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Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

Ⅰ. 震災により明らかになった電力供給システムの問題点 東日本大震災により我が国の電力供給システムに内在していた問題点が顕在化 その一端として 例えば以下のような事態が生じた 需要家が工夫できる度合いや 電気の必要性の大小にかかわらず 一律の計画停電や電力使用制限によらなければ需要抑制ができず 国民

1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

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これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

i-1 電気事業制度についてー 1 自由化 2000 年 3 月から大口需要家に対する電力小売が自由化 その後 2004 年 4 月 2005 年 4 月と 自由化範囲が段階的に拡大 さらに 電力システム改革専門委員会での検討を踏まえ 2016 年 4 月から小売全面自由化が開始された (j-3 参

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

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図 2: 今後の主な市場整備等 2. ベースロード電源市場等 2.1. 契約見直しの必要性新電力がベースロード電源 ( 石炭火力 水力 原子力等 ) にアクセスすることを容易にし 小売競争を更に活性化させることを目的として ベースロード電源市場を創設するとともに ベースロード電源を保有する旧一般電気

下水道は私たちの安全で快適なくらしを支えています

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大阪電力選べる環境づくり協議会

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FEPC INFOBASE i - 電気事業制度

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

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検討の進め方 出所 ) 第 4 回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会資料 3( 赤枠削除 ) 217/chousei_sagyokai_4_haifu.html 2 第 11

余白 1

一体的な制度改革による総合エネルギー市場の創出 1 1 光熱費 という言葉があるように 消費者にとってエネルギー市場は一体のもの 他方で 従来 我が国のエネルギー市場は 電力 ガス 熱等の業態ごとに制度的な 市場の垣根 が存在 ( ) 石油や LP ガスは既に参入規制なく 自由な市場 一体的な制度改

発電単価 [JPY/kWh] 差が大きい ピークシフトによる経済的価値が大きい Time 0 時 23 時 30 分 発電単価 [JPY/kWh] 差が小さい ピークシフトしても経済的価値

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

2 空 白

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1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安

特別企画コンファレンス

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2014年7月30日 東京電力株式会社

商品設計の再検討について 2 商品設計のイメージとして議論してきた調整力の要件をより詳細に検討した結果 見直しが必要と考えられえる箇所が顕在化してきたため その箇所について新たに議論をしたい なお 本資料の内容は 資料 6 需給調整市場に関する意見募集について ( 案 ) の 3 項に組み入れる予定

安定供給の確保に係る事業者等の役割 1 第 2 段階においてライセンス制が導入された以降も安定供給を維持するためには 各事業者等がそれぞれに課された責務をしっかりと果たしていくことが求められます 特に 小売事業者が果たすべき役割は重要であり 自社顧客の需要に応じた供給力を確保するためのインセンティブ

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

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検討結果 電力小売事業の全面自由化時 (2016 年 /4 月 ) から使用される 需要家スイッチング支援システム を中心にした スイッチング関連業務に関するルール の建付けについて 検討した結果を報告します 1. スイッチング関係ルールを 広域機関ルール として以下のように策定する ( 対象のルー

資料 3 第 21 回制度設計専門会合事務局提出資料 ~ 卸電力市場活性化に係る事業者ヒアリング ~ 平成 29 年 8 月 28 日 ( 月 )

問 3. いつから小売の全面自由化が行われるのですか 答.2016 年 ( 平成 28 年 )4 月 1 日です 問 4. いつから小売電気事業者の変更申込みが可能となるのですか 答.2016 年 ( 平成 28 年 )1 月より小売電気事業者により変更申込みの事前受付が本格化し 来年 3 月以降

系統情報の公表の考え方 平成 24 年 12 月平成 26 年 3 月改定平成 27 年 11 月改定平成 28 年 4 月改定資源エネルギー庁電力 ガス事業部 1. 検討の背景 平成 27 年 4 月に電力広域的運営推進機関が発足して以降 旧一般電気事業者等の系統に関する情報 ( 以下 系統情報

電中研における次世代のグリッド技術開発

電力システム改革の検討状況

Ⅰ. 認定制度 1. 認定制度 の現状 2. 認定時期について 3. 認定案件の適正な事業実施に向けて 4. 調達価格の決定時期

スマートコミュニティと新しいビジネス ~エネルギー関連新規ビジネスを促進するために~

White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan

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電力システム改革に関する意見 <ポイント>


資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

電力レジリエンス ワーキンググループの目的及び概要設置の経緯 目的 座長大山力 〇委員市村拓斗大橋弘小野透 金子祥三熊田亜紀子崎田裕子首藤由紀曽我美紀子松村敏弘山田真澄 平成 30 年北海道胆振東部地震を始めとした一連の災害によって 大規模停電等 電力供給に大きな被害が発生 様々な課題が明らかになる

