資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

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公的年金制度について 制度の持続可能性を高め 将来の世代の給付水準の確保等を図るため 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく社会経済情勢の変化に対応した保障機能の強化 より安全で効率的な年金積立金の管理及び運用のための年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し等の

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

2. 年金額改定の仕組み 年金額はその実質的な価値を維持するため 毎年度 物価や賃金の変動率に応じて改定される 具体的には 既に年金を受給している 既裁定者 は物価変動率に応じて改定され 年金を受給し始める 新規裁定者 は名目手取り賃金変動率に応じて改定される ( 図表 2 上 ) また 現在は 少

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

Microsoft Word ①概要(整備令)

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被用者保険の被保険者の配偶者の位置付け 被用者保険の被保険者の配偶者が社会保険制度上どのような位置付けになるかは 1 まず 通常の労働者のおおむね 4 分の 3 以上就労している場合は 自ら被用者保険の被保険者となり 2 1 に該当しない年収 130 万円未満の者で 1 に扶養される配偶者が被用者保

図表 1 年金改革関連法案の概要 国民年金法改正案 ( 未成立 ) (1) 主要改正項目 2012 年度及び13 年度について 国庫は 年金特例公債 ( つなぎ国債 ) により基礎年金国庫負担割合 2 分の1と36.5%( 現在財源が手当てされている国庫負担割合 ) の差額を負担する 2012 年度

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平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワーク

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

短時間労働者の適用拡大 新しい 4 分の 3 基準 に満たない場合であっても 平成 28 年 10 月 1 日以降 次のすべての要件に該当した場合は 短時間労働者の適用拡大の対象となります 週労働時間 20 時間以上 勤務期間 1 年以上 月額賃金 8.8 万円以上 学生でない 従業員 501 人

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消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

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目次 1. 被保険者資格の取得要件 ( 総論 ) 問 1 被用者保険の適用拡大の実施により 厚生年金保険 健康保険の被保険者資格の取得要件はどのようになるのか 問 2 施行日以降は 4 分の 3 基準をどのように判断するのか 問 2 の 2 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間又は所定労働

2. 年金改定率の推移 2005 年度以降の年金改定率の推移をみると 2015 年度を除き 改定率はゼロかマイナスである ( 図表 2) 2015 年度の年金改定率がプラスとなったのは 2014 年 4 月の消費税率 8% への引き上げにより年金改定率の基準となる2014 年の物価上昇率が大きかった

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制度改正の概要について

< 参考資料 目次 > 1. 平成 16 年年金制度改正における給付と負担の見直し 1 2. 財政再計算と実績の比較 ( 収支差引残 ) 3 3. 実質的な運用利回り ( 厚生年金 ) の財政再計算と実績の比較 4 4. 厚生年金被保険者数の推移 5 5. 厚生年金保険の適用状況の推移 6 6. 基

260401【厚生局宛て】施行通知

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( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

日本の年金制度 福山圭一 ( 年金シニアプラン総合研究機構専務理事 ) 1. 制度の特色 20 歳以上の全国民が国民年金制度に加入する国民皆年金 ただし, 自営業者などは国民年金保険料を, 被用者は厚生年金保険料を納付する 厚生年金の適用者に関しては, 全国民共通の基礎年金, 所得比例の厚生年金,

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(差し替え)【概要】年金機能強化法

170214_【社労士会】事務連絡(期間短縮省令)

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平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

強制加入被保険者(法7) ケース1

被用者年金一元化法

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資料 2-2 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案の概要 ( 参考資料 ) 厚生労働省年金局 平成 28 年 4 月 21 日

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第3回税制調査会 総3-2

年発 第 1 号平成 2 9 年 3 月 1 7 日 日本年金機構理事長 殿 厚生労働省年金局長 ( 公印省略 ) 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令 の公布について 公的年金制度の持続可

