第 29 回松江市都市計画審議会 資料 5 都市計画区域の検討に関する資料 松江市歴史まちづくり部都市政策課 平成 29 年 2 月 17 日
都市計画区域指定の考え方等について 都市計画区域とは ( 都市計画運用指針からの抜粋 ) 都市計画区域は 市町村の行政区域にとらわれず 土地利用の状況及び見通し 地形等の自然的条件 通勤 通学等の日常生活圏 主要な交通施設の設置の状況 社会的 経済的な区域の一体性等から総合的に判断し 現在及び将来の都市活動に必要な土地や施設が相当程度その中で充足できる範囲を 実質上一体の都市として整備 開発 保全する必要がある区域として指定する 都市計画区域等の指定による各種取り扱いの違い まとめ 都市計画区域とは : 都市の一体性を考えて 整備 開発 保全する必要のある区域 都市の一体性とは : 以下の条件に該当する区域が連続している状態 1 自然環境を保全する必要性が高い区域 2 地形 交通施設の配置状況 通勤 通学等の生活圏など 都市間の結びつきが強い区域 3 人口が多く 商 工業が盛んな区域 4 開発が多い または見込まれる区域 区分 土地利用規制の考え方 1 市街化区域 適正に市街化を促進する方向で誘導する 線引き 2 市街化調整区域 市街化を抑制する方向で厳しく規制する 都市計画区域 3 用途地域内 適正に市街化を促進する方向で誘導する 非線引き 4 用途地域外 大きく制限しない 5 都市計画区域外 原則 都市計画法は適用しない 開発許可 建築物の制限 建築確認 都市施設 ( 道路 ) 都市計画税 1000 m2以上の開発行為は許可が必要となる 都市計画法の用途地域指定に基づき 建築基準法により制限される 全ての開発行為は 許可が必要となる 原則 建築行為が制限される 3000 m2以上の開発行為は 許可が必要となる 都市計画法の用途地域指定に基づき 建築基準法により制限される 建築基準法による単体規定 ( 注 1) 集団規定( 注 2) の確認が必要となる 集団既定の一例 敷地が 幅 4m 以上の道路に2m 以上接していなければならない ( 接道要件 ) 地域間道路 市街化区域と 原則 定める 他の市街化区域を連絡する道路等以外は 原則 定め 原則 定める ることができない 課税することができる 原則 課税されないが 条例で定める区域については 課税することができる 10000 m2以上の開発行為は 許可が必要となる 県が市の意見を聴き 条例を定め大規模集客施設は制限される た場合のみ 一定の制限を受ける ( 建築基準法第 68 条の9) 建築基準法に定める一定規模等の建築物については 単体規定 ( 注 1) の確認が必要になる 望ましくないが 定めることは可能 条例で定める区域については 都市計画税を課税することができる 特に必要がある場合は 定めることができる 課税できない ( 注 1) 建物本体の安全性や生活衛生に関する規定 構造耐力 採光 防火構造など ( 注 2) 建物と周辺環境の関係を定める規定 建物の用途や建ぺい率 容積率 絶対高さ制限 接道 ( 義務 ) 北側斜線 道路斜線など
都市計画区域の指定状況 松江圏都市計画区域は 松江市と安来市からなる広域都市圏で 県内で唯一区域区分を定めている ( 線引き ) 都市計画区域である 宍道都市計画区域は 宍道町の国道 9 号沿線に設定されている都市計画区域で 区域区分を定めていない ( 非線引き ) 都市計画区域である 島根町 5 都市計画区域外 美保関町 鹿島町 2 市街化調整区域 八束町 1 市街化区域 5 都市計画区域外 1 市街化区域 3 用途地域 4 用途地域外 玉湯町 2 市街化調整区域 東出雲町 安来市 宍道町 5 都市計画区域外 八雲町 背景図 : 国土地理院
