Power Point の概要 従来 プレゼンテーション ( 発表 ) を行う際には 大きな紙を利用したり OHP やスライドなどが用いられてきたが 最近は PC 上のプレゼンテーション用ソフトを利用し それをプロジェクタで投影する事が一般的となった Microsoft Power Point( 以下 Power Point) はそのプレゼンテーション用ソフトの代表的なものである ここではその最新版である Power Point 2007( 以下 PP2007) について説明する PP2007 を起動すると 以下のウィンドウが表示される Power Point を起動せよ 中央には 1 枚の紙のイメージがあるが これをスライドと呼び ここに文字や図などを入れる このようなスライドを何枚か作り プレゼンテーション時には この一つ一つのスライドを画面にいっぱいに表示させ ( それをプロジェクタで投影する ) スライドを順次表示させていくことにより プレゼンテーションを行う ウィンドウの左側の部分には作成したスライドが小さく 順に並ぶ事になる 今現れているスライドは表紙用のもので タイトルとサブタイトルを入れるようになっている これらの部分に文字を打ちこむには その部分をクリックすると 現在表示されている 145
クリックしてタイトルを入力 といった文章が消え カーソルが現れる この状態で入力を行えばよい なお サブタイトルの部分については文字が灰色となっているが これはフォントの色の指定がそのようになっているだけであり Word と同様の方法でフォントの色を変更することが可能である その他 文字列の位置や背景色を変更したり より凝ったデザインを用いることも可能であるが それらについては後述する タイトルにはパワーポイントの練習 サブタイトルには自分の氏名を入力せよ ホームのリボン左側にあるという部分をクリックすると 新しいスライドが挿入され ウィンドウは以下のようになる 上記を行え ( 次節で説明するスライドショーのボタンはここにある ) まず ウィンドウ左側の部分で このスライドが 2 枚目のものであることが分かるだろう 今度のスライドは 1 枚目と少し違っている Power Point には様々なレイアウトが準備されており 1 枚目のスライドは表紙用のものが 2 枚目のスライドには タイトルとコンテンツというものである クリックしてテキストを入力という部分は箇条書きの設定となっており もっとも一般的に使用されるスライドのレイアウトである 文字に対するフォントや大きさなどの指定 箇条書きの設定など ( 段落番号を設定することも可能 ) は Word と同様にホームのリボンにあるフォントや段落の部分から設定できる また必要ならば 表示のリボンでルーラーにチェックマークを付けてルーラーを表示し タブの機能も利用できる タイトル部分は自己紹介とし その下には 氏名 出身地 趣味などを箇条書きで入力 146
せよ フォントや文字の大きさ 箇条書き等の設定などを適当に行い 自分の気に入ったものとせよ 新しいスライドを挿入する際に 先ほど用いたホームのリボンにあるという部分の下のという所をクリックすると 右に示す Office テーマというものが現れ 様々なレイアウトが存在することがわかる これらをクリックすれば そのレイアウトのスライドが新たに挿入される また 既に存在するスライドの場合も そのスライドを表示させた上で ホームのリボンにあるをクリックすれば ( スライド上を右クリックして現れるメニューからも指定可能 ) 右と同様のものが現れるので 適当なレイアウトを選択すれよい 既に存在するスライドを削除したい場合には ウィンドウ左側で削除したいスライドを選択した上で Delete キーを押せばよい ホームのリボンからという所をクリックし どの様なものであるかを見てみよ 実際にそれらを選択し 表示させてみる あるいは挿入したスライドのレイアウトを変更してみよ ただし 元に戻すなどを用いて消しておけ 最後には タイトルとコンテンツ (2 枚目のスライドと同じもの ) を選択し 3 枚目のスライドとせよ スライドには文字だけでなく 図などを置くこともできる 新しいスライドの中央には以下のものが ( やや薄く ) 表示されている 表の挿入 グラフの挿入 SmartArt グラフィックの挿入 図をファイルから挿入 クリップアート Media クリップの挿入 ここでは図をファイルから挿入について説明する 図をファイルから挿入をクリックすると 図の挿入というダイアログボックスが現れるが このダイアログボックスの扱い方はファイルを開くのダイアログボックスと同様である つまり外部記憶装置上の図形ファイルを指定すればよい これで指定した図がスライドに挿入される 挿入された図の扱い方は 第 8 章で説明した Word に挿入した図と同様である data フォルダにある zu というファイルを挿入し 大きさや位置を適当に調整せよ スライドのタイトル部分は図の挿入とせよ 147
