名古屋市内のみどりの面積 名古屋市内のみどりは 次の 4 つに大きく分けられます 1. 樹林地 高木や低木 竹林 街路樹などのみどり ( 約 3,600ha) 2. 芝 草地 芝や草地などのみどり ( 約 1,900ha) 3. 農地 水田や畑 果樹園などのみどり ( 約 1200ha) 4. 水面 河川やため池などのみどり ( 約 1000ha) まとまった樹林地や芝 草地 農地 水面には それぞれの環境に適応した生き物が生息しており 生き物とみどりが一体となって特徴のある生態系を形成しています また それらのみどりは 市民が自然とふれあい 自然の営みを体験する貴重な空間となっています 生態系 なごやの生態系については 38 ページ参照 2. 市内各所でみられる生き物たち 一口にみどりといっても 名古屋市内にはさまざまな自然が存在しています ここでは地域の特徴ごとにそれらの環境についてみていきましょう 本書では以下の図に示す 6 つの分類ごとにみられる生き物を紹介します 2. 河川 水辺 草地 ( 庄内川沿い ) 3. 市街地 1. 樹林地 ため池 ( 東部丘陵地 ) 4. 水田 畑地 5. 河口 干潟 6. 海域 資料 : 背景は 名古屋のみどり緑の現況調査報告書 ( 名古屋市緑政土木局 2010) より作成 28
1) 樹林地 ため池 ( 東部丘陵地 ) ため池 2 なごやの水 20 ページ参照 生き物がみられる樹林地 ため池 東部丘陵 : 東谷山 小幡緑地 東山公園 平和公園 猪高緑地 牧野ヶ池緑地 相生山緑地 みどりが丘公園 勅使ヶ池緑地 大高緑地など 東部丘陵に残存するまとまりのある樹林地とため池は 生き物たちの大切な生息場所となっています 特に 市の北東端にある東谷山 ( 標高 198.3m 名古屋市内で最も標高が高い山 ) は 市内の他の丘陵地と異なり地形が急峻で 人工林と自然林が混生しており 多くの生き物が生息しています < 図表 4-2> 樹林地 ( 写真は東谷山 ) とその周辺でみられる生き物の例 コナラ アベマキ シイ類 アラカシ アカマツ 哺乳類 タヌキ ノウサギ アカネズミ ニホンリス 雑木林 オオタカ ノスリ シジュウカラ ヒヨドリ キジバト 爬虫類 両生類 シマヘビ ヤマカガシ ヒバカリ トカゲ類 カブトムシ タマムシ ムラサキシジミ ヨシ ヒメガマ ガガブタ キショウブ オオヨシキリ カイツブリ カルガモ サギ類 爬虫類 両生類 ニホンイシガメ ミシシッピアカミミガメ ウシガエル ため池 湿地 魚類 哺乳類爬虫類 両生類 コイ モツゴ ヨシノボリ類 オオクチバス ブルーギル チョウトンボ ギンヤンマ イトトンボ類 フタバカゲロウ ミズカマキリヌマガイ サカマキガイ スジエビ アメリカザリガニ エラミミズシデコブシ シラタマホシクサ モウセンゴケ ヌマガヤカヤネズミカスミサンショウウオ アズマヒキガエルヒメタイコウチ ハッチョウトンボ 資料 : 生物の写真は 生き物から見た名古屋の自然なごやの環境指標種 100 (( 財 )UFJ 財団 2004) より作成 29
2) 河川 水辺 草地 ( 庄内川沿い ) 庄内川や矢田川の堤防や河川敷には 草地的環境がみられ さまざまな生物が生息 生育しています しかし 近年 河川敷は緑地や公園 グラウンドなどに整備されたり 河川管理の関係で草刈りを定期的に行ったりするため 生き物が生息 生育できる環境が減っています < 図表 4-3> 水辺 草地 ( 写真は庄内川 ) とその周辺でみられる生き物の例 ススキ チガヤ クズ ツルヨシ イタドリ オオキンケイギク 堤防やイタチ類 アブラコウモリ カヤネズミ コウベモグラ 哺乳類河川敷ヌートリア ( 草地 ) ヒバリ類 セキレイ類 サギ類 爬虫類 両生類 カナヘビ シマヘビ ショウリョウバッタ エンマコオロギ キチョウ ヨシ ヤナギモ オオカナダモ 水の中 カモ類 カワウ 爬虫類 両生類 ニホンイシガメ クサガメ ミシシッピアカミミガメ 魚類 オイカワ モロコ類 カマツカ ニゴイ コイ フナ類 ナマズハグロトンボ コガタシマトビケラ カゲロウ類 ユスリカ類ヤマトシジミ シマイシビル スジエビ モクズガニ 生き物がみられる水辺 草地 庄内川 矢田川など 資料 : 生物の写真は 生き物から見た名古屋の自然なごやの環境指標種 100 (( 財 )UFJ 財団 2004) より作成 30
