第 4 回 < 図表 1> 大学選びにおいて現在重視している情報 今後重要になる情報 入試科目 入試難易度アドミッション ポリシー 3 つのポリシー学費 経済的支援 大学の 在地 大学の 度 校 学生の 学 学科 研究内容 大学の教育内容 卒業後の進路 できる 一方で 学費 経済的支援 については

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習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

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1 9: P.5 P.5,10 P.6 P.7-8 P.10 P.10 P.10 P.3 P.10 P.11 P.11 P.11

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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34 県立鶴岡工業高等学校 ( 全日制 ) 工業科 ( 機械科 電気電子科 情報通信科 建築科 環境化学科 ) ものづくりに興味や関心があり 将来は工業に関する知識や技術を活かした分野で活躍することを強く望む者 評定合計が 27 以上の者 志望動機が明確であり 志望学科に関する学習やものづくりに強い

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34 県立鶴岡工業高等学校 ( 全日制 ) 工業科 ( 機械科 電気電子科 情報通信科 建築科 環境化学科 ) 次のいずれかに該当する者 1 文化的活動や体育的活動において地区大会を経て 県大会に出場した者 2 部長 副部長 選抜選手として活動した者で 部活動 研究活動で活躍することを強く望む者 3

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派遣社員の評価に関する 派遣先担当者調査結果

Transcription:

第 4 回 高校教員の声 - ひらく日本の大学 2016 年度調査より - このコーナーでは 大学教育や高校教育 そして大学入学者選抜が変わっていく中で 高校生の進路選択と 高校での進路指導はどのように変わっていくのか 考えていく 今回は 2016 年度 ひらく日本の大学 高校版 の結果から 高校の先生方の意見について紹介する 調査結果を見ると 今後は大学選びにおいて入試難易度や入試科目の重要度が下がる一方で 大学の掲げる3つのポリシーや教育内容などをより重要になると考える先生が多いようだ しかし 大学選びが変化するかどうかは見方が二分される 社会の変化や高大接続改革が進むことによって大学選びも変わっていくと感じる先生がいる一方 それらの影響は大きくない 地域の特性や経済的事情があり変わらない 元々そのような進路指導をしているなど 今後の変化をあまり感じない先生もいる 社会の変化は予測が難しい 高大接続改革の方向性が具体的に見えていないなどの理由から わからないと感じる先生も少なくない さらに 調査にご協力いただいた先生に 進路指導や授業において 現在重視していること これから必要となることなどについてインタビューした ひらく日本の大学 から見る 今後の大学選びの変化 河合塾教育イノベーション本部は 朝日新聞社と共同で ひらく日本の大学 調査を実施している 2016 年度は高校を対象としたアンケートを実施し 高大接続改革への意見 ( 大学入学希望者学力評価テスト 高等学校基礎学力テスト 多面的 総合的な評価 高校での課題研究や探究活動を評価すること等 ) とともに これからの大学選びについてうかがった ここでは 統計データと自由記述の内容から 高校の先生方の意見について紹介する なお ひらく日本の大学 の概要については特集 1 (2ページから) をご参照いただきたい 入試情報などの 入口 や大学の知名度から大学の 内容 をより重視した大学選びへまず 大学選びにおいて重視している情報 今後重要になる情報について 当てはまるものを3つまで選択してもらった< 図表 1> これを見ると 入試難易度 (68% 32%) 入試科 目 (36% 18%) 大学の知名度 評判 (20% 9%) などの項目が それぞれ半減している 一方で 大学の教育内容 (35% 58%) 研究内容 (14% 32%) アドミッション ポリシー 3つのポリシー (10% 44%) などは大きく割合を伸ばしている 多くの先生方は 大学入試の難易度や入試科目といった 入口 や大学の知名度などを重視した大学選びから 大学の 内容 をより重視した大学選びに変わっていくと考えているようだ 現在重視している または今後重視する情報について ( 注は 国公立大学への現役の進学者率 ) ( 以下 進学率 ) によって 傾向の異なる項目がある< 図表 2 3> 進学率ごとに 今後重要になる と回答した割合を見ると アドミッション ポリシー 3つのポリシー については ( 進学率 1% 未満 1% 以上 5% 未満 5% 以上 20% 未満 20% 以上 ) でそれぞれ (36% 43% 46% 53%) 研究内容 は (23% 27% 36% 44%) と 進学率が高いほど 重要になると回答した ( 注 )2016 年 3 月の卒業者数と 4 年制 6 年制の国公立大学への進学者数を記入いただき 国公立大学進学率を算出した なお 卒業者数または進学者数が未記入の場合は算出していない そのため 各進学率の回答数の合計と 全体の数は一致しない 82 Kawaijuku Guideline 2016.11

