子供たちの命を守るために 学校の危機管理マニュアル 作成の手引
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1 1 体制整備 ボランティア等との連携のポイント 地域のボランティア 地域の関係機関 ボランティア団体との連絡調整を行う地域学校協働活動推進員等 に対応する担当者 地域連携担当教職員 を決めておく 電子メールの活用など 緊急事態の発生連絡を受けた場合のボランティア団体との連携方法について定め 地域学校協働活動推進員やボランティア団体とも共有しておく ボランティア団体等から得た地域における不審者情報は記録しておき 教職員に周知するとともに 状況に 応じて警察 教育委員会に通報する また 学校で有している情報は 適宜 ボランティア団体に提供する 地域学校安全委員会 学校警察連絡協議会 コミュニティ スクールでの議論や地域学校協働活動等の機会 を通じて 関係機関及びボランティア団体等と連携を密にすることも考えられる 近隣の学校 不審者の情報の提供 事故等発生時のサポート 地域の関係団体等 医療機関等 病院 保健所 相談所等 一体となった取組 消 地域の住民 ボランティア等 防 救急処理 病院への搬送 危機管理体制に関する指導 助言 教育委員会 情報収集と提供 スタッフの派遣等 教職員等の資質向上 関係機関 団体等との連絡調整 地域住民への啓発活動 施設設備等の整備 事故等発生時の安全確保と通報 登下校時 校外学習時 子供 110 番の家 子供110番の家 子供110番の店等 校 危機管理体制の整備 日常における安全確保 事故等発生時の安全確保 通学路 校内の点検 整備 安全教育の推進 危機意識の啓発 不審者の情報の提供 防犯パトロール 事故等発生時の避難場所の提供 首長部局 危機管理部局 福祉部局 PTA 保護者 不審者の情報の提供 通学路の安全点検 防犯パトロール 事故等発生時における協力 児童生徒等への指導 学校運営協議会制度の活用や地域学校協働活動 推 進員と連携して地域学校協働活動を推進すること等 も考えられます 7 4 事後の危機管理 学 3 教育委員会 防犯 安全な生活の確保 察 不審者の情報の提供 要注意箇所の点検 防犯パトロール 防犯教室 防犯訓練 不審者の保護 逮捕等 防犯 不審者の情報の提供 防犯パトロール 安全点検 整備 個別の危機管理 警 治療 カウンセリング 学校の衛生管理 事前の危機管理 連携を図った学校安全対策例 2 平素からの学校と家庭 地域との関係づくりが 不審者情報の迅速な通報など非常時に児童生徒等の命や安全を 守ることにつながります また 通学路では 事故等からの避難の呼び掛け等を悪用して 犯罪被害が起きる 可能性もあることから 普段から顔の見える関係を築くことが重要です 危機管理マニュアルについて 2-
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1 2 点検 特定していきます 避難が必要になった際に 大勢での移動や車椅子等での移動が必要な場合も想定して 避難経路となり得る か 避難経路となった場合どのような点に留意すべきか等の視点からも検討をしておくことが大切です 2 児童生徒等の行動を分析 事故等の多くは 児童生徒等の行動特性と連動して発生します 校内 通学路上の危険箇所において 児童 生徒等がどのように振る舞っているのかを観察し 想定される事故等発生のイメージを具体化します 特に 通学路に関しては 登下校の時間帯に 児童生徒等の通行の様子を観察することで 改善すべき環境条件と 指導上の課題を見いだしていきます 危機管理マニュアルについて 2-3 児童生徒等による調査 1 物理的対策と人による対策 事前の危機管理 3 危険箇所の管理と組織体制 2 児童生徒等による危険箇所の分析は 児童生徒等の視点からの問題把握 及び児童生徒等自身の安全学習に もつ ながり有用です 児童生徒等からヒヤリハット経験等の情報を収集し 地域安全マップを作成した 後 保護者や地域関係者と意見交換する方法も有効です 危険箇所の抽出と分析を通して 対策のための基礎資料が得られた後は 具体的な改善案を提案していき ます 対策には 物理的に環境を改善する方法 転落防止の防護柵の設置 路側帯の拡幅とカラー舗装 緊急地震速報受信機 防犯カメラの設置など と 人による安全確保の方法 スクールガード等の見守り活動 児童生徒等への指導など があります 2 協議会 委員会による組織的な取組の推進 学校の事故等に関しては 独立行政法人日本スポーツ振興センターの 