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資料3-8 日本貿易振興機構提出資料

現状 課題 海外の消費者ニーズを踏まえ 更なる高付加価値化を実現すべく 日本産酒類のブランド力と品質を向上させます 国内外で高い評価を受けた 高付加価値な酒類が輸出される傾向にある 今までの傾向を踏まえ 日本産酒類の高付加価値化を進めるとともに 海外において製造されている酒類との差別化を図ることが課

イ果実果実 ( 濃縮果汁を除く 以下この項において同じ ) の名称を表示する なお 三種類以上の果実を使用した場合は 使用量が上位三位以下の果実の名称を その他果実 と表示することができる ロ濃縮果汁濃縮果汁を希釈したものは 濃縮還元 果汁 と 濃縮果汁を希釈していないものは 濃縮 果汁 と表示する

目次 1. 国内酒類業界の概況 3 (1) 事業環境 4 (2) 酒類別需要動向 5 (3) 供給動向 7 2. 法規制の動向 8 (1) 酒販規制の強化 9 (2) 段階的な酒税の税率改正 中長期的な業界環境の変化に対する見方 ( 弊行想定 ) 11 2

目次 Ⅰ 消費税軽減税率制度の概要 4 Ⅱ 軽減税率の対象品目 5 1 飲食料品の範囲等 5 ⑴ 飲食料品 5 ⑵ 飲食料品から除かれるもの ( 軽減税率の対象とならないもの ) 6 ⑶ 飲食料品を販売する際に使用される包装材料等 7 ⑷ 飲食料品の輸入取引 7 2 一体資産 8 ⑴ 一体資産 8

平成 30 年度税制改正等要望項目 要望 1 ワインの酒税増税時における中小 零細ワイナリーの救済策の充実強化 1 頁 ワインに係る酒税については 醸造酒類間 の税率格差是正という名目で平成 15 年 平成 18 年の増税に続き 平成 29 年度税制改正においても平成 32 年 平成 35 年に増税

1 関税法上の用語の定義 輸入 外国貨物を本邦に引き取ること輸出 内国貨物を外国に向けて送り出すこと 外国貨物 1 輸出の許可を受けた貨物 2 外国から本邦に到着した貨物 ( 外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む ) で輸入が許可される前のもの内国貨物 1 本邦にある貨物で外国貨物でないもの

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は 輸出額が過去最高 数量 金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり 輸出額が過去最高を記録しました 沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています 国別金額シェア

GST とは Goods and Service Tax ( 物品 サービス税 ) の略 物品とサービスの供給に課税される国税 地方税を統合した付加価値税 間接税 2017 年 7 月 1 日より施行 ジャンムー カシミール州を除くインド全州で適用 統一税率を適用 税率は 5%,12%.18%.28


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ぶり ( 冷凍したフィレ ) の輸出 2011 年は 数量 価額ともに過去最高 平成 24 年 11 月 21 日 門司税関 はじめに ぶり は 刺身 寿司 照り焼きなど日本の食卓には欠かせない食材の一つですが 近年 その ぶり ( 冷凍したフィレ ) の輸出が増加しています 2011 年全国税関別

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産業共同研究センターによせて

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第1章

目次 第 1 輸入申請手続 1 1 申請に必要な書類 2 酒類の成分等の分析事項 3 申請手続を通じて要する経費 時間 提出機関第 2 販売に関する規制 5 1 免許の種類及び取得方法 2 酒類の販売に必要な規制機関への登録等 3 業務形態 用語の定義 4 免許取得のための基本要件 / 前提条件 5

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

1 酒類業を取り巻く環境 (1) 国内市場環境国内の市場環境は 平成 2 年に1 億 2,88 万人であった人口が減少過程に入っており その構成においても 成人人口に占める6 歳以上の割合が 平成元年度の23.2% から平成 28 年度には4.7% へ増加するなど 人口減少社会の到来 高齢化が進展し

ニュースリリース

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Opportunities for SME and new business in Australia

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< 目次 > 概要 1 1. 香港 2. 台湾 3. 韓国 4. 中国 5. シンガポール 6. マレーシア 7. ブルネイ 8. インドネシア 9. タイ 10. ベトナム ミャンマー 12. フィリピン 13. インド 14. 中

