Microsoft Word - 05 NO5 習志野四中 安村(物質の溶解)

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< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

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授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

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第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

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木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

留意点 指導面 化学に対する興味 関心を高めることが主なねらいなので, 原理については簡単に触れる程度にとどめる 身の回りにある合成高分子に気付かせ, それらが化学の先人の研究成果によって作られたものであることから, 化学が人間生活に果たしている役割について触れる 分子量が約 1 万以上の分子からな

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しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

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基礎化学 Ⅰ 第 5 講原子量とモル数 第 5 講原子量とモル数 1 原子量 (1) 相対質量 まず, 大きさの復習から 原子 ピンポン玉 原子の直径は, 約 1 億分の 1cm ( 第 1 講 ) 原子とピンポン玉の関係は, ピンポン玉と地球の関係と同じくらいの大きさです 地球 では, 原子 1

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目次 1 研究の動機 1 2 研究を始める前に 1 (1) インターネットで調べる (2) 水中シャボン玉をつくってみる 3 研究の目的 3 4 研究の内容 3 追究 1 水中シャボン玉をつくってみよう 3 追究 2 水中シャボン玉が確実にできる組み合わせを見つけよう 5 追究 3 洗剤の種類で水中

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

競技の流れ 発泡入浴剤は, 炭酸水素ナトリウム ( 重曹 ) とクエン酸という物質を固めて作られている これを水に溶かすと, 水中で両者が反応して二酸化炭素が発生する この発泡は, 血行を良くする働きがあると考えられている 今日の実験は, 発泡入浴剤に関係する次の 3 テーマからなる 時間配分 (1

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留意点 指導面 ろ紙などに吸着する力や, 展開液への溶解度が異なるため, 物質がろ紙などを移動する速さに違いが生じる この性質の違いを利用して混合物を分離する方法をクロマトグラフィーといい, ろ紙を用いる方法をペーパークロマトグラフィー, 薄層を用いる方法を薄層クロマトグラフィー, シリカゲルやアル

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

<連載講座>アルマイト従事者のためのやさしい化学(XVII)--まとめと問題 (1)

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

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7 炭酸水素ナトリウムの成分元素 ~ 成分元素の確認 ~ 難易度教材の入手日数準備時間実施時間 1 ヶ月 1 時間 50 分 目的と内容 物質の分離 精製や元素の確認などの観察, 実験 を行い, 化学的に探究する方法の基礎を身に付けさせ るとともに, 粒子の熱運動と三態変化との関係などに ついて理解

前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

Transcription:

物質の溶解 Ⅰ 物質が水に溶け, 拡散していく様子を生徒がわかりやすく観察できる観察 実験例 1 物質が水に溶ける様子の観察 実験 1 のあらまし物質が水に溶ける様子を観察するには, 色の付いた物質を溶かし, 色によって溶解, 拡散の様子を観察する 廃棄の事を考えると無害なコーヒーシュガーを用いるのが一般的であるが, 溶けたときの色が茶色ということもあり, 光の加減などで生徒にとって見づらいようである そこで, はっきりとした色の塩化コバルトや過マンガン酸カリウムを使用すると拡散の様子が比較的よく観察できる 2 準備するもの (1) 器具 測定用紙 記録用紙 シャーレ 水 薬さじ デジタルカメラ 保護眼鏡 (2) 試薬 塩化コバルト過マンガン酸カリウムコーヒーシュガーなど 過マンガン酸カリウムの時 硫酸銅コーヒーシュガー塩化コバルト過マンガン酸カリウム 上記記載のように, 過マンガン酸カリウムや塩化コバルトは色が濃くて見やすい しかし, 教科書のように, 溶かす前と溶かした後で質量を比べ, 変化がないことを確かめるには, 溶かす量が少ないのであまりお勧めできない 3 学習前の観察 実験の指導の手立て事前に授業の中で次の 3 点をしっかりと押さえておく必要がある 1 水溶液とは水に物質が溶けている液体のこと 2 水に物質が溶けている状態とは, 透明になること 濁っている状態では, 水溶液とはいえず, 色がついていても透明であれば溶けた状態であるということ 3 水溶液に溶けている物質は, 目に見えなくてもなくなったわけではなく存在していること また, 赤である塩化コバルトを使うときは, 色覚に障害のある生徒への配慮をする 色が広がっていることは理解できるようだが, 赤色の濃淡は認識しづらいため, レポートへの記録は上手にできないことがある

