サービス交渉 DDA のサービス交渉が停滞する中 2012 年 12 月 21 の有志国が今までの FTA 等で達成した水準を基に新協定 ( 新サービス貿易協定 :Trade in Services Agreement) を作成する交渉を開始することで合意 日 米 EU 諾 豪 加 香港 パナマ コ

Similar documents
ドーハ ラウンド交渉とは 農業 鉱工業 サービスの自由化のみならず 貿易円滑化 アンチダンピング等のルールの策定 強化も含んだ 包括的な貿易交渉 2001 年にカタールのドーハで交渉が開始されたことから ドーハ ラウンドという 貿易を通じた途上国の開発が最重要課題の一つ 主な交渉分野 ( 下線は農林

ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

<4D F736F F F696E74202D A8E518D6C8E9197BF E95FB90E096BE89EF816A>

TBT( 貿易の技術的障害 ) 貿易救済 ( セーフガード措置等 ) 政府調達 も高いレベルの措置を導入 維持できるとされている ) 個別品目の輸入解禁や輸入条件の変更について, 従来よりTPP 交渉参加国より要請されてきた案件が, 交渉参加のための条件とされ, あるいはTPP 協定に付随する約束を

The Sanwa Bank Limited

<4D F736F F D FC816A E97708CEA8F E096BE89EF816A E646F63>

EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

原産地証明書の種類と内容 内容 用途 根拠協定 / 法律など 一般原産地証明書 原産地証明書発給の要請 : (1) 輸入国の法律 規則に基づく要請 (2) 契約や信用状の指定ただし 記載事項はあくまで発給機関の定める発給規則に基づいて作成される 契約および L/C 条件が発給規則に矛盾しないように注

別紙 1 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案による主な改正内容 TPP 整備法の現状 整備対象となる11 本の法律のうち GI 法の改正 : 施行済他 10 本の法律の改正 : 未施行 ( 施行期日は環太平洋パートナーシップ協定 (TPP12 協

一九二〇 経過的セーフガード措置 とは 第六 三条(経過的セーフガード措置の実施)2に定める措置をいう 第六 二条世界向けのセーフガード1この協定のいかなる規定も 千九百九十四年のガット第十九条の規定及びセーフガード協定に基づく締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない 23に規定する場合を除く

<4D F736F F F696E74202D B837E814095F18D908E9197BF>

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

General Department of Vietnam Customs

1. 経済連携協定 (EPA) 自由貿易協定 (FTA) とは 自由貿易協定 (FTA:Free Trade Agreement) 特定の国や地域の間で 物品の関 税やサービス貿易の障壁等を削減 撤廃することを目的とする協定 経 済連携協定の主要な内容の一つ 経済連携協定 (EPA:Economic

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D F837C8A E9197BF A C5816A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>


個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

<4D F736F F F696E74202D20288E9197BF DC58BDF82CC92CA8FA490AD8DF482F082DF82AE82E993AE82AB28835A E B8CDD8AB B83685D>

ITI

日 EU EPA の主なメリット :EU 市場の開拓 平成 29 年 8 月外務省経済局 EU の関税の撤廃や規制の撤廃 緩和により, 様々な国産品の輸出拡大,EU の市場開拓が期待されます 工業製品 品目数 輸出額 (EU 向け約 5.8 兆円 ) で,100% の関税撤廃を達成し,EUへの輸出の

TPP 農林水産物市場アクセス交渉の結果 1 米 : (1) 米及び米粉等の国家貿易品目 1 現行の国家貿易制度を維持するとともに 枠外税率 ( 米の場合 341 円 /kg) を維持 2 米国 豪州に SBS 方式の国別枠を設定 米国 :5 万 t( 当初 3 年維持 ) 7 万 t(13 年目以

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

<4D F736F F D CA48B86C9B0C42090CE90EC8D4B88EA2E646F63>

Microsoft Word - ⑤付属資料.docx

1. 多角的貿易自由化の変遷 (1)GATT の下での多角的貿易自由化関税と貿易に関する一般協定 (GATT) では自由 ( 数量制限の撤廃および関税引き下げ ) 無差別( 最恵国待遇および内国民待遇 ) の原則の下で 1947 年から 94 年にかけて 8 回の多角的貿易交渉 ( ラウンド ) が

