地球温暖化対策は待ったなしの課題である 温室効果ガスの大幅な削減に向け 国際的な合意形成を図るとともに 足下からの温室効果ガスの着実な削減が求められている 埼玉県では中長期的な視点を持って 県民をはじめ地域総ぐるみでこれに取り組んで 低炭素社会の実現を図るため 平成 21 年 2 月に埼玉県地球温暖

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お知らせ

2(1) 総量削減義務と排出量取引制度のポイント (2010 年度 ~) 大規模事業所向け制度の主な変更点等 旧制度 ( 地球温暖化対策計画書制度 ) 新制度 ( 排出総量削減義務と排出量取引制度 ) 温室効果ガス排出量の削減対策推進義務 排出総量の削減義務と排出量取引制度の導入 計画書等の作成 提

参考資料3(第1回検討会資料3)

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

地球温暖化対策計画書

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

3 地球温暖化対策の推進に関する方針及び推進体制 (1) 地球温暖化対策の推進に関する方針 [ 基本理念 ] 人類が自然と調和し 未来にわたり持続可能な発展を実現するため NTT グループ地球環境憲章に則り NTT 西日本はグループ会社と一体になって 全ての企業活動において地球環境の保全に向けて最大

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資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

資料2:地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(議論のたたき台)(案)

1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

4 推進体制別途添付いたします 5 公表の方法等 ホームページアドレス 閲覧場所 窓口で閲覧 所在地 冊 子 閲覧可能時間 冊子名 入手方法 その他

H28秋_24地方税財源

資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

資料3-1 温室効果ガス「見える化」の役割について

様式第 1 号 ( 第 3 条 第 5 条関係 ) 地球温暖化対策計画 作成 報告書 ( 義務 ) ( 宛先 ) 埼玉県知事 提出者 代表取締役社長 個人事業者にあっては 住所及び氏名 ( 自署又は記名押印 ) 平成 30 年 7 月 20 日 北海道札幌市白石区菊水 6 条 3 丁目 1-26 株

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

Q1 1

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

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2018年度 武蔵事業所の地球温暖化対策計画書

PowerPoint プレゼンテーション

本日の説明内容 1. グリーン購入法の概要 2. プレミアム基準策定ガイドライン

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

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新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

緒論 : 電気事業者による地球温暖化対策への考え方 産業界における地球温暖化対策については 事業実態を把握している事業者自身が 技術動向その他の経営判断の要素を総合的に勘案して 費用対効果の高い対策を自ら立案 実施する自主的取り組みが最も有効であると考えており 電気事業者としても 平成 28 年 2

バイオ燃料

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

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平成20年度税制改正(地方税)要望事項

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

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事業者におけるエネルギー管理者の位置づけ 特定事業者 エネルギー管理統括者 [ 事業者全体としての取組 ] 経営的視点を踏まえた取組 中長期計画作成の取りまとめ 現場管理に係わる企画立案 実務の実施 ( マニュアルなどの作成 ) 事業者の代表者 補佐 条件 : 法律上 事業の実態を統括管理する者 を

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック扇町

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

様式 重点項目 産業を担う人材確保対策の推進 雇用情勢の改善を背景に 就職相談者の減少が見込まれる中にあっても 本県産業の持続的な発展を図るため 優れた人材を確保していく必要があることから 県内外の学生や若年者をはじめとした幅広い世代 UI ターン希望者に対するきめ細かな支援により 人材確保を図りま

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

地球温暖化対策のための税の効果について 1. 平成 20 年 11 月中央環境審議会グリーン税制専門委員会 環境税等のグリーン税制に係るこれまでの議論の整理 より 税収を温暖化対策の費用に充てる 又は温暖化対策に係る減税に活用する場合 CO 2 削減に関し大きな効果が見込める ( 前略 ) 環境利用

