教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

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他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

表紙

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

(1) 児童観本学級の児童は, 理科の学習に興味をもって取り組んでいる 特に, 観察や実験に意欲的である 昨年度は, 変える条件, 変えない条件を考えながら実験に取り組んできたことにより, 条件に目を向けて調べようとする力は育ってきている 本単元にかかわる児童の実態を把握するために, 発電, 蓄電,

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

目次 はじめに 1 単元の構成図 3 中学校カリキュラムの全体概要 5 コア カリキュラム理科中学 2 年生 ( 電気とそのエネルギー ) 9 理科中学 2 年生 ( 発電と送電 ~ 電気を効率よく届けるために ~) 14 理科中学 3 年生 ( 様々なエネルギーとその変換 ) 19 理科中学 3

5 指導について (1) 単元について 3 年磁石の性質 4 年電気の働き 5 年電流の働き ( 本単元 ) 磁石に引きつけら 乾電池の数とつな 鉄心の磁化 極の変化 れる物 ぎ方 電磁石の強さ 異極と同極 光電池の働き 電気の通り道 電気を通すつなぎ方 電気を通す物 6 年電気の利用 中学 2 年

内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

第6学年2組 理科学習指導案

Taro-6年 理科 電気の利用.jtd

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スライド 1 鳥取県小学校教育研究会社会部 第 31 回夏季研修会 第 4 学年部会 教材開発 ~ 我が国や地域の伝統 文化や営み等に触れ 我が国や地域に対する愛情を醸成する教材の開発 ~ 綿口和頼 鳥取市立用瀬小学校

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

子どもが獲得する見方や考え方 教師が持つ指導ポイント <エネルギー教育の視点 > 鏡を使って太陽の光を反射させて集光すると, 熱も集めることができ, その熱を利用することができる 太陽光のエネルギーを利用することで, 省エネにつながる < 理科の視点 > 直径の大きい凸レンズで太陽光を集めるほど,

指導案

1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

について関心をもって話し合っている 6 身近な電気器具について興味 関心をもっている 電圧の特徴を 結果から見いだしている 6 実験結果から 電流の大きさが加えた電圧の大きさに比例することを見いだしている 7 直列回路と並列回路での抵抗の値がどのようになるか 実験の結果から見いだしている 8 水温の

Microsoft Word - 社会科

理科学習指導案

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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第4学年理科学習指導案

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小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

Review Test 2 センター試験対策 物理 I [ 電磁気学編 ] 単元別総復習 6 回分第 2 巻 このテストは 大学入試攻略の部屋で配布されている Excel でセンター対策 [ 物理 ] with CAT on Excel の印刷版です 同じ問題が Excel の画面上で簡単に解くこと

気にはどんな力があるのでしょうか という課題を考えさせていった その課題を解決するために, 身近な電化製品の分類を, 全員で行った ( 画像 1) 具体的には, エアコン, 炊飯器, 冷蔵庫, 電子レンジ, トースター, ホットカーペットは電気の力を熱に変えて使っていること, 掃除機, 扇風機, 洗

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

国語科学習指導案様式(案)

実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

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理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

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北杜市新エネルギービジョン

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Microsoft Word - 学習指導案(公民的分野 ②).doc

H30全国HP

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

画像, 映像などの気象情報や天気と1 日の気温の変化の仕方に興味 関心をもち, 自ら気象情報を収集して天気を予想したり天気の観測をしたりしようとしている 気象情報を活用して, 天気の変化を予想することができる 1 日の気温の変化の仕方を適切に測り, 記録することができる 天気の変化は気象情報を用いて

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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Microsoft Word - ⑦-1電流がうみ出す力

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

※ 教科 理科テキスト 小4 1学期 5月 電池のはたらき

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

理科学習指導案(形式)

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中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

Taro-(HP)指導案(改訂).jtd

検流計は 下記の単元で繰り返し使用します 学年単元内容 4 電気の働き 5 電流の働き 電流の強さや向きを調べるために使用する 6 電気の利用 直列つなぎ 並列つなぎについても繰り返し指導します 指導改善のポイント 直列 並列つなぎ 1 直列 並列つなぎのそれぞれの特徴を比較する活動を取り入れる 2

