監視指導 麻薬対策課の所掌業務 一不良な医薬品等又は不正な表示のされた医薬品等の取締りに関すること 二医薬品等の広告に関すること 三医薬品等の検査及び検定に関すること 四薬事監視員に関すること 五医薬品医療機器等法に規定する指定薬物の取締りに関すること ( 以下略 ) ( 厚生労働省組織令第五十四条

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Transcription:

第 17 回医薬品品質フォーラム PIC/S 加盟後の医薬品規制の 変化と課題 厚生労働省医薬食品局 監視指導 麻薬対策課 小池紘一郎 平成 27 年 2 月 9 日 1

監視指導 麻薬対策課の所掌業務 一不良な医薬品等又は不正な表示のされた医薬品等の取締りに関すること 二医薬品等の広告に関すること 三医薬品等の検査及び検定に関すること 四薬事監視員に関すること 五医薬品医療機器等法に規定する指定薬物の取締りに関すること ( 以下略 ) ( 厚生労働省組織令第五十四条 ) 2

GMP 等適用施設数 / 監視員数 Ø 施設数 : 医薬品 医薬部外品 1,658 施設 医療機器 体外診 2,655 施設 Ø 薬事監視員数 : 3,895 名 Ø GMP 等立入調査に従事する人数 : 399 名 ( 平成 26 年 4 月 1 日現在 ) 3

PIC/S とは? PIC/S: Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme ( 医薬品査察協定及び医薬品査察協同スキーム ) u 査察当局間の非公式 ( 法的効力なし ) な協力の枠組み u PIC/S の目標 : 医薬品分野での調和された GMP 基準及び査察当局の品質システムの国際的な開発 実施 保守 u EU を中心に 米国 FDA に加え 日本及び韓国も加盟し 全世界 43 カ国 (46 当局 ) が加盟 PIC/ S が世界標準となる (2014 年 7 月 1 日現在 ) 4

PIC/S の目的 PIC/S 1/95 3. より PIC/S の目的は 公衆衛生を尊重し 以下の事項を実現することにある (a) GMP 査察分野における相互信頼の維持と査察品質の向上をはかるため 加盟当局の協力関係を推進 強化する (b) 情報や経験を共有する枠組みを提供する (Voluntary basis) (c) 査察官や関連の技術専門家を対象とする相互トレーニングを開催する (d) 製造所の査察及び公的試験機関で実施する試験に関する技術的な基準と手順の改善 調和を図る為 共同の取り組みを 継続する ( 査察手順及び衛研の試験手順の確立 ) (e) GMP 基準の作成 調和 維持を目的とした共同の取り組みを継続する ( 共通のガイドライン作り ) (f) グローバルハーモナイゼーションを実現する為に 共通の基準と手順を採用する為の国家協定を締結した他の規制当局との協力関係を拡大する (MRAとのリンク等を想定) 5

PIC/S 加盟の必要性 u 使用者の保護 ( 国民の安心 安全確保 ) 世界標準の GMP をクリアした医薬品を日本国内に流通させる必要がある また 患者からの信頼が得られる u 行政リソースの有効活用 適切で効率のよい GMP 調査を実施する必要がある 企業側が GMP 査察にかかる人 コストも考慮する必要がある u 日本の製薬業界にとっての影響 海外輸出の際 輸出先国で PIC/S GMP 準拠 が流通要件となるケースが見受けられる 6

PIC/S 加盟までの経緯 u 平成 24 年 3 月 加盟申請書類を PIC/S 事務局に送付 同年 5 月の PIC/S 総会で日本の加盟申請が受理され 審査担当等が決定 平成 25 年 9 月 実地のアセスメントを受けた u 加盟に向けた体制づくりとして 教育訓練の実施等含め PMDA 及び都道府県の GMP 調査体制の一層の充実を図った また 必要に応じ PIC/S 加盟にあたる問題点等に対応した u 平成 26 年 5 月 15~16 日の PIC/S 総会で 日本の PIC/S への加盟が承認された 平成 26 年 7 月 1 日より 日本は 45 番目の PIC/S 加盟当局となった PIC/S ~ 加盟までのスケジュール ~ H24.3.9 PIC/S 加盟申請書類提出 H24.5.7-8 PIC/S 総会 ( 申請受理 ) 書面のアセスメント実地のアセスメント ~ H26.5.15-16 PIC/S 総会 ( 加盟承認 ) 7