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

フロン類製造業者等の フロン類の使用合理化の状況

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

4 信頼性確保のための原則 DO YOU KYOTO? クレジット制度の信頼性を確保するため, 排出削減プロジェクトの計画 実施, モニタリング, 算定, 検証など, 手続きの規定に当たっては, 以下の原則を最大限配慮するとともに, それぞれの原則に限界を設ける場合は数値で明示する ⑴ 完全性排出削

目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

平成 27 年度 環境にやさしい企業行動調査 結果のまとめ 調査期間 平成 28 年 10 月 28 日 ( 金 )~ 平成 28 年 12 月 28 日 ( 水 ) 調査対象及び回収状況 : 調査対象 回収数 回収率 上場企業 1, % 非上場企業 3,170 1,364 4

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

タイトル

4 推進体制 経営責任者 環境管理責任者 (PSN 佐江戸 ) ( 計画管理責任者 : 事業部長 ) GM: グループマネージャー TL: チームリーダー Sa: 参事 SJ: 主事 事務局 (PSN 佐江戸 ) ( 計画推進責任者 :GM) 技術管理者 :SJ 平成 6 年 4 月 1 日時点 イ

平成 28 年度エネルギー消費統計における製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) のエネルギー消費量を部門別にみると 製造部門で消費されるエネルギーは 1,234PJ ( 構成比 90.7%) で 残りの 127PJ( 構成比 9.3%) は管理部門で消費されています 平成 28 年度エ

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

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することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

CONTENTS

平成 30 年度地方税制改正 ( 税負担軽減措置等 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 その他 ) No 8 府省庁名環境省 対象税目個人住民税法人住民税事業税不動産取得税固定資産税事業所税その他 ( ) 要望項目名 要望内容 ( 概要 ) 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

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スライド 1

平成22 年 11月 15日

2017 年度 1 指定地球温暖化対策事業者の概要 (1) 指定地球温暖化対策事業者及び特定テナント等事業者の氏名 指定地球温暖化対策事業者又は特定テナント等事業者の別 地球温暖化対策計画書 氏名 ( 法人にあっては名称 ) 指定地球温暖化対策事業者 国土交通省 (2) 指定地球温暖化対策事業所の概

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

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中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

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5 ii) 実燃費方式 (499GT 貨物船 749GT 貨物船 5000kl 積みタンカー以外の船舶 ) (a) 新造船 6 申請船の CO2 排出量 (EEDI 値から求めた CO2 排出量 ) と比較船 (1990~2010 年に建造され かつ 航路及び船の大きさが申請船と同等のものに限る )

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4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

Transcription:

目標設定型排出量取引制度の骨子について ( 答申 ) 平成 22 年 6 月 埼玉県環境審議会

地球温暖化対策は待ったなしの課題である 温室効果ガスの大幅な削減に向け 国際的な合意形成を図るとともに 足下からの温室効果ガスの着実な削減が求められている 埼玉県では中長期的な視点を持って 県民をはじめ地域総ぐるみでこれに取り組んで 低炭素社会の実現を図るため 平成 21 年 2 月に埼玉県地球温暖化対策実行計画 ( ストップ温暖化 埼玉ナビゲーション2050) を定めた この実行計画では 県内の温室効果ガスの排出量を2020 年までに2005 年度比 25% 削減するという中期目標を設定し これを達成するために必要な効果的な対策を推進することとした 温室効果ガスのうち大部分を占めるCO 2 の排出については 本県では家庭 運輸 業務 産業の各分野に大きく偏ることなく排出されており すべての分野で削減対策を進めることが重要となっている このうち 事業活動に伴うCO 2 の排出 特に CO 2 を多く排出する大規模な事業所については 産業 業務部門のCO 2 排出量の約 50% 本県全体のCO 2 排出量の約 26% を占めている 産業 業務部門のCO 2 削減対策を効率的に実施するためには これらの大規模な事業所におけるCO 2 の排出削減を進める必要がある 同時に大規模な事業所の削減の取組が その他の中小の事業の削減を促進するような対策も重要である このため 実行計画では早急に取り組むべき施策の一つとして エネルギー多量消費事業所を対象とした 本県独自の目標設定型排出量取引制度の創設を掲げた 国においては 地球温暖化対策基本法案が平成 22 年 3 月 12 日に閣議決定され 我が国の温室効果ガス削減の中期目標が2020 年までに1990 年比 25% 削減と明記されたものの 国際的な枠組みの構築及び意欲的な目標の合意が前提とされている 国内排出量取引制度の創設についても法案に明記されたが 制度の詳細については現時点で明らかになっておらず 意見調整も十分でない中 導入時期についても不透明である このように国の温暖化対策の具体化には今後かなりの期間を要すると見込まれるなか 国の方針決定を待つことを理由に本県の温暖化対策の実施を遅らせることはできない 国や国際的な方向性の決定が先送りされる今だからこそ 県民や事業者の取組を停滞させることなく 様々な施策を先導的に実施し他の地域や国へと広域的に波及させていくことが必要である 我が国は 省エネルギーや再生可能エネルギーなどの分野で 世界に誇る優れた技術力を有している 低炭素型社会の構築は 先進的な技術を有する我が国の産業が その技術力を活かし 更に活躍の場を広げるためのチャンスでもある 低炭素社会に向けて必要な施策を実施し 各事業者が積極的にこれに取り組むことにより 我が国の技術を 国の内外で活かすことができ また 新たな社会構造にいち早く適応する 筋肉質な企業体質に向かって 企業の成長が期待できる 排出量取引制度は CO 2 排出削減に経済的な価値を付与し 省 CO 2 対策を促進し それに関連する技術革新や産業の活性化が期待できる 排出量取引制度の導入に併せて 埼玉県版グリーンニューディール政策を積極的に進めることにより こうした流れを加速させることが重要である 本県は首都圏にあり 全国においても 産業や業務系の活動が活発な地域である しかも 東京都のようにオフィスビルやホテルなど業務系中心の産業構造ではなく 一方 千葉県や神奈川県のように重厚長大型製造業中心の産業構造でもない 多種多様な製造業と業務ビルが立地しており 我が国全体の産業構造の縮図のような状況にある また 企業誘致などによる産業活性化にも注力している こうした状況にある本県が その状況を踏まえ また 県民や産業界 有識者などの多くの意見を聞きながら 本県独自の制度として目標設定型排出量取引制度を導入する意義は極めて大きい - 1 -

