北海道環境イニシアティブ の推進北海道エコ コンストラクション イニシアティブの充実 北海道エコ コンストラクション イニシアテイブ は 北海道環境イニシアテイブの一環として 2008 年にスタートして以来 5 年目 北海道の優れた自然環境 資源 特性を活かした先駆的 実験的な取り組みを積極的に推進

Similar documents
目 次 1. 建設工事と CO 北海道エコ コンストラクション イニシアティブ 1.2 本手引きのねらい 1.3 建設工事における CO 2 の発生源 2. 環境家計簿の取組による CO 2 削減量の算出 2.1 算出の前提 2.2 算出の範囲 2.3 設計変更の扱い 2.4 CO 2

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

3 再生資材等の利用 (1) 再生骨材等の利用工事現場から 40km の範囲内に再資源化施設がある場合は 工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで 原則として 再生骨材を利用する (2) 再生加熱アスファルト混合物の利用工事現場から 40km 及び運搬時間 1.5 時間の範囲内に再生加熱アスファ

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

i-Construction型工事の概要 (素案)

<4D F736F F D2090C290588CA C8E8682C696DA8E9F2E646F63>

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

1

npg2018JP_1011

<4D F736F F D208E9197BF342D335F302D318D488E968EF3928D8ED25F8AC493C288F5816A8CFC82AF8E9197BF816988C4816A2E646F63>

お知らせ

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

<4D F736F F F696E74202D A957A A81798CBB8FEA8C9F8FD8826F A DB91B6817A2E505054>

JCM1211特集01.indd

システム情報フロー システムの利用対象者と活用によるメリット建設リサイクル法等の提出書類の作成機能 システムの適用範囲工事発注者排出事業者処理業者情報登録発注前発注後施工計画時施工完了時 区分適用範囲 対象建設副産物対象地域 工事発注者排出事業者処理業者利用対象者システム活用によるメリット工事概要画

1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

4 推進体制別途添付いたします 5 公表の方法等 ホームページアドレス 閲覧場所 窓口で閲覧 所在地 冊 子 閲覧可能時間 冊子名 入手方法 その他

<4D F736F F F696E74202D F18B9F8E9197BF A43494D95818B A4A8C9F93A282CC82BD82DF82CC8AEE916292B28DB881758C9A9

調査時点工事の終了後とする 調査期間調査地点調査手法5.2 生物の生育 生息基盤 5.2 生物の生育 生息基盤 (1) 東京 2020 大会の大会開催前 1) は 表 に示すとおりである 区分 予測条件の状況 表 ( 東京 2020 大会の開催前 ) 生物 生態系の賦存地の改

業界で躍進する 工事現場 の 要 登録基幹 技能者 登録基幹技能者制度推進協議会 一財 建設業振興基金

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

目次 建設副産物適正処理推進要綱...3 第 1 章 総則... 3 第 1 目的... 3 第 2 適用範囲... 3 第 3 用語の定義... 3 第 4 基本方針... 4 第 5 関係者の基本的責務... 4 第 2 章 計画の作成等... 4 第 6 発注者による計画の作成 条件明示等..

寺島木工株式会社事業概要 商号 代表者 創業 所在地 連絡先 環境管理責任者 担当者 事業内容 取扱商品 機械設備 資本金 従業員数 主要取引銀行 主な納品先 所属組合 敷地面積 建築面積 寺島木工株式会社 代表取締役社長寺島秀雄 昭和 22 年 3 月 31 日 本社 : 工場

スライド 1

2008年度環境活動レポート

Microsoft Word - 02参考資料_89九州(260324).docx

資料3-1 温室効果ガス「見える化」の役割について


Microsoft Word - 特記例

新規文書1

< F18D908F DC58F4994C5817A>

平成 30 年度朝倉市地球温暖化対策実行計画 ( 事務事業編 ) 実施状況報告書 ( 平成 29 年度実績 ) 平成 30 年 9 月 朝倉市環境課

平成30年度事業計画書(みだし:HP用)

様式第二号の八 ( 第八条の四の五関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 令和元年 5 月 30 日 松山市長殿 提出者 住所 広島市中区中町 8 番 6 号 氏名 株式会社フジタ 広島支店 執行役員支店長安東則好 ( 法人にあっては 名称及び代表者の氏名 ) 電話番号

