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心肺機能停止傷病者の救命率等の状況 総務省消防庁救急企画室 1

もくじ 火災の概要 第 表 火災発生状況 ( 過去 5 年間 ) 第 表 市町別火災発生状況 4 第 3 表 月別火災発生状況 6 第 4 表 出火原因別火災発生状況 7 第 5 表 覚知状況 7 救急の概要 8 救助の概要 8 第 6 表 救急発生状況 ( 過去 年間 ) 9 第 7 表 市町別救

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救急の定義等 救急業務救急業務とは 災害により生じた事故若しくは屋外若しくは公衆の出入りする場所において生じた事故 又は政令で定める場合における災害による事故等に準ずる事故その他の事由で政令で定めるものによる傷病者のうち 医療機関その他の場所へ緊急に搬送する必要があるものを 救急隊によって医療機関そ

平成 30 年度救急業務のあり方に関する検討会報告書の概要 消防庁救急企画室 はじめに 消防庁救急企画室では 高齢化を背景として救急需要が増大する中 救急車の適正利用の推進や救急業務の円滑な実施と質の向上等 救急業務を安定的かつ持続的に提供し救命率の向上を図ることを目的に 平成 30 年度救急業務の

平成18年8月  日

1. 平成 22 年中の火災概要 平成 22 年中の火災件数は100 件であり 昨年の124 件と比較し 24 件の減少になります 月平均では1ヶ月当り8 件の火災が発生しており 1 週間では1.6 件の火災が発生したことになります 火災の種別ごとの発生件数は 建物火災 46 件 林野火災 6 件

平成12年

火災・救急・救助概要

平成 28 年 4 月 1 日現在の救急業務実施体制 消防本部数 救急業務実施市町村 救急業務未実施町村 救急隊数うち救急救命士運用隊数 救急隊員数 救急救命士資格を保有している消防職員数うち救急隊員として活動している救急救命士数 733 本部 第 1 表参照 1,690 市町村 第 3 表参照 2

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新年度スタート!正しい救急車の利用方法と応急手当を知ろう

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消防救第 86 号 医政指発 0330 第 1 号 平成 22 年 3 月 30 日 各都道府県消防 防災主管部 ( 局 ) 長殿衛生主管部 ( 局 ) 長殿 消防庁救急企画室長 厚生労働省医政局指導課長 消防機関における自動体外式除細動器 (AED) の取扱いについて 今般 平成 21 年度厚生労

7119 未実施団体に対するアンケート調査の結果 実施しない理由として 事業の費用対効果や 医療面に対するメリットが明確でないとの意見があったことから 医療機関の負担軽減効果や医療費の適正化の効果について定量的に分析を行いました また 利用率向上のためには 住民の認知度を高めることが重要であることか

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火災 救急 救助統計 平成 29 年版 今治市消防本部

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各都道府県消防防災主管部 ( 局 ) 長殿 事務連絡平成 23 年 2 月 18 日 消防庁救急企画室長 半自動除細動器の不具合事案について 平素より救急行政にご理解ご協力いただき お礼申し上げます 別添のとおり 滋賀県より半自動除細動器の不具合事案についての情報提供がありましたので 貴都道府県内の

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大規模イベント開催時の危機管理等における消防機関のあり方に関する研究結果について ( 概要 ) 研究の趣旨 現在 国際社会では各地で多様な形態のテロが発生し また NBCテロ災害等 特別な備えが必要となる事案が発生する恐れも増してきている 2019 年のラグビーワールドカップ 2020 年のオリンピ

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資料 1 自動体外式除細動器 (AED) とは 心臓が心室細動を起こし心肺停止になった場合に 心臓に電気ショックを与え 心臓を正常に戻す ( 除細動する ) 医療機器 AED は 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) の 高度管理医療機器 及び 特定保守管理医療機器 に指定 ( 平成 1

平成 30 年 6 月 5 日奈良県消防救急課消防救急係担当 : 倉田 中村直通 : 内線 : 熱中症による救急搬送状況について 直近一週間の熱中症による救急搬送は 7 人でした 熱中症は適切な予防をすれば防ぐこともできます 一人ひとりが 熱中症予防の正しい

