さて 今現在は年金を貰うのに必要な期間は原則 25 年間です つまり この 25 年間に 1 ヶ月でも足りなければ 1 円も年金は出ないシステムです 注意 : 原則 25 年以上無くても いくつかの特例により年金を貰える人もいます 例えば昭和 28 年 4 月 2 日生まれの人であれば厚生年金期間の

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第14章 国民年金 

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

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無年金・低年金の状況等について

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

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2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

12 ページ, 図表 ,930 円 保険料納付済月数 + 全額免除月数 1/2+4 分の 3 免除月数 5/8+ 半額免除月数 3/4+4 分の 1 免除月数 7/8 ( 出所 ) 厚生労働省 老齢年金ガイド平成 2730 年度版 より筆者作成 40 年 ( 加入可能年数

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介護保険制度 介護保険料に関する Q&A 御前崎市高齢者支援課 平成 30 年 12 月 vol.1

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

国民年金

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

1

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

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退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

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年金の成り立ち(歴史)

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Web 版 Vol.69( 通巻 714 号 ) 図表 1 年金生活者支援給付金の概要 高齢者への給付金 ( 老齢年金生活者支援給付金 ) 何回かご覧になっている資料だと思いますので 支給要件 や 保険料納付済期間に基づく給付額 など制度の概要 ( 基本的事項 ) につ

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

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平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワーク

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

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所得税算出の流れ Q&A 通信の所得税の流れを詳しく教えてください 改めて以下の図版を見てください は収入から引かれる金額です 引かれる金 額の算出の計算方法をこれから解説します 1 支払金額 ( 給料 賞与 ) 2 給与所得控除後の金額 A 給与所得 所得税算出の流れ B 課税所得 D 所得税 E

Microsoft Word - (差替)170620_【総務部_厚生課_櫻井望恵】論文原稿

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

強制加入被保険者(法7) ケース1

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

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被用者年金一元化法

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一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

平成25年4月から9月までの年金額は

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

31 Vol.105 わかりいただけたと思います では 地方公務員の皆さんが老後に受け取る年金はどのようなものでしょうか 図2 をご覧ください 共済年金制度から 退職共済年金 国民年金制度から 老齢基礎年金 と 二つの年金がそれぞれ共済組合と日本年金機構から支給されます 退職共済年金は 共済年金を含

「公的年金からの特別徴収《Q&A

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

第 9 回社会保障審議会年金部会平成 2 0 年 6 月 1 9 日 資料 1-4 現行制度の仕組み 趣旨 国民年金保険料の免除制度について 現行制度においては 保険料を納付することが経済的に困難な被保険者のために 被保険者からの申請に基づいて 社会保険庁長官が承認したときに保険料の納付義務を免除す

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資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

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障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

平成19年度税制改正.xls

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第1章

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( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

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強制加入被保険者(法7) ケース1

しくみ2 厚生年金は基礎年金に上乗せ 厚生年金保険が適用されている事業所に勤めるサラリーマン等は 国民年金と厚生年金保険の2つの年金制度に加入することになります 厚生年金保険から支給される年金は 加入期間とその間の平均収入に応じて計算される報酬比例の年金となっていて 次のように基礎年金に上乗せするか

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

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スライド 1

厚生年金 健康保険の強制適用となる者の推計 粗い推計 民間給与実態統計調査 ( 平成 22 年 ) 国税庁 5,479 万人 ( 年間平均 ) 厚生年金 健康保険の強制被保険者の可能性が高い者の総数は 5,479 万人 - 約 681 万人 - 約 120 万人 = 約 4,678 万人 従業員五人

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退職後の健康保険制度について 退職後は 以下の3つの選択肢の中からご自分が加入する制度を選ぶことになります 必ずしもヤマトグルー プ健康保険組合の任意継続に加入する必要はありません 月々の保険料や加入条件等をよく比較して ご自身に 合った健康保険を選択してください A ご家族の扶養に入る B 国民健

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第9章 国民年金制度について

2/5 ヘ ーシ Q1. 年金通算とは何ですか? A. これまで各企業や基金では 加入者の老後の安定の一助となるよう さまざまな年金制度をつくり運営してきました しかし 従来の終身雇用を前提とした制度では 現代のライフスタイルに対応することが難しくなってきています 転職など雇用の流動化に対応し これ

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社会保障 国民年金 問題 第 3 号被保険者とは 性別を問わず 第 2 号被保険者 ( 厚生年金保険の被保険者及び各共済組合等の組合員 加入者 ) の被扶養配偶者であって 20 歳以上 60 歳未満の者である 2 第 1 号被保険者の場合は 日本国内に住所を有する必要があるが 第 2 号

