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2017/12/4 涙道診療オールインワン形成外科的アプローチ 鹿嶋友敬 涙の発生 涙腺 主涙腺 眼窩外上方に存在 数本の開口部がある 副涙腺 Krause 腺と Wolfring 腺 Krause 腺 円蓋部に近いところ Wolfring 腺 瞼板に近いところ 涙液分泌量 1-2μl/ 分 結膜嚢内の涙液量は 7μl 最大保持量 30μl 点眼剤の適正使用 ハンドブック -Q&A- 日本眼科医会監修 新前橋かしま眼科形成外科 院長 帝京大 ( 東京 ) 非常勤講師 群馬大 ( 前橋 ) 非常勤講師 5 分で入れ替わり 涙腺摘出 涙小管の役割 サルの片側の主涙腺摘出 術後どの程度涙液が変化するか調査 Maitchouk DY et al. Arch Ophthalmol. 2000 Feb;118(2):246-52. Tear production after unilateral removal of the main lacrimal gland in squirrel monkeys. 涙道におけるメインポンプ機能 瞬目時に眼輪筋の一部である Horner 筋が動く 涙腺摘出後の涙液分泌量の変化 Horner 筋に隣接する涙小管がポンプのように動 80 70 68 67 く 60 50 副涙腺からの涙液分泌 内腔が陰圧になり 眼表面から涙液を吸い出す 40 30 20 10 20 10 35 16 で 70% 程度まで回復可 涙嚢へ押し出す 0 1 週目 3 週目 20 週目 基礎分泌 刺激分泌 開閉瞼時の涙小管の動き 涙嚢の役割 涙嚢も瞬目にともなって伸び縮みする これが二つ目の導涙機能となっている 涙嚢周囲にはMALT 類似の免疫組織がある Ophthalmologe. 2008 Apr;105(4):339-45. Ophthalmologe. 2002 Jul;99(7):566-74. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2001 Mar;42(3):566-74. Hirohiko Kakizaki, et al. Ophthalmology. 2005 Apr;112(4):710-6. Virchows Arch. 2000 Aug;437(2):185-9. 涙嚢内部は皺壁を形成し 涙液への接触面積を増やしている 内腔面積が広がることで排出時間を遅くし 貯留した涙液への免疫作用を効果的にする 涙液の再吸収機能は少し 1

2017/12/4 鼻涙管の機能 涙嚢と鼻涙管の微細構造 鼻涙管壁にある海綿状血管による涙液の再吸収機能 Ayub M et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2003 鼻腔内からの逆行性感染ブロック Ayub M et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2003 神経支配を介した管壁の肥厚 菲薄化 Mito H et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014 Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 1998 Sep;236(9):674-8. Thale A et al. 眼瞼外反 兎眼症 顔面神経麻痺 甲状腺眼症 眼瞼手術 眼瞼下垂の手術前後の涙液メニスカスを計測 78% にメニスカスの低下がみられた Watanabe A et al. Cornea. 2014 Jan;33(1):14-7. 結膜の異常 眼瞼の異常 涙液の異常 結膜弛緩症 結膜腫瘍 結膜びらん ドライアイ 涙液の分泌 排出 顔面神経麻痺 甲状腺眼症 顔面神経麻痺は 眼輪筋が動かなくなるため 兎眼をきたす疾患である 動眼神経は正常であるため開瞼は正常だが 閉瞼困難である 痙性低下から 下眼瞼外反となる 眼瞼外反涙が溜まる 眼瞼と眼球がアンバランス化し Horner s muscle が機能的に動かなくなる 眼輪筋麻痺 ポンプ消失 流涙症 兎眼 角膜びらんと潰瘍 涙小管ポンプの破綻によって流涙になる 2

