目次 1. 概要... 2 2. 応用事例... 3 3. ホール IC の特性... 6 4. 使用時の注意事項... 16 5. トラブル事例... 20 1
1. 概要 ホール IC は マグネット等から発生する磁界を検出するホール素子とアンプやシュミットトリガ等の周辺回路を集 積した磁界センサ IC です 当社のホール IC は ホール素子と周辺回路が Bi-CMO プロセスで同一チップ上に集積さ れている為マイコン等に直接入力できる使い勝手のいい磁界センサ IC です 1-1. ホール素子の動作原理 ホール素子の原理は 図 1 のように抵抗体 (IC 上の抵抗と同じ拡散で作られる ) に 電極 A B C D をつけ A.. B 間に電圧を加えて電流を流します この状態で抵抗体に垂直に磁束を加えると フレミングの左手の法則 ( 図.2) により D から C の方向に F.( 力 ) が働き C 点と D 点での電流密度が C.>.D となり C..D 間に電位差が発生します ( 図.1-b) この現象はホール効果 発生した電位差はホール電圧と呼ばれています またこの現象は E..H..Hall 氏により発見されたものです ホール素子の性能は 電子移動度の大きい GaAs InAs Inb などの化合物半導体でつくったほうがホール電圧が大きく有利ですが シリコン ホール素子は ホール電圧が小さくても 増幅回路やシュミットトリガ回路などを同一チップ上につくることができます A A F ( 力 ) B ( 磁束密度 ) C D C D B B I ( 電流 ) (a) (b) 図 1 ホール IC の原理 図 2 フレミングの左手の法則 1-2. ホール IC の分類 磁界検出方法による分類一方向磁界検出型両極磁界検出型交番磁界検出型 出力形式による分類オープンコレクタ型抵抗内蔵型 CMO インバータ型 電源制御方式による分類常時 O タイプ間欠動作タイプ 用途別分類民生用産業用車載用 2
2. 応用事例 ホール IC は多彩な分野で応用されています 次の代表例についての使用方法や注意点等を参考にして設計してください 開閉検出用途 フリップ型携帯電話 LCD 表示付ビデオカメラ ノート PC 回転検出用途 MPU ファンモータ マウス 2-1. インデックスセンサへの応用 インデックスセンサのパルス位置のばらつきを小さくし位置精度のばらつきを小さくするには 1) 一方向磁界動作タイプよりも. 2) 交番磁界動作タイプの方法により改善することが可能です マグネットの.. の切り換え点の磁束密度変化が急峻であれば より精度が向上します 特に一つのマグネットでの.. 着磁より 二つのマグネットを使用したほうが.. の切り換え点の磁束密度が急峻になります 1) 一方向磁界動作タイプの例 束密ばらつき幅大きい磁+ 度 サンプル1 サンプル2 図 3 3
束密2. 応用事例 2) 交番磁界動作タイプの例 磁+ 度 サンプル1 サンプル2 図 4 ばらつき幅小さい 図 5 2-2. フリップ型携帯電話への応用 フリップを閉めるとマイコンに信号を送り 電源を Off し 節電させる 図 6 図 7 マグネットがフリップに取り付けてある ホール IC は 高感度低消費電流一方向磁界動作タイプ :.A48836B 2-3. マイクロスイッチへの応用 スイッチ On Off のストローク精度とストロークを小さくするため 交番磁界動作タイプを使用します 図 8 4
2. 応用事例 マグネットは. 同じサイズのもの 2 個使用し... をつくり...( または..) の磁束密度の変化を急峻にして います 常時 極で. 動作時 ( スイッチ On 時 ) に 極 図 9 2-4. ボックスファンモータへの応用 ボックスファンは 通常 2 相ブラシレスモータが使用されています 3 相ブラシレスモータと同様に ホール IC がロータのマグネットの回転位置を検出します 図 10 2-5. 往復動作のあるスイッチやセンサへの応用 往復動作のあるスイッチやセンサに使用する際 ホール IC 出力が On する位置が大まかでよい場合は 一方向動作タイプを使用します 精度を高めるには 交番磁界動作タイプを使用し マグネットを以下のように と 3 個ならべると 極がホール IC を横切ったときのみ On します [ 位置精度高い ] [ 位置精度低い ]. ホール IC は 交番磁界動作タイプ. ホール IC は 一方向磁界動作タイプ 図 11 5