年金と経済 Vol. 37 No. 2 国名 日本 公的年金の体系保険料財源税財源企業年金 被保険者 20 歳以上 60 歳未満の全国民 ( 国民年金に ) ( 強制 任意 非加入 ) 60 歳以上 70 歳未満の被用者 ( 厚生年金に ) 60 歳以上 65 歳未満か在外邦人で他制度に非加入 (

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付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

四日市市消防関係手数料条例の一部を改正する条例

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

第14章 国民年金 

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

強制加入被保険者(法7) ケース1

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伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

2 返還額の算定方法 (1) 前記 1の (1) (2) (5) 及び (6) の退職一時金に係る返還額 退職一時金の額に利子に相当する額を加えた額とされており この利子に相当する 額は当該一時金の支給を受けた日の属する月の翌月から退職共済年金等を受ける権利 を有することとなった日の属する月までの期

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 概要

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

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第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

厚生年金の適用拡大を進めよ|第一生命経済研究所|星野卓也

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

改訂正表 横断縦断

企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

この改正は 1 企業に勤務していながら厚生年金 健康保険の恩恵を受けられない非正規労働者に厚生年金 健康保険を適用し セーフティネットを強化することで 社会保険における 格差 を是正することや 2 社会保険制度における 働かない方が有利になるような仕組みを除去することで 特に女性の就業を促進して 今

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

財財第  号

150130【物価2.7%版】プレス案(年金+0.9%)

平成 27 年 10 月から全国市町村職員共済組合連合会 ( 以下 市町村連合会 1 ) が年金の決定 支払いを行います ~ 各種届出等の手続き及び各種相談は 今までどおり共済組合で行います ~ 平成 24 年 8 月 22 日に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部

年金制度の改正法の解説と意見

持続可能な公的年金制度における

強制加入被保険者(法7) ケース1

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調布市要綱第  号

被扶養者になれる者の判定

Microsoft PowerPoint - 【資料2-1】年金制度の現状

(頭紙)公布通知

共済年金は厚生年金に統一されます 平成 27 年 10 月から被用者年金が一元化されます 目次 Ⅰ 被用者年金制度の一元化 2 改正の趣旨 公務員等も厚生年金に加入し 2 階部分の年金は厚生年金に統一されます 制度的な差異については基本的に厚生年金に揃えて解消します 保険料率は厚生年金の保険料率に統

題名

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

-1-

短時間労働者への厚生年金 国民年金の適用について 1 日又は 1 週間の所定労働時間 1 カ月の所定労働日数がそれぞれ当該事業所 において同種の業務に従事する通常の就労者のおおむね 4 分の 3 以上であるか 4 分の 3 以上である 4 分の 3 未満である 被用者年金制度の被保険者の 配偶者であ

Microsoft Word - T2-06-2_紙上Live_老齢(2)_①年金額・マクロ(12分)_

( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

2909_0 概要

平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

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国民年金 ( 基礎年金 ) 平成 26 年度財政状況等の概要 1. 収支状況 (1) 基礎年金勘定の収支状況 前年度との比較 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 ( 伸 び 率 %) 億円 億円 億円 億円 億円 億円 収入総額 230,026

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粕屋町重度障害者医療費の支給に関する条例

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Transcription:

資料 1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について 1. 機能強化法関係 機能強化法 ( 1) により 平成 28 年 10 月から私学共済でも短時間労働者を加入者とするとされているところ その詳細を政令で定めるに当たり 厚生年金保険及び健康保険の短時間労働者の要件 ( 2) に倣って定めることとすること 1 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律 ( 平成 24 年法律第 62 号 ) 2 所定労働時間が週 20 時間以上 月額賃金 8.8 万円以上 勤務期間 1 年以上見込み 学生でないこと 従業員 501 人以上 ( 法人単位 ) 2. 国民年金法等改正法案関係 国民年金法等改正法案 ( 1) で予定されている厚生年金保険及び健康保険の改正案の内容に倣って 政令の内容を改正すること ( 2) また 施行日についても 厚生年金保険及び健康保険の改正と同日 ( 3) とすること 1 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案 ( 国会提出済み 継続審議中 ) 2 教職員 500 人以下 ( 法人単位 ) の学校法人等においても 労使の合意に基づき短時間労働者を加入者とすることができることとする 3 現在未定 国民年金法等改正法案の成立時期による