スライドショー 完成したスライドをプレゼンテーション等で利用する場合には スライドショーという機能を用いる スライドショーを開始する方法はいくつか用意されている まず 表示のリボンにスライドショーというものがあり こちらを使うと 常に 1 枚目のスライドからスライドショーが開始される ウィンドウ右下にあるというスライドショーのボタン (146 ページ図参照 ) をクリックしてもスライドショーが開始される この場合は 現在表示されているスライドからスライドショーが始まる また スライドショーのリボンの左側には最初から及び現在のスライドからがある どちらかをクリックすれば該当するスライドからスライドショーが開始される スライドショーを開始すると 該当するスライドが画面全体に表示される この後クリックを行うとスライドが順に切り替わり 全てのスライドが表示された次には スライドショーの最後です クリックすると終了します というものが現れ クリックによりスライドショーは終了し 元の画面に戻る 2 枚目のスライドを表示させた上で ( 表示を切り替えるには ウィンドウ左側にあるスライドの一覧から該当するものをクリックすればよい ) 表示のリボンからスライドショーを実行してみよ この場合は 1 枚目からスライドショーが始まる クリックによりスライドが切り替わることを確認し スライドショーが終了するまで行え スライドショーが終了すると 再び 2 枚目のスライドが表示された状態となっている 今度はウィンドウ右下のスライドショーのボタンをクリックすることによりスライドショーを開始してみよ ( この場合は 2 枚の目スライドからスライドショーが始まる ) また スライドショーのリボンも利用してみよ 以下 この節の終わりまではスライドショーが実行されている状態で 説明に従って練習を行え 通常の設定では スライドショーにおいてマウスポインタが表示されない ただし スライドショー実行中に マウスを移動させると画面上にマウスポインタが現れるようになる ( 暫く何もしないとマウスポインタは再び消える ) また マウスを右クリックすると( この場合はマウスポインタがどこにあってもよく またマウスポインタが表示されていない状態でも良い ) 右に示すメニューが表示される このメニューから前へ (P) やスライドショーの終了 (S) を指定することにより 一つ前のスライドを表示させたり スライドショーを途中で終了することができる また スライドへジャンプ (G) の部分にマウスポインタを移動させると 各スライドのタイトルが一覧表示され 任意のスライドに表示を変えることもできる ポインタオプション (O) にマウスポインタを移動させると 右のサブメニューが表示される ここで ボールペン (B) やフェルトペン (F) などをクリックし その後でマウスをドラッグすると その軌跡が線として表示される ( 線の形状が選択したものによって異なる ) 線の色はインクの色 (C) にマウスポインタを移 148
動させて表示されるサブメニューで変更可能であり 消しゴム (R) やスライド上のインクを全て消去 (E) の機能については実際に試してみれば分かるだろう なお ボールペンなどの機能を使っているときには クリックを行ってもスライドは変わらない ( 右クリックによるメニューで次へ (N) などを利用することは可能 ) 通常の状態に戻すには ポインタオプション (O) で矢印 (A) を選択する スライドショーにおいてボールペンなどで線を描き それらを消去しない状態でスライドショーを終了すると その時点で右に示す警告が表示される 破棄 (D) を選択すれば それらの線は全て消去される 保持 (K) を選択した場合には 図形としてそれらの線がスライドに書き込まれた状態となる ( 図形については後述するが ここで保持を選択しても 