取量を可能な限り

<4D F736F F D2089C6927B82D382F191CD94EC934B90B38E7B977082CC8EE888F882AB81698DC58F498CB48D A>

(Microsoft Word -

大豆作における失敗事例 Ver.3 失敗は宝 成功へのヒントにしましょう 雑草が繁茂した圃場 雑草がないきれいな圃場 平成27年1月21日 東北農政局生産振興課

2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な


<4D F736F F D CA48B8690AC89CA8FEE95F E496D882CC8EED97DE82AA817582CD82E982DD817682CC90B688E781418EFB97CA814189CA8EC095698EBF82C98B7982DA82B789658BBF2E646F63>

\603Z\603\623\603^\601[\603j\603\605\601[\603X.PS

ウ WCS 用稲本市は県内最大の酪農地帯であるため 需要に応じた生産確保に努め 多収品種の推進 病害虫防除や雑草管理など適切な圃場管理を行う また についても実施する エ加工用米実需者の要望に対応できるよう 産地交付金を活用して複数年契約を進めることにより安 定的な供給を目指し 担い手の作付維持 (

はだか麦の早播栽培における播種量と基肥窒素量が生育と収量 品質に与える影響 質を調査した. また木村ら (2004), 下田ら (2006) は, 早播きでは千粒重が小さくなり粒も硬くなるなどの品質低下の実態を確認しているが, その原因究明には至っていない. そこで今回は品質低下要因についても併せて

調査研究課題:○○▽▽の調査研究

付図・表

農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

果樹の生育概況

1. 地 域 概 況 1 岐 地 阜 域 県 海 概 津 況 市 は 県 最 南 端 に 位 置 し 木 曽 長 良 岐 阜 県 海 津 市 は 県 最 南 端 に 位 置 し 木 曽 揖 斐 三 大 河 川 が 合 流 する 地 域 で 東 部 に 愛 知 県 西 長 良 揖 斐 三 大 河 川

目次 重要度の表記

表 30m の長さの簡易ハウス ( 約 1a) の設置に要する経費 資材名 規格 単価 数量 金額 キュウリ用支柱 アーチパイプ ,690 直管 5.5m 19mm ,700 クロスワン 19mm 19mm ,525 天ビニル 農 PO 0.1mm

様式集

栃木県では二条大麦品種の スカイゴールデン 及び サチホゴールデン への切り替えにより 収量と上位等級比率が向上し 粗収入も向上 栃木県における二条大麦品種の切り替えによる粗収入向上 ( 試算 ) スカイゴールデンサチホゴールデンミカモゴールデン ( 従来品種 ) 収量 (kg/10a) 1 270

雑草イネまん延防止マニュアルVer.2

毒 2 全面土壌散布 ( 注 : 対象雑草のはシバムギ レッドトップを示す ) 8 カイタック乳剤 [PL-10] -H7 9 カイタック細粒剤 F [PL-10] -H8 ヘ ンテ ィメタリン 15% リニュロン 10% ヘ ンテ ィメタリン 1.5% リニュロン 1.0% は種直後 ~ は種後

リン酸過剰の施設キュウリほ場(灰色低地土)における基肥リン酸無施肥が収量に及ぼす影響

研究報告 (2) 地球温暖化の道内農作物への影響は?~2030 年代の予測と対応方向 ~ 北海道立総合研究機構中央農業試験場農業環境部 中辻敏朗 北海道は日本の食料供給にとって重要な役割を担っていますが この役割を将来においても果たすためには 温暖化で本道の主要作物がどのような影響を受けるかを予測し

(Microsoft Word - \220\\\220\277\227l\216\256\213L\215\332\227\341.doc)

( ハ ) 種子小麦 種類異物色容積重整粒硝子率発芽率形質水分被害粒 ( グラム ) (%) (%) (%) (%) (%) 麦角粒麦角粒を除い等級 (%) たもの (%) 普通小麦合格 標準品 品種固有の色 強力小麦合格