〔表紙〕

<4D F736F F D A838E738CF68BA48D488E968AC28BAB947A97B68E77906A E646F63>

Microsoft Word 後藤佑介.doc

Microsoft Word - ★01H26試行工事.doc

I. 担い手の確保 育成 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む現場や様々な取組の共有を図り 建設業の取り組む 働き方改革 を応援します 新規 1 整備局ホームページ内に 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む企業 ( 工事 ) を紹介して

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

取組概要 ( 申請書からの転記 ) 全 般 排 出 量 の 認 識 取組名称 認証取得者名取組の概要 適用したカーボン オフセット第三者認証基準のバージョン認証の有効期間オフセット主体認証ラベルの使途 認証対象活動 認証番号 :CO 有効期間満了報告書受領済み 持続可能な島嶼社会の発展に

目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

エコアクション 21 環境活動レポート ( 対象期間平成 21 年 10 月 ~ 平成 21 年 12 月 ) 目次 1. 環境方針 1ページ 2. 事業概要 2ページ 3. 環境目標とその実績 3ページ 4. 主要な環境活動計画 4ページ 5. 環境活動の取組結果の評価 ( 全社 ) 5ページ 5

事例2_自動車用材料

1. 組織の概要 事業所名及び代表者名 所在地 株式会社山豐 代表取締役山形マユ美 本社 滋賀県米原市岩脇 501 番地の 1 事業活動の内容 ( 認証 登録範囲 ) 産業廃棄物中間処理業 ( 再生砕石の製造販売 ) 産業廃棄物収集運搬業環境保全関係の責任者及び担当連絡先 環境管理

<4D F736F F D20945C91E38E735F AC48DB895F18D908F912E76332E E8196BC82A082E8816A2E646F63>

設備立体図 リデュース 発生 排出抑制 リユース 再利用 1次熟成槽 リサイクル 予備混合機 再生利用 再資源化 発酵槽 生ごみ混合機 事務所 生ごみ混合機 機械設備 最大処理能力 設備概要 生ごみ 1 000kg 日 剪定枝 1 250kg 日 生ごみ混合機 1 軸混合型 2 670kg 日 発

<372E926E8B8589B BB91CE8DF42E786C73>

KEN0109_施工技術の動向-三.indd

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

第 実施内容. 発注者が求める工事関係書類の明確化による業務効率化の実施 () 提出する工事関係図書の明確化及び削減 工事関係書類一覧表 及び 工事関係書類の簡素化一覧表 に基づき 工事毎に受発注者協議により 必要な書類を選定し 一度提出した書類の再提出は求めないこと及び工事関係図書の削減 集約を行

SK (最終161108).xlsx

(1) 住民は有料化をどう考えているか 循環型社会の形成に関する世論調査 ( 内閣府平成 13 年 ) ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある (32) ある程度関心がある (58) あまり関心がない (8) まったく関心がない わからない (2) ごみの有料化 に対してどのように思うか

Microsoft Word 標準型実施手引.doc

<8D488E96985F95B62E786C73>

CKTB-3103 東芝スーパー高効率菜種油入変圧器 2014 スーパー高効率菜種油入変圧器 シリーズ

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

<4D F736F F D208C9A90DD959B8E5995A882CC8F88979D8AEE8F802E646F63>

12年~16年

Microsoft Word - 様式2-8 産廃処理計画

<4D F736F F D205F974C5F8A7D8C9C81408AC28BAB8A8893AE838C837C815B E9696B18BC789FC92E82E646F63>

資料 3 1 ごみ減量化についての課題分析 1) 原因の抽出 課題 : どうして 家庭ごみの排出量が減らないのか? ごみが 減らな い原因 1 使い捨て製品やすぐにごみになるものが身の回りに多い 2ごみを減らしたり リサイクルについての情報が少ない 3 分別収集しているごみの品目が少なく 資源化が十

トヨタの森づくり 地域・社会の基盤である森づくりに取り組む

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

参考資料3(第1回検討会資料3)

untitled

株式会社青葉防災 2017 年度環境活動レポート ( 対象期間 2017 年 8 月 ~2018 年 7 月 ) ( 発行日 2018 年 9 月 1 日発行 )

