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生産性向上に関する経緯 平成 28 年 1 月 4 日 1 国土交通大臣会見 1 平成 28 年 3 月 7 日 1 国土交通省生産性革命本部 ( 第 1 回会合 ) 2 平成 28 年 4 月 11 日国土交通省生産性革命本部 ( 第 2 回会合 ) 平成 28 年 8 月 31 日国土交通省生産

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働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 基準高 ±50 法長 l l<5m -200 l 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 箇所

1(1). 労働力過剰を背景とした生産性の低迷 バブル崩壊後の投資の減少局面では 建設投資が労働者の減少をさらに上回って ほぼ一貫して労働力過剰となり 省力化につながる建設現場の生産性向上が見送られてきた 160 建設投資額および建設業就業者の増減 建設投資額がピークである平成 4 年を 100 と

ICT 活用工事の流れ 受注者 発注者 受注者 発注者 発注段階 発注 発注担当者 設計図書等の準備 積算 評価項目の設定 ( 総合評価落札方式の場合 ) 施工計画 準備段階 7.3 次元設計データの作成 3 次元設計データの作成 3 次元設計データの照査 監督事項 受注者による 3 次元設計データ

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5 H H H H 管理技術 (TS 出来形管理 ( 土工 )) 管理技術 (TS 施工技術 (TS 施工技術 (TS 土質形状が当初と違うものであった そのため 新たに設計データを作成し 土質の変化毎に TS による計測を実

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2.別紙-1 UAV等を用いた公共測量実施要領

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第 2 章測量業務標準歩掛 ( 参考資料 ) 第 2 章測量業務標準歩掛 ( 参考資料 ) 測量業務標準歩掛における, 各作業の直接人件費に対する機械経費, 通信運搬費等, 材料費の割合の構成を下表に示す なお, 下表に示す各資機材等の種類, は標準歩掛設定に用いた標準的なものであり, 契約ではない

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基礎編 1. はじめに 2. 情報化施工技術の動向 ( 一般化推進技術 ) 3. マシンコントロール / マシンガイダンス技術の概要 4. マシンコントロール / マシンガイダンス技術の構成例 5. 準拠する要領 基準等 適用工種 6. マシンコントロール / マシンガイダンス技術導入のメリット 7

資料-4 i-Constructionについて(7月版)

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Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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Ⅱ. 意見を交換するテーマ 1. 社会資本整備の進め方 (1) 公共事業予算の安定的 持続的な確保わが国経済は緩やかな回復基調にあるものの個人消費や民間投資は力強さを欠いており デフレからの完全脱却と安定的成長を実現する経済財政運営が 引き続き求められている 公共投資は内需を下支えするフローの経済効

マシンコントロール / マシンガイダンス技術の手引書 施工者用 平成 25 年 3 月

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018QMR 品質計画書作成規程161101

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はじめに 情報化施工は 情報通信技術の適用により高効率 高精度な施工を実現するものであり 工事施工中においては 施工管理データの連続的な取得を可能とするものである そのため 施工管理においては従来よりも多くの点で品質管理が可能となり これまで以上の品質確保が期待される 施工者においては 実施する施工

オープンイノベーションにより お客 様に最適なソリューションをご提案 日立建機 ICT施工の特長 ICT i-constructionが目指すもの ICT活用工事における起工測量から納品までの工程を 一貫してサポート お 客様のニーズに合わせ 各工程別のソリューション提案 関連機械 機器や ソフトウ

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目 次 Ⅰ. 下水道土木工事施工管理基準及び規格値 1. 目的 1 2. 適用 1 3. 構成 1 4. 管理の実施 1 5. 管理項目及び方法 2 6. 規格値 2 7. その他 2 表 -1 出来形管理基準及び規格値 ( 管渠工事 ) 3 表 -2 出来形管理基準及び規格値 ( 処理場 ポンプ場


土木工事書類スリム化ガイドの発行にあたり 関東地方整備局では 平成 20 年度の 土木工事書類作成マニュアル 策定を契機に 工事書類の簡素化に努めています また 平成 27 年度より 工事書類の提出方法を事前協議で明確にすることで 紙媒体の提出に加えて電子データを提出する二重提出の防止に向けて取り組

A B) km 1 0 0km 50km 50km (A)(B) 2,600 13,100 11,800 2,600 13,100 11,800 ( 2,476) (12,476) (11,238) 9,190 8,260 7,3

CAD事例集(大本組)

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

にしうすきひのがげちょう宮崎県西臼杵郡日之影町ふかすみきた 宮崎 218 号深角北地区改良工事 発注者 : 九州地方整備局延岡河川国道事務所受注者 : 日新興業 土工量 : 約 47,000m3 ICT の活用を積極的に取り入れ UAV による起工測量から GNSS 測量機器や MG 機械 GPRo

Trimble Business Center (出来形版) Ver.4.10 アップデート概要

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もっと女性が活躍できる建設業 推進パッケージ 建設業における女性活躍は 官民挙げた もっと女性が活躍できる建設業行動計画 ( 昨年 8 月策定 ) を受け 5 年以内に女性倍増 を目指して官民で様々な取組がスタート 昂じている機運を業界全体で持続 浸透させ取組を加速化するためには 地域ぐるみの活動の

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1 i-construction の実践 Contents 1. カナツ技建工業株式会社の紹介 2. i-construction への歩み 3. ICT 活用工事における試みと効果 4. ICT 活用の課題と今後の展開

( 対象工事等 ) 第 3 条 (1) 設計業務等は 全件実施とする ただし 建物調査及び工損調査 ( 以下 建物調査等とする ) や現場技術業務委託等については 試行とする (2) 土木工事の写真については 当初設計金額が1,000 万円以上のものは 実施とする また 当初設計金額が1,000 万

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平成 29 年度下期新潟市景況調査 ( 本報告 ) Ⅳ テーマ別調査結果 93

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基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

はじめに 情報化施工は 情報通信技術の適用により高効率 高精度な施工を実現するものであり 工事施工中においては 施工管理データの連続的な取得を可能とするものである そのため 施工管理においては従来よりも多くの点で品質管理が可能となり これまで以上の品質確保が期待される 施工者においては 実施する施工

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労働災害発生状況

建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

目次 1.CALS システム利用から完了までの流れ 2 2. 納品データの登録 書類の提出 決裁 納品物を作る 5 3. 納品情報の入力 案件基本情報 書類納品情報 写真 図面等の納品情報 電子納品媒体作成 一括

レーザースキャナーを用いた出来形管理要領 ( 土工編 ) 平成 28 年 3 月 国土交通省

別紙 1 提出書類一覧様式番号 様式 1 様式 2-1 様式 2-2 様式 3 様式 4 様式名 施工体制確認調査報告書積算内訳書内訳明細書工程計画配置予定技術者名簿 次に該当する場合は 様式 4を提出する必要はありません 一般競争入札の場合 ( 開札後に提出のある 配置予定技術者の資格 工事経歴報

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変更理由 備考 地区単価適用年月工期経費適用年月 ( 000 ) 県南 ( H3004 ) 平成 30 年 04 月自当初日数変更平成 30 年 04 月 至 至 当初金額 変更金額 設計 請負 業務価格消費税相当額業務価格消費税相当額 請負増減額 n0-00-V 狭山

過去 10 年間の業種別労働災害発生状況 ( 大垣労働基準監督署管内 ) 令和元年 4 月末現在年別 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 対前年比全産業 % (6

