(2010 年 3 月 31 日第 1 版公開 ) 妊娠 出産やさしい解説 では 妊娠のしくみ 妊娠に伴う母体の変化 出産の経過 日常生活上の留意点などをわかりやすい言葉と図を用いて解説しています この やさしい解説 は Minds が作成しており 専門医およびガイドライン作成グループメンバーによる監修を受けています 実際の診療にあたっては 主治医をはじめとする医療者に相談されることをお勧めします
女性生殖器のつくりとはたらき 女性生殖器は 妊娠 出産のために重要なはたらきをしており 外部から守られるように骨盤に納まっている子宮や腟 ( ちつ ) などの内性器性器と からだの外側に位置する陰唇 ( いんしん ) や陰核 ( いんかく ) などの外性器外性器に分かれています 図 1 女性生殖器女性生殖器の位置位置とつくり ( 断面図 )
妊娠のしくみ 女性はおよそ1ヵ月に1 度 卵巣 ( らんそう ) で1 個の卵子を排卵排卵します 卵巣の近くから卵管 ( らんかん ) と呼ばれる約 10cmの管が子宮につながるようにのびており 卵巣で排卵された卵子は卵管を通って子宮へと移動していきます 一方 精子 ( せいし ) は 女性の腟 ( ちつ ) 内で射精 ( しゃせい ) されると 子宮から卵管に向かって移動します その途中で卵子と精子が出会い 精子が卵子の内部に入り 卵子の核と精子の核がくっつき ひとつの細胞になることを受精 ( じゅせい ) といいます 図 2 受精受精に至るまで 受精した卵子は受精卵受精卵となり 分裂をくり返しながら少しずつ子宮に向かって移動を続けます そして受精から1 週間ほどで子宮にたどりつき 子宮内膜に着床 ( ちゃくしょう ) します この時点で 妊娠が成立することになります
どんな検査をするの? 検査 妊娠をすると 尿中に hcg [ ヒト絨毛性 ( じゅうもうせい ) ゴナドトロピン ] というホルモンが分泌されるようになります そのため 尿を採取してhCGの有無を調べることにより 妊娠しているかどうかを判定します hcgの量が一定以上であればくっきりとした検出線が現れ 陽性 陽性 つまり妊娠していることを示します 市販されている妊娠検査薬で陽性反応が出たら 産婦人科に行って正常に妊娠しているかどうかを調べてもらいましょう 病院では尿検査のほかにも 生理周期や最終生理日などを問診したり エコー検査 [ 超音波検査 ] により子宮や卵巣の状態を調べるなど より詳しい検査を行って妊娠を確定します 妊娠が確定した場合は 妊婦さんとお腹の中の赤ちゃん [ 胎児 ( たいじ )] の健康状態をチェックするために 妊婦健診を定期的に行います < 妊婦健診の間隔 > 妊娠 10 週 :2 週毎 11~27 週 :4 週毎 28~35 週 :2 週毎 36 週 ~ 分娩まで :1 週毎 妊婦さんとさんと胎児の健康健康状態によりにより 間隔 間隔が短くなることもある 表 1 妊婦健診妊婦健診で行うおもなうおもな検査 検査の種類身体測定尿検査血液検査エコー検査超音波ドプラドプラ法 内容 身長 体重 腹囲 血圧などを測定する 尿中の糖やタンパクの有無を調べる 貧血や感染の有無などを調べる 耳では聞きとれない音波をからだにあて 子宮や卵たいじ巣 胎児の状態を画像で調べる 耳では聞きとれない音波をからだにあて 胎児の心拍数やリズムなどを調べて 胎児の健康状態を診る < 母子健康手帳 > お住まいのまいの市区町村役場町村役場や保健保健センターなどにセンターなどに妊娠妊娠届を提出提出し 手 手続きをするときをすると交付交付されされ 手帳には次のようなのような内容を記入記入できますできます 妊婦さんやさんや胎児の健康健康状態出生に関するする情報情報 例えばえば出生日時 赤出生日時 赤ちゃんのちゃんの身長身長や体重誕生後からから小学校に入学するまでのするまでの成長記成長記録など
母体はどのようにはどのように変化するの? 妊娠期間は 最後の月経がはじまった日を1 日目と起算して 10ヵ月間月間とされています 月経周期では1ヵ月を28 日間と捉えて計算するため 日数で表すと 280 日間ということになります 妊娠して日が経つにつれ 胎児 ( たいじ ) はどんどん成長して大きくなっていきますが それに伴って母体の体重も増加し さまざまな変化が現れます 個人差はありますが 妊娠期間中に不快な症状を感じることもあります 妊娠のせいだからとがまんしすぎると 出産や胎児の発育にも悪い影響を及ぼす危険性があるので 早めに医師に相談しましょう 図 3 妊娠中妊娠中の変化 妊娠中の母体の変化については 現れ方に個人差があります 出典 : 新川春子, 島田美惠子, 他. 妊娠中のマイナートラブルの発生状況に関する全国調査. 助産学会誌 23(1):48-58,2009( 一部改変 )