後から図形の操作でそれらの線を削除するなどは可能である ) ファイルへの保存と読み込み Power Point におけるファイルへの保存や読み込みなどは Word 等と特に変わった点はない この章で練習した結果は practice フォルダに kadai8 として保存せよ 保存が終了したならば 次の説明のために 新しいスライドを 1 枚挿入せよ スライドの位置は一番最後とする ( 一番最後に新しいスライドを挿入するには それまで最後にあったスライドをウィンドウ左側で指定してから挿入の作業を行えばよい また スライドの順序を変更したい場合には ウィンドウ左側に表示されているスライドの縮小表示をドラッグすればよい ) スライドのレイアウトは 2 枚目と同様 タイトルとコンテンツ ( により挿入されるスライド ) とする スライドの実態 現在スライドには タイトルと箇条書きの部分があり それぞれは点線で囲まれている 実はこれは第 8 章で説明したテキストボックスである テキストボックスについて少し復習しておこう テキストボックスはその内部に文字列を配置するものであり その大きさや位置は自由に変更できる テキストボックスを扱う場合 その内部をクリックするとカーソルが現れ 文字列の入力や削除など 内部の文字列を扱う状態となる (Power Point では 始めから表示されているテキストボックスには箇条書きなどの設定が予めされているが こうした設定は Word も含め 各テキストボックスで可能であり またそれを変更 解除することもできる ) この状態では テキストボックスはよりはっきりした点線で囲われ 四隅等には や が現れる この状態で枠線部分をドラッグすると や 印の部分ならば 大きさが変更され それ以外の部分では位置を変えることができる ( マウスポインタの形状に注意 ) テキストボックスを利用する際に少し分かりにくい点として テキストボックスそのものが処 149
理の対象となっているか その内部の文字列等が対象となっているかを使い分けなくてはならない点である テキストボックス内をクリックするとカーソルが現れるが この状態はテキストボックス内部を処理対象にしている状態で テキストボックスそのものの削除やコピーなどを行いたい場合は テキストボックスそのものを処理対象にしなければならない これには テキストボックスの枠線部分をクリックする この状態では枠線は実線となり カーソルは表示されない これがテキストボックスそのものを処理対象としている状態である この状態で 例えば Delete を押せば テキストボックスそのものが削除される この状態の違いを把握していないと テキストボックスをうまく扱えない 箇条書き部分のテキストボックスについて 位置や大きさの変更を行い 最後にテキストボックスそのものを削除せよ スライド上に新たにテキストボックスを置くことも可能であり ホームのリボンでのボタン ( 横書きの場合 縦書きならば ) をクリックし スライド上を適当にドラッグすることにより 横書きテキストボックスが挿入される 新たに挿入されたテキストボックスの幅はドラッグしたものとなるが 高さは 1 行分にしかならない 高さは内部にテキストを入力していくことにより 自動的に高くなっていく なお 新たに挿入されたテキストボックスの文字の大きさはプレゼンテーション用としてはやや小さめとなっているので 必要ならば文字の大きさの他 箇条書きなどの設定を行えばよい もちろん テキストボックスは一つだけでなく 複数配置することもできる 新たな横書きテキストボックスを挿入し そこに以下の文章を入力し テキストボックスの高さがどのようになるかを確かめよ また 文字の大きさを 40pt( ポイント ) に変更し 表示がどのように変化するかも確かめよ 最後に テキストボックスの幅や位置を調整することにより このテキストボックスがスライドの中央当たりに表示されるようにせよ 以下で< 改行 >となっている部分は Enter を押せばよい これはテキストボックスの練習です テキストボックスの高さは 最初は 1 行分ですが 文字を打ち込んで行くに従って 高さも高くなっていきます < 改行 > 改行を行った結果はどうでしょうか 高さは自動的に変わりますが 幅の方は変化しません 結局スライドというものは 基本的にはその上にテキストボックスや図などを配置しただけのものである スライドを作成する時には Power Point の方で準備したレイアウトをそのまま利用しても良いし テキストボックス等の位置や大きさ あるいはその内部の文字や段落の設定を変更したり 新たなテキストボックス等の挿入や削除を行うなど自由にレイアウトを行うこともできる 図形描画 ホームのリボンにある図形描画には 右に示すような図形が並んでおり こうした図形をスライド上に描くことができる 150