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施工への ICT の活用について (i-construction ~ICT 土工 ~) 国土交通省総合政策局 公共事業企画調整課 施工安全企画室長宮武一郎 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

本日の内容 1. i-constructionの背景 2. 建設機械と施工技術の変遷 3. i-construction(ict 土工 ) 4. 施工事例 5. 今後の展開 1

i-construction の背景 1 建設投資額がピークである平成 4 年を 100 とした場合の値 労働力過剰を背景とした生産性の低迷 バブル崩壊後の投資の減少局面では 建設投資が労働者の減少をさらに上回って ほぼ一貫して労働力過剰となり 省力化につながる建設現場の生産性向上が見送られてきた 160 建設投資額および建設業就業者の増減 140 120 100 建設就業者数のピーク 685 万人 (9 年平均 ) 27% 減 建設就業者数 500 万人 (27 年平均 ) 80 60 40 20 建設投資のピーク 84.0 兆円 (4 年度 ) 42% 減 H1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 建設業就業者 建設投資額 建設投資 48.5 兆円 (27 年度 ( 見込み )) 2

i-construction の背景 2 労働力過剰時代から労働力不足時代への変化 技能労働者約 340 万人のうち 今後 10 年間で約 110 万人が高齢化等により離職の可能性 若年者の入職が少ない (29 歳以下は全体の約 1 割 ) 2014 年度就業者年齢構成 60 歳以上 55~59 50~54 45~49 40~44 35~39 30~34 25~29 20~24 15~19 歳 技能労働者約 110 万人が離職の可能性 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 出典 :2015 年 ( 一社 ) 日本建設業連合会 再生と進化に向けて より作成 3

i-construction の背景 3 労働力過剰時代から労働力不足時代への変化 技能労働者等の推移 建設業就業者の高齢化の進行 建設業就業者 : 685 万人 (H9) 498 万人 (H22) 500 万人 (H27) 技術者 : 41 万人 (H9) 31 万人 (H22) 32 万人 (H27) 技能労働者 : 455 万人 (H9) 331 万人 (H22) 331 万人 (H27) 建設業就業者は 55 歳以上が約 34% 29 歳以下が約 11% と高齢化が進行し 次世代への技術承継が大きな課題 実数ベースでは 建設業就業者数のうち平成 26 年と比較して 55 歳以上が約 4 万人減少 29 歳以下は同程度 ( 平成 27 年 ) ( 万人 ) 800 700 600 500 400 300 200 100 0 その他販売従事者 640 655663 670685 管理的職業 事務従事者 662657 653 技術者 604619 588 22 22 27 26 27 29 29 31 26 25 24 24 24 632618 技能労働者 24 23 31 20 604 32 34 584 25 25 22 19 568559 33 32 19 552 24 118127 127 128 127 131133 34 17 537517 14 128 131 128126 35 34 14 498502503 124116 32 17 499 505 500 31 15 14 114 31 29 33 36 42 42 43 43 41 113107 29 13 43 29 42 42 107103 32 7 30 8 8 10 29 9 30 28 39 37 103 36 100 34 32 94 98 98 96 98 99 31 31 30 32 31 31 32 27 28 32 395 399408420433438442455434432432415 414 401385381 375 370358342 331 334335 338 341 331 H2 年 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27 出典 : 総務省 労働力調査 ( 暦年平均 ) を基に国土交通省で算出 ( 平成 23 年データは 東日本大震災の影響により推計値 ) (%) 37.0 35.0 33.0 31.0 29.0 27.0 25.0 23.0 21.0 19.0 17.0 15.0 13.0 11.0 17.9 18.4 16.8 全産業 (55 歳以上 ) 建設業 : 約 3 割が 55 歳以上 29.4 28.1 26.5 25.6 23.3 24.5 24.8 24.8 26.0 23.6 23.2 23.5 23.8 23.5 22.8 23.1 24.6 21.6 21.6 21.9 22.2 23.7 24.124.2 23.9 22.9 22.8 22.8 23.7 23.5 22.3 23.1 23.7 20.9 21.3 22.3 22.3 23.1 23.2 23.1 23.4 21.5 21.7 20.9 20.2 20.9 20.2 22 19.7 21.121.8 21.6 21.0 20.5 20.5 19.8 19.6 19.1 全産業 (29 歳以下 ) 建設業 :29 歳以下は約 1 割 17.7 16.1 15.5 15.0 30.2 33.6 33.1 34.27 34.26 33.8 32.2 32.5 32.8 31.3 27.9 27.0 19.4 18.6 13.8 13.0 12.8 28.2 28.4 28.528.6 28.728.86 29.2 18.3 17.8 17.5 17.3 16.7 16.6 16.4 16.2 11.6 11.8 11.1 10.2 10.7 10.8 9.0 H2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 ( 年 ) 出典 : 総務省 労働力調査 を基に国土交通省で算出 4

i-construction の背景 4 安定的な経営環境 (1) 我が国の今年度の建設投資額の見通しは 前年度と同程度の約 48 兆円 これは ピークだった平成 4 年度の約 84 兆円の約 6 割の水準 ( 兆円 ) 90 建設投資のピーク 84 兆円 (H4) 80 70 60 民間投資額 ( 兆円 ) 政府投資額 ( 兆円 ) 52 リーマンショック 48 兆円 (H27) 50 40 30 20 10 32 28 20 0 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 出典 :2015 年国土交通省建設投資見通し注投資額については平成 24 年度まで実績 25 年度 26 年度は見込み 27 年度は見通し ( 年度 ) 5

i-construction の背景 5 安定的な経営環境 (2) 14.9 15 ( 兆円 ) 10 5 10.5 ( 補 0.8 正 ) 9.7 ( 当初 ) 5.9 9.0 12.2 11.5 11.4 2.8 2.1 1.9 9.4 9.4 9.4 10.0 1.6 8.4 8.9 8.3 0.2 1.1 8.1 7.8 8.0 0.5 7.5 7.8 7.4 7.5 0.6 0.5 0.8 7.2 6.9 6.7 減額補正 ( 執行停止分 ) 9.5 8.8 1.7 7.1 社会資本整備事業特別会計の廃止に伴う経理上の変更分 (6,167 億円 ) を含む 6.4 0.6 5.8 5.3 0.3 5.0 7.0 6.6 6.3 6.4 0.3 0.6 2.4 1.0 6.0 6.0 6.0 5.3 4.6 0 平成 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 ( 年度 ) 本表は 予算ベースである 平成 21 年度は 平成 20 年度で特別会計に直入されていた 地方道路整備臨時交付金 相当額(0.7 兆円 ) が一般会計計上に切り替わったため 見かけ上は前年度よりも増加 (+5.0%) しているが この特殊要因を除けば6.4 兆円 ( 5.2%) である 平成 23 年度及び平成 24 年度については同年度に地域自主戦略交付金へ移行した額を含まない 平成 25 年度は東日本大震災復興特別会計繰入れ (356 億円 ) 及び国有林野特別会計の一般会計化に伴い計上されることとなった直轄事業負担金 (29 億円 ) を含む また これら及び地域自主戦略交付金の廃止という特殊要因を考慮すれば 対前年度 +182 億円 (+0.3%) である 平成 23~28 年度において 東日本大震災の被災地の復旧 復興や全国的な防災 減災等のための公共事業関係予算を計上しており その額は以下の通りである H23 一次補正 :1.2 兆円 H23 三次補正 :1.3 兆円 H24 当初 :0.7 兆円 H24 一次補正 :0.01 兆円 H25 当初 :0.8 兆円 H25 一次補正 :0.1 兆円 H26 当初 :0.9 兆円 H26 補正 :0.002 兆円 H27 当初 :1.0 兆円 H28 当初 :0.9 兆円 ( 平成 23 年度 3 次補正までは一般会計ベース 平成 24 年度当初以降は東日本大震災復興特別会計ベース また このほか東日本大震災復興交付金がある ) 平成 26 年度については 社会資本整備事業特別会計の廃止に伴う経理上の変更分 ( これまで同特別会計に計上されていた地方公共団体の直轄事業負担金等を一般会計に計上 ) を除いた額 (5.4 兆円 ) と 前年度 ( 東日本大震災復興特別会計繰入れ (356 億円 ) を除く ) を比較すると 前年度比 +1,022 億円 (+1.9%) である なお 消費税率引き上げの影響を除けば ほぼ横ばいの水準である 6