1.表紙

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ


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参考資料 1 熱中症予防啓発コンテンツ作成のお知らせ 救急企画室 1. はじめに消防庁では 平成 20 年から全国の消防本部を対象に熱中症による救急搬送人員数の調査を行うとともに 熱中症予防の普及啓発活動の推進に取り組んでおります しかし 全国で毎年 4 万人以上の方が熱中症により救急搬送されており

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発災後 消防庁長官から被災都道府県以外の都道府県の知事等に電話等により連絡し 行うこととなる しかし 大規模地震においては 通信インフラ等に様々な障害が発生する可能性があり その場合には 緊急消防援助隊の出動に支障が生じることが考えられる このため 一定震度以上の大規模地震等が発生した場合に効力が発

1. 等 緊急雇用創出未就職卒業者就職支援職業訓練事業費 未就職卒業者に就業の場を設け 職業人として必要な基礎知識や技術を習得させます 小松和英 基本施策 ( 一般管理経費 ) 施策の体系 ( 一般管理費 ) 23 年度 0 24 年度 0 25 年度 2,278 2,278 0 未就職卒業者を雇用

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目 次 1 平成 23 年の観光動向 1 2 観光統計総括表 2 3 観光客数 観光消費額の推移 3 4 月別観光客数 4 5 個人客 団体客の推移 5 6 宿泊客 日帰り客の推移 6 7 交通機関別観光客数の推移 7 8 外国人宿泊者数の推移 8 9 国 地域別外国人宿泊者数 9 10 コンベンシ

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資料 2 救急 集中治療の終末期対応 ~3 学会合同ガイドライン作成の経緯を含めて ~ 日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 ( 同附属病院高度救命救急センター ) 横田裕行 経済 財政一体改革推進委員会第 15 回社会保障 WG( )

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第 5-1 表 防火防災訓練実施状況 ( 対象別 防災館を除く )( 平成 28 年度中 ) 町会 自治会防災市民組織女性防火組織その他の団体合 計 防災訓練 実施件数 9,403 件 1,128 件 227 件 9,812 件 17,779 件 参加人員 612,576 人 31,761 人 4,

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

項目 内容 目次 火災 ページ 1 火災の実態 1 2 火災の概要 ( 前比較 ) 2 3 月別の火災状況 ( 前比較 ) 3 4 地区別の火災 ( 前比較 ) 4 5 地区別の火災状況 ( 前比較 ) 5 6 建物使途別の火災状況 6 7 四季別の火災状況 6 8 曜日別の火災状況 6 9 原因別

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昼間 ( 月 ~ 土 9:00~18:30) 授業期間中 学内での救急対応連絡の流れ 急病人 けが人発生! 参考 タクシーで搬送する場合 1 発見者意識の確認 意識の確認 反応はあるか? 大阪第一交通 ( 富田林 ) 反応なし 2 通報 救急車の要請 (1

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1 0 年保存 基発 第 1 号 平成 3 0 年 3 月 9 日 都道府県労働局長殿 厚生労働省労働基準局長 ( 公印省略 ) 労働基準法施行規則の一部改正について 労働基準法施行規則の一部を改正する省令( 平成 30 年厚生労働省令第 21 号 ) が平成 30 年 3 月 9

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プロトコール 1 内容 プロトコール1が症例登録で追加されます プロトコール 1にチェックありの場合 左記表示 プロトコール 2 ECPRやPCIデータを中心とした追加プロトコール プロトコール 2 内容 プロトコール2が症例登録で追加されます プロトコール 2にチェックありの場合 左記表示 プロト

資料 4 明石市の人口動向のポイント 平成 27 年中の人口の動きと近年の推移 参考資料 1: 人口の動き ( 平成 27 年中の人口動態 ) 参照 ⑴ 総人口 ( 参考資料 1:P.1 P.12~13) 明石市の総人口は平成 27 年 10 月 1 日現在で 293,509 人 POINT 総人口

03.【資料2】今後の救急救命処置のあり方と運用について

Ⅰ. 一次検証 1) 一次検証者 消防本部で任命された救急技術指導者または同等の指導能力を有する者 2) 検証範囲全搬送事例参考 ) 神奈川県におけるメディカルコントロール体制推進方針 消防機関による事後検証消防機関においては 検証医師による医学的観点からの事後検証を受ける前に 全ての事例について救