文書番号:TM-EA-0001

1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針

Microsoft PowerPoint - COBRIS版CREDAS画面イメージ.pptx

考査項目別運用一覧表 ( 土木 ) 1. 施工体制 Ⅰ. 施工体制一般別紙 1-1 共通 Ⅱ. 配置技術者 ( 現場代理人等 ) 施工状況 Ⅰ. 施工管理 土木工事 建築工事 Ⅱ. 工程管理 1-4 共通 Ⅲ. 安全対策 1-5 Ⅳ. 対外関係 1-6 Ⅰ. 出来形 土木工

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

<4D F736F F D208EC090D195F18D908F B4C93FC977697CC816A32392E30322E31352E646F63>

A.3 排出削減量の算定方法 A.3.1 排出削減量 ER EM BL EM PJ ( 式 1) 定義単位 数値 4 ER 排出削減量 1 kgco2/ 年 0 t<1 年 年 t<2.5 年 年 <t EM BL ベースライン排出量 2 kgco2/

社会環境報告書2013

愛北広域事務組合地球温暖化対策実行計画 平成 29 年度から平成 33 年度 愛北広域事務組合

02

CONTENTS

202000歩掛関係(151001) END.xls

目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

4. 再生資源の利用の促進について 建近技第 385 号 平成 3 年 10 月 25 日 4-1

環境方針 基本理念 エンプラ工業 は 地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し 全組織を挙げて環境負荷の低減に努力します 方針 当社はエンジニアリング プラスチック樹脂成形及び加工の事業活動とこれらの製品の環境影響を低減するために 次の指針に基づき環境マネジメント活動を推進して地

資料4 国土交通省資料

<4D F736F F F696E74202D D8E9197BF82522D82535F8CA982A682E989BB90AC89CA95F18D EE93638AC28BAB8CA48B868F8A817A2E707

1 組織の概要 事業者名及び代表者名株式会社宇野工務店代表取締役宇野三雄 所在地 本社 滋賀県大津市御殿浜 14 番 12 号 資材倉庫 滋賀県大津市御殿浜 13 番 16 号 環境保全関係の責任者及び担当者連絡先 ( 電話番号等 ) 環境管理責任者宇野三雄連絡先

LED 道路 トンネル照明の設置に関する補完資料 Ⅰ LED 道路照明 ( 連続照明 ) の設置について 道路照明のうち連続照明の設計については 道路照明施設設置基準 同解説に基づき 性能指標 ( 規定値 ) 及び推奨値 ( 以下 性能指標等 という ) から所定の計算方法により設置間隔等を算出し

タイトル

【HP公開用】J-グリーン・リンケージ倶楽部(電気自動車)プロジェクト計画書案(別紙) 1205

2 採用する受注者選定方式の検討について廃棄物処理施設整備事業で一般的に採用されている受注者選定方式は表 -2のとおりです 受注者選定方式の検討に際しての論点を下記に整理しましたので 採用する受注者選定方式について審議をお願いいたします 本施設に求められる5つの整備基本方針に合致した施設の整備運営に

(花蒔) _youshiki.xls

Q1 1

新規文書1

Microsoft Word - ①記者発表(表紙).doc

環境アセスメントの実施について

2. 環境へのへの負荷負荷の状況 ( 取りまとめりまとめ表 ) 環境への負荷 単位 年 年 年 1 温室効果ガスガス排出量 二酸化炭素 Kg-CO 2 ( ( ) ) Kg-CO 2 -CO 2 2 廃棄物排出量及び ) 廃棄物最終処分量 一般廃棄物 ) 最終処分量 ) 産業廃棄物 ) 最終処分量

< B8AC28BAB838C837C815B AFA E312E F F4390B38DCF82DD29816A2E786C73>

Transcription:

工事現場における二酸化炭素排出削減量の 見える化 ( 環境家計簿 ) の取組 北海道開発局事業振興部技術管理課

北海道環境イニシアティブ の推進北海道エコ コンストラクション イニシアティブの充実 北海道エコ コンストラクション イニシアテイブ は 北海道環境イニシアテイブの一環として 2008 年にスタートして以来 5 年目 北海道の優れた自然環境 資源 特性を活かした先駆的 実験的な取り組みを積極的に推進するとともに 環境対策を促進するための制度 仕組みの導入や 連携の拡大 取り組みの普及 浸透の促進など 先導的な環境対策の充実を図る 背 景 主な取り組み 自然共生型社会 低炭素型社会 循環型社会 の実現に向けた取り組みを政府として推進 地球環境時代を先導する新たな北海道総合開発計画 ( 平成 20 年 7 月閣議決定 ) 北海道の特性と地域課題 1 人あたりの CO2 排出量は全国の 1.1 倍 産業廃棄物排出量は 2.0 倍 北海道の産業廃棄物のリサイクル率は 94.5%( 全国 93.7%) ただし 建設発生土の利用率は 76.4% と ( 全国 78.6%) に比べて低い 全国の森林面積の 4 分の 1 近く 湿地面積の 8 割を保持し 自然公園 23 箇所が指定されるなど 豊かで優れた自然環境を有する 取り組みのポイント 工事実施段階における環境対策として 北海道の資源や特性を活かした先駆的 実験的取組を積極的に推進すると共に 他地域の共通的な課題に対する先導的な取り組みを推進する 現場毎の創意工夫の取り組みの着実な推進や環境対策を促進する制度 仕組みの先導的な導入を図るとともに 連携の拡大や取り組みの普及 浸透を促進する 自然共生型社会の形成 現場における生態系保全の推進 景観との調和 緑化活動等への参加など 北海道の優れた資源 特性などを活かした先駆的 実験的な環境対策の推進北海道の優れた資源 特性を活かした農水産業や地元商工会議所などの地域産業と建設工事が連携した取り組みや 新たな技術などを利用した建設現場でのCO2 削減のための先駆的 実験的な取り組みを推進する 施工状況 植生状況 環境に関わる技術開発の推進と環境対策を促進する制度 仕組みの充実 現場条件に応じた環境対策を着実に推進するとともに 産廃物を資源ととらえ地域内での地産地消を目指した地域資源を有効活用するための仕組みの構築など 制度 仕組みの充実に取り組む また 多様な主体との連携により取組を促進する < 積雪寒冷地における LED 照明現地試験 > 浄水場より発生する汚泥と地元酪農家で生産される家畜糞尿堆肥を混合し河川堤防の法面緑化を実施 廃棄物の有効活用と伴にコスト縮減を実現 < 資源バンク> 土砂バンク 泥炭の敷均し状況 生育状況 自治体との連携により 工事で再利用することが不向きな泥炭を畑へ投入することで土壌改良材として有効活用 作物の育成改善効果が確認されている < 環境家計簿の試行 > 北海道の特性 資源等を活かし先駆的 実験的な取り組みを推進 工事目的物や施工プロセス等を工夫 北海道の地域課題の解決に貢献 循環型社会の形成 建設副産物対策 建設リサイクルの推進など 低炭素社会の形成 施工時の CO2 排出量の抑制 自然エネルギー等の活用など 地元自治体を含む産官学の推進体制の下 LED 照明 の積雪寒冷地における適合性 ( 着雪 着氷 吹雪 ) について 建設現場のフィールドを活用した現地試験を H21 H22 年度実施 従来 費用をかけて処理されていた廃棄物を リサイクル資源として地域内で有効活用する 資源バンク の取り組みを実施 H21より試行を行っている 環境家計簿 について H21 試行結果から より取り組みやすい内容に改善して試行を実施予定 2 1