胎児 ( たいじ ) はどのように成育成育するの? 胎児は 自分自身で呼吸をしたり栄養を摂ったりできません そのため胎児の成長には 子宮壁にくっついている円盤のような形をした胎盤胎盤 ( たいばん ) が重要な役割を果たしています 胎盤には 母体側の血管と胎児側の血管が張りめぐらされており 胎児は 胎盤を介して母体から酸素や栄養を受けとり 二酸化炭素や老廃物を母体に戻しています また 胎児を包み込んでいる羊水 ( ようすい ) は 外部の衝撃から身を守ってくれるほか 胎児の体温を一定に保ち 皮膚を保護するなどのはたらきがあるとされています このようにして 胎児は母体の中ですくすくと成長していきます
出産はどのようにはどのように経過するの? 出産のはじまりにはサインがありますが その現れ方は人それぞれです 次のようなサインがみられたら産婦人科に連絡をして 出産の準備をしましょう < 出産がはじまるサイン > おしるし : 子宮口が徐々に開きはじめきはじめ 腟 ( ちつ ) から粘り気のあるのある血液血液が出てくる陣痛 : 胎児 ( たいじ ) を子宮子宮の外に押し出そうとしてそうとして子宮子宮の筋肉筋肉が縮むためにむために痛みが起こる破水 : 胎児を包んでいるんでいる膜が破れてれて 腟からから羊水羊水が出てくる 規則的な陣痛が1 時間に6 回以上 もしくは10 分間隔で現れるようになると いよいよ出産がはじまります 出産は分娩 ( ぶんべん ) とも呼ばれ その経過は3つに分けられています さらに分娩が終ると そのあと産褥 ( さんじょく ) 期をむかえます 表 2 分娩分娩からから産褥期褥期までのまでの流れ 分娩 産褥期 第 1 期 [ 開口期 ] 初産婦 :10~12 時間経産婦 :4~6 時間 第 2 期 [ 娩出期 ] 初産婦 :2~3 時間経産婦 :1~1.5 時間 第 3 期 [ 後産期 ] 初産婦 :15~30 分経産婦 :10~20 分 出産後 6~8 週間 陣痛が規則的に現れ 陣痛の回数や痛みがしきゅうこう増し 子宮口が10cmほ子宮口が徐々に開きどまで開いて 赤ちゃんはじめるが出てくる たいばん へその緒や胎盤が出てくる 軽い陣痛がある など 分娩で広がった子宮や腟が元に戻ろうと収縮する 不規則で軽い陣痛がある 陣痛のときには 子宮の筋肉が縮んでいるため 妊婦だけでなく胎児にも大きな負担がかかります そこで 分娩監視装置を使って CTG [cardiotocogram: : 胎児心拍陣痛図 ] を記録し 陣痛と胎児の心拍数を照らし合わせて胎児の健康状態をチェックします これに対し 出産直後にも赤ちゃんの健康状態を評価する方法があり こ れはアプガースコア * と呼ばれています * アプガースコアとは出生直後の赤ちゃんのちゃんの 心拍 心拍数 呼吸 呼吸状態 皮膚態 皮膚の色 刺激色 刺激に対するする反応 手足 手足の動き などをなどを観察し 健康 健康状態を評価するする指標
娩出期には 会陰切開 ( えいんせっかい ) を行うことがあります 会陰切開とは 医療用のハサミなどによって腟の入り口から肛門にかけての部位 [ 会陰部 ] の一部を切開することで 次のような場合に勧められています 胎児の健康健康状態が弱っているためっているため 胎 胎児を早く出す必要必要がある胎児が出てくるときにてくるときに 腟の入り口からから肛門肛門にかけてのにかけての部位 [ 会陰部 ] が大きくきく裂けるける可能性可能性がある 産褥期の母体は 妊娠出産を終えた子宮がもとの状態に戻り 妊娠中に増えた女性ホルモンが減少するなど 大きく変化しながら回復していきます そのため出産で疲れたからだをゆっくり休める必要がありますが 出産後 24 時間ほど経ったら普段の生活に戻れるよう徐々にからだを動かした方が 回復のためには効果的だといわれています また 授乳授乳や赤ちゃんをちゃんを見つめてつめて話しかけるしかけるなど お母さんと赤ちゃんの触れ合う機会を早めにもつことも勧められています 触れあいを通して愛情が育まれるだけでなく お母さんの肌と赤ちゃんの肌が接触することによって 赤ちゃんに細菌などに対する抵抗力がつくと考えられているからです