2 研究開発の実施 研究開発事業については 次の事業を実施した これらの調査研究は 報告書としてまとめ 会員に配布した (1) ヘリコプターベースの運用に関する調査研究ヘリコプターは 通常ヘリポート ( 基地 ) を拠点として運用する したがって 基地を離陸して 災害発生場所に至り 活動が終了すれば

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平成 30 年 6 月の熱中症による救急搬送状況の概要 資料 平成 30 年 6 月の熱中症による救急搬送状況について調査を行ったところ その概要は以下のとおりでした 1 総数平成 30 年 6 月の全国における熱中症による救急搬送人員数は 5,269 人でした これは 昨年 6 月の救急搬送人員数

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長野県消防防災ヘリコプター運航協議会会則

2-1 出場体制等 1 出場体制東京消防庁における出場体制は 火災 救助 救急及び危険排除等の災害区分に応じて 普通出場 特別出場 特命出場により対応しています ⑴ 火災普通出場 市街地の一般火災及び大規模又は特殊な対象物の火災が発生した場合 火災の規模に応じて第 1 出場から第 4 出場に区分して

調査結果の概要 1 人口 (1) 本県の人口 平成 30(2018) 年 10 月 1 日現在の本県の総人口は 1,952,926 人 ( 男 973,794 人 女 979,132 人 ) で 平成 29(2017) 年 10 月 1 日現在に比べ9,037 人の減少 ( 男 3,309 人減少

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マニュアルの見方 マニュアルの見方 マニュアルの見方について説明します 操作の前提条件です ある場合のみ記載しています 操作の前に確認してほしい重要事項です ある場合のみ記載しています 1 操作手順に対応した操作画面上の操作 箇所です 関連ページがある場合は 参照先の ページ番号を記載しています 操

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平成 25 年 12 月 18 日消防庁 平成 25 年版救急 救助の現況 消防庁では 全国の救急業務及び救助業務の実施状況等について 例年調査を実施しております 今般 平成 25 年版救急 救助の現況 ( 救急蘇生統計を含む ) を取りまとめましたので 公表します 1 救急出動件数及び搬送人員ともに過去最多を記録 平成 24 年中の救急自動車による救急出動件数は 580 万 2,455 件 ( 対前年比 9 万 4,800 件増 1.7% 増 ) 搬送人員は 525 万 302 人 ( 対前年比 6 万 7,573 件増 1.3% 増 ) となりました 2 救助人員は自然災害において減少 建物等による事故 水難事故で増加 平成 24 年中の救助人員は5 万 9,338 人 ( 対前年比 4,280 人減 6.7% 減 ) 風水害等自然災害事故 が 1,152 人 ( 対前年比 5,320 人減 82.2% 減 ) と減少する一方で 建物等による事故 が 19,962 人 ( 対前年比 416 人増 2.1% 増 ) 水難事故 が 3,745 人 ( 対前年比 842 人増 29.0% 増 ) と増加しました 3 消防防災ヘリコプターの救急出動件数は減少 救助出動件数は過去最多を記録 平成 24 年中の消防防災ヘリコプターによる救急出動は3,246 件 ( 前年比 201 件減 ) 救助出動は2,035 件 ( 前年比 258 件増 ) となりました 資料 平成 25 年版救急 救助の現況 ポイント 別添のとおり 平成 25 年版救急 救助の現況 ( 本文 ) は消防庁ホームページ (http://www.fdma.go.jp/) に掲載 しています ( 連絡先 ) ( 救急 ) 救急企画室救急連携係担当 : 日野原 伊藤 鈴木電話 :03-5253-7529( 直通 ) FAX :03-5253-7539 ( 救助 ) 国民保護 防災部参事官付担当 : 小林 鶴見 加藤電話 :03-5253-7507( 直通 ) FAX :03-5253-7576 ( 航空 ) 国民保護 防災部防災課広域応援室航空係担当 : 山尾 小林 原電話 :03-5253-7527( 直通 ) FAX :03-5253-7537

