高圧ガス(第577号),P44-49

Similar documents
高圧ガス(第576号),P48-53

< 解説 > 医療用ガスボンベ誤認防止のため ガス種の確認は医薬品ラベルによる確認を最重要と捉えその励行を推奨し 特に誤認の多い医療用小型ガスボンベに焦点を当て 識別性の高い医薬品ラベルの指針を制定する また医療ガス安全管理委員会の役割を強化し 医療ガスを安全に取扱うための医療ガス教育を更に充実させ

高圧ガス(第580号),P50-56

高圧ガス(第571号),P69-75

大阪市立大学における 液体ヘリウムの汲み出し状況

<4D F736F F F696E74202D C4816A81798E9197BF A8B4B90A791CE8FDB82CC8DC490AE979D E >

特定個人情報の取扱いの対応について

IM-P Rev.1 AB Issue FV 型フラッシュ タンク取扱説明書 1. 製品仕様 2. 設置 3. 始動前 4. 運転 5. 保守

個人情報保護規定

整理ページ番号 1 P.1 他 2 P.1-P.2 ご意見全般について 法律 政令 省令等について 公布年や公布番号等がカッコ書きされているものもあれば記載のないものもあるので いずれかに統一することが望ましいです 例 :P b) P 注 1.1 注 1) b) 2) 中間貯

第 4 条公共の場所に向けて防犯カメラを設置しようとするもので次に掲げるものは, 規則で定めるところにより, 防犯カメラの設置及び運用に関する基準 ( 以下 設置運用基準 という ) を定めなければならない (1) 市 (2) 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 260 条の2

<4D F736F F D E9197BF342D32817A B7982D BF CC8EA993AE8ED482C98AD682B782E990A28A458B5A8F708B4B91A582CC93B193FC8B7982D18D B4B91A D A89BB82C982C282A282C42E646F6378>

法律第三十三号(平二一・五・一)

特定個人情報の取扱いの対応について

個人情報の保護に関する規程(案)

準処理期間 経由機関での協議機関での処分機関での処理期間処理期間処理期間内訳設置許可 14 日 - - 変更許可 10 日設定年月日平成 26 年 4 月 1 日最終変更日年月日 備考

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

2. 登録講習を実施している機関一般社団法人マンション管理業協会登録年月日平成 13 年 8 月 10 日所在地東京都港区虎ノ門 連絡先 株式会社プライシングジャパン 登録年月日 平成 26 年 10 月 3 日 所在地 埼玉県三郷市上口 連絡先

(6) 集団回収第 57 条の2 第 3 項に規定するリサイクル推進団体による再利用を目的として集団回収対象物 ( 再利用が可能な家庭廃棄物のうち 規則で定める廃棄物をいう 以下同じ ) を回収する活動をいう ( 処理 ) 第 19 条 2 3 前 2 項に規定する一般廃棄物の処理の基準は 規則で定

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

<4D F736F F D2091E6328FCD208DD08A5182CC94AD90B681458A6791E A834982CC93578A4A2E646F63>

高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温 30 日 30 日容器以外 )(500リットルを超えるもの) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温容器以外 )(500 リットル以下のもの ) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく指定容器検査機関の

14個人情報の取扱いに関する規程

<945F96F B3816A2E786264>

安全管理規程

個人情報の取り扱いに関する規程

個人情報保護規程

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

youkou

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

Microsoft Word - 設計認証Q&A docx

基準19 ハロゲン化物消火設備の設置及び維持に関する基準

水素ステーションの設置・運用等に係る規制合理化のための研究開発

privacypolicy

様式 1-2 文書履歴 簡易容器検査規程 [ 機 ] 改訂 施行 改訂等の内容 コード 年月日 制定 支部住所等の変更に伴う改正 2 銀行名等の変更に伴う改正 近畿支部及び九州支部銀行支店名を改正 -3 2

承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

個人情報管理規程

<4D F736F F D2088E396F BB91A28BC EF C8EA695DB8AC78BE695AA816A C826F8AEE8F808F918EE88F878F B2E646F63>

無線局の定期検査制度の見直し ~ 登録検査等事業者制度の導入 ~ 平成 23 年 6 月 総務省総合通信基盤局電波環境課

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

株式会社フロンティアビジネス 別紙 1 1 処分内容 (1) 労働者派遣法第 21 条第 2 項に基づく労働者派遣事業停止命令 ( 労働者派遣事業停止命令の内容は 3 のとおり ) (2) 労働者派遣法第 49 条第 1 項に基づく労働者派遣事業改善命令 ( 労働者派遣事業改善命令の内容は 4 のと