目次 1. はじめに 2. 原産地基準 3. 原産地証明制度 4. 税関での手続き 本パンフレットは 税関での適正な手続きを行っていただくために 原産地規則についての基礎的な理解を深めていただくことを目的として作成したものです 理解しやすさの観点から 法令の用語と異なる用語を使用した部分 全てのEP

71 平成 27 年度の SBS 米の輸入入札状況 ( 単位 : 実トン ) 全体 丸米 砕米 入札回数輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量 第 1 回 (27 年 9 月 16 日 ) 4, ,000 2, ,000 2

< B938A8E918AC28BAB5F636F E707364>

ITI

及び必要性 低税率を適用して需要者に安価な輸入品の供給を確保する一方 一定数量を超えた輸入分については高税率を適用することにより 国内の皮革産業及び革靴産業の保護を目的としている 2 政策目的達成時期我が国皮革産業及び革靴産業が構造改善を行い アジア諸国からの低価格品及び欧州からの高価格品と対抗しう

03“‚“ÛŁ¶›»-™ƒ‚º

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

PowerPoint プレゼンテーション

Vol

(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅


表紙タイトル28pt (Font Color: R82, G110, B147)

第 Ⅱ 部 WTO 協定と主要ケース 貿易歪曲効果是正機能 ( 制裁機能 ) とは 貿易歪曲効果を有する措置への対抗策として関税が用いられる場合の機能である 例えば GATT 第 6 条の実施に関する協定 ( アンチ ダンピング協定 ) において ダンピングが行われていると認められる場合にアンチ ダ

目次 1. コメ 1 2. 野菜 果実 2 3. 茶 3 4. 薬用植物 4 5. 牛乳 乳製品 5 6. 食肉 6 7. 水産物 7 8. 加工食品 8

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F F696E74202D2091C38C8B8D4C95F18E9197BF D F836F815B A A A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

欧州議会の合意を得 さらにEU 理事会で英国を除く加盟国によって特定多数決方式 具体的には英国を除く27 加盟国のうち20カ国かつ加盟国人口の65% 以上の合意を得られれば 脱退協定 が締結される なお 最終的な合意には英国側の合意も必要とされる 英国に適用されている EU 法は 脱退協定 発効日を

第6回国際課税DG 際D6-1

TPP11 協定 (CPTPP) の概要目次 協定の発効要件 税率差 : 国別譲許における税率適用国決定ルール 国別セーフガード その他 国別関税割当 牛肉の適用税率 ( 日豪 EPA 税率との比較 ) 輸入後のTPP 特恵税率の要求 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 Comp

NTA presentation JP [Compatibility Mode]

関西 EPA 研究会 ( 仮称 ) 参加のご案内 2 国間から TPP まで - アジアの EPA/FTA を総合的に 2011 年 1 月 主催 : 関西地区 16 商工会議所 拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます ご高承の通り わが国の経済連携協定 (EPA) は シンガポール (2

環太平洋パートナーシップ (TPP) 協定 の概要 データ集 2013 年 9 月 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 海外調査部 Copyright (C) 2013 JETRO. All rights reserved.

第 Ⅱ 部 WTO 協定と主要ケース するための公平 透明な調達手続等を規定する 政府調達に関する協定 ( 以下 旧政府調達協定 という ) が先進国間で複数国間協定として成立した その後 1983 年から協定条文の見直し及び適用範囲の拡大を目的として同協定の改訂交渉が開始され 1993 年 12

アメリカ2008年農業法-議会の立場と政権の立場-

Microsoft PowerPoint - ishida_handout

<4D F736F F F696E74202D F826F95BD8E9197BF C8E FA835A CE38E8E8E5A92C789C1816A2E >

制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

スライド 1

1 関税法上の用語の定義 輸入 外国貨物を本邦に引き取ること輸出 内国貨物を外国に向けて送り出すこと 外国貨物 1 輸出の許可を受けた貨物 2 外国から本邦に到着した貨物 ( 外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む ) で輸入が許可される前のもの内国貨物 1 本邦にある貨物で外国貨物でないもの

今後の EPA 戦略について 国境措置のあり方について 平成 19 年 4 月 11 日農林水産省

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1


北米自由貿易協定(NAFTA)の概要

日本のアルゼンチンにおける産業協力

ISPM 案 海上コンテナによる病害虫移動の最小化 をめぐる議論 ~ 経緯 2013 年 2 月農水省 国内関係者との意見交換会 ( 関係省庁 関係団体 ) 3 月農水省 IPPC 基準委員によるセミナー 4 月 IPPC 総会 (CPM-8) 暫定 ISPM 案を議論 11 月我が国コメントを I