新品種育成の背景 経緯一般の良食味米 ( 中アミロース ) で作成した麺は ゆで麺の表面の粘りが強く 麺離れが悪いのに対し 高アミロース米は麺離れが良く 製麺適性が高いことから 北陸地域向けの 越のかおり 北海道向けの 北瑞穂 などがこれまでに育成され 米粉麺が製品化されています しかしながら これ

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に

技術名

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

<4D F736F F D C190BC8E73926E88E F8BC F18F6F95AA2E646F63>

図 2 水稲栽培における除草剤処理体系 追肥による充実不足 白粒対策 ~ 生育後半まで肥切れさせない肥培管理 ~ 図 3 追肥作業は 水稲生育中 後期の葉色を維持し 籾数及び収量の確保と玄米品質の維持に重要な技術です しかし 高齢化や水田の大区画化に伴い 作業負担が大きくなり 追肥作業が困難になりつ

2 穂の発育過程 (1) 穂の形態 イネの穂は 穂軸が枝分かれして し 1 次枝こう 2 次枝こうがつき それ にえい 花 ( 小穂 ) がつく 1 つのえい花 ( 小穂 ) は 1 花から成 っており その数は 1 次枝こうの先に 5~6 個 2 次枝こうに 2~4 個つき 1 穂全体では 80

Transcription:

技術 技術のページ レーザー式生育センサを活用した秋まき小麦に対する可変追肥技術 レーザー式の生育センサを使って秋まき小麦の生育を判断し 自動的に追肥を行うシステムを国内で初めて開発し 実証試験においてその効果を明らかにした トラクタキャビン上部に取り付ける2つの生育センサ センサの値に基づき追肥量を計算するセンサ端末 車速を計測したり生育マップの作成に使用するGPSで構成される 装置は市販の電子制御式の施肥機端末に接続でき 走行するだけで生育診断と同時に生育に応じた追肥が可能となる 生育センサはレーザーを利用した非接触型で 出力値から生育時期や地域を問わず小麦の窒素吸収量を推定できる また 光源を備えた能動型であるため 太陽光を利用した受動型よりも日射や時間の変化に対して安定している 小型なためトラクタへの付け替えも容易である ( 地独 ) 北海道立総合研究機構農業研究本部 1 ファイバースノウ を用いたビール醸造技術 ファイバースノウでビールを醸造する場合は 麦芽の根の長さを粒長の 2 倍程度 ( 通常は 1.5 倍 ) 葉芽は 3/4~4/4 にすることにより 麦汁のろ過もスムースに進み クリアな麦汁をつくることができる また 麦芽を糖化して麦汁をつくるときに 50 以下で 30 分程度保持してから糖化することで クリアな麦汁を得ることができる このビールは通常よりも約 10 倍の β グルカンを含む 福井県農業試験場 2 麦不耕起播種における除草剤抵抗性スズメノテッポウの総合防除 スズメノテッポウでトリフルラリンとフェンスルフロンメチルに抵抗性を持ったバイオタイプが出現し それがまん延した圃場では除草剤だけによる対策は困難である 麦播種前に土壌表層近くから発生したスズメノテッポウを非選択制除草剤で防除し 不耕起播種で下層にある種子を表層に移動させないことで 播種後の発生本数を低減させる 播種時期を 12 月上中旬まで遅らせると 播種後の発生量が軽減する 播種時のスズメノテッポウを防除する非選択制除草剤と 播種後の発生に対する土壌処理剤を混用散布することで 1 回の散布で 2 回散布と同等の効果が得られる 佐賀県農業試験研究センター 3 麦作におけるヤグルマギクの防除法 ヤグルマギクの最大ロゼット径 5cm までにアクチノール乳剤を 200ml/10a 残草がある場合にはバサグラン液剤を 200ml/10a 茎葉処理する ヤグルマギクは 年内に 9~10 割が発芽して生存個体数の盛期に達するため 防除適期は年内である 麦収穫後に湛水管理を 2 ケ月間継続することにより ヤグルマギクの埋土種子量を大幅に減少できる 麦の播種期を晩期に移動すると ヤグルマギクの発生を大幅に減少できる 長野県農業試験場 4 小麦 キヌヒメ の栽培における被覆尿素肥料の全量基肥播種溝施用技術 小麦 キヌヒメ の栽培において, シグモイド型 30 日タイプの被覆尿素肥料 LP コート S30 を窒素量 13~16kg/10a 全量基肥播種溝施用すると, 速効性肥料 13~16kg/10a を 3~4 回に分けて施用する慣行分施と比較して, 成熟期は同時期からやや遅く 稈長は長いが倒伏の発生は同程度で 穂数と千粒重は増加し 収量は多くなる 検査等級および子実蛋白含有率は同程度である 広島県立総合技術研究所農業技術センター 5 小麦における肥効調節型肥料を用いた追肥全量 1 回施肥法 リニア型 15 日タイプの肥効調節型肥料 ( セラコート R15) と速効性窒素肥料を窒素量で 1:1 に配合した肥料を越冬後に追肥する施肥法は 2 回目の追肥を省略しても慣行の 2 回の追肥と同等の収量 品質が得られる省力的な施肥法である 肥効調節型肥料を追肥で施用すると 肥料が地表面に施肥されて水分状態により窒素溶出が遅れるため 緩効度は溶出シミュレーションにより示されたものより短いリニア型 15 日タイプ肥料が適当である 主に硬質小麦においてタンパク質含有率を高めるには 越冬後の生育量が適正量確保されている場合には追肥時期を 2 週間程度遅らせることが有効である 長野県農業試験場 8