環境家計簿地球温暖化ガス削減に向け 社会資本整備の実施段階においても二酸化炭素排出削減の取組が求められており 工事現場における削減を推進するため 受注者と発注者が協働で二酸化炭素削減量を見える化する取組として 環境家計簿 を試行している [ 目的 ] 工事現場での二酸化炭素排出削減量の見える化による削減活動の促進 二酸化炭素削減に対する意識の向上 [ 経緯 ] 平成 21 年度 10 工事で試行 一定の削減効果を確認 積上集計方式のため作業が煩雑であり 取組拡大のためには簡素化が必要との指摘 平成 22 年度 122 工事で試行 ( 札幌 帯広 ) 一定の削減効果を確認 日建連の算出方法を導入し 集計手間を大幅に軽減 先進的取組を別途算出 平成 23 年度 350 工事で試行 一定の削減効果を確認 算出方法を継承しつつ 事例を手引きに追加するなど改善 全道の開発建設部に展開 平成 24 年度 約 400 工事で試行中 集計表を改善しつつ 事例を更に追加 結果を年度末に公表予定 2

環境家計簿 の流れ 1 受注者と発注者による削減方策の検討 工事実施前に受発注者が協力し 現場条件 工事内容を勘案しつつ 手引きなどを参考に 工事で行う CO2 削減活動を検討 ( アイドリングストップ 省エネ運転 適正整備 工法の工夫 運搬計画の工夫 機械選定の工夫 etc.) 2 工事における CO2 削減活動の実施 CO2 削減活動の実施 CO2 排出量 削減量の集計に必要なデータの記録 3CO2 削減量の集計 公表 調査表による集計 ( アイドリングストップ 省燃費運転 etc.) 工法の工夫などの先進的取組の集計 3

参考 環境家計簿調査表 ( 受注者記入用 ) 重機 車両は延べ稼働台数を記入 タ ンフ トラック ( 場外 ) は運搬台数 平均距離を記入 発注者が二酸化炭素削減活動の実施状況を確認し 環境家計簿調査表 ( 発注者用 ) に記入する 4

平成 23 年度環境家計簿の試行結果 ~ 工事現場における CO 2 削減量の見える化 ~ 試行工事 (350 工事 ) の概要 300 250 200 150 100 50 0 180 111 38 17 3 1 道路河川農業港湾 漁港空港営繕 300 250 200 150 100 50 0 271 39 36 3 1 土木舗装維持しゅんせつ建築 二酸化炭素排出の削減量 削減率 削減量 ( 試行工事の全体 ) 1,409t-CO 2 (80 年生のスギが 1 年間に吸収する量の約 104,000 本分に相当 ) 工事件数 120 100 80 60 40 20 0 22 削減率別の工事件数 112 114 事業部門別試行工事件数 0~2% 2~4% 4~6% 6~10% 10% 以上 工事毎に排出量 削減量を公表 ( 開発局 HP) 62 40 削減率 ( 試行工事の平均削減率 ) 6.2% (%) 7 6 5 4 3 2 1 0 3.7% 0.5 3.2 H22 取組の浸透により 削減率が 2.5% 増加 特に施工方法の工夫など先進的取組が大きく伸びている 6.2% 2.3 3.9 H23 施工方法の工夫など先進的取組 アイト リンク ストッフ 省エネ運転など 工事区分別試行工事件数 受注者へのアンケート結果 あまり変化なし 5% 今年度限りとしたい 3% 変化なし 0.0% 集計費用が計上されれば継続したい 10% 内容が改善されれば継続したい 22% やや意識が向上した 64% 未回答 0.3% その他 3% わからない 0.3% 意識が向上した 31% 未回答 0.3% 95% の受注者が CO2 削減に対する意識が向上 又はやや向上と回答 今年度以降も継続したい 62% 5

