経営効率化計画について

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部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

表 1 小売電気事業者( 新電力とみなし小売電気事業者の総計 ) の平成 29 年 3 月分 販売電力量 ( エリア別 ) 販売電力量合計 ( 単位 :MWh) その他需要 合計 北海道 260,709 1,129,470 1,028, ,749 8,428 2,730,690 東北 1

検討結果 電力小売事業の全面自由化時 (2016 年 /4 月 ) から使用される 需要家スイッチング支援システム を中心にした スイッチング関連業務に関するルール の建付けについて 検討した結果を報告します 1. スイッチング関係ルールを 広域機関ルール として以下のように策定する ( 対象のルー

空調夏期契約 ( 選択約款 ) 東海ガス株式会社 平成 29 年 4 月 1 日実施

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1. これまでの電気料金制度

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

電気料金種別定義書 動力プラン 株式会社 Looop

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FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

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空調夏期契約 ( 選択約款 ) 東海ガス株式会社 平成 28 年 5 月 1 日実施 平成 28 年 3 月 18 日届出

家庭用高効率給湯器プラン定義書 ( エコほっと ) 平成 29 年 10 月 1 日実施 京葉ガス株式会社

様式第14の2

問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買うことはで

3. 制度見直しの方向性 3-1. 送配電関連設備に係る費用の利用者間の負担 送配電網の利用者として 送配電網に接続している発電者と需要家が挙げられるが 現行制度上 送配電関連設備に係る費用は 発電側による電源接続時の初期費用負担を除き 需要側のみが負担 ( 小売電気事業者が託送料金を負担し それを

ソフトバンクでんき for Biz 料金表[低圧]

(案)

目次(001目次タイトル)

② 空調夏期契約選択約款モデル(例)

原子力政策


整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

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整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

電気料金新旧単価一覧表 ( 平成 25 年 9 月 1 日実施 ) 平素は 弊社事業に対し格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます また 日頃から節電にご協力いただいておりますことについて 重ねて御礼申し上げます さて 弊社は東日本大震災や新潟 福島豪雨による甚大な設備被害 原子力発電の停止による火

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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2 I. 電力小売自由化後の課題 II. 都市ガス自由化に向けての課題 III.LP ガスの課題 まとめ

14.供給約款等以外の供給条件

新旧対照表(第2分冊:保険会社関係)1-14-14

年 発 第     号

はじめに 本年 4 月の電力分野に続き 来年 4 月には都市ガス分野においても小売全面自由化がスタートします いよいよエネルギー業界も大競争時代に突入します これは130 年を超える当社の歴史において 特に戦後長らく続いてきた経営 事業の構造 基盤を一変させる極めて大きな出来事となります 当社はこの

時間帯別 B 契約 ( 選択約款 ) 東海ガス株式会社 平成 28 年 5 月 1 日実施 平成 28 年 3 月 18 日届出

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国民年金法による改定率の改定等に関する政令

業務用電力 [ 契約電力 500 キロワット未満 ] ( 主契約料金表 ) 目 次 本 則 1 適 用 1 2 契 約 種 別 1 3 適 用 範 囲 1 4 供給電気方式, 供給電圧および周波数 1 5 契約負荷設備および契約受電設備 1 6 契 約 電 力 1 7 料 金 2 8 そ の 他 3

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余白 1

公共料金等専門調査会報告 関係法令(電気料金関係)

注 1: 要件の判断に係る算定に当たっては 複数の発電用の電気工作物が同一の接続地点に接続している場合は 一つの発電用の電気工作物とみなす 注 2: 特定発電用電気工作物に該当しない電気工作物は 発電事業の要件 ( 小売電気事業用等接続最大電力の合計が 1 万 kw 又は 10 万 kw を超えるも

(1) 申請書 に記載された設備投資の内容( 申請書 5で記載する事項 ) が 必要十分な設備として 当該設備の導入の目的 ( 申請書 2で記載する事項 ) 及び事業者の事業の改善に資することの説明 ( 申請書 4で記載する事項 ) に照らして整合しているかどうかについて確かめること さらに 事業者