機能強化法 ( ) について 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 22 日公布平成 24 年法律第 62 号 ) 1

機能強化法の主要項目 (1) 納付した保険料に応じた給付を行い 将来の無年金者の発生を抑えるという観点から 受給資格期間の短縮を行う ( 税制抜本改革の施行時期にあわせ 平成 27 年 10 月から施行 先送り ) (2) 基礎年金国庫負担 1/2が恒久化される特定年度 ( 平成 16 年改正法で 別に法律で定める年度 と規定 ) を平成 26 年度と定める ( 税制抜本改革の施行時期にあわせ 平成 26 年 4 月から施行 ) (3) 短時間労働者に対する厚生年金 健康保険の適用拡大を行う ( 平成 28 年 10 月から施行 ) (4) 厚生年金 健康保険等について 次世代育成支援のため 産休期間中の保険料免除を行う (2 年を超えない範囲内で政令で定める日から施行 平成 26 年 4 月から施行 ) (5) 遺族基礎年金の父子家庭への支給を行う ( 税制抜本改革の施行時期にあわせ 平成 26 年 4 月から施行 ) (6) 低所得高齢者 障害者等への福祉的な給付措置を講ずる 高所得者の年金額調整 国民年金第 1 号被保険者に対する産前産後の保険料免除措置について検討する 2

平成 28 年 10 月施行の適用拡大の枠組み ( 全体 ) 被用者でありながら被用者保険の恩恵を受けられない非正規労働者に被用者保険を適用し セーフティネットを強化することで 社会保険における 格差 を是正するもの 厚生年金保険及び健康保険において 短時間労働者を被保険者とする 改正内容 現行短時間労働者への適用拡大 ( 平成 28 年 10 月 ~) 1 日又は 1 週の所定労働時間及び 1 か月の所定労働日数 が 当該企業等において同種の業務に従事する通常の従業員等の所定労働時間及び所定労働日数 のおおむね 4 分の 3 以上である従業員等 5 従業員 501 人以上 ( ) の企業 3 年以内に検討を加え その結果に基づき 必要な措置を講じる ( 法律に明記 ) 対象者数 : 約 25 万人 ( ) 適用拡大前の基準で適用対象となる労働者の数で算定 3

私学共済制度における適用拡大について 機能強化法による私立学校教職員共済法 ( 昭和 28 年法律第 245 号 以下 私学共済法 ) の改正により 平成 28 年 10 月以後 (1) 短時間勤務の私学教職員等の私学共済加入者資格を定めるため 加入者とならない 常時勤務に服しない者 の要件を 政令で定める (2) 加入者とならない 専任でない者又は臨時に使用される者 の範囲について 政令で定める ( これまでは解釈により対応 ) こととなった 私学共済法 ( 加入者 ) 第十四条私立学校法第三条に定める学校法人 同法第六十四条第四項の法人又は事業団 ( 以下 学校法人等 という ) に使用される者で学校法人等から報酬を受けるもの ( 次に掲げる者を除く 以下 教職員等 という ) は 私立学校教職員共済制度の加入者とする 一船員保険の被保険者 二専任でない者三臨時に使用される者四前三号に掲げる者のほか 常時勤務に服しない者 二専任でない者又は臨時に使用される者であって 政令で定める者三前二号に掲げる者のほか 一週間の所定労働時間その他の事情を勘案して政令で定める者 平成 28 年 6 月 1 日現在平成 28 年 10 月 1 日施行 ( 平成 24 年法律第 62 号 ) 4

