本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめています

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

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1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

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重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

5 安全 減災措置 建物建物は地震対策はなされていますか? 耐震補強 耐震 制震 免震設備状況 ( リスト ) 耐震 安全性診断 ( 発災前 ) 耐震 安全性診断を受けていますか? 施行証明書 実施状況 ( リスト ) 応急危険度判定 ( 発災後 ) 転倒 転落の防止措置 6 本部への被害状況の報告

各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

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油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

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九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

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4 回答者属性 (1) 性別 人数割合 (%) 男性 女性 49.4% 0.4% 男性 5 女性 % 2 0.4% (2) 年代別 人数割合 (%) 20 代 % 30 代 % 40 代 % 50 代 % 60~6

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平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

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ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

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5 防災の日を知っている方は約 8 割 防災の日については知っている 聞いたことがあると答えた方が 8 割以上を占めました 9 月 1 日が防災の日 であることまでご存知の方は全体のうち 57.5% でした (Q10 参照 ) アンケート概要 アンケートタイトル地震防災に関するアンケート リサーチ実

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資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

Ⅰ. はじめに はじめに 調査プロジェクトの一環として 外部会場を利用した実査 ( 会場調査 CLT やグループインタビュー等 ) の実施時における 台風 地震 火災その他の災害に対する対応の指針として ここに JMRA 外部会場における調査時の緊急時対応ガイドライン を定める 当ガイドラインは 調

⑥調査結果(防災・減災)

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職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

1 防災に関する意識 (1) 災害被害の具体的イメージ ( 複数回答, 上位 4 項目 ) 平成 25 年 12 月 地震 80.4% 竜巻, 突風, 台風など風による災害 48.1% 河川の氾濫 19.6% 津波 17.8% ( 複数回答 )

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首都圏で大地震が起きると 建物 が 倒 れ ま す! 揺れで建物が倒れます 窓ガラスが割れ 道路に飛び散ります 火災があちこちで起きます 特に木造の建物が集まっている 火災 が 起 き ま す! 地域では 大規模な火災が起きる場合があります 道路 が 通れ な く な り ま す! 建物が倒れて道路

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る


目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

2 本紙について 本紙は 通信回線の管理者等が脆弱性評価を行うにあたって 有用と考えられるポイントを 電気通信事業者の視点で取りまとめた参考資料である 大規模災害等が発生し 電気通信ネットワークがケーブル切断等により途絶した場合 電気通信事業者は電気通信事業法第 8 条の重要通信の規定に照らし 重要

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

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防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

夜久野ふれあいプラザ施設概要 保有施設 バリアフリー トイレ男女共用 - 毛布 テレビ ラジオ FAX スロープ 防災無線 - ブルーシート 12 タオル 300 枚 バスタオル 50 枚 懐中電灯 1 乾電池 ( 単一型 ) 6 カセットコンロ 2020 年 8 月 1 台 ダンボール間仕切りセッ

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Ⅱ 土砂災害警戒情報が出たら 緊急連絡網による連絡 電話 メール FAX その他 ( ) の実施 ( 副会長, 各種団体, 該当する自主防災部等 ) 緊急避難場所の開設準備を指示 隣接自主防災会へ情報を提供 該当自主防災部を通じて, 緊急避難場所として の開設準備中 ( 又は開設済み ) を住民へ伝

( 施設名 ) における 土砂災害時の避難確保計画 各施設の状況に応じて 赤字部分を修正してください 福祉施設 医療機関両方で使用できる内容にしています 不要な部分は削除してください 施設の状況に応じて内容を追加してください ( 提出時 このテキストボックスは削除してください ) 平成 年 月

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平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

L アラート ( 災害情報共有システム ) の概要 1 情報発信 情報伝達 地域住民 市町村 災害時の避難勧告 指示 お知らせ等 収集 フォーマット変換 配信 テレビ事業者 システム接続 ケーブル地上波 デジタル TV データ放送など ( テキストで表示 ) 情報閲覧 入力 防災情報 お知らせ等 都

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2. 防災拠点の代替施設の指定防災拠点施設が被災し使用不能となれば 災害対策本部等が設置できず 活動体制全体に遅れが生じ 迅速な災害対応を指揮することが困難となるとともに 災害対応以外の業務 ( 通常業務 ) を行うことも困難となるため 代替施設での対応が必要となります そのため 防災拠点施設におい

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1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

対応すべき行動_0921

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Q7: 判定様式には80% を超えるサービスのみ記載するのですか? それとも 80% を超える超えないに関わらず 居宅サービス計画に位置づけたサービスはすべて記載するのですか? A7: 80% を超える超えないに関わらず 居宅サービス計画に位置づけたサービスについて すべて記載してください Q8:

障害者 ( 児 ) 防災アンケートの主旨 アンケートの概要 Ⅰ 避難に関すること Ⅱ 情報伝達に関すること Ⅲ 避難所及びその環境に関すること Ⅳ 日頃の備えに関すること 障害者 ( 児 ) 防災アンケート < 配布用 >

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市町村名 担当課名 電話番号 FAX 番号 E メールアドレス 備考 本山町 総務課 大豊町 総務課

平成 28 年度第 3 回弘前市ケアマネジャー研修会 1. ケアプランの軽微な変更の内容について ( ケアプランの作成 ) 最新情報 vol.155 p.3 参照 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について( 平成 11 年 7 月 29 日老企 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長

(案)

Transcription:

介護保険サービス事業所における非常災害対策 マニュアル作成のポイント 平成 26 年 7 月 宮城県保健福祉部長寿社会政策課 介護保険指導班

本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめていますが, 事業所によって立地条件等, 状況が異なるため, 本書を参考としつつも固有のリスク, 事業所の規模等を考慮し, 各々に最適なマニュアルを作成するようにしてください 本書の利用方法本書では, マニュアル作成にあたって最低限検討が必要と考えられる点を挙げています ポイントについては, 別紙 チェックリスト と併せて, 事業所の状況を確認しつつ, どのように対策すべきかを事業所全体で話し合いながらマニュアルを作成してください 特にリスク意識や災害時の行動基準については, 全職員間で共有しておかなければ効果がありませんので, 事業所全体で十分検討願います 1

目次 1. 立地条件の確認 リスクの把握を行う 3p 2. 職員の災害対応体制を整える 4p 3. 災害発生時の対応を検討する 6p 4. 平常時の事業所の防災対策を行う 8p 5. ライフライン断絶への対応 備蓄品等を検討する 9p 6. 避難訓練等を通じたマニュアルの見直しを行う 11p 7. 参考資料 12p 2

1. 立地条件の確認 リスクの把握を行う 事業所において災害対策を計画するには, まず事業所の立地条件を確認することで事業 所がどういった災害に被災するリスクがあるのか把握する必要がある (1) 立地条件の確認 リスクの把握を行う事業所の立地条件についてハザードマップ等を利用して確認し, どのような災害のリスクがあるのかを把握する 下記参考資料等に基づき, 立地条件によって想定される事業所固有のリスクに応じて対応策を検討する ( 例 ) 地震による事業所の損壊, 津波 洪水による浸水, 土砂崩れ, 火山の噴火による被害, 原子力災害, 大雪による事業所の孤立 ( 参考 ) 各ハザードマップ等 土砂災害関係 土砂災害危険箇所 土砂災害警戒区域等指定箇所 http://www.dobokugis.pref.miyagi.jp/ http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sabomizusi/kasyo.html 洪水 津波関係 洪水ハザードマップ 宮城県土木部港湾課 http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kasen/ki-kouzui-hm.html 津波ハザードマップ 国土交通省 http://www1.gsi.go.jp/geowww/disapotal/viewer/index.html?code=4 地震関係 表層地盤のゆれやすさ全国マップ内閣府 http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/h17/yureyasusa/ 火山関係 蔵王火山ハザードマップ 原子力関係 宮城県地域防災計画 ( 原子力災害対策編 ) 宮城県土木部防災砂防課 宮城県土木部防災砂防課 http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sabomizusi/zao-hazadomap.html 宮城県環境生活部 http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/gentai/bousaikeikaku.html 原子力安全対策課 (2) 被災リスクと災害への対策の職員への周知を行う 事業所の被災リスクと対策について, 平常時から職員に周知する必要がある 周 知の方法や機会についても検討する 3

2. 職員の災害対応体制を整える 災害が発生した場合に混乱をきたさずに組織的な行動がとれるよう, 連絡体制や役割分 担について整理しておく (1) 安否確認 連絡体制を整備するア. 緊急連絡網の作成災害発生時に迅速に職員間で連絡を取り安否確認ができるよう, 緊急連絡網を整備し, 職員に周知を行う また, 職員の異動等による連絡先の変更や連絡ルートの変更を反映するため, 定期的に更新を行う必要がある 更新の担当者や更新の時期をあらかじめ決めておく イ. 連絡手段を検討する災害発生時は利用規制により固定電話 携帯電話が利用できなくなることを考慮した上で連絡手段を検討する また, 検討した連絡手段について職員へ周知を行う (2) 参集基準等を整備するア. 参集基準を定める災害が発生した場合には, 職員間の連絡がスムーズに行われないことも考えられるため, あらかじめ災害の程度や役職に応じた参集基準を検討する ( 例 ) 職員の参集基準責任者指定職員一般職員 地震 震度 6 以上 職場からの連絡が無 くても自発的に出勤 職場からの連絡が無くても 自発的に出勤 責任者からの指示がな くても自発的に出勤 地震 職場からの連絡が無 職場からの連絡が無くても 責任者からの指示によ 震度 5 強弱 くても自発的に出勤 自発的に出勤 り出勤 地震 震度 4 以下 職場へ連絡, 必要と 判断すれば出勤 施設から連絡あれば出勤 出勤の必要なし 4