2 政策目的達成時期我が国皮革産業及び革靴産業が構造改善を行い アジア諸国からの低価格品及び欧州からの高価格品と対抗しうる国際競争力が備わるまで 本制度を維持する必要がある 3 改正の必要性ア. あるべき姿と現状のギャップ国内皮革産業及び革靴産業は 高付加価値化やコスト削減などの構造改善を進めること

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

<4D F736F F D2089EF8ED096408CA48B8689EF8E9197BF E7189BB A2E646F63>

国内の皮革産業及び革靴産業は中小 小規模事業者が大部分を占めていることから業界の構造改善及び競争力強化を実施し アジア諸国をはじめとする海外から大量に輸入される製品と対抗しうる日本製品の優位性が備わるまで 本制度を維持する必要がある 3 改正の必要性ア. あるべき姿と現状のギャップ国内の皮革産業及び

韓 EU FTA の対象は 工業製品や農産物など商品貿易にとどまらず サービス取 引 知的財産権など広範な分野を含んでいる 工業製品については 一部の例外を除き 韓国 EU ともに原則 5 年以内の関税撤 廃を目指す 韓国側は 協定発効後 3 年以内に工業製品の 92%( 輸入額ベース ) 5 年以

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

Microsoft Word - アンチ・ドーピング規程(クリーン).docx

<4D F736F F D B835E8BA4974C8EE888F E63294C5816A8F4390B E31322E F4390B394C5816A2E646F63>

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

2015 年末までに交渉を妥結させるとの目標が明記されている 2 これまでの交渉では 基本指針に基づき 分野別の作業部会やその下部組織が設置され 交渉が進められている ( 図表 2) これを受けた今次閣僚会合の最大の注目点は モダリティ に合意できるかどうかであった モダリティとは 交渉の進め方に関

WTO 政府調達協定 1. 政府調達協定改定交渉の経緯ガットにおいては 世界貿易の一層の自由化及び拡大を図るため 政府調達の分野においても内外無差別などの国際的規律の枠組を設ける必要があるとの認識から 1979 年 4 月に物品を対象とする 政府調達に関する協定 が作成され 1981 年 1 月から

1 アンチ ダンピング措置の新規調査開始件数の推移 AD 調査開始件数は 1 貿易自由化が進展した時と 2 景気後退の時に増加する傾向がある 世界金融危機時に増加した後しばらく下降傾向であったが 近年は再び増加傾向 世界的には 2 日に 1 件以上の割合で調査が開始されている

Microsoft PowerPoint - 4_林野庁_rev._GISPRI_IGES_COP21_林野庁_発表用.pptx

2. 両協定の主な内容両協定締結後は 貨物やサービス貿易における更なる開放 優遇措置のほか 投資 政府調達 知的財産権 人の移動 ビジネス環境整備など 幅広い範囲での提携により 締約国間の貿易 投資の往来が従来より円滑に進むことが見込まれる (1) AHKFTA 貨物貿易香港 ASEAN 間の貨物貿

関税 : 日本から EU への自動車輸出 EU での自動車生産の両面で事業環境が改善交渉開始当時から日本は EU が鉱工業品に賦課している関税 ( 例 : 乗用車 10% 電子機器最大 14%) の撤廃を要望してきた 特に乗用車については 2016 年時点で年間約 112 億ドル ( 約 1.2 兆

環太平洋パートナーシップ (TPP) 協定の概要 交渉参加国シンガポール ( 星 ) ニュージーランド (NZ) ブルネイ チリ 米国 オーストラリア ペルー ベトナム マレーシア メキシコ カナダ 日本 経緯 2002 年星 NZ チリが APEC サミットの際に交渉開始 後にブルネイ参加 (NZ

<4D F736F F D20819A F F15F907D955C93FC82E F193B989F08BD682C882B5816A2E646F6378>

薬事法等の一部改正に伴う特許法施行令改正に係る事前評価書

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

2010 年 AIBA 認定アドバイザー試験公開問題 国際マーケティング 第 1 問経営戦略論の第一人者 ポーター (M. E. Porter) の競争戦略に関する代表的な考え方につ いて 問 1~ 問 3の空欄に入る最も適切なものをそれぞれ一つ選び 解答欄にその番号を記入しなさ い 問 1 業界の