平成 23 年度までに取り組まれた先進的取組事例の紹介 ( その 1) 工法の選定や運搬計画の変更 機械の選定等による CO2 削減方策などの先進的取組による削減活動を実施した場合は CO2 削減量を別途算出します 先進的取組事例については 環境家計簿の手引き 第 3 章に掲載しております ICT 施工 ( 情報化施工 ) (H23 試行件数 :6 工事削減量合計約 8t-CO2) ICT( 情報通信技術 ) を利用し 生産性の向上や品質の確保を図ることを目的とした施工技術である 施工効率の向上 施工時間の短縮により CO 2 排出削減に寄与する 従来型の施工 脱水ケーキの利用 施工の効率化 品質確保 ICT 施工 (H23 試行件数 :3 工事削減量合計約 27t-CO2) 濁水処理施設より排出された脱水ケーキを現場内で再利用することで建設副産物の活用を図ると伴に 土砂の掘削や運搬に要する燃料を削減し CO 2 排出削減に寄与する 施工時間短縮 脱水ケーキの盛土施工状況 骨材運搬管理システム (H23 試行件数 :1 工事削減量約 0.5t-CO2) 骨材運搬用ダンプトラックに非接触式電子的情報交換システムの IC タグを搭載し 情報伝達機能で骨材運搬を管理するシステムである 骨材誤投入防止による品質管理の向上 無人化による安全性の向上が図られる また 各設備付近での待機時間を短縮することで 骨材運搬のサイクルタイム短縮を図り CO 2 排出削減に寄与する 中温化アスファルト混合物の使用 (H23 試行件数 :3 工事総減量合計約 3t-CO2 ) 通常のアスファルト混合物に比べて製造時の温度が 20~30 低い中温化アスファルト混合物を使用することにより CO 2 排出削減に寄与する 中温化アスファルトの施工状況 6

平成 23 年度までに取り組まれた先進的取組事例の紹介 ( その 2) 工法の選定や運搬計画の変更 機械の選定等による CO2 削減方策などの先進的取組による削減活動を実施した場合は CO2 削減量を別途算出します 先進的取組事例については 環境家計簿の手引き 第 3 章に掲載しております 防寒養生の工夫 (H23 試行件数 :7 工事削減量合計約 5t-CO2) 寒中コンクリート施工時の防寒養生において パネルや高保温性のシートを使用することにより熱損失量を抑えることで保温のための燃料消費量を削減する 養生時の燃料削減により CO 2 排出削減に寄与する ハイブリッド機械の導入 (H23 試行件数 :22 工事削減量合計約 29t-CO2) バックホウ等の作業機械をハイブリッド仕様に変更することにより 燃料消費量を低減し CO 2 排出削減に寄与する パネル敷設状況 シート敷設作業状況 ソーラーパネル等の利用 (H23 試行件数 :73 工事削減量合計約 120t-CO2) 工事用電光標識に使用する電力を 発動機や仮設電源の電力からソーラーパネルに変更し 燃料や電力使用量を削減し CO 2 排出削減に寄与する 風力発電機の使用 (H23 試行件数 :1 工事削減量約 0.01t-CO2) 現場事務所等に風力発電機を取り付け 電力をまかなうことで 電力使用量の低減を図り CO 2 排出削減に寄与する 現場の休憩所における設置状況 ( ソーラーパネル搭載型 ) 7

環境家計簿 の改善点と検討の方向 試行工事において 一定の二酸化炭素削減効果と現場の意識向上が見られたが 以下の改善を講ずることにより 取組が一層 浸透 定着するよう取組を充実させる予定 [ 改善点 ] 1 先進的取組などの事例の充実 H23 アンケートにおいて事例の充実要望があり H24 の試行により詳細な事例情報を収集整理し 分類方法など工夫のうえ 手引きに反映する予定 2 受注者の参考となるデータ 今後の展開に必要なデータの収集 分析 初期コスト ランニングコスト 施工性 安全性など阻害要因に関するアンケート項目を設けるとともに 工種別のデータを収集し これらを整理 分析することで今後の展開に反映する予定 3 現場からの改善意見の反映 講習会の企画 即時性のある現場への還元 実効性のある PR 方法など現場での取組を効果的に行うための環境整備の検討を行う [ 検討の方向 ] 上記改善による取組内容の充実と一般化に向けた検討 次年度以降の取組充実に向け 手引きを改訂する 試行工事の決定にあたり 選択制を導入するなど一般化を視野に入れ検討する 資材調達段階なども含めた集計方法 説明力の確保 ( いいとこ取りの排除 ) 工期全体の排出量や削減量の推計手法など 継続して検討する 8

参考 シンボルマークを活用した広報 講習会など 環境家計簿のシンボルマーク 省エネ運転講習会の開催状況 環境家計簿説明会の開催状況 環境家計簿の取組の詳細については北海道開発局 HP をご覧下さい http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z_jigyou/gijyutu/kankyokakeibo.html 北海道開発局トッフ ヘ ーシ >> 防災 技術 機械 電気通信 >> 環境家計簿 9