i-construction の背景 6 生産性向上の絶好のチャンス (1) 生産性向上が遅れている土工等の建設現場建設業は対米国比で 8 割程度 縦軸 : 労働生産水準 ( 米国 =100) (2003 年から 2006 年の平均 ) 150 100 128.7 120.2 93.2 88.7 20 40 60 80 (%) 84.7 80.4 50 58.6 53.5 52.5 45.7 42.9 26.8 0 一般機械 化学 金属 金融 保険 輸送用機器 備考 : 製造業は赤 非製造業は青で色づけしている 資料 :EU KLEMS から作成 建設 電気機器 電気 ガス 水道 その他製造業 運輸 倉庫 卸売 小売 飲食 宿泊 横軸 : 付加価値シェア (2003 年から 2006 年の平均 ) 我が国の産業別の労働生産性水準 ( 対米国比 米国 =100)( 出典 : 通商白書 2013) 7

( 人日 /1000m2) ( 人日 /100m3) ( 人日 /m) i-construction の背景 7 生産性向上の絶好のチャンス (2) トンネルなどは 約 50 年間で生産性を最大 10 倍に向上 一方 土工やコンクリート工などは 改善の余地が残っている ( 土工とコンクリート工で直轄工事の全技能労働者の約 4 割が占める ) トンネル工事 60 40 20 0 土工 トンネル 1m あたりに要する作業員数 58 矢板工法 1000m 2 あたりに要する作業員数 20 15 10 5 0 16 S59 年度 東海道新幹線 (S30 年代 ) 13 H24 年度 生産性 10 倍 6 近年の新幹線 (H22 年度 ) NATM 工法 出典 : 日本建設業連合会建設イノベーション コンクリート工 100m 3 あたりに要する作業員数 生産性横ばい生産性横ばい 20 15 10 5 0 12 11 S59 年度 H24 年度 標準歩掛より算出 機械土工 舗装関連 及び 現場打ちコンクリート関連 で全体の約 40% その他, 30% 地盤改良関連, 2% 橋梁架設関連, 3% 仮設関連, 3% 土砂等運搬関連, 5% NATM 関連, 7% 機械土工 舗装関連 22% 現場打ちコンクリート関連 16% 工場製作 運搬 据付関連, 12% H24 国土交通省発注工事実績 8

建設機械と施工技術の変遷 9

建設機械と施工技術の変遷 1 10

建設機械と施工技術の変遷 2 11

建設機械と施工技術の変遷 3 従来 排土板を操作 ( 熟練技術が必要 ) 目視で確認 繰り返し作業 1cm 高い 丁張り設置 補助員 ( 施工後のチェック ) 情報化施工 受光器 AUTO -0.05 排土板を測定排土板を測定 排土板 トータルステーション 丁張り不要 自動制御 高精度 チェック不要 12

建設機械と施工技術の変遷 4( 情報化施工 1) 従来 排土板を操作 ( 熟練技術が必要 ) 目視で確認 繰り返し作業 1cm 高い 丁張り設置 補助員 ( 施工後のチェック ) 情報化施工 受光器 AUTO -0.05 排土板を測定排土板を測定 排土板 トータルステーション 丁張り不要 自動制御 高精度 チェック不要 13

建設機械と施工技術の変遷 5( 情報化施工 2) 情報化施工の役割等 ICT を用いて建設機械の自動化を図る機能, 役割 施工で得られる精緻で質のよい情報を技術者に提供し的確な判断を引き出すという技術者判断の支援の役割 1 マシンコントロール (MC) 技術 2 マシンガイダンス (MG) 技術 TS や GNSS により機械の位置を取得し 施工箇所の設計データ ( 施工目標 ) と建設機械の排土板等 ( 写真の場合 グレーダのブレード ) の位置 ( 施工状況 ) の差分に基づき 排土板等の高さ 勾配を自動制御する TS や GNSS により機械の位置を取得し 施工箇所の設計データ ( 施工目標 ) と建設機械の排土板等 ( 写真の場合 バックホウのバケット ) の位置 ( 施工状況 ) との差分を運転席モニタへ提供する 3TS による出来形管理技術 4 TS/GNSS による締固め管理技術 設計データを搭載した TS を用いて出来形計測を行い 自動で設計データと出来形データとの差分を算出するまた 自動で出来形管理帳票を作成する TS や GNSS により締固め機械の位置を取得し 走行軌跡や締固め回数をリアルタイムに運転席モニタへ提供する 14

建設機械と施工技術の変遷 6(i-Construction(ICT 土工 )) 1 ドローン等による 3 次元測量 23 次元測量データによる設計 施工計画 3 次元測量データ ( 現況地形 ) と設計図面との差分から 施工量 ( 切り土 盛り土量 ) を自動算出 3ICT 建設機械による施工 3 次元設計データ等により ICT 建設機械を自動制御し 建設現場の IoT ( ) を実施 4 検査の省力化 ドローン等による 3 次元測量を活用した検査等により 出来形の書類が不要となり 検査項目が半減 ドローン等による写真測量等により 短時間で面的 ( 高密度 ) な 3 次元測量を実施 3 次元設計データ等を通信 OK IoT(Internet of Things) とは 様々なモノにセンサーなどが付され ネットワークにつながる状態のこと 発注者 i-construction 測量 設計 施工計画 施工 検査 これまでの情報化施工の部分的試行 1 2 3 4 3 次元データ作成 重機の日当たり施工量約 1.5 倍 作業員約 1/3 2 次元データ作成 従来方法 測量 設計 施工計画 施工 検査 平面図 縦断図 測量の実施 横断図設計図から施工土量を算出 設計図に合わせ丁張り設置 丁張りに合わせて施工 検測と施工を繰り返して整形 書類による検査 15