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1. はじめに 自ら変わります 社会保険庁を変えます 社会保険庁ホームページ : 社会保険庁改革リスタートプラン より やるき化 プロジェクト あたりまえ化プロジェクト 見える化 プロジェクト きれい化 プロジェクト 2007/4/14 Copyright


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国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

Transcription:

年金が 最低 10 年加入 に短縮へ 専門家が分析した衝撃の受給額 まぐまぐニュース! 2016.09.28 無年金者対策として 年金受給資格期間をこれまでの 25 年から 10 年に短縮する法案が先日閣議決定されました これにより 64 万人が新たに受給資格を得ることになるのですが 一体月額にしてどれくらいの年金を受け取ることができるようになるのでしょうか そしてその財源は? 決して分かりやすいとは言えない年金のあれこれを 無料メルマガ 年金アドバイザーが教える! 楽しく学ぶ公的年金講座 の著者 hiroki さんがわかりやすく解説してくださいました 年金受給資格の加入期間が 25 年から 10 年に短縮へ 一体どういう事? 9 月 26 日に 平成 29 年 9 月分から年金受給資格期間が 25 年以上なくても 10 年以上で 受給資格が得られるようになるという事が閣議決定されました 施行日は平成 29 年 8 月 1 日 8 月 1 日に受給権発生だから 翌 9 月分から年金が発生します 年金というのは受給権発生月分の年金は貰えません だから初回支払いは平成 29 年 10 月 から まず 9 月分の 1 ヶ月分を その後は偶数月に前 2 ヶ月分を支払う 12 月なら 10 11 月分の年金支給 この年金受給資格期間を 10 年に短縮というのは 平成 24 年 8 月に成立した年金機能強化 法により実施される事が決まったものです 年金機能強化法は 少子高齢化が進む中でも年金が生活の機能を果たせるようにという事 でできた法律 消費税を上げて社会保障への財源に充てる事で実施されるものでした で 受給資格期間が 10 年に短縮 について 元々は平成 27 年 10 月に消費税率を 10% までアップする事を条件に 10 年以上に短縮される事になっていましたが 消費税 10% アップが平成 29 年 4 月に再延期され 更にまたも消費税アップが平成 31 年 10 月まで再々延期された事で また年金も延ばされるのかと思われましたが 平成 29 年 9 月分からの支給という事になりました 消費税という財源を確保出来ない中での 年金受給資格期間 10 年への短縮 という訳です

さて 今現在は年金を貰うのに必要な期間は原則 25 年間です つまり この 25 年間に 1 ヶ月でも足りなければ 1 円も年金は出ないシステムです 注意 : 原則 25 年以上無くても いくつかの特例により年金を貰える人もいます 例えば昭和 28 年 4 月 2 日生まれの人であれば厚生年金期間のみ もしくは共済組合期間のみ または厚生年金期間と共済組合期間合わせて 22 年あれば年金を貰うための受給資格を満たします 知っておきたい カラ期間 の仕組み 25 年間という内訳は 未納期間は除いた期間です 未納期間が多くて 25 年間に足りなくて 年金が貰えない人を 10 年に短縮して貰えるようにするのが今回の改正の目的 これにより年金機能強化法が議論され始めた平成 19 年当初 無年金者が 118 万人も居ると推定されていた内 65 歳以上で無年金者の人は 42 万人も居て その 42 万人の内 17 万人が期間短縮により年金が貰えるようになると試算されています つまり普通は 65 歳になれば年金 ( 老齢基礎年金 ) が支給されるものなんですが それすら支給されていないんですね 25 年に足りなくて 老齢基礎年金を貰う資格が無いって事は 当然 厚生年金とかも貰えていないって事です 118 万人というのは 60 歳未満の人も含んだ数字ですが つまりそういう人が年金保険料を 納める事ができる最高の 70 歳まで納めたとしても 25 年の年金受給資格期間を満たせない 人達の数字です その期間を 10 年に短縮する事で 年金の受給資格が得られる人は 64 万人と推計されてい るようです 必要な予算は 650 億円との事 さて 国民年金が出来たのは昭和 36 年 4 月 1 日からで 20 歳から 60 歳までの人は強制加 入となりました そして 最低 25 年間の年金加入期間がある人に年金を支給しようという 事になりました 25 年間というのは 民間企業の厚生年金期間とか公務員の共済組合期間 自営業の人等が 納める国民年金保険料納付期間 国民年金保険料を免除した期間と そして カラ期間を 合わせた期間が 25 年以上ある必要があるという事です 国民年金保険料をちゃんと納めた期間や厚生年金保険料を納めた期間等は保険料納付済期