(5) 自由討議 ( 含む質疑応答 ) 猪瀬副知事による 資料 3にある東京電力の経営合理化に関する提案に対して 枝野大臣から 1 東京電力は電気料金の値上げを需要家にお願いするに際して 徹底した経営合理化を行うことが不可欠であり これまで 東電 経営財務調査委員会及び原子力損害賠償支援機構において

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i-1 電力の自由化 平成 12 年 3 月から大口需要家に対する電力小売が自由化 さらに 電気事業分科会における検討の結果 平成 16 年 4 月 平成 17 年 4 月と 自由化範囲が段階的に拡大 小売の部分自由化 (1) 自由化範囲の拡大 小売の部分自由化は 平成 12 年 3 月より 特別高

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

3. 制度見直しの方向性 3-1. 送配電関連設備に係る費用の利用者間の負担 送配電網の利用者として 送配電網に接続している発電者と需要家が挙げられるが 現行制度上 送配電関連設備に係る費用は 発電側による電源接続時の初期費用負担を除き 需要側のみが負担 ( 小売電気事業者が託送料金を負担し それを

前回の御議論 2 1) 第 6 回連系線利用検討会において 下記のような御意見があった 経過措置の転売を禁止することで効率性を低下させているため 転売を可能とすることについても 改めて検討すべき 経過措置が 10 年という長期であるにもかかわらず 経過措置を転売不可とすると 非効率性が増す側面もある

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

説明 年間断面におけるマージンの値 2 間接オークション導入が 2018 年 10 月 1 日からとなったことを踏まえ 10 月以降分のマージンについて間接オークション導入後に適用される送配電等業務指針に基づき設定する 変更後の送配電等業務指針では 実需給断面におけるマージンが必要な場合を除き 原則

2 I. 電力小売自由化後の課題 II. 都市ガス自由化に向けての課題 III.LP ガスの課題 まとめ

問 3. いつから小売の全面自由化が行われるのですか 答.2016 年 ( 平成 28 年 )4 月 1 日です 問 4. いつから小売電気事業者の変更申込みが可能となるのですか 答.2016 年 ( 平成 28 年 )4 月から 小売全面自由化が始まっており 既に申込みは可能です 問 5. 小売電

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目次 総論 電力システム改革の必要性 1. 欧州における電力自由化と自然エネルギー導入 3 2. 日本の電力システム改革の現状 4 各論 13 の改革提言 1. 発送電分離のあり方と送電会社の重要性 発送電分離の 3 類型 1.2 送電会社と自然エネルギー 1.3 日本における発送電分離

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

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電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

第 21 回系統 WG プレゼン資料資料 1 九州本土における再エネ出力制御の実施状況について 年 4 月 2 6 日 九州電力株式会社

平成 30 年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業 (A 事業 ) 東京電力パワーグリッド株式会社関西電力株式会社 2019 年 3 月

本日の内容 2 一般送配電事業者が電源 Ⅰ の公募調達を行うに当たり 広域機関は 一般送配電事業者が募集量を設定する際の基本となる考え方を示す必要がある 217 年度の調整力公募における電源 Ⅰ 必要量の基本的な考え方について改めて整理したので 電源 Ⅰ Ⅰ 必要量の考え方等についてご議論いただきた

Q 切り替えする手続きが面倒じゃないの? A 新しく契約する電力会社へ申し込みをするだけで 今の電力会社へ連絡はせずに切り替えができます また Web でも簡単に申し込み手続きができるようになります Q 停電が増えたり 電気が不安定になったりしないの? A 新電力と契約した場合でも 電気を送る電線や

マージンバランス給運用容量4 周波数維持用容量空容量その他需現状と課題 1 現状の北海道本州間連系設備 ( 以下 北本 という ) の運用容量 マージンの考え方 交流連系線における運用容量の考え方と異なり 北本は設備容量を運用容量としている 北本 ( 両方向 : 以下 記載省略 ) では 交流連系線