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

2. 主な改正事項等の概要 (1) 液石法施行規則の一部改正 ( 別添 1 参照 ) 1 第 16 条 ( 販売の方法の基準 ) に 一般消費者等に対して液化石油ガスの供給に係る料金その他の一般消費者等の負担となるものを請求するときには 一般消費者等にその算定根拠を通知することを追加 WG 報告書

申込にあたっての留意事項この仮想通貨付与プラン ( 以下 本プラン といいます ) にお申込みいただいたお客さまは 以下に定める内容に同意したものとみなします 適用対象本プランは 株式会社リミックスポイント ( 以下 当社 といいます ) との間で従量電灯又は低圧電力に関する需給契約を締結しているお

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

スイッチングの状況 (2017 年 3 月時点 ) 本年 3 月末時点での新電力への契約先の切替え ( スイッチング ) 件数は約 4.7%( 約 295 万件 ) 大手電力 ( 旧一般電気事業者 ) の自社内の契約の切替件数 ( 規制 自由 ) は約 4.1% ( 約 258 万件 ) であり 合

一体的な制度改革による総合エネルギー市場の創出 1 1 光熱費 という言葉があるように 消費者にとってエネルギー市場は一体のもの 他方で 従来 我が国のエネルギー市場は 電力 ガス 熱等の業態ごとに制度的な 市場の垣根 が存在 ( ) 石油や LP ガスは既に参入規制なく 自由な市場 一体的な制度改

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

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2 厚年基金付加支給利率を定める告示 解散する厚生年金基金から中退共へ資産を移換した場合 掛金納付月数へ通算するとともに 掛金納付月数へ通算されなかった残余の額については 予定運用利回り ( 年 1%) に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率を乗じて得た額をとして支給することとしており 本告示で当該

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指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

電気 ガス 熱供給の自由化と新築物件 既築物件における選択肢 ( 上 ) 藤本祐太郎長島 大野 常松法律事務所弁護士 本誌発行日である 2019 年 4 月 1 日をもって 電力自由化 熱供給自由化からちょうど 3 年 ガス自由化からちょうど 2 年が経過した 電気についていえば 500 社超の事業

環境保全型農業直接支援対策交付金交付要綱 制定改正 平成 23 年 4 月 1 日付け22 生産第 号平成 24 年 4 月 6 日付け23 生産第 6218 号農林水産事務次官依命通知 ( 通則 ) 第 1 農林水産大臣は 環境保全型農業直接支援対策を実施するため 環境保全型農業直接支

附則第一章総則(定義)第一条この省令において使用する用語は 電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成二十七年法律第四十七号 以下 改正法 という ) ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号 以下 法 という ) ガス事業法施行規則(昭和四十五年通商産業省令第九十七号) ガス事業会計規則(昭和二十九

- 2 - り 又は知り得る状態であったと認められる場合には この限りでない 2~7 略 (保険料を控除した事実に係る判断)第一条の二前条第一項に規定する機関は 厚生年金保険制度及び国民年金制度により生活の安定が図られる国民の立場に立って同項に規定する事実がある者が不利益を被ることがないようにする観

目次

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【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

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( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

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重要事項説明1809個人版入稿用.indd

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

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成 29 年には小売の地域独占が撤廃され 料金規制が原則廃止される 小売全面自由化を機に 課税の公平性 を担保することは 新規参入を促進すると同時に 競争の活性化による料金抑制 更なる天然ガス利用拡大に寄与し ガスシステム改革の目的達成に資することから 抜本的な現行課税方式の見直しが必要である 2

新電力のシェアの推移 全販売電力量に占める新電力のシェアは 216 年 4 月の全面自由化直後は約 5% だったが 217 年 5 月に 1% を超え 218 年 1 月時点では約 12% となっている 電圧別では 特別高圧 高圧分野 ( 大口需要家向け ) は時期により変動しつつも 全体的には上昇

万八千六百円 ) 3 現に機関登録を受けている者が他の機関登録を受けようとする場合における法第十四条第一項の政令で定める額は 前二項の規定にかかわらず 同条第一項の農林水産省令で定める各区分について 当該各区分が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める額とする 一法第二条第二項