都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 ( 平成十二年東京都条例第二百十五号 ) 新旧対照表 ( 抄 ) 改正案現行目次 ( 現行のとおり ) 目次 ( 略 ) 第一条から第百十二条まで ( 現行のとおり ) 第一条から第百十二条まで ( 略 ) ( 土壌汚染対策指針の作成等 ) 第百十三条知事

Microsoft Word - 土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

○H30条例19-1

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

Microsoft Word - 細則本文(H25.6.1~)

1

様式第 2 号 ( 第 3 条 第 4 条 第 9 条 第 21 条及び第 23 条関係 ) 経歴書 1 氏名 2 生 3 現住所 4 経歴 期間自至 勤務先並びに職務内容又は業務内容 上のとおり相違ありません 氏名 印 注 1 不要の文字は 抹消すること 2 この用紙の大きさは 日本工業規格に定め

実用発電用原子炉の設置 運転等に関する規則 ( 抜粋 ) ( 昭和 53 年 最終改正 : 平成 25 年 )( 通商産業省令 ) ( 工場又は事業所において行われる廃棄 ) 第九十条法第四十三条の三の二十二第一項の規定により 発電用原子炉設置者は 発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所において行

< F2D D834E838D94C5817A8E9E935F FC90B38FC897DF DF94D48D8693FC82E829202E6A7464>

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

(6) 不利益処分広域連合長等が 条例等に基づき 特定の者を名宛人として 直接に これに義務を課し 又はその権利を制限する処分をいう ただし 次のいずれかに該当するものを除く ア略イ申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名宛人としてされる処分ウ名宛人となるべき


資料  


個人情報保護規程例 本文

新座市税条例の一部を改正する条例

5-1から3許可・不許可

<4D F736F F D2095F18D9091E682518D E7390EC8E E738C7689E690C58FF097E182CC88EA959482F089FC90B382B782E98FF097E EA8C88816A B8C91CE8FC6955C E646F6378>

軽自動車税 ( 種別割 ) 減免に関する取扱基準 ( 趣旨 ) 第 1 条この基準は 船橋市市税条例第 89 条及び第 90 条の規定に基づき 軽自動車税 ( 種別割 ) の減免の取り扱いに関し 必要な事項を定める ( 公益のために直接専用するものの範囲 ) 第 2 条条例第 89 条第 1 項第

かなければならず 防犯カメラ設置運用基準に防犯カメラ取扱責任者の設置及び指定に関することについて定めること ( 防犯カメラ設置運用基準の届出等 ) 第 5 条防犯カメラ設置運用基準の届出をしようとする者は 防犯カメラを設置しようとする日の14 日前までに 防犯カメラ設置運用基準届 ( 別第 1 号様

昇降機の状況等 ( 第二面 ) 1. 昇降機に係る確認済証交付年月日等 イ. 確認済証交付年月日 昭和 平成年月日第号 ロ. 確認済証交付者 建築主事 指定確認検査機関 ( ) ハ. 検査済証交付年月日 昭和 平成年月日第号 ニ. 検査済証交付者 建築主事 指定確認検査機関 ( ) 2. 検査日等

協会員の外務員の資格 登録等に関する規則 に関する細則 ( 平 ) ( 目的 ) 第 1 条この細則は 協会員の外務員の資格 登録等に関する規則 ( 以下 規則 という ) の施行に関し 必要な事項を定める ( 二種外務員の信用取引に係る外務行為 ) 第 2 条規則第 2 条第 4 号

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

平成 26 年度経済産業省委託事業 高圧ガス取扱施設における リスクアセスメント手法及び保安教育プログラム調査研究 講師データベースの構築 平成 27 年 3 月 高圧ガス保安協会

Taro-議案第13号 行政手続条例の

京都大学大学文書館利用等要項の一部改正 ( 案 )( 新旧対照表 ) 改正部分のみ 改正案 現行 ( 前略 ) ( 同左 ) 第 7 大学文書館は 特定歴史公文書等に個人情報 ( 生存する個人に関する情報であって 当該情報に含まれる氏名 生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるも

山梨県産業廃棄物処理業者等不利益処分要領 ( 目的 ) 第 1 条この要領は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ( 昭和 45 年法律第 137 号 以下 法 という ) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 ( 昭和 46 年政令第 300 号 ) 及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則

