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制限行為能力者 1 マンションの管理組合法人Aが マンション管理業者Bとの間で管理委託契約締結の前に Bが管 理業務主任者をして 重要事項の説明をさせ その後 本件契約を締結した 本件契約を締結した Aを代表する理事Cが本件契約締結後に行為能力を喪失したときは その後 C以外のAの理事に よって本件契約が追認されない限り 本件契約は効力を生じない [H25管-1(ウ)] 2 高齢のAは 甲マンションの201号室を所有していたところ アルツハイマー症状が見られるように なり Bから このマンションは地震による倒壊の恐れがあり せいぜい200万円の価値しかない と言われて 代金200万円でBに対し売却してしまったが その201号室の売却当時の時価は約2,000 万円であった Bが201号室の所有権移転登記をした後に AB間の売買契約の経緯を知らないC が Bの登記を信じて転売を受けた場合でも Aが売買契約締結当時 Aに意思能力がなかったこ とが証明されたときは Aは売買契約の無効を理由として Cに対して同室の返還請求をすること ができる [H26マ-13(2)] 未成年者が マンションの専有部分をその区分所有者から賃借した場合は 法定代理人の同意を得 ているか否かにかかわらず 当該賃貸借契約を取り消すことができる [H23管-5(3)] 3 4 甲マンションの一室に1人で住んでいる区分所有者Aは 精神上の障害により事理を弁識する能力 を欠く常況にあり 管理費を滞納している この場合において 家庭裁判所にAの後見開始の審判 を請求することができない者は の規定によれば 次のうちどれか [H20マ-13] 1 甲マンションの管理組合 2 A本人 3 Aの4親等の親族 4 検察官 5 成年被後見人が 成年後見人の同意を得て行ったマンションの賃貸借契約は 取り消すことができ ない [H23管-5(1)] 6 高齢のAは 甲マンションの201号室を所有していたところ アルツハイマー症状が見られるように なり Bから このマンションは地震による倒壊の恐れがあり せいぜい200万円の価値しかない と言われて 代金200万円でBに対し売却してしまったが その201号室の売却当時の時価は約2,000 万円であった AB間の売買契約の後に Aの子がAについて家庭裁判所に後見開始の審判の申立 てを行い Aが成年被後見人となったことにより AB間の売買契約は その締結時に遡及して無 効となる [H26マ-13(1)] 7 被保佐人が 自己の所有するマンションの専有部分につき大修繕のための請負契約を締結する場合 には 保佐人の同意を得る必要はない [H23管-5(4)] 8 Aが被保佐人である場合に Aがマンションの区分所有権等を売買するについて 保佐人がAの利 益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは 家庭裁判所は Aの請求により 保 佐人の同意に代わる許可を与えることができる [H17管-1(4)] 9 被保佐人が 保佐人の同意を得ることなく被保佐人が所有するマンションの一住戸を売却した場 合 相手方が被保佐人に対し 1箇月以上の期間を定めて 保佐人の追認を得るべき旨の催告をし たときは 相手方がその期間内に追認を得た旨の通知を受けなくても その行為を保佐人が追認し たものとみなされる [H28管-1(ウ)] 10 被保佐人がその所有するマンションの一住戸を売却する際に 自らが行為能力者であることを信じ させるため 被保佐人であることを黙秘していたことが 他の言動などと相まって 相手方を誤信 させ 又は誤信を強めたものと認められる場合には 被保佐人はその行為を取り消すことができな い [H28管-1(エ)] 11 Aが成年被後見人である場合に その成年後見人がAに代わってマンションの区分所有権等を売却 するときには 家庭裁判所の許可を得なければならない [H17管-1(1)] 2

制限行為能力者 1 理事が 契約締結時に行為能力を有していれば 契約は有効に成立しているのであり その後に追認する必要はない [H25 管 -1( ウ )] 2 意思能力がなかったことによる無効は 善意の第三者に対抗できる したがって A は売買契約の無効を理由として C に対して同室の返還請求をすることができる また 登記には公信力がないので 登記を信じたとしても C が所有権を取得することはできない [H26 マ -13(2)] 3 未成年者の法定代理人は 同意権を有しているので 未成年者が法定代理人の同意を得て行った賃貸借契約は取り消すことができない [H23 管 -5(3)]* 5 条 1 項 4 1 1 請求できない 後見開始の審判の請求をすることができるのは 本人 配偶者 四親等内の親族 未成年後見人 未成年後見監督人 保佐人 保佐監督人 補助人 補助監督人又は検察官の請求であり 管理組合はこのいずれにも該当しない * 7 条 2 請求できる 後見開始の審判の請求をすることができるのは 本人 配偶者 四親等内の親族 未成年後見人 未成年後見監督人 保佐人 保佐監督人 補助人 補助監督人又は検察官の請求であり 本人は請求できる * 7 条 3 請求できる 後見開始の審判の請求をすることができるのは 本人 配偶者 四親等内の親族 未成年後見人 未成年後見監督人 保佐人 保佐監督人 補助人 補助監督人又は検察官の請求であり 4 親等の親族は請求できる * 7 条 4 請求できる 後見開始の審判の請求をすることができるのは 本人 配偶者 四親等内の親族 未成年後見人 未成年後見監督人 保佐人 保佐監督人 補助人 補助監督人又は検察官の請求であり 検察官は請求できる [H20 マ -13]* 7 条 5 成年後見人には 成年被後見人の行為に対する同意権はなく 成年被後見人が 成年後見人の同意を得て行ったとしても そのマンションの賃貸借契約は 取り消すことができる * 9 条 6 成年被後見人の法律行為は 取り消すことができるが 後見開始の審判以前の行為まで取り消せるわけではない [H26 マ -13(1)]* 9 条 7 被保佐人が 新築 改築 増築又は大修繕をするには その保佐人の同意を得なければならない [H23 管 -5(4)]* 13 条 1 項 8 号 8 保佐人の同意を得なければならない行為 ( 不動産の売買等 ) について 保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは 家庭裁判所は 被保佐人の請求により 保佐人の同意に代わる許可を与えることができる [H17 管 -1(4)]* 13 条 3 項 9 被保佐人の相手方は 被保佐人に対して 1 箇月以上の期間を定めて その期間内にその保佐人の追認を得るべき旨の催告をすることができる この場合において その被保佐人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは その行為を 取り消した ものとみなされる [H28 管 -1( ウ )]* 20 条 4 項 10 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは その行為を取り消すことができない 本肢のように被保佐人であることを黙秘していたとしても 他の言動などと相まって 相手方を誤信させ 又は誤信を強めたような場合は 詐術 にあたる ( 判例 ) [H28 管 -1( エ )]* 21 条 11 成年後見人は 成年被後見人に代わって その居住の用に供する建物又はその敷地について 売却 賃貸 賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには 家庭裁判所の許可を得なければならない [H17 管 -1(1)]* 859 条の 3 3