土地利用基本計画の概要 土地利用基本計画は 国土利用計画法第 9 条の規定に基づき 策定される計画で 島根県では 平成 22 年 3 月に策定されている 国土利用計画法に基づく土地取引規制及び遊休土地に関する措置 土地利用に関する他の諸法律に基づく開発行為の規制その他の措置を実施するに当たっての基本となる計画 松江市における指定状況 土地利用基本計画 表 土地利用基本計画における五地域 地域名国土利用計画法上の規定運用区域の区分等 都市地域 ( 都市計画法 ) 農業地域 ( 農業振興地域の整備に関する法律 ) 森林地域 ( 森林法 ) 一体の都市として総合的に開発し 整備し 及び保全する必要がある地域 農用地として利用すべき土地があり 総合的に農業の振興を図る必要がある地域 森林の土地として利用すべき土地があり 林業の振興又は森林の有する諸機能の維持増進を図る必要がある地域 都市計画法に基づく都市計画区域として指定されることが予定されている地域 農業振興地域の整備に関する法律に基づく農業振興地域として指定されることが予定されている地域 森林法に基づく国有林及び地域森林計画対象民有林として指定されることが予定されている地域 市街化区域 市街化調整区域 用途地域 農用地区域 その他 松江市には自然保全地域の指定はない 出典 : 自然公園区域 (H27 年 ) 森林地域 (H23 年 ) 農業地域 (H27 年 ) は 国土数値情報よりダウンロードして作成 ( それぞれ土地利用調整総合支援ネットワークシステムのデータを活用 ) 地域計画対象民有林 ( 保安林 その他 ) 国有林 自然公園区域 ( 自然公園法 ) 優れた自然の風景地で その保護及び利用の増進を図る必要がある地域 自然公園法に基づく国立公園 国定公園及び都道府県立自然公園として指定されることが予定されている地域 国立公園 国定公園 ( 特別地域 海域公園地区 普通地域 ) 都道府県立公園 ( 特別地域 普通地域 ) 自然保全地域 ( 自然環境保全法 ) 良好な自然環境を形成している地域で その自然環境の保全を図る必要がある地域 自然環境保全法に基づく原生自然環境保全地域 自然環境保全地域及び都道府県自然環境保全地域として指定されることが予定されている地域 原生自然環境保全地域 ( 立入制限区域 その他 ) 自然環境保全地域 ( 特別地区 海域特別地区 普通地区 ) 都道府県自然環境保全地域 ( 特別地区 普通地区 ) 出典 : 国土交通省ホームページ ( 土地総合ライフラリー ) より抜粋 区域の区分等については 土地利用計画図の凡例等を基に追加している
土地利用の指定状況 自然公園区域は 島根半島が大山隠岐国立公園に指定されている他 宍道湖北山自然公園が指定されている 保安林 国有林は 島根半島及び南部の丘陵地に主要なものが分布している 農用地区域は市街地周辺部の谷筋を中心に指定されている 市街地以外の都市計画区域と他の地域との重複区域の調整方針 重複区域 農業地域との重複 森林地域との重複 自然公園地域との重複 調整方針 農用地区域 : 農用地としての土地利用を優先するその他の地域 : 土地利用の現況に留意しつつ 農業上の利用との調整を図りながら都市的な利用を認めるものとする 保安林 : 保安林としての土地利用を優先するその他の地域 : 森林としての利用の現況に留意しつつ 森林としての利用との調整を図りながら都市的な利用を認めるものとする 特別地区 : 自然公園としての土地利用を優先する普通地区 : 相互に重複している場合は 両地域が両立するよう調整を図っていくものとする 市街化区域及び用地地域エリアとその他の森林地域の重複は 積極的に緑地の保全を取り入れながら 都市的な利用を図っていく また自然公園普通地域との重複は自然公園としての機能をできる限り維持できるよう調整を図りながら 都市的利用を図っていく 出典 : 島根県土地利用計画書より 市街化区域と用途地域を合わせて 市街地 と表現している 背景図 : 国土地理院 出典 : 自然公園区域 (H27 年 ) 保安林 国有林(H23 年 ) 農用地区域(H27 年 ) は 国土数値情報よりダウンロードして作成 ( それぞれ土地利用調整総合支援ネットワークシステムのデータを活用 ) 農用地区域については 一部 松江市農政課より資料提供を受け修正 5
中山間地域の指定 島根県の 中山間地域 の定義 ( 島根県中山間地域活性化基本条例 : 平成 11 年 4 月 ) では 産業の振興 就労機会の確保 保健 医療 福祉サービスの確保その他の社会生活における条件が不利で振興が必要な地域 とされ次のうち 1 つでも該当する地域が 中山間地域 ( 島根県中山間地域活性化基本条例施行規則 ) 1. 過疎地域 ( 過疎地域自立促進特別措置法で指定 ) 2. 特定農山村地域 ( 特定農山村法で指定 ) 3. 