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§1 業務概要

平成23年度

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Transcription:

横断歩道橋の延命化を図る施工方法について ( 社 ) 静岡県土木施工管理技士会株式会社橋本組土木部課長鈴木健司 Kenji Suzuki 1. はじめに 本工事は 国道 1 号線 52 号線内に建設されている横断歩道橋に於いて 塗装劣化や鋼材の発錆などが進行し老朽化の見受けられる箇所の改修を行って 延命化を図ると共に利用者及び横断歩道橋下部通過車輌が安全で快適に通行利用できる事を目的とした改修工事である (1) 工事名平成 22 年度 1 号静岡地区横断歩道橋改修工事 (2) 発注者国土交通省静岡国道事務所 (3) 工事場所静岡市清水区辻 ~ 静岡市駿河区手越原 (4) 工期平成 22 年 8 月 5 日 ~ 平成 22 年 3 月 25 日 (5) 主要工種横断歩道橋 N=16 ( 国道 1 号線 14 橋 国道 52 号線 2 橋 ) 2. 現場における問題点 橋橋面舗装 橋面防水工 欠損部補修 ( カ ラス繊維強化フ ラスチックシート ) 塗装塗替 :16 橋 欠損部補修 ( あて板 ):11 橋 当初設計に於いて 横断歩道橋の通路地覆部 階段桁腹部及び蹴上部等に雤水が集まることによって 損傷を激しく受けることが確認されていた ( 着手前写真参照 ) 本工事では 鋼材の発錆を予防する目的で防錆保護材の吹付けを施工するほか その他にも階段蹴上げ部に FRP シート ( 紫外線硬化型 ) を設置するなど 横断歩道橋の延命化を図ることが設計思想となっていたため 防錆保護工の吹付け厚さを満足させること FRP シートを完全に硬化させ鋼材面に密着させること 橋面の雤水を滞水なく排水することなど 鋼材の発錆予防機能を強化することが更に必要であり 最重要項目であると考えた 着手前

設計補修図面と着手前近撮は下記のとおりである 通路断面図 防錆保護 階段断面図 防錆保護 階段部蹴上げ詳細図 紫外線硬化型 FRP シート

3. 対応策 工夫 効果 防錆保護工吹付に対しての対応策 工夫 1) 使用材料の品質管理について 改修を行う横断歩道橋は 16 橋となるため 工事施工区間は広範囲となった また 市街地 標高の高い場所 河川上等に横断歩道橋は建設されており 施工箇所での気候 温湿度の観測値が異なるのは当然のことである このことから 吹付材料 ( ポリマーセメントモルタル ) の高い防錆保護効果機能を低下させることのないよう 的確な混合比による材料の撹拌 一定時間の放置 再撹拌 一定時間の放置 手順を適正に管理すると共に 通常は最初の吹付時に 1 回の確認頻度となる J ロート試験を施工日毎に行なって品質管理に努めた 的確な材料の混合 撹拌 一定時間の放置 J ロート試験 2) 吹付作業時の出来形 品質確保について 横断歩道橋は風の影響を受けやすい現場環境であり 吹付作業中の防風対策が重要となる 吹付厚さにムラが生じないよう作業場所全体を防炎シート ビニールシートで覆うと共に 吹付作業回数を 2 回として出来形 品質不良の防止に努めた 防風対策シート設置 防錆保護材吹付作業 防錆保護工吹付に於ける 対応策 工夫に対しての効果 材料の混合及び吹付作業中に対して工夫を行った結果 吹付作業の施工性は常に良好となり 仕上げ面にムラやダレを発生させることがなく 出来形測定結果 ( アクリル板による吹付厚さの確認 ) もバラツキなく 十分に規格を満足することができた また ビニールシートで覆うことで粉塵等の飛散防止対策となり周辺環境への配慮が同時に行えた 出来形測定 ( アクリル板による吹付厚さの確認 ) 防錆保護材吹付完了 FRP シート ( 紫外線硬化型 ) 施工に対しての対応策 工夫