日常生活日常生活日常生活日常生活ではどんなことにではどんなことにではどんなことにではどんなことに気をつければいいのをつければいいのをつければいいのをつければいいの? 妊娠中は ちょっとしたからだの変調も出産に影響があるのではないかと不安になるものですが 下記の表にあるような点に注意を払いながらも 普段は妊娠そのものを楽しむくらい 心に余裕を持って過ごしましょう 表 3 表 3 表 3 表 3 妊娠中妊娠中妊娠中妊娠中のおもなのおもなのおもなのおもな注意注意注意注意点注意注意注意注意点ポイントポイントポイントポイント体重管理体重管理体重管理体重管理体重が増加しすぎると 出産が長引き回復も遅れがちになるので 適正体重を守る出血お腹の張りや痛み 出血出血出血出血がみられるときは切迫流切迫流切迫流切迫流 早産などの恐れもあるため 緊急に病院に連絡するただし 妊娠中は出血しやすくなっているため 過剰な心配は不要ストレスストレスストレスストレスストレスを感じると血管血管血管血管が収縮し 胎児に十分な栄養が行き届かない場合があるため ストレス解消を心がけるそのそのそのその他高血高血高血高血圧や腎臓病などの持病がある人は 胎児の発育に悪影響を及ぼす危険もあるため 医師の指示に従い治療する元気な赤ちゃんを出産するためには 妊婦妊婦妊婦妊婦さんさんさんさん自身自身自身自身が健康健康健康健康であることが重要です 生まれてくる赤ちゃんの顔を思い浮かべながら 日々を健康的に過ごしましょう < 日常生活日常生活日常生活日常生活で気をつけることをつけることをつけることをつけること > アルコールはアルコールはアルコールはアルコールは原則禁止原則禁止原則禁止原則禁止とするとするとするとするタバコはタバコはタバコはタバコは胎児の発育に悪影響影響影響影響を及ぼすためぼすためぼすためぼすため 禁煙 禁煙 禁煙 禁煙をするをするをするをする妊娠妊娠妊娠妊娠 15 15 15 15 週まではまではまではまでは胎児に影響影響影響影響が及ぶためぶためぶためぶため 薬の服用服用服用服用は慎重を心がけるがけるがけるがけるカルシウムカルシウムカルシウムカルシウム 鉄分 分 分 分 タンパクタンパクタンパクタンパク質などをなどをなどをなどを多く含むバランスのよいむバランスのよいむバランスのよいむバランスのよい食事食事食事食事をすをすをすをする
参考資料 1 Minds ホームページ科学的根拠に基づく 快適な妊娠出産ケアのためのガイドライン (http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0056/1/0056_g0000156_0001.html) 2 3 国立がんセンターがん対策情報センターがん情報サービスホームページ一般の方へ各種がんの解説子宮頚がん (http://ganjoho.jp/public/cancer/data/cervix_uteri.html) 日本婦人科腫瘍学会ホームページ市民の皆様はじめに (http://www.jsgo.gr.jp/05_shimin/01.html) 4 新川治子, 島田三惠子, 他. 妊娠中のマイナートラブルの発生状況に関する全国調査. 助産学会誌 23(1):48-58,2009. 5 石原理. イメージするからだのしくみ vol.10 第 1 版. 東京 : メディックメディア ;2008 6 医療情報科学研究所編集. 病気がみえる vol.10 産科第 1 版. 東京 : メディックメディア ;2008 7 高橋長雄監修 解説.The Atlas of the Human Body からだの地図帳. 初版. 東京 : 講談社 ;2008 8 ニルス ダヴェルニエ. 中島さおり訳. 杉本充弘監修. 赤ちゃんが生まれる ~ いのちの冒険旅行 ~. 初版. 東京 : ブロンズ新社 ; 2008. 9 杉本充弘監修. はじめて妊娠 出産を迎えるママの本. 初版. 東京 : 新星出版社 ;2007. 10 寺尾俊彦監修. 周産期の生理と異常 (1) イラストで学ぶ妊娠 分娩 産褥の生理.1 版. 大阪 : メディカ出版 ;2007 11 日野原重明, 井村裕夫監修. 看護のための最新医学講座第 2 版 15 産科疾患. 東京 : 中山書店 ;2007 12 マーク H ビアーズ英語版編集長, 福島雅典日本語版総監修 / 監訳者. メルクマニュアル医学百科最新家庭版. 初版. 東京 : 日経 BP 社 ;2007 13 竹内正人. はじめての妊娠 出産 育児. 初版. 東京 : ナツメ社 ;2006 14 堺章. 目でみるからだのメカニズム.1 版. 東京 : 医学書院 ;2000