平成 25 年版救急 救助の現況 ポイント 1. 救急業務実施体制 1) 平成 25 年 4 月現在 消防本部は 770 本部で 全ての消防本部において救急業務が実施されている 全国 1,720 市町村のうち 1,685 市町村 (790 市 735 町 160 村 ) において消防本部による救急業務実施体制がとられている ( 本文救急編第 2 表及び別表 1 参照 ) 2) 平成 25 年 4 月現在 救急隊員は6 万 383 人 ( 前年比 536 人増 0.9% 増 ) で 救急隊数は 5,004 隊 ( 前年比 39 隊増 0.8% 増 ) となった そのうち 救急救命士は2 万 3,744 人 ( 前年比 814 人増 3.5% 増 ) で 4,842 隊 ( 前年比 79 隊増 1.7% 増 ) において救急救命士を運用している ( 本文救急編第 5 表及び第 9 表参照 ) 2. 救急出動件数 搬送人員 1) 平成 24 年中の救急自動車による救急出動件数は 580 万 2,455 件 ( 対前年比 9 万 4,800 件増 1.7% 増 ) 搬送人員は 525 万 302 人 ( 対前年比 6 万 7,573 件増 1.3% 増 ) で救急出動件数 搬送人員ともに過去最多となった ( 図 1 参照 ) 救急自動車は約 5.4 秒 ( 前年 5.5 秒 ) に1 回の割合で出動しており 国民の約 24 人 ( 前年 25 人 ) に1 人が搬送されたことになる 図 1 救急出動件数及び搬送人員の推移 - 1 -

2) 救急出動件数のうち最も多い事故種別は 急病 (364 万 8,074 件 62.9%) で 次いで一般負傷 (82 万 9,071 件 14.3%) 交通事故(54 万 3,218 件 9.4%) となっており 構成比では 急病と一般負傷は増加 交通事故は減少する傾向にある ( 図 2 参照 ) 図 2 事故種別出動件数構成比の推移 3) 搬送人員の事故種別では 救急出動件数と同じく 急病 (329 万 6,582 人 62.8%) 一般負傷 (75 万 6,575 人 14.4%) 交通事故(53 万 9,809 人 10.3%) の順に多くなっている ( 本文救急編第 20 表参照 ) 4) 搬送人員の年齢区分は 278 万 6,606 人 (53.1%) で高齢者が最も多く 年々その割合は増加している また 成人 (199 万 4,538 人 38.0%) と合わせ 高齢者と成人で搬送人員の9 割を占める ( 図 3 参照 ) 図 3 年齢区分別構成比率の推移 - 2 -

5) 搬送人員の傷病程度は 軽症が最も多く 264 万 4,751 人 (50.4%) となっており 続いて中等症 (204 万 2,401 人 38.9%) 重症(47 万 7,454 人 ) となっている 年齢区分別の傷病程度割合は 新生児と高齢者は中等症が高く 乳幼児 少年及び成人では軽症が高い割合となっている ( 表 1 参照 ) 表 1 救急自動車による年齢区分別の傷病程度別搬送人員の状況 年齢区分程度死亡重症中等症軽症その他合計 新生児乳幼児少年成人 高齢者 合計 76 527 331 15,677 64,523 81,134 (0.6) (0.2) (0.2) (0.8) (2.3) (1.5) 2,239 4,275 4,517 122,547 343,876 477,454 (16.8) (1.7) (2.2) (6.1) (12.3) (9.1) 9,075 51,641 43,927 623,178 1,314,580 2,042,401 (68.1) (20.2) (21.9) (31.3) (47.2) (38.9) 1,818 198,326 151,872 1,231,144 1,061,591 2,644,751 (13.6) (77.8) (75.6) (61.7) (38.1) (50.4) 114 263 157 1,992 2,036 4,562 (0.9) (0.1) (0.1) (0.1) (0.1) (0.1) 13,322 255,032 200,804 1,994,538 2,786,606 5,250,302 (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) 3. 救急自動車による現場到着所要時間及び収容所要時間 1) 救急自動車による現場到着までの所要時間は 全国平均で 8.3 分 ( 前年 8.2 分 ) となった これは 救急出動件数の増加によるものが要因と考えられる ( 図 4 及び本文救急編別表 8の1 参照 ) 図 4 現場到着時間及び病院収容時間の推移 ( 注 ) 東日本大震災の影響により平成 22 年及び平成 23 年については 釜石大槌地区行政事務組合消防本部及び陸前高田市 消防本部のデータを除いた数値で集計している - 3 -