i-construction(ict 土工 ) 16

i-construction(ict 土工 )( 概要 ) 今こそ生産性向上のチャンス 労働力過剰を背景とした生産性の低迷 バブル崩壊後 建設投資が労働者の減少を上回って ほぼ一貫して労働力過剰となり 省力化につながる建設現場の生産性向上が見送られてきた 生産性向上が遅れている土工等の建設現場 ダムやトンネルなどは 約 30 年間で生産性を最大 10 倍に向上 一方 土工やコンクリート工などは 改善の余地が残っている ( 土工とコンクリート工で直轄工事の全技能労働者の約 4 割が占める )( 生産性は 対米比で約 8 割 ) 依然として多い建設現場の労働災害 全産業と比べて 2 倍の死傷事故率 ( 年間労働者の約 0.5%( 全産業約 0.25%)) 予想される労働力不足 技能労働者約 340 万人のうち 約 110 万人の高齢者が 10 年間で離職の予想 労働力過剰時代から労働力不足時代への変化が起こると予想されている 建設業界の世間からの評価が回復および安定的な経営環境が実現し始めている今こそ 抜本的な生産性向上に取り組む大きなチャンス プロセス全体の最適化 ICT 技術の全面的な活用 調査 設計から施工 検査 さらには維持管理 更新までの全てのプロセスにおいて ICT 技術を導入 規格の標準化 寸法等の規格の標準化された部材の拡大 施工時期の平準化 2 ヶ年国債の適正な設定等により 年間を通じた工事件数の平準化 プロセス全体の最適化へ 従来 : 施工段階の一部今後 : 調査 設計から施工 検査 さらには維持管理 更新まで i-construction の目指すもの 一人一人の生産性を向上させ 企業の経営環境を改善 建設現場に携わる人の賃金の水準の向上を図るなど魅力ある建設現場に 死亡事故ゼロを目指し 安全性が飛躍的に向上 17

i-construction(ict 土工 )( トップランナー施策 ) 18 (1) トップランナー施策 1ICTの全面的な活用 (ICT 土工 ) 2 全体最適の導入 ( コンクリート工の規格の標準化等 ) 3 施工時期の平準化 (2) トップランナー施策から全ての建設現場へ トップランナー施策の知見などを踏まえ ICT の全面的な活用では 土工以外の浚渫工等へ拡大する等 全ての建設現場で i-construction の取組を浸透

i-construction(ict 土工 ) 再掲 1 ドローン等による 3 次元測量 23 次元測量データによる設計 施工計画 3 次元測量データ ( 現況地形 ) と設計図面との差分から 施工量 ( 切り土 盛り土量 ) を自動算出 3ICT 建設機械による施工 3 次元設計データ等により ICT 建設機械を自動制御し 建設現場の IoT ( ) を実施 4 検査の省力化 ドローン等による 3 次元測量を活用した検査等により 出来形の書類が不要となり 検査項目が半減 ドローン等による写真測量等により 短時間で面的 ( 高密度 ) な 3 次元測量を実施 3 次元設計データ等を通信 OK IoT(Internet of Things) とは 様々なモノにセンサーなどが付され ネットワークにつながる状態のこと 発注者 i-construction これまでの情報化施工の部分的試行 測量 1 設計 施工計画 2 3 次元データ作成 施工 3 重機の日当たり施工量約 1.5 倍 作業員約 1/3 2 次元データ作成 検査 4 従来方法 測量 設計 施工計画 施工 検査 平面図 縦断図 測量の実施 横断図設計図から施工土量を算出 設計図に合わせ丁張り設置 丁張りに合わせて施工 検測と施工を繰り返して整形 書類による検査 19

i-construction(ict 土工 )( 課題と取り組むべき事項 ) 20 (1)ICT の全面的な活用にあたっての課題 1 監督 検査基準等の未整備 2ICT 建機の普及が不十分 (2) 直ちに取り組むべき事項 1 新基準の導入 2ICT 土工に必要な企業の設備投資に関する支援 3ICT 土工に対応できる技術者 技能労働者の拡大 4 技術開発等

i-construction(ict 土工 )( 新基準の導入 1) 調査 測量 設計 施工 検査 維持管理 更新のあらゆる建設生産プロセスにおいて ICT 技術を全面的に導入するため 3 次元データを一貫して使用できるよう 15 の新基準を整備 調査 測量 設計 施工 検査 維持管理 更新 測量成果 UAV を用いた測量マニュアルの策定 ( 従来 ) 発注のための施工量の算出 土木工事数量算出要領 ( 案 ) の改訂 ( 従来 ) 平均断面法により施工土量を算出 検査方法 監督 検査要領 ( 土工編 )( 案 ) 等の策定 ( 従来 ) L( 断面間距離 ) 中心線形 ( 改訂後 ) (2 次元の平面図 ) ( 改訂後 ) V=(A1+A2) 2 L 3 次元測量点群データ ( 現況地形 ) と設計図面との差分から 施工量 ( 切り土 盛り土量 ) を自動算出 ( 改訂後 ) 施工延長 200m につき 1 ヶ所検査 (3 次元測量点群データ ) GNSS ローバー 現地検査は TS や GNSS ローバーを活用 21

i-construction(ict 土工 )( 新基準の導入 2) UAV を用いて撮影した空中写真から 3 次元点群データを作成するための標準的な手法を定めた測量マニュアルを作成 1UAV を用いた写真測量を公共測量へ導入 狭い範囲の図面向け 従来の測量機器や GNSS を利用した現地測量 UAV を用いた写真測量 広い範囲の図面向け 有人航空機を利用した空中写真測量 UAVの安全な飛行を確保するための安全基準 ( 案 ) の公表もあわせて実施 レーザ測量等に加え ドローンによる 3 次元測量も可能に 2 公共測量の成果に UAV 写真による 3 次元点群データを追加 従来の2 次元図面詳細な3 次元点群データ 導入効果 : 小回りがきく UAV や 3 次元化の自動ソフトの導入により 短時間で効率的に 3 次元点群データが作成可能 22

i-construction(ict 土工 )( 新基準の導入 3) 3 次元計測により計測された 3 次元点群データによる効率的な出来形管理を導入 従来 既存の出来形管理基準では 代表管理断面において高さ 幅 長さを測定し評価 H < 例 : 道路土工 ( 盛土工 )> 測定基準 : 測定 評価は施工延長 40m 毎規格値 : 基準高 (H):±5cm 法長 (l):-10cm 幅 (w):-10cm i-construction UAV の写真測量等で得られる 3 次元点群データからなる面的な竣工形状で評価 法面 小段 法面 平場 点群テ ータ 1m2 に 1 点以上 従来と同等の出来形品質を確保できる面的な測定基準 規格値を設定 < 例 : 道路土工 ( 盛土工 )> 測定基準 : 測定密度は1 点 /m 2 以上 評価は平均値と全測点 規格値 : 設計面との標高較差 ( 設計面との離れ ) 平場 平均値 :±5cm 全測点 :±15cm 法面 平均値 :±8cm 全測点 :±19cm 法面には小段含む 23

i-construction(ict 土工 )( 新基準の導入 4) 名称新規改訂本文参照先 (URL) 調査 測量 設計 1 UAV を用いた公共測量マニュアル ( 案 ) 2 電子納品要領 ( 工事及び設計 ) 3 3 次元設計データ交換標準 ( 同運用ガイドラインを含む ) http://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/uav/in dex.html http://www.cals-ed.go.jp/cri_point/ http://www.cals-ed.go.jp/cri_guideline/ http://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bunya/cals/de s.html 4 ICT の全面的な活用 (ICT 土工 ) の推進に関する実施方針 http://www.mlit.go.jp/common/001124407.pdf 施工 5 土木工事施工管理基準 ( 案 )( 出来形管理基準及び規格値 ) 6 土木工事数量算出要領 ( 案 )( 施工履歴データによる土工の出来高算出要領 ( 案 ) を含む ) 7 土木工事共通仕様書施工管理関係書類 ( 帳票 : 出来形合否判定総括表 ) http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou/pdf/ 280330kouji_sekoukanrikijun01.pdf http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/theme/theme2 /sr/suryo.htm http://www.mlit.go.jp/common/001124406.pdf http://www.nilim.go.jp/japanese/standard/form /index.html 8 空中写真測量 ( 無人航空機 ) を用いた出来形管理要領 ( 土工編 )( 案 ) http://www.mlit.go.jp/common/001124402.pdf 9 レーザースキャナーを用いた出来形管理要領 ( 土工編 )( 案 ) http://www.mlit.go.jp/common/001124404.pdf 10 地方整備局土木工事検査技術基準 ( 案 ) http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou.html 11 既済部分検査技術基準 ( 案 ) 及び同解説 http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou.html 検査 12 部分払における出来高取扱方法 ( 案 ) http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou.html 13 空中写真測量 ( 無人航空機 ) を用いた出来形管理の監督 検査要領 ( 土工編 )( 案 ) http://www.mlit.go.jp/common/001124403.pdf 14 レーザースキャナーを用いた出来形管理の監督 検査要領 ( 土工編 )( 案 ) http://www.mlit.go.jp/common/001124405.pdf 15 工事成績評定要領の運用について http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou.html 積算基準 ICT 活用工事積算要領 http://www.mlit.go.jp/common/001124408.pdf 24

