平成 25 年度第 2 回化学物質に関する調査検討会会議録 1 ダイオキシン類環境調査について資料 1 平成 25 年度ダイオキシン類環境調査結果 ( 速報 ) について 及び資料 2 平成 26 年度ダイオキシン類環境調査計画 ( 案 ) について に基づき 事務局から説明 主な質疑 委員 油ヶ淵でダイオキシン類が高くなっていることについて PCP( ペンタクロロフェノール ) などの農薬に由来するとのことだが PCPはいつ頃まで使われていたのか 今後 類似の問題が起きた際に 参考になると思われる 委員 追加で 資料 1の17ページにPCPの実測濃度と毒性等量のグラフがあり このキャプションに PCP 1967 年 1970 年 1971 年 年代不明 とあるが これの意味は 事務局 PCPがいつまで使用されていたかは 資料を確認します 委員 水田の土壌に現在も蓄積していると思われるが 水田土壌にどれくらい化学物質が含まれているかのデータはあるか 事務局 最近ではないが 国において平成 14 年度のデータがあり 異性体のパターンを見ると 今回の資料にあるようなOCDD( オクタクロロジベンゾパラジオキシン ) が高いパターンが見受けられ 農用地の土壌に含まれることが分かっている 数値については 最大で 200 pg-teq/g くらい もう一つの質問のグラフのキャプションについて 元の論文はPCP 製剤そのものを分析しており 年代によってPCP 製剤に含まれる不純物 (=ダイオキシン) の組成が異なることを示しているものである 委員 グラフにCNP( クロルニトロフェン ) は1989 年まであるが PCPは197 1 年までしかない この辺りで製造中止になったのではないか 委員 今はOCDDを含んでいる農薬はまったく無いのか 事務局 化学反応によってダイオキシン類が生成してしまうことが分かってきた時点で ダイオキシン類を含有しない農薬が作られるようになったと思われる 委員 排ガスではOCDDはほとんど出ないのか 1
事務局 ほとんど出ていない 委員 大気の調査結果では 環境基準に比べはるかに小さい値となっている 秋や冬が他の季節に比べ相対的に高いが これは気温等の条件によって大気中で粒子化しやすいために値が高くなるのか 事務局 粒子状になりやすいかは不明だが 冬場は大気安定度が高いため 値が若干高いのではないか ただ 以前に比べれば 現在は排出ガスが処理されており 低いレベルで季節的な変動を追うのは難しい 委員 資料 1の2ページ表 1の値と6ページの地図を見比べると 局所的に値が高い傾向が見られる 濃度は低いが地域特性があるのではないか 事務局 昨年 8 月の検討会で 平成 11 年から15 年度のものと その後の比較を簡単にまとめた資料を作成している 事務局 先ほどのPCPとCNPの製造 販売中止のご質問について PCPは昭和 61 年に CNPは平成 6 年に製造 販売が中止となっている 委員 油ヶ淵の水質について 毎年ダイオキシン類が超過しているが 油ヶ淵で魚類や水生生物の調査を行わない理由は 事務局 油ヶ淵の水質は超過しているが 底質は環境基準を満たしており そこまで高い値ではない 海域は以前から調査しているが その理由は 平成 2 年の国の調査において 名古屋港のボラから高い値が検出されたためである 委員 海域は海水に希釈されると思うが 湖沼は溜まりやすいので 魚だけではなく鳥などの生態系を壊しているのではないかと想像できる 委員 先ほど PCPの製造 販売中止が昭和 61 年と報告があり 従って使用されなくなってから30 年近く経過していることになるが 簡単な化学物質であれば土壌微生物に分解されるものだが ダイオキシン類は未だに土壌に吸着して残っている 2
