投資情報ウィークリー 2018/12/03 大山日ノ丸証券株式会社 金融商品取引業者中国財務局長 ( 金商 ) 第 5 号 加入協会日本証券業協会 本レポート末尾の 投資にあたっての注意事項 をお読み下さい - 1 -
今週の見通し 2018 年 12 月 3 日号調査情報部 先週の東京市場は 戻り歩調となった 2025 年万博の大阪開催決定に加え NY 市場の大幅反発や需給改善 期待などを背景に 日経平均は一時約 3 週間ぶりに 22400 円台を回復した 主力銘柄に幅広く買い戻しの動きが 見られたほか 万博関連株やモバイル決済関連など個別材料株も物色された 米国市場は 年末商戦の好調な スタートに加え パウエル FRB 議長による利上げの早期打ち止め示唆や G20 での貿易戦争激化懸念の後退など を好感して リバウンドの動きが強まった 為替市場でドル円は 週半ばにかけて 1 ドル 114 円台まで円安が進ん だものの その後は米国の早期利上げ打ち止め観測を映して 1 ドル 113 円台前半に反落した ユーロ円は欧州 情勢の不透明感が燻る中 1 ユーロ 129 円台に値を戻した 今週の東京市場は G20 首脳会議の結果にもよるが イベント通過による不透明感後退から 概ねしっかりの展 開となろう 押し目買い意欲は旺盛で下値不安は乏しいものの 先週の連騰による反動でスピード調整となる可能 性があるほか 戻り待ちの売りが控える水準に近付いており 上値もある程度限られよう 米国市場は米中関係の 先行き不透明感が燻るものの 早期の利上げ打ち止め観測を背景に 底堅い展開となろう ただ 経済指標の発 表も多く やや神経質となる局面もあろう 為替市場でドル円は 米国の早期利上げ打ち止め観測を背景にドル弱 含みとなり 1 ドル 113 円台でのもみ合いが続こう ユーロ円はイタリア財政問題やブレグジットへの懸念が燻り 1 ユーロ 129 円を挟んだ動きとなろう 今週 国内では 3 日 ( 月 ) に 7-9 月期の法人企業統計 7 日 ( 金 ) に 10 月の家計調査 毎月勤労統計 景気動向 指数が発表される 一方 海外では 3 日に 11 月の米 ISM 製造業景況指数 5 日 ( 水 ) に 11 月の米 ISM 非製造業 景況指数 6 日 ( 木 ) に 10 月の米貿易収支 7 日に 11 月の米雇用統計 8 日 ( 土 ) に 11 月の中国貿易統計が発表さ れるほか 4 日 ( 火 ) に EU 財務相理事会 6 日に OPEC 総会が開かれる テクニカル面で日経平均は 200 日線を回復し 週足一目均衡表では抵抗帯の雲の上限に達した また 10 月 2 日高値と 11 月 8 日高値を結んだトレンドラインを抜いてきたことから トレンド転換の可能性が高まった しか し 22500 円前後には 52 週 26 週 13 週の各移動平均が集中しており 戻りの大きな節として意識されよう こ れらを抜けば週足一目均衡表の転換線 (22710 円 :30 日現在 基準線も同値 ) を目指す動きとなろう 一方 下値 のめどは 25 日線 (21881 円 : 同 ) や週足一目均衡表の抵抗帯下限 (21699 円 : 同 ) などとなろう ( 大谷正之 ) - 2 -
各種指数の推移 (Bloomberg データより証券ジャパン調査情報部が作成 ) - 3 -
投資のヒント 東証 1 部上場で 12 月決算の主な高配当利回り銘柄群東証 1 部上場銘柄で決算期が 12 月である企業は 3 月に次いで多く 全体の約 10% 強に相当する 235 銘柄ある 知名度の高い企業が多数見られる中 今期予想配当利回りが 3% 以上も多く 中には 5% を超える銘柄も存在している テクニカル的に好位置にある銘柄も散見され 中期スタンスで注目したい ( 野坂晃一 ) - 4 -
今週の参考銘柄 決算発表などを受けて セック (3741) 19 年 3 月期第 2 四半期 (4-9 月 ) 業績は売上高が前年同期比 19.9% 増の 27.43 億円 営業利益が同 60.1% 増の 3.29 億円となった モバイルネットワーク事業では移動体通信事業者向けのサービス系開発が好調だったことに加え モバイル決済関連の開発が増加し 前年同期比 8.9% 増収となった インターネット事業では非接触 IC 搭載ソフトウェアの開発が増加し 同 32.1% 増収と好調だった また 社会基盤システム事業も官公庁案件や医療分野向けの開発が堅調で 同 4.4% 増収となった さらに 宇宙先端システム事業は車両自動走行の研究開発案件の堅調に加え