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エネルギー 環境材料 2018 第 4 回熱電変換材料 数理物質科学研究科物性 分子工学専攻准教授鈴木義和 suzuki@ims.tsukuba.ac.jp すみれさん (2016 年度イメージキャラ ) Yoshikazu SUZUKI 1

エネルギー 環境材料 (4) 熱電変換材料 今日の講義で分かること : 熱電変換とは? 熱電変換材料の今後の課題 ( 用途 性能 etc.) 目次 熱電効果の概要 熱電変換の歴史 熱電変換の基礎 代表的な熱電変換材料 ちょっと一息 : ペルチェ素子とオーバークロック 熱電変換に関する大型プロジェクト 熱電クイズ 参考書 : 熱電変換材料 ( 日刊工業新聞社 ) Yoshikazu SUZUKI 2

まず 熱電変換素子に関するデモンストレーションを見てみましょう Q1 LEDを点灯させるための昇圧回路は なんという名前で呼ばれていましたか 出典 https://www.youtube.com/watch?v=rc16mwzfq8a Yoshikazu SUZUKI 3

熱電変換の発見 ゼーベック効果 1821 年 トーマス ゼーベック ( エストニア出身 ドイツ ) 医師 物理学者 (1770~1831) 異種金属の 2 か所の接点に温度差を設けると磁場が発生 実際には 電流が発生していることがわかる http://en.wikipedia.org/wiki/thomas_johann_seebeck http://en.wikipedia.org/wiki/thermoelectric_effect#seebeck_effect Yoshikazu SUZUKI 4

ペルチェ ( ペルティエ ) 効果 ペルチェ効果 1834 年 ジャン = シャルル ペルティエ ( フランス ) ( 物理学者 ) 異なる 2 種類の金属または半導体 (n 型と p 型 ) を 2 つの点で接合したものに 電流を流す 電流は片方の接点からもう一方に動くとき熱も輸送する 片方の接点は冷やされ もう一方は温められる chemistry.about.com http://ja.wikipedia.org/wiki/ ペルティエ効果 ゼーベック効果の発見から 13 年後 1834 年に発見される Yoshikazu SUZUKI 5

熱電効果の概要 ゼーベック効果 2 種の金属または半導体のp 型とn 型で接合部を持った対 ( カップル ) をつくり 両接合部に温度差 Tをつけると熱起電力が生ずる現象 これに外部負荷を接続すれば電力を取り出すことが出来る ペルチェ効果 逆に 接合部に電流を流すと 各々の接点で吸熱 放熱が生じる これを ペルチェ効果と言う これらは固体素子中の電子の挙動によって生ずるものであり 稼動部がなく 熱と電力の直接相互変換が可能であり 多様な応用への潜在力を秘めている 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 6

熱電変換の変遷 熱電効果は 1821 年に発見され 190 年以上の歴史 ペルチェ効果を利用した熱電冷却は 小型 軽量の特徴を活かした局所冷却や精密な温度制御に実用化が進む 一方 熱電発電は効率が低いが信頼性が高いために宇宙探査機電源など特殊用途でのみ実用化 これまでの間 素子材料の性能は期待されたほど向上しなかった 1990 年代後半に エレクトロニクス技術の進歩と材料科学の精緻化により 大きな熱電材料革新が起こり 性能が飛躍的に向上 ボイジャー 1 号 現在 熱電変換は その特徴を発揮し 省エネルギー 創エネルギーや地球環境問題解決への強力なツールの一つ http://en.wikipedia.org/wiki/voyager_1 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 7

