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目次 広告に関する問題の再整理 2ページ 問題 1: 海賊版サイトへの広告出稿 配信の実態 3ページ 改善策 -- 海賊版サイトへの広告出稿 配信 4ページ 問題 2: アドフラウド ( 広告詐欺 ) の実態 5ページ 対応策 -- アドフラウド ( 広告詐欺 ) 6ページ 対策の進捗 CODA 提

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

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インターネット上の著作権侵害と対応策―最近の海賊版サイトに対する緊急対策に関連して―

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5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

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個人情報の取り扱いに関する規程

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

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であっても 取締役会ではなく 株主の皆様に判断していただきます また 取締役会の判断は 国際的評価を得ている法律事務所及び投資銀行等との協議又はその助言に基づくこととなっております 以上のことを踏まえると 現実的には 買収提案者が 悪質な買収者 であると判断されるのは極めて例外的なケースに限られると

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

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資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

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適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

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Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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本条は 購入者等が訪問販売に係る売買契約等についての勧誘を受けるか否かという意思の自由を担保することを目的とするものであり まず法第 3 条の2 第 1 項においては 訪問販売における事業者の強引な勧誘により 購入者等が望まない契約を締結させられることを防止するため 事業者が勧誘行為を始める前に 相

点で 本規約の内容とおりに成立するものとします 3. 当社は OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用申込みがあった場合でも 任意の判断により OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用をお断りする場合があります この場合 申込者と当社の間に利用契約は成立し

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

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平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

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国会への法案提出を目指すこととする としている 同方針をもとにパーソナルデータに関する検討会が立ち上げられ, 平成 26 年 (2014 年 )6 月 9 日付けで パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱 ( 事務局案 ) が示されたところである しかしながら, その結論によっては, 個人に関

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

Ⅱ. 法第 3 条の 2 等の適用についての考え方 1. 法第 3 条の2 第 1 項の考え方について本条は 購入者等が訪問販売に係る売買契約等についての勧誘を受けるか否かという意思の自由を担保することを目的とするものであり まず法第 3 条の 2 第 1 項においては 訪問販売における事業者の強引

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

問 3 全員の方にお伺いします 日頃 サイバー犯罪 ( インターネットを利用した犯罪等 ) の被害に遭いそうで 不安に感じることがありますか この中から1つだけお答えください よくある % たまにある % ほとんどない % 全くない 全

13 条,14 条 1 項に違反するものとはいえない このように解すべきことは, 当裁判所の判例 ( 最高裁昭和 28 年 ( オ ) 第 389 号同 30 年 7 月 20 日大法廷判決 民集 9 巻 9 号 1122 頁, 最高裁昭和 37 年 ( オ ) 第 1472 号同 39 年 5 月

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

ただ リーチサイトなど リンク行為 ハイパーリンクの貼り付け行為等を通じた著作権侵害の拡大が指摘されるなかで 現在 著作権法上も URL の提供行為を法的規制の対象として明示すべきではないかとの議論が生じている もっとも URL の提供行為といっても その文脈 場面ごとに その行為がもつ社会的意義は

できない状況になっていること 約 6 分間のテレビ番組中で 2 分間を超える放映を し たこと等を理由に損害賠償請求が認容された X1 X2 および Y の双方が上告受理申立て 2 判旨 :Y1 敗訴部分破棄 請求棄却 X1,X2 敗訴部分上告却下ないし上告棄却最高裁は 北朝鮮の著作物について日本国

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監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

インターネット上で流通する模倣品 海賊版対策 知財計画 2017 における対応の方向性 侵害コンテンツは急速かつ世界的に そして複雑かつ巧妙に拡散することから 権利行使などの直接対策に加え 広告出稿抑止やリーチサイト対策などの周辺対策について 実施に向けた検討を含めた取組の一層の強化が必要 インター

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

( 続紙 1 ) 京都大学博士 ( 法学 ) 氏名坂下陽輔 論文題目 正当防衛権の制限に対する批判的考察 ( 論文内容の要旨 ) 本論文は 正当化される防衛行為の範囲を制限しようとする近時のわが国の学説を こうした見解に強い影響を与えたドイツにおける通説的見解とそれに対抗する近時のドイツにおける有力