涙道治療オールワン!2018 確実な除痛を目指す局麻を考える 園田真也 1)2) 田松裕一 2) 1) 園田病院 2) 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経病学講座人体構造解剖学分野 涙道手術の際 患者の苦痛の軽減のみならず 安全 確実に処置加療するためにも適切な麻酔処置が不可欠である 涙道手術に用いられる局所麻酔法として 滑車下神経 眼窩下神経ブロックによる伝達麻酔 眼瞼皮膚 鼻粘膜への浸潤麻酔 その他に 涙道内の表面麻酔が挙げられる 当 IC では各麻酔法の特徴と 考慮すべき解剖学的構造物について 特に合併症の起こりやすい伝達麻酔について論説する 中鼻甲介 下鼻甲介 鼻粘膜を残して涙嚢周辺の骨を除去した標本 視神経 下垂体 前篩骨動脈付近 眼窩内組織を損傷する可能性 前篩骨動脈などを損傷することにより眼窩内出血を来すことも より後方の組織障害を起こしうる 頭蓋底 滑車上神経 ( 第一枝 ) 眼窩上神経 ( 第一枝 ) 滑車下神経 涙嚢分枝 伝達麻酔を定義すると 前篩骨孔 Atlas of Clinical and Surgical Orbital Anatomy 涙腺神経 頬骨神経 眼窩下神経 ( 第 2 枝 ) 周辺組織除去標本 刺入位置の解剖 水平部と垂直部の交差部後方に涙嚢の上部が存在 滑車下神経 滑車 上斜筋 内直筋 中鼻甲介 ( 一部除去 ) この裏に涙嚢 滑車下神経の涙嚢に入る枝 の約 10mm 後方に位置 涙嚢分枝 前篩骨神経ブロック時の針先と神経の位置関係 三叉神経第一枝 ( 眼神経 ) と眼瞼を残す眼窩内容除去標本 1

骨 血管の解剖 眼窩内で血管を損傷すると 前篩骨孔ここを前篩骨神経 前篩骨動脈が通る サル動脈標本 非常に血管の多い部位に穿刺することになる 眼球周囲麻酔後原因不明 ( 外傷?) 球後出血が起こる 眼瞼の腫脹と球結膜下出血が特徴 深さの検討 滑車上神経 ( 第一枝 ) 眼窩上神経 ( 第一枝 ) 26G(1/2 ) の針先 13mm の長さ 前篩骨孔 涙腺神経 滑車下神経 涙嚢分枝 伝達麻酔を定義すると 頬骨神経 眼窩下神経 ( 第 2 枝 ) 27G(3/4 ) の針先 19mm の長さ前篩骨動脈を損傷する可能性がある Atlas of Clinical and Surgical Orbital Anatomy 皮膚を残した標本刺入位置は えくぼ状のくぼみから垂直に刺入 前篩骨動脈 眼角動脈 血管の多い組織を描出する画像 大血管を描出 歯科用印象材注入標本 (2cc 使用 ) 注入範囲に注目 前篩骨神経 2

解剖標本をごらんになった上で 理論を知っていただいた上での実戦です 1 滑車下ブロックの実際 2 局所麻酔下 DCR 鼻内法における術中所見 ( オーソドックスなノミ使用の術式 完全に無痛とは言えないので痛がるポイントを供覧 ) 動画供覧いたします 安全で効果的な手術のため 確実な麻酔は不可欠である 眼窩内麻酔で完全なリスク回避は不可能である ( 球後出血など ) 眼窩の 3 次元的構造をイメージした適切な麻酔手技をマスターすべきである ご清聴ありがとうございました 涙嚢鼻腔吻合術 ; DCR vs 涙道内視鏡チューブ挿入術 ; NLDI ーそれぞれの手術の逆説的検討ー DCR 鼻外法の必要性 狭鼻腔例 鼻内法では鼻内操作が難しい 特に鼻内法初心者 総涙小管閉塞症例 アプローチがしやすい 公立八女総合病院 鶴丸 修士 眼科 抗凝固薬内服症例 鼻内での出血への対処がしにくい 実際は 当科における最近一年の傾向 鼻外法の問題究極は手術時間 狭鼻腔例 ( コンバートの可能性説明の上 ) 何とかすべて鼻内法で施行 Double flap suture 涙嚢前弁と鼻粘膜の縫合 + 涙嚢後弁と鼻粘膜の縫合 総涙小管閉塞症例 涙道内視鏡チューブ挿入術 (NLDI) で成功率 100% 抗凝固剤内服 ( コンバートの可能性説明の上 ) 全身麻酔での血圧コントロール 後弁の作成が深い位置の場合 手術操作でフラップが断裂 縫合困難 本当に必要?? そもそも縫うのが面倒 3