12 Aが成年被後見人である場合に その成年後見人がAに代わってマンションの区分所有権について 抵当権を設定するときには 家庭裁判所の許可を得ることを要しない [H17管-1(2)] 13 成年後見人が 成年被後見人に代わって 成年被後見人が所有する居住の用に供するマンションの 専有部分について抵当権を設定する場合には 家庭裁判所の許可を得なければならない [H23管5(2)] 14 Aが被保佐人である場合に 家庭裁判所は Aの請求により Aのためにマンションの区分所有権 等の売買について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる [H17管-1(3)] 15 保佐人の請求により 家庭裁判所が被保佐人が所有するマンションの一住戸の売却について当該保 佐人に代理権を付与する旨の審判をするには 被保佐人の同意がなければならない [H28管-1(イ)] 不在者の財産の管理 1 甲マンションの管理組合 管理者A に対し 管理費を滞納したまま不在者となった区分所有者B の財産に関して Bが 財産の管理人を置かなかったとき Aは 家庭裁判所に対し Bの財産管 理人の選任を請求することができる [H19マ-13(1)] 2 甲マンションの管理組合 管理者A に対し 管理費を滞納したまま不在者となった区分所有者B の財産に関して Bが住所地に戻ってきた場合は Bの財産管理人が選任されているときでも A は Bに対し 滞納管理費を請求することができる [H19マ-13(3)] 3 甲マンションの管理組合 管理者A に対し 管理費を滞納したまま不在者となった区分所有者B の財産に関して 家庭裁判所が選任したBの財産管理人は 家庭裁判所の許可を得なければ 滞納 管理費をAに支払うことができない [H19マ-13(2)] 4 甲マンションの管理組合 管理者A に対し 管理費を滞納したまま不在者となった区分所有者B の財産に関して Bが失踪宣告を受けた場合は Aは Bの包括承継人に対し 滞納管理費を請求 することができる [H19マ-13(4)] 意思表示 4 1 公序良俗に反する事項を目的とする法律行為は 無効である [H15管-2(ア)] 2 AがBにマンションの1室を売却した AB間の売買契約が著しく廉価で行われ Bの暴利行為で ある場合 Aは 暴利行為を理由として 当該売買契約を取り消すことができる [H15マ-12(2)] 3 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした Bが 自己の利益を図るために職務の範囲内の行為をした場合には Cがそのことを知ることができたと きでも Bがした行為の結果はAに帰属する [H27管-1(2)] 4 相手方と通じてなした虚偽の意思表示は 無効である [H15管-2(イ)] 5 マンションのA管理組合とBマンション管理業者との間で管理委託契約が締結された 管理委託契 約が AとBとの通謀虚偽表示であった場合でも そのために契約の効力は妨げられない [H20管2(2)] 6 マンションの管理組合Aとマンション管理業者Bとの間で管理委託契約が締結された 本件契約が AとBとの通謀虚偽表示に当たる場合であっても 当事者間においては同契約の効力は妨げられな い [H22管-6(ウ)] 7 AB間の契約の締結に当たり AB間で通謀虚偽表示があった場合には AB間の契約は無効であ り この無効は善意の第三者に対抗することができる [H17管-2(2)]

12 成年後見人は 成年被後見人に代わって その居住の用に供する建物又はその敷地について 売却 賃貸 賃貸借の解除又は 抵当権の設定 その他これらに準ずる処分をするには 家庭裁判所の許可を得なければならない [H17 管 -1(2)]* 859 条の 3 13 成年後見人は 成年被後見人に代わって その居住の用に供する建物又はその敷地について 抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには 家庭裁判所の許可を得なければならない [H23 管 -5(2)]* 859 条の 3 14 家庭裁判所は 本人等一定の者の請求によって 被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる この場合 本人以外 の者の請求によってこの審判をするには 本人の同意がなければならないが 本肢では本人 A が請求している [H17 管 -1(3)]* 876 条の 4 第 1 項 15 家庭裁判所は 一定の者の請求によって 被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができるが この審判をするには 本人以外の者の請求による場合は 本人の同意がなければならない [H28 管 -1( イ )]* 876 条の 4 第 2 項 不在者の財産の管理 1 不在者がその財産の管理人を置かなかったときは 家庭裁判所は 利害関係人又は検察官の請求により その財産の管理について必要な処分を命ずることができる したがって 管理者は利害関係人として財産管理人の選任を請求することができる [H19 マ -13(1)]* 25 条 1 項 2 財産管理人が選任されたとしても 本人の権利義務が失われるわけではないから A は B に対し 滞納管理費を請求することができる [H19 マ -13(3)]* 25 条 1 項 3 財産管理人は 権限の定めのない代理人の権限 ( 103 条 ) を超える行為を必要とするときは 家庭裁判所の許可が必要であるが 権限の定めのない代理人の権限 の範囲内の行為については 家庭裁判所の許可は不要である そして 滞納管理費を支払うことは 期限の到来した債務の弁済であるから 権限の定めのない代理人の権限 の中の保存行為に該当し 財産管理人は 家庭裁判所の許可なく 滞納管理費を支払うことができる [H19 マ -13(2)]* 28 条 4 失踪宣告を受けた者はその期間が満了した時に 死亡したものとみなされるので A は B の包括承継人に対し 滞納管理費を請求することができる [H19 マ -13(4)]* 31 条 意思表示 1 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は 無効とする [H15 管 -2( ア )]* 90 条 2 暴利行為は公序良俗違反の契約ということになり そのような契約は無効であり 取り消すまでもなく効力はない [H15 マ -12(2)]* 90 条 3 代理人が自己の利益を図るために職務の範囲内の行為をした場合には 心裡留保の規定が類推適用され 相手方が代理人の真意を知り 又は知ることができたときは 代理人の行為の効果は本人に帰属しない ( 判例 ) [H27 管 -1(2)]* 93 条参照 4 相手方と通じてした虚偽の意思表示 ( 虚偽表示 ) は 無効とする [H15 管 -2( イ )]* 94 条 1 項 5 相手方と通じてした虚偽の意思表示は 無効とする [H20 管 -2(2)]* 94 条 1 項 6 通謀虚偽表示は 当事者間においても無効である [H22 管 -6( ウ )]* 94 条 1 項 7 相手方と通じてした虚偽の意思表示は 無効となり この意思表示の無効は 善意の第三者に対抗することができない [H17 管 -2(2)]* 94 条 2 項 5