熱電変換の原理 n 型 ( 電子伝導 ) p 型 ( ホール伝導 ) (a) n 型 すなわち電子伝導型物質の伝導帯に電子が熱平衡でフェ ルミ分布している状態と p 型 すなわちホール伝導型物質の価電子 帯にホールが熱平衡フェルミ分布している状態 (b) それぞれ 左端を加熱 ( 熱 Q を注入 ) している状態を示す n 型においては加熱端の電子は熱エネルギーを得た分だけ活性化して右端に熱拡散し 右端を負に ( したがって左端を正に ) 帯電し 図の + - で示すような向きの熱起電力 ( ゼーベック効果 ) を発生して熱拡散に対応する 回路のスイッチ S を閉じれば負荷抵抗 R L に図の向きにゼーベック電流が流れて仕事をする p 型においても同様のことが起きて n 型と逆向きの熱起電力が発生する (c) pn 接合をつくり接合部 A を加熱した場合を示す図の + - のような向きの起電力が生じることは (b) から明らかである スイッチ S を閉じると矢印の向きのゼーベック電流が流れる (d) ゼーベック効果の逆効果であるペルチェ効果については このとおりである 接合点 A に外部から熱の出入りのない状態で (c) のゼーベック電流と同じ向きの電流を外部電圧 V によって流す この場合 図 (c) の BC 間の熱起電力と図 (d) の BC 間にかける電圧とは逆の向きにしなければならない なぜなら pn 対が (c) では電源として作用し (d) では負荷として作用するからである 接合点 A では電子とホールは互いに離れる向きに流れるので 電子 ホール対が生成され続けなければならない その対生成エネルギー (A 点での縦線の長さに相当 ) は格子フォノンエネルギーから調達される それは A 部における吸熱 すなわちペルチェ冷却となって現れる 出典 : 田沼静一 エネルギー変換 ( 裳華房 ) Yoshikazu SUZUKI 8

熱電変換素子の性能評価と材料設計の基礎 Z= 性能指数 (Z[1/K]) = ( ゼーベック係数 ) 2 電気伝導率 熱伝導率 この部分を特に パワーファクターと呼ぶ S: ゼーベック係数 [V/K] 温度差あたりに発生する熱起電力の大きさ α をつかう人も多い : 電気伝導度 [Ω -1 cm -1 ] cm -1 の単位を用いることが多いが m -1 の場合もある : 熱伝導率 [W/cmK] を使う人もいる 単位系には cm -1 ではなく m -1 をつかうこともある ZT= T 多くの場合は 両辺に絶対温度 T を掛けた 無次元化性能指数 ZT を用いる 実用化の目安は ZT>1 優れた熱電変換材料を得るには ゼーベック係数が大きい材料電気を良く通す材料熱が伝わりにくい材料 Yoshikazu SUZUKI 9

熱電変換の効率 = 熱機関のカルノー効率 熱電変換も 電子を動作物体とする熱機関と考えられる カルノー効率が最大効率となる ( 温度差が大きいほど効率大 ) 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 10

性能向上のアプローチ 熱電変換における近年の研究開発は Z 値を上昇させるために ゼーベック係数を 高く保ちつつ 導電率 σ と熱伝導率 の関係を分断するために力が注がれている 熱伝導率の中の電気を運ぶことに関係しない成分の極小化 例えば 複雑結晶構造系材料やナノレベル粒界の制御等の研究が 材料基礎科学 から材料製造プロセス工学に至る広範囲の学問分野にまたがって行われている 最近 その努力が実りはじめ これまでにない高い Z 値が見出され ZT 値では 1 をは るかに超え 2 以上の素子も作成されるようになり 今までなかなか打ち破れなかった 性能向上の見通しが ようやく明らかになってきている 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 11

モジュール化とシステム化技術の重要性 熱電変換システムを実用化する上で重要な課題 素子材料の性能向上 熱電変換素子を電極と接合させモジュールを作成 熱電変換モジュールと熱源との間の熱抵抗の低減 高温側と低温側の熱源間に大きな温度差がありながら 熱電変換素子と電極 接合 及びモジュールと熱交換器による熱電変換部の構成を誤ると 熱電変換 素子両端の温度差は半分にも満たなくなる 熱源から熱電変換素子への熱伝達形態は 用途に応じて 対流 放射 熱伝 導またはその組み合わせになるが 各形態に応じた熱輸送手段の伝熱促進が 極めて重要 経済性と信頼性も加味して的確なシステム構築が不可欠 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 12

熱電発電 接合点の一方を高熱源 他方を低熱源に接触させて電位差を生じさせ 熱エネルギーを電力エネルギーに変換 2 種類の導体の組み合わせ例常温から500Kまで ビスマス テルル系 (Bi-Te 系 ) 常温から 800K までは鉛 テルル系 (Pb-Te 系 ) 常温から 1000K まではシリコン ゲルマニウム系 (Si-Ge 系 ) Yoshikazu SUZUKI 13