辺地地域 ( 辺地にかかる公共施設の総合整備のための財政上の特別措置に関する法律で指定 ) 4. これらと同等に条件が不利である地域 ( 知事が告示 ) 過疎地域に準ずる地域 = 高齢者比率又は若齢者比率が 過疎地域と特定農山村地域全体の平均以上又は平均以下の旧市町村 県中山間地域活性化基本条例では 中山間地域への施策や支援として 以下のように定めている 1 定住環境の整備 : 道路 下水道等の社会生活基盤の整備その他の生活基盤の整備 2 活力ある中山間地域の創造 : 農林水産業の振興 総合的な保健 医療 福祉施策の推進 商工業の振興 3 中山間地域に対する支援 : 地域資源の活用 農地の保全その他の中山間地域の公益的機能の維持増進を図るため 中山間地域の活性化を図る事業に対する積極的な支援 国勢調査 (H22) の結果を踏まえ 平成 28 年 10 月見直しにより 松江市においては 準ずる地域 として 新たに 5 地域が追加指定された 松江市における中山間地域の指定状況 松江市で新たに指定された地域 地域 人口 ( 人 ) 高齢者比率 若年者比率 本庄 2,723 38.3% 10.3% 秋鹿 2,042 34.8% 9.1% 大野 1,508 36.4% 9.6% 大野 秋鹿 恵曇 御津 島根町 本庄 美保関町 八束町 恵曇 2,658 31.3% 6.7% 八束 4,072 31.7% 11.1% 全体平均 34.1% 11.4% 八雲町 全体平均は 過疎地域と特定農山村地域全体の平均
生活圏 ( 通勤 買い物 ) 松江市においては 通勤 買い物の動向から 一体的な生活圏が形成されている < 通勤 > 東出雲町 八雲町で旧松江市への通勤の割合が高くなっている その他の地域でもおおむね旧松江市への通勤が多いが 美保関 八束 宍道については 隣接する他市町への通勤も多くなっている 特に美保関町では 境港 旧松江市の割合が同程度になっている < 買い物 > 島根町 鹿島町 八雲町で旧松江市への依存度が高く 大型店舗が立地する境港に隣接する美保関町 八束町では 境港への依存度が高くなっている スーパーマーケットの立地する玉湯町 宍道町 東出雲町では 地元購買率が高くなっている 購買力流出入率 (%) 合併前の各市町村全員の買い物額を市町村の販売額で割ったもの ( 算式 ) 合併前市町村の人口 県平均の 1 人当たり年間小売販売額 ( 潜在購買力 ) 市町村の年間販売額 出典 : 島根県商勢圏実態調査 ( 平成 26 年 3 月 島根県商工会連合会 )
主要道路の交通量 旧松江市の中心部に向かって放射状に道路整備 が行われ 物流及び市民生活を支える道路となって おり 一体的な生活圏を形成している 山陰道 国道9号 国道431号の順に交通量が多 く 広域的な交通軸となっている 国道485号 2400 400 1200 2900 松 江 島 根 線 松江鹿島美保関線 2300 6900 8000 5000 13000 参考値 22000台 24h H25.10 17000 国道9号 15000 30000 出雲方面 12000 38000 3000 米子方面 1500 6000 18000 J木次線 国道54号 3000 広島方面 松 江 木 次 線 1500 資料 H22道路交通センサス 数値は 台数 12時間交通量の概数 8
開発及び建築の動向について ( 市街化調整区域 ) 建築確認申請の年平均件数 農地転用の年平均許可面積 ( m2 ) 開発行為の年平均許可件数 大野 朝酌 本庄 市街化調整区域においては 条例に基づく緩和制度が導入されているが 大野一帯 本庄一帯 朝酌一帯 といったまとまったエリアにおいては 開発及び建築はほとんど行われていない 建築確認は H17.4~H27.3 のデータ ( 住宅及び共同住宅 ) 開発許可は H17.4~H27.3 のデータ ( 分家住宅を除く住宅 ) 農地転用は H18.5~H27.3 のデータ ( 分家住宅 農家住宅を除く宅地目的 )
開発及び建築動向について ( 都市計画区域外 ) 都市計画区域外においては 忌部 佐陀川沿い ( 名分 佐陀宮内 佐陀本郷 ) 八雲 上来待 八束町 ( 波入 入江 ) において 比較的建築及び開発が多くなっている 建築工事の年平均届出件数 農地転用の年平均許可面積 ( m2 ) 忌部 佐陀川一帯 八雲町 八束町 建築確認は H17.4~H27.3 のデータ ( 住宅及び共同住宅 ) 農地転用は H18.5~H27.3 のデータ ( 分家住宅 農家住宅を除く宅地目的 )