8 甲建物を所有するAが 同建物をBに売却する旨のAB間の契約 以下 本件契約 という を 締結した 本件契約がAB間の通謀虚偽表示により締結され 移転登記がされた後に Bが Cに 甲建物を売却する旨の契約をCとの間で締結し 移転登記がされた場合に Cが Bとの契約の締 結時に 本件契約が通謀虚偽表示によることを知っていたときでも Aは 本件契約の無効をCに 主張することはできない [H26管-1(2)] 9 売主Aと買主Bが マンションの一住戸甲の売買契約を締結した 本件契約が AとBの通謀虚偽 表示により締結された場合 甲の所有者と称して 甲を その事情を知らないCに譲渡したときで あっても AはCに対し 自己の所有権を主張することができる [H29管-3(1)] 10 要素の錯誤による意思表示は 無効である [H15管-2(オ)] 11 マンションの管理組合法人Aが マンション管理業者Bとの間で管理委託契約締結の前に Bが管 理業務主任者をして 重要事項の説明をさせ その後 本件契約を締結した 本件契約を締結した Aを代表する理事Cが Bを他のマンション管理業者Dであると誤認して本件契約を締結した場合 に Cが誤認したことについて重大な過失がないときは Aは錯誤を理由に本件契約を取消し又は 解除することができる [H25管-1(エ)] 12 AB間の契約の締結に当たって Aに要素の錯誤があったときには Aは その契約締結の意思表 示を取り消すことができる [H17管-2(4)] 13 マンションのA管理組合とBマンション管理業者との間で管理委託契約が締結された 契約の要素 に錯誤があった場合には Aは 過失があったときでも 重過失がない限り Bに対して 契約の 無効を主張することができる [H20管-2(1)] 14 マンションの管理組合Aとマンション管理業者Bとの間で管理委託契約が締結された 本件契約が Aの管理者であるCの錯誤に基づいて締結された場合には Aは Cに重大な過失があるときで も 同契約の無効を主張することができる [H22管-6(ア)] 15 マンションの管理組合Aの管理者Bとマンション管理業者Cとの間で管理委託契約が締結された 本件契約がBの動機の錯誤に基づいて締結された場合には BがCに対してその動機を表示してい ないときでも Bは 要素の錯誤を理由に本件契約の無効を主張することができる [H23管-1(4)] 16 管理組合法人ではないマンションの管理組合Aの理事長 管理者 Bが マンション管理業者Cと の間で管理委託契約を締結する場合 Bに本件契約の締結につき要素の錯誤があった場合には A は本件契約を取り消すことができるが ただし Bに過失があったときには取り消すことができな い [H24管-1(イ)] 17 甲建物を所有するAが 同建物をBに売却する旨のAB間の契約 以下 本件契約 という を 締結した 本件契約を締結するに当たり Bが 甲建物を乙建物であると誤認して買い受けた場合 には Bは 自らが甲建物を乙建物であると思ったことについて重大な過失があるときでも Bに 移転登記がなされていない限り 本件契約の無効を主張することができる [H26管-1(4)] 18 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした Bの本 件取引行為に係る意思表示について要素の錯誤があった場合には Aは Cに対してその意思表示 を取り消すことができる [H28管-2(1)] 19 売主Aと買主Bが マンションの一住戸甲の売買契約を締結した 本件契約が 甲とは別の住戸を 購入する意思を有していたBの錯誤により締結された場合 Bにその錯誤による本件契約の無効を 主張する意思がなくても Aは 原則として本件契約の無効を主張することができる [H29管3(4)] 20 詐欺による意思表示は 無効である [H15管-2(ウ)] 21 AB間の契約の締結に当たり Bによる詐欺があった場合に Aに重大な過失があったときには Aは その契約締結の意思表示を取り消すことができない [H17管-2(1)] 22 マンションのA管理組合とBマンション管理業者との間で管理委託契約が締結された 管理委託契 約が 第三者CのAに対する詐欺によってなされた場合には Bは 契約を取り消すことができ る [H20管-2(3)] 23 売主Aと買主Bが マンションの一住戸甲の売買契約を締結した 本件契約が Bの詐欺により締 結された場合 Aに それを信じたことに重大な過失があったときでも Aは 売却の意思表示を 取り消すことができる [H29管-3(3)] 24 甲建物を所有するAが 同建物をBに売却する旨のAB間の契約 以下 本件契約 という を 締結した 本件契約がCのAに対する詐欺によって締結された場合に Bが 本件契約の締結時に その詐欺の事実を知っていたときは Aは 本件契約を取り消すことができる [H26管-1(3)] 25 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした 第三者 DがBに詐欺を行い これによりBが本件取引行為に係る意思表示をした場合 Cがその事実を 知っていたときに限り Aはその意思表示を取り消すことができる [H28管-2(2)] 26 強迫による意思表示は 無効である [H15管-2(エ)] 6

8 虚偽表示による無効は 善意の第三者に対抗することができない [H26 管 -1(2)]* 94 条 2 項 9 虚偽表示による意思表示の無効は 善意の第三者に対抗することができない 本肢では C は善意であるから A は C に対して自己の所有権を主張することはできない [H29 管 -3(1)]* 94 条 2 項 10 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とする [H15 管 -2( オ )]* 95 条 11 C の意思表示は 錯誤により 無効 であるから 契約を取り消したり 解除するまでもなく 契約は効力を生じない [H25 管 -1( エ )]* 95 条 12 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効 とする 取り消すことができるわけではない [H17 管 -2(4)]* 95 条 13 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とする ただし 表意者に重大な過失があったときは 表意者は 自らその無効を主張することができない したがって 表意者に軽過失しかない場合は 錯誤無効を主張することができる [H20 管 -2(1)]* 95 条 14 管理者は 区分所有者の代理人であるが 代理行為の瑕疵については 代理人について決するものとされているので 管理者に重大な過失があれば 管理組合は錯誤無効を主張することはできない [H22 管 -6( ア )]* 95 条 101 条 1 項 15 動機の錯誤は その動機が相手方に表示されていた場合にのみ錯誤による無効を主張できる 本肢では B が C に対してその動機を表示していないので B は 要素の錯誤を理由に本件契約の無効を主張することができない [H23 管 -1(4)]* 95 条 16 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効となるが 表意者に 重大な過失 があったときは 表意者は 自らその無効を主張することができない 