( 横書き ) テキストボックス 角丸四角形 フリーフォーム 縦書きテキストボックス 二等辺三角形 フリーハンド 直線 カギ線コネクタ 円弧 矢印 カギ線矢印コネクタ 曲線 正方形 / 長方形 右矢印 左中かっこ 円 / 楕円 下矢印 右中かっこ 前ページ右下で示したものは登録されている図形の一部であり 右側にある のボタ ンを使ってスクロールさせると 上記以外の図形も現れる また をクリックすれば 全 ての図形が分類別に表示される 5 枚目のスライドを白紙のレイアウトで挿入せよ 以下この節の終わりまでは このスライ ドを使って 説明に従って自由に練習を行え 直線を引くには ( 直線 ) ボタンをクリックした後に ( この時スライド上にマウスポインタを 移動すると その形状は+となる ) スライド上でドラッグを行えばよい ただし 1 回直線を 引くと マウスポインタの形状は矢印に戻り 別の直線を引くには もう一度 ( 直線 ) ボタ ンをクリックする必要がある 垂直 水平あるいは 45 の直線を引きたい時には Shift を 押しながらドラッグを行うとよい 直線を引いた直後 その直線の両端には が付く こ れはその直線が処理の対象となっている状態で この状態で の部分をドラッグすれば 直線の長さや角度を変更できる ( もう一方の端点は動かない なお 直線そのものを移動 したい場合には 単にその直線をドラッグすればよい ) 線の色や種類( 線の太さ ) スタイ ル ( 実線 点線等 ) を変更したい場合には その直線を処理対象とした上で ( その直線をク リック ) ホームのリボンの図形描画の部分にある とい う部分をクリックし 右のメニューを表示させる 線の色については ここから直接 あるいはその他の線の色 (M) をクリックして現れ るダイアログボックスから指定する ( これは PP2007 からの新しい機 能であるが こうした操作を行う際 単にマウスポインタを合わせる だけで その結果がスライド上に反映されるようになった ) 太さ(W) 実線 / 点線 (S) 矢印(R) をクリックした場合には サブメニューが 現れるので その中から該当するものを選ぶ 矢印付きの直線を引きたい場合には ( 矢印 ) ボタンをクリック後 ドラッグを行ってもよい この場合には ドラッグした終点に矢印 が付く ( 正方形 / 長方形 ) ボタンをクリックし スライド上をドラッグすれば四角形が描かれる このとき Shift+ ドラッグとすれば 正方形となる こうした図形は周りを囲む枠線とその内部 から構成されている 枠線の色や種類などの変更は直線の場合と同様である 内部の色 などについては の機能を使って指定する またここで塗りつぶしなし とすれば枠線だけからなる図形となる ( 内部は塗りつぶされていないので 下の図形が見 えるようになる ) また枠線の色の設定で 枠線のない( 正確に言えば 枠線の表示されな 151
い ) 図形とすることもできる ( 線なしを指定 ) 更に から影付きスタイルボタンや 3-D スタイルボタンにより 様々な効果を付けることもできる ( この辺は各自でいろいろ試してもらいたい ) ( 円 / 楕円 ) などについても同様である (Shift+ドラッグでどのようになるかも試してみるとよい ) また PP2007 からの新しい機能として 図形を右クリックして現れるメニューから図の書式設定 (O) を指定すると 上で述べたことを行うダイアログボックスが表示される 複数の設定を行うときには便利だろう 図形についてもテキストボックスや直線と同様 大きさや位置の変更ができる なお移動の際 Shift を押しながらドラッグを行うと 水平あるいは垂直方向への移動となり ( この辺は実際に図形を利用する際には結構重宝する ) Ctrl を押しながら行えば コピーが行われる (Shift と Ctrl の両方を押しながら操作することもできる ) その他の様々な図形についても各自で試しておいてもらいたい 図形を回転させることもできる 