第 4 回 < 図表 1> 大学選びにおいて現在重視している情報 今後重要になる情報 入試科目 入試難易度アドミッション ポリシー 3 つのポリシー学費 経済的支援 大学の 在地 大学の 度 校 学生の 学 学科 研究内容 大学の教育内容 卒業後の進路 できる 一方で 学費 経済的支援 については ( 進 学率 1% 未満 1% 以上 5% 未満 5% 以上 20% 未満 20% 以上 ) でそれぞれ (27% 20% 14% 9%) 卒業後の進路 は (53% 45% 40% 28%) と 国公立大学進学率が低いほど 重要に なると回答した 10% 18% 15% 18% 12% 5% 20% 9% 6% 6% 7% 8% 14% なお 学校の設置者 ( 国立 公立 私立 ) 地区 による有意な差は見られなかった 大学選び 進路選びの変化を感じる高校と 感じない高校に見解が二分される 次に 生徒の大学選びや進路選びは今後どのよ うに変化するか聞いた < 図表 4> 回答の割合を見ると かなり変化する 変化 する の合計が 45% あまり変化しない 変化 しない の合計が 45% と 高校の先生方の見解は 二分されている また わからない と未回答を 合わせて 10% となった 24% 32% 36% 35% 32% 35% 44% 39% 42% 58% 68% 設置者別には有意差が見られ 私立高校では かなり変化する 7% 変化する 46% と 変 化を感じる高校が多いようだ また 進学率 20% 以上の高校では かなり変化する 4% 変化 する 36% と 変化を感じる高校がやや少ない 生徒の大学選びや進路選びが今後どのように変 化するか 選択した理由を聞くと かなり変化す る 変化する を選択した高校からは 全体的な 変化の方向性として 大学の知名度や入試難易度 から 大学での学びや卒業後の進路を意識した大 < 図表 2> 大学選びにおいて現在重視している情報 ( 進学率別 ) 現在重視しているもの < 図表 3> 大学選びにおいて今後重要になる情報 ( 進学率別 ) < 図表 4> 今後 大学選びは変化するか (n=1,434) 6% 体 1 39% 42% 3% 8% 2% 1 0 5% 7% 37% 46% 44% 36% 4% 8% 2% 2%7% 2% 全体 1 02 1 0 6% 42% 38% 5%8% 2% 20 6 5% 40% 43% 4% 8% 1% 20 1 4% 36% 47% 3%8% 2% 1% 未満 国公立大学進学率別 1% 以上 5% 未満 7% 39% 40% 2%9%3% 5% 以上 20% 未満 20% 以上 入試科目 36% 33% 37% 38% 37% 入試難易度 68% 67% 65% 70% 70% AP 3P 10% 11% 8% 10% 12% 学費 経済的支援 15% 23% 17% 13% 7% 大学の所在地 12% 16% 13% 10% 6% 大学の知名度 20% 16% 21% 22% 22% 校風 学生の雰囲気 6% 4% 8% 6% 7% 学部 学科 専攻 35% 35% 40% 31% 35% 研究内容 14% 7% 8% 17% 26% 大学の教育内容 35% 30% 35% 37% 41% 卒業後の進路 39% 46% 39% 37% 34% 取得できる資格 7% 9% 10% 7% 4% 件数 1,412 件 393 件 324 件 353 件 327 件 今後重要になるもの 全体 1% 未満 国公立大学進学率別 1% 以上 5% 未満 5% 以上 20% 未満 20% 以上 入試科目 18% 17% 18% 20% 18% 入試難易度 32% 29% 30% 32% 38% AP 3P 44% 36% 43% 46% 53% 学費 経済的支援 18% 27% 20% 14% 9% 大学の所在地 5% 7% 5% 5% 2% 大学の知名度 9% 9% 8% 10% 10% 校風 学生の雰囲気 6% 5% 7% 6% 8% 学部 学科 専攻 24% 26% 25% 23% 23% 研究内容 32% 23% 27% 36% 44% 大学の教育内容 58% 55% 58% 60% 60% 卒業後の進路 42% 53% 45% 40% 28% 取得できる資格 8% 11% 9% 6% 5% 件数 1,403 件 394 件 323 件 349 件 322 件 Kawaijuku Guideline 2016.11 83