仮訳 / JICA 2012 [ 国章 ] インドネシア共和国最高裁判所 仮処分決定に関する インドネシア共和国最高裁判所規則 2012 年第 5 号 インドネシア共和国最高裁判所は a. 意匠に関する法律 2000 年第 31 号第 49 条から第 52 条 特許に関する法律 2001 年第 14

(2) ピュア型 / キャッシュ非作成型 (Limewire,Gnutella 等 ) 検索検索検索見つかると直接接続検索検索検索 図 Limewire の仕組み 1 情報管理サーバーを持たない 2ファイルの検索はバケツリレー方式で行う 3ファイルが見つかった後はピア ツー ピア通信でファイルの送受

資料 年 10 月 28 日 ヤフー株式会社 情報活用関連におけるニーズ 所在検索サービスの社会的ニーズ I. 課題現行著作権法 47 条の 6 においては インターネット検索サービス 1 の提供にあたり 送信可能化された著作物 の収集 蓄積および検索結果の表示のための著作物の複製 翻

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第 1 ガイドライン策定の目的及び対象 1 ガイドライン策定の目的美濃加茂市では犯罪のない安全で安心できる住みよい地域社会を実現するため 平成 21 年 10 月に 美濃加茂市防犯活動推進条例 を施行するとともに 同条例に基づく防犯計画を策定し 市民 事業者及び市が一体となって 犯罪のないまちづくり

ガイドライン策定の目的 和歌山県では 和歌山県安全 安心まちづくり条例 ( 平成 18 年 3 月 24 日条例第 26 号 ) に基づき 家庭及び地域における人と人との絆を大切にし お互いが支え合い 及び助け合うとともに 安全で安心な暮らしに配慮した環境の整備を行うまちづくりを推進しています その

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

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により 利用者が投稿 掲載 表示 提供 ( 以下 提供等 という ) した内容 コンテンツ 画像 動画その他の情報 ( 以下 情報等 という ) により導かれる結果については利用者の自己責任であること (2) 利用者は 本サービスの利用に際し第三者に損害を与えた場合 自己の責任と費用においてかかる損

基準該当短期入所小規模多機能センターさくらテラス 利用契約書 ( 以下 利用者 という ) と社会福祉法人慈徳会 ( 以下 事業者 という ) は 基準該当短期入所小規模多機能センターさくらテラス ( 以下 当施設 という ) が利用者に対して提供する基準該当短期入所サービスについて 次のとおり契約

技術的制限手段に関する現状 BSA ザ ソフトウェア アライアンス 2017 年 2 月 15 日

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第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

WebARENA SuitePRO V4 テストサーバーサービス利用規約 2015 年 6 月 25 日 株式会社 NTTPC コミュニケーションズ 1 NTT PC Communications, Inc.

Transcription:

通信の秘密を巡る現状と課題情報法制研究会 (2018/5/19) 曽我部真裕 ( 京都大学 )

はじめに 報告者とブロッキング問題との関わり 安心ネットづくり促進協議会 ( 安心協 ) 児童ポルノ対策作業部会 法的問題検討サブワーキンググループ報告書 (2010 年 ) アドレスリスト作成 管理の在り方サブワーキンググループ (2011 年 ) 一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会 (ICSA) との関わり 情報法制研究所 (JILIS) 情報通信法制研究タスクフォース研究主幹 著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提言 (2018 年 4 月 11 日 )

1. 緊急対策 と 緊急提言

知的財産戦略本部 犯罪対策閣僚会議 インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策 (4 月 13 日 ) 3 つの海賊版サイトのブロッキングをプロバイダに要請する内容となるとも伝えられたが 実際に決定された文面は 非常に分かりにくい内容 法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置として 特に悪質な海賊版サイトのブロッキングについては 通信の秘密や表現の自由との関係でも 緊急避難の要件を満たす場合には その侵害について違法性が阻却されるものと考えられる 緊急避難の要件が充たされるかどうかを明らかにしていない 他方で 緊急対策 では 3 サイトがブロックできることが前提であるかのような表現も見られる 結局 知財本部のこの 緊急対策 は どのようなメッセージを発しているのかが明らかではなく 全体として趣旨が不明瞭