間といいます ちなみにカラ期間というのは 例えば年金が大改正されて昭和 61 年 4 月 1 日以降は国民年 金に誰もが強制加入になりました 昭和 61 年 3 月以前は国民年金に強制的に加入しなくて もいい人がいました 厚生年金とか共済組合に加入している人の配偶者のような人 ( 専業主婦とか ) は 国民年 金保険料を納める必要はなかったのです つまりこういう配偶者は国民年金に加入しても しなくてもよかったということ 昭和 61 年 3 月まで国民年金に加入して居なかった人は 昭和 61 年 4 月からいきなり強制加入と言われても期間が足りなくて年金を貰えない場合も出てくるので 国民年金に加入していなかった昭和 61 年 3 月までの専業主婦 ( 主夫 ) だった期間も 25 年に加えよう というのがカラ期間です カラ期間というのは年金受給資格に必要な原則 25 年の期間にプラスするだけの期間で 年 金額に反映しないからカラ ( 空 ) 期間と呼ばれています あと 20 歳から 60 歳までの海外に在住していたけど国民年金に加入せず 国民年金保険料 を支払わなかった期間なんかもカラ期間となります この海外に在住して国民年金に加入 しなかった期間は 今現在も海外在住してる間もカラ期間として扱われます ならば 年金保険料は 10 年だけ支払えばいいということになるのか? 25 年間が 10 年に短縮されるわけですが この 10 年という期間は何もすべて保険料を完璧 に納める期間ではありません 保険料納付済期間 + 保険料免除期間 + カラ期間 10 年であれば足ります でも 10 年になったからって じゃあ 10 年間 年金保険料を納めたりした期間があるか ら それ以上は保険料を納める必要はない ということなんでしょうか? 年金受給資格を得るのは 10 年で OK にはなりますが 20 歳から 60 歳までは誰もが国民年 金に強制加入して年金保険料を納めなければならない事は今までと変わりありません まあ 国民年金は保険料を支払うのが困難な場合は保険料免除にする事も出来ますが 厚

生年金に加入している人は強制的に厚生年金保険料が給与から徴収されます そして 20 歳から 60 歳までの厚生年金に加入してる人や共済組合に加入してた期間というのは 実は国民年金にも加入しています イメージとしては 一階部分に国民年金があり その上の二階部分に厚生年金が乗っかっているイメージです この場合 厚生年金保険料と国民年金保険料を二重に支払っているわけではなく 厚生年金保険料の中に国民年金分も含まれています だから 厚生年金に加入してた人は将来 国民年金から老齢基礎年金が支給されますし 厚生年金から老齢厚生年金が支給されるんですね 10 年に短縮 で受給資格を得た人の年金額はいくらか? ところで 今まで 25 年必要だったのが 10 年になった場合の年金額を見てみましょう 今は例えば原則 25 年以上の期間がある人は 65 歳からは老齢基礎年金が貰えます 20 歳から 60 歳までの 40 年間は国民年金に強制加入だから 仮に 40 年間 (480 ヶ月 ) 完 璧に国民年金保険料を納めている人であれば 国民年金から老齢基礎年金が年額 780,100 円 ( 月額 65,008 円 ) 支給されます じゃあ 25 年間 (300 ヶ月 ) 納めた人はいくらになるのか 満額の老齢基礎年金が 780,100 円なので 780,100 円 480 ヶ月 300 ヶ月 =487,562 円 ( 月 額 40,630 円 ) そして 10 年だけの人だとどうなるか 780,100 円 480 ヶ月 120 ヶ月 =195,025 円 ( 月額 16,252 円 ) となり とても低額な年金 になります とてもじゃないですが 生活できる年金額じゃありません 満額の老齢基礎 年金月額 65,008 円でも生活は厳しいはずです だから 10 年に短縮されたからって安心してはいけません 仮にこの 10 年が国民年金保険料免除期間 ( 全額免除の場合 ) なら更に少なくなります 全 額免除期間であっても老齢基礎年金の半分は税金から支払われているので 780,100 円