3. ホール IC の特性 動作磁束密度の (+) と ( ) の定義 ホール IC のパッケージ表面 ホール IC のパッケージ表面 磁力線 磁力線 1) 磁束密度がプラスのとき 2) 磁束密度がマイナスのとき 図 12 注 ). ミニモールドパッケージ以外のホール IC は IC チップ表面側がパッケージ表面 ( 形名マーク面 ) です 3-2. 交番磁界動作ホール IC " 連続して "...... と変化する磁界中で動作するホール IC 磁束密度 B H-L BW 回転 B L-H ホール IC 出力 ホール IC 出力 図 13 3-3. 一方向磁界動作ホール IC 極または 極のみの磁界で動作するホール IC 磁束密度 BW B H-L B L-H 移動 ホール IC ( 注 ) 又は で動作する ホール IC 出力 図 14 8
3. ホール IC の特性 3-4. 両極磁界動作ホール IC 極と 極の両磁界で動作するホール IC 磁束密度 BW B H-L BW B L-H B L-H B H-L 移動 ホール IC ホール IC 出力 ( 注 ) 及び で動作する 図 15 3-5. 動作磁束密度の測定方法 ホール IC のチップ位置に影響されないよう 断面積の大きい電磁石を使い平行磁界中で測定します こうすることにより マグネットとホール IC の距離に関係なくホール IC 単体の感度を測定することができます < 測定の方法 > 1). あらかじめ テスラ メータによりコイルに流れる電流と発生する磁束密度を測定します 2). 電磁石の電源電圧を可変することにより 電磁石コイルに流れる電流を可変させ 電磁石に発生する磁束密度を可変させることができます 3). コイルに流れる電流は 抵抗 R の両端に発生する電圧で読み取ります この抵抗の値を調整し 例えば 100.mT.=. 1.000.V になるようにしておきます こうすると 1.mV.=.0.1.mT として電圧計で直読できるようになります ( 必要な磁束密度の範囲内でリニアリティがあるとは限りませんので 予め磁束密度と電圧の関係を測定し確認してください ) ホール IC の電源 電圧計 ホール IC の出力電圧を測定する 電圧計 R 電磁石の電源 コイルに発生する磁束密度 直線範囲 "R" 両端の電圧 図 16 図 17 9
3. ホール IC の特性 3-6. ホール IC の感度 90 ホール IC の B H-L max. 30 mt とすると 距離 4 mm まで作動させることができる 磁束密度 B (mt) 60 30 温度特性や着磁ばらつきで最も磁束密度の値の小さいデータ ( 最悪値 ) を使用する 0 0 1 2 3 4 5 距離 (mm) 図 18 ホール IC の感度はホール IC のチップ表面 ( 感磁面 ) での値であり ホール IC パッケージ表面での値ではありません ホール IC は温度特性や機械的 熱的応力により動作感度が変化することがありますので マージンを十分とってく ださい 例 ).A48841B 0.27 mm 図 19 マグネット表面からホール IC パッケージ表面まで 1.mm あった場合. 1.mm.+.0.27.mm.=.1.27.mm. となります マグネットの磁束密度は必ず実測してください 特に 円盤状で多極着磁されているものは 表面の磁束密度は十分 大きくても少し距離を離すと非常に弱くなります 3-7. 感度ばらつきの考え方 ホール IC には動作感度 ( 動作磁束密度 ) のばらつきがあります セットの設計に際しては 温度や電源変動を含むば らつきを十分考慮してください 3-7-1. 交番磁界型 磁束密度 BW B H-L (B H-L )' (BW)' (B L-H )' B L-H ホール IC 出力 感度のバラツキによりパルス幅が変わる 図 20 1 10