日本の PIC/S 加盟について PIC/S News 平成 26 年 5 月 19 日 h1p://www.picscheme.org/news.php 8

日本及び韓国の PIC/S 加盟について PIC/S Website News Geneva(Switzerland), 平成 26 年 5 月 19 日付け h1p://www.picscheme.org/news.php 平成 26 年 5 月 15 日 ~16 日にイタリアローマで開催された PIC/ S Commi1ee meehng で 日本及び韓国当局が平成 26 年 7 月 1 日付けで PIC/S に加盟が認められた 日本は 45 番目の PIC/S 加盟当局となり 厚生労働省医薬食品局 PMDA 及び各都道府県の GMP 調査当局が参加する 韓国については MFDS が 46 番目の PIC/S 加盟当局となる 日本は平成 24 年 3 月 9 日に 韓国は平成 24 年 4 月 10 日に PIC/S 加盟申請した 9

平成 26 年 5 月 20 日付け厚生労働省プレスリリース h1p://www.mhlw.go.jp/sr/houdou/0000046256.html 10

PIC/S Press Release 平成 26 年 6 月 3 日 PIC/S Press Release h1p://www.picscheme.org/ publicahon.php?id=7 11

PIC/S 加盟にあたっての課題 H21~ 厚労科研班研究結果等から (1) 国内 GMP 関連規制と PIC/S GMP ガイドの同等性確保 (2)GMP 調査当局 ( PMDA と都道府県 ( 収去品の試験施設含む )) の品質システムの整備 連携 日本の調査権者が同一の品質システムで動いていることを示す必要あり (3) 個々の GMP 調査員の質の確保 ( 査察のパフォーマンスが国際レベルである必要がある ) 調査員の資格要件の設定 教育訓練プログラム 3 年に一度人事異動があっても査察レベルが維持できるシステム / 制度 ( 国際的に納得が得られる説明 ) 12

(1) 国内 GMP 関連規制と PIC/S GMP ガイドの同等性確保 13

PIC/S ガイドラインとの整合 必要な手当て 1 国内通知類の体系化 ( 位置付けの明確化 すっきりさせる ) 2 埋める必要のあるギャップは補完し通知等で発出 PIC/S ガイドとのギャップを埋め 体系化するため PIC/S ガイドを国内ガイドの 1 つとして取り込む (GMP 省令要求事項の達成手法の参考例として ) 重要項目は施行通知へ取り込む また GMP 適用除外部分については 段階的に整合化していくことを目的に 自主基準レベルから手当てしていく 14

当面 現在の体系 拘束力 薬事法施行令 GMP/GQP 省令薬局等構造設備規則 GMP 施行通知 ( 監麻課長通知 ) 医療用ガス 生薬の一部工程が GMP 非適用 基準 ( 生原基 放薬基等 ) GCP 省令 重要事項については一部取り込み (H25.8.30) スリのス運ク用ベ ー 通知等 (ICH Q7, Q8, Q9, Q10) 日本薬局方参考情報 GMP/QMS 事例集 厚労科研班の研究報告の事務連絡 PIC/S GMP ガイド Part1 及び Annex 1~20(4,5,18,20 を除く ) 医療連用絡ガス事務 生事薬務刻連み絡工程等 PIC/SGMP ガイド Part2(Annex18) Annex4, 5 は動薬関係のため不要 Annex20 既に対応済み l 品質確保のための参考となる手法と位置付けて リスクに応じ活用されるものとする 15

ガイドライン関係の動き (1) PIC/S GMP ガイドラインの活用事務連絡 : PIC/S の GMP ガイドラインを活用する際の考え方について ( 平成 24 年 2 月 1 日事務連絡 ) PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について の一部改定について ( 平成 25 年 3 月 28 日事務連絡 ) PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方についての質疑応答 (Q&A) について ( 平成 24 年 2 月 1 日事務連絡 ) 医療用ガスのガイドライン : 医療用ガスに関する製造管理及び品質管理の基準 ( 自主基準 ) について ( 平成 24 年 2 月 13 日事務連絡 ) 植物性医薬品のガイドライン : 生薬及び漢方生薬製剤の製造管理及び品質管理に関する基準 ( 日本製薬団体連合会自主基準 ) について ( 平成 24 年 2 月 16 日事務連絡 ) 最終滅菌法の指針改訂 : 最終滅菌法による無菌医薬品の製造に関する指針 の改訂について ( 平成 24 年 11 月 9 日事務連絡 ) 16

ガイドライン関係の動き (2) 施行通知の改訂 o 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の取り扱いについて ( 平成 25 年 8 月 30 日監視指導 麻薬対策課長通知 ) 事例集の改訂 o GMP 事例集 (2013 年版 ) について ( 平成 25 年 1 2 月 19 日事務連絡 ) 17