表 1 小売電気事業者( 新電力とみなし小売電気事業者の総計 ) の平成 29 年 3 月分 販売電力量 ( エリア別 ) 販売電力量合計 ( 単位 :MWh) その他需要 合計 北海道 260,709 1,129,470 1,028, ,749 8,428 2,730,690 東北 1

中部電力のICT活用に関する取り組み

申込代行事業者さまへのお知らせについて

説明 年間断面におけるマージンの値 2 間接オークション導入が 2018 年 10 月 1 日からとなったことを踏まえ 10 月以降分のマージンについて間接オークション導入後に適用される送配電等業務指針に基づき設定する 変更後の送配電等業務指針では 実需給断面におけるマージンが必要な場合を除き 原則

資料 1 申込代行事業者さまにご確認 ご対応いただく内容 1. 同封資料の内容について ご確認をお願いいたします 1 今回 当社からご確認させていただく対象は ( 資料 2) 今回確認の対象となる発電所一覧 に記載している発電所です 複数の発電所を申込みいただいた申込代行事業者さまについては ダイレ

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適正な電力取引についての指針 目次 第一部適正な電力取引についての指針の必要性と構成 1 第二部適正な電力取引についての指針 Ⅰ 小売分野における適正な電力取引の在り方 1 考え方 3 (1) 小売供給 (2) 経過措置料金による小売供給 2 公正かつ有効な競争の観点から望ましい行為及び問題となる行

はじめに 2 第 4~6 回作業会にて 調整力の細分化 市場化に対応するための技術的課題 および広域的な調達 運用に対する技術的課題について検討を行い 2020 年 および2020+X 年の需給調整市場の姿を提示し 第 21 回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会にて方向性について了解を得た

令和元年 6 月 4 日 科学技術振興機構 (JST) 北 海 道 大 学 名 古 屋 大 学 東 京 理 科 大 学 電力使用量を調整する経済的価値を明らかに ~ 発電コストの時間変動に着目した解析 制御技術を開発 ~ ポイント 電力需要ピーク時に電力使用量を調整するデマンドレスポンスは その経済

UIプロジェクトX

我が国における電力卸取引の現状と今後の役割 一般社団法人日本卸電力取引所國松亮一 -0- C2018Japan Electric Power Exchange All Rights Reserved

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目 次 作業停止調整方法の変遷と背景の振り返り 本日の議論内容 1 発電制約量売買方式 暫定運用 の調整方法 2 発電制約量売買方式 暫定運用 における費用負担 1 費用負担者 2 費用負担の対象範囲と基準値 3 発電制約量売買方式 暫定運用 における 発電制約対象設備の選定 3 今後のスケジュール


接続検討回答書【別添(特別高圧)】

報告書の主な内容 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 2012 年度冬季電力需給の事前想定と実績とを比較 検証 2013 年度夏季の電力需給の見通し 需要面と供給面の精査を行い 各電力会社の需給バランスについて安定供給が可能であるかを検証 電力需給検証小委員会としての要請 2013 年度夏季の電

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接続検討回答書【別添(高圧)】

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本日の議論 ( 背景等 ) 全面自由化された小売分野における健全な競争を促すためには 競争的な電源調達環境が必要不可欠 具体的には 相対取引 取引所取引などの形を問わず 小売電気事業者が如何に競争条件下で電源にアクセスできるかが重要となる こうした観点から これまでも 常時バックアップの導入 運用改

変更履歴 年月日内容 作成 第 6 章適用時期およびアクセス案件の取り扱い (2) 電源接続案件募集プロセスへの対応について当面の適用方法 ( 補足 ) を追記 章構成を変更 第 2 章前提条件 適用する系統分類を明確化 適用系統に応じた潮流

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力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

市町村から国への要望一覧 事項名要望内容改善案 ( 省庁名を記入してください ) いつまでに実施するか 効果 ( 現状との数値比較等 ) 再生可能エネルギーの導入促進 要望事項 1 政府は将来を見据えた責任あるエネルギー政策を実行するためにも エネルギー基本計画に掲げている再生可能エネルギーの導入量

Transcription:

2015 年 1 月 30 日電気学会公開シンポジウム 電力自由化の方向性 東京大学 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 横山明彦

内容 電力システム改革をめぐるこれまでの動き 広域機関の役割 広域需給運用技術 供給力確保策 送電網の計画 建設 安定化制御 スマートメーター デマンドレスポンス まとめ