学選びへと変化 選択の際の基準が多様化する といった回答があった さらに 大学選び 進路選びの変化の背景として 社会の変化や高大接続改革が進むことを挙げ 具体的に記載いただいた先生も多かった 例えば 社会の変化 ( 少子高齢化 産業構造の変化 グローバル化の進展 経済的に困難な家庭の増加 地域間格差 ) 大学入学者選抜の変化 ( 大学入学希望者学力評価テストの導入 各大学の個別選抜の変化 多面的 総合的な選抜の拡大 ) 大学教育の変化 (3つのポリシー 特色の明確化 教育の工夫や学生支援 学部改組 ) 高校教育の変化( 探究活動やアクティブラーニングの充実 キャリア教育の変化 ) 等 さまざまな観点から 変化を予測するコメントが寄せられた あまり変化しない 変化しない と回答した高校からは 高校教育 大学教育 大学入学者選抜が変わることに疑問を持つ意見はほとんどなかったものの 大学に対する社会の評価が変わるのに時間がかかる 多面的 総合的な評価の浸透には時間がかかる 生徒や保護者の意識を変える必要がある 家計や地域の事情があり 大学選びは変わらない 既に大学選び 進路選びは変わりつつある などの声が見られた 以下 具体的なコメントを紹介する 大学での学びや 社会とのつながりを意識した選択へ 入試難易度の高い大学や 知名度の高い大学を選ぶ傾向が強かったが 今後は 入学後の教育内容 研究内容 取得できる資格等より具体的なイメージを基に選択する 知名度からの大学選びから 社会 ( 将来 ) との関連から考える選択に 明確な将来のビジョンをもち その実現に堪える大学や研究室を選択するようになる 単純な偏差値による学校選びから どのような学びができる学校なのか への変化 学校名で選ぶのではなく どのような研究者 ( 大学教員 ) がいるのかが 判断基準になる 大学に入学することが目的 の生徒の入学は減少し 志をもって本当に学びたい 生徒がより自分を磨いて希望の大学へ進学する 本校でも海外大学を志望したり 大学の特色や研究内容で進学先を考える生徒が増えてきており この傾向は今後さらに進むと思われる 社会の変化を受けて大学選びも変化 グローバル化の進行 それによる企業や大学の淘汰 学問領域の再編成等によって 変わることを余儀なくされる かなり変化する 変化する 職業から選んでいた進路選択が通用しなくなってくる すぐにではないが就職試験 大学入学者選抜試験が変わることにより 知識一辺倒の学びは変化してくるし これからの社会では知識一辺倒の学びでは AIに負けてしまう 生徒の家庭の経済格差が大きくなってきているように思われる このことは進路選びに大きく関わってくると思うから 生徒の保護者の所得差が年々大きくなっていることが非常に気がかり 所得差が進路選択に大いに影響してくると思われます 地方においては経済的負担による地元志向 ( 親元から通学 ) がますます強まる 大学入学者選抜の変化の影響 さらに進む少子化に備えて大学側も個性を強めたアドミッション ポリシーをもって学生獲得競争が激化していくと思うので 大学の個性を見極めた進路選びが受験する生徒にも求められてくると思っております これまで以上に 大学はアドミッション ポリシーや地域の実態に即した入試改革を必要とするため 高校在学中に積み重ねたさまざまな体験で自分がどう変わったかや 大学 でやりたいことを決定するプロセスを評価してくれるので 大学からの こういう学生を求む のメッセージと合致するケースを選択していくものに変わると思われます 本校は工業高校であるため 主に工学部への入学が多かったが 入試改革により知識を中心とした評価から学力の 3 要素への評価に変化することで大学への選択肢が増えると考える 知識 技能ばかりを評価されて入学可能な大学を選んできたが 多面的な評価により 選択の幅やチャンスが広がると考える 入試を変えることにより それに対応できる学力を持つ生徒は大学選びの選択肢が増えるが そうでない生徒は地元志向や大学以外を選択することも増えるのではないか 入試難易度の信頼度は低下するので 客観的に判断しづらくなる 安全志向になるかと思う 大学教育の変化の影響 各大学が打ち出すアドミッション ポリシー等に対応して 生徒は自らが伸長したい分野に応じた進路選択をしやすくなると考えます ディプロマ ポリシーやカリキュラム ポリシーが明確になるにつれて 大学で 84 Kawaijuku Guideline 2016.11