平成25年度戦略的輸出マーケティング調査 シンガポール現地調査報告


1. 調 査 の 目 的 一 般 社 団 法 人 全 日 本 コメ コメ 関 連 食 品 輸 出 促 進 協 議 会 ( 以 降 全 米 輸 )は これまで 世 界 各 国 へコメ コメ 加 工 品 の 輸 出 に 対 する 各 種 の 取 り 組 み(ジャパンブランドの 確 立 )を 行 い 具

酒のしおり

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目次 1. はじめに 2. 原産地基準 3. 原産地証明制度 4. 税関での手続き 本パンフレットは 税関での適正な手続きを行っていただくために 原産地規則についての基礎的な理解を深めていただくことを目的として作成したものです 理解しやすさの観点から 法令の用語と異なる用語を使用した部分 全てのEP

消費税 : 課税の適正化について 1 ( これまでの取組み等 ) 1. 総論 社会保障 税一体改革成案 ( 平成 23 年 6 月 30 日政府 与党社会保障改革検討本部決定 ) においては 消費税制度の信頼性を確保するための一層の課税の適正化を行う こととされている ( 参考 ) 平成 23 年度

合理性今要有望効に性関連する事項相当性回の政策体系における政策目的の位置付け 政策の達成目標租税特別措置の適用又は延長期間同上の期間中の達成目標 政策目標の達成状況 政策目標 23 酒類業の健全な発達の促進 酒類業の経営基盤の安定 5 年間の延長 ( 平成 35 年 3 月 31 日まで ) 酒類業

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( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役

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検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

( 選定提案 ) は 利用者に貸与しようと福祉用具の種目の候補が決まった後で 具体的な提案品目 ( 商品名 ) を検討する際に用いる つまり ( 選定提案 ) に記載されるのは 候補となる福祉用具を利用者に対して提案 説明を行う内容である 平成 30 年度の制度改正では 提案する種目 ( 付属品含む

(2) 酒税法第 28 条の3( 未納税引取 ) の規定を適用するために必要な酒税法上の手続 (10 点 ) 1 原則手続 ( 法 28の326) 税関長は 未納税引取の承認を与える場合には その承認の申請者に対し 相当の期限を指定して その酒類が所定の引取場所に引き取られたことについてのその場所の

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訪日外国人消費動向調査1

の差については確認できないが 一般的に定温で流通している弁当の管理方法等についてアンケートにより調査した その結果 大部分の事業者が管理温度の設定理由として JAS 規格と同様に食味等の品質の低下及び微生物の繁殖を抑えることを挙げ 許容差は JAS 規格と同様に ±2 としていた また 温度の測定方

商品特性と取引条件 商品名 (1) 展示会 商談会シート 記入日 : 最もおいしい時期 (2) 賞味期限 消費期限 (3) 主原料産地 ( 漁獲場所等 )(4) JAN コード (5) 内容量 (6) 希望小売価格 ( 税込 )(7) 1ケースあたり入数 (8) 保存温度帯 (9) 発注リードタイム

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1 海外原料の酒が増える? TPP に参加することで農産物の関税が撤廃された場合 日本の酒類 特に清酒は原料となる米の調達先の変化という形で直接的な影響が考えられます 図表 1に示したとおり米 大麦 小麦などには高率の関税がかかっています ビールや麦焼酎で使う大麦や麦芽は 関税割当制度や SBS 制

主な国 地域別内訳 ( 単位 : 億円 ) 国 地域名 平成 27 年 平成 28 年 増減額 増減率 世界 7,451 7, % 香港 1,794 1

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平成 25 年度農林水産省委託業務報告書 平成 25 年度 水資源循環の見える化 調査 検討事業 報告書 平成 26 年 3 月 みずほ情報総研株式会社

法関係法人税法関係 zeimu QA テーマ分類別索引 法人税

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障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

1 酒税法改正関係 ⑴ 酒類の品目等の定義の改正酒類の品目等の定義の主な改正内容は 次のとおりです イ平成 29 年 4 月 1 日から改正されるもの改正の概要 旧酒税法 新酒税法 改正内容 連続式蒸留しようちゆう 連続式蒸留焼酎 名称を変更 ( 常用漢字化 ) 単式蒸留しようちゆう 単式蒸留焼酎

1 海外における日本酒のニーズについて 平成 31 年 1 月 10 日 株式会社小堀酒造店 代表取締役社長吉田守

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2 財政健全化目標との関係や平成 30 年度の 経済 財政再生計画 の中間評価を踏まえつつ 消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革等の歳入及び歳出の在り方について検討を加え 必要な措置を講ずる (3) 対象品目及び適用税率軽減税率の対象品目は 1 酒類及び外食を除く飲食料品 2 定期購読契