機関名 ( 地独 ) 北海道立総合研究機構農業研究本部 部署名 企画調整部企画課 記入者氏名 山崎敬之 電話番号 0123-89-2587 e-mail central-agri@hro.or.jp レーザー式生育センサを活用した秋まき小麦に対する可変追肥技術 レーザー式の生育センサを使って秋まき小麦の生育を判断し 自動的に追肥を行うシステムを国内で初めて開発し 実証試験においてその効果を明らかにした トラクタキャビン上部に取り付ける 2 つの生育センサ センサの値に基づき追肥量を計算するセンサ端末 車速を計測したり生育マップの作成に使用する GPS で構成される 装置は市販の電子制御式の施肥機端末に接続でき 走行するだけで生育診断と同時に生育に応じた追肥が可能となる 生育センサはレーザーを利用した非接触型で 出力値から生育時期や地域を問わず小麦の窒素吸収量を推定できる また 光源を備えた能動型であるため 太陽光を利用した受動型よりも日射や時間の変化に対して安定している 小型なためトラクタへの付け替えも容易である 小麦の圃場内における品質や倒伏のバラツキを軽減して生産安定化を図ることが期待される 無 可変施肥システムは十勝農業試験場 北海道大学 株式会社トプコンとの共同研究で開発し 2012 年より市販が開始されている 十勝農業試験場 北海道大学 株式会社トプコン 1

機関名 福井県農業試験場 部署名 福井県食品加工研究所 記入者氏名 小林恭一 電話番号 0776-61-3539 e-mail kyoichi_kobayashi@fklab.fukui.fukui.jp ファイバースノウ を用いたビール醸造技術 ファイバースノウでビールを醸造する場合は 麦芽の根の長さを粒長の 2 倍程度 ( 通常は 1.5 倍 ) 葉芽は 3/4~4/4 にすることにより 麦汁のろ過もスムースに進み クリアな麦汁をつくることができる また 麦芽を糖化して麦汁をつくるときに 50 以下で 30 分程度保持してから糖化することで クリアな麦汁を得ることができる このビールは通常よりも約 10 倍の β グルカンを含む 六条大麦の用途開発 六条大麦を用いたビール醸造 無 福井県内企業 2 社で製造実施 福井県食品加工研究所 平成 23 年実用化技術掲載先 : 福井県農業情報ポータルサイトアグリネットアドレス :http://www.agri-net.pref.fukui.lg.jp/shiken/hukyu/h23.html 2