回転させたい図形を指定した上で ホームのリボン 図形描画にある配置という部分をクリックすると右に示すメニューが現れる ( 以下 これを配置のメニューと呼ぶ ) この配置のメニューにある回転 (O) にマウスポインタを移動させると サブメニューに右へ 90 度回転 (R) 等があるので 適当なものを指定すればよい その他の回転オプション (M) を指定すると 右下のダイアログボックスが現れ この中の回転 (T) のボックスを利用すれば 図形を任意の角度に回転させることができる 2007 のバージョンでは このボックスで数値を変更すれば 直ちにそれが図形に反映されるので それを見ながら適当な角度を指定すればよい ただし このダイアログボックスにはキャンセルのボタンが無い 変更をキャンセルしたい場合は 数値を元に戻すか 一度閉じるをクリックしてから 元に戻すの機能を利用する必要がある 複数の図形が重なった状態では 後に描いた図形が上にあり その下の図形は隠れてしまう ( 塗りつぶしなしを指定した場合を除く ) このように 描かれた図形には順序があり より後に描かれた図形が上となっている ( 一つ一つの図形やテキストボックスなどが透明なシート 1 枚ずつに書かれており それらを全て重ね合わせて見ているというイメージである ) この順序は変更できる 順序を変更するには その図形を指定した上で 配置のメニューを用いる 最前面へ移動 (R) を指定すれば 文字通り全ての図形等 ( テキストボックスなども含む ) のもっとも手前 ( 上部 ) となる 前面へ移動 (F) の場合は 先ほど述べたその図形が描 152
かれている透明なシートを 1 段階手前に変更することになる 背面への移動も同様である 図形を指定する際に その図形が背面にあり うまくクリックできないような事態も発生する こうした場合には 配置のメニューにあるオブジェクトの選択と表示 (P) を指定すれば ウィンドウ右側に 現在スライド上に存在する図形やテキストボックスなどの一覧が表示されるので そこから指定を行うこともできる 複雑な図形などでは 直線などいくつかの図形を組み合わせて一つの図形を描くことがある こうしてできあがった図形の位置などを変更する場合 その構成要素一つ一つを移動させるのは面倒である このような場合には 複数の図形を同時に指定することを行えばよい 複数の図形を同時に指定するには 始めに一つの図形を指定し それに続く指定を行う際に Shift を押しながらクリックとすれば それまで指定されていた図形に加えて 新たに指定した図形が付け加わる この状態で 例えば移動を行えば 指定された図形全てが同時に移動する ただし いくつかの図形を組み合わせてできたものを恒常的に利用するのならば それをグループ化しておけばよい これは 複数の図形を同時に指定した上で 配置のメニューを表示し グループ化 (G) を指定すれば その時点で指定されていた図形が一つの図形として扱われるようになる グループ化したものを取りやめること ( グループ解除 ) や グループ解除したものを再びグループ化すること ( 再グループ化 ) もできる 図形の位置などは基本的にグリッドにより制約される ただしグリッドの扱い方が Word の場合 ( 教科書 p.84) とは少し異なっている 配置のメニューで 配置 (A) にマウスポインタを移動して現れるサブメニューにグリッドの表示 (S) 及びグリッドの設定 (G) がある ( その他のこのサブメニューの機能は各自で試してもらいたい ) グリッドの表示(S) については説明の必要はないだろう グリッドの設定 (G) を選択すると 右に示すダイアログボックスが表示される 描画オブジェクトをグリッド線に合わせる (G) にチェックマークが付いている状態の場合 図形の端点等はグリッド位置にしか置くことができない このチェックマークをはずすと ( クリック ) 図形は任意の位置に配置することができる グリッドの間隔はその下のボックスで設定する (Power Point では常に縦横等間隔になる ) ここまでの練習をいろいろ行った 5 枚目のスライドはそのままとし 6 枚目のスライドを挿入する レイアウトについてはタイトルのみとし タイトルは図形の練習 その下に次ページ上の図形を描いてみる 左側の図形は 円と 2 本の直線からなる図形を 1 つ作り それをコピー 回転などを行って完成させたものである 基本となる円と 2 本の直線からなる図形 ( 一番左側の図形 ) をまず作ることにする 正確に綺麗な図形を描くのは意外と難しい この図を描くには次のようにすると良い まず 正円を描くのであるが 後で直線と組み合わせることを考えると この円 153