ロボット研究開発案件も好調で 同 52.0% 増収と大きく伸びた 営業利益の大幅な伸びはモバイル決済関連の開発案件やサービスロボットの研究開発案件の増加が背景とみられる 通期の見通しは売上高 52.5 億円 ( 前期比 1.4% 増 ) 営業利益 6.5 億円 ( 同 4.7% 増 ) で据え置かれているが 上期の営業利益の通期計画に対する進捗率は 50.6% と前年同期の 33.0% を上回っており 上振れが期待される なお 同社は 8 月末に ロボットに搭載可能なコンピュータビジョンソフトウェア Rtorilo( アールトリロ ) の発売開始を発表している Rtorilo はディープラーニングと画像処理を組み合わせて 物体の検出や特定を可能にし ロボットが様々なシーンで状況認識できるシステムとして 将来性に期待がかかっている カネカ (4118) 第 2 四半期 (4-9 月 ) 業績は売上高が前年同期比 4.7% 増の 3060.5 億円 営業利益が同 13.5% 増の 180.1 億円となった 塩ビ樹脂や苛性ソーダは内外で販売が好調だったほか 樹脂改質剤もマレーシア工場の本格稼働が寄与し 販売が拡大した また ポリイミドフィルムもスマホの高機能化に伴う需要増やディスプレイ向け新製品の拡大で堅調だった 加えて 合成繊維 カネカロン はアフリカ市場での頭髪装飾用の回復が本格化した さらに 医療分野で高機能バルーンカテーテルやバイオ医薬品の販売が好調だったほか 還元型コエンザイム Q10 の販売も北米市場を中心に増加した 自然災害や原料高の影響を主要製品の拡販と価格修正でカバーし 4 つのセグメントのうち食品部門を除く 3 つのセグメントで増収増益を達成した 通期見通しは売上高 6500 億円 ( 前期比 9.0% 増 ) 営業利益 420 億円 ( 同 13.9% 増 ) で据え置かれているが 旺盛な需要を背景に新設備の本格寄与も期待され 上振れ含みの計画とみられる また 2020 年度 (2021 年 3 月期 ) を最終年度とする新中期経営計画では 先端事業の構成比引き上げやグローバル展開 新たな M&A などで 売上高 8500 億円 ( 今期予想比 30.7% 増 ) 営業利益 820 億円 ( 同 95.2% 増 ) を目指す 同社は先に 兵庫県高砂工業所で生産する 100% 植物由来の生分解性プラスチックの生産能力を 5000 トン / 年に引き上げると発表している 19 年 12 月稼働で 投資額は約 25 億円 欧州ではプラスチック削減に向けた各種規制が強化されており 生分解性プラスチックの世界需要は 2022 年に 100 万トンを超えると予想されている 同社は中期的に生産能力 2 万トン / 年規模のプラントも検討している - 5 -
今週の参考銘柄 住友重機械工業 (6302) 19 年 3 月期第 2 四半期 (4-9 月 ) の受注高はすべてのセグメントで増加し 中でも建機 機械コンポーネント 精機の量産系が好調で 前年同期比 19.6% 増の 4614 億円と過去最高の受注を達成した 売上高も過去最高で同 19.2% 増の 4236.6 億円 また 営業利益は同 17.6% 増の 340.8 億円と建機 環境 プラントの好調がけん引した セグメント別の営業利益では油圧ショベルが好調だった建機が同 57.8% 増 環境 プラントは新規連結の AFW 社の CFB ボイラ事業の寄与により 同 2.2 倍に拡大した 一方 新造船の市況低迷長期化で船舶の営業利益が半減したほか 機械コンポーネントも大型減速機の利益率低下で減益となった 会社側では好調な受注を背景に通期見通しを上方修正した 売上高は従来計画比 400 億円増の 8900 億円 ( 前期比 12.5% 増 ) 営業利益は同 60 億円増の 700 億円 ( 同 0.1% 増 ) に引き上げられた 油圧ショベルの堅調に加え 環境 プラントのエネルギー 水処理分野の堅調 医療関連や鍛造プレス 運搬機械など産機の好調が寄与する見通し 修正後の通期計画に対する中間期の進捗率は売上高で 47.6%( 前年同期は 44.9%) 営業利益で 48.6%( 同 41.4%) と前年を上回っており 上振れ余地を残していると言えよう 日本マクドナルド HD(2702) 18 年 12 月期第 3 四半期 (1-9 月 ) 業績は売上高が前年同期比 8.3% 増の 2027.0 億円 営業利益が同 44.4% 増の 217.7 億円となった デジタルメニューボードやデュアルポイントサービスの導入などに伴い 209 店舗の改装を実施 