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Taro-議案第13号 行政手続条例の

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも



平成16年規程第02号_役員給与規程

法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

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1.2_議案目録(追加)

個人情報の保護に関する規程(案)

議第 18 号 ( 趣旨 ) 三島市職員の公益的法人等への派遣等に関する条例案 第 1 条 この条例は 公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律 ( 平成 12 年法律第 50 号 以下 法 という ) 第 2 条第 1 項及び第 3 項 第 5 条第 1 項 第 6 条第 2 項 第

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

香川県後期高齢者医療広域連合職員の勤務時間、休暇等に関する

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

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千葉市水道局契約規程及び千葉市水道局会計規程の一部を改正する規程をここに公布する

公務員事務局

Microsoft Word ①概要(整備令)

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第 4 章中第 34 条の次に次の 1 条を加える ( 行政指導の中止等の求め ) 第 34 条の 2 法令又は条例等に違反する行為の是正を求める行政指導 ( その根拠 となる規定が法律又は条例 ( 地方自治法第 252 条の17の2 第 1 項又は地方教育行政の組織及び運営に関する法律第 55 条

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

改正労働基準法

48

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資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

( 休憩時間 ) 第 3 条 任命権者は 1 日の勤務時間が 6 時間を超える場合においては 少な くとも45 分 8 時間を超える場合においては 少なくとも1 時間の休憩時間を それぞれ所定の勤務時間の途中に置かなければならない 2 前項の休憩時間は 職務の特殊性又は当該公署の特殊の必要がある場合

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

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< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

Microsoft Word - Webyuupuri_kiyaku.rtf

きる ( 改正前民法 436 条 ) 1 改正法と同じ 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる 本条は 負担部分の限度で 他の連帯債務者が債権者に対して債務の履行を拒むことができると規定したものであり 判

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指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

点で 本規約の内容とおりに成立するものとします 3. 当社は OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用申込みがあった場合でも 任意の判断により OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用をお断りする場合があります この場合 申込者と当社の間に利用契約は成立し

PowerPoint プレゼンテーション

(3) 育児短時間勤務をしている職員が休職又は停職の処分を受けたことにより 当該育児短時間勤務の承認が効力を失つた後 当該休職又は停職の期間が終了したこと (4) 育児短時間勤務をしている職員が当該職員の負傷 疾病又は身体上若しくは精神上の障害により当該育児短時間勤務に係る子を養育することができない

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

学校法人金沢工業大学個人情報の保護に関する規則

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適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

第八条理事は 理事長の定めるところにより 理事長を補佐して機構の業務を掌理する 2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は 理事とする ただし 理事が置かれていないときは 監事とする 3 前項ただし書の場合において 通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は そ

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

特定個人情報の取扱いの対応について

総務省独立行政法人評価委員会議事規則 総務省独立行政法人評価委員会令 ( 平成十二年政令第三百十八号 以下 委員会令 という ) 第十条の規定に基づき 総務省独立行政法人評価委員会議事規則を次のように定める 平成十三年二月二十七日総務省独立行政法人評価委員会委員長 ( 目的 ) 第一条総務省独立行政

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PowerPoint プレゼンテーション

として採用するものとする 第 2 条の3 前条に定めるほか 職員就業規則第 11 条第 1 項により退職 ( 以下 定年退職という ) した者であって 退職後引き続き研究所以外の機関 ( 以下 再就職先 という ) において勤務する者 ( 定年退職後 任期付職員就業規則または契約職員就業規則の適用を

中央教育審議会(第119回)配付資料

害者等のために情報を提供する事業を行う者 ( 非営利目的の法人に限る ) を一般的に定める 上記のほか 聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人 ( 法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む ) のうち 聴覚障害者等のための複製又は自動公衆送信を的確かつ円滑に行う

(2) 電子計算機処理の制限に係る規定ア電子計算機処理に係る個人情報の提供の制限の改正 ( 条例第 10 条第 2 項関係 ) 電子計算機処理に係る個人情報を国等に提供しようとする際の千葉市情報公開 個人情報保護審議会 ( 以下 審議会 といいます ) への諮問を不要とし 審議会には事後に報告するも