i-construction(ict 土工 )( 新たな積算基準 ) ICT 建機の普及に向け ICT 建機のリース料などに関する新たな積算基準を策定 既存の施工パッケージ型の積算基準を ICT 活用工事用に係数等で補正する積算基準 施工パッケージ型とは 直接工事費について施工単位ごとに機械経費 労務費 材料費を含んだ施工パッケージ単価を設定し積算する方式です 新たな積算基準のポイント 路体 ( 築堤 ) 盛土 (15,000m 3 ) の場合の試算 1 対象工種 土工 ( 掘削 路体 ( 築堤 ) 盛土 路床盛土 ) 法面整形工 ( 従来施工 ) 機械経費 労務費 その他経費 2 新たに追加等する項目 ICT 建機のリース料 ( 従来建機からの増分 ) ICT 建機の初期導入経費 ( 導入指導等経費を当面追加 ) 3 従来施工から変化する項目 補助労務の省力化に伴う減 効率化に伴う日当たり施工量の増 (i-construction 導入時 ) ( 将来 ) ICT 建機の導入による増 ICT 建機の普及による減 ICT 建機の投資に見合う積算基準を導入 省力化による減 従来施工の 1.1 倍程度 比較用の試算のため 盛土工のみで試算しています 実際の工事では ICT 建機で行わない土砂の運搬工等の工種を追加して工事発注がなされます 25

i-construction(ict 土工 )( 人材育成 ) ICT に対応できる技術者 技能労働者の育成 監督 検査職員の育成を目的に 全ての都道府県で講習 実習を実施 これまでに全国で 13,000 人が参加 1. 施工業者向け講習 実習 2. 発注者 ( 自治体等 ) 向け講習 実習 目的 :ICT に対応できる技術者 技能労働者育成 3 次元データの作成実習又は実演 UAV 等を用いた測量の実演 公共測量マニュアルや監督 検査などの 15 基準の説明 ICT 建機による施工実演 目的 :1i-Construction の普及 2 監督 検査職員の育成 GNSS ローバ等を用いた検査の実地研修 公共測量マニュアルや監督 検査などの 15 基準の説明など 講習 実習の開催箇所は順次拡大予定 平成 28 年 7 月末時点 施工業者 発注者の両方を対象とする講習 実習は 1 箇所として計上 講習 実習開催予定箇所数 施工業者向け発注者 ( 自治体等 ) 向け合計 全国 159 箇所 ( うち 101 箇所開催済 ) 全国 209 箇所 ( うち 142 箇所開催済 ) 全国 266 箇所 ( うち 174 箇所開催済 ) 施工業者向け講習 実習 発注者 ( 自治体等 ) 向け講習 実習ともに 年内に全国 47 都道府県を対象に開催予定 26

i-construction(ict 土工 )( 平成 28 年度の対応 1) ICT の全面的な活用 (ICT 土工 ) については 大企業を対象とする工事では ICT 活用施工を標準化し 地域企業を対象とする工事では 手上げ方式 ( 施工者からの提案 ) から順次標準化 ICT 活用施工とは 下記に示す施工プロセスの各段階において ICT を全面的に活用する工事 1 3 次元起工測量 2 3 次元設計データ作成 3 ICT 建設機械による施工 4 3 次元出来形管理等の施工管理 5 3 次元データの納品 27

i-construction(ict 土工 )( 平成 28 年度の対応 2) ~ 土工工事の全てを ICT 活用施工対応工事へ ~ 基本的考え方 大企業を対象とする工事では ICT 活用施工を標準化地域企業を対象とする工事では 手上げ方式 ( 施工者からの提案 ) から順次標準化 1.3 つの方式で実施 1 発注者指定型 :ICT 活用施工を前提として発注 2 施工者希望 Ⅰ 型 : 総合評価において ICT 活用施工を加点評価 3 施工者希望 Ⅱ 型 : 契約後 施工者からの提案 協議を経て ICT 活用施工を実施 2. 新設する ICT 活用工事積算を適用 施工者希望 Ⅰ Ⅱ 型は 施工者からの提案 協議を経て設計変更により適用 3.ICT 活用施工を工事成績評定において評価 発注方式のイメージ 当初 1 発注者指定型 2 施工者希望 Ⅰ 型 ( 総合評価加点方式 ) 3 施工者希望 Ⅱ 型 ( 契約後提案方式 ) 2 3 については ICT 活用施工の普及状況も踏まえながら運用 順次拡大大工事規模 ICT 活用施工とは 建設生産プロセスにおいて ICTを全面的に活用し 3 次元起工測量 3 次元設計データ作成 ICT 建設機械による施工 3 次元出来形管理等の施工管理 3 次元データの納品 を行うものをいう 小 28 起工測量とは 工事の着手前に行う 着手前の現場形状を把握するための測量です

i-construction(ict 土工 )( 平成 28 年度の対応 3) 平成 28 年度の ICT 土工の発注方針 予定価 3 億円以上の大規模な工事は ICT 土工の実施を指定し発注 ( 発注者指定型 ) 3 億円未満で土工量 20,000m 3 以上の工事は入札時に総合評価で加点 ( 施工者希望 Ⅰ 型 ) 規模に関わらず 受注者の提案 協議により ICT 土工を実施可能 ( 施工者希望 Ⅱ 型等 ) 全ての ICT 土工において ICT 建機等の活用に必要な費用を計上 (ICT 活用工事積算要領を適用 ) し 工事成績評点で加点評価 地域の状況によっては上記によらない場合がある 平成 28 年度 ICT 土工の発注見通し 9/20 時点 発注者指定型施工者希望 Ⅰ 型施工者希望 Ⅱ 型合計 公告済み 41 172 443 656 うち契約済み 11 82 222 315 うち ICT 土工を実施 11 46 56 113 年間公告件数 ( 予定含む ) 約 50 約 200 約 490 約 740 その他 受注者の提案 協議により ICT 土工を実施 (69 件 ) 29

i-construction(ict 土工 )( 平成 28 年度の対応 4) i-construction の第 1 号工事がスタート! 北海道および北陸において i-construction 対応型工事 ( 以下 ICT 土工 ) の第 1 号が開始 ICT 土工の第 1 号工事がスタート 北海道開発局 ( 道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事 ) 及び北陸地方整備局 ( 宮古弱小堤防対策工事 ) において ICT 土工の第 1 号工事がスタート それぞれの工事で UAV( ドローン ) による施工前の測量が行われ この測量結果や設計の 3 次元データを用いて ICT 建機による土工を開始 道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事 UAV による施工前の測量開始 :5/10 ICT 建機による土工開始 :6/3 宮古弱小堤防対策工事 UAV による施工前の測量開始 :5/23 ICT 建機による土工開始 :6/1 30

i-construction(ict 土工 )( 平成 28 年度の対応 5) 31 道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事 北海道開発局 宮古弱小堤防対策工事 北陸地整 UAV( ドローン ) による施工前の測量 (5 月 10 日撮影 ) ICT バックホウによる表土剥ぎ取り (6 月 8 日撮影 ) ICT ブルドーザによる敷均 (6 月 7 日撮影 ) モニターによる施工状況の確認 (6 月 8 日撮影 ) 現場の声 UAV 使用により起工測量の日数が約 1 週間から 1 日に短縮できた ICT 建機の活用で経験の浅いオペレーターでも精度よく施工ができる 埋設物がある場合でもモニターに表示され 安心して施工できる