機関名 佐賀県農業試験研究センター 部署名 作物部 記入者氏名 広田雄二 電話番号 0952-45-8807 e-mail nougyoushikensenta@pref.saga.lg.jp 麦不耕起播種における除草剤抵抗性スズメノテッポウの総合防除 スズメノテッポウでトリフルラリンとフェンスルフロンメチルに抵抗性を持ったバイオタイプが出現し それがまん延した圃場では除草剤だけによる対策は困難である 麦播種前に土壌表層近くから発生したスズメノテッポウを非選択制除草剤で防除し 不耕起播種で下層にある種子を表層に移動させないことで 播種後の発生本数を低減させる 播種時期を 12 月上中旬まで遅らせると 播種後の発生量が軽減する 播種時のスズメノテッポウを防除する非選択制除草剤と 播種後の発生に対する土壌処理剤を混用散布することで 1 回の散布で 2 回散布と同等の効果が得られる スズメノテッポウにおいてトリフルラリンかフェンスルスロンメチル あるいは両方に対して抵抗性を持ったバイオタイプが発生し まん延した圃場に活用される なし 浅耕を組み入れた方法 ( 福岡県農業総合試験場筑後分場 ) は普及しているが 不耕起による防除は普及していない 九州沖縄農業研究センター 福岡県農業総合試験場筑後分場 佐賀県農業試験研究センター 日本植物調節剤研究協会福岡試験地 3

機関名 長野県農業試験場 部署名 作物部 記入者氏名 青木政晴 電話番号 026-246-9783 e-mail aoki-masaharu@pref.nagano.lg.jp 麦作におけるヤグルマギクの防除法 (1) ヤグルマギクの最大ロゼット径 5cm までにアクチノール乳剤を 200ml/10a 残草がある場合にはバサグラン液剤を 200ml/10a 茎葉処理する (2) ヤグルマギクは 年内に 9~10 割が発芽して生存個体数の盛期に達するため 防除適期は年内である (3) 麦収穫後に湛水管理を 2 ケ月間継続することにより ヤグルマギクの埋土種子量を大幅に減少できる (4) 麦の播種期を晩期に移動すると ヤグルマギクの発生を大幅に減少できる の連作等により発生が増加しているヤグルマギクを防除し 麦の生産安定が期待される 無し 長野県内 2 地域 ( 中信 南信 ) の 20~30a 数圃場で 除草剤による防除対策が実施されている 今後は耕種的防除を組合せた体系防除を適用する予定 長野県では 平成 26 年に難防除畑雑草防除対策プロジェクトチーム ( 研究 普及 行政 JA 他関係機関 農薬メーカーで構成 ) を立ち上げ 国レベルの専門機関 ( 中央農研センター 信州大 植調協会 ) の支援のもと 畑雑草対策に関する組織的な取組みを開始した この中で ヤグルマギク対策を重点課題としている 長野県農業試験場 4

機関名 広島県立総合技術研究所農業技術センター 部署名 栽培技術研究部 記入者氏名 前田光裕 電話番号 082-429-3066 e-mail ngcsaibai@pref.hiroshima.lg.jp 小麦 キヌヒメ の栽培における被覆尿素肥料の全量基肥播種溝施用技術 小麦 キヌヒメ の栽培において, シグモイド型 30 日タイプの被覆尿素肥料 LP コート S30 を窒素量 13~16kg/10a 全量基肥播種溝施用すると, 速効性肥料 13~ 16kg/10a を 3~4 回に分けて施用する慣行分施と比較して, 成熟期は同時期からやや遅く 稈長は長いが倒伏の発生は同程度で 穂数と千粒重は増加し 収量は多くなる 検査等級および子実蛋白含有率は同程度である 小麦栽培における施肥播種作業時に活用する 最大 4 回の追肥作業が不要となり, 収量が 1.2 倍以上となることから収益が増加する 無 平成 25 年播種東広島市 :1 集落法人 5.3ha, 北広島町 2 集落法人等約 19ha 広島県立総合技術研究所農業技術センター 5