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(1) 採用 昇任 降任 転任の用語の定義について定めるものとすること ( 第 15 条の2 第 1 項関係 ) (2) 標準職務遂行能力は 職制上の段階の標準的な職 ( 職員の職に限る 以下同じ ) の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力として任命権者が定めるものとすること ( 第 15

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独立行政法人教職員支援機構法

2 政府は 必要があると認めるときは 予算で定める金額の範囲内において 機構に追加して出資することができる 3 機構は 前項の規定による政府の出資があったときは その出資額により資本金を増加するものとする 第二章役員及び職員 ( 役員 ) 第六条機構に 役員として その長である理事長及び監事二人を置

公布された条例のあらまし 職員の退職手当に関する条例の一部改正について 1 条例の改正理由地方公務員等共済組合法及び地方独立行政法人法の一部改正に伴い 所要の改正を行う 2 条例の概要 (1) 自己の都合による退職等の場合の退職手当の基本額について定めた規定中 引用している地方公務員等共済組合法の条

( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

独立行政法人中小企業基盤整備機構職員退職手当支給規程

改正労働基準法

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三島市議会基本条例 平成 31 年 3 月 22 日 条例第 15 号 目次 前文 第 1 章総則 ( 第 1 条 第 2 条 ) 第 2 章議会及び議員の活動の原則等 ( 第 3 条 第 7 条 ) 第 3 章市民と議会との関係 ( 第 8 条 第 10 条 ) 第 4 章市長等と議会との関係 (

特定個人情報の取扱いの対応について

この制度は 2003 年 9 月 2 日から施行され 旧 地方自治法 244 条の2による管理委託を行ってきた 公の施設 の場合は 3 年間 ( 経過措置 ) の間に自治体が指定管理者制度に移行することになっている 現時点で 指定管理者制度導入のため 1 指定の手続きについて一般ルールとして定めた自

役員退職手当支給の基準の変更について

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建設工事入札参加業者等指名停止要領について

役員退職手当支給規程

日商協規程集

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

調布市要綱第  号

( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

Microsoft Word - 例規集(A4判).docx

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

独立行政法人大学改革支援・学位授与機構役員退職手当( 改正)

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

( 育児又は介護を行う職員の深夜勤務及び時間外勤務の制限 ) 第 9 条略 4 前 3 項の規定は, 第 16 条第 1 項に規定する日常生活を営むのに支障がある者を介護する職員について準用する この場合において, 第 1 項中 小学校就学の始期に達するまでの子のある職員 ( 職員の配偶者で当該子の

規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

別表 ( 第 3 条関係 ) 給料表 職員の区分 職務の級 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 号給給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額 再任用職 1 144, , , , , ,60

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

承認が効力を失った後 当該産前の休業又は出産に係る子が次に掲げる場合に該当することとなったこと ア死亡した場合イ養子縁組等により職員と別居することとなった場合第 3 条第 7 号を同条第 8 号とし 同条第 6 号中 第 2 条の2 第 3 号 を 第 2 条の3 第 3 号 に改め 同号を同条第

によっては認識することができない方式で作られる記録であって 電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう 二及び三において同じ )をいうものとすること 二この法律において 電子契約 とは 事業者が一方の当事者となる契約であって 電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法に

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

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「高年齢者雇用安定法《のポイント

( 以下 対象者 という ) が健康保険法第 106 条の規定に基づく出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは 健康保険の保険者が当該対象者に対して出産育児一時金の支給を行うものである また 健康保険の保険者は この法律の規定の趣旨を踏まえ 被保険者がその意思に基づき 保険給付を受けるこ

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Transcription:

論点整理表 ( 案 ) 4 法律 条例 予算による統制のあり方 協約との関係 資料 5 論点番号 4-(3)2 法律 条例の改正又は予算の増額修正が必要となる協約についてその締結手続及び効力発生要件等をどのようにすべきか 2 法律 条例の改正案又は補正予算案の提出を内容とする協約について どう考えるか 担当委員髙橋委員 論点 参考資料名 頁 法律 条例の改正案又は補正予算案の提出を内容とする協約について どう考えるか この論点については 論点 2(1)3( 法定事項と協約事項との関係 ) の各案と関連すると考えられる そのため 論点 2(1)3の各案を念頭に置きつつ 整理した場合の案である 1 論点 2(1)3のA 案の場合結果として 法律の改正又は予算の修正が必要となる協約の締結を認めないこととなり 協約が最終的に有効となる仕組み等の問題は生じないと考えられる 2 論点 2(1)3のB 案やC 案の場合政府は必要な改正法案又は予算案を国会に付議し その議決をもって協約は有効なものになるものとする また 政令等の改正が必要な協約が締結された場合 速やかに必要な改正のための措置をとり その改正をもって協約は有効なものになるものとする ただし 論点 2(1)3のB 案の場合は 協約の国会への付議 ( その承認を 1 公務員団体交渉の法律政策( 一 ) 法学協会雑誌 98 巻 1 号 1981 年 ( 菅野和夫 )P.22 法律学全集公共企業体等労働関係法 ( 峯村光郎 )P.76 労使関係法運用の実情及び問題点 公共部門関係 上 ( 労使関係法研究会 )P.361 879 891 898

得て初めて協約としての効力を発生 ) とともに 必要な改正法案又は予算案を付議するものとすることになると考えられる ( メリット ) ( 論点 2(1)3のB 案の場合 ) 協約の成立と併せて判断することとなるので 協約内容に関する国会の意思を尊重しつつ 自律的労使関係制度の構築 速やかな協約内容の実現に資すると考えられる ( 論点 2(1)3のC 案の場合 ) 協約としては成立しているので 自律的労使関係制度構築の趣旨を尊重しつつ 議会制民主主義等の要請と速やかな協約内容の実現の両立に資すると考えられる ( デメリット ) ( 論点 2(1)3のB 案の場合 ) 必要な改正法案又は予算案が不承認となる場合は 協約自体も不承認となることが想定され 改めて協約を締結し直す必要が生じ コストがかかる ( 論点 2(1)3のC 案の場合 ) 必要な改正法案又は予算案が不承認となった場合 労使間で成立している協約の内容が実現されないこととなり 自律的労使関係の形成に支障が生ずるおそれがある ( 留意事項 ) ( 論点 2(1)3のC 案の場合 ) 協約の一部が法令 予算に抵触して効力を生じない場合 残りの部分のみでは一方当事者に不利になることがある そのような場合についての取扱いを検討する必要がある 現行の現業国家公務員制度では 予算上不可能な内容の協定を締結したときは 政府は その締結後十日以内に 事由を附しこれを国会に付議して その承認を求めなければならないこととされている ( 特労法第 16 条第 2 項 ) 一方 給与に関し 予算上不可能な内容の仲裁裁定については 給与総額制の例外として予算の移流用等の措置により実施できる場合は国会の承認を要せず 実施できない場合はその裁定後十日以内 2

に 事由を附しこれを国会に付議して その承認を求めなければならないこととされている ( 給特法第 5 条但書 ) 有効な協約の内容に反する法律 条例 予算が事後的に規定される状態となった場合も 法律 条例 予算が協約に優先することとすべき なお 現行の一般職給与法のように詳細な内容を法定する場合には 協約の締結 改定の都度 法改正が必要となる可能性が高まるが 法定する内容を大綱的基準等に限る場合においては このような問題は生じにくい 論点 2(1)3のB 案又はC 案をとることによるメリット デメリットについては 同論点整理表を参照 ( 参考 ) 論点 2(1)3( 法定事項と協約事項との関係 ) について A 案団体交渉の結果締結した協約は 予算 法令の規定及びその趣旨に反しない限りにおいて協約としての効力を生じる B 案団体交渉の結果締結した協約は 一定期間内に立法機関に付議し その承認を得て初めて協約としての効力を発生する C 案団体交渉の結果締結した協約は 予算 法令の規定及びその趣旨に反しない限りにおいて協約としての効力を生じるとしつつ 予算の枠を超え または法令に抵触する協約は政府が立法府にその実現措置を求めることとする 整理 上記のとおり 3