JILIS 情報通信法制研究 TF 緊急提言 (4 月 11 日 )

JILIS 情報通信法制研究 TF 緊急提言 (4 月 11 日 ) 提言前後の経緯 緊急シンポジウム (22 日 ) NTT グループがブロッキングを実施する方針を明らかに (23 日 ) 基本的な立場 このたび政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトのブロッキング要請 ( 以下 本件要請 という ) には 以下の通り 法的に見て大きな問題があり このような要請を行うことは差し控え 立法前の要請の可否 ブロッキングという措置自体の是非も含めて改めて冷静な議論を行うよう緊急に提言する

JILIS 情報通信法制研究 TF 緊急提言 (4 月 11 日 ) 1 緊急避難 ( 刑法 37 条 ) の要件充足性に関する疑問 補充性要件に関連して 警察による摘発や被害者による法的措置の努力が十分に行われているのかどうかが不明である 法益権衡要件に関しては 著作権という財産権が当然に利用者一般の通信の秘密に優位するといえるのか疑問である 安心協法的問題検討サブワーキンググループ報告書 ブロッキングの効果と法益権衡要件との関係

( 参考 ) 安心協法的問題検討サブワーキンググループ報告書 著作権侵害との関係では 著作権という財産に対する現在の危難が認められる可能性はあるものの 児童ポルノと同様に当該サイトを閲覧され得る状態に置かれることによって直ちに重大かつ深刻な人格権侵害の蓋然性を生じるとは言い難いこと 補充性との関係でも 基本的に削除 ( 差止め請求 ) や検挙の可能 性があり 削除までの間に生じる損害も損害賠償によって填補可能であること 法益権衡の要件との関係でも財産権であり被害回復の可能性のある著作権を一度インターネット上で流通すれば被害回復が不可能となる児童の権利等と同様に考えることはできないことなどから 本構成を応用することは不可能である

JILIS 情報通信法制研究 TF 緊急提言 (4 月 11 日 ) 2 法治国家原理からの逸脱 法律の根拠なくして事実上強制力の強い要請を行うことの問題性をいうもの 法治国家原理は 日本国憲法でも 41 条等で当然の前提とされている根本的な原理であって 国家が権利の制限や義務付けを行うためには 国会の制定した法律に基づく必要があるという原理である 事実上の強制を法律の根拠なくして行うことは 法治国家の潜脱であって問題が大きい 児童ポルノブロッキングも同様ではないかという意見について

JILIS 情報通信法制研究 TF 緊急提言 (4 月 11 日 ) 3 通信の自由を支えるプロバイダに対する不合理な負担 ブロッキングの効果には限界があるにもかかわらず プロバイダはブロッキングのために相応のコストやリスクを負担する必要があり プロバイダに対して不合理な負担を負わせる恐れがあるということである 言うまでもなくプロバイダはインターネットによる通信の自由を支える不可欠なインフラであるため こうした事態は望ましくない

2. 児童ポルノブロッキングの議論を振り返る

児童ポルノブロッキング実施体制 (ICSA ウェブサイトより )

児童ポルノブロッキング実施体制 (ICSA ウェブサイトより )

DNS ブロッキングにおけるリスト対象ドメイン判定基準 1.( サイト開設の目的 ) 当該ドメインに含まれるサイトの相当部分の開設目的の全部又は一部が 児童ポルノの画像等をそれと知りながらインターネット上で流通させることにあると認められること 2.( 児童ポルノ画像の数量 ) 当該ドメインに含まれるサイトの中に ( ア ) 児童の権利等を著しく侵害するものであることが明白な画像等が存在するか ( イ ) 児童の権利等を著しく侵害する画像等が相当数存在するか ( ウ ) 児童の権利等を著しく侵害する画像等が相当の割合で存在するか のいずれかであること 3.( 発信者の同一性 ) ( ア ) 当該ドメイン内に複数のサイトがある場合には 各サイトの管理者が同一であること ( イ ) ( ア ) にいう管理者以外の第三者が 当該ドメイン内に設置された電子掲示板等において情報を発信している場合には (i) 在すること 当該情報に 2 の対象となる児童ポルノの画像等が含まれており かつ サイト管理者を当該画像等の実質的な発信者であるとみなしうるような特段の事情が存 (ii) また 当該情報に児童ポルノ以外の情報が含まれる場合には 当該情報の発信者の多くが 児童ポルノの流通が当該サイトの開設目的であることを認識 認容しながら 当該情報を発信したものと認められること 4.( 他の実効的な代替手段の不存在 ) 当該ドメインをDNSブロッキングの対象とすることが 1ないし3 及びその他の諸般の事情を総合的に考慮した上で やむを得ないと認められること