以上より 錯誤による意思表示は 取消 ではなく 無効 であり また 表意者に 単なる過失 があったにすぎない場合は 無効 を主張することができる [H24 管 -1( イ )]* 95 条 17 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とされるが 表意者に重大な過失があったときは 表意者は 自らその無効を主張することができない これは 表意者に移転登記がなされていない場合でも同様である [H26 管 -1(4)]* 95 条 18 意思表示について 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効 となるのであって 取り消せるわけではない [H28 管 -2(1)]* 95 条 19 意思表示は 法律行為の要素に錯誤があったときは 無効とされている これは錯誤による意思表示をした表意者 ( 本問では B) を保護するためのものであり 表意者が無効の主張をする意思がないのに 相手方が意思表示の無効を主張することはできない [H29 管 -3(4)]* 95 条 20 詐欺による意思表示は 取り消すことができる [H15 管 -2( ウ )]* 96 条 1 項 21 詐欺による意思表示は 取り消すことができる 表意者に重大な過失があった場合に主張できなくなるのは 錯誤無効の場合である [H17 管 -2(1)]* 96 条 1 項 22 詐欺による意思表示は 取り消すことができる これは 詐欺された者 (A) が取り消せるのであり 相手方 (B) から契約を取り消せるわけではない [H20 管 -2(3)]* 96 条 1 項 23 詐欺による意思表示は 取り消すことができる この場合に表意者 ( 本問では A) に重大な過失があったときは 取り消すことができない旨の規定はなく 取り消すことができる [H29 管 - 3(3)]* 96 条 1 項 24 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては 相手方がその事実を知っていたときに限り その意思表示を取り消すことができる [H26 管 -1(3)]* 96 条 2 項 25 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては 相手方がその事実を知っていたときに限り その意思表示を取り消すことができる なお 本人は 代理人の代理行為の取消権を有する [H28 管 -2(2)]* 96 条 3 項 26 強迫による意思表示は 取り消すことができる [H15 管 -2( エ )]* 96 条 1 項 7

27 AB間の契約の締結に当たり Aが第三者から強迫を受けた場合には Aは その契約締結の意思 表示を取り消すことができる [H17管-2(3)] 28 売主Aと買主Bが マンションの一住戸甲の売買契約を締結した 本件契約が Bの強迫により締 結された場合 Bが 甲を その事情を知らないDに譲渡したときは Aは Bに対する意思表示 を取り消したことをDに対抗することができない [H29管-3(2)] 29 マンションの管理組合Aが 管理委託契約を締結しているマンション管理業者Bに対して 郵便に より通知したAの意思表示は その通知がBに到達した時からその効力が生ずるので その通知の 到達前に Aが当該意思表示を撤回すれば 意思表示の効力は生じない [H24管-2(1)] 30 マンションの管理組合Aが 管理委託契約を締結しているマンション管理業者Bに対して 郵便に より 意思表示を通知したAの理事長 管理者 が 通知を発した後に死亡したときであっても その意思表示の効力は失われない [H24管-2(2)] 31 マンションの管理組合Aが 管理委託契約を締結しているマンション管理業者Bに対して 郵便に より 意思表示を通知したAの理事長 管理者 が 通知を発した後に行為能力を喪失したとき は その意思表示の効力は失われる [H24管-2(3)] 代理 1 マンションの管理組合法人Aが マンション管理業者Bとの間で管理委託契約締結の前に Bが管 理業務主任者をして 重要事項の説明をさせ その後 本件契約を締結した 本件契約の締結前に 開催した契約に関する重要事項についての説明会において 本件契約の内容について説明を行う管 理業務主任者は Bの復代理人である [H25管-1(ア)] 2 AとBとの間で Aが区分所有する中古マンションについて売買契約を締結した AB間の売買契 約に当たりEがAから当該契約締結の代理権を授与され EがAを代理してBと契約を締結するた めには EはBに対し 自己がAの代理人である旨を示す必要がある [H14管-5(3)] 3 Aは その子Bを代理人として その所有するマンションの1室をCに売却することとした Aの Bに対する代理権の付与は 書面によらなければ することができない [H15マ-13(1)] 4 Aは その子Bを代理人として その所有するマンションの1室をCに売却することとした A は Bを代理人とした以上は 自らCと売買交渉をすることができない [H15マ-13(3)] 5 Aは甲マンションの201号室を所有しているが 同マンションでは 管理規約に基づいて 各区分所 有者は総会の決議により定められている管理費を支払わなければならないとされている ところが Aは この管理費を滞納している Aの子B 40歳 が 滞納分の管理費額を管理組合の事務所に 持参してきたので 理事長はこれを受領した 翌日 Aもこれを喜んでいる旨を管理組合に告げて きた ところが その後 AとBが仲違いし Bは 管理組合に対してBが支払った管理費の返還 を請求している このとき 管理組合は返還に応じなくてよい [H23マ-16(1)] 6 代理人が 自己が代理人であることを示さないで議決権の行使をした場合に 他の区分所有者が その代理人が本人である区分所有者のために議決権の行使をしたことを知ることができたときは その議決権の行使は本人の議決権の行使として効力を生ずる [H21管-5(2)] 7 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした Bが Aのためにすることを示さないでした意思表示は Cが BがAのためにすることを知っていたと きでも Bがした意思表示の効果はAに帰属することはない [H27管-1(1)] 8 マンションの管理組合Aの管理者Bとマンション管理業者Cとの間で管理委託契約が締結された 本件契約が第三者からのBに対する強迫に基づいて締結された場合 Aは 強迫を理由に本件契約 を取り消すことができる [H23管-1(3)] 9 集会において代理人が議決権を行使する場合に その代理人は成年者でなければならない [H21管5(4)] 10 マンションの管理組合Aとマンション管理業者Bとの間で管理委託契約が締結された 本件契約が Aの管理者であるCによって締結された場合に Cが制限行為能力者であっても 同契約の効力は 妨げられない [H22管-6(エ)] 11 Aは その子Bを代理人として その所有するマンションの1室をCに売却することとした Bが 未成年者であっても Aは Bを代理人とすることができる [H15マ-13(2)] 12 Aは 所有するマンションの一住戸甲をBに売却しようと考え Cとの間で 甲の売却についてC を代理人とする委任契約を締結した 甲の売却について Cが Aの許諾を得てDを復代理人に選 任した場合 Cは代理権を失わず CとDの両者がAの代理人となる [H29管-4(2)] 8