不公正貿易報告書.indb

< F2D817988C482C682EA817A323190A28B F90AD >

2008年6月XX日

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

1 海外原料の酒が増える? TPP に参加することで農産物の関税が撤廃された場合 日本の酒類 特に清酒は原料となる米の調達先の変化という形で直接的な影響が考えられます 図表 1に示したとおり米 大麦 小麦などには高率の関税がかかっています ビールや麦焼酎で使う大麦や麦芽は 関税割当制度や SBS 制

Microsoft Word - funding-carbon-capture-storage-developing-countries-japanese

れまでの交渉経緯という一連のCOP/CMP 決定が採択された こQ1. 今年のカタール ドーハでの COP18 の焦点は何ですか? 今年のカタール ドーハでの COP18 では, 昨年の COP17 で合意されたダーバン合意を着実に前に進めることが重要であり,1 ダーバンプラットフォーム特別作業部会

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

Microsoft Word - 表紙.doc

Microsoft PowerPoint - 04_COP18_山ノ下麻木乃.pptx

<4D F736F F D E90528DB88AEE8F8095F18D908F915B8FA D25D62>

Title 日系食品企業の直接投資およびFTA/EPAがASEAN 諸国の食品貿易に与える影響に関する分析 ( Digest_ 要約 ) Author(s) 髙松, 美公子 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL ht

Transcription:

非農産品市場アクセス (NAMA) 交渉 農産品以外のすべて ( 鉱工業品及び林水産品 ) に関する関税及び非関税障壁の撤廃 削減に関する交渉 我が国としては 各国の事情も踏まえつつ 欧米の高関税品目の関税引下げ 途上国の高関税引下げによる世界的な関税格差の是正が交渉の主眼 基本的な交渉の構図としては 新興市場に関心のある先進国と 様々な背景 主張を有する途上国との対立 基本的な交渉の構図 先進国 工業品で優位 全体として 低関税 途上国の関税を引き下げたい 新興市場に関心 途上国 全体として高関税 政策余地の維持 自国産業保護及び関税収入確保の観点から 関税引下げには消極的 途上国も一様でない ( それぞれの主張も各論では異なる ) 新興途上国 新規加盟国 小規模脆弱経済国 LDC 14

サービス交渉 DDA のサービス交渉が停滞する中 2012 年 12 月 21 の有志国が今までの FTA 等で達成した水準を基に新協定 ( 新サービス貿易協定 :Trade in Services Agreement) を作成する交渉を開始することで合意 日 米 EU 諾 豪 加 香港 パナマ コロンビア アイスランド 墨 イスラエル NZ リヒテンシュタイン 土 台湾 韓 スイス コスタリカ ペルー チリ ( 計 21 地域 国 ) が自由化約束のオファーを提出済み 条文 附属書の議論を継続中 今後 リクエスト オファーにつき交渉予定 新サービス貿易協定 (TiSA) 交渉推進国 ( 日 米 EU 等 ) 交渉プロセス及び枠組みについて協議 2012 年 12 月会合で 枠組みペーパー に合意 有志国の既存の FTA EPA の積み上げを基本とし 海運 情報サービス等の自由化水準の向上 有志国間の協定 複数国間 ( プルリ ) 協定 としてスタートするものの 今後加盟国を拡大し全 WTO メンバーが加盟することを志向 将来的に途上国から利益を得られる分野 ( 外資規制撤廃等 ) を狙いとして交渉が行われる見込み 有志国会合に不参加の途上国 ( 特にインド等の新興国 ) は WTO における多国間主義 ( マルチ ) に反するとして異論あり 中国は方針転換し 2013 年 11 月会合で参加の意図を表明したが 野心の水準は参加国共通の関心事であり その確保の観点から日 米は中国の参加に慎重 15

TRIPS 交渉 TRIPS 理事会においては GI( 地理的表示 ) の保護物品拡大や多国間通報登録制度について議論 EU やスイスでは 固有の地理的表示保護制度を通じ 特定の地域でしか生産できない農産物に 地名 を冠することを認め 表示規制を行っている 米国等では商標制度を通じ 商品に関する地理的表示を保護 GI の保護物品の拡大 ワイン スピリッツについては 現行の協定でも消費者が誤解するかどうかにかかわらず 地名を使った以下のような表示を禁止 例 ) ボルドー風日本産ワイン スコッチ ウィスキー MADE in U.S.A. EU スイス 全産品の GI の表示について ワイン スピリッツと同じように強く保護してほしい 日本 韓国など中立 米国 豪州 カナダなど EU の GI と同じ名前の国産商品があるので現在のままが良い GI の多国間通報登録制度 ワインやスピリッツに関する通報制度の各国の義務やその規律について対立 ドーハ閣僚宣言において一括受諾の交渉事項として規定 EU スイス 登録されれば 各国の国内法において保護する義務 GIではないと主張する者が立証責任を負う 日本 米国 豪州など 登録された情報を各国での保護のために参考として活用 GIだと主張する者が立証責任を負うべき 16