480 ヶ月 120 ヶ月 2=97,512 円 ( 月額 8,126 円 ) の年金となります また 今の老齢厚生年金は 1 ヶ月でも厚生年金を納めていれば 65 歳から老齢厚生年金が支 給されます ただし これも原則の 25 年間の年金受給資格期間がある事が前提で なおかつ 厚生年金 期間が 1 ヶ月以上ある人でないと老齢基礎年金と合わせて老齢厚生年金は貰えないですが 全体で 10 年以上あればこの 1 ヶ月分の老齢厚生年金も貰える事になります ちなみに昭和 36 年 4 月 1 日以前生まれの男性 昭和 41 年 4 月 1 日以前生まれの女性は 生年月日により 65 歳前から老齢厚生年金を貰う事が出来ますが 65 歳前から老齢厚生年金を貰う場合は最低 1 年以上の厚生年金期間 ( 厚生年金期間と共済組合期間合わせて1 年以上でも良い ) と全体で 25 年以上の年金受給資格期間が必要でしたが 全体で 10 年に短縮される事により 65 歳前からの老齢厚生年金を貰う事も可能になります 厚生年金支給開始年齢 ( 日本年金機構 ) なお 過去に未納にした期間 ( 今なら過去最大 5 年まで遡って納められる ) がある場合 とりあえず 60 歳から最高 70 歳までは国民年金に任意に加入して保険料を納める事が出来ます ( 厚生年金加入中は不可 ) ただし 65 歳から 70 歳までは原則の 25 年以上 ( 来年の改正で 10 年以上 ) 足りない人のみ国民年金保険料を納める事が出来ます また 過去に国民年金保険料を免除にしている部分は 25 年以上や改正後の 10 年以上の期 間には含まれますが 過去最大 10 年以内の免除期間の保険料を支払って年金額を増やす事 が出来ます 少子高齢化の中 10 年に短縮 は正解なのか 先日の敬老の日にあった総務省統計局の発表によれば 65 歳以上の高齢者は 3,461 万人で 全人口の 27.3% になったそうです 高齢者の割合はまた上がりました 高いですね でもこれ 2050 年には 38.8% になり 2060 年からは 40% ちょっとでずっと推移していく見通しですから まだまだ高齢化率は上がります もうだいぶ昔からシミュレーションされてた事なんですけどね それを踏まえ 年金は様々な改正に追われてきました

2060 年の高齢者 40% になる頃 全人口約 8,500 万人のうち 3,400 万人が 65 歳以上人口に なり 2100 年には全人口が約 5,000 万人に対し 2,000 万人ちょっとが 65 歳以上人口とな ると推計されています 25 年から 10 年に短縮する事は重要だと言われてはいますが それよりも少子高齢化や雇用 の問題が遥かに重要ではないでしょうか 特に少子高齢化は年金問題に直結します 年金保険料は年金受給者の年金として支払われていますが その年金受給者を支える生産 年齢人口が減っていき 高齢者が今後もますます増える中で 10 年に短縮する事がそこま で重要な事だとはあまり思いません 従来なら 25 年以上に足りなくて年金が貰えなかった人が 10 年に短縮されることで年金が 貰えるようになり その 650 億円という財源を消費税に頼らないで支給されるわけですが この支給開始までまだ約 1 年間あるので 今後の動きに注目しましょう (^^;; 国民年金保険料 強制徴収拡大 ガゼェット通信 2016.09.28 国民年金法 88 条は 被保険者は 保険料を納付しなければならない と規定しています かつては 滞納保険料の強制徴収がほとんど行われていなかったせいか どこかの二重国籍の問題のように 納付は努力義務であって 法的義務ではないから滞納していても強制徴収されることはないという俗説がまかり通っていました しかし 88 条を見ても 納付が法的義務であることに疑いはありません また 87 条は 政府が保険料を徴収する旨を規定していますが これまで強制徴収をしてこなかったことは 政府の怠慢だといってもよいでしょう ところで 強制徴収は 現在年間所得 350 万円以上の滞納者に実施されているのですが 来年からその対象が年間所得 300 万円以上の滞納者に拡大されることになりました これは納付率が 60 パーセント程度とかなりの低水準であることから これを改善し高齢化社会に備えよう 公平性を貫こうというものでしょう ただ 保険料は月額一律で 16 260 円で年額だと 195,120 円になり年間所得 300 万円の 方々には大変な負担でしょうし 強制徴収となっても月額平均 15,000 円当時の総計が対象 となりますから やはり大変なことだと思います

会社に勤務しながらも 毎月の生活のために厚生年金に加入せず 国民年金の保険料も 支払わないという人が多いというのが社会の実情です しかも年金については いろいろな問題が発覚し 今の若い人が将来年金を受給できるかどうかわからない それならばタンス預金の方がよいと考えても あながちそれを非難することはできないと思います 国は 支給開始年齢を一方的に上げています 納付した保険料総額すら受給できないということもあり得る事態です そのような年金に対する不信感から納付率が下がるのか 納付率が悪いから年金に対する不信感が広がるのか 卵が先か鶏が先かのような話になってしまいますが 年金運用の杜撰さ いわゆる箱ものを造りすぎ 低価額売却による膨大な売買損の発生など 当時の年金関係者が身銭を切ってでもある程度補填しなければ 保険料は払わないぞというのも納得できない話ではないと思います 年金制度や保険料の納付は 高齢化社会を支えるためには必要不可欠であると思います が まずは被保険者の不安を払拭するような説明をし 制度設計をしてもらえないものか と思います