Microsoft Word - 個人情報保護規程 docx

旧なお 当該投資法人が租税特別措置法第 83 条の2 第 3 項の規定の適なお 当該投資法人が租税特別措置法第 83 条の2 第 3 項の規定の適用を受けることができる日は 当該特定資産取得後 1 年以内であるこ用を受けることができる日は 当該特定資産取得後 1 年以内であることに留意するものとする

様式第 8 の 2 揮発油特定加工業登録申請書 の記載例 様式第 8 の 2( 第 9 条の 2 関係 ) ( 表 ) 整理番号 審査結果 受理年月日 年 月 日 登録番号 揮発油特定加工業登録申請書 経済産業局長殿 平成 年 月 日 氏名又は名称及び法人にあ 特定加工株式会社 つてはその代表者の氏

( 案 ) 土地区画整理事業の施行に伴い設置される 公共施設の管理及び帰属等に関する協議書 埼玉県 ( 以下 甲 という ) と ( 土地区画事業施行 ( 予定 ) 者 ) ( 以下 乙 と いう ) とは 土地区画整理法に基づく土地区画整理事業の施行により設置される公共 施設の管理及び帰属等につい

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

<4D F736F F D208E52979C8CA C78E F88979D8BC68ED E882C98C5782E98E9696B18F88979D977697CC2E646F63>

交野市税条例の一部を改正する条例案 交野市税条例の一部を改正する条例 交野市税条例 ( 平成 15 年条例第 38 号 ) の一部を次のように改正する 第 69 条の次に次の1 条を加える ( 法第 349 条の3 第 28 項等の条例で定める割合 ) 第 69 条の2 法第 349 条の3 第 2

登録審査機関の審査ポイント

弘前市告示第   号

b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

<4D F736F F D204A534D4582B182EA82DC82C582CC92B28DB88FF38BB54E524195F18D E90DA8B4B8A69816A5F F E646F63>

拍, 血圧等 ) を, ユーザー本人または当社の提携先からと提携先などとの間でなされたユーザーの個人情報を含む取引記録や, 決済に関する情報を当社の提携先 ( 情報提供元, 広告主, 広告配信先などを含みます 以下, 提携先 といいます ) などから収集することがあります 4. 当社は, ユーザーが

第 9 屋外貯蔵タンク冷却用散水設備の基準 ( 昭和 57 年 7 月 1 日消防危第 80 号 ) タンクの冷却用散水設備 ( 以下 散水設備 という ) は 次によること 1 散水設備の設置範囲は 危険物規則第 15 条第 1 号に定める技術上の基準に適合しないタンク ( 一部適合しないものにあ

役務契約における労働社会保険諸法令遵守状況確認実施方針

平成14年8月  日

1 委託業務監督 検査要領 Ⅲ-1-1

ごと又は施行規則第 1 3 条第 1 項第 2 号に規定する小規模特定用途複合防火対象物における特定の用途部分ごとに設置義務が生じるときも同様とする ( 報告及び公表の決定 ) 第 4 条査察員は 立入検査において 公表の対象となる違反を認めた場合は 立入検査結果通知書により署長に報告するものとする

●品川区高齢者福祉団体登録要綱

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

- 2 - 改正後改正前(登録申請書に添付すべき書類)(登録申請書に添付すべき書類)第一条(略)第一条(略)一次の表の上欄に定める倉庫の種類に応じ 同表の下欄に掲げる一次の表の上欄に定める倉庫の種類に応じ 同表の下欄に掲げる書類書類規則第三条第一号一~五(略)規則第三条第一号一~五(略)の一類倉庫

( 別添 2) ( 別添 2) 平成 14 年 9 月 27 日保発第 号の別添 2 組合管掌健康保険一括適用取扱要領 組合管掌健康保険一括適用取扱要領 ( 準則 ) 第 1 健康保険法 ( 以下 法 という ) 第 34 条第 1 項の規定による厚生労働大臣の承認 ( 以下 一括適

< F2D E7B8D FC90B3816A2E>

- 2 - 収納した歳入を その内容を示す計算書(当該計算書に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式 磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて 電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう 以下同じ )を含む )を添えて 会計管理者又は指定金融機

( 裏 ) ( 注 )1 1 の欄は, 記入しないでください 2 核燃料等を取り扱う行為等 の欄は, 修正申告に係るものを で囲んでください 3 2 の欄は, 茨城県核燃料等取扱税条例付則第 4 条第 1 項の規定に該当する使用済燃料について記入してください 4 3 の欄は, 茨城県核燃料等取扱税条