イ. 参集しなくてもいい場合の基準を検討する大規模地震等の場合, 職員自身や家族が被災する可能性や, 無理に参集することで職員を危険にさらす場合があるので, よく話し合ったうえで参集しなくてもいい場合の基準も決める ( 例 ) 職員自身や家族が負傷している場合 自宅建物が被災し, 家族が危険な状態にある場合 ウ. 参集できる職員数を想定する被災した場合に早急に組織的活動ができるよう, 参集手段 ( 徒歩や車 ) から時間ごとの参集できる職員数を想定しておく ( 例 ) 時間 参集手段ごとの参集できる職員数 10 分以内 10~20 分以内 30~40 分以内 徒歩 ( 人 ) 2 3 2 自動車等 ( 人 ) 4 2 1 (3) 災害発生時の役割を決めるア. 災害発生時の役割分担を定める災害発生時には通常業務と異なった対応が求められるため, 混乱を避け組織だった行動を行うために, 職員の役割分担をあらかじめ定め, 分担表を作成する なお, 平常時の担当と関連した役割を担うことで, 災害時もスムーズに行動しやすくなる イ. 代替責任者を選定する災害発生時にあらかじめ決めていた責任者が事業所に不在の場合も考えられる 可能であれば複数の代替責任者を決めておき, 打ち合わせを通して, 責任者から代替責任者へ重要な判断事項等を伝達しておくようにする 5

3. 災害発生時の対応を検討する 災害が発生した場合に迅速かつ適切な行動をとることができるように, 避難場所, 避難 経路等について十分検討し計画をたてる (1) 避難計画を検討するア. 避難場所を決める事業所の立地等を勘案し, 避難所を決める 避難所を決定する際には利用者の安全を確保できる場所であるかどうかという観点から十分な検討が必要となる 広域避難所を確認しておくとともに, 事業所周辺の広場, 運動場等を把握しておくことで状況に応じて, より安全な場所への避難ができるよう備える ( 参考 ) 県内市町村避難場所 ( 宮城県総務部危機対策課 ) http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kikitaisaku/ks-hinan-top.html イ. 避難経路を決める避難経路図を作成し, 職員に対して周知徹底を図る 避難経路を決定する際には, 経路上の危険箇所 ( 土砂災害や津波等による浸水の恐れがある場所等 ) に注意して安全に避難できる経路を検討する ウ. 避難手段を検討する 利用者の状態や事業所の構造等を考慮し安全に避難する手段を検討する 寝たきりの方や認知症の方がいる場合は, どう避難誘導するか, エレベーターが使用できない場合には,2 階以上に居住する利用者をどう避難誘導するか, 車は使用できるか等 (2) 二次災害防止のために設備を点検する事業所が被災した場合, 事業所の一部や設備が損壊する可能性がある 二次災害を防止するためにも地震が収まったら速やかに事業所の状態を点検する また, 点検が速やかに実施できるよう, あらかじめ点検の担当者, 点検箇所を決めておく 6

(3) 利用者情報の管理方法等を検討するア. 利用者情報の管理方法を検討する他事業所等に引き継ぐ場合に, 利用者情報を他事業所等の職員が確実に把握できるように利用者の情報をカード等にまとめて管理し, 災害が発生したときにはすぐに持ち出せるように備える イ. 保管方法を検討する作成していたカード等が災害時に所在不明になることや, 情報が更新されず誤った情報が伝達されることを避けるため, 保管場所を決めておく また, 情報更新の担当者, 更新の時期について決めておく (4) 事業の継続の可否等に関して検討する ( 単独の短期入所生活介護, 通所介護等の場合 ) 単独で短期入所生活介護, 通所介護等を行う事業所の場合, 災害発生時に事業所を閉鎖 ( 指定福祉避難所は除く ) するのかどうかについて検討しておく また, 利用者家族が被災した場合などには利用者支援を継続する等, 場合に応じた対応を検討する 7