災害共済給付オンライン請求システム から 自校で起きた過去の事例を閲覧することが可能であり 他校の死亡 障害事例に関しては 一般公開 されている 学校事故事例検索データベース や 学校の管理下の災害 冊子 等から事例を閲覧することが 可能です 各学校では 事故等の事例を把握するだけでなく 自校の環境に置き換え 同様の事故等が発生しない よう 危機管理に努める必要があります 独立行政法人日本スポーツ振興センター 学校事故事例検索データベース 学校の管理下の災害 日本スポーツ振興センター 毎年発行 4 こんな情報が取り出せます 個別の危機管理 3 事故等情報の共有 3 対応策の実施には予算を伴うものが多く また専門家や関係者からの協力を得る必要があります そのため 教育委員会や学校は 通学路安全推進協議会 地域学校安全委員会 学校安全委員会などの学校安全推進のための 協議会等において 危険箇所の抽出 分析 管理の活動や定期的な点検 学校安全に関する取組についての協議を 学校 家庭 地域が一体となって組織的に推進することが望まれます このとき 必要に応じて 合同の協議 会等を設置すること 地域学校協働本部やほかの委員会などの既存の組織を活用することにより 効率的かつ 効果的な体制整備が可能です 事後の危機管理 https://www.jpnsport.go.jp/anzen/ 11
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1 5 安全教育 地域と連携した事例 1 学校で行う安全教育や訓練に 警察署 消防署等専門家の指導を活用する 2 地域にある安全に関する施設 防災館等 を教材として活用する 3 地域の地形 地質 環境 過去の災害等を教材として活用する 4 地域で安全を守る人々の業務内容について 調べたり体験したりする 5 地域で開催される安全に関する行事に参加するなどして 自らの安全を確保する能力 自助 や地域の方々等と の助け合いの精神 共助 を育てる 危機管理マニュアルについて 2- 安全教育の事例 通学路安全マップの作成 Q1 どのような機会に作成 活用すればよいですか 例えば 生活科 総合的な学習の時間や特別活動などが考えられます 通学路の安全について考える学習 グループごとに地域の課題を考え まとめ 発表する学習 事故等から身を守り安全に行動するための学習 等 事前の危機管理 通学路安全マップ作成Q A 2 地域の防犯 防災 交通安全に係る安全マップづくりは 児童生徒等自身に周囲の環境における危険箇所の 確認や危険予測を行わせたり 具体的な行動を考えさせたりする上で有効です また 地域の歴史や自然環境 を学ぶための活動を関連させることにより 児童生徒等が地域を様々な観点から理解することにも役立つもの です このため 安全教育の観点はもとより 教科等の目標と関連付けた地域学習の一環として位置付ける などの工 夫も必要です Q2 どのように情報を収集すればよいですか 実際に現場を見て情報を収集することで 児童生徒等の気付きや主体性を促せます 児童生徒等がグループで 親子一緒になど ねらいと発達段階等を考慮 地域 ボランティア 警察の方々の意見や情報も活用 交通安全など活動時の安全を配慮 Q3 どこを通学路安全マップの作成範囲にすればよいですか 書き込みスペースを考慮し 作成方法には多様な工夫を取り入れましょう 実際の地図等を利用した書き込みや写真の貼付 略図にして作成 イラストなども活用 グループで分担して作成 一人一人の活動が表現できるように 地図の大きさを考慮 子供 110 番の家 を明示 個別の危機管理 Q4 どのような作成の形式や方法がありますか 3 まず 自分の通学路の周辺から始め 児童生徒等の発達段階 地域の実情 学習のねらい等を考えて 決めましょう Q5 何のために通学路安全マップをつくるのですか マップを完成させることだけが目的ではありません 例えば マップづくりを通して 危険箇所に 関する情報を みんな 校内の児童生徒等 保護者 地域の高齢者など で共有することが目的だとい うことを最初に児童生徒等に説明します 共有する相手が誰かによって 情報発信のあり方や表現方 法を学ぶ機会にもなります Q6 通学路安全マップづくりを通して何を学ぶのですか 略図にして作成した例 17 事後の危機管理 地図を活用した作成例 4 防災 防犯 交通安全の視点を身に付け 環境内の危険な状況や条件を客観的に認識できる力を 育成することが重要となります 具体的な危険箇所を取り上げて 危険予測や危険回避の学習をあわせて 行うことも可能です