○数学科 2年 連立方程式

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

FdText理科1年

(2) 系統観 小学校社会科 ( 第 6 学年 ) 世界の中の日本の役割について, 我が国と経済や文化などでの面でつながりが深い国の人々の様子などを調査し, 外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であることを考える 中学校社会科 ( 第 1 学年地理的分野 ) 世界

理科科学習指導案

第 6 学年理科学習指導案 平成 28 年度 12 月 6 日 ( 火 ) 第 5 校時 場所 理科室 1 単元名変わり続ける大地 2 単元について本単元では 第 5 学年 流れる水のはたらき 第 6 学年 大地のつくり の学習を踏まえて 地球 につ内容の関連と学習の系統性いての基本的な見方や概念を

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

中学校における授業実践事例 1 第 3 学年社会科 消費生活と経済 1 学校名 職氏名萩市立田万川中学校教諭室谷雄二 2 生徒 3 学年 15 人 3 学習指導案 (1) 題材名消費生活と経済 (2) 題材の目標経済活動の意義について消費生活を中心に理解させるとともに 価格の働きに着目させて市場経済

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RMS(Root Mean Square value 実効値 ) 実効値は AC の電圧と電流両方の値を規定する 最も一般的で便利な値です AC 波形の実効値はその波形から得られる パワーのレベルを示すものであり AC 信号の最も重要な属性となります 実効値の計算は AC の電流波形と それによって

Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 3 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価及び 生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実現を

第1学年 理科学習指導案

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能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出

(2) 単元構想図 単元デザイン 時数と手立て軸 数ねらい 引き出したい学習活動の姿 ICT の活用 カリキュラムマネジメント 疑問や知りたいことを共有する 1 電池のしくみについて 疑問や知りたいことを共有することができる ( 自然事象への関 1 果物電池を作り 電子オルゴールを鳴心 意欲 態度

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英語科学習指導案

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次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

Ⅰ 単元の分析 1 学習指導要領の記述から (3) 電流の働き 電磁石の導線に電流を流し, 電磁石の強さの変化を調べ, 電流の働きについての考えをもつことができるようにする ア電流の流れているコイルは, 鉄心を磁化する働きがあり, 電流の向きが変わると, 電磁石の極が変わること イ電磁石の強さは,

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くらしを支える電気 (10 時間 ) 生活の中に当たり前にある 電気 学校や家庭の中にある 電化製品を調べよう 身の回りにある電化製品を調べるとともに 生活との関連を考えるようにする 学校の施設の中を調査する活動も考えられる 食事冷蔵庫 電子レンジ 生活照明 洗濯機 情報テレビ パソコン 家の中を調

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

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指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

【FdData中間期末過去問題】中学理科2年(磁石/磁界/モーター/電磁誘導/直流と交流)

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

たい 生徒は九州地方のイメージを漠然と 自然が多い 山がある 空気がおいしい というような自然や環境がよいことをあげていた そこで 九州地方の環境と産業の関わりや環境保全への取組 持続可能な社会を目指した活動についてなど 九州の地域的特色を捉えさせることが重要である そのために 環境保全には人々の積

AISIN GROUP REPORT 2011

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

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Transcription:

理科中学 2 年生 ( 発電と送電 ~ 電気を効率よく届けるために ~) 単元計画 構成 提案項目 実施時期 6 月ごろ ( 学校によって異なる ) キーワード 電磁誘導, 発電, 直流と交流, 送電 エネルギー教育実践パイロット校 4 つの課題との関連 単元計画 構成 ( 全 3 時間 ) 他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 内容 B-2 温室効果ガスの排出削減のためには 省エネルギーによりエネルギー消費を減らすことが最も有効な対策であること C-2 現在は エネルギーの安定供給確保に加え地球温暖化対策のため 石油を始めとする化石燃料への依存度の低減 非化石エネルギー ( 原子力 再生可能エネルギー ) の導入拡大が求められていること 第 1 次電磁誘導と発電のしくみ (1 時間 ) 磁界の中でコイルを動かすとどうなるか予想し, コイルと磁石で電流を発生させる実験を行い, 電磁誘導や発電機のしくみを理解する 第 2 次交流と直流 (1 時間 ) 直流と交流の電圧の波形をオシロスコープで観察し, 直流と交流の違いを明らかにする また発光ダイオードの点灯の仕方の違いなどから, 直流と交流の違いや特徴を理解する 第 3 次発電 送電における損失 (1 時間 )( 本時案 ) 手回し発電機を2 台つないでハンドルを回し, 回転数を比較することでエネルギーが損失することを知る また, 発電所から電力消費地まで送電される間に, いろいろな形でエネルギーが失われていることを理解する 発展 送電線の電圧が高いのはなぜか? 小学 5 年生 電流のはたらき ~ 電磁石でパワフル 省エネ ~ ( 電磁石の導線に電流を流し, 電磁石の強さの変化を調べ, 電流の働きについての考えをもつ ) 小学 6 年生 電気の利用 ~エネルギーの工場と変身と銀行 ~ ( 手回し発電機などを使い, 電気の利用の仕方を調べ, 電気の性質や働きについての考えをも つ ) 中学 3 年生 エネルギー ( 様々なエネルギーとその変換, エネルギー資源 ) 高等学校物理基礎 電気 ( 電気の利用 ) ( 交流の発生, 送電および利用については, 基本的な仕組みを理解させる 電流と磁界については 電流がつくる磁界 ( 磁場 ), 電磁誘導, 交流, 電磁波などの観察, 実験を通して, 基本的な概念や原理 法則を系統的に理解させる ) エネルギーは 100% 有効に変換されず, 損失すること エネルギー損失の一部は, 熱エネルギーに変換され, 利用ができないエネルギーになって失われていること 手回し発電機のハンドルを回すと発電すること 手回し発電機に電圧を加えるとハンドルが回転することから, 発電機とモーターは類似の仕組みであること 手回し発電機 2 台をつないで, 一方のハンドルを1 回転させたとき, もう一方のハンドルは1 回転より少なくしか回転しないことから, エネルギーには損失があることを見いださせる -14-

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際に損失することに関心を持ち, 意欲的に活動することができる ( 科学的な思考 判断 表現 ) 送電線による損失を減らすためにはどのようにすればよいか, 過去の学習内容をもとに適切に考察することができる ( 観察 実験の技能 ) エネルギーが変換される際の損失について, 実験によって示すことができる ( 自然事象についての知識 理解 ) エネルギーは熱エネルギーに変換されるなど, いろいろな形で損失し, 利用ができないエネルギーになって失われていることを理解している ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) モーターや発電機について関心をもち, 意欲的に活動することができる ( 科学的な思考 判断 表現 ) モーターと手回し発電機を比較して, それらのしくみやはたらきを理解し, 的確に表現することができる ( 観察 実験の技能 ) エネルギーが失われていることを, 手回し発電機を使った実験によって示すことができる ( 自然事象についての知識 理解 ) 送電には交流が使われていることを, その理由も含めて理解している -15-