3. ホール IC の特性 ホール IC 出力 H 感度ばらつき 感度ばらつき B L-H (B L-H)' L 0 (B H-L )' + B H-L 磁束密度 (mt) 図 20 2 3-7-2. 一方向磁界型 磁束密度 (B H-L )' (B L-H )' B H-L B L-H ホール IC 出力 感度のバラツキによりパルス幅が変わる 図 21 1 ホール IC 出力 H 感度ばらつき 感度ばらつき L 0 (B L-H )' (B H-L )' + B L-H B H-L 磁束密度 (mt) 図 21 2 11
3. ホール IC の特性 3-7-3. 両極磁界型 磁束密度 (B H-L )' (B L-H )' B H-L B L-H B L-H B H-L (B L-H )' (B H-L )' ホール IC 出力 感度のバラツキによりパルス幅が変わる 図 22 1 ホール IC 出力 H 感度ばらつき 感度ばらつき感度ばらつき 感度ばらつき (B H-L )' B H-L (B L-H )' B L-H L 0 (B L-H )' (B H-L )' + B L-H B H-L 磁束密度 (mt) 図 22 2 3-7-4. 最大動作周波数 常時 O タイプに於る最大動作周波数 ホール IC は IC 内部にシュミットトリガ回路をもっているため マグネットの回転数 ( 周波数 ) が遅くても出力は方形波になります 実際には出力波形を拡大すると 立ち上がり / 立ち下がりともに以下のスイッチング波形の a c のように遅れ時間があります この時間より速い変化には IC 出力は所定の "H" または "L" レベルになりません よってこの時間より低い周波数でご使用ください 最大周波数は 立ち上がり / 立ち下がり遅れ時間 3.μs.+.40.ns. およそ 4.μs 以下とすると 250.kHz ですが余裕をみて 100.kHz 以内でご使用ください 例えば 円板磁石が 60.000.rpm.(1 分間当たりの回転数 ) とすると. 60.000..60.=.1.000 回転 / 秒磁石の極数を 20 極としても. 1.000..20..2.=.10.000.(Hz).( で 1.Hz) よって一般的にホール IC の動作スピードは メカに対し十分速く 余裕があります 増幅器 シュミットトリガ 図 23 IC 内部ブロック図 12
3. ホール IC の特性 ホール IC のスイッチング特性 a b c 3 µs a b c 40 ns ホール IC 電源電圧が一定の場合 回転数の変化により b の間隔のみが変化する V CC V CC = 12 V の場合 a = 3 µs (typ.), c = 40 ns (typ.) 図 24 測定回路 図 25 スイッチング波形 間欠動作タイプにおける最大動作周波数間欠動作タイプのホール IC は IC 内部においてホールセンサに印加する電源を間欠制御しているため ホール IC 出力が入力磁束密度の変化に応答する最大動作周波数は 電源の間欠動作時間 ( サンプルレート.=. 動作時間.+. 停止時間 ) を1 周期とする周波数 即ち (1/ 間欠動作時間 ) となる 3-7-5. マグネットの特性測定方法 センサ テスラメータ マグネット 距離 L g 図 26 1). マグネットの表面とセンサとの距離を少しずつ広げていき各点での磁束密度を測定する ( マグネットデータ例 1) 2). マグネットの着磁のばらつきを測定する ( マグネットデータ例 1) 3). 上記 1) 2) の温度特性を測定する ( マグネットデータ例 2) 13