27 強迫による意思表示は 取り消すことができる これは第三者から強迫を受けた場合でも同様である [H17 管 -2(3)]* 96 条 2 項反対解釈 28 強迫による意思表示は 取り消すことができる そして この取消は善意の第三者に対しても主張することができる A は 取消を D に対抗することができる [H29 管 -3(2)]* 96 条 3 項参照 29 隔地者に対する意思表示は その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる ( 到達主義 ) したがって 通知が相手方に到達するまでは意思表示の効力は生じていないので 到達までに撤回すれば 意思表示の効力は生じない [H24 管 -2(1)]* 97 条 1 項 30 隔地者に対する意思表示は 表意者が通知を発した後に死亡したときであっても そのためにその効力を妨げられない [H24 管 -2(2)]* 97 条 2 項 31 隔地者に対する意思表示は 表意者が通知を発した後に行為能力を喪失したときであっても そのためにその効力を妨げられない [H24 管 -2(3)]* 97 条 2 項 代理 1 重要事項の説明は 管理業者に義務付けられているものであり 管理業務主任者は管理業者の 代理人 であり 復代理人 ではない [H25 管 -1( ア )]* 99 条 2 代理人がその権限内において行った行為の効果が 本人に対して直接効力が生じるためには 代理人は 本人のためにすることを示して行う必要がある ( 顕名 ) [H14 管 -5(3)]* 99 条 1 項 3 A の B に対する代理権授与行為は 書面で行うことは要求されていない [H15 マ -13(1)] 4 代理というのは 代理人の行為の効果が本人に帰属するということで 本人自身が交渉を行うことができなくなるわけではない [H15 マ -13(3)] 5 B は A の代理人として滞納分の管理費を支払い A もそれを認めているので管理費の弁済は有効である その後 A と B が仲違しいし 管理費の返還を求めてきたとしても 管理組合は返還に応じる必要はない [H23 マ -16(1)]* 99 条 6 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は 自己のためにしたものとみなされるが 相手方 ( 本肢では他の区分所有者 ) が 代理人が本人のためにすることを知り 又は知ることができたときは 本人のために効果が生じる [H21 管 -5(2)]* 100 条 7 B は A の代理人であるが ( 区分所有法 26 条 2 項 ) 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は 自己のためにしたものとみなす ただし 相手方が 代理人が本人のためにすることを知り 又は知ることができたときは 本人に対して直接にその効力を生ずる [H27 管 -1(1)]* 100 条 8 意思表示の効力が強迫によって影響を受けるべき場合には その事実の有無は 代理人について決する そして 第三者の強迫は 相手方の善意 悪意を問わず 取り消すことができる そして 代理人が行った行為を取り消すことができる場合は 本人が取消権を有するので A は強迫を理由に契約を取り消すことができる [H23 管 -1(3)] 101 条 1 項 96 条 2 項反対解釈 9 代理人は 行為能力者であることを要しない したがって 未成年者が代理人になることもできる [H21 管 -5(4)]* 102 条 10 管理者は 区分所有者の代理人であるが 代理人は 行為能力者であることを要しないので C が制限行為能力者であっても 契約の効力は妨げられない [H22 管 -6( エ )]* 102 条 11 代理人は 行為能力者であることを要しないので A は未成年者 B を代理人とすることができる [H15 マ -13(2)]* 102 条 12 復代理人の選任は 代理権の譲渡ではないので 代理人が復代理人を選任したとしても 代理人は代理権を失わず 代理人と復代理人の両方が本人の代理人となる [H29 管 -4(2)]* 107 条 9

13 甲マンション 以下本問において 甲 という の管理組合A 以下本問において A とい う と株式会社B 以下本問において B という との間におけるアからエの各事項のう ち の規定によれば Aの管理者であり かつ Bの代表取締役であるC 以下本問において C という が Aの事前の許諾を得ることなく行うことができるものはいくつあるか [H22 管-4] ア Cが BとAとの間で 甲の補修工事につき請負契約を締結すること イ Cが管理者となる前にAとBとの間で有効に成立した管理委託契約に基づいて Bに委託業務 費の支払いをすること ウ 甲の電気設備の設置工事につきAとBとの間で請負契約を締結した際に Cが AのBに対す る同契約に基づく請負代金債務について保証人となること エ Cが BとAとの間で Bの製造した高性能の防犯カメラを市価の半額でAに販売し 無償で 甲への設置工事を行う契約を締結すること 1 2 3 4 一つ 二つ 三つ 四つ 14 マンションの管理組合Aの管理者Bとマンション管理業者Cとの間で管理委託契約が締結された Bが Cの代理人である場合には Aは 本件契約が効力を生じないことを主張できる [H23管1(2)] 15 管理組合法人ではないマンションの管理組合Aの理事長 管理者 Bが マンション管理業者Cと の間で管理委託契約を締結する場合 Bが Cの代表者である場合には Bは集会の承認を得なけ れば本件契約を締結することができない [H24管-1(ウ)] 16 Aは 所有するマンションの一住戸甲をBに売却しようと考え Cとの間で 甲の売却についてC を代理人とする委任契約を締結した AB間の売買契約の成立後に 甲についてAからBへの所有 権移転登記手続を行う場合 Cは AとBの双方を代理することができる [H29管-4(1)] 17 Aは その子Bを代理人として その所有するマンションの1室をCに売却することとした Aが Bに売買価格を明示して授権したにもかかわらず Bがその価格を下回る価格で売買契約の締結を した場合 当該売買契約は 効力を生じない [H15マ-13(4)] 18 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした Bが 職務の範囲外の行為をした場合において Cが Bの職務の範囲外であることを知ることができた ときでも CはBがした行為の結果をAに主張することができる [H27管-1(4)] 19 管理組合法人ではないマンションの管理組合Aの理事長 管理者 Bが マンション管理業者Cと の間で管理委託契約を締結する場合 Bが 理事長 管理者 に選任された後 後見開始の審判を 受け その後に本件契約を締結した場合であっても 本件契約は有効に成立する [H24管-1(エ)] 20 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした Bが 本件取引行為をする前に 補助開始の審判を受けていたときは Bの代理権は消滅しているので 本件取引行為の効力は生じない [H28管-2(3)] 21 マンションの管理組合Aとマンション管理業者Bとの間で管理委託契約が締結された かつてAの 管理者であったが 現在は管理者でないCが 自ら管理者と称して本件契約を締結した場合に B がCを管理者であると信じ かつ無過失であったときには Bは 同契約が有効であることを主張 することができる [H22管-6(イ)] 22 マンションの管理組合Aの管理者Bが その職務に関し C会社との間で取引行為をした Bが管 理者を解任された後に本件取引行為をしていたとした場合 Cがその解任の事実を知らず かつ知 らなかったことにつき過失がなかったときでも 本件取引行為の効力は生じない [H28管-2(4)] 10