医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質 管理の基準に関する省令の取扱いについて グローバルな観点 品質保証の充実の観点から以下の 6 点を盛り込む 1. 品質リスクマネジメントの活用 2. 製品品質の照査 3. 参考品等の保管 4. 安定性モニタリング 5. 原料等の供給者管理 6. バリデーション基準の改正 ( マスタープラン DQ/IQ/OQ/PQ 製品のライフサイクル 技術移転 プロセスバリデーションなど ) 通知本文で取扱いを明示 施行通知 の改正 ( 別紙 1 2) 平成 17 年 3 月 30 日付け薬食監麻発第 0330001 号 薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴う医薬品 医療機器等の製造管理及び品質管理 (GMP/QMS) に係る省令及び告示の制定及び改廃について 18

バリデーション基準改正のポイント 製品ライフサイクル : Q10 o 製品の品質照査とバリデーション活動の関連 回顧的バリデーションの削除 o 技術移転の有用性 バリデーション活動 o 品質リスクに基づき実施 : Q9 o 適格性評価 (DQ/IQ/OQ/PQ) の明確化 o バリデーションを全体を総括したマスタープランの有用性 継続的工程確認等の採用 : Q8, FDA, EMA 19

将来 最終的な体系 ( 見通し ) 薬事法施行令 拘束力 GMP/GQP 省令薬局等構造設備規則 GMP 施行通知 ( 監麻課長通知 ) 基準 ( 生原基 放薬基等 ) GCP 省令 スリのス運ク用ベ ー 通知等 (ICH 等 ) GMP/QMS 事例集 PIC/S GMP ガイド l 国内の指針を整理 段階的に順次統合 l 日本特有な取扱いは事例集に記載 20

緊急回収通報 (Rapid Alert) 医薬品 医療機器等の回収について の一部改正について ( 平成 26 年 7 月 1 日付け薬食発 0701 第 2 号 ) により 緊急回収通報の対象国 対象品目を拡大 o 対象国 :PIC/S 加盟国及び欧州連合 o 対象製剤 : 日本で GMP 対象医薬品とされているもの o 緊急回収通報の発出が必要な場合 クラス Ⅰ: 回収対象製品を輸出しているかどうかにかかわらず緊急回収通報の発信が必要 クラス Ⅱ: 回収対象製品を対象国のいずれかに対して輸出している場合 ( 回収対象ロットや輸出先が特定できていなくとも 対象国いずれかに対して輸出している可能性のある場合は 日本での回収を決定した時点で発信 ) クラス Ⅲ: 緊急回収通報の発出は原則として不要 21

(2)GMP 調査当局 (PMDA と都道府県 ) の品質システムの整備 連携 22

GMP 調査要領の改訂について " 主旨 平成 24 年 2 月 16 日付け薬食監麻発 0216 第 7 号医薬食品局監視指導 麻薬対策課長通知 GMP 調査における情報交換等の必要性から GMP 調査体制の国際整合化として PIC/S 加盟国水準の国内の調査体制を構築し 恒常的に維持するための検討を行ってきた これら検討の結果として 新たな GMP 調査の実施要領として取りまとめたもの 調査権者 ( 国 都道府県 PMDA) における共通の品質管理監督システムの導入による調和の促進 マネージメントシステムの採用 各調査権者の調整を行う組織 (GMP 調査当局会議 ) の設置及び各調査権者における連携強化 調査員の認定の要件 基準等の明確化及び調査員の教育訓練プログラム構築による水準の維持 医薬品の試験検査施設 ( 国 地方 ) に対する認定の要件 基準の設定 ( 共通の品質管理監督システムの導入 ) 23

GMP 調査当局会議国内当局間の連携機能の構築 2 つのネットワークで国内 48 調査権者の連携を構築 47 都道府県を 7 つのブロックに分け 各ブロック内での協力体制を構築する 各ブロック代表県 PMDA MHLW で GMP 調査当局会議 を構築する PMDA 内に事務局を設置 各ブロック間 ( 各調査権者間 ) のすり合わせ サポート トレーナーチーム GMP 調査当局会議 ( 各ブロック代表,PMDA,MHLW) PMDA GMP グループ トレーナー ( 仮 ) の役割 : GMP 調査のテクニカル面でのサポート 指導等 教育訓練 内部監査等の支援 すり合わせ トレ ー ナ ー 指示 ー ー 厚生労働省 ー ナ ー 整合性検討会 各ブロック単位での調整を基本とする : 教育 内部監査 調査サポート等 ただし PMDA 所属トレーナーによるサポートも可能となるよう想定 北海道 東北ブロック ( ブロック内各都道府県トレ薬務課 ) ト近畿ブロックレ ナ Cブロック 全部で 7 ブロック 24