私学共済制度における適用拡大について 私立学校教職員共済法施行令の改正内容 ( 案 ) 現行 1 日又は 1 週の所定労働時間及び 1 か月の所定労働日数 が 当該学校法人等において同種の業務に従事する通常の教職員等の所定労働時間及び所定労働日数 のおおむね 4 分の 3 以上である教職員等 短時間労働者への適用拡大 ( 平成 28 年 10 月 ~) 5 教職員 501 人以上 ( ) の学校法人等 ( ) 適用拡大前の基準で適用対象となる労働者の数で算定 一週間の所定労働時間その他の事情を勘案して政令で定める者 即ち 上記 1~5 のいずれかを満たさない者 を 加入者としないこととする ( 政令案 ) 加入者とならない 専任でない者又は臨時に使用される者 の詳細については日本私立学校振興 共済事業団の共済規程で定めることとする ( 案 ) なお 国共済 地共済においては 短時間労働者は組合員とせず 厚生年金保険及び健康保険の被保険者とする整理 5

適用対象となる短時間労働者 厚生年金保険及び健康保険 5 従業員 501 人以上 ( ) の企業 私学共済制度 5 教職員 501 人以上 ( ) の学校法人等 ( ) 適用拡大前の基準で適用対象となる労働者の数で算定 本研究会においてお諮りする事項私学共済制度における短時間労働者の要件を 厚生年金保険及び健康保険における短時間労働者の要件に倣って定めることとすること 6

国民年金法等改正法案 ( ) について 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案 ( 国会提出済み 継続審議中 ) 7

国民年金法等改正法案の概要 (1) 短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進 (2) 国民年金第 1 号被保険者の産前産後期間の保険料の免除 (3) 年金額の改定ルールの見直し ( 平成 28 年 10 月実施 ) ( 平成 31 年 4 月施行 ) (1は平成 30 年 4 月 2は平成 33 年 4 月施行 ) 1 マクロ経済スライドについて 年金の名目額が前年度を下回らない措置を維持しつつ 賃金 物価上昇の範囲内で前年度までの未調整分を含めて調整 2 賃金変動が物価変動を下回る場合に賃金変動に合わせて年金額を改定する考え方を徹底 (4) 年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) の組織等の見直し (5) 日本年金機構の国庫納付規定の整備 ( 平成 29 年 10 月 ( 一部公布日から3 月以内 ) 施行 ) ( 公布日から3 月以内施行 ) (1) については平成 28 年 10 月 1 日施行を予定しているが それまでに同法案が成立しない場合 施行日は修正されることになる 8

短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進 ( 全体 ) 厚生年金保険及び健康保険において 従業員数 500 人以下であっても 労使の合意に基づき 短時間労働者への被用者保険の適用拡大を可能とする 国 地方公共団体は 規模にかかわらず適用とする 改正内容 平成 28 年 10 月施行決定 従業員 501 人以上の企業 適用拡大を実施する 平成 28 年 10 月施行予定 従業員 501 人以上の企業 適用拡大を実施する 従業員 500 人以下の企業 労使の合意に基づき 適用拡大を可能とする 9

適用対象となる短時間労働者 厚生年金保険及び健康保険 私学共済制度 機能強化法による改正 ( 再掲 ) 私学共済の政令改正案 ( 再掲 ) 5 従業員 501 人以上 ( ) の企業 5 教職員 501 人以上 ( ) の学校法人等 国民年金法等改正法案による改正案 5 従業員 501 人以上 ( ) の企業従業員 500 人以下 ( ) の企業の場合は 労使の合意に基づき 適用拡大を可能とする 私学共済の政令改正案 5 教職員 501 人以上 ( ) の学校法人等教職員 500 人以下 ( ) の学校法人等の場合は 労使の合意に基づき 適用拡大を可能とする ( ) 適用拡大前の基準で適用対象となる労働者の数で算定 本研究会においてお諮りする事項 1 私学共済制度においても 厚生年金保険及び健康保険の改正案の内容に倣って労使合意に基づく適用拡大を可能とするよう政令を改正すること 2 施行日についても 厚生年金保険及び健康保険の改正と同日とすること 10