1. 本制度導入までの経緯 (1) 環境負荷低減計画制度 ( エコアップ宣言 ) の取組本県では平成 14 年度から環境負荷低減計画制度を実施し 大規模な事業所の環境負荷低減の取組の促進を図ってきた エコアップ宣言制度では 事業所ごとにエネルギー管理を行い 計画的な省エネルギー 省 CO 2 対策や廃棄物排出量の削減等を求めた また 各事業所において環境マネジメントシステムを構築し PDCAサイクルによる評価 改善を求めた 平成 21 年度までに 約 700の事業所においてエコアップ宣言による取組が進められ エネルギー管理の徹底や省エネルギー対策の推進 エネルギー使用の高効率化等が実施され CO 2 の削減対策が進められた 一方で 生産量の増加や 設備の拡充等により CO 2 排出量が増加した事業所もみられ 対象事業所全体のCO 2 の削減は限定的であった また エコアップ宣言の取組によって 県 事業者双方にエネルギー使用量やCO 2 削減の取組等のデータの蓄積が図られ 温暖化対策を実施する基礎的な土台作りに貢献した (2) その他の取組エコアップ宣言の取組を進めてきた事業者のさらなるステップアップを目的として 平成 19 年度からエコアップ認証制度を開始した 認証制度では今後 3 年間のCO 2 の自主的に設定した削減目標の達成や施設運用面等による対策の実施 評価 改善の実施等を要件として 現地審査や書類審査 有識者による審査会等を通じ 一定のレベル以上の事業所を評価 認証するものである 認証を受けた事業者には 社名のPRや低利融資制度 県発注事業の入札の際の事業者評価への加点等のメリットがあり 取り組む事業者は増加しており 環境マネジメント等に取り組む事業者のすそ野の拡大が図られている しかし 自主的な削減目標の設定では 大幅なCO 2 削減は見込めない状況も明らかになった また 太陽光発電などの導入には 環境みらい資金 の中に より低利な融資制度を用意し 事業者の再生可能エネルギーの利用促進を行った その他 省エネルギーの専門家による省エネルギー相談などを実施し 事業者の省エネルギー対策の支援を行った 2. 制度の基本的考え方 (1)CO 2 排出総量の削減本県の目標の達成には 省エネルギー技術の全面的な活用と再生可能エネルギーの利用を大幅に進め 各部門がCO 2 などの総排出量を確実に削減していく必要がある これまでのエコアップ宣言等の対策において 各事業者のエネルギー効率はある程度改善されているが 次のステップとしてCO 2 排出量の総量の削減を目指していく必要がある CO 2 排出削減を確実に実現していくためには その排出実態と削減ポテンシャルを十分に踏まえた上で 本県がおかれている状況等を十分に勘案して 削減対策を講じていくことが重要である (2) 排出量取引制度導入の意義自主的に目標を設定し 目標の達成を図るエコアップ宣言のような制度では 削減努力の度合いが事業者によって大きく異なり また 経済活動の増大等により実質的な削減にも結び付かず C O 2 排出量の総量の削減が進まないことにつながりがちである - 2 -

これに対し 県が目標設定の方法を明確化し 事業者において統一的な目標設定を求め 一定のルールの中で総量削減を進める制度を導入することにより こうした問題に対応しうる また 排出量取引を可能とする制度は 行政が対策を選択し その一律的な実施を指示するものではない このため 事業者は 削減を達成するために 他者からの削減量の取得を含めて 自らの事業所にふさわしい削減手法を経済性を含めた自らの自主的な判断で選択していくことができる 反対に 削減目標量を超えて削減した場合には 削減量を他者に売却することによって 削減に積極的な事業者が経済的なメリットを受けることができるため 削減目標を超える自主的な削減の取組を促進することができる このように 削減目標の設定方法の統一化と排出量取引 ( キャップ & トレード ) の制度は 事業所における温室効果ガスの削減を進める上で 効果的 効率的な制度であり 積極的な事業所の自主的な削減対策をさらに促進できる制度でもある (3) 導入上の留意点この制度を導入するための重要な点は公平性の確保である 先進的に削減を進めてきた事業者が適切に評価されるよう 削減目標の設定に当たっては 各事業者が進めてきた過去の削減実績を反映できるような方法を導入する必要がある このため 削減目標設定の基本となる各事業所の基準排出量の算定については エコアップ宣言制度により把握されている各事業所の削減対策の実施状況を勘案できる制度とする必要がある 併せて 新規に立地する事業所や設備等の大幅な変更があった場合の基準排出量についても 事業者の状況に応じ 適切に反映可能な制度とする必要がある さらに 特に先進的な取り組みを進めてきた事業所についてその努力を適切に評価する仕組みも必要である また 排出量取引制度については 我が国初の本格的な制度として 東京都が平成 22 年度から 総量削減義務と排出量取引制度 を開始している 県が制度を導入するにあたり 本県に隣接する東京都の制度と本県の制度を整合させることは 都 県の間の円滑な取引の実施や双方に事業所を所有する事業者の過度な負担の軽減等に有効である このため 制度設計にあたっては 東京都の制度との整合性の確保にできるだけ配慮することが望ましいと考えられる 特に制度の骨格となる 対象となる温室効果ガスの種類 対象となる事業所の条件や 基準排出量の算定方法等については できるだけ共通化する制度とすることが重要である 3. 制度の骨格 (1) 対象対象とする温室効果ガスは 省エネ等の実施により削減が可能であり コスト削減につながる 燃料 熱 電気の使用に伴い排出される二酸化炭素 ( エネルギー起源二酸化炭素 ) とすることが適当である ただし その他の温室効果ガスにおいて 具体的削減を実施した結果 削減した量については 目標達成に利用可能とすべきである これは 東京都の制度との整合性にも配慮したものである 対象事業所は 温室効果ガスの排出量が相当程度大きい事業所とし エコアップ宣言制度の対象を基本とすべきである また 新規立地事業所やエネルギー使用量が一時的又は急激に増減した事業所の制度への参加を一定の期間猶予することが必要であることから 原油換算エネルギー使用量 - 3 -