2) 平成 24 年中の救急自動車による病院等収容までの所要時間は 全国平均で 38.7 分 ( 前年 38.1 分 ) となった これは 1 現場到着までの所要時間の延伸に加え 2 収容所要時間が最も長い一般負傷の搬送人員の増加 3 管外搬送人員の増加によるもの等が要因と考えられる ( 図 4 及び本文救急編第 35 表 第 46 表 別表 9の1 参照 ) 4. 救急隊員が実施した応急処置等の状況 1) 平成 24 年中の救急自動車による搬送人員のうち 救急隊員により応急処置等が実施された傷病者は 510 万 7,749 人で 全体の 97.3% に当たる傷病者に応急手当が実施されている ( 本文救急編第 51 表 第 52 表 第 53 表参照 ) 2) 救急救命士等が行う救急救命処置等 ( 除細動 器具を用いた気道確保 静脈路確保 アドレナリン投与 ) は 12 万 2,054 件で 前年に比べ 7,194 件 (6.3%) 増加した 5. 応急手当講習普及啓発活動とバイスタンダーによる応急手当の状況 1) 平成 24 年中の消防本部が実施する応急手当講習の修了者数は 149 万 5,879 人で 平成 21 年以降 4 年ぶりに増加した 2) 救急搬送された心肺機能停止傷病者に対し バイスタンダー ( 救急現場に居合わせた人 ) により応急手当 ( 胸骨圧迫 ( 心臓マッサージ ) 人工呼吸 AED( 自動体外式除細動器 ) による除細動 ) が実施される割合は年々増加しており 平成 24 年中は 心肺機能停止傷病者の 44.3% においてバイスタンダーによる応急手当が実施され 過去最高となった ( 図 5 参照 ) 図 5 応急手当講習受講者数と心肺機能停止傷病者への応急手当実施率の推移 ( 注 ) 東日本大震災の影響により平成 22 年及び平成 23 年については 釜石大槌地区行政事務組合消防本部及び陸前高田市 消防本部のデータを除いた数値で集計している - 4 -

6. 心肺機能停止傷病者の 1 ヶ月後生存率及び1ヵ月後社会復帰率 1) 平成 24 年中に救急搬送された心肺機能停止傷病者のうち 心原性かつ一般市民により目撃のあった症例の1ヵ月後生存率は 11.5% で 平成 17 年中と比べ 約 1.6 倍 (4.3 ポイント増 ) であった ( 図 6 本文救急編第 62 図及び第 63 表参照 ) また 1ヵ月後社会復帰率は 7.2% で 平成 17 年中と比べ 約 2.2 倍 (3.9 ポイント増 ) であった ( 図 7 本文救急編第 62 図及び第 63 表参照 ) 図 6 心原性かつ一般市民による目撃のあった症例の 1 ヵ月後生存者数及び 1 ヵ月後生存率の推移 ( 注 ) 東日本大震災の影響により平成 22 年及び平成 23 年については 釜石大槌地区行政事務組合消防本部及び陸前高田市 消防本部のデータを除いた数値で集計している 図 7 心原性かつ一般市民による目撃のあった症例の 1 ヵ月後社会復帰者数及び 1 ヵ月後社会復帰率の推移 ( 注 ) 東日本大震災の影響により平成 22 年及び平成 23 年については 釜石大槌地区行政事務組合消防本部及び陸前高田市 消防本部のデータを除いた数値で集計している - 5 -