第 4 回 の教育の差が明確になり 大学選びの重要な指針となると思われる 大学は今後生き残りをかけ独自の特色をより強く打ち出してくると思われるから 地方大学が大学変革を行い 身近にある大学の教育の質や魅力が向上する状況があれば 地域に根ざしながら学ぼうとする生徒が増加するものと思う 生徒が学びたい学科が設置されているか その学科に入りやすい その学科で学びやすい条件になっているかに大きく左右されると思う 誰のための大学かが問われると思う 大学に対する多面的な評価が公表さ れるようになったため 大学の本当の実力について授業のレベルや面倒見の良さ 就職の強さなど 知名度だけでない大学選びが進むだろう 一人一人の生徒に応じた指導体制が大学でも求められているように感じている 入口から在学中 出口までサポート体制のある大学を選ぶ傾向になる 高校教育の変化の影響 単に受け身で授業を受け 知識を蓄積させていた状況から 自分の創意工夫をする生徒が増加するのでは 大学での研究内容と自分の将来の夢にリンクするよう 高校教育の内容も 変えつつあるので しっかりと大学の実情を見るようになる生徒が増えるため 生徒自身が課題研究を学ぶことによって 主体的に進路先を選ぶようになっていくと考えられる 課題研究を通して自分のやりたいことが明確になっていくので そこが明確な大学が選ばれていくことになると思われる 主体的 協働的な学びを導入したときに それによって大学入試に対応できる学力を育める高校と そうでない高校がはっきりと分かれてくるように感じている 生徒も今以上に二極化していくのではないかと懸念している 大学に対する受験生の人気や社会的な評判は変化しない 将来の職種などには大きな変化も生じてくるかと思う一方で 受験生が目標とする大学は あまり変化しないのではないかと思っています 生徒の大学選びや進路選びは 社会通念 保護者 指導する教職員などの意識に連動して変化すると思うが これらの意識は大きく変わることはないと思うから 有名大学が長年培ってきた社会的評価は確立しており さらに各大学も時代の要請を踏まえて変化しているので 全体としての大学選びは変化するにしてもドラスティックなものにはならないと思われる 難関とされる大学 学部をめざす生徒が高校卒業後の進路に求めるものが それほど大きく変化するとは思わない 新しい取り組みを開始し 成果が見込まれる大学は 現在既に一定以上の評価を受けており 受験生が特に好んで志望する大学に大きな変動はない一方 そうではない大学では取り組みによる成否が大きく分かれることになるものと考えられる 現在評価されている大学は 研究 あまり変化しない 変化しない 内容 教育内容 大学卒業後の進路決定への学生への指導などである そのような部分について大きく変化することは考えにくいから 各大学で企業が必要とする人材をどの程度育成できるかによるが 現状から考え それは一朝一夕に実現できるものではなく 伝統校がやはり強いのではないか 高大接続改革の影響は小さいまたは緩やかである 今回の改革は 大学選びや進路選びの改革を求めたものではなく 高校 大学が一体となってこれからの社会に生きるために必要な資質を育てようというもの その意味で大学選びの変化はあまり期待しない 学力 テストのスコア 大学の難易度等は選択の材料から外せない しかし 学習の仕方は大いに変化すると考える 学びたいことがある大学を選ぶことは今後も変わりないが 合わせて受験科目や経済的な面 卒業後の進路などの現実的な条件は避けられないので 大学入試でどのような形であっても学力試験を行うこと 各試験の合計 点をもって合否の判定をすることを考えれば 生徒の基本的な考え方は変わらないように思う 高校時代の学習 活動歴 大学入学希望理由書などが 評価の方法として確立していくのに時間がかかるものだから 変化するほど大胆な取り組みを高大でできるかが大きな課題 大学がメッセージをきちんと出せるかどうかにかかっている 地域や経済的な事情から変化しない 偏差値やブランド重視から教育内容重視の方向にあると思うが 地方においては選択肢が少なく 経済状況 ( 地域 家庭 ) も芳しくないことから さほど大きな変化はないように思われる 経済的ゆとりのない中で安くない学費を負担することから 卒業後の進路や取得できる資格が学校選択の大きなウェイトを占めている 大学の出口が変化しなければ大学選びも変化しない 学費の面 教員数の面などでは国公立大をめざす生徒は今後も多いと思われる また 学費 生活費の面から志望先候補にできる私立大学等 Kawaijuku Guideline 2016.11 85