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

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がある 3 改正の必要性ア. あるべき姿と現状のギャップ我が国皮革製品産業は 高付加価値化やコスト削減などの構造改善を進めることにより 欧州から輸入される高価格の製品と 主にアジア諸国から輸入される低価格製品に対抗できる競争力の確保を図る必要がある しかしながら 近年 アジア諸国においては欧州及び米

平成22年度         タイトル

2014年9月1日更新 増値税・その他輸入関連税の更新内容について

税関発給コードとは 税関発給コードには 上記の 税関輸出入者コード の他 貨物の仕出人又は仕向人を識別するための 仕出人 仕向人コード があり 以下のような 12 桁の体系になっています コードの体系 桁目 : 識別符号税関輸出入者コード= 数字 仕

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

ビール系飲料の輸入

2. 個別対応方式 一括比例配分方式 のどちらを採用するか検討する際のポイントを押さえましょう 課税売上高が 5 億円を超える事業者は 1 納税額 2 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を考慮して どちらを採用するか検討します 個別対応方式 1 納税額 : 2 実務への影響度合 : 一括比例配分方

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食品表示法における酒類の表示の Q&A 目次 総則 ( 問 1) ( 問 2) ( 問 3) ( 問 4) ( 問 5) ( 問 6) ( 問 7) どのような食品が食品表示基準の適用を受けますか 食品表示基準では 加工食品は一般用加工食品と業務用加工食品に区分されますが それぞれどのような酒類が該

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

HACCP 導入率 ( 参考 ) 平成 27 年度 29% ( コーデックス原則のみ ) 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 30% 40% 50% 60% 80% 推進に当たっては 以下を 中間アウトカム目標 として取り組んでいく 1 平成 31 年度までに業界団体による手

2012 年 6 月 25 日日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 須藤徳之 ジェトロの日本酒 焼酎輸出事業 1. ジェトロの日本酒 焼酎の輸出支援事業ジェトロは 農林水産物 食品業界等海外販路開拓支援事業 ( 注参照 ) において 日本酒造組合中央会の応募を受け 日本酒 焼酎の輸出支援事業を実施して

チャイナアラート(中国速報)- 第6回, 2012年4月-増値税ゼロ税率課税役務の税金免除、控除及び還付の管理弁法の公布について

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

はじめに 令和元 (2019) 年 10 月 1 日から消費税率が10% に引き上げられることに合わせて 食品と新聞に対して8% の軽減税率が導入されます そのため 消費税率は8% と10% の複数税率になります 食品や新聞を取り扱っている事業者は 軽減税率や複数税率への対応が必要となりますが 売上

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p56-57 (県民税利子割・配当割・株式等譲渡所得割)

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

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公益法人の寄附金税制について

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トマトの輸入 2011 年門司税関は数量 価額とも全国シェア第 1 位 平成 24 年 6 月 20 日 門司税関 はじめに FAO( 国連食糧農業機関 ) の統計データによると 世界のトマト生産量 (2010 年 ) は 約 146 百万トンで 野菜の生産量の中では常にトップクラスを維持しています

平成 30 年 12 月 19 日特集東京税関 2012 年から輸出金額 数量ともに増加中! 2017 年の輸出金額は 2012 年の 2 倍以上に増加! 2017 年の輸出金額 数量ともに東京税関管内が全国税関で 1 位 はじめに クリスマスパーティーや年末年始 みなさんお菓子を食べる機会がこれか

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社会通信教育に関する実態調査 報告書

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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第 3 章内部統制報告制度 第 3 節 全社的な決算 財務報告プロセスの評価について 1 総論 ⑴ 決算 財務報告プロセスとは決算 財務報告プロセスは 実務上の取扱いにおいて 以下のように定義づけされています 決算 財務報告プロセスは 主として経理部門が担当する月次の合計残高試算表の作成 個別財務諸

管内中堅 中小企業のアジア地域等への進出ニーズ 地域特性及び特徴的な取組み並びに地域金融機関の支援体制 対応状況 1. 進出ニーズ等 当局管内 ( 沖縄県 ) においては 製造業が少ない産業構造であることや企業規模も中小 零細企業が太宗を占めていること等から 海外進出ニーズの形態については 輸出や販