既存店売上高は前年同期比 7.6% 増と 12 四半期連続で増加した また 客数は同 3.3% 増 客単価は同 4.2% 増と 好調を維持した 3 月に導入した 夜マック の第 2 弾 ポテナゲ や マックの裏メニュー ( オリジナルトッピング ) ご当地グルメバーガーなどが人気となったようだ 会社側では足元までの好調を背景に 18 年 12 月期通期見通しを上方修正した 売上高は従来計画比 10 億円増の 2700 億円 ( 前期比 6.4% 増 ) 営業利益は同 17 億円増の 235 億円 ( 同 24.3% 増 ) に引き上げられた だが 通期の営業利益計画に対する第 3 四半期の進捗率は 92.6% に達しており ( 前年同期は 79.7%) 依然保守的な計画と言えそうだ ちなみに 同社は今年 2 月 更なる企業価値向上を目指す中期経営方針を公表している 2020 年度までの 3 年間で全店売上高年平均伸び率 5% 以上 営業利益 経常利益の年平均伸び率 10% 以上 ROE10% 以上を目標としている ( 大谷正之 ) - 6 -
タイムテーブルと決算予定 ( 予定は変更になる場合がありますので ご注意ください ) < 国内スケジュール> 12 月 3 日 ( 月 ) 7~9 月期法人企業統計 (8:50 財務省) 11 月新車販売 (14:00 自販連) 12 月 4 日 ( 火 ) 11 月マネタリーベース (8:50 日銀) 12 月 5 日 ( 水 ) 武田 <4502> がシャイアー買収に向けて臨時株主総会開催 12 月 6 日 ( 木 ) 11 月車名別新車販売 (11:00 自販連) 12 月 7 日 ( 金 ) 10 月家計調査 (8:30 総務省) 10 月消費動向指数 (8:30 総務省) 10 月毎月勤労統計 (9:00 厚労省) 10 月景気動向指数 (14:00 内閣府) 10 月消費活動指数 (14:00 日銀) < 国内決算 > 12 月 3 日 ( 月 ) 15:00~ 2Q 伊藤園 <2593> 3Q ピジョン <7956> 12 月 4 日 ( 火 ) 時間未定 2Q アインHD<9627> 12 月 7 日 ( 金 ) 15:00~ 2Q gumi<3903> 時間未定カナモト <9678> 1Q 鳥貴族 <3193> 3Q 積水ハウス <1928> - 7 -
タイムテーブルと決算予定 ( 予定は変更になる場合がありますので ご注意ください ) < 海外スケジュール 現地時間 > 12 月 3 日 ( 月 ) 中 11 月財新 製造業 PMI 米 11 月 ISM 製造業景況指数米 10 月建設支出米 11 月新車販売ユーロ圏財務相理事会 ( ブリュッセル ) COP24(14 日まで ポーランド カトウィツェ ) 12 月 4 日 ( 火 ) EU 財務相理事会 ( ブリュッセル ) 12 月 5 日 ( 水 ) 欧 10 月ユーロ圏小売売上高米 11 月 ADP 全米雇用報告米 11 月 ISM 非製造業景況指数米ベージュブックパウエルFRB 議長が経済見通しで議会証言休場タイ ( 国王誕生日 ) 12 月 6 日 ( 木 ) OPEC 総会 ( ウィーン ) 独 10 月製造業受注米 10 月貿易収支米 10 月製造業受注 ECB 拡大理事会 12 月 7 日 ( 金 ) 独 10 月鉱工業生産米 11 月雇用統計米 10 月卸売売上高米 10 月消費者信用残高休場コロンビア ( 聖母受胎祭 ) 12 月 8 日 ( 土 ) 中 11 月貿易統計 12 月 9 日 ( 日 ) 中 11 月消費者物価 卸売物価 COP24 国連気候変動枠組条約第 24 回締約国会議 2015 年に第 21 回の同会議 (COP21) において すべての国を対象とした地球温暖化対策の国際協定である パリ協定 が成立しました 工業化以前の気温から 2 度未満の上昇に抑え 目標として 1.5 度未満に抑える努力をすることが目的です 今回のCOP24においては その詳細な実施のためのルールが採択されます 併せて 各国政府や自治体 企業などが参加して目標達成のため話し合われてきた タラノア対話 ( フィジー語で 開かれた話し合い ) の集大成として 各国大臣による タラノア対話 が開催されます < 海外決算 現地時間 > 12 月 5 日 ( 水 ) ルルレモン 12 月 6 日 ( 木 ) ブロードコム ( 東瑞輝 ) - 8 -