環境物品の関税削減 撤廃 DDA において交渉が停滞する中 APEC では 2012 年に環境物品 54 品目の関税削減に合意 2014 年 7 月 推進国グループ ( 日米 EU を含む 14 ヵ国地域 ) は この合意をテコに プルリ ( 全加盟国ではなく有志国間 ) 交渉の開始を発表 交渉の枠組など詳細は決まっていないが 再生可能エネルギー関連製品など工業品を対象に関税撤廃を目指していくこととなる 先進国 ( 推進国 ) 再生可能エネルギー関連製品等の市場アクセスの拡大を期待 07 年に 153 品目のリストを提出 12 年 9 月 APEC 合意 APEC21 エコノミーは 15 年末までに実行関税率を 5% 以下とする APEC 環境物品リストに合意 APEC 環境物品は 太陽光パネル 風力発電用装置等 54 品目 ( 農林水産品は竹製品 1 品目 ) 14 年 7 月環境物品プルリ交渉開始 途上国 環境保護に用いられない製品にまで対象品目が拡大され 輸入が増加することを懸念 一部の途上国は 農産品 ( バイオエタノール原料 有機 ) を提案 14 の有志国 地域 ( 日 米 EU 加 豪 NZ スイス ノルウェー 中 韓 星 台湾 香港 コスタリカ ) は プルリ交渉の立上げを発表 APEC 合意を基に 対象品目拡大を含め 環境物品の関税撤廃を議論 ( 対象品目の選定方法 他国への参加呼びかけ 交渉期限など 交渉の具体的な進め方はジュネーブで議論中 ) 17

情報技術協定 (ITA: Information Technology Agreement) 拡大 ITA( 情報技術協定 ) は 1997 年に 29 ヵ国 地域により IT 製品の関税を 2000 年までに撤廃することを目的に発効 (WTO 全加盟国ではなく 複数国間 ( プルリ ) の協定 ) 現在は 日 米 EU 印 中を含む 78 カ国が参加 技術革新に伴い 協定の対象外の新製品 複合機能製品が登場していることを受けて 対象製品の拡大に向けた ITA 見直しを行うべく 2012 年 5 月以降実質的な交渉が開始 2013 年中の妥結を目指したが 中国の対応が不十分であることから 2013 年 11 月の会合で決裂し 再開の見込みは不明 現行 ITA 品目の例 拡大交渉において議論になりうる品目の例 半導体 PC 携帯電話デジタルカメラ ( 静止画用 ) プリンター FAX 等 対象品目拡大交渉 新型集積回路リチウムイオン電池医療機器 ( 電子内視鏡等 ) デジタルテレビカメラ等 ITA 参加国のうち 55 ヵ国 地域が ITA 対象品目に追加すべき品目の統合リストについて 約 260 品目の拡大対象品目候補の品目絞込みの議論を実施 ( 中国が約 150 のセンシティブ品目を登録するなど困難な議論 ) なお インドは自国の産業政策が未決定として 品目拡大の議論には参加しないなど 一部の新興国は消極的 18

バリ合意 : 農業 1 公的備蓄 途上国の食料安全保障を目的とした公的備蓄政策について 削減対象となる 貿易歪曲的な国内支持が約束水準を超えた場合であっても 農業協定不整合と して紛争解決手続きに訴えない例外的な暫定措置 対象施策対象品目透明性確保セーフガード適用期間作業計画 食料安全保障を目的とする公的備蓄政策 ( 行政価格での政府買入 ) 途上国の伝統的な主要食糧 ( 品目数は明記せず ) 通報等により情報提供することで透明性を確保 公的備蓄が貿易を歪曲せず 他国の食料安全保障に悪影響を与えないことを確保 今後の作業 恒久的措置が決定されるまでの暫定措置 2017 年の第 11 回閣僚会議 (MC11) までに 恒久的措置の採択を目指す 恒久的な解決策については農業委員会で作業計画を作成 緑の政策の 一般的な役務 の解釈に関する確認的な閣僚決定も採択 19