選択約款

( 用語の定義 ) 第 3 条この約款においては 次表の左欄の用語はそれぞれ右欄の意味で使用します 用語意味 1~107 ( 略 ) ( 略 ) 108 消費税相当額 ( 略 ) 電気通信事業法第 33 条第 2 項に基づく第 1 種指定電気通信設備との接続に関する契約約款の一部改正旧新 ( 用語の


薬-1 長期収載品と後発品

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クッキー情報等について 株式会社グローアップでは ヤフー株式会社をはじめとする第三者から配信される広告が掲載される場合があり これに関連して 当該第三者が を訪問したユーザーのクッキー情報等を取得し 利用している場合があります 当該第三者によって取得された

( 趣旨 ) 第 1 条 土地開発公社派遣職員人件費補助金交付要綱 知事は 山梨県土地開発公社 ( 以下 公社 という ) が行う公共用地 公用地 等の取得 管理 処分等を円滑に進め もって地域の秩序ある整備と県民福祉の増進に資するため 公社に派遣した山梨県職員の人件費等に対し 予算の範囲内で補助金

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き県が負担する負担金の額 ( 当該負担金の額が他の法令の規定により軽減される場合にあつては, その軽減されることとなる額を控除した額 以下 県負担額 という ) から当該事業に要する費用の額 ( 加算額がある場合にあつては, 加算額を控除して得た額 ) に100 分の25 以内で規則で定める割合を乗

平成21年度地域医療再生臨時特例交付金交付要綱

Transcription:

資料 5 ー 3 事業者間精算費 収益について 平成 28 年 9 月 29 日電力 ガス取引監視等委員会事務局ネットワーク事業監視課

目次 1. 事業者間精算費 収益の検討 1-1. 事業者間精算の概要 1-2. 事業者間精算費 収益の計算方法 2. 各事業者申請状況 2-1. 事業者間精算の状況 2-2. 事業者間精算費の算定 2-3. 事業者間精算収益の算定 2-4. 高圧供給取引について 3. 事業者間精算費 収益に関する論点

1-1. 事業者間精算の概要 3 事業者間精算とは 最終需要家へのガス到達までに 2 事業者以上の導管を通過する場合に ガス導管事業者間で連結託送供給に係る費用を精算する仕組みである <2 事業者以上の導管を通過する場合 > 製造設備 A 社供給区域 A 社ネットワーク B 社供給区域 B 社ネットワーク C 社供給区域 C 社ネットワーク ( 需要地 ) 最終需要家 A 社 -B 社間 B 社 -C 社間で それぞれ事業者間精算が行われる A 社収益 B 社費用 B 社収益 C 社費用 ( 参考 ) <1 事業者のみの導管を通過する場合 > 小売事業者 D 社供給区域 ガスの流れ 製造設備 D 社ネットワーク ( 需要地 ) 最終需要家 連結託送に係る金銭の流れ ( 事業者間精算 ) 小売託送に係る金銭の流れ 小売事業者

( 参考 ) 電気事業制度における振替供給の概念との比較 4 電気事業制度においては 最終需要家への電気到達までに通過する すべての 一般送配電事業者に対して 需要地一般送配電事業者が振替供給に係る費用 ( 振替供給料金相当額 ) を精算する A 社供給区域 B 社供給区域 C 社供給区域 発電所 A 社ネットワーク B 社ネットワーク C 社ネットワーク ( 需要地 ) 最終需要家 小売事業者 C 社 -B 社間 C 社 -A 社間で それぞれ事業者間精算が行われる A 社 -B 社間で精算がない点が ガス事業制度の事業者間精算とは異なる 電気の流れ 振替供給に係る金銭の流れ ( 事業者間精算 ) 接続供給に係る金銭の流れ