1) シート接着時の品質確保について FRP シートは ( ガラス繊維強化プラスチック ) 太陽光線に含まれる UV( 紫外線 ) により ゴムのように柔らかい状態から硬化して対象物に接着させる 横断歩道橋の補修箇所によっては 日照時間の少ない場所が現地調査により確認できたため 強制的に紫外線照射ランプの光線を当てて硬化を促した 紫外線照射ランプ使用状況 2) シート接着後の品質確保について FRP シートの接着確認後 シートの上部にシール埋め作業を行って 雤水浸入の防止対策とした また FRP シートの耐用年数は 15 年以上となっているが 現場塗装により塗膜厚を確保すると 耐久性が向上することが確認できていたため 下塗から上塗までの現場塗装作業を行った FRP シート上部のシール FRP シートの接着現場塗装 FRP シート ( 紫外線硬化型 ) 施工に於ける 対応策 工夫に対しての効果 現場状況を的確に把握し 紫外線照射ランプと気泡を確実に取り除くためのローラーを使用した結果 FRP シートの硬化不良や表面の浮き たわみを発生させることなく 貼り付け作業を完了させることができた また シール埋めに於いては 雤水の侵入防止だけでなくシートとの段差が解消されると共に 耐久性向上の現場塗装も伴って景観性も良好となった FRP シート貼り付け完了 耐久性向上の現場塗装工程 橋面への雤水滞水及び舗装内浸透の防止対策に対して

1) 現地測量及び計画について 横断歩道橋のデッキ 地覆の高さ形状によっては 十分な縦横断勾配の確保が困難であると予想された 降雤による橋面通路部への水溜まりの発生を防止するため レーザー墨出器を使用して測量と計画を行った 現地測量と計画状況 2) 舗設作業までの準備期間について 舗設に先立ち 防水処理剤の塗布作業が必要となる 下地含水量の影響を受ける使用材料であったことから 下地がコンクリートとなる場合は 舗設予定日の一週間前より下地含水量の観測を行った また 降雤が予想された場合には全面をシートで覆うこととし 下地含水量が適正状態となるよう管理を行った 下地含水量観測と降雤対策状況 3) 使用材料と施工中の品質管理について 冬期の施工となり 底外気温等への配慮が必要となる材料であったことから 材料を適切に保管すると共に使用する際には材料の温度調整管理を行った 材料の混合状態不良による 完成後の舗装路面クラックの発生を防止し 舗装内への雤水の浸透を防止した 材料温度調整と混合状況 4) 舗設完了後の発錆防止対策と予防について

通路地覆部 階段桁腹部に沿って雤水を排水処理させるため 舗装端部は雤水が耐水しやすく 舗装内に侵入する恐れがある 雤水の浸透による舗装の剥離 浮きを予防する目的として シーリング材によるハンチの施工を行った 20mm シーリング材によるハンチの施工状況 20mm 橋面への雤水滞水及び舗装内浸透の防止対策に対しての効果 レーザー墨出器を使用しての現地測量と計画を行った結果 大雤時に於いても橋面の排水は余裕をもたせて処理することができたうえ 平坦性も良好であった また 舗設前の準備期間中に下地含水量を適切にコントロールしたことにより 塗りムラの発生は無く m2 当たりの標準塗布量に対しても均等な結果を得られた 材料の保管と温度調整についても適切に施工管理した結果 混合不良を発生させる事なく 余裕を持って可使時間内での施工が行えたうえ 供用後のクラックや不陸が発生するという事も発生していない 舗設完了後の雤水の滞水と浸透防止対策に於いても 橋面排水を円滑に排水管に導くことで 舗装の剥離や浮きを予防する事だけでなく 鋼材部も保護する効果が同時に得られている 通路 階段完成 4. 終わりに 改修及び補修工事は多種の材料を使用して工事を行います 使用材料の中には施工場所や気象条件等によって 材料の混合比と撹拌時間の調整 添加物の有無等に注意が必要となりますので 工事着手前の現地調査及び材料の特性を的確に把握する事が品質と施工性の確保であると考えます また 今回の工事に於いて 舗装端部の保護を目的とするシーリング材によるハンチ部の施工を損傷の程度や構造形式で代表となる横断歩道橋をいくつかピックアップして試験的に実施しました 経年劣化を確認する事により効果が実証されるものと思われます また 供用開始後に粉塵 土砂の堆積等が予想される高欄支柱 摩耗要因の多い蹴上踏部など 劣悪な環境により劣化が予想される場所に関して 更に予防に関しての工夫をして施工を行う事が必要であると考えます