一般社団法人北海道町内会連合会定款変更(案)

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

Transcription:

372 高圧ガス保安法の基礎シリーズ ( 第 9 回 ) 一昨年実施いたしました 高圧ガス誌 の読者アンケートおける今後取り上げて欲しいテーマでは, 高圧ガス保安法の基礎, 液化石油ガスの基礎 が上位でありました 加えてアンケートの自由記載欄でも法令に関するテーマの要望が多かったので, 高圧ガス保安法令及び液化石油ガス法令に関する連載を開始しています 平成 28 年度経済産業省委託高圧ガス保安対策事業 ( 高圧ガス保安技術基準作成 運用検討 ) において作成した高圧ガス保安法及び高圧ガス保安施行令の逐条解説を執筆した委員を中心に, 保安法とLP 法, 保安検査と定期自主検査, 保安統括者, 保安主任者, 保安係員 などのキーワードを設定して, 当該キーワードに関する解説を執筆していただいています 第 9 回目となる4 月号では, 高圧ガス容器の製造と取扱い について, 元岡山県山田孝志氏から高圧ガス容器の取扱い, 法規制についてわかりやすく解説していただきました 高圧ガス保安法の基礎シリーズの掲載号 第 1 回 高圧ガス保安法と液化石油ガス法 高圧ガス保安協会 鈴木則夫 Vol.54 No.8 第 2 回 高圧ガス~ 圧縮ガス と 液化ガス など 元千葉県山本修一 Vol.54 No.9 第 3 回 高圧ガスの製造について (1) 元千葉県 山本修一 Vol.54 No.10 第 4 回 高圧ガスの製造について (2) 元千葉県 山本修一 Vol.54 No.11 第 5 回 第一種貯蔵所と第二種貯蔵所 三重県 中条孝之 Vol.54 No.12 第 6 回 高圧ガスの販売と貯蔵 高圧ガス保安協会 鈴木則夫 Vol.55 No.1 第 7 回 高圧ガスの輸入と移動 元岡山県 山田 孝 Vol.55 No.2 第 8 回 高圧ガスの貯蔵と消費 三重県 中条孝之 Vol.55 No.3 44 高圧ガス

373 高圧ガス保安法の基礎シリーズ 高圧ガス容器の製造と取扱い 元岡山県 山田孝志 1 はじめに高圧ガスは, それを製造した後, 使用 ( 消費 ) するために高圧ガスを輸送しなければなりません この時, 製造した事業所と使用する事業所が近接していれば, 管を使えばよいのですが, 遠隔地であると, 管の敷設に莫大な経費が必要になり経済的でありません そこで, 高圧ガスを閉じ込める器を作りこれに入れて目的地へ搬送すれば, 消費する場所の輸送による制約がなくなります この器を高圧ガス保安法では容器といい, 今月はこの 高圧ガス容器の製造と取扱い について考えていきます この定義では, 耐圧部での溶接の有無, 充塡するガスの温度, 使用用途, 充塡するガス種等により第 1 号から第 23 号までに書き分けて定義しています 一般の人がよく目にする容器としては, 写真 1, 2 に示すような LP ガス容器 ( 溶接容器 ), 酸素容器 ( 継目なし容器 ) 等があります これらの容器は, 地盤面から移動できるメリットがある反面, 高圧ガス保安法で貯蔵の規制を受けるものの, 取扱い者の意思によりどこ ( 公共のものとの位置関係において ) へでも持ち込むことができます このようなことから容器は, 安易に破裂しないように造られなければなりません 2 容器の製造 この容器を使って消費する形態には, 容器に配管を接続して消費する場所に移送するもの, 自動車燃料用のもの, 人が携帯して呼吸用に使用するもの等多様になっています また, 高圧ガスの温度も常温のもののほか, 液化して輸送に適した容積にするために低温貯蔵に耐える容器など, 充塡するガスの種類により多彩な性能が要求されます これらの要求に対応してさまざまな容器が製造され, 容器保安規則 ( 以下, 容器則 という ) 第 2 条に示すとおり多種多様な容器が定義されています 写真 1 Vol.55 No.4(2018) 45