バリ合意 : 農業 2 関税割当運用 関税割当について 割当手続の透明性の向上等を通じて運用改善を図る措置 透明性の向上 割当手続に関する情報の早期公表 当該手続の迅速化等 消化率が低い品目について その要因を関心国と協議し 先着順等への割当方法の変更も含めて運用改善を行う ただし途上国には これらの運用改善を義務づけない特別の扱い (S&D) を適用 未消化メカニズム 今後の作業 4 年以内に S&D を含む全体のレビューを開始し 2019 年の MC12 で見直し MC12 で正式に延長等が決定されない場合にも あらかじめ留保した国 ( 米国等 5 ヶ国 ) 以外の国には引続き適用 20

バリ合意 : 農業 3 輸出競争 2013 年末までに全ての形態の輸出補助金を撤廃するとした 2005 年の香港閣僚 宣言を踏まえ 輸出補助金等の抑制を促進 輸出補助金等の抑制 以下の 3 点の確保のため最大限努力 1 全ての形態の輸出補助金の並行的撤廃及びこれと同等の効果を持つ輸出措置の規律強化を推進 2 輸出補助金の水準は 輸出補助金約束を相当程度下回るよう維持 3 輸出補助金と同等の輸出措置についても同様の水準を維持今後の作業 年に一度 農業委員会で進捗状況を検証 法的拘束力のない政治的宣言 透明性の向上 加盟国の権利義務や各協定の解釈に影響を与えないと明記 輸出補助金 輸出信用 食料援助 輸出国家貿易企業について 通報することで透明性をさらに向上させる ( 注 ) 輸出競争には 輸出補助金 輸出信用 食料援助 輸出国家貿易企業 が含まれる 21

バリ合意 : 貿易円滑化協定 WTO 設立以来初の多国間協定の合意として 貿易円滑化協定 に関する交渉を完結 一般理事会の下に貿易円滑化準備委員会を設置 ( 条文の法的レビューの実施 ) 2014 年 7 月までに一般理事会が同協定を採択 ( インド等一部の国の反対により 2014 年 9 月 22 日現在 採択に至っていない ) 2015 年 7 月まで各国による受託手続のために開放 目的 協定の内容 GATT5 条 ( 通過の自由 ) 8 条 ( 輸出入の手続 手数料 ) 10 条 ( 貿易規則の公表 ) の明確化 改善を行うことにより 税関手続の簡素化 迅速化 透明性及び公平性の向上を図る 第 1 部 ( 具体的な取決め ) 手続の公表 制度変更時の事前協議 事前教示 不服申立 手数料又は課徴金 貨物の引取と通関 国境官庁の協力 通過の自由 税関協力等第 2 部 ( 途上国の優遇措置 (S&D)) 各途上国が 実施能力に応じ 第 1 部の措置を以下に分類 各カテゴリーについて 途上国は協定発効前に LDC は協定発効後 1 年以内に提出 カテゴリー A: 協定発効と同時に実施 カテゴリー B: 実施のために 移行期間が必要 カテゴリー C: 実施のために 移行期間と技術支援が必要 22

バリ合意 : 開発と後発途上国 今次ラウンドは ドーハ開発アジェンダ として 開発がその中心的課題 WTO 各種協定の中には S&D( 開発途上国の優遇措置 ) が設けられており その実効性強化に向けた取組みに合意 LDC パッケージ 特恵原産地規則 サービス分野における優遇措置 ( ウェーバー ) の運用 綿花 無税無枠措置 S&D 実施状況の監視機関の設立 ( モニタリンク メカニス ム ) LDC 特恵の原産地ルールについて拘束力のないガイドライン ( 原産地を判定するための基準等について LDC を優遇する措置 ) に合意 MC8 で決定したウェーバーの今後の具体化のための手続きに合意 綿花に関する輸出補助金 市場アクセス 開発支援等について 引き続き議論を行うことに合意 MC10 までに LDC への 97% 以上の供与に努力することに合意 各協定の S&D 条項の実施状況をモニタリングする機関の立ち上げに合意 ( ただし 既存の貿易と開発委員会の専門会合で対応 ) S&D 実施状況に問題がある場合は その改善策の検討等を個別委員会に勧告 モニタリングメカニズムによる勧告は, 加盟国の権利義務に影響を与えるものではなく 個別委員会による最終決定を制限しない 23