論点整理表 ( 案 ) 4 法律 条例 予算による統制のあり方 協約との関係 論点番号 4-(3)3 法律 条例の改正又は予算の増額修正が必要となる協約について 担当委員髙橋委員 その締結手続及び効力発生要件等をどのようにすべきか 3 第三者機関等による調整のシステムとして仲裁等がなされた 場合に 仲裁裁定をどのように取り扱うか 論点 参考資料名 頁 第三者機関等による調整のシステムとして仲裁等がなされた場合に 仲裁裁定をどのように取り扱うか 1 現行の現業国家公務員等に関する仲裁制度 (1) 仲裁の意義仲裁は関係当事者間の紛争の最終的解決方法として 公労委が紛争解決の条件を定めた裁定を与え関係当事者はこの裁定に服従すべき法的義務を負うから 裁定は当事者双方に対する法的拘束力をもつ点において調停と異なる 争議行為が全面的に否定されている公労法における仲裁のもつ意義は とりわけ大きい ( 中略 ) 公労法上の仲裁には 任意仲裁のほかに強制仲裁が認められている このことは 公共企業体等は 国民経済および国民の日常生活に密接な関係をもつと同時に 労使双方に争議行為が全面的に禁止されているという特殊性よりして 紛争が未解決のまま長引くことを防ぐためである ( 注 ) 現在 公労委等は次のとおり 公労委 : 中労委 公労法 : 特労法 公共企業体等 : 特定独法等 前出公共企業体等労働関係法( 峯村光郎 ) P.147 891 (2) 仲裁の開始 ( 特労法第 33 条 ) 1 関係当事者の双方が委員会に仲裁の申請をしたとき 4 特定独立行政法人等の労働関係に関する 864

2 関係当事者の一方が労働協約の定に基いて委員会に仲裁の申請をしたとき 3 委員会があっせん又は調停を開始した後二月を経過して なお紛争が解決しない場合において 関係当事者の一方が委員会に仲裁の申請をしたとき 4 委員会が あっせん又は調停を行っている事件について 仲裁を行う必要があると決議したとき 5 主務大臣が委員会に仲裁の請求をしたとき 3~4が強制仲裁 法律第 33 条 ~ 第 35 条 (3) 仲裁裁定の効力仲裁裁定は 労働協約と同一の効力を有する ( 特労法第 34 条第 3 項 ) 裁定に対しては 当事者は 双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならない ( 同第 35 条第 1 項 ) 政府は 国有林野事業を行う国の経営する企業とその職員との間に発生した紛争に係る委員会の裁定が実施されるように できる限り努力しなければならない ( 同第 35 条第 3 項 ) 前出公共企業体等労働関係法( 峰山光郎 ) P.150 891 2 法律の改正又は予算の修正を必要とする内容の裁定ア案 ( 上記 1と同様の仲裁制度をとる場合 ) 独立性 中立公平性 専門性のある第三者機関が 法律の改正を必要とする内容又は予算上不可能な内容の仲裁裁定も行えるものとする 法律の改正を必要とする内容又は予算上不可能な内容の仲裁裁定に関しては 政府は必要な改正法案又は予算案を国会に付議し その議決 承認を求めるものとする 給与については 仲裁裁定を実施するために必要な金額を 予算の定めるところにより 財務大臣の承認を受けて 支給することができるものとする ( 予算の移流用等の措置により実施できる場合は国会付議不要 ) 5 ( 国会での処理状況については ) 前出労使関係法運用の実情及び問題点 < 公共部門関係 > 上 ( 労使関係法研究会 )P.362 898