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このような IUU 漁業の現状があります 本レポートは IUU 漁業の日本における リスクを把握するために 行った分析研究です 調査の背景 1974年から2013年までの水産資源 の状態を比べてみると 健全な資源 状態の水産資源が占める比率が確実 IUU漁業の現状 100 政府 NGO 漁業産業は

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韓国における清酒 ( 日本酒 ) 市場の動向と輸出環境について 調査研究事業報告書 概要版 2016 年 3 月 一般社団法人全日本コメ コメ関連食品輸出促進協議会

1. 調査の目的 一般社団法人全日本コメ コメ関連食品輸出促進協議会 ( 以降 全米輸 ) は これまで世界各国へコメ コメ加工品の輸出に対する各種の取り組み ( ジャパンブランドの確立 ) を行い 具体的な成果を得ている 平成 27 年度は 韓国 ( ソウル ) の清酒 ( 日本酒 ) 市場の環境と輸出に直結した調査研究を実施する 2. 調査研究の方法 内容 調査方法は 国内の資料を基本に 海外の調査ネットワークによる現地調査員による現地取材を行う 国内から韓国に向けて輸出される清酒 ( 日本酒 ) の価格に関する現状を分析し 報告書の作成を行う 特に 韓国国内における 取引の現状把握を行う 3. 実施内容 1) 調査の種類韓国及び国内文献調査及び国内外インタビュー調査 2) ヒアリング先 / 情報入手先 国内 財務省 国税庁 外務省 農林水産省 日本貿易振興機構 国際生命科学研究機構 韓国観光公社 日本醸造協会 みずほ情報総研 日刊経済通信社 博報堂 国外 ( 韓国政府 ) 統計局 税関 規格財務省 法制処 ( その他組織 ) 世界保健機機関 (WHO) 流通関係者 3) 調査対象者上記国内対象者及び対象国となる韓国国内の流通関係者 4) 調査方法 国内で入手可能な公的資料 入手可能な情報による分析研究 を基本に 補完すべき事項が必要な場合には 調査ネットワークにより海外関係先への各種ヒアリングによって実態を把握する 販売形態や流通価格調査については 現地の情報を収集する 明らかになりにくい各流通段階調査における価格 流通マージン リベート等についても可能な範囲において調査 ( 推計 ) する 5) 調査分析期間平成 27 年 8 月 1 日 ~ 平成 28 年 2 月 29 日

6) 調査時に検討する主要な内容 主要項目内容入手 / ヒアリング 1. 韓国の清酒 ( 日本酒 ) 市場についての情報 1) 韓国における清酒 ( 日本酒 ) のカテゴリ 2) 韓国内の酒類市場の把握 3) 韓国内における清酒 ( 日本酒 ) 輸出量 消費量 2. 韓国内の流通経路について 1) 流通チャネル 2) 流通諸費用の試算 3. 関税 租税等 1) 通関時に掛かる各種租税 2) 流通時に掛かる各種租税 3) 適用される酒税等 4. 検疫について 1) 清酒 ( 日本酒 ) に関わる 検疫に関する規制内容 2) 福島第一原発事故にかかる輸入規制措置 5. 枠規制 法規制について 1) ラベル表示 容器に関する規制 2) テロ対策等に関する規制 2) アルコール販売ライセンスについて 6. その他商慣習 1) 流通マージン等の商慣習 7. 輸出業者の留意点 1) 市場開拓時の課題 8. まとめ 1) 調査研究で得られた課題の集約 調査研究事業の主要項目は 調査実施に統合した報告や付帯項目を追加するものとする また 対象国内で入手した資料については 翻訳を行い 報告内容に反映させる 7) 分析方法 分析は 文献査読とインタビュー調査とし (6) の内容と目的に沿った回答の割合から 実施内容の傾向や回答を報告書へ反映させる 4. 調査結果の活用方法 調査報告内容は 全米輸の国内調整活動である定例会で共有 各会員の今後の活動や全米輸の活 動 ジャパンブランド確立の翌年度実施のための参考資料として活用するものとする 5. 事業メニューの実施体制 韓国 ( ソウル ) を対象地域に調査研究を実施する 対象都市における清酒 ( 日本酒 ) の流通に対して 取引価格を中心とした流通実態についての調査報告を行う ただし 市域全体の調査を実施するのではなく 主要ルートに限定する 注 報告書における通貨単位の記載方法 ( はじめに ) 通貨の交換レートを説明しているものでは 米ドル / 円ともに 通貨単位を前表記とした 一方 流通段階では 通貨単位を数字の後表記とした 1. 品目の定義について