1.( サイト開設の目的 ) 当該ドメインに含まれるサイトの相当部分の開設目的の全部又は一部が 児童ポルノの画像等をそれと知りながらインターネット上で流通させることにあると認められること 子どもの成長記録等 何らかの正当な目的のサイトが児童ポルノに該当する画像を掲載していることもありうることから ブロッキング対象となりうるサイトを 児童ポルノを流通させる目的のものに限定するもの

2.( 児童ポルノ画像の数量 ) 当該ドメインに含まれるサイトの中に ( ア ) 児童の権利等を著しく侵害するものであることが明白な画像等が存在するか ( イ ) 児童の権利等を著しく侵害する画像等が相当数存在するか ( ウ ) 児童の権利等を著しく侵害する画像等が相当の割合で存在するか のいずれかであること むしろ緊急避難の法益権衡要件に由来するもの 通信の秘密に優越的する利益だと言えるためには 児童の権利侵害性がそれだけ高いサイトでなければならない

3.( 発信者の同一性 ) ( ア ) 当該ドメイン内に複数のサイトがある場合には 各サイトの管理者が同一であること ( イ )( ア ) にいう管理者以外の第三者が 当該ドメイン内に設置された電子掲示板等において情報を発信している場合には (i) 当該情報に 2 の対象となる児童ポルノの画像等が含まれており かつ サイト管理者を当該画像等の実質的な発信者であるとみなしうるような特段の事情が存在すること (ii) また 当該情報に児童ポルノ以外の情報が含まれる場合には 当該情報の発信者の多くが 児童ポルノの流通が当該サイトの開設目的であることを認識 認容しながら 当該情報を発信したものと認められること

3.( 発信者の同一性 ) オーバーブロッキング防止との関係では重要な要件 第 2 要件の例えば ( ア ) からすれば 悪質な児童ポルノが 1 点あるだけで第 2 要件は充たされる つまり 適法画像が同時に多数あっても 悪質児童ポルノが 1 点あれば第 2 要件は充たされる このようなサイトをブロックすれば 適法画像も閲覧できなくなるため オーバーブロッキングになる しかし この場合 悪質児童ポルノとほかの適法画像との発信者が同一であれば オーバーブロッキングとなったとしても 発信者は甘受すべきだと言うことが可能ではないか 第 3 要件は このような趣旨から 発信者の同一性あるいはそれと同視できるような場合であることを求めている

4.( 他の実効的な代替手段の不存在 ) 当該ドメインを DNS ブロッキングの対象とすることが 1 ないし 3 及びその他の諸般の事情を総合的に考慮した上で やむを得ないと認められること 緊急避難の補充性要件に由来する要件 児童ポルノ対策としては 主に 警察による捜査と削除要請とが考えられるが 児童ポルノの性質上 個別に被害届や告訴を行うことは現実的ではないので 実際には主として削除要請が念頭に置かれている

知財本部 著作権侵害サイトブロッキング対象ドメインについての考え方

3. 緊急避難構成を改めて考える

緊急避難構成の問題点 1 緊急避難は 突発的に生じた現在の危難状況において 重要な法益を保護するためにやむなく行った行為を刑事免責するための法理 典型的には突発性 一回性の行為が想定されているはずである これに対して ブロッキングは 常設的なスキームのもと行われるべきものであるから こうした典型的な緊急避難の姿とはかなり距離がある 2 緊急避難においては 当然ながら 個々の構成要件該当行為ごとに緊急避難充足性を具体的事情に即して判断すべきことになる 個々のブロッキング行為ごとに それによって救われる法益と侵害される法益を具体的な事情に即して比較較量する必要があることになる しかし ブロッキングは一定の基準に従って機械的に行われるのであり 具体的な事情に即した比較衡量をするには限界がある