3. ホール IC の特性 3-7-5 マグネットの特性測定方法 ( つづき ) マグネットデータ例 1 ( 着磁ばらつき ) マグネットデータ例 2 ( 温度特性 ) 100 100 80 80 磁束密度 B (mt) 60 40 typ. max. 磁束密度 B (mt) 60 40 25 C 低温 20 min. 20 高温 0 0 1 2 3 4 5 0 0 1 2 3 4 5. 磁石の表面からの距離 L g (mm). 磁石の表面からの距離 L g (mm) 図 27 図 28 3-7-6. マグネットの材料による違い 一般的に希土類系マグネットは非常に強力です フェライト系は希土類系に比べ大きな磁束密度は得られませんが 低コストであると言えます 同じ大きさのマグネットでも材質により磁束密度が変わります 同じ大きさのフェライトマグネットとマンガンアルミ磁石との比較 マグネット l センサ 等方性フェライトマグネット 4φ 長さ 5 mm L = 0 L = 1.0 mm L = 1.5 mm L = 2.0 mm L (mt) 160 150 140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 マンガンアルミ磁石 ( 異方性 ) 4φ 長さ 5 mm L = 0 L = 0.5 mm L = 1.0 mm L = 1.5 mm L = 2.5 mm 3 2 1 1 2 3 3 2 1 1 l (mm) 2 3 4 l (mm) 図 29 14
3. ホール IC の特性 3-7-7. マグネットの形状や着磁パターンによる違い 同じ材質でも形状や着磁極数により磁束密度が違います 実際に使用されるマグネットの特性を実測し 把握したうえで設計されるようお願いします < 参考資料 > マンガンアルミ磁石の実測例 軸タイプの軸方向空間磁束密度 (07BR) 軸タイプの軸方向空間磁束密度 (04BR) 200 200 φ 6.5 φ 4 L Lg L Lg 150 18L 150 14L 磁束密度 B (mt) 100 10L 磁束密度 B (mt) 100 18L 10L 8L 50 50 5L 0 0 1 2 3 4 5 6 0 0 1 2 3 4 5 6. 磁石の表面からの距離 L g (mm). 磁石の表面からの距離 L g (mm) 図 30 図 31 リングタイプの径方向空間磁束密度 150 15 mm 4 mm Lg リングタイプの径方向空間磁束密度 ( マグネット表面 ) 100 100 磁束密度 B (mt) 50 8 極 24 極 磁束密度 B (mt) 50 0 L g = 1.5 mm 表面 50 0 0 1 2 100. 磁石の表面からの距離 L g (mm). 磁石の回転角 図 32 図 33 前述のようにマグネットのデータを用意することができた場合 グラフ用紙上でホール IC が使用できるかどうかを判断することができます また この検討を必ず行っていないと量産時にマグネットの磁束密度不足で動作しないという不具合が発生する可能性があります 15
4. 使用時の注意事項 ホール IC は 運動するものを検出することが多く 振動や衝撃のため 長い間に取付け位置が変化し 検出レベル が変わってしまう危険があります このようなことを防ぐために パッケージを接着したり 専用ケースをつくり はめ込むなどの方法により固定してください 4-1. 接着剤を使用する場合 接着剤の種類により硬化時にクロールガス等の腐食性ガスが発生します この腐食性ガスによりホール IC 表面のアルミを腐食させ機能的には 断線不良 となる場合があります ホール IC 取り付け後 密封される場合は ホール IC 取り付け用接着剤だけでなく 周辺に使用される接着剤や樹脂および 基板洗浄液などにも注意してください ご使用時には 接着剤や樹脂メーカへ確認いただきますようお願いします 4-2. ホール IC の固定 挿入型パッケージのホール IC をリード線のはんだ付けのみで自立使用するとき 振動が加わる場合は ホール IC をホルダなどで固定してください 振動により ホール IC のリード線が金属疲労をおこし 破断することがあります 4-3. ホール IC をホルダで固定する場合 ホール IC をホルダで固定しプリント基板に装着する場合 ホルダの膨張係数が大きいとホール IC のリード線を引っ張り 大きな応力がホール IC に加わることがあります ホルダや基板の歪などによりリード線に強い応力が加えられた場合 パッケージとリード線との接着性が悪くなり微少な隙間ができ 耐湿性が悪くなることがあります また 応力により感度が変化することがあります 4-4. リード線折り曲げ時 パッケージに応力が加わらないように曲げてください 固定 W W 固定 W 固定 リード線の折り曲げ方法 図 34 (a) (b) 3 mm * 3 mm * リード線の折り曲げ位置 注 ).*.:. 金型等でリード線を十分固定し樹脂モールド部へ応力が加わらないようにしてある場合は 3.mm 以内でもよい 図 35 16