4 観察 実験の手順 様子 (1) シャーレでの測定準備をする紙に半径 1cm から 5cm まで,1cm ずつ大きくした同心円を書く シャーレに, 底面に広がる程度の水を入れ, 測定用紙の上に中心をそろえて置く (2) 測定記録の準備 ( 確認用にどこかの班 1 つでもよい ) をするデジタルカメラを用意し, シャーレの真上にセットする (3) 円の中心に観察する物質を静かに置く円の中心に観察する物質を置く時は, なるべく真上から静かに広がらないように置く この試薬の量と置き方が観察のしやすさにもつながるので注意する 置く試薬の目安 硫酸銅 約 0.5g コーヒーシュガー 約 1~2g 塩化コバルト 約 0.3~0.4g( 薬さじ小に山盛りいっぱい程度 ) 過マンガン酸カリウム 約 0.1~0.2g( 耳かき一杯程度 ) (4) 溶ける様子を観察, 記録する 1 分ごとに溶けた試薬の色が測定用紙に書いた円のどこまで到達したか, 色や形はどのように変化したかを観察し, 記録用紙に記録する 目安 10~15 分後ぐらいまでおこなう 最後に, よくかき混ぜ, 全体の色のバランスなども記録しておく デジタルカメラをセットした場合は,1 分ごとにシャッターを押す 5 学習後の観察 実験の指導の手立て次時に角砂糖の溶け方を見て, 今日の内容を踏まえながら, 砂糖水の粒子モデルを考えることを予告しておく 状態変化で物質を粒子で表したことなどを思い出させるような問いかけができるとイメージできやすい 排水は薬品の処理をしっかりと行う 塩化コバルトや硫酸銅, 過マンガン酸カリウムを使用した場合は, 種類ごとに集め処理してから処分する * 塩化コバルト 自然濃縮して廃液業者へ または, ろ紙にしみこませて塩化コバルト紙として再利用する * 硫酸銅や塩化銅 ビーカーなどに放置し, 水分を蒸発させ再結晶させて, 溶解度の学習などで再利用する または, 水溶液中にスチールウールなどを入れ, 銅イオンを銅として析出させ, 燃えないゴミとして処分する * 過マンガン酸カリウム 多量の水に溶解して, ハイポ ( チオ流酸ナトリウム ) を加えて還元させ, 溶液の ph を中性に調整した後, 下水に流す 6 器具や薬品等の扱い方等 (1) 指導面できれば, 同心円状に拡散していく様子を観察させたい よって, 机をゆらしたり, 鼻息で水面に対流を起こしたりないように気を配らせる (2) 安全面試薬が目や口の中に入らないよう, 保護眼鏡を着用させる 実験後は, すぐに試薬を処理し, よく手を洗うように指導する

(3) その他 ( 実験の注意 ) デジタルカメラによる記録は, 動画よりも 1 分おきにとった写真のスライドショー ( 過マンガン酸カリウムの場合 ) の方が広がりを確認できる 動画では微妙な変化の連続なので広がりを実感しづらい ( 気温 32 ) < 過マンガン酸カリウム > スタート 1 分後 2 分後 3 分後 4 分後 5 分後 Ⅱ 指導の例 1 単元名水溶液 2 単元のねらい物質が水に溶ける様子を観察し, 水溶液の中では溶質が均一に分散していることを見いだすこと 水溶液から溶質を取り出す実験を行い, その結果を溶解度と関連づけてとらえること 3 指導計画 ( 全 6 時間 ) 物質の溶解 (2 時間 ) 本時 (1/2) 溶解と物質の粒子 (1 時間 ) 溶解度と再結晶 (2 時間 ) 物質の濃度 (1 時間 ) 4 学習問題 砂糖が水に溶けているとき, どのような状態で存在するのだろうか 5 観察 実験の展開例 (1) ねらい 溶質が溶けていく様子を粒子モデルで描くことができる ( 科学的な思考 表現 ) 物質の溶ける様子を観察し, 自分の言葉で記録することができる ( 観察 実験の技能 ) 水溶液, 溶質, 溶媒などの理科用語や水溶液の基本事項を理解することができる ( 知識 理解 )

(2) 展開 (2 時間扱い 2 日にわたって授業を実施 ) 評価の観点学習内容 学習活動指導上の留意点と評価の観点 1 食べ物と体重の関係について予想する 体重が増えないと答える生徒も, もしかした体重 60kgの人が500gのジュースをら増えるかも と思っている場合も多いので, 飲んだら, 体重が500g 増えるか できる限り 増える 増えない それぞれの 増える理由を出させる 増えない 議論後, 演示実験などで結果の確認をする 2 既習事項から水溶液の中には, 目に見えなくても物質が存在していることを確認する 1 水溶液の基本事項を確認する 2 グラスに入った水と砂糖を見せ, それぞれの重さを量る そして, 水に砂糖を溶かし, 砂糖水の重さを考えさせる その後, 水に砂糖を溶かし, 砂糖水の重さを確認する 水溶液, 溶質, 溶媒などの理科用語や水溶液の基本事項を理解している ( 知識 理解 ) 重さが同じであった事実より, 目に見えなくても砂糖が存在していることを確認する ( 小学校 5 年の内容 ) 完全に溶質が溶けているときは, 透明である事を確認する 砂糖が水に溶けているとき, どのような状態で存在するのだろうか 3 実験方法を確認し, 実験をする 観察 実験例 1 1 10 分ほど溶質が溶ける様子を観察し, 記録する 2 その後, 完全に溶かすように混ぜる 4 結果の記録からどのように溶けたのかを話し合う 置いた場所から徐々に広がっている 同心円状に広がっている 完全に溶かすと, 色が均一になる 溶けている周辺にもやもやができる など 5 物質が溶けた状態とはどんな状態か確認する 6 角砂糖をビーカーに入れた直後, あらかじめ用意した 5 分後, 長時間たった後の 3 点を見せ, 目に見えない砂糖がどのように存在しているか, 表現する 周囲に向かって同心円状に溶け出す様子に着目させる 色の変化や濃淡にも注目させる 溶けている様子を自分の言葉で記録している ( 観察 実験の技能 ) 完全に溶かした溶液の色に濃淡が出ていないことを確認する 完全に溶質が溶けているときは, 透明であることを確認する 角砂糖の溶け方を見て, 先ほどの実験の結果を踏まえながら, 砂糖水の粒子モデルを考え, 粒子概念の定着を目指す ワークシート例 直後 5 分後長時間 砂糖の粒子