施工事例 32

施工事例 ( 工事概要 ) いずみさと道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事工期 : 平成 28 年 4 月 5 日 ~ 平成 29 年 2 月 15 日 ( 余裕工期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ~ 平成 28 年 4 月 4 日 ) 工事内容 : 工事延長 L=480m 掘削工 V=1,400m3 載荷盛土 V=54,600m3 固結工 V=2,000m3 軽量盛土 V=300m3 場所打函渠工 L=14m プレキャスト側溝 L=200m 既製杭 N=20 本 橋台躯体工 N=1 基 受注業者 : ( 株 ) 砂子組 ICT 土工に関する体制 : UAV 測量 点群データ処理 (~TIN 作成まで )( 外注 ) 3 次元設計データ作成 出来形管理 ( 自社企画営業部 ICT 施工推進室 ) ICT 建機 ( レンタル ICT 支援サービス付帯 ) ICT 土工の施工 ( 自社 ) 33

施工事例 (ICT 土工フローチャート ) ICT 土工の流れ 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 2.3 次元設計データ作成 2.3 次元設計データ作成フローチャート 3.ICT 建設機械による施工フローチャート 3. ICT 建設機械による施工 4.3 次元出来形管理等の施工管理 (UAV 測量 ) フローチャート 4.3 次元出来形管理等の施工管理 (UAV 測量 ) 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 34

施工事例 (3 次元起工測量 (UAV 測量 )1) 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 作業計画作成 UAV 測量に当たり 施工範囲 ( 平面図 ) と現地踏査を基に 撮影箇所周辺の建造物 交通状況 電線及び高圧線の設置箇所 施工範囲または撮影範囲の確認及び作業計画を作成する (UAV 測量面積約 81,000m2) ( 撮影範囲は 土工の実施工範囲だけでなく 前後区間や周囲の用地境界等 やや広めの計画としている ) 35

施工事例 (3 次元起工測量 (UAV 測量 )2) 36 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 機械設備等の老朽化対策 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 標定点配置 対空標識設置 標定点を施工範囲を参考に撮影範囲を取り囲むように配置し GNSS 測量機器を用いて標定点上に対空標識を設置する 飛行計画作成 標定点配置計画を基に UAV の飛行経路を計画し タブレットに入力する 飛行前に現地踏査を行い経路付近の建造物等を再確認し 必要に応じて計画修正する 標定点 : 空中三角測量に必要となる水平位置及び標高の基準となる点対空標識 : 標定点の写真座標を測定するため 標定点に設置する一時標識 番号は飛行経路起点からの対空標識割付番号 ( 赤点 : 外周線形変化点 ) ( 緑点 : 飛行経路折り返し点 )

施工事例 3次元起工測量 UAV測量 ③ 1 3次元起工測量 UAV測量 フローチャート 飛行 撮影 点 群写 デ真 ー合 タ成 作 成 点 群 デ ー タ 処 理 飛行は タブレットに入力した飛行経路 に従って自動航行される 操縦者は離 着陸のみ操作し 飛行中は監視者 機 体監視 保安員 飛行経路逸脱時対 処 が立ち会う 撮影はラップ範囲を設け 隙間なくデー タを採取するため 測量範囲を折り返し ながら連続撮影する ドローン空撮状況 5月10日撮影 使用したドローン 対空標識 空撮写真ラップイメージ 37

施工事例 (3 次元起工測量 (UAV 測量 )4) 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 写真合成 点群データ作成 写真測量ソフトウェアを使用して UAV により撮影された空中写真 標定点座標 カメラキャリブレーションデータから ステレオモデルを構築し 地形 地物等の 3 次元座標値を持つ点群データを取得する 計測点群データ ( 現況 ) 38

施工事例 (3 次元起工測量 (UAV 測量 )5) 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 点群データ処理 ( ノイズ除去 ) 取得した点群データには 草木等による不要点 ( ノイズ ) が発生するため 点群処理ソフトウェアを用いてノイズを除去する 計測点群データの 3 次元的鳥瞰図を見ながら対象範囲外データを目視確認 選択削除するのが一般的 既設橋台や電柱 仮設物 盛土上の人 沈下板 草木 点群データ ( ノイズ除去前 ) データ点数約 13 百万点 点群データ ( ノイズ除去後 ) データ点数約 12.5 百万点 39 4

施工事例 (3 次元起工測量 (UAV 測量 )6) 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 点群データ処理 ( 間引き ) 全計測点群データを用いるとデータ処理負荷が著しく高くなるため 代表点を抽出して点群密度を減らす ( 出来形計測データ ) 0.01m2 あたり 1 点以上 ( 数量算出用起工測量計測データ ) 0.25m2 あたり 1 点以上 点群データ (10cm 間引き ) データ点数約 1.4 百万点 点群データ (50cm 間引き ) データ点数約 0.4 百万点 ( 背景の黒が目立つ ) 40 4

施工事例 (3 次元起工測量 (UAV 測量 )7) 1.3 次元起工測量 (UAV 測量 ) フローチャート 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 面データ (TIN データ ) の作成 計測点群データの不要点削除や間引き処理が終了した点群を対象に TIN( 不等三角網 ) を配置し 地形や岩区分境界あるいは出来形の面データを作成する ソフトウェアによる自動配置の TIN が現地出来形形状と異なる場合は 手動で TIN の結合方法を変更できる 点群データ (50cm 間引き ) TIN データ TIN データ ( 標高ヒートマップ ) TIN( 三角形の面 ) で構成されている TIN データ ( 拡大イメージ ) 41

施工事例 (3 次元設計データ作成 1) 2.3 次元設計データ作成フローチャート 3 次元設計データ作成ソフトウェアによる 3D 形状データ作成 工事受注時に受領した設計図書 ( 平面図 縦断図 横断図 ) より 施工箇所の平面線形 縦断勾配 横断勾配を 3 次元設計データ作成ソフトウェアに入力し 当該施工対象の 3D 形状データを作成する (20m 毎横断図間のデータ補完が必要 ) さらに面データ (TIN データ ) に変換する ( 本事例工事では 施工管理システムソフトウェアに付属の測量ソフトウェアで 3D 形状モデル ( スケルトンモデル ) を作成し 3DCAD ソフトウェアでサーフェスモデル (TIN) に変換 なお 横断図の補完は 2.5m 毎 ( 法面バケット幅 2.0m を考慮 ) 中心線と 20m 横断からスケルトンモデルを作成し 施工幅に併せて横断 (2~5m 毎など ) を補完してサーフェスモデ (TIN) にしたもの ( 設計データ ) 施工管理システムソフトウェア デキスパート に付属の測量ソフトウェア 現場大将 を使用した 3D 形状モデル作成例 設計データを標高毎に着色したもの ( 受注者が高さをつかむために独自に作成したもの ) 42