は限られているため 自宅から通える大学へ行きたいという考えが今後変化するとは思えないから 現在でも大学の教育内容などを重視して選択している 現在も生徒一人ひとりがさまざまな理由で選択しているため 今後も 入学者選抜や大学改革が行われたとしても それぞれの興味関心 能力 適性 経済的理由などにより選択をしていくと思われる 大学進学は生徒の自己実現のための手段であり 重要なのは何を学ぶかであるから入試制度の変更に左右されるものではない 大学の教育内容が大きな判断材料である 現在でも どの大学に進学すれば 自分のやりたことができるのかという観点を大切にしている このスタンスは今後も変わらないと考える 現在既に各大学が個性を前面に出すようになり 従来の難関大志向が弱くなり 生徒の希望とのマッチングに重心が移りつつあるから 21 世紀型の進路指導と探究活動の充実をはかり 未来を生き抜く 芯のある 生徒を育てる 片山学園高等学校進路指導部長 授業改革担当森内梨絵先生 自分を知り大学の個性を鑑みた 主体的進路選択を近代の日本人にとって人生設計とは既存のレールに自分を当てはめることであり それに準ずる形で高校での進路指導も行われてきました つまり 興味のある職業を考え それに対応する学部を選び その結果として文理選択をして 高 3 時には偏差値ではかれる入試学力を考慮しながら受験校を決定していくという指導が一般的だったと思います しかし昨今では 国際化 情報化 AI 技術の発展等により 10 年後 20 年後の未来は現在とは異なる社会の様相になると推測され 職業の種類や働き方 必要な力も様変わりしていくと言われています 大学もそれに合わせて特定分野における高度な専門知を体得させることから ジェネリック スキルの育成がより求められるようになり 学部新設 再編 が相次いで文理融合型 リベラルアーツ型の学部が増え 入試の方式も多様化が進んでいます 一方 生徒の立場からすれば 各大学から発信される多くの情報はもちろん ネット上の流言飛語に至るまで 得られる情報の質 量ともに幅広いものになり スマートフォンの普及と相まってともすると情報に流されてしまう状況にあると言えるでしょう こうした時代に必要なのは 生徒一人ひとりが 自分 を知り 自ら進路を選択する力を持つことです すなわち 自分の興味 関心はどこにあるのか 得意なこと 長所は何か ( 教科だけでなく社会的な力も含めて ) 自分が大切にしたいこと( 価値観 ) は何なのか等 自分自身とじっくり向き合い 自己探究 することが必要です 本校ではHRの時間を用い キャリア教育の一環としてこういった 自己探究 を3 年間かけて段階的 に行っています 具体的には 自己分析 他己分析から始まり 学部学科探究を経て 大学での学びから 20 年後の自分をイメージする段階まで取り組みます また高 1 2 年次では終礼時に1 分間スピーチに取り組んでおり 自分の考えを言葉にして発表するという経験の積み重ねになっています 学部学科調べや大学調べにおいては従来から 生徒の興味関心と進学先とのミスマッチを防ぐため 名称だけでなく教育内容 カリキュラムまで詳しく調べて指導することは行われてきました 生徒が一人で読み解くのが難しい場合 面談などで担任の先生と共に どちらの大学が自分に合っていると思うか どの学びに特に関心があるか と複数の大学を比較検討していると思います 今後はそういった 生徒自身の特性と大学の個性に注目した進路指導がより重要になっていくでしょう 86 Kawaijuku Guideline 2016.11