本時の学習指導案 ( 指導項目 ) 単元のテーマ名 : 発電と送電 ~ 電気を効率よく届けるために ~ 第 3 次発電 送電による損失 (3 時間目 / 全 3 時間 ) 1. 導入 本時の主題の提示 学習過程 指導と支援準備物, 教師の働きかけ 関連資料, 指導上の留意点 中国地方の送電線網の図を示し, その特徴について考えさせる 発電所から消費地までは, 遠い場合がある 発電所から消費地までは, 複数の経路が確保されている 島根原子力発電所の電力は島根県東部および鳥取県, 一部を山陽地域に送電に送電している など コンセントの向こう側を, この単元の内容をもとに考えてみよう < 準備物 > 手回し発電機, 導線 ( 短, 長 ), ワークシート, 中国地方の送電線網の図 ( 次ページ参照 ) 2. 展開テーマ 1: 発電の効率 実験 手回し発電機を 2 台つなぐと? 2 台の手回し発電機をつなぎ, 一方のハンドルを回転させると, もう一方のハンドルが回転する ハンドルを逆に回転させると, もう一方のハンドルの回転も逆向きになる ハンドルを 10 回転させたとき, もう一方のハンドルが何回転するか調べる 発電所での発電は交流で行われていること, それは昇圧して高圧送電を行うためであることにも触れるとよい 考察 テーマ 2: 送電の効率 エネルギーが完全には変換されず, 一部は失われていることに気づかせる 失われたエネルギーの行方についても考察させる 送電線にもいくらかの抵抗がある この抵抗によってどのような損失が発生するか考えさせる 3. 本時のまとめ 送電線による損失を減らすためにはどのようにすればよいか -16-

送電線の抵抗を減らす 1 送電線を太くする 2 送電線の材質をかえる 3 送電線の距離を短くする 実現しなかった理由 1 電線を太くすると材料費がかさむ 2 抵抗の少ない材質は値段が高い 3 発電所を町の中に作らなくてはならない 生徒自身が, 電気の生産地 消費地のどちらに住んでいるのかについて, 考えさせることで省エネルギーへの取り組みについての議論がより深まる 直流高圧送電も行われている箇所があることについても触れるとよい ( 例 : 津軽海峡連絡送電線 ) これにより太陽光発電 ( 直流 ) の話ともつなげられる ( 資料 ) 中国電力 ( 株 ) 経営計画の概要 (http://www.energia.co.jp/ir/gaiyo/keiei-h22-4.pdf) -17-

発展 送電線の電圧が高いのはなぜか? (1) 最近の家庭では,200[V] の電気器具を使うことが増えてきた エアコンや IH ヒーターなどの大きな電力を消費する機器の中には,200[V] の特殊なコンセントに接続して使用するものがある 家で 1,000[W] の電気オーブンを使ってアップルパイを焼くことを例に 計算してみよう 電力 :P 電圧 :E 電流 :I 抵抗 :R とすると 1100[V] のコンセントにつなぐ 1000[W] の電気オーブンの場合流れる電流は I=P/V=1,000[W]/100[V]=10[A] 2200[V] のコンセントにつなぐ 1,000[W] の電気オーブンの場合流れる電流は I=P/V=1,000[W]/200[V]=5[A] となり,200[V] の機器の方が, 流れる電流が小さい しかし, 電力は同じなので, どちらの場合も同じ時間で, 同じようにアップルパイを焼くことができる (2) もし, 家庭内の配線に 0.1[Ω] ほどのわずかな抵抗があるとすると, 家庭内の配線を流れた際に, その配線からわずかに発熱することによって, 電力が消費される 電力 ( 発熱量 ) は,P=E I=RI 2 なので, 1100[V] のコンセントを利用している家庭では, 配線で消費される電力は,P=RI 2 =0.1[Ω] 10 2 [A]=10[W] 2200[V] のコンセントを利用している家庭では, 配線で消費される電力は,P=RI 2 =0.1[Ω] 5 2 [A]=2.5[W] となり,200[V] のコンセントを使用している家庭の方が, 家庭内の配線からの発熱量が小さいことになる (3) 発電所から家庭まで電気が送られる間の送電線にもわずかながら抵抗がある 発電所から変電所までの電線の抵抗による発熱も起こる 同じ電力を送電する場合, 電圧が高ければ電流が小さくてすむので, 発熱量は電圧が高い方が, 少なくなる 次の資料も参照のこと < 参考資料 > 雇用 能力開発機構広島センター なるほど! 知っ特! 電気 第 3 回世の中なぜ交流 電気工事工業組合広島支部ホームページ http://www.megaegg.ne.jp/~denki-hiroshima/mametisiki/3sittoku.pdf -18-