韓国における清酒 ( 日本酒 ) の HS コードについて HS コードとは 国際貿易商品の名称及び分類を世界的に統一する目的のために作られたコード番号であり 貨物を輸出入する際の品目分類に用いる輸出入統計品目番号のことである 輸出入統計品目番号は 輸出入されるあらゆる品目を 9 桁又は 10 桁の数字で表記する 最初の 6 桁は世界共通の番号であるが その後の 3 桁 ( または 4 桁 ) は 各国の事情に合わせて品目をさらに細分化するために使用されるため 各国ごとに番号が異なっている HS コードが税関への告知書に記載されることによって 日本からの輸出 および輸出先での輸入通関の際 税関職員がそのコードをもとに 該当する品目の種類と関税等の税率を容易に調べることができるため 通関手続の時間短縮に貢献する 重要な番号となっている 韓国における 清酒 ( 日本酒 ) を示す HS コードは [2206.00.2010] である HSコード内容 2206.00.20 Fermented beverages prepared from Cereals 穀物を発酵させてつくる飲料 2206.00.2010 Cheongju 清酒 ( 日本酒 ) 2206.00.2020 Yakjyu 薬酒 2206.00.2030 Takjyu 濁酒 ( マッコリ ) 2206.00.2090 Others 2203.00.0000 Beer ビール 2208.90.4000 Soju 焼酎 2. 地理的表示の開始に伴う 本報告書での 日本酒 表記について 2015 年 6 月 国税庁は 2015 年秋に酒類業組合法に基づく表示基準を改正し 地名を商品名に付した 地理的表示 の対象に日本酒を指定する方針であることを公表した このため 本報告書の作成にあたっては この方針に沿う形で 特に日本産の清酒を指す場合にのみ 日本酒 と表記し 韓国現地生産の清酒 および現地における清酒市場を指す場合は 清酒 または サケ と区別して表記した また それ以外での表記については 清酒 ( 日本酒 ) の表記で統一している

韓国国内の清酒 ( 日本酒 ) 市場と酒税を中心にした現地市場の実態

1. 韓国国内の清酒 ( 日本酒 ) 関連資料および現地調査から 日本酒輸出拡大を検証 韓国は 清酒 ( 日本酒 ) の輸出市場としては 3 番目に大きなマーケットであり 既に一定の市場を確保している状況である しかしながら 関税およびその他の税金の負担 流通における数多くの厳しい規制などから 韓国における清酒 ( 日本酒 ) の価格は 日本の小売価格の 3~5 倍にもならざるをえず 現在韓国国内で消費されている清酒 ( 日本酒 ) の多くは 安価なものとなっている 従来からあった日本食レストランに加え 近年ではラーメン店やうどん店 居酒屋などの日本の外食企業が進出し 特に日本式の居酒屋は若者を中心に人気を集めている 外で酒を飲むという文化が根付いている韓国においては アルコール飲料の多くは飲食店で消費されており 比較的価格の安い清酒 ( 日本酒 ) もこのような日本式の居酒屋が最大の消費場所となっている 日本人が多く居住するエリアに店を構える日本食スーパーにおいては 日本人が調理に用いる安価な製品がメインとして販売されている ロッテデパートなどでは高価な清酒が数多く陳列されているが それらは日常的な消費というよりもアニバーサリーや贈答品として購入されることがメインとなっている 酒類の流通や運送に関わる規制が数多く存在し また 卸売業者には新設が認められていないことから 限られた業者が数多くのブランドを扱うこととなっており 清酒 ( 日本酒 ) のブランドが直接 PR に携わることや ブランド間の差別化が難しいといった問題も存在する また韓国にはアルコールをメインに扱うリキュールショップをほとんど見ることがなく 清酒の P R の場をなかなか設けにくく 日本酒を PR できる人材もいないのが現状であるため 居酒屋だけでなく ハイグレードな和洋食店を巻き込んだ PR が展開できれば 日本酒の価値感も啓蒙され市場の拡大も可能であると思われる 2. 租税関係韓国で清酒 ( 日本酒 ) を輸入 販売する際に課税される税は 以下の 4 種類に分類される 図表 1 酒の種類別酒税率 (1) 国税 1 酒税 2 教育税 3 付加価値税 (2) 関税 輸入関税 (1) 国税 1 酒税酒類の販売 ( 卸売 輸入 ) の際に メーカーまたは輸入業者に対して課税される 酒の種類ごとに税率が定められている 清酒 ( 日本酒 ) の場合 税額は (CIF 価格 + 関税額 ) 30% である 酒のタイプ 税率