374 四 容器は, その材料及び構造に応じた適切な加工, 溶接及び熱処理の方法により製造すること 五 容器は, 適切な寸法精度を有するように製造すること 写真 2 高圧ガス保安法では, 削除されましたが, 1997( 平成 9) 年まで, 容器を製造する者に届出が義務付けられていました 現在, この届出はなくなったものの, 容器の製造方法については容器則第 3 条で規定し, 容器による不測の事態が発生しないような措置が講じられています 容器保安規則 ( 製造の方法の基準 ) 第 3 条法第 41 条第 1 項の経済産業省令で定める技術上の基準は, 次の各号に掲げるものとする 一 容器は, 充塡する高圧ガスの種類, 充塡圧力, 使用温度及び使用される環境に応じた適切な材料を使用して製造すること 二 容器は, 充塡する高圧ガスの種類, 充塡圧力, 使用温度及び使用される環境に応じた適切な肉厚を有するように製造すること 三 容器は, その材料, 使用温度及び使用される環境に応じた適切な構造及び仕様により製造すること このような方法で製造された容器も, 容器検査において, その性能が容器の規格に従って容器検査を行い適合していることが確認されていないと高圧ガスを充塡中, 輸送中, 消費中に, 破裂等の事故を起こし, 規模によっては, 周辺の者まで巻き込み公共の安全に支障を及ぼすことが考えられます この容器検査に合格するとこれを明らかにするため, 容器本体に所定の事項が刻印されます また, 容器本体からの漏えいや容器周辺での火災等不測の事態が発生したときにガスの種類やそれを知らせるための連絡先を明確にするため, 容器則第 10 条には次の表示が容器所有者に義務付けられています 容器保安規則 ( 表示の方式 ) 第 1 0 条法第 46 条第 1 項の規定により表示をしようとする者は, 次の各号に掲げるところに従ってしなければならない 一 次の表の左欄に掲げる高圧ガスの種類に応じて, それぞれ同表の右欄に掲げる塗色をその容器の外面の見やすい箇所に, 容器の表面積の 2 分の 1 以上について行うものとする ただし, 同表中で規定する水素ガスを充塡する容器のうち圧縮水素自動車燃料装置用容器及び国際圧縮水素自動車燃料装置用容器並びにその他の種類の高圧ガスを充塡する容器のうち着色加工していないアルミニウム製, アルミニウム合金製及びステンレス鋼製の容器, 液化石油ガスを充塡するための容器並びに圧縮天然ガス自動車燃料装置用容器にあってはこの限りでない 46 高圧ガス

375 高圧ガス保安法の基礎シリーズ 3 高圧ガスの種類 酸素ガス水素ガス液化炭酸ガス液化アンモニア液化塩素アセチレンガスその他の種類の高圧ガス 塗色の区分 黒色赤色緑色白色黄色褐色ねずみ色 二 容器の外面に次に掲げる事項を明示するものとする イ 充塡することができる高圧ガスの種類ロ 充塡することができる高圧ガスが可燃性ガス及び毒性ガスの場合にあっては, 当該高圧ガスの性質を示す文字 ( 可燃性ガスにあっては 燃, 毒性ガスにあっては 毒 ) 三 容器の外面に容器の所有者 ( 当該容器の管理業務を委託している場合にあっては容器の所有者又は当該管理業務の受託者 ) の氏名又は名称, 住所及び電話番号を告示で定めるところに従って明示するするものとする ただし, 次のイ及びロに掲げる容器にあってはこの限りでない 第 1 項 3 号イ, ロ及び 2 項から 5 項は省略 容器の取扱い ラム毎平方センチメートルになっているかを確認することも重要です 液化ガスにあっては, 容器則第 22 条に示す式により得られる質量以下にしなければならないのですが, これを超えて充塡すると液膨張により 40 以下で満液になるおそれがあります このため, 容器内が満液になるまでは, 温度上昇しても充塡したガスの蒸気圧までの圧力となりますが, 満液後にさらに温度上昇すると, 液体が非圧縮性であることから, 異常に高圧になり容器の破裂を招くことが考えられることから過充填は避けなければなりません 容器則第 22 条の式 G = V/C G: 液化ガスの質量 ( 単位 :kg) V: 容器の内容積 ( 単位 : リットル ) C: 容器則で定める数値又は定数 このようにして高圧ガスを充塡する容器も高圧ガスの種類ごとの需給状況等により充塡する高圧ガスの種類や圧力の変更を必要とすることがあります このときは, 高圧ガス保安法では第 54 条により変更する旨の申請をすることが必要です このように容器検査に合格し, 所定の刻印が表示された容器は, 検査に合格し所定の刻印がされた附属品 ( 弁等 ) を装置することにより, 高圧ガスを充塡することができます 容器の破裂事故を防止するためには, 適切な附属品が装置されていること, 充塡する高圧ガスが刻印されている種類と一致していることが要件となります さらに, 圧縮ガスにあっては, FP で示される最高充塡圧力以下に充塡しなければならないのですが, 刻印の単位がメガパスカルとなっているかキログ 法 ( 容器に充塡する高圧ガスの種類又は圧力の変更 ) 第 5 4 条容器の所有者は, その容器に充塡しようとする高圧ガスの種類又は圧力を変更しようとするときは, 刻印等をすべきことを経済産業大臣, 協会又は指定容器検査機関に申請しなければならない 2 経済産業大臣, 協会又は指定容器検査機関は, 前項の規定による申請があった場合において, 変更後においてもその容器が第 44 条第 4 項の規定に適合すると認めるときは速やかに, 刻印等をしなければならない この場合において経済産業大臣, 協会又は Vol.55 No.4(2018) 47