が3 年度連続して年間 1,500kl を超える事業所を対象とすることが適当である (2) 目標削減率目標設定型排出量取引制度におけるCO 2 の削減目標は 県全体の削減目標 (2020 年までに 2005 年比で25% 削減 ) を達成する観点から検討し 設定する必要がある 表ストップ温暖化 埼玉ナビゲーション 2050 における県の二酸化炭素排出量の削減見込み 1990 年 ( 実績 ) エネルギー起源 CO 2 排出量 ( 万 t) 2005 年 ( 実績 ) 2020 年 (BAU) 2020 年 ( 削減後 ) 対 2005 年比 対 2020 年 BAU 比 2020 年の削減見込み 削減量 ( 万 t) 削減率 (%) 対 1990 年比 対 2005 年比 対 2020 年 BAU 比 主な削減対策 434 556 22% 27% 産業 業務部門 1,895 1,957 2,079 1,523 20% (345) (454) (18%) (22%) 281 308 37% 39% 家庭部門 567 762 789 481 15% (204) (228) (27%) (29%) 300 307 29% 29% 運輸部門 890 1,049 1,056 749 16% (298) (305) (28%) (29%) 1,015 1,171 27% 30% 小計 3,352 3,768 3,924 2,753 18% (847) (987) (22%) (25%) BAU: 現状から特段の対策を行わない場合の推計値 削減見込みの () 内は供給側対策を除いた対策の実施による削減見込み ストップ温暖化 埼玉ナビゲーション 2050 において部門ごとに想定されている 2020 年度 の産業 業務部門の削減見込みは 2005 年に比べて約 22% 削減の 1,523 万トンである この削減目標の達成に必要となる各事業者の対策の実施による削減率は 18% である 本制度においては 第一計画期間を平成 23 年度から平成 26 年度 第二計画期間を平成 27 年 度から平成 31 年度と設定し 各計画期間の排出量を削減することを目標とする 第一計画期間の 削減目標の設定に際しては 第一計画期間を目標達成のために全ての事業者が一定のレベルの削減 対策を実施し 各事業所の削減実績が平準化されるための期間と位置付けるのが適当である 現在から将来に向けた経済動向は不透明な状況にあるため 第一計画期間の削減率は激変緩和的 な役割を持たせ まずは 低コストで実施可能な運用面での削減対策等の徹底を求めることが適当 である さらに これまで十分な削減対策を実施してこなかった事業者については 老朽化した設 備の更新に伴い 高効率な設備を導入することで 大幅なコスト削減が可能となるため 第一計画 期間においても 一定の設備投資を求める必要がある すでに一定の削減対策が実施されている事 業者では第二計画期間に向けて 本格的な省エネ対策の計画や再生可能エネルギー導入に関する計 画等の策定を促進し 大幅な削減を図る第 1 ステップと考える このため 第二計画期間で削減が 必要な割合をあらかじめ明示し より早期に削減対策を実施する必要性 有効性の認識向上を図る 必要がある 目標削減率の設定方法については 今後の経済の不確実性や事業所毎の設備投資計画の違い等を 勘案し 各事業者が柔軟に対策の実施年度を選択可能となるよう 年度ごとの削減率を設定するの ではなく 計画期間中の平均の削減率とすることが適当である また 目標削減率の設定にあたっては 県全体の削減目標や第一 第二計画期間での削減の考え - 4 - 目標設定型排出量取引制度の導入地球温暖化対策計画制度中小事業者の省エネ対策 建築物環境配慮計画制度 など 住宅用太陽光発電設備設置補助制度家電製品省エネ情報提供制度エコライフDAYの普及拡大 省エネナビを活用した CO2 削減事業など 自動車地球温暖化対策計画制度次世代自動車普及促進対策補助制度エコドライブの普及促進など