表 2 酒の種 清酒 30% 類別酒税率 図 ビール 72% ワイン ( 果実酒 ) 30% 蒸留酒 72% 酒税法 (2013 年 7 月施行 ) 第 22 条 2 教育税金融業者 家電製品 自動車 高級カバンなどいわゆるぜいたく品に課される個別消費税の課税業者 酒税の課税業者などに対して課される税金 税率は 酒税の税率が 70% を超えるものには酒税額の 30% 70% 以下のものには 10% が賦課される 清酒は酒税率 30% であるため 教育税額は酒税額の 10% となる 3 付加価値税商品の取引またはサービスの提供における過程で生じる付加価値 ( 利潤 ) に対して課税される税金 生活必需品 未加工の食料品 医療保険サービス 教育サービスなど一部免税対象以外は 税率は一律 10% となっている 各取引の段階で生じた付加価値に対して課税する 多段階課税方式が採用されており 事業者が納付する付加価値税額は 売上税額から仕入税額を差し引いて計算される (2) 関税 韓国国内で清酒 ( 日本酒 ) を示す HS コード [2206.00.20.10](Cheongju) に適用される関税率は CIF 価格の 15% である 3. 価格形成から見た 韓国への日本酒輸出拡大の可能性を考察 韓国においては 清酒 ( 日本酒 ) には関税以外に酒税 教育税 付加価値税が賦課され また流通段階で数多くの規制が存在することから 清酒 ( 日本酒 ) の価格は 日本の小売価格の 3~5 倍にもなる 税金や基本的な流通コストは 日本側の努力ではいかんともしがたい面はあるものの 一方で韓国産の清酒や安価な清酒 ( 日本酒 ) はすでに広く受け入れられており また 若者を中心として日本食に対する人気も高いことから 価格が髙くてもその分の付加価値を訴えていくことができれば 市場の拡大の可能性はあると考えられる < 流通ルートの簡素化 > 韓国に渡ってからの流通コストがかさむため 出荷価格を日本国内の卸売価格と同様に設定すると 韓国での販売価格は非常に高いものとなってしまう そのため 日本から輸出をする際に 卸売業者を通さずに貿易代行業者を介して直接輸出をすれば その分のコストを削減することができ 出荷価格の見直しも可能となる また 韓国内での輸入 卸売 小売には それぞれ個別の免許が必要とされるが 小売店が別法人を設立して酒類輸入業の免許を取得すれば 直接輸入し販売することも可能である 流通ルートの簡素化がはかれるような業者の選定も視野にいえるべきといえよう

< 飲食店でのセールスサポート > 清酒 ( 日本酒 ) が最も消費されているのは 日本式の居酒屋である しかし 日本から輸入される清酒 ( 日本酒 ) は価格が高いため そこで飲まれているのは安価な 900ml の紙パック入りのものが一般的である 高価格は税金や流通にかかわる規制によるもので避けがたいところではあるが 安い清酒 ( 日本酒 ) をたくさん飲んでもらうだけではなく 付加価値の高い清酒 ( 日本酒 ) を知らしめ 経験をしてもらい認知度を高め 消費を喚起する などといった取り組みも必要になってくるであろう < 業界をあげてのプロモーション > 韓国の消費者は 一般的には保守的で昔ながらの定番商品を選ぶ傾向があり 新しい商品 珍しい商品に対しては十分なプロモーションが必要であるとみなされている しかし 酒類に関しては 酒を飲む機会が多いため 酒の酒類に関心が高く 品質に敏感で 飲んだことがない酒を探して楽しむ人が多い 新しいワインを飲むことを躊躇することがない ワインに絡んだストーリーが好きである などと見ている欧米の酒類メーカーやワイナリー関係者もいる ワインは 一部の愛好家が楽しむものから一般の人々へと普及してきており 純米酒や吟醸酒などの付加価値の高い清酒 ( 日本酒 ) に関しても 同様に広めていくことは十分可能と考えられる 酒造メーカーや地方の蔵元合同でのプロモーション活動なども既に数多く行われてはいるが より幅広い層に高級清酒 ( 日本酒 ) を認知してもらい その裏にある数々のストーリーを伝えていくような取り組みも肝要であろう