平成 26 年度広島県立総合技術研究所農業技術センター研究成果情報集 Ⅱ 技術指導に参考となる成果 10. 小麦 キヌヒメ の栽培における被覆尿素肥料の 全量基肥播種溝施用技術 1. 背景とねらい小麦栽培では, 生産者の高齢化やオペレーターの不足が進んでおり, 速効性肥料を用いると 1 作で 3 回以上必要となる追肥作業の労力負担が大きく, 改善が求められています そこで, 被覆尿素肥料を用いて, 追肥作業が不要で安定多収が可能となる全量基肥播種溝施用技術を開発します 2. 成果の内容小麦 キヌヒメ の栽培において, 窒素量 13~16kg/10a のシグモイド型 30 日タイプの被覆尿素肥料 LP コート S30( 以下,LPS30 とする ) を全量基肥播種溝施用し, 速効性肥料 13~16kg/10a を 3~4 回に分けて施用する慣行分施と比較しました 1) LPS30 の麦作期間中の窒素の溶出率は,2 月中旬までは低いが, それ以降急激に高くなり,4 月中旬から 5 月上旬にかけて低下します 6 月中旬の窒素残存率は 4% 以下で, ほとんどが溶出します ( 図 1) 2) 茎数は慣行の 3 回分施に比べて 1 月中旬まで同程度で,3 月上旬以降は多く推移します 葉色値は1 月中旬まで同程度ですが,3 月上旬以降は高く,5 月上旬以降は低く推移します ( 図 2) 3) 成熟期は同時期からやや遅く, 稈長が長いが倒伏の発生は同程度です ( 表 1) 4) 収量は穂数と千粒重が増加し多くなります 検査等級および子実蛋白含有率は同程度です ( 表 1) 3. 利用上の留意点 1) 本成果は, 農業技術センターおよび現地とも埴壌土の水田圃場に由来しており, 総窒素量は, 土壌の肥沃度に応じて調節してください 2) LPS30 が播種溝に落下するように施肥播種機の誘導パイプの位置をダブルディスク内に変更してください ( 栽培技術研究部 ) - 19-6