376 指定容器検査機関は, その容器にされていた刻印等を抹消しなければならない 3 第 1 項の規定による申請をした者は, 前項の規定による刻印等がされたときは, 遅滞なく, 経済産業省令で定めるところにより, その容器に, 第 46 条第 1 項に規定する表示をしなければならない このような圧力等の変更は, 容器検査や再検査において合格しなかった場合にも行われることがありますが, 変更しても合格しなかった容器が, 容器として使用可能な状態で保管されていると誤って高圧ガスが充塡され, 破裂等の事故を誘発することがあります そこで高圧ガス保安法第 56 条では, このような容器は容器として使用できないよう措置 ( くず化 ) しなければならない旨規定されています 法 ( くず化その他の処分 ) 第 5 6 条経済産業大臣は, 容器検査に合格しなかった容器がこれに充塡する高圧ガスの種類又は圧力を変更しても第 44 条第 4 項の規格に適合しないと認めるときは, その所有者に対し, これをくず化し, その他の容器として使用することができないよう処分することを命ずることができる 2 協会又は指定容器検査機関は, その行う容器検査に合格しなかった容器がこれに充塡する高圧ガスの種類又は圧力を変更しても第 44 条第 4 項の規格に適合しないと認めるときは, 遅滞なく, その旨を経済産業大臣に報告しなければならない 3 容器の所有者は, 容器再検査に合格しなかった容器について 3 月以内に第 54 条第 2 項の規定による刻印等がされなかったとき は, 遅滞なく, これをくず化し, その他容器として使用することができないように処分しなければならない ( 第 4 項は省略 ) 5 容器又は附属品の廃棄をする者は, くず化し, その他容器又は附属品として使用することができないように処分しなければならない 容器は高圧ガスを消費する場所への輸送に便利である反面, 消費する場所の周辺の状況によっては, 公共の安全を損なう可能性をはらんでいます そのため, 容器は容器の製造時から容器を用途廃止するまで, まさに ゆりかごから墓場まで 法の監視下におかれています 容器製造時から使用時においては法の狙いに沿って取り扱われていると思われますが, 終末期における容器は必ずしも沿っているとはいえません 現に表に示すとおり, 多くの放置容器が回収され, さらには回収されることなくスクラップ工場へ持ち込まれ, あわや大惨事となるケースもあります このように容器が適切にくず化されずに放置される原因には, 高圧ガスを容器と共に売るとき, 購入者に対し, 容器を使用しなくなったときの容器の処分についての教育が十分できていないことによるものと考えられます また, 販売店が容器の所有権を持ったまま高圧ガスのみを消費者に販売した場合に放置容器が出るということは, 販売店による容器管理が不十分なことによるものと考えられます 表 5 年度 H24 H25 H26 H27 H28 一般ガス 1,926 2,046 1, 814 2, 146 3, 269 ( 出典 :KHK 作成 ) 48 高圧ガス

377 高圧ガス保安法の基礎シリーズ 最後に高圧ガスを充塡するために製造され る容器が, 厳密かつ適切な管理により製造され, その容器を使用する高圧ガス販売店や消 費者が法に則って取扱うことにより, 高圧ガス容器に起因して公共の安全が損なわれることのないことを期待します 山田孝志 ( やまだたかし ) MPC Vol.55 No.4(2018) 49