また 政令等の改正を必要とする内容の仲裁裁定に関しては 速やかに必要な改正のための措置をとるものとする ( メリット ) 自律的労使関係制度を構築する趣旨に適合するものと考えられる 予算上不可能な内容の仲裁裁定の取扱いについては現行の現業国家公務員に採用されている方式であり 議会制民主主義等の要請にも沿う ( デメリット ) 国会審議の結果 仲裁裁定の内容が実現されないこともあり得る ( 留意事項 ) 論点 2(1)3のA 案をとる場合 このア案をとる余地がないとは言えないが 一方で法律 予算の範囲に限定し 他方で法律 予算の範囲を超えることから 制度的なバランスを欠く イ案法律の改正を必要とする内容又は予算上不可能な内容の仲裁裁定は行えないものとする ( メリット ) 議会制民主主義等の要請に沿う ( デメリット ) 少なくとも予算上不可能な内容の仲裁裁定を行えないとした場合には現行の現業国家公務員に採用されている方式と整合を欠く ( 留意事項 ) 交渉不調時の場合における仲裁の必要性に鑑みれば 仲裁に相当程度の効力を持たせておく必要がある 論点 2(1)3のB 案又はC 案をとる場合 このイ案をとる余地がないとは言えないが 一方で法律 予算の範囲に限定し 他方で法律 6

予算の範囲を超えることから 制度的なバランスを欠く 交渉不調の場合においては 公務の効率的遂行等の視点を考慮すれば 最終的には強制仲裁を行えることとするとともに そのような強制仲裁に実効性を持たせるシステムとする必要がある 地方公共団体の場合 どのレベルに設置される第三者機関に係争するのか検討が必要 ( 参考 ) 特定独立行政法人等の労働関係に関する法律 ( 昭和 23 年法律第 257 号 ) 国有林野事業を行う国の経営する企業の予算上又は資金上 不可能な資金の支出を内容とする裁定については 第 16 条の定めるところによる ( 第 35 条第 3 項但書 ) すなわち 当該裁定は 政府を拘束するものではなく また 国会によって所定の行為がされるまでは そのような裁定に基づいていかなる資金といえども支出してはならない また 政府は その裁定後十日以内に 事由を附しこれを国会に付議して その承認を求めなければならない なお 仲裁裁定があった場合において その裁定を実施するために必要な金額を 予算の定めるところにより 財務大臣の承認を受けて 給与として支給するときは 給特法第 5 条の給与総額制の例外が認められている ( 給特法第 5 条但書 ) 特定独立行政法人等の労働関係に関する法律第 16 条 第 35 条 国有林野事業を行う国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法第 5 条 864 865 地方公営企業等の労働関係に関する法律 ( 昭和 27 年法律第 289 号 ) 地方公営企業の予算上又は資金上 不可能な資金の支出を内容とする仲裁裁定については 第 10 条の規定を準用する ( 第 16 条第 2 項但書 ) すなわち 当該裁定は 議会によって所定の行為がなされるまでは 地方公共団体を拘束するものではなく かつ いかなる資金といえどもそのような裁 7 地方公営企業等の労働関係に関する法律第 10 条 第 16 条 863

定に基づいて支出されてはならない また 地方公共団体の長は その裁定後十日以内に 事由を附しこれを議会に付議して その承認を求めなければならない また 地方公共団体の条例に抵触する内容を有する仲裁裁定については 第 8 条第 1 項及び第 4 項の規定を 地方公共団体の規則その他の規程に抵触する内容を有する仲裁裁定については 第 9 条の規定を準用する ( 第 16 条第 3 項 ) すなわち 地方公共団体の長は その裁定後十日以内に その裁定が条例に抵触しなくなるために必要な条例の改正又は廃止に係る議案を当該地方公共団体の議会に付議して その議決を求めなければならない 裁定は 条例の改正又は廃止がなければ 条例に抵触する限度において 効力を生じない 地方公共団体の長は 速やかに その裁定が規則その他の規程に抵触しなくなるために必要な規則その他の規程の改正又は廃止のための措置をとらなければならない 整理 上記のとおり 8