4. 使用時の注意事項 4-5. V CC と GD V CC と GD 端子は逆接続しないでください V CC と GD 端子を逆接続されますと IC は破壊します GD 端子の電位を他の端子の電位より高くした場合 ダイオードの順方向接続と同様となり ダイオードの順方向電位 (0.7.V 前後 ) で On し 大電流が流れ破壊します ( モノリシック IC に共通したことです ) 4-6. ホール IC の電源 On 時の注意事項 ホール IC を On させた場合 マグネットの位置やがたつきなどによりホール IC の出力が変化し パルスが出ることがあります このため 電源 On 時のホール IC 出力の状態が重要な場合は十分な注意が必要です 4-7. 電源ライン / 電送ライン 電源ライン / 電送ラインが長くなると ラインに雑音や発振が乗ることがあります この場合 0.1.μF..10.μF の容量をホール IC の近くに取り付けると防止できます 電源ラインに最大定格以上の電圧が加わることが考えられる場合 ( コイルの逆起電力や車のイグニッションパルスなど ) は 外付部品 ( コンデンサ 抵抗 ツェナーダイオード ダイオード サージ吸収素子など ) で吸収させ保護してください 4-8. 表面実装型パッケージ (MII-5DE) の実装 プリント板への実装時 はんだ付けなどにより基板が歪むと ホール IC に大きな応力が加わることがあります こ の場合 動作磁束密度が変化することがあります また 耐湿性も悪くなることがあります 図 36 4-9. 挿入型パッケージの実装および ばり はんだ付けについて 挿入型パッケージのホール IC をリード根元部までプリント基板に差し込んで使用すると 応力が加わり 信頼性が低下しますので パッケージとプリント基板は 最低でも 2.0.mm 離してください また リード線にエポキシ樹脂のばりが付着している場合があります ( ばり取りをして できるだけばりをなくすようにしていますが 完全にとれないことがあります ) 2 mm ばり残り プリント基板 パッケージ樹脂部より 2 mm 離してはんだ付けしてください 図 37 17
4. 使用時の注意事項 4-10. ミニモールドパッケージの表面処理について ミニモールドパッケージの表面処理には鏡面と梨地があります 4-11 表面実装型パッケージのはんだ付けについて 表面実装型パッケージのホール IC は はんだ付け実装時のストレスを受けて電気的特性が変化しやすくなっています このため フロー ( ディップ ) 方式や はんだごてなどのはんだ実装方法は避けてください リフローはんだ実装で推奨条件を守っていただきますようお願いします 4-12. はんだ付け時のフラックスについて フラックス使用時 フラックスに塩素 フッ素などハロゲン系成分が入っていないものを選んでください ハロゲン系成分がリードフレームとパッケージ樹脂との接合部より進入し IC チップ表面のアルミ配線を腐食させ 断線させる場合があります ご参考 マグネットの / 極の簡易判別法 まず ホール IC.( 一方向磁界検出型 ) を用意し 右図の ようにホール IC 出力に LED を接続します V CC V CC out LED GD 図 38 ホール IC の形名マーキング両側にマグネットを近づけ LED が発光すれば マグネットのホール IC に近い方が 極です マグネット V CC LED このあと この 極に色をつけるなどしておくと間違いがなくなります さらに短いマグネットなら右図のようにしておくと便利です 図 39 プラスチックなど 図 40 マグネット また 極を出しておくと他のマグネットに近づけた場合 極が判別できます この面にセロハンテープなどを他のマグネットはっておくとよい ( 他のマグネットがついた場合 はずしやすい ) 図 41 18