Average operation time 文献より Success rate 文献より Conventional X-DCR; 従来の手術 (double flap) 78 min 56.2 min (range, 42.3-82.7) Conventional X-DCR 97.6% 93.75% Modified X-DCR; Flap 縫合を工夫した手術 36.48±4.72 min (range, 28-52) 34.1min (range, 25-45) 34±8.2 min 28.6 min (range, 23-44) 従来の手術より時間短縮 Modified X-DCR 92.3-89.3% 94.2% 96.67% 成績は変わらない 必要な場合は限られるが 初期の手術の導入 コンバートの可能性 初心者は必須 小児のDCR 万が一の出血への対処 最も重要なのは 涙小管断裂症例への対処としての手術操作 動画 今後手術時間の短縮も 涙道内視鏡チューブ挿入術 (NLDI) の必要性 当科としての今までの成績 術後 700 日の survival rate 総涙小管 100% 総涙小管閉塞 + 鼻涙管閉塞 65.5% 広範型鼻涙管閉塞 30.5% 限局型鼻涙管閉塞 89.9% Telephone survey による Renewal result NLDI の問題点施設間 施行者での成績の違い 慈恵 術後 1 年 後藤聡先生の成績は 総涙小管閉塞 + 鼻涙管閉塞 再閉塞 5% 鼻涙管系の再閉塞 5% 当科の成績が悪い可能性 丁寧さが違う?? 鼻内法の必要性 鼻外法と同等程度に鼻内法は成績が向上した 技術的にラーニングカーブがある 鼻外法を超えることは不可能 創部の問題 対して鼻外法は 縫合閉鎖のスペシャリストなら傷は 無くなる!? 局麻ですべて対処可能 導入しやすく ラーニングカーブも明らかに早い DEP. SEP,SGI からの変革 白内障がそうであったように!? slow surgery の時代 4

鼻内法成功への key words?? Asian endonasal DCR Marsupialization 骨窓を大きく作る必要性 内総涙点の高さまで上顎骨を切除 上顎骨が厚いため 技術的にアプローチが困難 手術時間 操作技術 ( ケリソン 骨ノミの場合 ) で問題あり 術後ステントとしてのチューブ挿入の有無 本当に必要か 画像 CT 画像 術前 術後 ( 再発症例 ) 動画 手術動画 上顎骨が厚い症例 薄い症例の違い 結論 鼻内法は当然必要だが アジア人での困難さ 実際の手術で high sac と感じる場合は特に困難 まとめ NLDI 成功率がまだばらばら 手術手技に差異がある可能性があり更なる検討 DCR 鼻外法 成功率は問題ないが時間がかかる 時間短縮 フラップ作成の更なる検討 今後は術式の工夫など さらに検討が必要 DCR 鼻内法 アジア人の上顎骨の問題 手術手技 成績のさらなる検討 5

第 41 回日本眼科手術学会インストラクションコース涙道診療オールインワン! 先天鼻涙管閉塞の治療 京大眼科藤本雅大 診断 病歴 色素消失試験 前眼部検査 - 涙液排出機能の検査 - 感度 90% 特異度 100% - 涙点の確認 - 内反症 先天緑内障 角結膜炎などの除外 涙管通水検査 McEwen CJ. J Pediatr Ophthalmol Strabismus. 1991. - 必須の検査ではない 先天涙嚢ヘルニア 症例 : 11 ヵ月女児 Rubinstein-Taybi Syndrome の 1 例 骨性閉塞の可能性 治療方針を決めるために CT が必要 見極めのポイント 生下時からの暗赤色腫瘤 時に眼球偏位 涙嚢部圧迫での貯留物逆流 (-) 副鼻腔 CT 現在の治療時期 治療方法に関する傾向 先天鼻涙管閉塞解放術 ( 全国年間件数 ) 欧米 1 年間は経過観察 自然治癒しなければ全身麻酔下で鼻内視鏡とプローブにより手術を行う 25000 20000 15000 アジア圏 局所麻酔下での手術が好まれる傾向 特に日本では涙道内視鏡の発展が特徴 10000 5000 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 治療方針の転換により手術件数は半分以下へ

鼻涙管の角度 他院での開放術失敗例での涙道内視鏡所見 腹側 耳側 鼻側 無理やり進めると 鼻涙管の構造 耳側 他院での開放術失敗例での涙道内視鏡所見 腹側 鼻側 無理矢理進めると 鼻側 耳側 鼻内視鏡による観察 盲目的なプロービングの限界 吸引管 下鼻甲介 涙道内視鏡 鼻涙管遠位端部の鼻粘膜 - 鼻涙管は必ずしもまっすぐではない - 若干背側へ傾いていたり 若干曲がっていたり 強い抵抗がある場合涙道内視鏡の使用をおすすめします! 仮道の形成 15% との報告も MacEwen CJ. Ophthalmol. 2001. プローブがスムーズにすすまない場合は無理をしない