投資にあたっての注意事項 重要開示事項 本資料は 株式会社証券ジャパン ( 以下 証券ジャパン といいます ) 調査情報部が 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり 投資勧誘を目的として作成したものではありません 執筆アナリストは 本資料におけるレポート対象企業の有価証券を保有しておらず 重大な利益相反関係にありません 本資料は証券ジャパンが信頼できると考える情報に基づいて作成したものですが その情報の正確性および完全性について証券ジャパンが保証するものではありません 本資料に基づき投資を行った結果 お客様に何らかの損害が発生した場合でも 証券ジャパンは 理由の如何を問わず責任を負いません 本資料に記載された証券ジャパンの意見ならびに予測は 資料作成時点での証券ジャパンの見通しであり今後予告なしに証券ジャパンの判断で随時変更することがあります また 本資料のコンテンツおよび体裁等も証券ジャパンの判断で随時変更することがあります 2018 年 11 月 30 日現在 金融商品取引所の信用取引の禁止措置等の規制銘柄は当レポートより除外しております 今後 金融商品取引所等により新たな規制が行われる可能性があります 掲載した企業について株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により 投資元本を割り込むおそれがあります 銘柄の選択 投資に関する最終決定はお客様自身の判断でなされるようお願いいたします 本資料は証券ジャパンの著作物であり 著作権法によって保護されております 証券ジャパンの事前の承認なく 本資料の全部もしくは一部を引用または複製 転送等により使用することを禁じます 発行所住所等 103-0025 東京都中央区日本橋茅場町 1-2-18 編集発行責任者大谷正之商号等株式会社証券ジャパン金融商品取引業者関東財務局長 ( 金商 ) 第 170 号加入協会日本証券業協会コンプライアンス推進部審査済 2018 年 11 月 30 日 - 9 -
手数料等及びリスクについて 各商品等へのご投資には 所定の手数料等 ( 株式取引の場合は約定代金に対して最大 1.188% (227,273 円以下の場合は 2,700 円 )( 税込み ) の委託手数料 投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料及び信託報酬等の諸経費 等 ) をご負担いただきます また 各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあります 商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので 当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書 ( 目論見書補完書面を含みます ) 等 お客様向け資料をよくお読みください 免責事項等 本資料は 株式会社証券ジャパン ( 以下 証券ジャパン といいます ) 調査情報部が 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したアナリスト レポートであり 当社は 同社との契約に基づき お客さまへの情報提供を目的として使用するものです また 本資料におけるレポート対象企業の選定も証券ジャパン独自の判断で行っており 当社が対象企業を指定して本資料の作成を依頼したものではありません 本資料は 信頼できると考えられる情報に基づいて証券ジャパンが作成したものですが 当社は その正確性 完全性を保証するものではありません 本資料に基づき投資を行った結果 お客様に何らかの損害が発生した場合でも 当社及び証券ジャパンは理由の如何を問わず責任を負いません 本資料は お客様への情報提供のみを目的としたものであり 特定の有価証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的としたものではありません 株式 債券等の有価証券の投資には 株価 債券価格等の有価証券価格の下落や発行者の信用状況などの悪化等により 投資元本を割り込むおそれがあります 投資に関する最終決定は お客様ご自身の判断でなされるようにお願い申し上げます また 本資料はお客様ご自身のためにのみ お客様限りで利用下さい なお 当社の事前の承諾なく 本資料の全部もしくは一部を引用または複製 転送等により使用することを禁じます 住所等 680-0841 鳥取県鳥取市吉方温泉 3 丁目 101 番地商号等大山日ノ丸証券株式会社金融商品取引業者中国財務局長 ( 金商 ) 第 5 号加入協会日本証券業協会 - 10 -