1-2. 事業者間精算費 収益の計算方法 5 事業者間精算費 収益ともに 算定省令に基づく計算方法により影響額が算出され 原価に織り込まれる 事業者間精算費 費目根拠 ( 算定省令より ) ポイント 単価 数量 直前に連結託送供給を行うことが見込まれる他の事業者が設定する事業者間精算料金表 ( 1) 当該他の事業者の想定連結託送供給ガス量等 ( 2) 上流導管事業者 ( 3) が経済産業大臣に提出する事業者間精算料金表に基づく単価 事業者間精算収益 単価 数量 当該一般ガス事業者が設定する事業者間精算料金表 ( 1) 実績値及び供給計画等を基に算定した当該一般ガス事業者の想定連結託送供給ガス量等 ( 2) 当該 導管事業者が経済産業大臣に提出する事業者間精算料金表に基づく単価 ( 1) 連結託送供給に係る費用を事業者間で精算するための料金を算出するための基礎となる料金表をいう ( 2) 連結託送供給を行うことが見込まれるガスの量をいう ( 3) 直前に連結託送供給を行うことが見込まれる他の事業者 を 上流導管事業者 と表現する 次頁以降同様

( 参考 ) 託送供給約款料金の算定に関する省令 ( 抜粋 )1/2 6 ( 一般ガス導管事業等の営業費の算定 ) 第四条一般ガス事業者は 一般ガス導管事業等の営業費として 別表第一第一表 (1) から (3) までに掲げる項目ごとに 同表 (1) から (3) までに掲げる方法により算定される額を 様式第二に整理しなければならない 別表第 1( 第 4 条から第 7 条まで関係 ) 第 1 表原価等の分類及び算定方法 ( 営業費等 ) (3) 個別査定対象ネットワーク費用 ( 需給調整費以外のもの ) 事業者間精算費当該一般ガス事業者の直前に連結託送供給 ( 一般ガス導管事業者又は特定ガス導管事業者 ( 以下この (3) において 事業者 という ) が一の者に対する託送供給を連続して行う場合における託送供給のうち 当該一の者に対して行う最後の託送供給以外の託送供給をいう 以下この (3) において同じ ) を行うことが見込まれる他の事業者が設定する事業者間精算料金表 ( 連結託送供給に係る費用を事業者間で精算するための料金を算出するための基礎となる料金表をいう 以下この表において同じ ) 及び当該他の事業者の想定連結託送供給ガス量 ( 連結託送供給を行うことが見込まれるガスの量をいう 以下この表において同じ ) 等を基に計算した金額の合計額とする ( 3) ( 3) 一般ガス導管事業者の供給区域内における需要に係るガス及び一般ガス導管事業者が連結託送供給を行うガスについて 他の事業者が連結託送供給を行うことにより生ずる費用は 当該他の事業者が設定する事業者間精算料金表及び当該他の事業者が連結託送供給を行ったガス量等を基に計算するものとする ( 出典 ) 電気事業法等の一部を改正する等の法律附則第十八条第一項本文の規定に基づき一般ガス事業者が定める託送供給約款で設定する託送供給約款料金の算定に関する省令

( 参考 ) 託送供給約款料金の算定に関する省令 ( 抜粋 )2/2 7 ( 一般ガス導管事業等の控除項目の算定 ) 第七条一般ガス事業者は 一般ガス導管事業等の控除項目として 別表第一第三表に掲げる項目ごとに 同表に掲げる方法により算定される額を 様式第四に整理しなければならない 別表第 1( 第 4 条から第 7 条まで関係 ) 第 3 表原価等の分類及び算定方法 ( 控除項目 ) 事業者間精算収益当該一般ガス事業者が設定する事業者間精算料金表 ( ) に実績値及び供給計画等を基に算定した当該一般ガス事業者の想定連結託送供給ガス量等を基に計算した金額とする ( ) 一般ガス事業者は 事業者間精算料金表を 原価等を基に ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し 定額基本料金 流量基本料金若しくは従量料金又はこれらを組み合わせたものとして設定しなければならない また 一般ガス事業者は 事業者間精算料金表を設定したときは 遅滞なく 次の事項を記載した書類を経済産業大臣に提出しなければならない (1) 事業者間精算料金表及び当該料金表の算定根拠又は金額決定の方法に関する説明 (2) 想定連結託送供給ガス量 ( 出典 ) 電気事業法等の一部を改正する等の法律附則第十八条第一項本文の規定に基づき一般ガス事業者が定める託送供給約款で設定する託送供給約款料金の算定に関する省令