方に加え 県がこれまで把握してきた事業者の過去の削減実績や現在の省 CO 2 対策の実施状況等や今後事業者において対策が実施されることにより想定される削減等を考慮する必要がある 地域冷暖房事業者から供給されるエネルギー割合が高い事業所については 自らの対策の実施により削減が可能な割合が尐なくなることから 同種の事業所に比べ目標削減率を緩和する必要がある 以上のような観点から 第一計画期間の目標削減率は 1オフィス等 2 地域冷暖房事業者から供給されるエネルギーの割合が高い事業所 3 工場等の3 区分ごとに それぞれの区分における過去の削減状況や今後想定される削減見込み等を踏まえ 対象事業所の基準排出量に対し計画期間中の平均で 6~8% の範囲から設定することが適当である なお この場合 第二計画期間における総量削減の見通しは 既存事業者においては基準排出量と比べ5 年間の平均で約 15% 削減が必要と推計される 第一計画期間における目標削減率 区分対象事業所の種類目標削減率 ア ( オフィスビル等 ) イ ( 地域冷暖房を多く利用する事業所 ) ウ ( 工場等 ) オフィスビル等のうち 事業所の全エネルギー使用量に占める地域冷暖房事業者から供給されるエネルギーが一定の割合未満のもの及び地域冷暖房施設オフィスビル等のうち 事業所の全エネルギー使用量に占める地域冷暖房事業者から供給されるエネルギーが一定の割合以上のもの 区分ア 区分イ以外のもの 第二計画期間 ( 平均 ) における目標削減率 :15% 程度と推計される 区分ごとに 6~8% の範囲 で設定 (3) 排出量取引を含む目標達成の方法目標達成に当たっては 自らで削減することを基本とし これを補完する手段として 排出量取引を活用する仕組みとすることが適当である 排出量取引による目標達成については 中小事業者からの削減量の取得や森林吸収による削減相当量 再生可能エネルギーの利用による削減等 多様な対象を選択できるようにすることが重要である これらについては 各事業者の目標達成に向けた削減量の確保という点のみならず 一層の普及 拡大を図り 社会全体が低炭素社会へ向うといった観点でも重要である 排出量取引の対象としては 次のクレジットの取得を認めることとし 引き続き 取引の活性化やクレジットの利用拡大等の観点で その算定方法や利用上限等について検討する必要がある ( ア ) 県内他事業所の超過削減量 ( イ ) 県内中小事業者の削減量 ( ウ ) 県外事業所の削減量 ( ただし国外からの取得は認めない ) ( エ ) 再生可能エネルギーの環境価値 ( オ ) 森林吸収による二酸化炭素削減相当量また 削減計画期間終了時に目標が達成できなかった場合 その不足した削減量を次の計画期間における削減目標量に繰り越すこととすることが必要である ( 削減目標量の更なる割増はしない ) 排出量取引の手続き ( 排出量取引口座簿等の扱い ) については 東京都の制度との整合性等を勘 - 5 -