緊急避難構成の問題点 2 緊急避難においては 当然ながら 個々の構成要件該当行為ごとに緊急避難充足性を具体的事情に即して判断すべきことになる 一般的には 日本の裁判所は緊急避難の成立を認めることには非常に慎重であり 実際に正当化されることは ほとんどない とも言われる これらの事情を踏まえると 一定の基準を事前に立てた上で機械的にブロッキングを行うという恒常的な仕組みに関して すべてについて緊急避難が成立すると考えることができるかどうかについては 検討の余地がある この点は特に海賊版ブロッキングについては現実の問題として考える必要があり ユーザーが通信の秘密侵害として告訴して刑事事件になる可能性は 相当程度存在するのではないか 3 他の重要な問題が見えにくくなってしまう恐れがある

緊急避難構成のメリット 1 通信の秘密と他の法益との較量を適切に行うことができる 厳密な意味で緊急避難が常に成立するかどうかについては明らかではないものの まずは他の対策を尽くすことを求め また 極めて重要な法益が侵害されている場合に限ってブロッキングが認められる結果となっており ブロッキング対象が拡大することを防止している 2 緊急避難構成をとることにより ブロッキング対象拡大を防止 刑法 37 条は 自己又は他人の生命 身体 自由又は財産に対する現在の危難を避けるため とあり 緊急避難が成立しうるのは個人的法益を救おうとした場合に限定される 成人のわいせつ動画だとか フェイクニュースなどの 一義的には個人的法益を侵害するものではないサイトに対するブロッキングを正当化する余地はもともとなく その意味において 緊急避難構成により やはりブロッキング対象が拡大することが防止されている

緊急避難構成のメリット 以上からすれば 緊急避難構成にも重要なメリットがあり ブロッキングを実施するプロバイダの理解が得られて実質的にも自主的な取組と言える限り また 裁判所によって否定されない限りはこうしたアプローチを続けるという戦略にも十分理解できる

4. 海賊版ブロッキング問題の今後

情報共有の必要性 知財本部の 緊急対策 では 今後 関係事業者や有識者を交えた協議体を設置して検討を進める方針が示されている その中では ブロッキングありきではなく 事実関係について情報共有をすることが不可欠であろう その上で ブロッキングやむなしとなった場合 まずは緊急避難の充足性について改めて確認しても良い その際に問題となるのは 法益権衡要件 そこでは 合計の被害額がいくら多額に上ろうとも このことは直接関係してこない そうすると この場合に法益権衡要件がどのように判断されるのか ブロッキング支持者が主張するのは 全体としての被害の深刻さであるから この点を正面から捉えるためには ブロッキングやむなしということになれば やはり立法が必要だということになりそう

立法の方向性 1 通信の秘密や表現の自由と著作権保護との衡量をどのように考えるか まず 立法事実として 出版社が海賊版サイトによって深刻な被害を被っており ブロッキングを実施することによって実質的な対策が可能であり かつ そうした対策はブロッキング以外の方法では達成できないことが必要だろう ブロッキング対象は緊急対策で示された 4 要件を充たすものに限られるべきである 通信の秘密の侵害を最小限にすることが求められるが この点については ブロッキング容認論で主張される メッセージではなくアクセス先つまりメタデータあるいは通信の構成要素に過ぎないという点が意義を有する ただし メタデータであることをもって一般的に通信の秘密侵害性が低いということはできない メタデータをブロッキングのために機械的に処理するにすぎないこと また それ以外の目的に利用しないことを担保する仕組みが求められる

立法の方向性 2 ブロッキング対象の認定に当たり 適性をもつ主体が適正な手続で行うことが求められる 3 費用負担の問題

おわりに 海賊版サイトが跋扈する現状は確かに無視できない深刻な問題であり 表現の自由や通信の秘密といった重要な価値を尊重しつつ問題を解決するため 法的あるいは実務的な課題を一つひとつ冷静に議論して克服していくしかない 今回は 民間での議論は総じてそのような形で進んでいるように見え 大変心強く思われる 今後 政府がこうした議論をどのように受け止めるのか その度量が問われている

ご清聴ありがとうございました