第 4 回 人口減少社会に突入し 不安定な経済社会情勢下では 生徒の今後の動向の見極めは難しい 高大接続改革によってどのような影響が出てくるのかわからない 実際の入試がどのように変わるのか ( 抜本的に変わるのか 制度だけ わからない なのか ) また それによって大学の教育や就職先が変わるのかが見通せないから 大学入学希望者学力評価テストの内容次第だと思います 国が考えるように 本当に思考力を判定するようになれば大いに変化す るが 数年で対策法が考え出され 解答テクニックのみが磨かれるようになれば 今と変わらないと思われる 大学から出される情報を 生徒が理解できるように高等学校として伝えられるかどうかにかかっていると思います 実際 最近は地方の国立大学にユニークな学部ができたり 個性ある研究が見られたりします 旧帝大を中心とする難関大学や首都圏の有名私立大学ばかりでなく 自身の関心に合致する大学 学部の選択 また自身の適性に合った多様な入試選択ができる時代になっていくだろうと 多少の期待も込めて感じています そうなると 私たち現場の教員には 変化を俯瞰する視野が求められているはずです 過去の成功体験から引き継ぐべきものは残し 同時に大学入試の状況 大学での学びの質の変化 大学卒業後の社会のあり方といった未来を見据えて 生徒が幸せになるための進路選択を一緒に考える姿勢が必要でしょう 進路選択の基軸が 偏差値 至上主義から 自分 になっていく よく考えると当然だしそうあるべきだろうと思いますが 数値のものさしがわかりやすくて客観的だという旧来型の価値基準から ようやく教育の現場も脱け出す時期にきているのだと思います 知識を自身と結ぶ探究活動の進化とその評価基準の高大共有化を望む実際の大学入試がどのような形 になっていくのかは まだ不明瞭な部分も多くありますが おそらく多くの大学で 学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などがこれまで以上に問われることになるでしょう 知識 技能に加え それらの新しい学力を育むために 本校では授業改革も進めています まずは学校活動の主軸である通常授業の進化としての アクティブ ラーニング全校導入です すべての授業で毎時の目標を提示し 最後は生徒自身に振り返りをさせるという枠組みを共通化し 活動ありき に終わらないために 生徒の思考を深めることを主眼として 各教科 各教員で工夫しながら授業をデザインしています 日々の授業で 主体的な学び の場を創ることが 今年度の改革の主たる目的です 2つ目は 総合的な学習の時間の体系化です 次世代のリーダーを育むという教育理念の下 各教科での学習を活用し 世界の課題を自ら発見して解決策を提示するという探究活動に 中 3から高 2までの3 年間にわたって取り組みます 中 3では卒業研究を兼ねた課題研究の基礎に取り組み ディベートやディスカッションといった言語活動による表現力を育成 その礎の上に高 1では各種リテラシーの育成をはかりながら 課題研究テーマを設定し 高 2の1 年間をかけて課題に取り組み 成果を発表します 入試の多様化や求められる学力の変化というのは 決して学力軽視ではありません むしろ キャリア教育を通じて深く知った自分の興味関心の萌芽を養い育て 従来は知識量 技能力として問われてきた学力を自分自身と結びつけていく 深い知力 が求められていると言えるでしょう このような探究活動が評価される入試そのものは 生徒の多様性 可能性を評価されるという点において期待されますが 一方で探究活動はテーマ設定が難しく 必ずしもよい結果が出るとは限りません ですから 結果だけでなく学びのプロセスやその過程で得たものを評価する 高大共有のポートフォリオの作成も必要になってくるのではないでしょうか 私は昨年から授業改革を担当し 今年度からは進路指導部長として学校全体の学びの質を進化させるべく 様々な取り組みを進めています 今後も様々な情報を鑑み未来を見据えながら 21 世紀の社会で活躍できる生徒を学校全体で育てていくつもりです Kawaijuku Guideline 2016.11 87