案し 取引開始年度まで ( 平成 23 年度末 ) に検討 整備する必要がある (4) 排出量の検証方法制度の信頼性を担保するため 排出量 ( 削減量 ) の検証は重要である 検証については 事業者に計画期間終了後に削減目標の達成の確認を行う際 及び排出量取引により削減目標を達成する際には 基準排出量 計画期間中の排出量を検証した上で県に報告させることが適当である また 検証は県が認めた事業者が行うことが適当である 検証方法の詳細等については 平成 22 年度末までに引き続き検討 整備する必要がある (5) 制度の詳細 以上を踏まえ 埼玉県地球温暖化対策に係る事業活動対策指針に基づく本制度の詳細については 別紙のとおりとすることが適当である 4. 目標達成に向けた取り組み削減目標の達成には 排出量取引によるCO 2 削減量の取得に優先して 事業所自らのCO 2 の削減に取り組むことが重要である 各事業者は 埼玉県地球温暖化対策に係る事業活動対策指針 ( 平成 22 年 3 月 ) 等に基づき 毎年作成する地球温暖化対策計画により対策を実施する 県は各事業者に対する技術的 財政的支援に努める 具体的には 平成 22 年度から実施する 排出量取引制度 CO 2 削減設備導入支援事業 によりCO 2 削減を進める事業者への補助制度を創設する 県は 事業者の状況把握を引き続き行い 各事業者に適切な削減対策の導入に関し 省エネ相談等を通じ 技術的支援を行うことが重要である テナント事業者や中小事業者に対しても 技術的支援の充実を図ることが重要である さらに 中小事業者の削減の取組を促進するための人材育成や普及啓発 支援等が必要である 排出量取引が円滑に実施され これを適正に活用するためには その監視 指導体制の確保を含む制度の構築が重要である 本制度では実質的な削減量のみを取引の対象としているほか 中小事業者や県外の大規模事業所の削減量など幅広い削減量を活用可能とすることにより 取引価格の高騰や不当な価格操作等の防止が図られるものであるが 加えて 実際の取引実施に際しては 円滑かつ適正にこれが行われているか 取引状況を注視することも必要である 平成 24 年度からの取引開始に向け 想定される課題等を整理し 東京都の制度との連携等を図りながら 取引口座簿の整備や円滑な取引の実施環境の整備に向け 検討を続けることが重要である また 県民総ぐるみでの地球温暖化対策を進めていくため 産業 業務部門の対策だけでなく 運輸部門 家庭部門の対策も強化していく必要がある 5. 制度の今後の方向性平成 22 年度から開始された東京都の制度とは 可能な限り制度の整合を図ることが重要である 今後 都県間で取引が実施されることが想定されるため 引き続き 連携を図っていくことが重要である 今後導入が見込まれる国の国内排出量取引制度については 先行している自治体の制度との整合性に - 6 -

配慮し 事業者に過度の負担とならないよう 国に対し制度設計を求める必要がある 特に 先行して削減に取り組んでいる事業者が不利にならないような対応が求められる 従来から省エネ法 地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく排出量報告制度と地方自治体が実施する計画制度の重複事項の解消等の課題が指摘されている 排出量取引制度についても 今後 国と地方への制度が並立する場合には 事業者負担の軽減や 地方分権の観点も踏まえ 各々の制度について検討を進めていく必要がある 本制度については 比較的柔軟な対応が可能な制度であることから 国や東京都と連携を図りつつ 経済情勢の変化や国の制度設計 実施状況を注視して 県の実行計画の見直し時期であり また 第一計画期間の最終年度に当たる平成 26 年度を目安として 制度の必要な見直しについて検討する必要がある そのうえで 社会経済情勢の劇的な変化などにより 実施に際して明らかに不都合な部分があると認められる場合には 第一計画期間の評価を待たずとも 適宜 必要な見直しを行うことが適当である - 7 -