2005 年第 4 次電力自由化 制度改革 余剰電力等を市場に投入 卸電力取引市場の創設 任意取引市場 ( 法律外事項 ) として創設 余剰電力等を市場に投入 卸電気事業者等 電力 A 電力会社 B 電力会社 A 電力会社管内ネットワーク B 電力会社管内ネットワーク ネットワークの公平性確保電力会社のネットワーク部門の情報遮断 内部相互補助禁止等を法的に担保 新規参入者 (PPS) 自由料金 ( 競争 ) 規制料金 中立機関の創設 ネットワーク運用の監視 ネットワークルールの整備 運用等 ( 電力会社 PPS 学識経験者等で構成 ) 自由化部門 規制部門 大 中工場デパート オフィスビル 中小ビル 家庭小規模工場コンビニ

低炭素電力供給システムの構築 ( 次世代送配電システム ) 低炭素電力供給システム研究会資料より

3.11 東日本震災後の電力システム改革の論点 < 新たな需要抑制策 > 論点 1: スマートメーターの整備を進め 需給逼迫時に市場メカニズムを通じた需給調整機能を強化 < 需要家の選択 > 論点 2: 小口小売分野についても 大口分野と同様 需要家が選択できる仕組みを導入 < 供給の多様化 > 論点 3: 小売分野の選択肢拡大のためには 卸電力市場の活性化などが必要 論点 4: 再生可能エネルギーやガスコジェネレーションの活用も含め 分散型エネルギーの活用 論点 5: 適切な予備力を確保し 安定的に供給力を確保するための仕組みが必要 < 競争の促進と市場の広域化 > 論点 6: 電力会社同士での競争を行うため 供給区域を超えた電力供給に関する障壁の撤廃や 卸電力取引市場を通じた競争活性化が必要 論点 7: 既存の供給区域を超えた広域での系統運用や需給調整を行うための仕組みが必要 論点 8: 送配電部門の中立性を確保し 電源間の公正競争のため 会計分離の徹底 法的分離 機能分離 所有分離などさらなる送配電部門の中立化を行う < 安定性と効率性の両立 > 論点 9: 市場メカニズムの活用による競争の徹底に際しては 安全性の確保 適切な送配電投資の確保 ユニバーサルサービスの確保 供給責任の確保等に対応する仕組みの再構築が必要 論点 10: 多様な主体の参画により複雑化する設備形成や系統運用上の技術的課題を克服しつつ 安定性と効率性を両立する新たなシステムを構築が重要

電力システム改革の工程表 15 16 18 20 現在 2013 年 2 月電力システム改革専門委員会報告書より

発送分離 2013 年 2 月電力システム改革専門委員会報告書より

エネルギー基本計画 ( 平成 26 年 4 月 ) の主なポイント エネルギー政策の要諦は 3E+S ( 安全性 :Safety 安定供給 :Energy Security 経済効率性の向上 :Economic Efficiency 環境への適合 :Environment) 原子力は 安全性の確保を大前提に重要なベースロード電源 再生可能エネルギーの導入を加速 需給バランスを確保するための方法のひとつとしてデマンドレスポンスを活用 このために 2020 年代早期にスマートメーターを導入 電力システム改革の断行 広域的運営推進機関の設立 小売および発電の全面自由化 送配電部門の法的分離 スマートコミュニティの実現 エネルギーマネジメントを通じた新たなサービスの創出や需給バランスの管理 etc

再生可能エネルギー ( 大規模水力除く ) の設備容量の推移 出所 : 経済産業省総合資源エネルギー調査会省エネルギー 新エネルギー分科会新エネルギー小委員会第 1 回資料

電力広域的運営推進機関と送配電事業者 発電事業者等との関係 広域系統運用機関 ( 全国で 1 箇所 ) 日本全体の需給計画 系統計画のとりまとめ ( 将来の需要想定に対する供給予備力の管理 必要な送電インフラの増強を指導 勧告 ) 需給及び系統の広域的な運用 ( 再エネ導入拡大等にも対応した連系線 基幹系統の潮流管理等 ) 需給ひっ迫緊急時の措置 系統アクセス業務 ( 配電系統を除く接続検討の受付 検討結果の事業者への通知等 ) 系統情報の公開 系統計画 系統アクセス 系統運用等に係るルール策定 ( 小売全面自由化後において ) 長期的供給力不足が見込まれる場合の供給力確保措置 ( 容量市場の運営 電源入札等 ) 連系線 基幹系統の補修等に伴う電源の停止計画の調整 連系線の管理値の指示等 送電線の補修等に伴う電源の停止計画の調整 需給ひっ迫緊急時の電源焚き増し指示等 各地の発電事業者 小売事業者 供給力確保義務に対応した供給力の確保 ( 小売事業者 ) 電源の建設 運転 保守 顧客への電力供給 エリアの計画の提出等 電源計画の提出 自社需給の計画提出 供給力確保状況の提出等 電源への給電指令等 送配電事業者 ( 各エリア ) エリアの系統計画の立案 エリアの需給運用 - 需給バランス調整 周波数調整 - 電力 新電力 再エネ等電源への給電指令 エリアの送配電系統の運用 - 送配電系統の指令 系統の監視 - 設備の建設 運転操作 保守 事故時等の復旧対応 - 託送料金の算定 資源エネルギー庁第 1 回制度設計ワーキンググループ資料 (~ 広域的運営推進機関の業務及び組織 運営 ~) より