代表的な熱電変換材料 テルライド系 室温 ~550K 程度の比較的低温域テルル化ビスマス (Bi 2 Te 3 ) など これ以上熱電性能の向上を図ることが難しい域にまで達している 配向性の制御など シリコンーゲルマニウム系 中温用 長期安定性に優れる Si 0.8 Ge 0.2 など 凝固の際に偏析を生じやすいため 合金粉末をホットプレスすることにより作製されている スクッテルダイト系 中温用 長期安定性に優れる CoSb 3 など ( および空隙に原子を充填した 充填スクッテルダイト ) ガラス ( 非晶質 ) のように熱を伝えにくく 電気を結晶のように伝える理想的な物質の一つ 空隙のあるかご状の結晶構造をもち 空隙中に弱く結合した原子があると フォノンが散乱され熱伝導度を低下させることができるため ZT=1 を超える化合物が開発されている 図の出典 :http://www.cmpt.phys.tohoku.ac.jp/~otsuki/povray.html ( 東北大学大槻先生 ) 参考 : 日本セラミックス協会 日本熱電学会 ( 編 ): 熱電変換材料 ( 日刊工業新聞社 ) Yoshikazu SUZUKI 14

熱電変換素子に関する内容です Q1 どんな応用例が説明されていましたか 出典 https://www.youtube.com/watch?v=8pwgxyb67xi Yoshikazu SUZUKI 15

ちょっと一息 ペルチェ素子とオーバークロック CPUクーリングにペルチェ素子を用いることは CPUがPentiumⅡやPentiumⅢの時代に一時期ブレイ クしたことがあったが その後ぷっつり と姿を消してしまった これは吸熱面が室温より低くなると結露が発 生してしまうこと そしてペルチェ素子自体が大きな電力を使用することが原因である CPU冷却に用いる ペルチェ素子の使用電力は30 60W程度あり ヒートシンク部分にはCPUの発熱 ペルチェ素子の発熱を 放熱する性能が求められる もし放熱部の冷却が追いつかないと 熱が吸熱部に伝わってしまい冷却効果 が著しく下がってしまう こうした扱いづらさも手伝って ペルチェ素子はブームにはなったものの 結局使う のは本当に冷却道を突き進む人のみになってしまったわけである 出典 ascii.jp ペルチェ素子を装備! モンスターCPUクーラー V10 の実力 http://ascii.jp/elem/000/000/423/423623/index-2.html Yoshikazu SUZUKI 16

ちょっと一息 : ペルチェ素子とオーバークロック コレがペルチェ素子 ぱっと見では 板に電極が取り付けられているようにしか見えない ヒートパイプ部分を外すとこんな感じに ペルチェ素子の表面にはベタベタという表現がぴったりなほどサーマルグリスが塗りたくられている 出典 :ascii.jp ペルチェ素子を装備! モンスター CPUクーラー V10 の実力 http://ascii.jp/elem/000/000/423/423623/index-2.html Yoshikazu SUZUKI 17

高効率熱電変換システムの開発 プロジェクト 国の支援最近の材料開発の新たな展開は 熱を直接電力に変換出来る熱電変換に新たな光明をもたらした その結果 熱電変換システムが 国の推進するエネルギー消費削減の施策 地球温暖化対策推進大綱 に位置づけられている 革新的エネルギー消費削減技術 の一つに取り上げられることになった 国の支援 (2/3 助成 ) による かつて無い予算規模 (5 年間で約 25 億円 ) と研究開発チームによる 高効率熱電変換システムの開発 が 2002 年度から 5 ヵ年計画で始まった 政策的位置付けと本プロジェクトによる期待効果地球温暖化対策推進大綱の中では 2008~2010 年に二酸化炭素排出量を 1990 年比で 2% 削減する そのうち 革新的なエネルギー 環境技術 で 0.6% 削減する 本プロジェクトによる熱電変換システムの実用化により 二酸化炭素排出抑制への貢献として 2010 年には 7.3 万トン 発電量として 213GWh/ 年の省エネルギー達成を目指した 研究開発の技術目標 高効率熱電変換モジュールの開発熱電変換モジュールの両電極間温度差 550K のとき 熱電変換効率 15% の目処を確立 熱電変換システムの開発産業用および民生用での各種排熱を利用した熱電変換システムを実証 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 18