施工事例 (3 次元設計データ作成 2) 43 2.3 次元設計データ作成フローチャート 設計 地形データ結合 3 次元設計データ作成ソフトウェアで 3D 形状データ ( 設計データ ) と UAV 測量データ ( 地形データ ) を重ね合わせ 3D モデルとして完成させる ( 本工事では 直近の橋台も施工対象であったため 3 次元データ化して結合し 現場メンバーで位置関係等のイメージを共有した ) 設計データ 橋台も 2 次元設計データから 3 次元化し 盛土との位置関係を図示化 点群データに写真の色を持たせた地形データ

施工事例 (3 次元設計データ作成 3) 2.3 次元設計データ作成フローチャート 建機転送データの作成 設計データを ICT 建機登録用できる形式にデータ変換し ICT 建機に登録する 例えば 完成面の設計データに対して ICT ブルドーザの 3D 施工のために敷均し厚さ毎の層状データを追加作成する等が必要となる 完成した 3 次元設計データの ICT 建機への転送には 建機メーカーのサポートサービス等が活用できる場合がある 下記は ICT ブルドーザに入力する 3D 施工データの例である 敷均し厚さ毎に 30 層分 (1 層 30cm) のデータを施工時の排水勾配などを考慮して作成している 建機によっては 3DCAD で作成したデータをそのまま建機に入力できるものもある このデータの一番外側が設計データである ( 建機メーカーによるデータ登録サービスの例 ) 44

施工事例 (ICT 建設機械による施工 1) 3.ICT 建設機械による施工フローチャート ICT 建機の初期設定 ICT 建機を現地搬入後 建機への位置情報が必要となるため 現場内の基準点を利用して建機刃先への座標及び標高を設定する ICT 建機に登録された施工データは 建機内モニタにて確認できる 該当施工箇所を設定することにより モニタに設計データが表示される オペレータは表示されたデータに相違がないかを確認して 施工を行う (ICTブルドーザのモニタ画面の例) (ICTバックホウのモニタ画面の例) 建機メーカカタログから引用 45

施工事例 (ICT 建設機械による施工 2) 3.ICT 建設機械による施工フローチャート ICT 建機による施工 ICT 建機のブルドーザやバックホウを現地搬入し MG( マシンガイダンス ) や MC( マシンコントロール ) 機能を用いて 現地施工を行う ( 本工事では MC ブルドーザとセミオート MC バックホウを投入 バックホウは盛土時に MG 法面整形時に MC ( 過堀防止等バケット位置が制御される ) として使用 ) 仕上がり面 ICT 建機のブルドーザの液晶画面 画面左下に 0.182m は仕上がり面に対して 0.182m 下げる MC( マシンコントロール ) の場合は オペレータは前後進のみの操作で ブレードは自動で上下する ICT 建機による施工 ( ブルドーザとバックホウ ) 6 月 7 日撮影 ICT 建機のバックホウの液晶画面 画面左したに 0.683m は仕上がり面に対して 0.683m 上げる ( 盛土作業のため仕上がり面が原位置より上になっている ) 46

施工事例 (3 次元出来形管理等の施工管理 UAV 測量 ) 4.3 次元出来形管理等の施工管理 (UAV 測量 ) フローチャート ( 起工測量時と同様の工程 ) 点群写デ真ー合タ成作成 点群データ処理 出来形管理用データ 事前の地形データが空中写真測量 (UA V) 等で計測されており 契約条件として認められている場合は 空中写真測量 (U AV) による出来形計測結果を用いて 出来形数量の算出を行うことができる 数量計算方法については 監督職員と協議を行う 標準とする体積算出方法には 点高法 TIN 分割等を用いた求積 プリズモイダル法がある それぞれの手法により算出した数量には多少の誤差がでる ( 測定密度は 1m2 に 1 点以上 ) 出来形検査前に付き 参考として点高法による数量算出例を提示 (3D 測量データと 3D 設計データの差分による盛土量自動算出 ) 47

施工事例 (ICT 土工の効果検証 ) 道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事における ICT 土工の効果 出来形については見込み 工事延長 L=480m( 盛土 V=54,600m3) UAV 測量により 起工測量 + 出来形とりまとめ日数が約半減 (12 日 6 日 ) 丁張り設置作業や盛土施工中の測量作業が必要なく 重機施工範囲内に作業者がいないこと ICT 建機による操作負担軽減等により 重機の稼働効率が向上 日当たり作業量が増加 (940m3/ 日 1,100m3/ 日 ) 土工全体で 14 日作業短縮 約 20% 効率化 従来型施工 起工測量 縦横断測量 (3 日 ) 内業 ( 測量成果まとめ 4 日 ) 通常建機による施工 丁張り等設置 高さ確認等 通常建機による土工(940m3/ 日 ( 標準歩掛 )) 7 日 58 日 5 日 出来形とりまとめ TS 出来形 (1 日 ) 管理帳票作成等 ( 代表断面管理 )(4 日 ) 70 日 ICT 土工 (UAV 測量 ) 3 日 50 日 3 日 起工測量 UAV 測量 (1 日 ) 内業 ( 測量成果まとめ 2 日 ) ICT 建機による施工 丁張り等設置なし 日々の高さ確認等は ICT 建機施工データを活用 ある程度積層が進んだところで詳細確認 補正実施 ICT 建機による土工 (1,100m3/ 日 ) ( 毎日作業前に刃先位置設定等を実施 ) 56 日 出来形とりまとめ UAV 測量 (1 日 ) 管理帳票作成等 ( 面的管理 )(2 日 ) 全体で 14 日の作業短縮 ( 約 20% 効率化 ) 48

施工事例 ( 受発注者の評価 ) 受注者の評価 1 工程短縮効果 (ICT 土工の導入で半月程度工期短縮の見込み ) ただし本工事の全体工期クリティカルは橋台躯体工 2 従前通りだと測量から盛土までに要する作業員数が 6~7 名 丁張り設置不要により 3~4 名に半減可能 3 建設機械近傍での丁張り設置作業がなくなったことで安全性が向上 4 日々の高さ確認等の外業負担が減り 内業に時間をかけられるため 残業減や計画的な休暇確保がしやすくなった ( 本工事では月 5 日休暇取得が出来ている ) 53 次元設計データの作成や確認できる人材育成が課題 3 次元データの作成 修正ももっと簡易に出来るようになると良い ( 各プロセス毎に別々のソフトウェアを使用するため データ作成 修正に当たり 費用と時間がかかる ) 6UAV 測量 ~ 点群データ処理は外注しているが 今後 外注先に仕事が集中した場合 工程に影響することが懸念される 7 今回土工部の検査は積雪前の 11 月を予定しているが 積雪期の検定となると 面的管理の場合 TS 測量を 1 箇所 /m2 で実施しなければならず 非効率となる 発注者の評価 ICT 活用工事を監督する上で 特殊な技術や訓練の必要性は特に感じない ただし 設計 積算 ~ 検査 書類作成まで 従来手法と異なるため ひとつひとつ受注者と確認しながら対応することが必要 49