送配電事業者と BG の中給の役割 BG 中給 実運用 1 時間前から実運用までの需給調整 (30 分インバランス補償 LFC) 送配電事業者中給 A A B で広域メリットオーダー ( 経済運用 ) が可能か? 電力広域的運営推進機関 送配電事業者中給 B BG 中給 新発電事業者の BG BG 中給 実運用 1 時間前までの計画同時同量 ( 経済運用 負荷追従運用 ) G BG 中給 G G G G 一般電気事業の発電事業者の BG

インバランス料金制度

再生可能エネルギー電源の送電による周波数調整 連系線に変動電力を流す

地域間連系線の利用 増出力 立ち上げ G マージンの利用による緊急融通 自然変動電源による利用 G 発電機の脱落などの事故 A エリア 地域間連系線 マージンの利用ができない場合 負荷遮断 B エリア G

供給計画のスキームにより各主体に求める内容と国 広域機関の対応 第 2 回制度設計ワーキンググループ事務局提出資料 ~ 新たな供給力確保策について ~

供給力確保についての考え方 不確実性の増加! 発電事業者は この制度を利用したいと思うはず 競争的電源ができるか? 2013 年 2 月電力システム改革専門委員会報告書より

小売事業者による供給力確保イメージ 第 2 回制度設計ワーキンググループ事務局提出資料 ~ 新たな供給力確保策について ~

送電網の設備形成に向けた基本的な業務フローイメージ 当該検討に当たって必要となる電力系統の安定度に関するシミュレーションその他の分析ツールを具備すること 第 6 回制度設計ワーキンググループ事務局提出資料 ~ 広域的運営推進機関における設備形成ルールの在り方 ~

スマートメーターの導入 電気料金プログラムの間接制御による DR 第 6 回制度設計ワーキンググループ事務局提出資料 ~ スマートメーター制度検討会における検討結果と今後の対応 ~ より

インセンティブ型 DR 実証事業 〇海外では ピークカットやピークシフトを目的とした料金連動型のDRだけでなく 予備力調達や周波数調整といった系統運用に欠かせないアンシラリーサービスの分野にも適用 〇この事業では 次のような項目について調査 評価を実施 ピーク時供給力調達のためのDR 運転予備力調達のためのDR 周波数調整のためのDR 経済的な電力調達のためのDR 他 インセンティブ型デマンドレスポンスのイメージ デマンド監視装置デマンド表示 出所 : 経済産業省ホームページ

小規模エリアでのアグリゲータ的事業 パワーネットワーク 情報ネットワーク LEMS さまざまな料金メニューによる需要削減 需要シフト 負荷 PV BESS PV HP PV EV 蓄電池のローカル制御とその系統貢献 負荷 PV BESS HP EV FC PV EV PHEV の V2G スマート充電ビジネス PV 負荷 BESS HP EV FC HP EV スマートインターフェース FC PV 負荷 BESS HP EV FC 負荷 HP EV BESS スマートインターフェース FC 電力小売り市場 ( 需要家参加 ) ( 前日市場 1 時間前市場 リアルタイム市場 ) LEMS:Local Energy Management System

おわりに 供給力確保策の制度設計 ( リアルタイム市場 容量市場 電源入札制度など ) 広域系統安定化技術の開発 ( ビッグデータ アダプティブな広域安定化装置など ) 大規模自然災害に対する系統増強も含めた合理的な電力系統形成の考え方の整理 電源計画 系統計画の協調の取り方の検討 スマート化の地に足のついた推進 ( 技術開発 実証 サイバーセキュリティ 費用負担等 ) 供給信頼性 安定性 経済性