( 別紙 ) 制度の詳細 1 排出量の算定方法 電気事業者から供給された電気の使用 地域冷暖房事業者から供給された熱の使用等の排出係数は 削 減計画期間の間 固定 また 電気事業者 地域冷暖房事業者の別によらず一律 2 制度対象ガス燃料 熱 電気の使用に伴い排出される二酸化炭素 ( エネルギー起源 CO 2 )( 住居の用に供する部分で使用されたものを除く ) その他の温室効果ガスについても 排出量の報告は必要 また その他の温室効果ガスの削減量は その事業所の削減目標の達成には利用可能 ( 取引不可 ) とする 3 制度の対象範囲 事業所単位 4 対象事業所の要件 前年度のエネルギー使用量が 3 年度 ( 年度の途中に使用開始された事業所の場合 その年度を除いて 3 年 度 ) 連続して原油換算 1,500 キロリットル以上 5 削減計画期間 原則 5 年間 ただし 第一計画期間のみ 4 年間 ( 平成 23 年度 ~ 平成 26 年度 以降は 5 年度ごとの期間 ) 6 排出量削減目標の達成確認期限 削減計画期間終了の年度の翌年度の 3 月末日 ( 第一計画期間 ( 平成 26 年度まで ) については 平成 27 年度末 ) 7 事業の承継 継続 事業所の売買等に伴い 所有者が変更された場合には 原則として新所有者が計画内容( 基準排出量 削減目標等 ) を引き継ぐ 前事業者は新事業者に二酸化炭素の排出状況等の情報を提供し 提供された情報に基づき新事業者は計画を作成する 8 計画の廃止 事業所のエネルギー使用量が別途定める割合を下回った場合には計画は廃止とし 削減計画期間を短縮 する - 8 -

9 削減計画期間の短縮 計画廃止が確定した場合には 廃止が確定した日から 180 日後を削減計画期間の終了日とする 10 基準排出量 既存事業所については 平成 14 年度から平成 19 年度までの間のいずれか連続する3か年度の排出量の平均値 ( どの3か年度とするかは 事業者が選択可能 ) とする 改修工事等により 排出量が標準的でないと認められる年度がある場合には 2か年度とすることができる 新規事業所については 削減計画期間が開始される年度の前年度までの3か年度の排出量の平均値又は県の定める指標 ( 排出標準原単位 ) 等による方法により算定される量とする 11 基準排出量の変更 延べ床面積の増減 用途の変更 設備の増減等 その他県が定める条件に該当する場合には 別途 県が定める方法により 基準排出量を変更することができることとする 12 削減目標の達成方法 各事業者は 目標達成にあたり 排出量取引に優先して 温室効果ガス排出量の排出抑制に努めるものとする 各事業者は 排出量取引により取得した削減量を 自らの削減量に加えて目標を達成することができる 削減計画期間終了時に目標が達成できなかった場合には 次の計画期間において 次計画期間で求められる削減量に 前計画期間の目標達成に不足した削減量を加えた量を削減目標量とする 13 取引に利用できる削減量各事業者は以下の種類ごとに知事が別途定める方法等により算定される削減量を取引に利用できるものとする (1) 超過削減量 (2) 県内中小事業者削減量 (3) 県外削減量 (4) 再生可能エネルギーの利用による削減量 (5) 森林吸収量 14 先進的な取り組みを進める事業所 ( トップレベル ) 事業所の扱い トップレベル事業所の目標削減率は それぞれの区分に応じて その事業所のレベルにより目標削減率を緩和できるものとする トップレベル事業所の認定方法等については 引き続き検討し 別途定める 15 排出量及び削減量の検証 取引に利用する削減量の取得は 県が別途定める方法により検証された削減量に限って行うことができるものとする - 9 -

事業者は 削減目標の達成の確認を行う際には 基準排出量 期間中の排出量を県が別途定める方法によ り検証した上で 県に報告するものとする 16 排出量取引状況の把握 事業者は 排出量取引を行った場合には その旨を県に報告するものとする 県は事業者から報告があった場合には 削減量口座簿に記録するものとする 排出量取引を行う際の手続きについては 別途定める 17 検証機関 検証を行うのは県が認めた機関とし 検証の実施方法等については 別途定める - 10 -