2 内分泌かく乱化学物質等環境調査について資料 3 平成 25 年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果 ( 速報 ) について 及び資料 4 平成 26 年度内分泌かく乱化学物質等環境調査計画 ( 案 ) について に基づき 事務局から説明 主な質疑 委員 資料 3の別添を見ると 水質で生態リスク予測無影響濃度を超過したのはノニルフェノール フェニトロチオン ダイアジノンの3 物質である 特にフェニトロチオンは日光川と新川の検出値が0.0066 µg/lと0.0064 µg/lであるが 生態リスク予測無影響濃度は0.00021 µg/lと一桁小さい しかも 全国調査結果の最大値の0.0048 µg/l をも上回っているが この結果についてどのように分析しているのか 事務局 生態リスク予測無影響濃度を超過しているが これは水生生物の保全に係る環境基準とは異なり 直ちに水生生物に影響があるというものではない また生態リスク予測無影響濃度は実験をしたデータに100や1,000の安全係数で割った値であるため 一概にこの値を超えたからどうか ということは考えていない また 全国調査結果もかなり件数が少ないデータであり 全国の状況を全て表しているとはいえない 委員 日光川には漁業権はあるのか 事務局 支流には漁業権がある 委員 こういったデータは漁業権を持って川で生活している人が心配していると思うので 当該部署の担当に相談するなり 情報の共有を図ってはどうか 事務局 調査結果は全てWebページで公開しており 関係部局や一般の方に周知している なお フェニトロチオンの日光川と新川の検出値が全国調査結果の最大値より大きいことについては 全国の調査が6 地点でのみ行われていたものであり 広い範囲のデータではないが 本県の値については継続して調査を行っていきたい 委員 フェニトロチオンは農薬起源のものか 現在も使用されているのか 事務局 殺虫剤の有効成分として農薬に含まれ 現在も使用されている フェニトロチオンについては 内分泌かく乱化学物質として環境省で調査され かなり低いレベルの値で検討されているが 規制の面からいえば 環境基準に準じた指標である要監視項目の指針値が3 µg/lと検出値に比べ非常に高い値となっている 3
委員 指針値の3 µg/lに比べ 生態リスク予測無影響濃度が0.00021 µg/lと非常に低く 乖離がありすぎると思うが これはどうやって求めているのか 事務局 生態リスク予測無影響濃度は藻類や甲殻類 魚類を用いた実験で影響があるかを調べた濃度を 100や1,000といったアセスメント係数で割ったさらに低い値であり 一方 指針値は人への影響ということで 生物に対する影響とは指標が異なるものである 4
3 その他資料 5 エコチル調査について 及び資料 6 日本人における化学物質のばく露量について- 化学物質の人へのばく露量モニタリング調査 (2011~)-( 抜粋 ) に基づき 事務局から説明 主な質疑 委員 エコチル調査について 大変大事な調査で良いと思う 資料 5の1ページで尿道下裂や二分脊椎症の話が出ているが この一番大きな原因は妊婦の葉酸の摂取不足ということで確立していることから 鉄剤に葉酸を入れるように製薬会社が運動しているところである もう一つ 福島原発以降 放射線の食品への影響を母親は非常に心配しているので 海域における魚が何ベクレルであるか測定するなど 一定のフォローも必要ではないか 事務局 放射性物質については 愛知県も国からの委託を受けて魚介類の調査を実施しており 原発の前と後で数値は変わっていない また 海水の調査も行っており 海水からは検出されていないので 福島県とは状況が違うと考えている 委員 ばく露量モニタリング調査について ダイオキシン類の耐容一日摂取量 (TDI) は法律上は4 pgとなっているが これは暫定値であり WHOは将来的には1 pgにしたいとなっていたが そろそろ改正できるのではないかと考える 事務局 国は法律を作る前からダイオキシン類の削減計画を示しているが 昨年の段階では目標値を下回ったことから現状維持としている ただ 法律がどう変わっていくかの動きは把握していない 委員 資料 6の14ページで魚介類の値が半分くらいになっているが 議題 (1) で示された愛知県の環境調査における魚類のダイオキシン類環境調査の結果と一致しているのか 事務局 魚類のデータの経年変化は今回の資料で示していないので 次回ご説明させていただく 5