13 2 アできない 同一の法律行為については 相手方の代理人となることはできないが ( 双方代理の禁止 ) 債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については この限りでない したがって 本人の事前の許諾を得ることなく行うことができるのは 債務の履行ということになる 以上より 補修工事の請負契約を締結することはできない [H22 管 -4( ア )]* 108 条 イできる 同一の法律行為については 相手方の代理人となることはできないが ( 双方代理の禁止 ) 債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については この限りでない したがって 本人の事前の許諾を得ることなく行うことができるのは 債務の履行ということになる そして すでに成立している管理委託契約に基づいて委託業務費の支払いをすることは 債務の履行に該当し Aの事前の許諾を得ることなく行うことができる [H22 管 -4( イ )]* 108 条 ウできる Cが請負代金債務について保証人となるのは 管理者としての立場ではなく C 個人の立場として保証しているものと考えられるので 双方代理の問題ではなく Aの事前の許諾を得ることなく行うことができる なお 保証契約は 主たる債務者の意思に反しても締結することができる [H22 管 -4( ウ )]* 446 条 エできない 同一の法律行為については 相手方の代理人となることはできないが ( 双方代理の禁止 ) 債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については この限りでない したがって 本人の事前の許諾を得ることなく行うことができるのは 債務の履行ということになる 本肢の防犯カメラの売買及び設置工事の契約を締結するのは 債務の履行ではないので Aの事前の許諾を得ることなく行うことができない [H22 管 -4( エ )]* 108 条 以上より A の事前の許諾を得ることなく行うことができるものは 肢イ及びウの 2 つであり 正解は肢 2 となる 14 管理組合の管理者は区分所有者の代理人である ( 区分所有法 26 条 2 項 ) したがって B が C の代理人にもなれば 双方代理となる そして 同一の法律行為については 当事者双方の代理人となることはできないので A は本件契約が効力を生じないことを主張できる [H23 管 - 1(2)]* 108 条 15 同一の法律行為については 当事者双方の代理人となることはできないが 本人があらかじめ許諾した行為については この限りでない したがって 本人の許諾 本肢でいうと集会の承認を得なければ B は本件契約を締結することはできない [H24 管 -1( ウ )]* 110 条 16 同一の法律行為については 当事者双方の代理人となること ( 双方代理 ) はできないが 債務の履行については 双方代理も認められる 本肢の所有権移転登記手続は この債務の履行に該当する [H29 管 -4(1)]* 108 条 17 代理人がその権限外の行為をした場合において 第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは 効力を生じる したがって B が指示された価格を下回る価格で売買契約の締結をした場合でも C が善意無過失であれば 当該売買契約は効力を生じる [H15 マ - 13(4)]* 110 条 18 B は A の代理人であるが ( 区分所有法 26 条 2 項 ) 代理人がその権限外の行為をした場合において 第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは 本人は代理人が相手方との間でした行為について その責任を負う ただし 第三者が 代理人が代理権を与えられていないことを知り 又は過失によって知らなかったときは この限りでない [H27 管 - 1(4)]* 110 条 19 管理者は 区分所有者の代理人であり 代理権は代理人が後見開始の審判を受けると消滅するので 本件契約は有効に成立しない [H24 管 -1( エ )]* 111 条 1 項 2 号 20 代理人が後見開始の審判を受けた場合には 代理権は消滅するが 補助開始の審判を受けた場合には 代理権は消滅しない [H28 管 -2(3)]* 111 条 1 項 2 号 21 代理権の消滅は 善意無過失の第三者に対抗することができない ( 代理権消滅後の表見代理 ) [H22 管 -6( イ )]* 112 条 22 代理権の消滅は 善意無過失の第三者に対抗することができない したがって 本件取引行為の効力は生ずる [H28 管 -2(4)]* 112 条 11

23 Aが 代理権を有しないにもかかわらず 管理業者Bの代理人と称して 管理組合Cとの間で管理 委託契約を締結した Aの行為は無権代理行為であり Bが追認をしても BC間の管理委託契約 が有効となることはない [H16管-1(1)] 24 Aは 認知症となり判断能力を欠く常況にある父親Bから何らの代理権を付与されていないのに Bの代理人と称してB所有のマンションの一室をCに売却する売買契約を締結した 正常な判断能 力を有するBの妻が当該売買契約を追認すれば 当該売買契約は 有効となる [H17マ-13(1)] 25 Aは 認知症となり判断能力を欠く常況にある父親Bから何らの代理権を付与されていないのに Bの代理人と称してB所有のマンションの一室をCに売却する売買契約を締結した Aが 当該売 買契約の締結後 Bの推定相続人全員の了解を取って Bの実印を押したAに対する委任状を作成 したときは 当該売買契約は 有効となる [H17マ-13(4)] 26 マンションの管理組合Aが マンション管理業者Bの代理人と称するCとの間で管理委託契約 以 下 本件契約 という を締結した なお CはBから代理権を与えられていなかったものとす る Bが 本件契約について Cに対して追認したときは Cは 当然に本件契約をAに対抗する ことができる [H26管-2(1)] 27 Aが 代理権を有しないにもかかわらず 管理業者Bの代理人と称して 管理組合Cとの間で管理 委託契約を締結した CがBに対し 相当の期間を定めて その期間内にAの無権代理行為を追認 するか否かを確答すべき旨を催告した場合において Bがその期間内に確答をしないときは 追認 したものとみなされる [H16管-1(3)] 28 Aは 認知症となり判断能力を欠く常況にある父親Bから何らの代理権を付与されていないのに Bの代理人と称してB所有のマンションの一室をCに売却する売買契約を締結した CがBに対し て相当の期間を定めてその期間内に当該売買契約を追認するか否かを確答せよと内容証明郵便で催 告した場合 その期間内にBが確答しないときは Bは 当該売買契約を追認したものとみなされ る [H17マ-13(3)] 29 マンションの管理組合Aが マンション管理業者Bの代理人と称するCとの間で管理委託契約を締 結した なお