GMP 調査当局会議の機能 役割 u 日本として 1 つの品質システムであることを対外的に示す 品質システム (SOP) の共通化 PIC/S 等アセスメント時のコンタクトポイントの役割 u GMP 調査の質を確保する 他調査権者のトレーナー ( ベテラン調査員 ) の利用制度 継続的トレーニングの立案 教育資料提供 指導内容の調整 平準化 ( 調査時のサポートと被査察者からの苦情受付 / 検証 ) u GMP 調査当局会議の発足 監視指導 麻薬対策課 PMDA 品質管理部 各ブロック代表県により構成 25

(3) 個々の GMP 調査員の質の確保 26

調査員の要件 EMA や FDA の資格要件を参考に ISO19011 をベースにして策定 調査員はそのレベルに応じて 3 段階の要件を設定 調査チームで 国際的に通用するレベルを担保できるように配慮 要件として 以下のいくつかの要素について規定 u 学歴 トレーニング 関連業務の経験 u 個人的資質 u 法令等や GMP 関連の知識 u 調査の実務経験 能力 27

GMP 調査員の質の確保 教育訓練プログラムの計画的かつ継続的な実施により常にレベルアップを図ることが調査要領通知で要求されている 知識 能力レベル 各分野毎に認定 要求レベル シニア調査員の教育訓練 リーダー調査員の教育訓練 リーダー調査員の要件を満たす 自立的 外交的な特質に秀でている 実務能力があり 専門性があること 教育訓練者としての知識 技能教育訓練 より高度な最新の GMP 知識 実務経験 調査員の要件を満たす 観察力 適応力 決断力が優れていること 分野ごとの調査の技術に関する教育訓練 品目に応じた技術的知識 国際的な規制の知識 最新の GMP 知識 調査員の導入教育 薬学 理工学系の大学卒 ISO19011 にある個人的資質 40 時間の講習等 ( 法令等 ) 一般技能の知識 ( 手順書等 ) 28

国際整合化に向けた 薬事規制全体の連携 29

医薬品を取り巻く環境 Ø グローバル化 Ø 開発 製造 流通の各段階で国境を越えた グローバルな展開 企業の経営戦略の多様化 Ø 技術の進歩 Ø 有効成分 処方 製剤設計 工程管理 流通管理等 Ø バイオテクノロジー ゲノム 再生医療等 製品やプロセスの高度化 多様化 本来の医薬品の役割を果たし 使用者 さらには社会全体の利益を獲得するため u u 製品の特性やリスクに応じた対策が必要 ( 製品のライフサイクルを通して ) 国際調和や国際協力が一層重要 30

製販業者と ( 外国 ) 製造業者との連携 u 製造販売業者は 情報を適切に入手すると共に 取引先の状況について ( 必要に応じ 実地に ) 定期的な確認をする必要がある u 自社製造 他社への委託製造 どちらでも 同じレベルの品質保証が実現されるべき u 海外企業なので 十分に情報が入手できない 委託製造だから品質対策が十分に出来ない というのは 本末転倒 薬事法 ( 第 18 条医薬品等の製造販売業者等の遵守事項等 ) GQP 省令 ( 第 7 条製造業者等との取決め ) ( 第 10 条適正な製造管理及び品質管理の確保 ) 31

薬事規制全体の課題 u 製造販売業者の責任が大きいこと 一方 全面委託も可能である製造形態の多様化 原材料調達 製造 加工 販売 流通のグローバル化の中では 品質管理が難しいことを認識 u 品質の確保のためには 次の事項が重要であること * 製品の特性やリスクを十分把握し これに対応した品質保証対策を講じること * 製造業者 特に原薬製造業者 (MF 登録業者 ) や外国製造業者との連携 コミュニケーションの強化を図ること u 経営陣を含むすべての従業員が コンプライアンスを徹底すること ミス 不正を見逃さず 起こさせないシステムになっているかを点検し 改善すること u GMP の今後の方向性 ( 行政側 ) としては PIC/S 加盟当局として 都道府県 機構の GMP 調査レベルの向上 国際的レベルで整合性あるガイドライン 基準の整備 リスクに応じた効率的な実施を通じた海外製造所実地調査の充実を進めていきたい 32

厚生労働省 Ministry of Health, Labour and Welfare ご清聴いただきまして 有難うございました 33