2) 一般市民により心肺機能停止の時点が目撃された心原性かつ初期心電図波形がVF 又は無脈性 VT1) であった症例のうち 一般市民により心肺蘇生が実施された場合の1ヵ月後生存率は 35.9% であり 心肺蘇生未実施の場合の1ヵ月後生存率 27.3% に比べ 約 1.3 倍高かった また 1ヵ月後社会復帰率においても 一般市民により心肺蘇生が実施された場合は 25.2% で 心肺蘇生未実施の場合の1ヵ月後社会復帰率 16.7% に比べ 約 1.5 倍高かった ( 図 8 及び本文救急編第 69 表参照 ) 図 8 一般市民により心肺機能停止の時点が目撃された心原性かつ初期心電図波形がV F 又は無脈性 VTであった症例のうち 一般市民により心肺蘇生が実施された場合の1 ヵ月後生存率と1ヵ月後社会復帰率 ( 平成 24 年中 ) 一般市民により目撃された心原性かつ VF/VT 症例数 4,773 人 一般市民により心肺蘇生が実施された傷病者数 2,674 人 一般市民により心肺蘇生が実施されなかった傷病者数 2,099 人 そのうち 1 ヵ月後生存者数 そのうち 1 ヵ月後生存者数 961 人 (35.9%) 574 人 (27.3%) そのうち 1 ヵ月後社会復帰者数 そのうち 1 ヵ月後社会復帰者数 675 人 (25.2%) 350 人 (16.7%) 1) VF とは心室細動 (Ventricular Fibrillation) 無脈性 VT とは無脈性心室頻拍 (Pulseless Ventricular Tachycardia) であり 心臓が細かく震えて血液が拍出できない致死的不整脈である - 6 -

7. 救助出場件数 救助活動件数 救助人員平成 24 年中には 関越自動車道における高速ツアーバス事故 中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故 国道 253 号八箇峠トンネル内爆発事故などが発生し 困難な状況下での懸命な救助活動が行われた また 自然災害では 九州北部豪雨などが発生し孤立者の救助活動等が長時間にわたり行われた 救助活動の実施状況を見ると 救助出動件数は 8 万 6,306 件 ( 対前年比 1,590 件減 1.8% 減 ) 救助活動件数は 5 万 6,103 件 ( 対前年比 1,538 件減 2.7% 減 ) 救助人員は 5 万 9,338 人 ( 対前年比 4,280 人減 6.7% 減 ) であり 前年と比較していずれも減少した これは 昨年 東日本大震災の影響により大きく増加した 風水害等自然災害事故 の件数が大きく減少したことによるものである ( 図 9 参照 ) 事故種別ごとの件数 救助出動件数 ( 救助隊が出動した件数 ) では 風水害等自然災害事故 等の種別で減少し とりわけ 風水害等自然災害事故 が 440 件 ( 対前年比 1,339 件減 75.3% 減 ) と大きく減少する一方で 建物等による事故 が 27,636 件 ( 対前年比 1,234 件増 4.7% 増 ) と増加している なお 交通事故が2 万 8,358 件 ( 対前年比 100 件減 0.4% 減 ) で 昭和 55 年以降 第 1 位の種別となっている ( 図 10 参照 ) 救助活動件数 ( 救助隊が実際に活動した件数 ) でも同様に 風水害等自然災害事故 等の種別で減少する一方で 建物等による事故 が増加し 平成 20 年以降 第 1 位の種別となっている ( 図 11 参照 ) 救助人員 ( 救助隊等が救助活動により救助した人員 ) では 風水害等自然災害事故 等の種別で減少する一方で 水難事故 が大きく増加し 3,745 人 ( 対前年比 842 人増 29.0% 増 ) となっている なお 交通事故 が2 万 1,610 人 ( 対前年比 32 人増 0.1% 増 ) で 昭和 53 年以降 第 1 位の種別となっている ( 図 12 参照 ) 図 9 救助出動件数 救助活動件数及び救助人員の推移 区分 救 助 出 動 件 数 救 助 活 動 件 数 救 助 人 員 年 件数 対前年増減比 (%) 件数 対前年増減比 (%) 人員 対前年増減比 (%) 平成 20 年中 81,554 1.1 53,295 2.1 54,231 3.2 平成 21 年中 81,567 0.0 53,114 0.3 54,991 1.4 平成 22 年中 84,264 3.3 55,031 3.6 58,682 6.7 平成 23 年中 87,896 4.3 57,641 4.7 63,618 8.4 平成 24 年中 86,306 1.8 56,103 2.7 59,338 6.7-7 -