CはBから代理権を与えられていなかったものとする Aは Bに対し 相当の期 間を定めて その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができるが この 場合において Bがその期間内に確答をしないときは 追認を拒絶したものとみなす [H26管2(2)] 30 Aは 所有するマンションの一住戸甲をBに売却しようと考え Cとの間で 甲の売却についてC を代理人とする委任契約を締結した AC間の委任契約が解除されCの代理権が消滅した後に C がAの代理人と称してBに対して甲を売却した場合 売買契約締結の際にCに代理権がないことを Bが知っていたときは Bは Aに対し相当期間内に当該行為を追認するかどうかの催告をするこ とができない [H29管-4(4)] 31 Aが 代理権を有しないにもかかわらず 管理業者Bの代理人と称して 管理組合Cとの間で管理 委託契約を締結した Cが管理委託契約を締結した当時 Aに代理権がないことを知らなかったと きは Bの追認がないかぎり Cは管理委託契約を取り消すことができる [H16管-1(2)] 32 マンションの管理組合Aが マンション管理業者Bの代理人と称するCとの間で管理委託契約 以 下 本件契約 という を締結した なお CはBから代理権を与えられていなかったものとす る Aは 本件契約の締結の時においてCが代理権を有しないことを知らなかったときは Bの追 認がない間は 本件契約を取り消すことができる [H26管-2(3)] 33 マンションの管理組合Aが マンション管理業者Bの代理人と称するCとの間で管理委託契約を締 結した なお CはBから代理権を与えられていなかったものとする Bの追認は 別段の意思表 示がないときは 第三者の権利を害さない範囲で本件契約の時にさかのぼってその効力を生ずる [H26管-2(4)] 34 Aが 代理権を有しないにもかかわらず 管理業者Bの代理人と称して 管理組合Cとの間で管理 委託契約を締結した Bが追認を拒絶した場合 CはAに対して損害賠償の請求をすることはでき るが 契約の履行を請求することはできない [H16管-1(4)] 35 Aは 認知症となり判断能力を欠く常況にある父親Bから何らの代理権を付与されていないのに Bの代理人と称してB所有のマンションの一室をCに売却する売買契約を締結した Aについて表 見代理の要件が満たされていたとしても Cは Aに対して 無権代理人の責任を追及することが できる [H17マ-13(2)] 36 Aは Bから代理権を与えられていないにもかかわらず Bの代理人として Cとの間で Bの所 有する甲マンションの401号室をCに売却する旨の売買契約を締結した 表見代理の成立する要件が 満たされている場合には Cは 表見代理の主張をせずに Aに対し 無権代理人としての責任を 追及することができない [H27マ-13(1)] 12

23 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約でも 本人がその追認をすれば 本人に対して効力を生じる [H16 管 -1(1)]* 113 条 1 項 24 本問の A の行為は無権代理行為であるが 無権代理行為も判断能力のある 本人 が追認すれば有効となる しかし 本人の妻であるからといって 妻が追認できるわけではない [H17 マ - 13(1)]* 113 条 1 項 25 本問の A の行為は無権代理行為であるが 無権代理行為も 本人 が追認すれば有効となる しかし B の推定相続人には追認権はなく 推定相続人全員の了解を取ったとしても 追認にはならず 売買契約は有効にはならない [H17 マ -13(4)]* 113 条 1 項 26 無権代理行為の追認は 相手方に対してしなければ その相手方に対抗することができない ただし 相手方がその事実を知ったときは この限りでない したがって 無権代理人 C に対して追認したとしても 相手方 A が追認の事実を知らないときは 追認の事実を対抗できないので 当然に 本件契約が有効になるわけではない [H26 管 -2(1)]* 113 条 2 項 27 無権代理行為の相手方は 本人に対し 相当の期間を定めて その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において 本人がその期間内に確答をしないときは 追認を 拒絶 したものとみなされる [H16 管 -1(3)]* 114 条 28 無権代理の相手方は 本人に対し 相当の期間を定めて その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる この場合において 本人がその期間内に確答をしないときは 追認を拒絶 したものとみなす 追認したものとみなされるわけではない [H17 マ -13(3)]* 114 条 29 無権代理行為の相手方は 本人に対し 相当の期間を定めて その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる この場合において 本人がその期間内に確答をしないときは 追認を 拒絶 したものとみなす [H26 管 -2(2)]* 114 条 30 代理権を有しない者が他人の代理人として契約した場合において 相手方は 本人に対し 相当の期間を定めて その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる この場合 相手方の善意 悪意を問題としておらず 悪意の相手方も催告権を有する [H29 管 -4(4)]* 114 条 31 代理権を有しない者がした契約は 契約の時において代理権を有しないことを相手方が知らなかったときは 本人が追認をしない間は 取り消すことができる [H16 管 -1(2)]* 115 条 32 無権代理において 本人が追認をしない間は 相手方が取り消すことができる ただし 契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは この限りでないが 本肢では相手方 A は無権代理であることを知らないので 取り消すことができる [H26 管 -2(3)]* 115 条 33 無権代理行為の追認は 別段の意思表示がないときは 契約の時にさかのぼってその効力を生ずる ただし 第三者の権利を害することはできない [H26 管 -2(4)]* 116 条 34 無権代理人の相手方は 無権代理人に対して 履行 又は損害賠償の請求をすることができる なお この責任を追及する場合の相手方は 善意無過失でなければならない [H16 管 - 1(4)]* 117 条 1 項 35 無権代理人の行為が 表見代理の要件を満たしていたとしても 無権代理行為であることに変わりはないわけであるから 無権代理人の責任を追及できる ( 判例 ) [H17 マ -13(2)]* 117 条 36 無権代理において 表見代理が成立する場合であっても 無権代理人に対する責任を追及することができる ( 判例 ) [H27 マ -13(1)]* 117 条 13