4. 平常時の事業所の防災対策を行う 平常時から事業所の内外の設備について点検を行い, 事故につながる危険な箇所や避難 の妨げになるような箇所がないか確認しておく (1) 点検する箇所を検討する 点検の際に必ず確認する箇所, 確認の方法について決めておく (2) 設備を点検する職員, 点検の時期を検討する 設備を定期的に確認するため, 確認を担当する職員, 確認の時期を決めておく (3) 危険箇所等への対応を検討する 点検の結果, 破損 倒壊の可能性がある箇所や避難の妨げになる可能性のある箇所 等を確認した場合には, その対策について検討する 8

5. ライフライン断絶への対応 備蓄品を検討する災害時には電気, 水道, ガスといったライフラインが使用できなくなる可能性が高い また, 大規模災害の場合や, 道路等の寸断により事業所が孤立する場合, 食料品等が手に入りにくくなる可能性がある 上記のような場合に備え, 対策を検討するとともに必要な備蓄品を常備することが必要となる (1) 電気が止まったときの対応を検討するア. 照明器具について事業所の設備を確認し, 停電時に備え備品等を検討する 非常用コンセントはあるか その位置 使い方は周知されているか 非常灯の明るさ 耐久時間はどのくらいあるか等 イ. 暖房 冷房についてエアコン クーラー等, 電気を要する冷暖房機器が停止したときの代替策や必要な備品を検討する 防寒対策はどうするか 暑さ対策はどうするか 必要な備品等は何が必要か等 ウ. 利用者のケアに必要な器具について電気が必要な器具等については, どのように代替するかを検討する 吸引器が必要な場合, 代替の器具はどうするか その場合, 代替器具の使用方法の周知はどうするか等 エ. 自家発電装置について自家発電装置を備えている場合は, あらかじめ電気が必要となる器具の使用電気量を検討する また, 発電機の使用に関して必要な事項を検討する 発電機の燃料はどのくらい必要か 燃料の保管や調達をどうするか等 9

(2) 水道が止まったときの対応を検討するア. 飲料水について 1 日あたり必要な飲料水を算定し, これを基に事業所全体で必要とされる水の備蓄量を検討する 災害時に職員, 利用者, 避難者はどれくらいの人数になるか 何日分の飲料水を用意するか, 暑い時期の消費量はどうか等 イ. 生活用水について確保可能な生活用水の把握し, 代替策を検討する 確保できる生活用水はあるか また, どれくらい確保できるか 確保できる水の量が限られている場合は, 生活用水を優先して使用する作業は何か 優先度が低い作業についてはどういった代替策をとるか 必要な備品等は何か等 (3) 備蓄品等の管理を行うア. 食料の備蓄量等を検討する 1 日に必要な食料の量を検討し, これを基に事業所全体で必要とされる備蓄量を検討する また, どんな種類の食料が必要か検討する 災害時に職員, 利用者, 避難者はどれくらいの人数になるか 何日分の食料を用意するか 利用者の状態によってどのような食料が必要か等 イ. 備蓄品の一覧化と管理の方法を考える備蓄品を災害時に有効に活用できるよう, 種類や量の把握, 管理方法について検討する また, 定期的に点検等する者を決めておく 備蓄品の一覧に記入しておく必要な情報は何か 消費期限等のある備蓄の入れ替え等はどう行うか等 ウ. 備蓄品の保管場所を検討する 浸水や障害物等により, 取り出せなくなることを想定し, 備蓄場所を検討する 10

(4) ガスが停止したときの対応を検討する 調理に必要な熱源や給湯に必要な熱源が使用できなくなった場合, その代替策はど うするかを検討する (5) 通信手段が停止したときの対応を検討する固定電話 携帯電話等が使えない場合に備えて, 連絡手段と併せて検討する また, 利用者情報等のデータを保管するパソコン等の機器が使えなくなった場合に備え, データを取り出す方法等について検討する 6. 避難訓練等を通じたマニュアルの見直しを行う 定期的に行う訓練等の機会を通じ, マニュアルの問題点等を吟味し, 改善することでよ り実効性の高いマニュアルを作成する 11

7. 参考資料等 消防庁防災マニュアル ( 総務省消防庁 ) http://www.fdma.go.jp/bousai_manual/index.html 地震 / わが家で 地域で 防災対策 ( 宮城県総務部危機対策課 ) http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kikitaisaku/km-wagaya.html 災害時初動活動マニュアルの作成例について ( 宮城県総務部危機対策課 ) http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kikitaisaku/kb-shodoutop.html マップ作成モデル手法 ( 宮城県総務部危機対策課 ) http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kikitaisaku/ks-bousaimap-top.html 災害マニュアル作成の手引き ( 公益社団法人全国老人福祉施設協議会 / 老施協総研 ) http://www.roushikyo.or.jp/contents/research/other/detail/125 12