図 10 救助出動件数 ( 救助隊等が出動した件数 ) 図 11 救助活動件数 ( 救助隊等が実際に活動した件数 ) 図 12 救助人員 ( 救助隊等が救助活動により救助した人員 ) - 8 -

8. 消防防災ヘリコプターによる救助 救急活動消防防災ヘリコプターは 平成 25 年 10 月 1 日現在 全国 45 都道府県に合計 75 機配備されている ( 総務省消防庁ヘリコプター 5 機を含む ) 平成 24 年中の消防防災ヘリコプターの出動実績は 火災出動 925 件 ( 対前年比 303 件減 24.7% 減 ) 救助出動 2,035 件 ( 対前年比 258 件増 14.5% 増 ) 救急出動 3,246 件 ( 対前年比 201 件減 5.8% 減 ) 情報収集 資機材搬送等出動 187 件 ( 対前年比 276 件減 59.6% 減 ) 緊急消防援助隊活動 0 件 ( 対前年比 860 件減 ) 合計 6,393 件 ( 対前年比 1,382 件減 ) となっている 1) 消防防災ヘリコプターの災害出動件数 ( 平成 24 年中 ) 災害出動件数 6,393 件 (100%) 火災 925 件 (14.5%) 303 件減 24.7% 減 救助 2,035 件 (31.8%) 258 件増 14.5% 増 救急 3,246 件 (50.8%) 201 件減 5.8% 減 情報収集 資機材搬送等 187 件 (2.9%) 276 件減 59.6% 減 2) 消防防災ヘリコプターの緊急消防援助隊出動件数及び救助 搬送人員 ( 件 / 人 ) 年 災害名 平成 20 年 区分 緊急消防援助隊航空隊出動件数 緊急消防援助隊航空隊 による救助 搬送人員 岩手 宮城内陸地震 43 149 岩手県沿岸北部を震源とする地震 5 0 平成 21 年駿河湾を震源とする地震 3 0 平成 23 年東日本大震災 860 1,552 ( 注 ) 緊急消防援助隊航空隊は消防防災ヘリコプターの機動性を活かし 救助 救急 情報収集 資機材 人員搬送等 多岐にわたる任務を遂行することから 出動件数については 1 日 1 件 人員については 救助 搬送人員として計上している 3) 消防防災ヘリコプター救助出動件数 ( 平成 24 年中 ) 救助出動件数 2,035 件 (100.0%) 水難 577 件 (28.4%) 26 件増 4.7% 増 火災 1 件 (0.05%) 1 件増 自然災害 27 件 (1.3%) 35 件減 56.5% 減 山岳 1,200 件 (59.0%) 279 件増 30.3% 増 その他 230 件 (11.3%) 13 件減 5.3% 減 - 9 -

4) 消防防災ヘリコプター救助人員数 ( 平成 24 年中 ) 自然災害 63 人 (5.6%) 75 人減 54.3% 減 救助人員数 1,124 人 (100.0%) 山岳 883 人 (78.6%) 219 人増 33.0% 増 火災 1 人 (0.1%) 1 人増 水難 85 人 (7.6%) 4 人減 4.5% 減 その他 92 人 (8.2%) 25 人減 21.4 % 減 5) 消防防災ヘリコプター救急出動件数 ( 平成 24 年中 ) 救急出動件数 3,246 件 (100.0%) 一般負傷 617 件 (19.0%) 56 件増 10.0% 増 急病 467 件 (14.4%) 12 件減 2.5% 減 転院搬送 1,210 件 (37.3%) 59 件減 4.6% 減 医師搬送 501 件 (15.4%) 125 件減 20.0% 減 水難 62 件 (1.9%) 3 件減 4.6% 減 交通事故 163 件 (5.0%) 3 件減 1.8% 減 労働災害 120 件 (3.7%) 15 件減 11.1% 減 火災 7 件 (0.2%) 1 件増 16.7% 増 自然災害 5 件 (0.2%) 27 件減 84.4% 減 運動競技 7 件 (0.2%) 1 件増 16.7% 増 加害 1 件 (0.03%) 2 件減 66.7% 減 自損行為その他 27 件 (0.8%) 59 件 (1.8%) 9 件減 25.0% 減 4 件減 1.8% 減 - 10 -