37 Aは Bから代理権を与えられていないにもかかわらず Bの代理人として Cとの間で Bの所 有する甲マンションの401号室をCに売却する旨の売買契約を締結した Cが売買契約の時にAに代 理権が存在しないことを知っていた場合には Cは Aに対し 無権代理人としての責任を追及す ることができない [H27マ-13(2)] 38 Aは 所有するマンションの一住戸甲をBに売却しようと考え Cとの間で 甲の売却についてC を代理人とする委任契約を締結した AC間の委任契約が解除されCの代理権が消滅した後に C がAの代理人と称してBに対して甲を売却した場合 売買契約締結の際にCに代理権がないことを Bが知っていたときは Cは Bに対し無権代理人の責任を負わない [H29管-4(3)] 39 Aは Bから代理権を与えられていないにもかかわらず Bの代理人として Cとの間で Bの所 有する甲マンションの401号室をCに売却する旨の売買契約を締結した 売買契約の締結後にAが死 亡し BがAの地位を単独で相続した場合には Bは Aによる売買契約の締結について 追認を 拒絶することができる [H27マ-13(3)] 40 Aは Bから代理権を与えられていないにもかかわらず Bの代理人として Cとの間で Bの所 有する甲マンションの401号室をCに売却する旨の売買契約を締結した 売買契約の締結後にBが死 亡し AがBの地位を単独で相続した場合には Aは Cからの401号室の所有権移転登記及び引渡 しの請求を拒むことができない [H27マ-13(4)] 無効及び取消し 1 高齢のAは 甲マンションの201号室を所有していたところ アルツハイマー症状が見られるように なり Bから このマンションは地震による倒壊の恐れがあり せいぜい200万円の価値しかない と言われて 代金200万円でBに対し売却してしまったが その201号室の売却当時の時価は約2,000 万円であった Aは Bの行為は暴利行為であり 公序良俗違反であるとして 売買契約の無効を 主張することができるが その権利行使は Aがその売買による損害を知ってから3年以内にしな ければならない [H26マ-13(3)] 2 AがBにマンションの1室を売却した Aが保佐開始の審判を受けている場合 Aの長男Cは A の保佐人でなくても 当該売買契約を取り消すことができる [H15マ-12(3)] 3 被保佐人が保佐人の同意を得ることなくマンションの一住戸を売却した場合 当該売買契約を取り 消すことができる者は 被保佐人に限られている [H28管-1(ア)] 4 売主の詐欺によりマンションの一住戸の売買契約が締結された場合 買主の意思表示の取消権は 追認をすることができる時から5年間行使しないとき また意思表示の時から20年を経過したとき は消滅する [H28管-3(1)] 時効 1 消滅時効が完成し 時効が援用されて権利が消滅すると その権利は最初から生じなかったものと される [H16管-4(1)] 2 区分所有者が 管理組合に対して負う管理費の支払債務が時効により消滅した場合には 管理費の 支払いの遅滞によって発生した遅延損害金も消滅する [H24管-3(2)] 3 契約上の金銭債権についての時効期間が経過したときに 当該債権は 時効の利益を受ける者の時 効の援用があってはじめて消滅する [H14管-2(1)] 4 Aが区分所有するマンションの専有部分をBが占有している 本件専有部分について何ら権原のな いBが 本件専有部分を時効取得するためには 時効の完成後に Bが時効を援用し 本件専有部 分について 登記をしなければならない [H18管-3(1)] 5 滞納管理費について消滅時効の期間が満了した場合にも 管理組合は 滞納者に対して適法に支払 いを請求することができる [H14マ-32(4)] 6 区分所有者Aの滞納管理費等に係る債権の時効による権利消滅の効果は 5年の時効期間の経過と ともに確定的に生ずるものではなく 時効が援用されたときにはじめて確定的に生じます [H27マ10(4)] 7 甲マンションの区分所有者Aが 管理組合 管理者B に対し 管理費を滞納している 管理費債 権の一部について すでに消滅時効が完成しているにもかかわらず Aが時効完成の事実を知らな いで Bに対し 滞納額全額を支払う旨の承認書を差し入れたときは 以後 完成した当該消滅時 効の主張は認められない [H29マ-12(2)] 14

37 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき 若しくは過失によって知らなかったときは 相手方は無権代理人の責任を追及することはできない [H27 マ -13(2)]* 117 条 2 項 38 他人の代理人として契約をした者は 自己の代理権を証明することができず かつ 本人の追認を得ることができなかったときは 無権代理人の責任を負うが 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたときは 無権代理人の責任を負うことはない [H29 管 -4(3)]* 117 条 2 項 39 無権代理行為の後に 無権代理人が死亡し 本人が無権代理人の地位を相続した場合は 本人は 本人の立場として追認を拒絶することができる ( 判例 ) [H27 マ -13(3)]* 117 条 40 無権代理行為の後に 本人が死亡し 無権代理人が本人の地位を相続した場合 相手方からの所有権移転登記及び引渡しの請求を拒むことは信義則に反し許されない ( 判例 ) [H27 マ - 13(4)]* 117 条 無効及び取消し 1 取消 権は 追認をすることができる時から 5 年間 行為の時から 20 年を経過したときは 時効によって消滅するが ( 126 条 ) 無効については このような権利行使の期間制限はない [H26 マ -13(3)] 2 被保佐人が行為を行った場合に取消権を有するのは 保佐人であり 被保佐人の長男であるからといって 取消権を有するわけではない [H15 マ -12(3)]* 120 条 1 項 3 保佐人の同意を得ずに被保佐人が単独で契約をした場合 その契約を取り消すことができるのは 被保佐人だけでなく 保佐人も取り消すことができる [H28 管 -1( ア )]* 120 条 1 項 4 取消権は 追認をすることができる時から 5 年間行使しないときは 時効によって消滅する 行為の時から 20 年を経過したときも 同様とされている [H28 管 -3(1)]* 126 条 時効 1 時効の効力は 遡及効があり その起算日にさかのぼるので 消滅時効の場合は その権利は最初から生じなかったものとされる [H16 管 -4(1)]* 144 条 2 時効の効力は その起算日にさかのぼる つまり遡及効があるので 管理費の支払債務が時効により消滅した場合は 債務が最初からなかったのと同様の扱いになり 管理費の支払いの遅滞によって発生した遅延損害金も消滅する [H24 管 -3(2)]* 144 条 3 時効は 当事者が援用しなければ 裁判所がこれによって裁判をすることができない したがって 当事者の援用があって初めて債権は消滅する [H14 管 -2(1)]* 145 条 4 B が取得時効の効果を主張するには 時効を援用することは必要であるが 登記をすることまでは必要ない [H18 管 -3(1)]* 145 条 5 時効は 当事者が援用しなければ 裁判所がこれによって裁判をすることができないので 消滅時効の期間が満了した場合でも 当事者が援用しない限り 適法に支払いを請求することができる [H14 マ -32(4)]* 145 条 6 時効による権利消滅の効果は 時効期間の経過とともに確定的に生ずるのではなく 時効が援用されてはじめて確定的に生じる [H27 マ -10(4)] * 145 条 7 時効完成後の債務の承認は 債務者が時効完成の事実につき知 不知を問わず 時効の援用権を失う ( 判例 ) したがって 本肢では A の完成した当時消滅時効の主張は認められない [H29 マ -12(2)] 15