の中心はグリッド上にあった方がよい グリッドの間隔を 1cm または 0.5cm(2 グリッド /cm) としてグリッドを表示しておく 円の中心をグリッド上に配置するには まだ説明は行っていなかったが Ctrl を押しながら円を描けば実現される 今は正円を描くので Ctrl と Shift の両方を押しながら描く ( 必要ならば この円を移動した後 ) 円の中心と水平な左側から直線を 1 本描く ( 正確に水平となるようにグリッドを利用している ) 円と接する部分は必ずしもグリッド上にはないかもしれないので ここでは適当な直線を描いてから 描画オブジェクトをグリッド線に合わせるを解除し うまく直線が円に接するようにする この時 もう一方の端点 ( グリッド上にある ) は動かさないようにする 次に この直線をコピーし コピーした直線に対し 上下反転を行ってから 左側の端点が一致するように移動すれば綺麗に仕上がるだろう 次に今描いた円と直線からなる図形をグループ化し コピーを 3 つ作る 一つのコピーをコピー元と一致するように移動し 左右反転を行う そのまま Shift を押しながらドラッグすることにより移動すれば 水平に移動することができる 残りの 2 つの図形をそれぞれ右 左に 90 度回転し 上に示したように配置する 最後に 円内の色を設定する ここでは 左側は赤 上は黄色 右を青 下を緑とした 以下これらの図形を指すときに赤い図形 黄色い図形などと呼ぶことにする ( アニメーションの節で利用する ) 右側の図形は 四角と丸で一番上の図形を描く 次にこの四角と丸を同時に指定し Ctrl +Shift+ドラッグにより 同じ図形を縦に 3 つ並べる その上で 真ん中の図形は四角が前面にくるように順序を変更し 下の図形は丸の部分を塗りつぶしなしとする これ以降は 図形の移動等は行わないので グリッドは非表示としておくと良いだろう デザインと配色 ここまで用いてきたスライドは 基本的に白地に黒の文字というものであったが Power Point ではテーマ ( テーマというのは PP2007 から導入されたもので それ以前はテンプレートと呼んでいた ) という形で様々なデザインが準備されている テーマの一覧は デザインのリボンにある テーマによる違いがよく分かるように 2 枚目のスライド ( 自己紹介を描いたもの ) を表示させ 154
る その上で デザインのリボンを選択せよ デザインのリボンのテーマというところには 様々なものが並んでいる この部分にマウスポインタを移動するだけで ( クリックの必要はない ) 現在のスライドがどのようになるか表示される 気に入ったものが見つかれば それをクリックすればよい これにより 全てのスライドに指定したテーマが適用される また テーマの一覧右側にはスクロールボタンがあり これをクリックすれば より多くのテーマが利用できることが分かる その右には といったものがあり これらをクリックして表示されるメニューから各テーマの配色や利用するフォントを変更できる どのようなテーマがあるかを見て 自分の気に入ったテーマに変更してみよ 配色やフォントについても試してみると良い ただし 自分で選択したものが次節を行う際にあまり適していない場合は その時点でテーマ等を変更せよ アニメーション ここまで作ってきたスライドでは スライドの上に配置された文字列 ( テキストボックス ) や図 図形 ( 以下これらをコンポーネントと総称することにする ) は固定的なものであった しかし Power Point では コンポーネントを 始めは表示されていないが スライドショーの途中で表示させるなどということを行わせることができる こうした効果をアニメーションと呼んでいる アニメーションを利用するには まずアニメーションのリボンを表示し 左の方にあるという部分をクリックする これにより ウィンドウ右側にアニメーションの設定という作業ウィンドウが表示される 言葉による説明では分かりにくいので 実際にやってみよう 上記の要領でアニメーションの設定という作業ウィンドウを表示させる 次に 6 枚目のスライドを表示し 