4. 使用時の注意事項 マグネットの磁束密度を向上させる工夫 マグネットの磁力線は 通りやすいところ ( フェライトや軟鉄ブロック ) に集まるため下図のように ホール IC の背 面に磁性材料でヨークを形成することで ホール IC の感磁面に於る磁束密度を向上させることが可能です 注 ). 量産時には 実際に使用されるマグネット ヨークの材料メーカとご相談の上 材料のデータを元にして磁気シュミレーションと実サンプルによるご検証をお願いします フェライトや軟鉄のブロックをホール IC の裏面に取り付ける 鉄心 マグネット ホール IC ホール IC マグネット 図 42 19
5. トラブル事例 ホール IC をご使用いただく際に 少し工夫することでトラブルを未然に防ぐことができます トラブル防止の為 次のトラブル事例をご参考としつつ 第 4 章の注意事項を実際の設計実務にお役立てください 今までに最も多く発生したトラブル [ 事例.1]. 試作時は問題なく動作していたが量産時動作しないものが出た ( 原因 ).. マグネットの磁束密度不足.. マグネット ホール IC の温度特性を無視した ( 理由 ).. マグネットの磁束密度のデータがなく設計 / 試作とも現物合わせで量産に入った.. フェライト系マグネットは高温側で磁束密度が大幅に小さくなるものがあり この特性を十分把握していなかった.. マグネットとの距離をホール IC パッケージ表面とし センサ部までの距離を計算しなかったことによる磁束密度不足 ( 対策 ).. 磁束密度の大きいマグネットに変更.. ホール IC の裏面にフェライトまたは軟鉄のブロックをつけた.. マグネットとホール IC の距離を小さくした 発生件数は少ないが注意事項として参考になるトラブル [ 事例.2]. 市場で動作しなくなった ( 原因 ).. ホール IC を接着剤や樹脂モールドで固定していたが 塩素などハロゲンのガスが発生する材料であった このガスが IC 内部に進入し IC 表面のアルミ配線を腐食させた その結果 断線した ( 対策 ).. 金属を腐食させるガスの出る樹脂を使用しない [ 事例.3]. 市場で動作しなくなった ( 原因 ).. モータやソレノイドなどの近くで使用していたため モータやソレノイドの逆起電力によるサージ電圧がホール IC に加わり 破壊により断線した ( 対策 ).. 電源ラインを別にした.. サージ吸収素子を追加した [ 事例.4]. 量産工程で不良が多発した ( 原因 ).. 治具を使わずにリード線を曲げ加工したためにホール IC に応力が加わり ホール IC の感度が変化した ( 対策 ).. 治具によるリードフォーミングに変更し IC に応力が加わらないようにした [ 事例.5]. 市場不良が多発した ( 原因 ).. はんだのフラックスに塩素系溶材が使われており この塩素系溶材が時間とともにホール IC 内部に進入し チップ表面のアルミを腐食させた その結果 断線した ( 対策 ).. フラックスには塩素 フッ素などハロゲン物質を含まないものを使用する 20
お問い合わせ窓口 本書に記載されている技術的内容についてのお問い合わせは 下記の URL からお願いします URL : https://www.semicon.panasonic.co.jp/semi-spt/general/ はじめてご利用のお客様へユーザー登録 / ログイン後 半導体技術サポート内の専用 IC カテゴリーで お問い合わせ 新規お問い合わせにご記入ください Pub. o. A11009GJ ホール IC シリーズアプリケーションノート 第 7 版 2 0 1 3 年 3 月 1 5 日 発 行 編集 製作 Panasonic Corporation 2013
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