7 拡散の時, 完全に溶けているときの粒子モデルを確認しあう 溶質が溶けていく様子を粒子モデルで描いている ( 科学的な思考 表現 ) 8 まとめる 砂糖が水に溶けている時, 砂糖は均一に分散している Ⅲ よりよい観察 実験にするために 1 生徒 教師の失敗例 (1) 溶質が広がる時間が長すぎる または, 短すぎる < 対処法 > その時の気温, 水の量, 溶かす溶質の量によっても, 溶ける時間が変わってくる 一番大切なことは, 予備実験をしっかりと行い自分の学校の器具で, 行う季節でうまくいくように準備すること 自分が失敗した例をあげると次のような場合であった * 時間が長すぎる場合 1 水の量が少ない 2 シャーレの小さいものを使用する 3 薬品の量が少ない * 時間が短すぎる場合 1 薬品の量が多い 2 水が動いてしまっている (2) 物質は水に溶けると均一になり, 時間がたっても濃さが変わらない ということを言葉ではわかっていても, 感覚的に理解させることが難しい 後日のアンケート 食塩水の上の部分と底の部分では, どちらが濃いか という質問に, 底のほうが濃い 理由は, コーヒーや紅茶では最後の方が甘い や 食塩は水より重いから沈む というものが多かった < 対処法 > 一般的には, 硫酸銅を完全に溶かして長時間置き, 色の変化がおきない事で確認する 硫酸銅の代わりに塩化銅を使うと, 塩化銅は濃度が濃いと緑色になり, 薄くなると水色になる このことを利用すると, 一度溶かしてから, 生徒の思うように重いものは沈むので下が濃くなると考えるならば, 長時間たつと下のほうが緑色になってくるかどうかを目で確認できる観察ができる 観察 実験例 2 1 試験管の底に塩化銅を大量に入れる 2 静かに水を注ぎ, 自然拡散の様子を見せる 色の変化を確認する 底が緑色で, 上に行くにしたがって薄い水色になる 3 数日間は, 下にたまった塩化銅が少しずつ溶け緑色の部分が拡大していく 4 数日後, 完全に溶かして全体を水色にし, その後長時間観察する 1 2 3 4

2 経験談から私は, 生徒が知的好奇心いっぱいに既習事項を利用して, 課題に対する自分の考えを作り上げていく授業がしたいと願い, 授業を考えています そのために大切にしていることは, 生徒自身が どうなっているのだろう? と知りたくなるような, 課題や現象を提示することと, 既習事項を利用して考えることができる課題を提示することです 同じ課題でも生徒の実態や生活体験で反応は全然違います 未だに勉強です でも, 概して身近なもの, 自分で選んだもの, 生活経験があるもの, 刺激が強いものなどが有効なようです ぜひ, チャレンジしてみてください 授業はいつもうまくいくとはかぎりません しかし, 失敗した経験は, 次の場面で活きるものです 今回紹介した展開は, 自分の体重は大体一定で, 普段から食べた分だけ体重が増えると考えている人は少ないということを利用して, まず食べた物と体重の関係から考えさせました そして, 水溶液でも 目に見えなくても質量があれば物質は存在する ということを確認し, 水に溶けて見えなくなった物質はどうなっているのか を考えさせてみました 溶けて広がるイメージは表現させる事が大体できたのですが, 濃さがずっと同じという観念はコーヒーや紅茶の砂糖の溶け残り, 重いものは沈むといった生活体験を覆せず, やがて下の方が濃くなると考えてしまっている生徒が多かったです そのフォローの観察も紹介しておきましたので参考にしてください 粒子で物質を考える大切な経験です ぜひ, モデル図を一人一人に描かせてください 化学変化やイオンのところで, 分子, 原子のイメージを持ちやすくなると思います 頑張ってください 参考文献 1) 大日本図書編 ( 平成 23 年 ) 理科の世界 1 年 2) 大日本図書編 ( 平成 23 年 ) 理科の世界 1 年教科用指導書上