2-1. 各事業者申請状況 : 事業者間精算の状況 8 各事業者の事業者間精算の状況 ( 対象事業者 ) は以下のとおり 費目東京ガス大阪ガス東邦ガス 事業者間精算費 国際石油開発帝石 中部電力ー 事業者間精算収益 京葉ガス 武州ガス 東部ガス 大東ガス他 大津市企業局 河内長野ガス 大和ガス 伊丹産業他 中部ガス 犬山ガス 津島ガス 大垣ガス ( 出典 ) 東京ガス 大阪ガス 東邦ガスの情報に基づき 電力 ガス取引監視等委員会事務局が作成

2-2. 各事業者申請状況 : 事業者間精算費の算定 事業者間精算費の算定根拠 東京ガス 大阪ガス 東邦ガス 中部電力上流国際石油東京大阪導管事業者開発帝石四日市北勢地区地区ガスガス 基本ーーー H25 199 ( 円 / 件 月 ) 単実績 H26 201 価流量基本 2,500 359 5,257 H27 197 ( 円 /m 3 時) 非( 1) 従量 H28 206 8.86 0.99 6.28 公( 円 /m 3 ) 想定 H29 203 / 計画数量非公表表H30 203 203 ( 百万 m 3 ) ( 2) H31 203 ( 2) 各事業者の事業者間精算費は 以下のとおり算定されている ( 出典 ) 東京ガス 大阪ガス 東邦ガスの情報に基づき 電力 ガス取引監視等委員会事務局が作成 事業者間 H29-H31 精算費 34 億円 15 億円ー平均 203 (H29-H31 平均 ) ( 1) 上流導管事業者の現行託送供給約款料金表を参照している ( 2) 上流導管事業者との卸供給契約に基づく需要想定量であり 個社との契約に係る情報となるため 非公表 9 連結 ( 卸 ) 託送供給量の年度別推移表単位 : 百万 m 3 東邦ガス計上なし原価算定期間

原価算定期間2-3. 各事業者申請状況 : 事業者間精算収益の算定 10 各事業者の事業者間精算収益は 以下のとおり算定されている 事業者間精算収益の算定根拠 基本 ( 円 / 件 月 ) 東京ガス 大阪ガス 東邦ガス 50,000 75,500 141,430 連結 ( 卸 ) 託送供給量の年度別推移表 東京ガス 大阪ガス 単位 : 百万 m 3 東邦ガス 単価 ( 1) 流量基本 ( 円 /m 3 時 ) 従量 ( 円 /m 3 ) 数量 ( 百万 m 3 ) 事業者間精算収益 (H29-H31 平均 ) 1,340 445 ( 3) 冬期 ( 2) :1.66 その他期 ( 2) :1.23 低圧加算額 :22.10 1,160 2.25 ( 3) 2.40 1,591 323 260 68 億円 12 億円 11 億円 実績 想定 / 計画 H29-H31 平均 H25 1,907 291 297 H26 1,809 292 283 H27 1,825 284 265 H28 1,622 289 260 H29 1,619 288 260 H30 1,572 338 260 H31 1,582 343 260 1,591 323 260 ( 1) 託送料金算定省令に基づき設定され 平成 28 年 7 月に経済産業大臣に提出された事業者間精算料金表を参照している ( 2) 冬期は 12 月 ~3 月 その他期は 4 月 ~11 月である ( 3) 大阪ガスは 高圧供給割引を設定している ( 流量基本 : 340 円 /m 3 時 従量 : 1.21 円 /m 3 ) ( 出典 ) 東京ガス 大阪ガス 東邦ガスの情報に基づき 電力 ガス取引監視等委員会事務局が作成