今後の展開 50

今後の展開 ( 第 1 回未来投資会議 (9 月 12 日 )) 会議趣旨 第 4 次産業革命をはじめとする将来の成長に資する分野における大胆な投資を官民連携して進め 未来への投資 の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図る 産業競争力会議 及び 未来投資に向けた官民対話 を発展的に統合した成長戦略の司令塔として設置 構成員 内閣総理大臣 副総理 経済再生担当大臣兼内閣府特命担当大臣 ( 経済財政政策 ) 内官房長官 経済産業大臣 民間議員など スケジュール 〇本年 10 月以降 : 未来投資会議 構造改革徹底推進会合を開催 分野別の議論を実施 〇来年 1 月目途 : 構造改革の総ざらい 技術革新の社会実装についての中間的な課題整理 〇来年年央 : 成長戦略の取りまとめ 第 1 回テーマ 建設業の未来投資と課題 石井国土交通大臣が i-construction の取組を説明 51

i-construction ~ 建設業の生産性向上 ~ 建設業は社会資本の整備の担い手であると同時に 社会の安全 安心の確保を担う 我が国の国土保全上必要不可欠な 地域の守り手 人口減少や高齢化が進む中にあっても これらの役割を果たすため 建設業の賃金水準の向上や休日の拡大等による働き方改革とともに 生産性向上が必要不可欠 国土交通省では 調査 測量から設計 施工 検査 維持管理 更新までの全ての建設生産プロセスで ICT 等を活用する i-construction を推進し 建設現場の生産性を 2025 年度までに 2 割向上を目指す 測量 3 次元測量 (UAV を用いた測量マニュアルの導入 ) 生産性向上イメー ジ 人 日当たりの仕事量 (work) i-construction により これまでより少ない人数 少ない工事日数で同じ工事量の実施を実現 施工 従来測量 UAV( ドローン等 ) による 3 次元測量 ICT 建機による施工 (ICT 土工用積算基準の導入 ) i -con 建設現場の生産性 2 割向上 省人化 検査 従来施工 検査日数 書類の削減 ICT 建機による施工 人 (men) ICT の導入等により 中長期的に予測され る技能労働者の減少分を補完 工事日数 (term) 工事日数削減 ( 休日拡大 ) 現場作業の高度化 効率化により 工事日数を短縮し 休日を拡大 200m 人力で 200m 毎に計測 計測結果を書類で確認 3 次元データをパソコンで確認 52

ICT の全面的な活用 (ICT 土工 ) 3 次元データを活用するための基準類を整備し ICT 土工 を実施できる体制を整備 今年度より 720 件以上の工事について ICT を実装した建設機械等を活用する ICT 土工 の対象とし 現在 110 件の工事で実施 全国約 270 箇所で地域建設業や地方公共団体への普及拡大に向けた講習会を開催予定であり 既に約 13,000 人が参加 ICT 土工の実施 3 次元データを活用するための 15 の新基準や積算基準を整備 国の大規模土工は 発注者の指定で ICT を活用 中小規模土工についても 受注者の希望で ICT 土工を実施可能 ( 必要な費用の計上 工事成績評点で加点評価 ) 年間で約 720 件以上を ICT 土工の発注方式で公告予定 現在 110 件の工事で ICT 土工を実施 ( 地域の建設業者が 8 割以上 ) (8 月 19 日時点 ) 導入効果 ( 現場の声 ) 工期 : UAV 使用により起工測量の日数が大幅に短縮 安全 : 手元作業員の配置が不要となり 重機との接触の危険性が大幅に軽減 など ICT 人材育成の強化 ( 受 発注者向け講習 実習を集中実施 ) 施工業者向け講習 実習 目的 :ICT に対応できる技術者 技能労働者育成 発注者 ( 自治体等 ) 向け講習 実習 目的 1i-Construction の普及 2 監督 検査職員の育成 研修内容 3 次元データの作成実習又は実演 UAV 等を用いた測量の実演 ICT 建機による施工実演など 講習 実習開催予定箇所数 ( 平成 28 年 7 月末時点 ) 施工業者向け発注者向け合計 全国 159 箇所 (101 箇所開催済 ) 全国 209 箇所 (142 箇所開催済 ) 全国 266 箇所 (174 箇所開催済 ) これまでに全国で約 13,000 人が参加! さらに民間企業においてもi-Constructionトレーニン 3 次元測量 3 次元設計図面 ICT 建機での施工グセンタなどを設置し 講習 実習を実施中 53

i-construction の拡大に向けて 今後は 3 年以内に 橋梁 トンネル ダムや維持管理の工事に ICT の活用を拡大 産学官連携の体制により 公共工事の 3D データを活用するためのプラットフォームを整備し 人工知能 ロボット技術への活用等を促進 ICT の活用拡大 推進体制の構築 3D データ利活用促進 土工以外の分野にも ICT を導入するために 調査 設計段階から施工 維持管理の各プロセスで 3 次元モデルを導入 活用するための基準類を整備 対象工種 : 河川 ( 樋門 樋管 ) 橋梁 トンネル ダム 浚渫など 3 次元モデルを用いた監督検査の効率化 高所作業車を用いた計測作業 レーザスキャナによる計測 ( 壁面全体 ) 3D モデルと出来型計測結果の差異表示 トンネル覆工の出来形をレーザースキャナを用いて計測を行い 監督 検査を効率化 施設管理の効率化 高度化 ダムの管理用管路の点検 点検結果を 3 次元モデルに反映し 施設管理を効率化 高度化 凡例大差異 小 i-construction 推進コンソーシアム 産学官が連携して推進するため 産学官連携による i-construction 推進コンソーシアムを設置 3 次元データ活用検討 ( オープンデータ化 ) 3 次元ビッグデータを収集し 広く官民で活用するため オープンデータ化に向けた利活用ルールやデータシステム構築に向けた検討等を実施 最新技術の建設分野への導入促進 オープンデータ化 調査 測量業者 設計業者 コンソーシアム体制 ( 案 ) 3 次元測量データ 3 次元設計データ 一元管理する新システム 建設生産プロセスのあらゆる 3 次元データを集積 工事完成図データ 施工業者 点検管理データ 発注者 維持管理業者 協議等関係者 ( 自治体等 ) 建設分野以外の最新技術を建設現場で活用する技術開発 現場人 日あたりの仕事量導入の促進を図る 建設分野以外の最新技術異分野 IoT ロボット AI ビッグデータ 文部科学省 土木 建築 異分野技術開発 改良 現場導入 現場検証 導入 基準等の整備 データシステムイメージ 工事日数 建設現場の生産性向上 省人化人 工事日数削減 ( 休日拡大 ) 54

未来投資会議総理発言 安倍総理発言 ( 抜粋 ) 本日 早速 第一弾として 第 4 次産業革命による 建設現場の生産性革命 に向け 具体的な方針を決めました 建設現場の生産性を 2025 年までに 20% 向上させるよう目指します そのため 3 年以内に 橋やトンネル ダムなどの公共工事の現場で 測量にドローン等を投入し 施工 検査に至る建設プロセス全体を 3 次元データでつなぐ 新たな建設手法を導入します 人手による現場作業が置き換わり これまで習得するのに何年もかかったノウハウも数か月で身に付けられるようになる 3K のイメージを払しょくし 多様な人材を呼び込むことで 人手不足も解消します 全国津々浦々で中小の建設現場も劇的に変わります 55

ご清聴ありがとうございました