右に示す赤い図形をクリックし 処理の対象としておく ( この図形はグループ化されているはずである そうでなければグループ化を行ってから この作業を行え ) アニメーションの設定の作業ウィンドウ上部にあるボタンをクリックする これにより右のメニューが現れるが ここで開始 (E) 1. スライドインを指定する 開始 (E) にマウスポインタを移動して現れるサブメニューの内容は 固定的なものではないので 1. スライドインとはなっていないかもしれない ここでは アニメーションを試してみるだけであり 必ずしもスライドインでなくても構わないので 一番上に表示された項目を指定すればよい アニメーションの指定を行うと その時点でデモンストレーションが行われるが もう少ししっかり確認してみるため スライドショーを行う 今は 6 枚目のスライドを見ればよいので 6 枚目のスライドが表示された状態で ウィンドウ右下の ( スライドショーのボタン ) をクリックするか スライドショーのリボンで現在のスライドからを指定する これでスライドショーが開始され 6 枚目のスライドが表示されるが この時点で赤い図形は表示されない ここでクリックを行うと ( マウスポインタはどの部分にあっても良い ) 赤い図形が現れる( しかも動作を 155
伴って ) 上記の練習問題で見たように 指定したものをスライドショーの途中で現れるようにするのが アニメーションにおける開始の指定である 上記の練習問題で行ったように 効果の追加で開くメニューで開始 (E) の部分にマウスポインタを移動するとサブメニューが開き いくつかの項目が現れるが その一番下にその他の効果 (M) という項目がある これをクリックすると 開始として利用できる全ての効果を示すダイアログボックス ( 右 ) が表示される 適当なものをクリックすれば 実際にスライドでどのようになるかが確かめられる ( これが行われるのは 右のダイアログボックス下段にある効果のプレビュー (P) にチェックマークが付いている必要がある ) 最後に OK をクリックすれば 指定したアニメーションが設定される 右に示す黄色い図形 ( これもグループ化されている必要がある ) を指定した上で 上記を行い 様々な開始の効果によりどのようになるかを確かめよ ( 実際にスライドショーを実行してみても良い ) 一度スライドショーを実行した後 アニメーションの効果を変更するには 作業ウィンドウでその項目を指定する その結果 作業ウィンドウ上部にある効果の追加となっていたボタンが変更となるので これをクリックして 設定を行えばよい スライドインなどのアニメーションの場合には 作業ウィンドウにある方向や速さのボックスで 現れる方向やその速さを指定することもできる なお 開始については この後で説明がある 最後には ベーシックの分類にあるアピールに設定せよ アピールはもっとも基本となる開始の動作で 単にそのコンポーネントが表示されるだけである アニメーションを設定した項目は 現在表示されているアニメーションの設定という作業ウィンドウに並ぶ この順序がアニメーション実行の順序である この順序を変更することにより アニメーションが実行される順序を変更することができる 順序を変更したい項目を指定 ( クリック ) した上で ( これによりその項目の右側には ボタンが現れる ) 作業ウィンドウ下部の順序の変更部分にある上下の矢印ボタンをクリックする これでその項目の表示されている順序 すなわちアニメーションが実行される順序が変更される なお 順序の変更は 作業ウィンドウ上でその項目を直接上下にドラッグすることによっても実現される 赤い図形と黄色い図形に対するアニメーションの実行順序を入れ替えよ 実行順序が変更されたことは スライドショーにより確認せよ 156