3) 市街地 市街地の大半は都市化が進んでおり ビルやマンションが林立しています また 地面はほとんどがコンクリートやアスファルトで舗装されているので 生き物の生息 生育できる場所が少なくなっています しかし 名古屋城や鶴舞公園 熱田神宮などにはまとまったみどりが残されており そこに生息 生育する生き物をみることができます 生き物がみられる市街地 公園 : 名城公園 鶴舞公園 名古屋城など社寺 : 熱田神宮 八事興正寺 城山八幡宮など市内河川 : 堀川 中川運河など市内 ( 街路樹 ): 市内各地の主要道路沿いなど < 図表 4-4> 市街地 ( 写真は名城公園 ) とその周辺でみられる生き物の例 各種植樹 スミレ類 外来タンポポ類 哺乳類 ノネコ ドブネズミ 公園 カラス類 ヒヨドリ キジバト スズメ シジュウカラ爬虫類 両生類カナヘビ ニホンアマガエル ナミアゲハ アオマツムシ ナナホシテントウ アブラゼミ クロガネモチ クスノキ ケヤキ ムクノキ 哺乳類 タヌキ ハクビシン 社寺林 市内河川 街路樹周辺 爬虫類 両生類 魚類 カラス類 キジバト シジュウカラアオダイショウ トカゲ類 ニホンヤモリ アズマヒキガエルムラサキシジミ ニイニイゼミ クマゼミコイ フナ類 オイカワ ボラ カダヤシ ハゼ類カモ類 サギ類 セキレイ類 カワウ ユリカモメクスノキ ケヤキ イチョウ オッタチカタバミ ホトケノザ オオキンケイギク カラス類 ヒヨドリ キジバト スズメ ムクドリ アオスジアゲハ クマゼミ アオマツムシ 資料 : 生物の写真は 生き物から見た名古屋の自然なごやの環境指標種 100 (( 財 )UFJ 財団 2004) より作成 31
4) 水田 畑地 市域の南西部は平坦な沖積平野と干拓による新田地帯で 水田を潤すために戸田川や農業用水路が流れています 最近は区画整理に伴い 宅地化が進んでいるため 水田は宅地の間に点在している状態です 水田や用水路ではナゴヤダルマガエルやヤマカガシなどの生き物がみられますが 水田の減少や水路の改修によって生息場が減っています また カダヤシ やアメリカザリガニ ヌートリア などの外来種がみられます < 図表 4-5> 水田 畑地 ( 写真は港区 ) とその周辺でみられる生き物の例 ナズナ イヌタデ コナギ タイヌビエ クサネム 哺乳類 イタチ類 コウベモグラ カヤネズミ ヌートリア オオタカ チュウヒ ハヤブサ サギ類 シギ類 キジ 水田 ヒバリ ハクセキレイ 畑地爬虫類 両生類シマヘビ ヤマカガシ トノサマガエル ナゴヤダルマガエル ニホンアマガエル ヌマガエル イナゴ ショウリョウバッタ トンボ類 アメリカザリガニ タニシ類 エビモ オオカナダモ 哺乳類 ヌートリア 用水路 爬虫類 両生類 ニホンイシガメ クサガメ ウシガエル ヌマガエル 魚類 フナ類 カダヤシ イトミミズ アメリカザリガニ 生き物がみられる水田 畑地 水田 : 港区南陽地区など畑地 : 中川区富田地区 緑区鳴海町など ナゴヤ ミナミ 資料 : ナゴヤダルマガエルの写真は レッドデータブックなごや 2004 動物編 ( 名古屋市 2004) ナゴヤダルマガエル以外の生物の写真は 生き物から見た名古屋の自然なごやの環境指標種 100 (( 財 ) UFJ 財団 2004) より作成 32
5) 河口 干潟 河口干潟は淡水と海水が入り混じる場所で 多様な生物の生息環境です 名古屋市周辺では庄内川 新川 日光川河口部周辺に藤前干潟が広がっています また これらの川の河口部にはまとまった面積のヨシ原が広がっています 藤前干潟周辺には たくさんのが集まってきます ここは日本有数の渡り鳥の中継地となっており 渡りの時期になると多数のシギ チドリ類を見ることができます 生き物がみられる河口 干潟 藤前干潟 庄内川河口 天白川河口など < 図表 4-6> 河口 干潟 ( 写真は藤前干潟 ) とその周辺でみられる生き物の例どこで何がみられる? ヨシ イセウキヤガラ 藤前干潟周辺 ( 新川 庄内川 日光川河口 ) 天白川河口部 魚類 魚類 ミサゴ チュウヒ シギ チドリ類 カワウ ユリカモメカモ類 サギ類スズキ ボラ マハゼアナジャコ ゴカイ類 ヤマトシジミ ヤマトオサガニ アシハラガニ クロベンケイガニ チチュウカイミドリガニ ヨシ イセウキヤガラミサゴ シギ チドリ類 カワウ ユリカモメスズキ ボラ マハゼゴカイ類 ヤマトシジミ ヤマトオサガニ アシハラガニ クロベンケイガニ チチュウカイミドリガニ 類 資料 : ヨシ以外の生物の写真は 知ってる? 藤前干潟 ( パンフレット ) ( 名古屋市環境局 ) より作成 33
6) 海域 名古屋市内に面している海域はすべて名古屋港となっており 水際線のほとんどはコンクリート護岸となっています そのため水際には生き物の生息 生育に適した場所がほとんどありませんが 岸壁ではイガイ類やフジツボ類などがみられます また 海面にはカワウやユリカモメなどのが 海中にはボラやスズキなどの魚類がみられます < 図表 4-7> 海域 ( 写真は名古屋港ガーデンふ頭 ) とその周辺でみられる 生き物の例 哺乳類 スナメリ カワウ ユリカモメ コアジサシ 名古屋港 魚類 スズキ ボラ コノシロ クロダイ ギマ イガイ類 アメリカフジツボ ゴカイ類 イソガニ イシガニ チチュウカイミドリガニ 生き物がみられる海域 名古屋港 資料 : ユリカモメの写真は ラムサール条約登録湿地藤前干潟 ( パンフレット ) ( 名古屋市環境局 ) より作成 34