平成 26 年度広島県立総合技術研究所農業技術センター研究成果情報集 Ⅱ 技術指導に参考となる成果 4. 具体的データ 累積窒素溶出率 ( % ) 100 80 60 40 20 0 センター 2011 年産法人 B 2013 年産 11/1 12/1 1/1 2/1 3/1 4/1 5/1 6/1 7/1 日付け ( 月 / 日 ) 1000 茎数 800 ( 600 本 / 400 m2 200 ) 0 葉色 ( S P A D ) 55 45 35 12/10 12/30 1/19 2/8 2/28 3/20 4/9 4/29 5/19 日付け ( 月 / 日 ) LPS30 慣行分施 LPS30 慣行分施 図 1 肥効型調節肥料 LPS30 の窒素溶出の推移 注 ) LPS30 は麦栽培圃場の土中に深さ約 3 cmで埋設した 図 2 茎数および葉色の推移 注 ) 2013 年産の法人 B( 表 1 を参照 ) のデータを示した 表 1 被覆尿素肥料 LPS30 の全量基肥播種溝施用が小麦の生育, 収量および品質に及ぼす影響 調査場所 成熟稈長倒伏精子同左穂数千粒検査子実粒数年産処理区施肥体系期程度実重比率重等級蛋白 (kgn/10a) ( 月 / 日 ) (cm) (0~5) (kg/10a) (%) ( 本 / m2 ) ( 粒 / 穂 ) ( 百粒 / m2 ) (g) (%) 農業技術 2010 LPS30 16-0-0-0-0 6/13 * 89 ** 0 701 ** 122 553 ** 29 ** 163 ** 43.1 ** 1 上 9.6 ns センター慣行分施 6-2-2-2-4 6/12 84 0 575 100 439 31 138 41.7 1 中 9.5 2011 LPS30 16-0-0-0-0 6/16 ns 85 * 0.2 585 * 126 470 30 ns 142 * 41.3 ** 1 中 10.4 ns 慣行分施 6-2-2-2-4 6/16 81 0.1 463 100 432 27 117 39.5 1 下 10.5 法人 A 2013 LPS30 13-0-0-0-0 6/17 ns 95 ** 0 633 * 129 508 ** 29 147 * 42.9 ** 1 上 9.5 ns 慣行分施 7-0-2-2-2 6/16 85 0 491 100 411 31 126 38.9 1 下 9.2 法人 B 2013 LPS30 13-0-0-0-0 6/18 ** 81 ** 0 528 ** 121 468 28 * 129 ns 41.0 ** 1 中 11.0 ** 慣行分施 7-0-2-2-2 6/21 68 0 435 100 403 31 123 35.4 1 下 10.4 法人 C 2013 LPS30 13-0-0-0-0 6/17 ** 85 ** 0 645 ** 155 596 ** 27 ns 159 ** 40.5 * 1 中 10.8 ns 慣行分施 7-0-2-2-2 6/15 77 0 416 100 414 26 107 38.8 1 中 11.3 注 1) 調査場所は, 農技センターが東広島市で標高 224m, 法人 A,B および C は北広島町の集落農場型農業生産法人で標高 290~330m である 注 2) 栽培法は,2011 年産の不耕起ドリル播以外は耕起ドリル播で, 供試品種は キヌヒメ である 注 3) 播種期は, 農業技術センターが 11 月上 中旬, 法人 A,B および C が 10 月下旬から 11 月上旬である 注 4) 施肥体系は, 基肥 - 追肥 Ⅰ(1 月下旬 )- 追肥 Ⅱ(3 月上旬 )- 追肥 Ⅲ(4 月上旬 )- 追肥 Ⅳ(5 月上旬 ) である 注 5) 肥料は,LPS30 区が LPS30 を播種時に播種溝に全量施用し, 慣行分施区が基肥, 追肥とも硫安を表層全面に施用した 燐酸と加里は, それぞれ 7.0~7.3kg/10a,7.0~9.6kg/10a を播種時に表層全面に施用した 注 6) 法人 B の慣行分施区は, 遅れ穂の成熟が特に遅かったため, 成熟期が LPS30 区より遅くなった 注 7) 倒伏程度は,0( 無 )~5( 甚 ) の 6 段階評価とした 注 8) 検査等級は広島県 JA 農産物検査協議会に調査を依頼し, 各等級を上 中 下に区分した 注 9) **, *, は t 検定によりそれぞれ 1%,5%,10% 水準で有意差があることを,ns は有意差がないことを示す ( n=3) - 20-7

機関名 長野県農業試験場 部署名 環境部 記入者氏名 上原敬義 電話番号 026-246-2411 e-mail uehara-takayoshi@pref.nagano.lg.jp 分類コード B - 3 小麦における肥効調節型肥料を用いた追肥全量 1 回施肥法 リニア型 15 日タイプの肥効調節型肥料 ( セラコート R15) と速効性窒素肥料を窒素量で 1:1 に配合した肥料を越冬後に追肥する施肥法は 2 回目の追肥を省略しても慣行の 2 回の追肥と同等の収量 品質が得られる省力的な施肥法である 肥効調節型肥料を追肥で施用すると 肥料が地表面に施肥されて水分状態により窒素溶出が遅れるため 緩効度は溶出シミュレーションにより示されたものより短いリニア型 15 日タイプ肥料が適当である 主に硬質小麦においてタンパク質含有率を高めるには 越冬後の生育量が適正量確保されている場合には追肥時期を 2 週間程度遅らせることが有効である 小麦栽培において省力施肥に用いる ただし 硬質小麦において越冬後の生育量が少なく減収が懸念される場合には 収量確保を優先させて通常の 1 回目の追肥時期に施肥する また 越冬後の生育量が過剰の場合は生育量の抑制 倒伏の防止のため追肥を遅らせるが 著しく過剰な場合は従来の追肥 (2 回の分肥 ) を実施する また 追肥を遅らせても所定のタンパク質含有率の確保が難しい地域 圃場でも従来の 2 回の追肥を実施する 無 普及面積約 700ha 長野県農業試験場 当施肥法に利用可能な専用肥料は JA 全農長野から販売されている 8