2-4. 各事業者申請状況 : 高圧供給取引について 11 各事業者の高圧供給取引の有無と 高圧供給割引の設定については 以下のとおり 東京ガス大阪ガス東邦ガス 高圧供給取引の有無ありありなし 高圧供給割引の有無なしありなし 圧別料金中圧 高圧共通中圧高圧中圧 高圧共通 基本 ( 円 / 件 月 ) 50,000 75,500 75,500 141,430 流量基本 ( 円 /m 3 時 ) 1,340 445 105( 3) 1,160 従量 ( 円 /m 3 ) 冬期 ( 1):1.66 その他期 ( 1):1.23 2.25 1.04( 3) 2.40 高圧供給割引の有無に対する考え方 省令に基づく設定 料金の継続性の観点 卸先事業者が高圧供給 / 中圧供給を選択できない ( 2) 高圧供給においては 中圧供給に係るコストを減額するため 中圧原価相当の割引単価を設定 現行の連結託送の供給圧力は中圧のみのため 高圧向け料金設定はなし ( 1) 冬期は 12 月 ~3 月 その他期は 4 月 ~11 月である ( 2) 高圧供給となるか中圧供給となるかは 需要の大小 連結点の地理的要因等も勘案されて決定される ( 3) 大阪ガスは 高圧供給割引を設定 ( 流量基本 : 340 円 /m 3 時 従量 : 1.21 円 /m 3 ) しており 表中の料金は割引後料金である ( 出典 ) 東京ガス 大阪ガス 東邦ガスの情報に基づき 電力 ガス取引監視等委員会事務局が作成

3. 事業者間精算費 収益に関する論点 12 論点内容対応 ア イ 事業者間精算費 事業者間精算収益 単価 単価水準とその算定方法が妥当か数量 原価算定期間 (H29-H31) における想定需要量が妥当か単価 単価水準とその算定方法が妥当か数量 原価算定期間 (H29-H31) における想定需要量が妥当か 事務局にて確認予定 ウ 高圧供給取引 ( 取引がある場合 ) 高圧供給取引の申請原価への織り込み方法や考え方は適切か エ増査定の可否 事業者間精算費に関する増査定が許容されるか 専門会合で議論

3-1.( エ ) 増査定の可否について : 料金表単価参照の流れ 13 事業者間精算費の算出においては 上流導管事業者の事業者間精算料金表単価を参照する 各事業者の認可申請時に上流導管事業者の料金表は決定されていなかったため 各事業者は事業者間精算費を 仮値 等で申請しており 適正原価は申請原価よりも増額する可能性がある 料金表単価参照のイメージ ガスの流れ 料金表単価参照 A 社 D 社 C 社 B 社 E 社 各事業者の適正原価は 認可申請時 現行制度の下 各事業者の認可申請時に上流導管事業者の料金表は決定されていなかった 上流導管事業者の現行卸託送料金表単価等を参照し 当該単価を基に事業者間精算費の 仮値 を算出する方法により申請しているなお 仮値 をゼロとして申請している事業者もいる 申請原価よりも増額する 可能性がある

3-1.( エ ) 増査定の可否について : 本料金審査上の対応方針 14 上流導管事業者の事業者間精算料金表が変更されることによる託送料金への影響については ( 値上げ 値下げを問わず ) 外生的な要因による託送料金の改定として 変分改定を認める ( 1) こととされている この考え方に準じて 本料金審査において 事業者間精算費を申請額より増額すること ( 増査定 ) を許容してはどうか 増査定 認可原価の内容 メリット デメリット 案 1 許容しない 仮値 がそのまま認可原価となる 査定において 認可原価は申請原価よりも増額させないことに対する例外を作らない 変分改定制度を利用することとなり 託送料金の確定が平成 29 年 4 月以降となる事業者が出てくる 案 2 許容する より適正な認可原価となる 全ての事業者の託送料金が予定通り平成 28 年内に確定する 変分改定に係る追加負担はない 査定において 認可原価が申請原価より増額すること ( 増査定 ) に対する例外を認めることとなる ( 1) 外生的要因の影響による託送料金の変動に該当するため ガス託送料金審査の結果に関わらず 平成 29 年 4 月以降運用開始予定の変分改定制度を適用し 適正原価に改定することが考えられる

( 参考 ) 変分改定制度について 15 ( 出典 ) ガスシステム改革小委員会 ( 第 30 回 ) 配布資料 5 スライド 27