再びアニメーションの設定についてである 強調という効果は 既に表示されているコンポーネントを対象に実行されるアニメーションである 開始の場合と同様に 強調 (M) にマウスポインタを移動すると サブメニューが現れ その一番下にあるその他の効果 (M) を指定すると 強調に関する全ての効果がダイアログボックスとして表示される ( ただし 利用できない効果は薄い字で表示されている ) 先ほど 開始のアピールを指定した黄色い図形について 強調も設定してみよう このように一つのコンポーネントに対し 複数の効果を指定することもできる ( それらが矛盾しない限り ) 黄色い図形を指定した上で 効果の追加 強調 (M) その他の効果(M) によりダイアログボックスを表示させ まずは利用できる効果をいくつか試してみよ この時 今行っている強調のアニメーションの実行順序が一番最後であるよりも その一つ前の方が ( 後の説明のために ) 都合がよいので 始めに強調の設定を行った上で 赤い図形に対するアニメーションの前に実行順序を変更し スライドショーによる確認や その他の指定を試してみよ 最後には はなやかの分類にあるブリンクとせよ ブリンクはそのコンポーネントを点滅させるものである ブリンクなどの効果においては 点滅する回数などを指定することができる 作業ウィンドウにある項目を指定すると 右側に ボタンが現れるが それをクリックし 現れたメニューからタイミング (T) を選択する これで右に示すダイアログボックスが現れる この中の繰り返し (R) が現在 ( なし ) となっているので 点滅は 1 回だけ行われた このボックスを書き換えることにより 点滅の回数を指定できる また その上の速さ (E) のボックスで点滅の速さを設定できる 先ほど設定した強調のブリンクについて 繰り返しの回数や速さを適当に設定し スライドショーによりどの様になるかを確認せよ 最後に 速さ (E) は 1 秒 ( 速く ) に設定し 繰り返し (R) については次のクリックまでとせよ これについてもスライドショーで確認せよ 上記により クリックを行うごとにそれぞれのアニメーションが実行される アニメーションが開始されるタイミングには これ以外の設定もある 上記のダイアログボックスで 開始 (S) のボックス あるいは作業ウィンドウ上部にある開始のボックスでは クリック時の他に直前の動作と同時及び直前の動作の後という指定ができる 直前の動作の後を指定した場合 右上で示したダイアログボックスにある遅延 (D) のボックスで 直前の動作の後何秒でこの動作を行うかを指定できる 黄色い図形が点滅するタイミングを直前の動作と同時とせよ この結果 スライドショーを行うと クリックにより黄色い図形が表示されると同時に点滅が行われ もう一度クリックす 157
ると点滅が終わり ( そのコンポーネントは表示され続ける ) 赤い図形が現れる 今度は終了のアニメーションについてである 今までと同様に 終了のメニューにあるその他の効果 (M) を指定すると 様々な終了パターンがあることがわかる 黄色い図形について終了のアニメーションを設定せよ この実行順序もブリンクの直後に変更せよ 様々な終了パターンを試した後に 最後にはクリアとせよ クリアは単にそのコンポーネントを消すものである ここまでの作業により 黄色い図形は クリックにより現れると同時に点滅し もう一度クリックすると消えるようになる また 赤い図形が現れるタイミングを黄色い図形が消えてから 3 秒後となるようにせよ 最後に 右側にある四角や丸の図形について 適当なアニメーションを設定してみよ アニメーションは図形だけでなく テキストボックス等にも適用できる テキストボックスに適用した場合には テキストボックス内の文字を 1 文字ずつ順に表示させるなどが可能となる 1 枚目のスライドにあるタイトルに対し 開始のアピールのアニメーションを設定せよ 次に先ほどブリンクで行ったのと同じ要領で 効果のオプション (E) を指定すると 右のダイアログボックスが表示される ここで テキストの動作 (X) のボックスを右図のように文字単位で表示にし どのようになるかを スライドショーで確認せよ 重要初心者はアニメーションを多用しがちであるが アニメーションはプレゼンテーションの中でもっとも強調したい所だけに使うなど 最低限の利用にした方が良い 特に派手なアニメーションは よほどのことがない限り プレゼンテーションの途中で行うことは避けた方が良いだろう プレゼンテーションは相手にアピールする場であるが 不要なアニメーションは相手を不快にするだけである アニメーションをなぜ使うのか プレゼンテーションの際にそのアニメーションをどのように活用するのかをよく考えた方がいいだろう 総合練習 15 分程度の時間を想定して 自分の出身地 ( 都道府県でも市町村でも あるいはもっと狭い地域でも良い ) を紹介するプレゼンテーションを行うためのスライドを作成せよ ( スライドの枚数は何枚でも良いが 15 分という時間を考慮すること ) 158