高効率熱電変換システムの開発 プロジェクト 個別開発テーマと担当 高効率熱電変換モジュールの開発 高温域 Zn-Sb 系, 低温域 Bi-Te 系材料を用いたカスケードモジュールの開発 ( 宇部興産 ) 高温域 Co-Sb 系, 低温域 Bi-Te 系材料を用いたカスケードモジュールの開発 ( エコ トゥエンティーワン ) 高温域シリサイド系, 低温域 Bi-Te 系材料を用いたカスケードモジュールの開発 ( 小松製作所 プロジェクター光源等の低温域排熱利用熱電変換モジュールの開発 ( ヤマハ ) 熱電変換システムの開発 ディーゼルエンジンコージェネレーション向け高効率熱電変換システムの開発 ( 小松製作所 ) 抵抗加熱式工業炉用熱電変換システムの開発 ( 石川島播磨重工業 ) 低温排熱 ( 変圧器用等 ) 回収熱電変換システムの開発 ( 東芝 ) プロジェクター光源等の低温域排熱利用熱電変換システムの開発 ( ヤマハ ) 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 19

高効率熱電変換システムの開発 プロジェクト 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 20

高効率熱電変換システムの開発 プロジェクト 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 21

高効率熱電変換システムの開発 プロジェクト 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 22

高効率熱電変換システムの開発 プロジェクト 出典 : 梶川武信 高効率熱電変換システムの開発 プロジェクトについて 熱電発電フォーラム (2005.10.31) Yoshikazu SUZUKI 23

スクッテルダイトの実用化 2004 年のニュース 昭和電工が耐熱温度 +700 の熱電半導体材料を開発,2008 年にモジュールを量産化 昭和電工は, 耐熱温度が +700 の熱電半導体材料を開発した スクッテルダイトと呼ばれる La-Fe-Sb 系の材料である 2008 年に, この材料を用いた熱電変換モジュールの量産を開始する予定で,2010 年には 20 億円の売り上げを見込んでいる 2010 年 2 月 3 日のニュース 焼却炉での熱電発電実用化に向けた本格的な実証実験に着手 昭和電工株式会社 株式会社プランテック ~ 世界最高クラス出力の熱電発電モジュールによる中温域 (300~600 ) での熱電発電 ~ 昭和電工株式会社 ( 社長 : 高橋恭平 本社 : 東京都港区 以下昭和電工 ) と環境プラントエンジニアリング企業の株式会社プランテック ( 社長 : 勝井征三 本社 : 大阪市西区 以下プランテック ) は 昭和電工がこのほど開発した中温域 (300~600 ) での高変換効率が特長の熱電素子および熱電変換モジュールを使用し 廃棄物焼却炉の廃熱による熱電発電の実用化に向けた本格的な実証実験に着手しました すでに約 4 ヶ月 (3000 時間 ) の連続運転に成功しており 本年 2 月からは 耐久性を向上させた新型モジュールにより 新たな実証実験をスタートします http://www.sdk.co.jp/news/2010/aanw_10_1207.html Yoshikazu SUZUKI 24

スクッテルダイトの実用化 今回開発した高出力熱発電モジュール (30mm 角 高さ 4mm) http://www.sdk.co.jp/news/2010/aanw_10_1207.html Yoshikazu SUZUKI 25

大学での研究例 実際の合成プロセスが紹介されています 東京理科大学基礎工学部 材料工学科 飯田研究室 https://www.youtube.com/watch?v=iuzejlgxbwo Yoshikazu SUZUKI 26

熱電変換クイズ Q2: ゼーベック効果とは 2 種の金属またはの p 型と n 型で接合部を持った 対 ( カップル ) をつくり 両接合部に温度差 T をつけると れに外部負荷を接続すれば電力を取り出すことが出来る が生ずる現象 こ Q3: とは ゼーベック効果とは逆に 接合部に電流を流すと 各々の接点で吸熱 放熱が生じる現象 Q4: 優れた熱電変換材料を得るには が大きい材料 を良く通す材料 が伝わりにくい材料 Q5: 近年の材料設計では 熱伝導率の中のを運ぶことに関係しない成分 の が行われている Yoshikazu SUZUKI 27

実践ロールプレーイング 皆さんが所属している団体 ( 企業 自治体等 ) が 新製品開発あるいは 省エネ推進 PR のため 熱電発電システムの導入を検討しています 2025 年を目途に どのようなシステムを作ればいいのか ディスカッションしてみましょう ( あえて熱電発電システムを 導入しない というのもありえます ) 通信インフラ 化学薬品メーカー 電子機器メーカー 公共交通機関 自動車メーカー 自治体 ( つくば市など ) 鉄鋼メーカー 広域自治体 ( 茨城県など ) 電力 国立大学 ( 筑波大学など ) Yoshikazu SUZUKI 28